JP2007252308A - ハンギングバスケット - Google Patents

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Toshihiro Takada
稔弘 高田
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Abstract

【課題】灌水の手間が省け、かつ、土壌を適切な保水状態に維持することができるハンギングバスケットを提供する。
【解決手段】ハンギングバスケット1は、スタンドDへの係止部25を有するバスケット本体11と、該本体11内を上下に区画する着脱可能な仕切り部材12と、該仕切り部材12の下方で、前記バスケット本体11の底面部24上に載置される貯水タンク13と、該仕切り部材12上に載置されて、土壌B及び草花を保持する容器14と、前記貯水タンク13から毛細管現象を利用して前記容器14内の土壌Bに灌水する灌水部材15とを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、園芸用のハンギングバスケットに関し、園芸用具の技術分野に属する。
従来、園芸用にハンギングバスケットが用いられることがある。このハンギングバスケットは、一般に、隙間を有するバスケット内に土壌を保持し、草花を土壌に植え付けて、ときには草花がバスケットの全面を覆ったり隙間からこぼれ出るまでに育成、開花させて観賞するものであり、フェンス、壁面、スタンド、ベランダの手摺等に掛けられたり吊り下げられたりしている。
その場合、当然のこととして草花に対する適切な灌水を確保する必要がある。通常は草花の上方から灌水すればよいが、シクラメンのように花びらや葉に直接灌水すると枯れる草花があり、これに対処するものとして、特許文献1に開示の技術がある。
すなわち、この特許文献1には、ハンギングバスケット用の灌水器具が開示されている。この灌水器具は、貯水容器と、この貯水容器から延びる給液管と、この給液管の先端に取り付けられた給液ノズルとを有している。これによれば、手で貯水容器に圧力を加えて給液することにより、給液ノズルを介してハンギングバスケットに対して側部または下部からの灌水が可能となり、花びらや葉に直接灌水することなく土壌への灌水が行なわれることとなる。
実用新案登録第3109785号公報
ところで、前述した灌水器具を用いた方法では、こまめに手で貯水容器に圧力を加えて給液するため手間が掛かり、また、灌水に過不足があって土壌を適切な保水状態に維持するのは容易でないという問題がある。
そこで、本発明は、灌水の手間が省け、かつ、土壌を適切な保水状態に維持することができるハンギングバスケットの提供を課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
まず、請求項1に記載の発明は、園芸用のハンギングバスケットであって、支持体への係止部を有するバスケット本体と、該本体内を上下に区画する着脱可能な仕切り部材と、該仕切り部材の下方で、前記バスケット本体の底面上に載置される貯水タンクと、該仕切り部材上に載置されて、土壌及び草花を保持する容器と、前記貯水タンクから毛細管現象を利用して前記容器内の土壌に灌水する灌水部材とを有していることを特徴とする。
次に、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載のハンギングバスケットであって、前記バスケット本体は、ワイヤを組み付けてかご状に形成されていることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記請求項2に記載のハンギングバスケットであって、前記バスケット本体の下部前面に、前記貯水タンクの少なくとも前面を覆う装飾部材が着脱可能に備えられていることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記請求項2または請求項3に記載のハンギングバスケットであって、前記バスケット本体の上部前面に、前記かご状構造を利用して装飾部品が着脱可能に備えられていることを特徴とする。
そして、請求項5に記載の発明は、前記請求項1から請求項4のいずれかに記載のハンギングバスケットであって、前記容器は、布袋で形成されていることを特徴とする。
まず、請求項1に記載の発明によれば、灌水部材を介して下方の貯水タンクから上方の容器内の土壌に灌水するので、花びらや葉に直接灌水しなくて済む。また、バスケット本体内を上下に区画する仕切り部材を本体に着脱可能に設けたので、季節、用途、好み等に応じて容器や貯水タンクの交換が容易となる。その上で、灌水部材により毛細管現象を利用して過不足なく灌水するので、灌水の手間が省け、かつ、土壌を適切な保水状態に維持することができる。
次に、請求項2に記載の発明によれば、バスケット本体はワイヤを用いてかご状に形成されているので、軽量化を図ることができ、かつ、網目を介して草花が露出したりこぼれ出たりするようになり、観賞用として見栄えが向上する。
また、請求項3に記載の発明によれば、かご状のバスケット本体から外観上露出する貯水タンクを装飾部材で覆うことができ、見栄えが一層向上する。その場合、装飾部材は着脱可能とされているので、季節、用途、好み等に応じて自在に交換することができる。
また、請求項4に記載の発明によれば、草花のボリュームが少ない段階では、バスケット本体に装着された装飾部品はその装飾機能を発揮し、草花のボリュームが多くなり、これら草花で装飾部品が隠蔽される段階では、バスケット本体から装飾部品を取り外し、この装飾部品を別のハンギングバスケットに流用可能となる。
そして、請求項5に記載の発明によれば、土壌及び草花を保持する容器は布袋であるので、軽量化を効果的に図ることができ、ハンギングバスケットを構成するのに好適となる。さらに、バスケット本体形状に合わせて容器の形状を適合させるのが容易となる。
本発明の実施の形態について説明する。
図1及び図2に示すように、本実施の形態に係るハンギングバスケット1は、かご状に形成されたバスケット本体11と、該バスケット本体11内を上下に区画する仕切り部材12と、該仕切り部材12の下方で水Aを貯留する貯水タンク13と、該仕切り部材12の上方で土壌B及び草花Cを保持する容器14と、前記貯水タンク13から毛細管現象を利用して前記容器14内の土壌Bに灌水する左右一対の灌水部材(図2に向う側のみ示す)15,15と、該貯水タンク13の前面を覆う装飾部材16と、該貯水タンク13に水を補給するための給水パイプ17とを有している。そして、このハンギングバスケット1は、バスケット本体11を介してスタンドDに掛けられるようになっている。
図2及び図3に示すように、バスケット本体11は、下部に貯水タンク13及び装飾部材16を、上部に容器14を収容可能に、鉄線をかご状に組み付けたもので、フラットな背面部21、該背面部21の左右両側から前方に延びる側面部22,22、略逆U字状に折曲されて上下方向に延びる前面部23,23、及び後述する仕切り部材12に類似した略半円形状の底面部24により、内方に上部ほど広くなる断面略半円形状の空間が形成されている。
また、背面部21には、スタンドDのフックD′に掛けるため、上部が三角形状に曲折されると共に下部が底面部24まで延びる鉄線でなる係止部25が付加されている。さらに、上下方向中間より若干下方の位置に、仕切り部材12を装着するための円弧状の鉄線でなる取付部材26が付加されている。そして、左右両側面部22,22の上部に、外方に向けて略L字状の係合片27,27が設けられており、該係合片27,27を介し、バスケット本体11内に植え付けられた草花のいたずらな垂れ下がりを規制するための円弧状の弾性を有する鉄線でなる固定部材28を着脱可能に装着することができるようになっている。なお、このバスケット本体11は、鉄線を接合して組み付け後にポリコーティング塗料で塗装されている。
図4に示すように、仕切り部材12は、鉄線を平面視略半円形状となるように組み付けたもので、両端部に下方に折曲された係合部31a,31aを有する直線部材31と、該直線部材31から略放射状に前方に延びる長短3本の直線部材32,33,33と、これら直線部材32,32,33を連結する大小2本の円弧部材34,35とで構成されており、長い方の直線部材32の先端部は、下方に折曲されて係合部32aとされている。そして、図3に示すように、仕切り部材12は、前記係合部31a,31a,32aと前記取付部材26との係合を介してバスケット本体11に着脱可能に装着され、上方に容器14が載置されることとなる。
図5に示すように、貯水タンク13は、上方に開口部13aを有する有底のもので、内方が上部ほど広くなる断面略半円形状となるように、ポリエチレン樹脂で形成されている。また、装飾部材16は、前記貯水タンク13の前面を着脱可能に覆うもので、断面円弧状となるように、着色や図柄等で装飾されたポリエチレン樹脂で形成されている。
図6に示すように、容器14は、上方に開口部14aを有する有底のもので、内方が上部ほど広くなる断面略半円形状となるように、強度、耐久性、通水性、通気性等に優れるポリエステル樹脂製の不織布で形成されている。また、前面には、前記開口部14aから下方に延びる複数の切り込み14b…14bが設けられている。
そして、図2に示すように、灌水部材15は、貯水タンク13と容器14とに亘って備えられており、貯水タンク13の水Aを吸い上げ可能に毛細管現象を発現する繊維束で形成されている。
ここで、このハンギングバスケット1の使用方法について説明すると、まず、容器14の底面の左右2箇所に切り込みを設け、これら切り込みに灌水部材15,15を挿入しておく。そして、貯水タンク13をバスケット本体11の下部に載置すると共にこの貯水タンク13の前方に装飾部材16を装着し、また、バスケット本体11の背面側から貯水タンク13に給水パイプ17を差し込んでおく。
次いで、バスケット本体11に仕切り部材12を装着した上で、この仕切り部材12上に容器14を載置する。そして、容器14内に土壌Bを敷設したのち、軽く根をほぐした草花Cの苗を植え込む。その場合、草花Cの先端を容器14の切り込み14b…14bから適宜突出させる。また、灌水部材15,15の上端部は、土壌Bの深さ方向中央に位置するのが望ましい。
次いで、バスケット本体11上部に固定部材28を装着し、給水パイプ17から貯水タンク13に給水したのち、このハンギングバスケット1をスタンドDに掛ける。なお、背面側から見て貯水タンク13の水が少なくなっていれば、給水パイプ17から貯水タンク13に給水すればよい。なお、ここで説明した手順は一例であって、適宜変更可能であることは言うまでもない。
以上のように構成したことにより、灌水部材15,15を介して下方の貯水タンク13から上方の容器14内の土壌Bに灌水するので、花びらや葉に直接灌水しなくて済む。また、バスケット本体11内を上下に区画する仕切り部材12を本体11に着脱可能に設けたので、季節、用途、好み等に応じて容器14や貯水タンク13の交換が容易となる。その上で、灌水部材15,15により毛細管現象を利用して過不足なく灌水するので、灌水の手間が省け、かつ、土壌Bを適切な保水状態に維持することができる。
また、バスケット本体11は鉄線を用いてかご状に形成されているので、軽量化を図ることができ、かつ、網目を介して草花Cが露出したりこぼれ出たりするようになり、観賞用として見栄えが向上する。
また、かご状のバスケット本体11から外観上露出する貯水タンク13を装飾部材16で覆うことができ、見栄えが一層向上する。その場合、装飾部材16は着脱可能とされているので、季節、用途、好み等に応じて自在に交換することができる。
そして、土壌B及び草花Cを保持する容器14は布袋であるので、軽量化を効果的に図ることができ、ハンギングバスケット1を構成するのに好適となる。さらに、バスケット本体11形状に合わせて容器14の形状を適合させるのが容易となる。
さらに、図7及び図8に示すように、バスケット本体11に装飾部品41を装着してもよい。この装飾部品41はポリエチレン樹脂製で、前面の例えば犬がデザインされた本体部42と、背面の断面略C字状の取付部43とを有しており、取付部43を介してバスケット本体11における上部が逆U字状に折曲された前面部23に上方から挿入係合させることにより、バスケット本体11に着脱自在に装着される。
また、前記前面部23を下方ほど拡開するように形成しておけば、前記装飾部品41を上方から装着し、該装飾部品41をバスケット本体11の上下方向途中に位置させることができる。
また、図9及び図10に示すように、バスケット本体11Aの前面部23Aが上下方向に延びる直線状の鉄線で形成されている場合には、装飾部品41Aを、前記同様の本体42と、前記前面部23Aを抱きかかえる形状の取付部43Aとで構成してもよい。
なお、装飾部品41,41Aの本体部42のデザインとしては、季節、設置環境、用途、好み等に応じて、前述した犬のような動物の他に、人形、植物等が適宜選択される。
以上のように構成したことにより、草花Cのボリュームが少ない段階では、バスケット本体11,11Aに装着された装飾部品41,41Aはその装飾機能を発揮し、草花Cのボリュームが多くなり、これら草花Cで装飾部品41,41Aが隠蔽される段階では、バスケット本体11,11Aから装飾部品41,41Aを取り外し、この装飾部品41,41Aを別のハンギングバスケット1に流用可能となる。
なお、本発明は、具体的に詳述した前記実施の形態に限定されることはなく、本発明の趣旨に沿うものであればよい。
例えば、前記実施の形態では、バスケット本体11を鉄線で形成したが、樹脂でかご状に形成してもよい。その場合、樹脂製バスケット本体の下部が貯水タンクを兼ねるように構成してもよい。
また、前記実施の形態では、貯水タンク13、装飾部材16、及び装飾部品41,41Aをポリエチレン樹脂で形成したが、これに限らず適宜の材料が用いられる。
また、前記実施の形態では、容器14を不織布で形成したが、発泡ウレタン樹脂やヤシマット等で形成してもよいし、樹脂製の植木鉢を用いてもよい。
以上説明したように、本発明によれば、灌水の手間が省け、かつ、土壌を適切な保水状態に維持することができるハンギングバスケットが提供される。すなわち、本発明は、園芸用具の技術分野に広く好適である。
本発明の実施の形態に係るハンギングバスケットの正面図である。 図1のII−II線による断面図である。 バスケット本体の正面図である。 仕切り部材の斜視図である。 貯水タンクの斜視図である。 容器の斜視図である。 装飾部品の正面図である。 図7のIII−III線による断面図である。 別なる構成のバスケット本体に別なる構成の装飾部品を装着した状態を示す正面図である。 図9のIV−IV線による断面図である。
符号の説明
1 ハンギングバスケット
11,11A バスケット本体
12 仕切り部材
13 貯水タンク
14 容器
15 灌水部材
16 装飾部材
25 係止部
41,41A 装飾部品
B 土壌
C 草花
D スタンド(支持体)

Claims (5)

  1. 園芸用のハンギングバスケットであって、
    支持体への係止部を有するバスケット本体と、
    該本体内を上下に区画する着脱可能な仕切り部材と、
    該仕切り部材の下方で、前記バスケット本体の底面上に載置される貯水タンクと、
    該仕切り部材上に載置されて、土壌及び草花を保持する容器と、
    前記貯水タンクから毛細管現象を利用して前記容器内の土壌に灌水する灌水部材とを有していることを特徴とするハンギングバスケット。
  2. 前記請求項1に記載のハンギングバスケットであって、
    前記バスケット本体は、ワイヤを組み付けてかご状に形成されていることを特徴とするハンギングバスケット。
  3. 前記請求項2に記載のハンギングバスケットであって、
    前記バスケット本体の下部前面に、前記貯水タンクの少なくとも前面を覆う装飾部材が着脱可能に備えられていることを特徴とするハンギングバスケット。
  4. 前記請求項2または請求項3に記載のハンギングバスケットであって、
    前記バスケット本体の上部前面に、前記かご状構造を利用して装飾部品が着脱可能に備えられていることを特徴とするハンギングバスケット。
  5. 前記請求項1から請求項4のいずれかに記載のハンギングバスケットであって、
    前記容器は、布袋で形成されていることを特徴とするハンギングバスケット。
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