JP2007253305A - フライスカッター及びインサート - Google Patents

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Abstract

【課題】正面切刃の切り込み角度を一定に保持したままでインサートの位置調整が容易、かつ、確実に行うことができ、高い切刃振れ精度を得ることができるフライスカッターを提供する。
【解決手段】軸線回りに回転される円盤状の工具本体11の先端部外周に形成された凹部13に取付座14が備えられ、取付座14に、切刃を有するインサート30が着脱自在に装着されるフライスカッター10であって、工具本体11には、インサート30を移動させて前記軸線方向の位置を調整するための調整部材19が備えられるとともに、取付座14には、インサート30のクランプ面40を押圧する押圧面が形成されたクランプ部材20と、クランプ部材20を工具本体11側に押圧してインサート30を固定する固定ネジ26と、固定ネジ26を緩めた際にクランプ部材20を前記押圧面がクランプ面40を押圧する方向へと付勢する付勢部材25とが備えられていることを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、工具本体の先端部外周に複数のインサートが着脱可能に装着されたフライスカッター及びこのフライスカッターに装着されるインサートに関するものである。
従来、被切削材に平面加工を施す切削工具として、複数のインサートが装着されたフライスカッターが使用されている。この種のフライスカッターにおいては、円盤状の工具本体の先端部外周に形成された多数の凹部及び取付座に、超硬合金等の硬質材料よりなるインサートが着脱可能に装着されており、工具本体をその軸線回りに高速回転するとともに軸線と交差する方向に送りを与えることにより、インサートの工具本体径方向外側に向けられた外周切刃と工具本体先端側に向けられた正面切刃とによって被切削材を切削するものである。
ところで、多数のインサートを備えたフライスカッターでは、各インサートの切刃が工具本体の軸線回りに描く回転軌跡が一致するように、各インサートが取り付けられていなければならない。すなわち、このフライスカッターには、切刃の振れ出し量が同一となるように、高い切刃振れ精度が備わっていなければならない。前記フライスカッターにおいて切刃の振れ出し量が異なっている場合には、振れ出し量の大きい切刃が優先的に磨耗してしまうため、インサートの交換頻度が多くなるとともに、被切削材の仕上げ面が波打ち、面粗度が劣化するといった問題があった。
そこで、従来のフライスカッターにおいては、仕上げ面の面粗度を向上させるために、フライスカッターに装着された多数のインサートのうちの一部をワイパー刃(さらい刃)とする手段が提供されているが、ワイパー刃を備えたフライスカッターでは、ワイパー刃のみが切削する部分が多くなり、このワイパー刃が優先的に磨耗するため、インサートの交換頻度が多くなるといった問題があった。
そこで、このようなフライスカッターにおいては、インサートの工具本体軸線方向の位置を移動させ、各切刃の振れ出し量を調整するための調整機構を備えたものが提案されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1に開示されたフライスカッターは、工具本体の先端部外周に複数の凹部が形成され、凹部の工具回転方向後方側にインサートの取付座が形成されており、この取付座の工具回転方向前方側を向く壁面に、四角形平板状をなすインサートが着座される。取付座の工具回転方向前方側にはクサビ部材が挿入されており、このクサビ部材の工具回転方向後方側を向く面と取付座の工具回転方向前方側を向く壁面とによってインサートが挟持されて固定されている。
この取付座の工具本体後端側に、インサートの位置を調整するための調整クサビが備えられている。また、工具本体の底面からこの調整クサビの位置を固定するための固定ネジが螺着されている。
この構成のフライスカッターにおいては、固定クサビを抜き出してインサートを移動可能な状態とし、調整クサビを挿入することによりインサートの工具本体後端側を向く面を押圧して、インサートの位置を移動させて切刃の振れ出し量を調整するものである。
実用新案登録第1854538号公報
ところで、前記構成のフライスカッターにおいては、切刃の振れ調整を行うために固定クサビを抜き出した際に、インサートの位置が大きくずれてしまうおそれがあった。
また、固定クサビを抜き出した状態ではインサートは全く固定されていないため、調整クサビによってインサートの工具本体後端側を向く面を押圧した際に、インサートが調整方向以外の方向へずれてしまうおそれがあり、複数の切刃の振れ調整を精度良く、かつ、効率的に行うことができなかった。
また、インサートが取付座の工具回転方向前方側を向く壁面の上で回転してしまった場合には、正面切刃の切り込み角度が、各インサートによってばらついてしまうので、インサートを取り付け直す必要があった。
このように、従来のフライスカッターにおいては、切刃の振れ出し量を調整するのに多大な時間と労力を必要としていた。
本願発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、正面切刃の切り込み角度を一定に保持したままでインサートの位置調整を容易、かつ、確実に行うことができ、高い切刃振れ精度を得ることができるフライスカッター及びこのフライスカッターに装着されるインサートを提供することを目的とする。
この課題を解決するために、本発明に係るフライスカッターは、軸線回りに回転される円盤状の工具本体の先端部外周に形成された凹部に取付座が備えられ、該取付座に、切刃を有するインサートが着脱自在に装着されるフライスカッターであって、前記工具本体には、前記インサートを移動させて前記軸線方向の位置を調整するための調整部材が備えられるとともに、前記取付座には、前記インサートのクランプ面を押圧する押圧面が形成されたクランプ部材と、該クランプ部材を前記工具本体側に押圧して前記インサートを固定する固定ネジと、前記固定ネジを緩めた際に前記クランプ部材を前記押圧面が前記クランプ面を押圧する方向へと付勢する付勢部材とが備えられていることを特徴としている。
この構成のフライスカッターにおいては、取付座にクランプ部材とこのクランプ部材を工具本体側に押圧する固定ネジとが備えられているので、固定ネジをねじ込むことでクランプ部材によってインサートのクランプ面を押圧して固定することができる。また、クランプ部材にインサートを押圧する押圧面が形成されるとともに、前記固定ネジを緩めた際に前記押圧面が前記クランプ面を押圧する方向へと付勢する付勢部材が備えられているので、切刃の振れ調整を行うために固定ネジを緩めた際に、付勢部材によってインサートが押圧されることになり、インサートの位置ずれを防止できる。このように付勢部材によってインサートが押圧された状態で、工具本体に設けられた調整部材によってインサートを移動させて位置調整を行うことができ、切刃の振れ調整を簡単にかつ確実に行うことができる。
ここで、前記押圧面を、前記インサートの移動方向に沿って延びるように形成することにより、調整部材によってインサートの位置調整を行う際に、インサートがこの押圧面に沿って移動することになり、インサートが回転したり位置ずれしたりすることを確実に防止でき、正面切刃のディッシュ角を確実に保持したまま切刃の振れ調整を行うことができる。
また、前記押圧面を、前記固定ネジに近接するにしたがい漸次前記固定ネジのねじ込み方向に向かうように傾斜した傾斜面とすることにより、付勢部材によって押圧面を確実にインサートへ押圧させることができ、固定ネジを緩めた際にインサートをより強固に保持することができる。
さらに、前記調整部材を、前記インサートの前記工具本体後端側を向く面を押圧する調整ネジとし、前記調整ネジを、前記インサートの移動方向に対して傾斜する方向に配置することにより、インサートの位置調整を調整ネジのネジピッチよりも小さなピッチで調整することができ、切刃の振れ調整を精度良く行うことができる。例えば、インサートの移動方向に対して調整ネジが角度θで配置している場合には、ネジピッチPとするとインサート移動方向のピッチはP×cosθとなり、ネジピッチPよりも小さなピッチでインサートの位置調整を行うことができる。
また、前記インサートとして、長尺棒状をなし、その先端に立方晶窒化硼素焼結体で構成された前記切刃を備えた切刃部が形成され、該切刃部の後端側に前記クランプ面が形成されているものを使用することにより、前記クランプ面とクランプ部材の押圧面とが摺接した状態でインサートの位置調整を行うことになり、切刃の振れ調整を簡単に行うことができる。また、切刃が、硬質で耐磨耗性に優れた立方晶窒化硼素焼結体(CBN:Cubic Boron Nitride)で構成されているので、この切刃の耐磨耗性が向上し、インサートの寿命延長を図ることができる。
また、前記切刃部に正面切刃と外周切刃とを形成し、これら正面切刃と外周切刃との交差部分にコーナ部を設けることにより、このインサートの刃先強度を向上させることができ、切削時の切削抵抗によって切刃が欠損することを防止できる。さらに、コーナ部を形成することにより、正面切刃及び外周切刃の再研磨が容易となり、このインサートのさらなる寿命延長を図ることができる。
本発明によれば、正面切刃の切り込み角度を一定に保持したままでインサートの位置調整が容易、かつ、確実に行うことができ、高い切刃振れ精度を得ることができるフライスカッター及びこのフライスカッターに装着されるインサートを提供することができる。
本発明の実施の形態について添付した図面を参照して説明する。
図1から図5に本発明の実施形態であるフライスカッターを示す。図6から図8に前記フライスカッターに装着されるインサートを示す。
フライスカッター10は、鋼材等で構成されて外形が概略円盤状をなす工具本体11を有しており、工具本体11がなす円盤の中央部には、工具本体11をアダプタを介して工作機械の主軸端等に取り付けるための取付孔12が、工具本体11の軸線Oに沿うように形成されている。
この工具本体11の先端側外周部には、工具本体11の外周面及び先端面に開口するように複数の凹部13が形成されており、さらにこれらの凹部13の工具回転方向T後方側には、それぞれ取付座14が設けられている。本実施形態では、図2に示すように、8つの凹部13及び取付座14が、周方向に間隔をあけるようにして設けられている。
取付座14の工具回転方向T前方側を向く壁面が第1取付面14Aとされており、この第1取付面14Aは、図3に示すように、工具本体11後端側に向かうにしたがい工具回転方向T後方側に後退するように傾斜させられている。また、取付座14の工具本体11径方向外側を向く壁面が第2取付面14Bとされ、この第2取付面14Bは、図4に示すように、工具本体11径方向内側に向けて一段凹むように形成されている。
また、取付座14の工具回転方向T前方側には、インサート30をクランプして固定するためのクランプ部材20を収容するための切欠部15が形成され、この切欠部15の工具本体11径方向外側を向く壁面には固定ネジ孔16が穿設されている。この固定ネジ孔16の工具回転方向T前方側には、この固定ネジ孔16と平行に延びるように収容孔17が形成されている。つまり、工具回転方向T前方側から順に、収容孔17、固定ネジ孔16、取付座14が並ぶように配置されているのである。
また、各取付座14の工具本体11後端側には、工具本体11後端側から取付座14へと貫通するように調整ネジ孔18が穿設されており、この調整ネジ孔18に調整ネジ19が螺着されている。調整ネジ孔18は、前記第1取付面14A及び第2取付面14Bに対して傾斜するように配置されており、本実施形態では、図3に示すように、工具本体11先端側に向かうにしたがい工具回転方向T後方側へと向かうように配置されている。本実施形態では、この調整ネジ孔18の延びる方向と第1取付面14Aが延びる方向とが角度θで交差するように構成されている。
また、調整ネジ19の先端は、先端側に向かうにしたがい外径が小さくなるようなテーパ面19Aが形成されている。
次に、前記切欠部15に収容されるクランプ部材20について説明する。クランプ部材20は、図3及び図4に示すように、一端側が方形状とされるとともに他端側が半円状とされた概略平板状をなしており、その中央部分には、厚さ方向に貫通したネジ挿通孔21が形成されている。ネジ挿通孔21は、固定ネジ26の外径(後述する連結部29の外径)よりも僅かに大きな内径とされており、このクランプ部材20を前記切欠部15に収容した状態において、工具本体11径方向外側に配置される部分には、工具本体11径方向外側に向けて開口した座ぐり部22が形成されている。
クランプ部材20の一端側には、後述するインサート30を押圧する押圧面23が形成されている。クランプ部材20を切欠部15に収容した状態において、前記押圧面23は、工具回転方向T前方側に向かうにしたがい漸次工具本体11径方向内側に向かうような傾斜面とされている。つまり、固定ネジ26に近づくにしたがい固定ネジ26のねじ込み方向に向かうような傾斜面とされているのである。また、この押圧面23は、第1取付面14Aと第2取付面14Bとの交線が延びる方向に対して平行に配置されている。
クランプ部材20の他端側は一段肉厚とされており、この他端側には、クランプ部材20を切欠部15に収容した状態において、前記収容孔17に対向して同軸に開口する受け孔24が形成され、これら収容孔17と受け孔24とにクランプ部材20の他端側を工具本体11径方向外側へと付勢する付勢部材としてコイルバネ25が圧縮された状態で収容されて配置されている。つまり、ネジ挿通孔21を挟んで一端側に押圧面23が、他端側にコイルバネ25が配置されているのである。
また、ネジ挿通孔21に挿通される固定ネジ26は、先端側に雄ネジ部27が形成され、後端に雄ネジ部27よりも大径とされた頭部28が形成されており、これら頭部28と雄ネジ部27との間には、外周面にねじ山が形成されていない連結部29が設けられている。
次に、取付座14に装着されるインサート30について説明する。インサート30は、例えば超硬合金等の硬質材料からなり、外形が概略四角柱状(長尺棒状)をなすインサート本体31を有している。このインサート本体31の先端側(図6及び図7において下側)には、CBNで構成された切刃チップ32を備えた切刃部33が形成されている。本実施形態では、切刃チップ32は平板状をなしており、このインサート30のすくい面34に積層されるようにしてインサート本体31に貼設されている。
この切刃部33の先端側辺稜部に正面切刃35が形成され、切刃部33の一側面側辺稜部に外周切刃36が形成されており、これら正面切刃35及び外周切刃36の交差部分にはコーナ部37が形成されている。なお、本実施形態では、このコーナ部37と正面切刃35とがなす角度、いわゆるコーナ角βは45°とされている。また、正面切刃35に連なる切刃部33の先端面は、正面切刃35から離れるにしたがい漸次後方側に後退するように傾斜させられた正面逃げ面38とされている。また、外周切刃36に連なる切刃部33の側面も、外周切刃36から離れるにしたがい漸次インサート本体31の内側に後退するように傾斜させられた外周逃げ面39とされている。
そして、切刃部33の後端側部分には、前記クランプ部材20の押圧面23に押圧されるクランプ面40が形成されている。このクランプ面40は、インサート本体31がなす四角柱の一つの角部を切り落とすようにして形成されており、切刃部33の後端側からインサート本体31の後端面にまで達するように形成されている。なお、本実施形態では、切刃部33において、外周切刃36が形成されている部分に相当するインサート本体31の角部が切り落とされてクランプ面40が形成されており、クランプ面40は、外周切刃36と略平行に、かつ、インサート本体31の延びる方向に対して平行となるように配置されている。
また、インサート30の後端面には、前記調整ネジ19の先端に形成されたテーパ面19Aが当接されるネジ受け部41が形成されている。
このようなインサート30が、以下のようにして、工具本体11の取付座14に装着されて、フライスカッター10が構成されることになる。
インサート30を、すくい面34が工具回転方向T前方側を向くように、かつ、外周切刃36が工具本体11径方向外側を向くようにして、前記取付座14に載置する。つまり、前記インサート30のすくい面34とは反対側の面を取付座14の第1取付面14Aに当接するように、かつ、外周切刃36に連なる側面とは反対側の面を取付座14の第2取付面14Bに当接するようにして、インサート30を取付座14に載置する。
そして、クランプ部材20の他端側の受け孔24内に配置されたコイルバネ25を工具本体11に穿設された収容孔17に配置するとともにクランプ部材20の一端側の押圧面23をインサート30のクランプ面40と密着するようにして、クランプ部材20を切欠部15に配置する。この状態で、クランプ部材20のネジ挿通孔21に固定ネジ26を挿通して、切欠部15の工具本体11径方向外側を向く壁面に穿設された固定ネジ孔16にねじ込むことにより、固定ネジ26の頭部28が座ぐり部22を押圧し、クランプ部材20が工具本体11側へと押圧され、クランプ部材20の押圧面23によってインサート30を工具本体11側に向けて押圧して固定することになる。このとき、コイルバネ25は、クランプ部材20によって強く圧縮されて弾性変形させられ、収容孔17と受け孔24とに収容されている。
このようにインサート30を固定することによって、インサート30の正面切刃35及び外周切刃36は、図5に示すように配置される。すなわち、外周切刃36が軸線Oと略平行に配置されるとともに、正面切刃35が軸線Oに直交する水平面に対して切り込み角αとなるように配置される。なお、本実施形態では、正面切刃35の切り込み角(いわゆるディッシュ角)αは、α=5°に設定されている。
このようにして構成されたフライスカッター10は、工具本体11の取付孔12に取付ボルトが挿通されて、該取付ボルトの先端がアダプタにねじ込まれることによって、工具本体11がアダプタに接続され、工具本体11はアダプタを介して工作機械の主軸端に取り付けられ、軸線Oを中心として工具回転方向Tに高速回転されるとともに、軸線Oと交差する方向に送りを与えられることにより、インサート30の工具本体11径方向外側に向けられた外周切刃36と工具本体11先端側に向けられた正面切刃35によって被切削材を切削する。
この構成のフライスカッター10においては、切刃の振れ調整は、固定ネジ26を緩めた状態で調整ネジ19をねじ込むことにより行う。
固定ネジ26を緩めると、圧縮されていたコイルバネ25が弾性復帰しようとしてクランプ部材20の他端側を工具本体11径方向外側へと付勢する。すると、固定ネジ26を支点としてクランプ部材20が固定ネジ26とネジ挿通孔21との空隙分だけ傾いて、クランプ部材20の一端側に形成された押圧面23が工具本体11側に向けて付勢される。よって、押圧面23がインサート30のクランプ面40を押圧することになり、インサート30の位置が保持される。この状態で調整ネジ19をねじ込んでインサート30のネジ受け部41を押圧することにより、インサート30は第1取付面14A及び第2取付面14Bに沿って工具本体11先端側に向けて移動することになる。
このように、本実施形態であるフライスカッター10によれば、切刃の振れ調整を行うために固定ネジ26を緩めた場合でも、コイルバネ25による付勢によってインサート30の位置が保持され、インサート30の位置ずれが生じることを防止できる。この状態でインサート30を調整ネジ19で押圧することによって切刃の振れ調整を確実にかつ簡単に行うことができる。
また、固定ネジ26をねじ込んだ場合には、コイルバネ25が圧縮変形させられて収容孔17に収容されるとともに、クランプ部材20の押圧面23によってインサート30を工具本体11側へと強固に押圧でき、インサート30を確実に固定することができる。さらに、本実施形態では、押圧面23によってインサート30が第1取付面14A及び第2取付面14Bにそれぞれ密着するように押圧されるので、インサート30をより強固に固定することができる。
また、クランプ部材20の押圧面23が、取付座14の第1取付面14Aと第2取付面14Bとの交線が延びる方向、つまり、インサート30の移動方向に対して平行に配置されているので、コイルバネ25によってインサート30が固定されている状態でもインサート30を移動させることができ、インサート30の位置調整を確実に行うことができる。また、この押圧面23に沿ってインサート30が移動することにより、インサート30が第1取付面14A上で回転することがなく、正面切刃35の切り込み角(ディッシュ角)αを一定に保持した状態でインサート30の位置調整を行うことができ、切刃の振れ調整を簡単に行うことができる。
また、押圧面23が、工具回転方向T前方側に向かうにしたがい漸次工具本体11径方向内側に向かうような傾斜面とされているので、コイルバネ25がクランプ部材20の他端側を工具本体11径方向外側に向けて付勢した際に、押圧面23が工具本体11側に向けて付勢されてインサート30を確実に押圧することができ、固定ネジ26を緩めた際のインサート30の位置ずれをさらに確実に防止できる。
また、調整ネジ孔18の延びる方向が、第1取付面14Aが延びる方向、つまりインサート30の移動方向と角度θで交差するように配置され、この調整ネジ孔18に調整ネジ19が螺着されているので、調整ネジ19のネジピッチをPとした場合にはインサート30移動方向のピッチはP×cosθとなり、インサート30の位置調整を調整ネジ19のネジピッチよりも小さなピッチで調整することができる。したがって、切刃の振れ調整をさらに精度良く行うことができる。
また、インサート30の切刃部33にCBNで構成された切刃チップ32が貼設されて正面切刃35及び外周切刃36が形成されているので、これら正面切刃35及び外周切刃36の耐磨耗性が向上し、インサート30の寿命延長を図ることができる。また、平板状をなす切刃チップ32がすくい面34に積層するように配置されているので、すくい面34もCBNで構成され、すくい面34の磨耗も防止することができる。
また、正面切刃35と外周切刃36との交差部分にコーナ部37が形成され、このコーナ部37と正面切刃35とがなすコーナ角が45°とされているので、このインサート30の刃先強度が向上して切削時の切削抵抗による正面切刃35及び外周切刃36の欠損を防止できる。さらに、コーナ部37が形成されているので、外周逃げ面39に沿って研磨することにより外周切刃36の再研磨ができ、正面逃げ面38に沿って研磨することにより正面切刃35の再研磨を行うことができる。したがって、これら外周切刃36及び正面切刃35の再研磨が容易となり、このインサート30のさらなる寿命延長を図ることができる。
以上、本発明の実施形態であるフライスカッターについて説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態においては、頭部を有する固定ネジによってクランプ部材を固定するものとして説明したが、これに限定されることはなく、例えば、固定ネジをダブルスクリュー型として、クランプ部材のネジ挿通孔に雌ネジ部を形成したものであってもよい。この場合には、雄ネジ部と雌ネジ部の間の空隙分だけ付勢部材によってクランプ部材が付勢され、インサートの位置を保持することになる。
また、固定ネジ孔を工具本体径方向外側を向く壁面に穿設したものとして説明したが、例えば固定ネジ孔を工具回転方向T前方側を向く壁面に穿設してクランプ部材を押圧するものとしてもよい。
さらに、凹部及び取付座の数や配置には制限はなく、被切削材の材質、形状等を考慮して適宜設定することが好ましい。
また、コーナ角、ディッシュ角は本実施形態に限定されることはなく、適宜設定することができる。
本発明の実施形態であるフライスカッターの側面断面図である。 図1に示すフライスカッターの底面図である。 図1に示すフライスカッターの取付座の側面拡大図である。 図3におけるX−X断面図である。 図3に示す取付座に装着したインサートを工具回転方向から見た図である。 本実施形態であるフライスカッターに装着されるインサートの正面図である。 図6におけるY方向矢視図である。 図6におけるZ方向矢視図である。
符号の説明
10 フライスカッター
11 工具本体
13 凹部
14 取付座
19 調整ネジ(調整部材)
20 クランプ部材
23 押圧面
25 コイルバネ(付勢部材)
26 固定ネジ
30 インサート
33 切刃部
35 正面切刃
36 外周切刃
37 コーナ部
40 クランプ面

Claims (6)

  1. 軸線回りに回転される円盤状の工具本体の先端部外周に形成された凹部に取付座が備えられ、該取付座に、切刃を有するインサートが着脱自在に装着されるフライスカッターであって、
    前記工具本体には、前記インサートを移動させて前記軸線方向の位置を調整するための調整部材が備えられるとともに、
    前記取付座には、前記インサートのクランプ面を押圧する押圧面が形成されたクランプ部材と、該クランプ部材を前記工具本体側に押圧して前記インサートを固定する固定ネジと、前記固定ネジを緩めた際に前記クランプ部材を前記押圧面が前記クランプ面を押圧する方向へと付勢する付勢部材とが備えられていることを特徴とするフライスカッター。
  2. 前記押圧面は、前記インサートの移動方向に沿って延びるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のフライスカッター。
  3. 前記押圧面は、前記固定ネジに近接するにしたがい漸次前記固定ネジのねじ込み方向に向かうように傾斜した傾斜面とされていることを特徴する請求項1または請求項2に記載のフライスカッター。
  4. 前記調整部材は、前記インサートの前記工具本体後端側を向く面を押圧する調整ネジとされ、前記調整ネジは、前記インサートの移動方向に対して傾斜する方向に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のフライスカッター。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載のフライスカッターに装着されるインサートであって、
    外形が長尺棒状をなし、その先端に立方晶窒化硼素焼結体で構成された前記切刃を備えた切刃部が形成され、該切刃部の後端側に前記クランプ面が形成されていることを特徴とするインサート。
  6. 前記切刃部には、正面切刃と外周切刃とが形成され、これら正面切刃と外周切刃との交差部分にコーナ部が設けられていることを特徴とする請求項5に記載のインサート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023188120A1 (ja) * 2022-03-30 2023-10-05 本田技研工業株式会社 切削用工具

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