JP2007253096A - α,β−不飽和エーテル製造用触媒およびそれを用いたα,β−不飽和エーテルの製造方法 - Google Patents

α,β−不飽和エーテル製造用触媒およびそれを用いたα,β−不飽和エーテルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】効率的かつ長時間にわたって安定的にα,β-不飽和エーテルを製造するのに好
適な触媒、および該触媒を用いたα,β-不飽和エーテルの製造方法を提供する。
【解決手段】(A)50〜99.999質量%の量の硫酸塩と、(B)0.001〜50質量%の量であり、最高酸強度値が+3.3<H(Hはハメット酸強度)である結合剤とからなるα,β-不飽和エーテル製造用触媒、ならびに該触媒の存在下、アセタール
を熱分解させることを特徴とするα,β-不飽和エーテルの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、α,β-不飽和エーテル製造用触媒およびそれを用いたα,β-不飽和エーテルの製造方法に関する。より詳しくは、アセタールの熱分解反応によりα,β-不飽和エ
ーテルを製造する際に用いられる、特定の量の硫酸塩および特定の最高酸強度値を有する結合剤からなる触媒、ならびにこの触媒の存在下、アセタールを熱分解してα,β-不飽
和エーテルを製造する方法に関する。
α,β-不飽和エーテルは、単独重合またはその他の共重合しうる物質との共重合によ
って、その重合体が各種合成樹脂、接着剤、潤滑油の原料となり、また、医薬、農薬、香料等の中間体として工業上重要な物質となる。このα,β-不飽和エーテルの製造方法の
1つとして、アセタールを熱分解して製造する方法が一般的に知られている。通常、この熱分解反応には触媒が使用される。
そのような触媒の例として、イオン化傾向が水素よりも大きい金属の硫酸塩を単独で用いた触媒、または該金属硫酸塩をアルミナ、シリカゲルなどの各種固状の担体に担持させた触媒が開示されている(特許文献1参照)。該文献に前者の態様として具体的に開示されているのは硫酸バリウムや硫酸ストロンチウム等を用いた触媒であるが、この触媒は強度が不十分であった。そのため、長時間にわたり使用を継続すると徐々に触媒が破砕するため、触媒の性能が低下したり、流通経路の閉塞等が発生したりして反応運転が難しくなるという問題点があった。一方、後者の態様として具体的に開示されているのは、硫酸マンガンや硫酸ニッケル等をアルミナに担持させた触媒であり、原料の転化率については比較的高い触媒性能を示すものの、選択率についてはなお不十分な場合があった。
そのほかの触媒の例として、ハメット酸強度(H)を規定したシリカ(シリカゲル)が反応触媒として開示されており、該触媒を用いたビニルエーテルの製造方法が記載されている(特許文献2参照)。この方法によれば、コークの析出が抑制されて触媒寿命が比較的長くなり、効率的にしかも安定的にビニルエーテルを製造することができるものの、触媒としての転化率・選択率・収率が十分ではなく、更なる触媒性能の向上が求められていた。
さらに、硫酸ナトリウムの含量が0.05〜5.0質量%である硫酸ナトリウム/シリカ/リン酸リチウムからなるα,β-不飽和エーテル製造用触媒が開示されているが(特
許文献3参照)、触媒性能はいまだ不十分であった。
したがって、高い触媒性能と長い触媒寿命との両者を同時に満足し、効率よく、安定的にα,β-不飽和エーテルを製造できる反応触媒が望まれていた。
特公昭41−5376号公報 特開平9−100251号公報 特開昭57−185232号公報
本発明は、効率的かつ長時間にわたって安定的にα,β-不飽和エーテルを製造するの
に好適な触媒、および該触媒を用いたα,β-不飽和エーテルを製造する方法を提供する
ことを課題としている。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の量の硫酸塩および特定の最高酸強度値を有する結合剤からなる触媒系が、高い触媒活性と選択性、長い触媒寿命を共に有しており、これを反応触媒として使用することにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の事項に関する。
[1](A)50〜99.999質量%の量の硫酸塩と、(B)0.001〜50質量%
の量であり、最高酸強度値が+3.3<H(Hはハメット酸強度)である結合剤とからなることを特徴とするα,β-不飽和エーテル製造用触媒。
[2](A)50〜99.999質量%の量の硫酸塩と、(B)0.001〜50質量%の量であり、最高酸強度値が+3.3<H(Hはハメット酸強度)である結合剤とからなる触媒の存在下、アセタールを熱分解させることを特徴とするα,β-不飽和エーテ
ルの製造方法。
[3]前記結合剤(B)の最高酸強度値が+4.0<H≦+6.8(Hはハメット酸強度)であることを特徴とする上記[2]に記載のα,β-不飽和エーテルの製造方法。
[4]前記硫酸塩(A)がアルカリ土類金属の硫酸塩であることを特徴とする上記[2]に記載のα,β-不飽和エーテルの製造方法。
[5]前記硫酸塩(A)がアルカリ土類金属の硫酸塩であることを特徴とする上記[3]に記載のα,β-不飽和エーテルの製造方法。
なお、本明細書において、アセタールとは、アルデヒドから誘導されるアセタールに加えて、ケトンから誘導されるアセタール(すなわちケタール)をも含む広義の意味である。
本発明に係るα,β-不飽和エーテル製造用触媒は、充分な触媒強度を有するため、長
時間の運転にも触媒破砕等の問題を起こすことなく、高い触媒活性と選択性を保持することができる。また、該触媒を用いた本発明に係る製造方法によれば、反応原料として使用するアセタールの種類によらず、長時間にわたって高い触媒活性と選択性を保持する触媒を使用しているため、効率的かつ安定的にα,β-不飽和エーテルを製造することができ
る。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明に係るα,β-不飽和エーテルの製造用触媒は、特定の量の硫酸塩 (以下、硫酸
塩(A)ともいう)と、特定の量および特定の最高酸強度値を有する結合剤(以下、結合
剤(B)ともいう)とからなる。
本発明に係るα,β-不飽和エーテルの製造用触媒の構成要素の一つである硫酸塩(A
)は、触媒中に50〜99.999質量%、好ましくは80〜99.999質量%、より好ましくは90〜99.999質量%の量で含まれる。
硫酸塩(A)は、特に限定されないが、具体的には例えば、硫酸リチウムLi2SO4、硫酸ナトリウムNa2SO4、硫酸カリウムK2SO4などのアルカリ金属の硫酸塩;硫酸マグネシウムMgSO4、硫酸カルシウムCaSO4、硫酸ストロンチウムSrSO4、硫酸バリウムBaSO4などのアル
カリ土類金属の硫酸塩;硫酸ランタンLa2(SO4)3、硫酸チタニウムTi(SO4)2、硫酸クロムCr2(SO4)3、硫酸マンガンMnSO4、硫酸ニッケルNiSO4、硫酸鉄(II)FeSO4、硫酸鉄(III)Fe3(SO4)2、硫酸銅CuSO4、硫酸亜鉛ZnSO4、硫酸ジルコニウムZr(SO4)2などのその他の金属
の硫酸塩などが挙げられる。これらの硫酸塩は単独で用いても良いし、複数の硫酸塩を混合して使用しても良い。
前記硫酸塩(A)のうち、アルカリ金属の硫酸塩、アルカリ土類金属の硫酸塩またはこれらの水和物、あるいはこれらの混合物が好適であり、特にアルカリ土類金属の硫酸塩またはこれらの水和物、あるいはこれらの混合物が好適である。
本発明に係るα,β-不飽和エーテルの製造用触媒のもう一つの構成要素である結合剤
(B)は、触媒中に0.001〜50質量%、好ましくは0.001〜20質量%、より好ましくは0.001〜10質量%の量で含まれる。
結合剤(B)は、無機系のものと有機系のものがある。無機系の結合剤としては、シリカやアルミナなどのゾル、水ガラス、セッコウ、リン酸塩、セメント、石灰、粘土などが挙げられる。有機系の結合剤としては、ポリビニル、ポリエチレン、メタクリル樹脂、ポリスチレン、ポリエステル、酢酸ビニル樹脂などの熱可塑性樹脂;フェノール樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂;天然ゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレンゴム、アクリロニトリル・スチレンゴムなどのゴム;でん粉、タンパク質、海草、糖、天然ゴム、歴青、セルロースなどが挙げられる。これらの結合剤のうち、耐熱性などの観点から、無機系の結合剤がより好ましい。例えば、シリカやアルミナなどのゾル、水ガラス、セッコウ、リン酸塩などが挙げられる。
本発明で使用される結合剤(B)は、その最高酸強度値が+3.3<H(Hはハメット酸強度)、好ましくは+4.0<H≦+6.8である。この結合剤(B)は、強い表面酸性点(H≦+3.3)を有さず、それ自体ではα,β-不飽和エーテルの製造に
おいて極めて低い反応性しか有しないことが特徴である。
結合剤(B)の最高酸強度値がH≦+3.3であると、強い表面酸点を有することになるので結合剤自体が反応活性点となり、硫酸塩の触媒反応性を損なうばかりでなく、副生物の生成または触媒表面における炭素質(コーク)の析出をも引き起こし、触媒の選択率が低下したり、触媒寿命が短縮したりする恐れがある。
さらに、結合剤(B)の最高酸強度値が+4.0<H≦+6.8であると、高い触媒活性と選択性を保持しうる点で好ましい。
ここでHは、ハメット(Hammett)の酸性強度を表す関数として、以下のように定義される(Studies in surface science and catalysis 51, New Solid Acids and Bases; K.Tanabe, M.Misono, Y.Ono, H.Hattori, Elsevier, 1989)。
= logKa+ log[B]/[BH+] 式(3)
(式(3)中、[B]と[BH+]は、それぞれ、中性塩基(塩基指示薬)とその共役酸の
濃度を、logKaはlogKBH+を表す。)
固体のH0の測定方法を以下に例示する(触媒講座(別巻)「触媒実験ハンドブック」
触媒学会編、講談社サイエンティフィック、170ページ)。まず、50cmの三角フラスコにベンゼンを5〜10cmとり、この中に少量の試料粉末をすばやく投入する。続いて所定の指示薬溶液をpKaの小さいものから順次0.1cm程度添加し、最初に酸
性色を呈した指示薬のpKaから最高酸強度(H0)を決定する。使用可能な指示薬を表1に示す。
Figure 2007253096
結合剤(B)の最高酸強度H0は、後述の[参考例1]および[参考例2]に記載のよ
うに、触媒として使用する場合と同様の処理方法を施した後、上記方法に従って測定する。具体的には、触媒として使用する場合と同様の条件にて乾燥・焼成処理したものを用いて測定する。
すなわち、本明細書において、結合剤(B)の最高酸強度値(H)は、上記方法に従って測定した値を意味する。
硫酸塩(A)と結合剤(B)からなる触媒の調製方法は、結合剤を水などの溶液または懸濁液とし、これに硫酸塩を加えて、加熱下または減圧下、溶媒を留去することで調製できる。
触媒は焼成することにより、安定した組成および構造にすることができる。焼成は、通常の焼成管で行ない、通常、常圧、減圧または0.2MPa以下の加圧下で、窒素などの不活性ガス下で1〜10時間、200℃〜800℃、好ましくは300℃〜800℃の温度範囲で焼成する。
本発明に係るα,β-不飽和エーテルの製造方法は、上記α,β-不飽和エーテル製造用触媒の存在下、アセタールを熱分解させることを特徴としている。ここで、アセタールとは上述したように、狭義のアセタールとケタールとを包含する広義の意味である。
より具体的には、本発明に係るα,β-不飽和エーテルの製造方法は、上記α,β-不飽和エーテル製造用触媒の存在下、下記式(1)で表わされるアセタールを気相中で熱分解し、下記式(2)で表されるα,β-不飽和エーテルを得るものである。
12CH−CR3(OR42 式(1)
12C=C−R3OR4 式(2)
上記式(1)、(2)において、R1、R2、R3はそれぞれ独立に水素原子、アルキル
基、アルケニル基、アリール基を意味する。R4は、アルキル基、アルケニル基、アリー
ル基を意味し、式(1)のようにR4が複数ある場合には、互いに同一であっても異なっ
ていても良い。
上記式(1)で表されるアセタールとしては、具体的には、アセトアルデヒドジメチルアセタール、アセトアルデヒドジエチルアセタール、アセトアルデヒドジn-プロピルア
セタール、アセトアルデヒドジn-ブチルアセタール、アセトアルデヒドジイソブチルア
セタール、アセトアルデヒドジベンジルアセタール、プロピオンアルデヒドジエチルアセタール、ブチルアルデヒドジエチルアセタール、2,2-ジメトキシプロパン、2,2-ジエトキシプロパン、2,2-ジベンジルプロパンなどが挙げられる。
上記式(2)で表されるα,β-不飽和エーテルとしては、具体的には、メチルビニル
エーテル、エチルビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、2-メトキシ-1-プロペン、2-
エトキシ-1-プロペン、2-プロポキシ-1-プロペン、2-ブトキシ-1-プロペンなどが挙げら
れる。
本発明に係るα,β-不飽和エーテルの製造方法では、上記α,β-不飽和エーテル製造用触媒を使用する限り、固定床、流動床いずれの気相流通反応装置を使用してもよい。例えば、10-20メッシュの粒径の触媒を固定床に備えた気相流通反応装置を用いて、求める
α,β-不飽和エーテルを得ることができる。固定床反応管の形状は、縦型、横型いずれ
のものであってもよい。
アセタールの気相における熱分解反応の温度は、原料であるアセタールの種類や触媒との接触時間によっても異なるが、150〜400℃の範囲、好ましくは200〜380℃の範囲である。150℃以上であれば、原料の平衡上充分なアセタールの高い転化率が得られ、400℃以下であれば、副反応がほとんど生ずることなくコークの析出量の増加も抑制できる。反応帯域を上記反応温度範囲内に保持しながら原料アセタールを順次送入することによって、連続操作が可能となる。アセタールを送入する際、このアセタールを予熱しておくのが好ましい。なお、反応時の圧力は、常圧、減圧、加圧のいずれでも可能であるが、常圧以下の圧力にするのが平衡反応的に好ましい。
触媒と接触した後の熱分解生成物中から目的生成物のα,β-不飽和エーテルを分離す
るには、例えば、反応装置から排出するガス状混合物を分別蒸留にかける方法などを用いることができる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、実施例において使用されているアセタール転化率、α,β-不飽和エーテルの選
択率、収率は、以下の式で定義される。
アセタールの転化率(%)=〔(反応したアセタールのモル数)/(反応に供給したアセタールのモル数)〕×100
α,β-不飽和エーテルの選択率(%)=〔(生成したα,β-不飽和エーテルのモル数)/(反応したアセタールのモル数)〕×100
α,β-不飽和エーテルの収率(%)=〔(生成したα,β-不飽和エーテルのモル数)/(反応に供給したアセタールのモル数)〕×100
また、触媒の硬度測定には、(株)シロ産業製木屋式デジタル硬度計(WPFHT-20N)を使
用し、得られた結果を整粒した20個の触媒粒の平均値(kgf)で表した。
[実施例1]
触媒調製:
コロイダルシリカ(日産化学工業(株)製、スノーテックス-S、ナトリウム安定型)を16.7グラム秤量し、蒸留水20mlを加えて希釈した後、硫酸バリウム(純正化学(株)製)45グラムを加え、得られた乳白色懸濁液を室温で60分撹拌した。コロイダルシリカが充分に分散した該懸濁液を、100℃に保持した乾燥機で一晩水分を蒸発させて乾燥させ、白色固体50.0グラム(BaSO4/SiO2=90質量%/10質量%)を得た。得られた固体をメノウ乳鉢にて破
砕し、10〜20メッシュで篩い分けした。整粒された白色固体を焼成管に入れ、常圧窒素下350℃で3時間焼成して触媒を得た。20粒の触媒粒子の硬度を測定して平均値を求めると、2.1 kgfであった。
反応実験:
管径サイズ(直径23mm)のステンレス製反応管に、上記で調製した触媒10mLを充填し
た。この反応管に、原料のアセトアルデヒドジエチルアセタールを35g/hで導入し、250
℃で気化させ、常圧下、反応管の温度を330℃に設定して反応させた。反応開始から5時
間後の反応溶液をガスクロマトグラフィー(装置名:6850、製造元:Agilent Technologies、カラム:DB-1、以下同様)で分析した結果、主生成物としてエチルビニルエーテルが得られたことを確認した。また、アセトアルデヒドジエチルアセタールの転化率は(以下、転化率)98.1%、エチルビニルエーテルの選択率は(以下、選択率)98.4%、エチルビニルエーテルの収率は(以下、収率)96.5%であった。
[参考例1]
触媒調製:
コロイダルシリカ(日産化学工業(株)製、スノーテックス-S、ナトリウム安定型)を100グラム秤量し、100℃に保持した乾燥機で一晩水分を蒸発させて乾燥させ、透明な乾燥シリカゲルを得た。得られた乾燥シリカゲルの固体をメノウ乳鉢にて破砕し、10〜20メッシュで篩い分けした。整粒された固体を焼成管に入れ、常圧窒素下350℃で3時間焼成して触媒を得た。また、得られた触媒のハメット最高酸強度(H0)を測定すると、フェニルア
ゾナフチルアミンで酸性色を呈せず、メチルレッドで酸性色を呈したので、+4.0<H0≦+4.8となった。
反応実験:
管径サイズ(直径23mm)のステンレス製反応管に、上記で調製した触媒10mLを充填し
た。この反応管に、原料のアセトアルデヒドジエチルアセタールを35g/hで導入し、250
℃で気化させ、常圧下、反応管の温度を250℃に設定して反応させた。反応開始から5時
間後の反応溶液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、主生成物としてエチルビニルエーテルが得られたことを確認した。また、転化率は12.2%、選択率は93.4%、収率は11.4%であった。
[比較例1]
触媒調製:
コロイダルシリカ(日産化学工業(株)製、スノーテックス-NS、アンモニア安定型)を16.7グラム秤量し、蒸留水20mlを加えて希釈した後、硫酸バリウム(純正化学(株)製)45
グラムを加え、得られた乳白色懸濁液を室温で60分撹拌した。コロイダルシリカが充分に分散した該懸濁液を、100℃に保持した乾燥機で一晩水分を蒸発させて乾燥させ、白色固
体50.0グラム(BaSO4/SiO2=90質量%/10質量%)を得た。得られた固体をメノウ乳鉢にて破砕し、10〜20メッシュで篩分けした。整粒された白色固体を焼成管に入れ、常圧窒素下350℃で3時間焼成して触媒を得た。20粒の触媒粒子の硬度を測定して平均値を求めると、2.0 kgfであった。
反応実験:
管径サイズ(直径23mm)のステンレス製反応管に、上記で調製した触媒10mLを充填し
た。この反応管に、原料のアセトアルデヒドジエチルアセタールを35g/hで導入し、250
℃で気化させ、常圧下、反応管の温度を330℃に設定して反応させた。反応開始から5時
間後の反応溶液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、主生成物としてエチルビニルエーテルが得られたことを確認した。また、転化率は98.7%、選択率は89.4%、収率は88.2%であった。
[参考例2]
触媒調製:
コロイダルシリカ(日産化学工業(株)製、スノーテックス-NS、アンモニア安定型)を1
00グラム秤量し、100℃に保持した乾燥機で一晩水分を蒸発させて乾燥させ、透明な乾燥
シリカゲルを得た。得られた乾燥シリカゲルの固体をメノウ乳鉢にて破砕し、10〜20メッシュで篩い分けした。整粒された固体を焼成管に入れ、常圧窒素下350℃で3時間焼成して触媒を得た。また、得られた触媒のハメット最高酸強度(H0)を測定すると、ベンゼン
アゾジフェニルアミンで酸性色を呈せず、2-アミノ-5-アゾトルエンで酸性色を呈したの
で、+1.5<H0≦+2.0となった。
反応実験:
管径サイズ(直径23mm)のステンレス製反応管に、上記で調製した触媒10mLを充填し
た。この反応管に、原料のアセトアルデヒドジエチルアセタールを35g/hで導入し、250
℃で気化させ、常圧下、反応管の温度を250℃に設定して反応させた。反応開始から5時
間後の反応溶液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、主生成物としてエチルビニルエーテルが得られたことを確認した。また、転化率は77.9%、選択率は88.6%、収率は69.0%であった。
[比較例2]
触媒調製:
硫酸バリウム(純正化学(株)製)10グラムを20MPaで5分間圧力成形し、粒径10〜20メッシュに整粒し、これを常圧、窒素下350℃で3時間焼成して触媒を得た。20粒の触媒粒子の硬度を測定すると、いずれも測定限界以下(<0.5 kgf)であった。
反応実験:
触媒として上記で調製した硫酸バリウムを使用した以外は、実施例1と同じ条件で反応実験を行った。5時間後の反応溶液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、主生成物としてエチルビニルエーテルが得られたことを確認した。また、転化率は98.2%、選択率
は98.3%、収率は96.6%であった。
実施例1、参考例1〜2、比較例1〜2の反応結果を、表2に示す。
Figure 2007253096
注1)実施例1と参考例1のコロイダルシリカ:日産化学工業(株)製、スノーテックス-S、ナトリウム安定型(従って、[実施例1]の結合剤であるコロイダルシリカのハメット最高酸強度値は、[参考例1]で測定したコロイダルシリカのハメット最高酸強度値(H0)と同じである。)
注2)比較例1と参考例2のコロイダルシリカ:日産化学工業(株)製、スノーテックス-NS、アンモニア安定型(従って、[比較例1]の結合剤であるコロイダルシリカのハメッ
ト最高酸強度値は、[参考例2]で測定したコロイダルシリカのハメット最高酸強度値(H0)と同じである。)

Claims (5)

  1. (A)50〜99.999質量%の量の硫酸塩と
    (B)0.001〜50質量%の量であり、最高酸強度値が+3.3<H(Hはハメット酸強度)である結合剤と
    からなることを特徴とするα,β-不飽和エーテル製造用触媒。
  2. (A)50〜99.999質量%の量の硫酸塩と
    (B)0.001〜50質量%の量であり、最高酸強度値が+3.3<H(Hはハメット酸強度)である結合剤と
    からなる触媒の存在下、アセタールを熱分解させることを特徴とするα,β-不飽和エー
    テルの製造方法。
  3. 前記結合剤(B)の最高酸強度値が+4.0<H≦+6.8(Hはハメット酸強度)であることを特徴とする請求項2に記載のα,β-不飽和エーテルの製造方法。
  4. 前記硫酸塩(A)がアルカリ土類金属の硫酸塩であることを特徴とする請求項2に記載のα,β-不飽和エーテルの製造方法。
  5. 前記硫酸塩(A)がアルカリ土類金属の硫酸塩であることを特徴とする請求項3に記載のα,β-不飽和エーテルの製造方法。
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