JP2007251015A - レーザアニール装置及びレーザアニール方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 半導体基板表層部への投入エネルギ量を、表面内に関して均一に近づけることが可能なレーザアニール装置を提供する。
【解決手段】 レーザ光源から出射されたパルスレーザビームが減衰率可変の減衰器に入射する。可変減衰器は、入射したパルスレーザビームを減衰させて出射する。減衰器で減衰されたパルスレーザビームが入射する位置にアニール対象物が保持される。アニール対象物の表面のうち一部の領域の反射率が、反射率測定手段により測定される。アニール対象物の表面上において、パルスレーザビームの入射位置が移動するように、移動機構が、アニール対象物及びパルスレーザビームの経路の一方を他方に対して移動させる。制御装置が、反射率測定手段で測定された反射率に基づいて、減衰器の減衰率を変化させるとともに、レーザ光源からレーザパルスを出射させる。
【選択図】 図1
【解決手段】 レーザ光源から出射されたパルスレーザビームが減衰率可変の減衰器に入射する。可変減衰器は、入射したパルスレーザビームを減衰させて出射する。減衰器で減衰されたパルスレーザビームが入射する位置にアニール対象物が保持される。アニール対象物の表面のうち一部の領域の反射率が、反射率測定手段により測定される。アニール対象物の表面上において、パルスレーザビームの入射位置が移動するように、移動機構が、アニール対象物及びパルスレーザビームの経路の一方を他方に対して移動させる。制御装置が、反射率測定手段で測定された反射率に基づいて、減衰器の減衰率を変化させるとともに、レーザ光源からレーザパルスを出射させる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、レーザアニール装置及びレーザアニール方法に関し、特に半導体基板をアニールして不純物を活性化させるのに適したレーザアニール装置及びレーザアニール方法に関する。
半導体基板にイオン注入された不純物を活性化させる方法として、レーザアニール技術が注目されている。レーザアニール技術は、従来の電熱炉等を用いたアニールに比べて低温でアニールが可能であるという特徴を有している。
下記の特許文献1に、短パルスのレーザビームを用いて、浅い領域に注入されている不純物を活性化させ、長パルスのレーザビームを用いて、深い領域に注入されている不純物を活性化させる技術が開示されている。このように、パルス幅の異なる2種類のパルスレーザビームを用いることにより、レーザアニールでは活性化が困難と考えられていた深い領域の不純物をも効率的に活性化させることが可能になる。
下記の特許文献2に、ガラス基板上に形成された非晶質シリコン膜にレーザビームを照射して多結晶化させる技術が開示されている。この技術では、可変減衰器(バリアブルアッテネータ)を用いてパルスレーザビームのパルス強度を所望の強度に変化させる。パルス強度を制御することにより、高品質な多結晶シリコン膜を得ることができる。
通常、イオン注入される半導体基板の表面には、凹凸を有する種々のパターンが形成されている。さらに、半導体基板に表面には、材料及び膜厚の異なる種々の薄膜が形成されている。半導体基板上に形成されている凹凸パターンや薄膜によって、入射するレーザビームの反射率が異なる。半導体基板の表面内の場所によって反射率が異なるため、基板表層部に投入されるエネルギ量が場所によって変動する。このため、表面内に関して均一な活性化処理を行うことが困難である。
本発明の目的は、半導体基板表層部への投入エネルギ量を、表面内に関して均一に近づけることが可能なレーザアニール装置及びレーザアニール方法を提供することである。
本発明の一観点によれば、パルスレーザビームを出射するレーザ光源と、前記レーザ光源から出射されたパルスレーザビームが入射し、入射したパルスレーザビームを減衰させて出射する減衰率可変の減衰器と、前記減衰器で減衰されたパルスレーザビームが入射する位置にアニール対象物を保持するステージと、前記ステージに保持されたアニール対象物の表面のうち一部の領域の反射率を測定する反射率測定手段と、前記ステージに保持されたアニール対象物の表面上において、パルスレーザビームの入射位置が移動するように、前記アニール対象物及び前記パルスレーザビームの経路の一方を他方に対して移動させる移動機構と、前記反射率測定手段で測定された反射率に基づいて、前記減衰器の減衰率を変化させるとともに、前記レーザ光源からレーザパルスを出射させる制御装置とを有するレーザアニール装置が提供される。
本発明の他の観点によると、(a)アニール対象物の表面のうち、レーザビームを入射させるべき目標領域の反射率を測定する工程と、(b)パルスレーザビームを、前記工程aで測定された反射率に基づいて減衰させ、前記アニール対象物の前記目標領域に入射させる工程とを有するレーザアニール方法が提供される。
アニール対象物のアニールすべき領域の反射率に応じて、そのアニール領域に入射させるパルスレーザビームを減衰させることにより、アニール対象物に投入されるエネルギをアニールすべき領域の反射率に依らず均一にすることができる。
図1Aに、第1の実施例によるレーザアニール装置の概略図を示す。レーザ光源1が、アニール用のパルスレーザビームを出射する。レーザ光源1として、例えば基本波、2倍高調波、3倍高調波、または4倍高調波を出射するNd:YAGレーザ発振器、またはCO2レーザ発振器等を用いることができる。レーザ光源1から出射し、1/2波長板2を通過したパルスレーザビームLB1が可変減衰器3に入射する。
図1Bに、可変減衰器3の概略図を示す。可変減衰器3は、電気光学素子(EOM)3A、偏光ビームスプリッタ3B、ダンパ3C、及びドライバ3Dにより構成される。図1Aに示した1/2波長板2を通過したパルスレーザビームLB1が、EOM3Aに入射する。 ドライバ3DがEOM3Aに電圧Vを印加する。EOM3Aは、印加された電圧に応じて、パルスレーザビームの偏光状態を変化させる。
EOM3Aを通過したパルスレーザビームが偏光ビームスプリッタ3Bに入射する。偏光ビームスプリッタ3Bは、入射するパルスレーザビームのP偏光成分を直進させ、S偏光成分を反射させる。反射したS偏光成分がダンパ3Cに入射する。偏光ビームスプリッタ3Bを直進したパルスレーザビームは、可変減衰器3から出射されるパルスレーザビームLB2となる。
図1Aに示した1/2波長板2は、例えば偏光ビームスプリッタ3Bに対してP偏光になるように偏光状態を変化させる。EOM3Aに電圧が印加されていない時、EOM3Aを通過したパルスレーザビームはP偏光成分のみを含む。このため、全ての成分が偏光ビームスプリッタ3Bを直進する。
EOM3Aに電圧を印加すると、パルスレーザビームの偏光状態が変化し、P偏光成分とS偏光成分とを含むようになる。両者の比は、印加する電圧に依存する。P偏光成分のみが偏光ビームスプリッタ3Bを直進するため、可変減衰器3から出力されるパルスレーザビームLB2が減衰する。減衰率は、EOM3Aに印加される電圧に依存して変化する。
図2に、偏光ビームスプリッタ3Bを直進及び反射するレーザビームのパワーと、EOM3Aに印加される電圧との関係を示す。横軸は、電圧を単位「kV」で表し、縦軸は、入射するレーザビームのパワーを基準とした相対パワーを単位「%」で表す。図中の曲線Pが、可変減衰器3から出射されるパルスレーザビームの相対パワーを示し、曲線Sが、ダンパ3Cに入射するパルスレーザビームの相対パワーを示す。
印加電圧が0Vのとき、可変減衰器3を透過するレーザビームのパワーが約99%である。電圧が増加するに従って、パワーが徐々に低下し、電圧が約3kVで極小値(約4%)を示す。電圧が3kV以上の範囲では、電圧が増加するに従って、パワーが徐々に上昇する。このように、電圧を0〜3kVの間で変化させることにより、レーザビームのパワーを4%〜99%の範囲で変化させることができる。
図1Aに戻って説明を続ける。可変減衰器3を通過したパルスレーザビームLB2が、1/4波長板4により円偏光に変換され、均一化光学系5に入射する。均一化光学系5は、パルスレーザビームのビーム断面内における光強度分布を均一化する。均一化光学系5を通過したパルスレーザビームがマスク6の開口を通過することにより、そのビーム断面を整形され、折り返しミラー7、収束レンズ8を経由して、保持台9に保持されたアニール対象物20に入射する。収束レンズ8は、マスク6の開口をアニール対象物20の表面に結像させる。
アニール対象物20の表面に平行な面をXY面とするXY直交座標系を定義する。移動機構11が、制御装置10からの指令により、保持台9を、X方向及びY方向の2方向に移動させる。
反射率測定用光源15及び反射光検出器16により、反射率測定器が構成される。反射率測定用光源15は、反射率測定用のレーザビームLB3を、アニール対象物20の表面に入射させる。反射光検出器16は、反射率測定用レーザビームLB3の反射光の光強度を測定する。反射率測定用光源15は、例えばHeNeレーザ発振器等で構成される。
反射光検出器16による反射光強度の測定結果が制御装置10に入力される。制御装置10は、パワー指令値記憶部10Aを含む。パワー指令値記憶部10Aに、予めパワー指令値が記憶されている。制御装置10の演算部が、パワー指令値と、反射光の強度とを比較し、比較結果に基づいて可変減衰器3に電圧を指令する制御信号を送信する。
図3、図4A及び図4Bを参照して、第1の実施例によるアニール方法について説明する。
図3に、アニール対象物20の概略平面図を示す。アニール対象物20は、例えば表層部に不純物がイオン注入された半導体基板である。アニール対象物20を、図1に示したレーザアニール装置の保持台9により保持する。レーザ光源1から出射したパルスレーザビームは、アニール対象物20の表面に、例えば一辺の長さが10μmの正方形のビームスポットを形成する。1ショットの照射でアニールされる領域35を単位アニール領域と呼ぶこととする。単位アニール領域35は、半導体基板20の表面におけるビームスポットとほぼ合同である。なお、図3では、説明の都合上、半導体基板20に対して単位アニール領域35を相対的に大きく表している。単位アニール領域35の一つの辺が、XY座標系のX軸に平行になる。
アニールを行う際は、単位アニール領域35が半導体基板20の表面上を+X方向に移動するように、保持台9を移動させる。単位アニール領域35が半導体基板20の縁に達すると、保持台9を、単位アニール領域35の一辺の長さ分だけY方向に変位させる。Y軸方向に関する位置を固定し、ビームスポット35が半導体基板20の表面上を一端から他端まで−X方向に移動するように、保持台9を移動させる。この動作を繰り返すことにより、半導体基板20の全面にレーザビームを照射することができる。
図4Aに、単位アニール領域35のX方向の位置と経過時間との関係を示す。横軸はX方向の位置を表し、縦軸は経過時間を表す。図4Bに、電圧Vの変化、反射率測定用のレーザビームLB3、可変減衰器3に入射するパルスレーザビームLB1、及び可変減衰器3から出射されたパルスレーザビームLB2のタイミングチャートを示す。
時刻t11において、反射率測定用光源15からレーザビームLB3を出射させる。レーザビームLB3は、次にアニールすべき第1の単位アニール領域35aに入射する。反射光検出器16が、第1の単位アニール領域35aからの反射光の強度を測定し、測定結果を制御装置10に送信する。
制御装置10は、測定された反射光の強度と、パワー指令値記憶部10Aに記憶されているパワー指令値とに基づいて、可変減衰器3のEOM3Aに印加すべき電圧Vを決定する。例えば、反射率が基準値に一致する場合、可変減衰器3の減衰率が基準減衰率になるように、電圧Vを決定する。反射率が基準値と異なる場合には、パルスレーザビームの1ショットで半導体基板20に投入されるエネルギが、反射率が基準値の時に投入されるエネルギと等しくなるように、可変減衰器3の減衰率を変化させる。例えば、測定された反射率が基準反射率よりも大きい場合には、減衰率を基準減衰率よりも小さくすることにより、パルスレーザビームのパルスエネルギを増加させる。逆に、測定された反射率が基準反射率よりも小さい場合には、減衰率を基準減衰率よりも大きくすることにより、パルスレーザビームのパルスエネルギを減少させる。
ここでは、EOM3Aに印加すべき電圧Vがv1に決定されたとする。制御装置10は、ドライバ3Dに対して、電圧Vをv1に設定するように指令する。ドライバ3Dは、EOM3Aに印加される電圧Vがv1になるように、時刻t12からt13までの期間に、印加電圧を変化させる。このとき、時間に対する電圧の変化率が、ある上限変化率、例えば300V/μs以下になる条件で電圧を変化させる。
時刻t13において印加電圧Vがv1に達した後、時刻t14に、パルスレーザビームLB1のレーザパルスを出射させる。このレーザパルスのピークパワーをp0とする。可変減衰器3を通過したパルスレーザビームLB2のレーザパルスのピークパワーは、減衰率に応じてp1まで低下する。ピークパワーがp1まで低下したレーザパルスが半導体基板20の単位アニール領域35aに入射する。
半導体基板20を、単位アニール領域35の一辺の長さの1/10、すなわち1μmだけ−X方向に移動させる。これにより、時刻t14においてパルスレーザビームが入射した単位アニール領域35aを+X方向に1μmだけ移動させた2番目の単位アニール領域35bに、パルスレーザビームが入射し得る状態になる。
時刻t21において、2番目の単位アニール領域35bの反射率を測定する。測定された反射率に基づいて、EOM3Aに印加すべき電圧を決定し、ドライバ3Dに指令を送信する。決定された電圧をv2とする。ドライバ3Dは、時刻t22からt23までの期間に、印加電圧Vをv1からv2に変化させる。このときも、時間に対する電圧の変化率が上限変化率以下になる条件で、電圧Vを変化させる。
時刻t24において、パルスレーザビームLB1のレーザパルスを出射させる。このレーザパルスのピークパワーは、時刻t14において出射されたレーザパルスのピークパワーp0と等しい。可変減衰器3の減衰率が変化しているため、可変減衰率3を通過したパルスレーザビームLB2のレーザパルスのピークパワーp2は、時刻t14の時点のレーザパルスのピークパワーp1とは異なる。ピークパワーp2のレーザパルスが、2番目の単位アニール領域35bに入射する。
同様に、時刻t31〜t34の期間に、2番目の単位アニール領域35bを+X方向に1μmだけ移動させた3番目の単位アニール領域35cに、その単位領域35cの反射率に応じたピークパワーp3を持つレーザパルスを入射させる。
第1の実施例では、半導体基板20に投入されるエネルギが、レーザパルスごとに等しくなるようにピークパワーを変化させている。このため、基板の表面内の位置に依らず、均質なアニール効果を得ることができる。
次に、図5A及び図5Bを参照して、EOM3Aに印加する電圧の時間変化率を、上限変化率以下にすることの効果について説明する。EOM3Aとして、KD*P光学結晶を用いた。
図5Aに、EOM3Aに印加する電圧V、偏光ビームスプリッタ3Bを直進したパルスレーザビームの強度IP、及び偏光ビームスプリッタ3Bで反射したパルスレーザビームの強度ISの波形を示す。横軸は経過時間を表し、ひと目盛が200μsに相当する。
印加電圧Vの立ち上がり及び立ち下がりの時の電圧の変化率は、約100V/μsである。電圧無印加状態のとき、強度ISが実質的に0であり、全ての成分が偏光ビームスプリッタ3Bを直進する。電圧印加状態(1.91kVの電圧)の時、強度IPが実質的に0になり、全ての成分が偏光ビームスプリッタ3Bで反射する。
図5Bに、電圧を急峻に変化させた場合の、強度IP及びISの波形を示す。電圧の変化率は、約100kV/μs以上、すなわち図5Aに示した電圧の変化率の1000倍以上である。印加電圧Vが立ち上がった後、強度IPは直ちに0にはならず、リンギング現象が生じていることが分かる。
EOM3Aに印加する電圧の変化を緩やかにすることにより、リンギング現象を抑制し、減衰率を短期間に安定させることができる。このため、減衰率の変化開始から、パルスレーザビームの出射までの時間を短くすることができる。これにより、アニール時間の短縮化を図ることが可能になる。リンギング現象の発生を抑制するために、電圧の変化率を300V/μs以下にすることが好ましい。
図6に、第2の実施例によるレーザアニール装置の概略図を示す。第2の実施例によるレーザアニール装置は、図1Aに示した第1の実施例によるレーザアニール装置の反射率測定用光源15及び反射光検出器16の代わりに、反射光検出器18を有する。その他の構成は、第1の実施例によるレーザアニール装置と同じである。
アニール対象物20に入射するパルスレーザビームの一部は、その表面で反射し、収束レンズ8を透過して折返しミラー7まで戻る。折返しミラー7の反射率は、例えば99%程度である。このため、アニール対象物20の表面で反射した反射光のうち約1%は、折返しミラー7を透過する。折返しミラー7を透過した光が、反射光検出器18に入射する。反射光検出器18は、入射する反射光の強度を測定し、測定結果を制御装置10に送信する。
図7に、第2の実施例によるレーザアニール装置を用いてアニールを行う際の、電圧Vの時間変化、パルスレーザビームLB1及びLB2のタイミングチャートを示す。
時刻t11からt12までの期間に、印加電圧Vをvrまで上昇させる。時刻t13において、パルスレーザビームLB1のレーザパルスを出射する。パルスレーザビームLB1のレーザパルスのピークパワーはp0である。印加電圧Vの大きさvrは、可変減衰器3の減衰率が、実際のアニール時に比べて十分大きくなるように選択されている。このため、可変減衰器3を通過したパルスレーザビームLB2のレーザパルスのピークパワーがprまで低下する。
ピークパワーprのレーザパルスがアニール対象物20の1つの単位アニール領域に入射する。ピークパワーprは、実質的にアニール処理が行われない程度の弱さである。単位アニール領域で反射した反射光の強度を測定することにより、その単位アニール領域の反射率を求める。この反射率に基づいて、可変減衰率3の減衰率を決定する。この減衰率に対応する印加電圧Vの大きさがv1であるとする。
時刻t14からt15までの期間に、印加電圧をvrからv1まで変化させる。この時の電圧の変化率は、上限変化率以下になるように設定されている。時刻t16において、パルスレーザビームLB1のレーザパルスを出射させる。可変減衰器3を通過したパルスレーザビームLB2のレーザパルスのピークパワーは、電圧v1に対応する減衰率に応じてp1まで低下する。ピークパワーp1のレーザパルスがアニール対象物に入射することにより、アニール処理が行われる。
次にアニール処理すべき単位アニール領域にパルスレーザビームが入射するように、アニール対象物20を移動させる。
その後の時刻t21からt26までの期間に、時刻t11からt16までの処理と同様の処理を行う。これにより、当該単位アニール領域の反射率に応じたアニール処理が行われる。
以下、第1の実施例と第2の実施例とを比較しながら、両者の特徴を説明する。第1の実施例では、反射率を測定するためのレーザビームの波長と、実際にアニールを行うレーザビームの波長とが異なる。アニール対象物の反射率が、波長によって大きく異なる場合には、第1の実施例によるレーザアニール装置では、正確な反射率を測定することが困難である。これに対し、第2の実施例では、実際にアニールを行うレーザビームと同じ波長のレーザビームを用いて反射率の測定を行うため、正確な反射率を求めることができる。従って、アニール対象物の表面の反射率が波長に大きく依存するような場合には、第2の実施例によるレーザアニール装置を採用することが好ましい。
第2の実施例では、アニール対象物の表面で反射した反射光のうち、1%程度しか反射光検出器18に到達しない。従って、反射率が低くなると、反射光の強度を測定することが困難になる。これに対し、第1の実施例では、反射光が遮られることなく反射光検出器16に入射する。このため、反射率が低い場合であっても、反射光の強度を測定しやすい。従って、第2の実施例によるレーザアニール装置では反射光の強度を測定することが困難な程度に反射率が低い場合には、第1の実施例によるレーザアニール装置を採用することが好ましい。
図8に、第3の実施例によるレーザアニール装置の概略図を示す。第1の実施例では、アニール対象物20のX方向への移動と停止、反射率の測定、及びアニールを一単位として、これを繰り返すことによりX方向に長い領域全面のアニールが行われた。第3の実施例によるレーザアニール装置では、アニール対象物20を停止させることなくX方向に等速で移動させながら、反射率の測定とアニールとを行う。以下、第1の実施例によるレーザアニール装置との相違点に着目して説明し、同一の構成部分については、説明を省略する。
第1の実施例では、反射率測定用光源15と反射光検出器16により反射率測定器が構成されていた。この反射率測定用光源15は、アニール用のパルスレーザビームが入射する位置と同一の位置に、反射率測定用のレーザビームを入射させ、その位置の反射率が測定された。ところが、アニール対象物20がX方向に等速で移動している場合には、反射率が測定された時から、アニール用のパルスレーザビームが入射するまでに、アニール対象物20が移動してしまう。このため、実際にアニールを行う領域の反射率が測定されない。
第3の実施例では、第1の反射率測定用光源15Aと第1の反射光検出器16Aにより第1の反射率測定器が構成され、第2の反射率測定用光源15Bと第2の反射光検出器16Bにより第2の反射率測定器が構成される。第1の反射率測定用光源15A及び第2の反射率測定用光源15Bは、それぞれアニール用パルスレーザビームの入射位置よりもX軸の正の方向にずれた位置及び負の方向にずれた位置に、反射率測定用レーザビームを入射させる。すなわち、アニール用パルスレーザビームの入射位置からX軸の正及び負の方向にずれた位置の反射率が測定される。このずれ量は、反射率を測定した時点から、アニール用パルスレーザビームが入射するまでの間に、アニール対象物20が移動する距離と等しくなるように設定されている。
例えば、アニール対象物20をX軸の正の方向に等速で移動させながらアニールを行う期間には、第2の反射率測定器により計測された反射率に基づいて、EOM3Aに印加する電圧が決定される。アニール対象物20をX軸の負の方向に等速で移動させながらアニールを行う期間には、第1の反射率測定器により計測された反射率に基づいて、EOM3Aに印加する電圧が決定される。これにより、実際にアニール用のパルスレーザビームが入射する位置の反射率に基づいて、アニール用パルスレーザビームのピークパワーを適正に制御することができる。
第3の実施例では、アニール対象物20を等速で移動させるため、第1の実施例の場合に比べて、アニール時間を短縮することができる。反射率を測定してから、アニール用のパルスレーザビームを入射させるまでの時間が短すぎると、EOM3Aに印加する電圧を急激に変化させなければならない情況が生じ得る。EOM3Aに印加する電圧の変化率を、リンギング現象が発生しない程度に小さくするために、アニール対象物20の移動速度、及びアニール用パルスレーザビームの入射位置から反射率測定位置までのずれ量を設定することが好ましい。
上記実施例では、可変減衰器3を、EOMを用いて構成したが、音響光学素子(AOM)を用いて構成してもよい。AOMを用いる場合には、例えば、1次回折光がアニール対象物に入射するような構成とする。AOMに印加する高周波電圧の振幅を変化させることにより、1次回折光の強度を変化させることができる。
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
1 レーザ光源
2 1/2波長板
3 可変減衰器
4 1/4波長板
5 均一化光学系
6 マスク
7 折返しミラー
8 収束レンズ
9 保持台
10 制御装置
11 移動機構
15 反射率測定用光源
16、18 反射光検出器
20 アニール対象物(半導体基板)
35 単位アニール領域
2 1/2波長板
3 可変減衰器
4 1/4波長板
5 均一化光学系
6 マスク
7 折返しミラー
8 収束レンズ
9 保持台
10 制御装置
11 移動機構
15 反射率測定用光源
16、18 反射光検出器
20 アニール対象物(半導体基板)
35 単位アニール領域
Claims (7)
- パルスレーザビームを出射するレーザ光源と、
前記レーザ光源から出射されたパルスレーザビームが入射し、入射したパルスレーザビームを減衰させて出射する減衰率可変の減衰器と、
前記減衰器で減衰されたパルスレーザビームが入射する位置にアニール対象物を保持するステージと、
前記ステージに保持されたアニール対象物の表面のうち一部の領域の反射率を測定する反射率測定手段と、
前記ステージに保持されたアニール対象物の表面上において、パルスレーザビームの入射位置が移動するように、前記アニール対象物及び前記パルスレーザビームの経路の一方を他方に対して移動させる移動機構と、
前記反射率測定手段で測定された反射率に基づいて、前記減衰器の減衰率を変化させるとともに、前記レーザ光源からレーザパルスを出射させる制御装置と
を有するレーザアニール装置。 - 前記減衰器が、
印加される電圧の大きさに応じて、前記レーザ光源から出射されたパルスレーザビームの偏光状態を変化させる電気光学素子と、
前記電気光学素子に電圧を印加するドライバと、
前記電気光学素子を透過したパルスレーザビームの入射する位置に配置された偏光ビームスプリッタと
を有し、
前記ドライバは、前記電気光学素子に印加される電圧が前記制御装置から指令された電圧になるように、時間に対する電圧の変化率が300V/μs以下の条件で電圧を変化させる請求項1に記載のレーザアニール装置。 - 前記反射率測定手段が、
反射率測定用の光を、前記ステージに保持されたアニール対象物の一部の領域に入射させる反射率測定用光源と、
前記反射率測定用光源により照射されたアニール対象物からの反射光を受光してその強度を測定し、測定結果を前記制御装置に送信する反射光検出器と
を有する請求項1または2に記載のレーザアニール装置。 - 前記反射率測定手段が、アニール対象物からの反射光を受光してその強度を測定し、測定結果を前記制御装置に送信する反射光検出器を含み、
前記制御装置が、レーザアニール時よりも前記減衰器の減衰量を大きくして前記レーザ光源からパルスレーザビームを出射させ、該パルスレーザビームの反射光を受光した前記反射光検出器から測定結果を受信する請求項1または2に記載のレーザアニール装置。 - (a)アニール対象物の表面のうち、レーザビームを入射させるべき目標領域の反射率を測定する工程と、
(b)パルスレーザビームを、前記工程aで測定された反射率に基づいて減衰させ、前記アニール対象物の前記目標領域に入射させる工程と
を有するレーザアニール方法。 - 前記工程aが、
前記工程bで前記アニール対象物に入射させるパルスレーザビームの光源と同一の光源からパルスレーザビームを出射させる工程と、
前記光源から出射したパルスレーザビームを、前記工程bで適用される減衰率よりも大きな減衰率になるように減衰させて、該アニール対象物の目標領域に入射させる工程と、
前記目標領域から反射した反射光の強度を測定する工程と
を含む請求項5に記載のレーザアニール方法。 - 前記工程aが、
反射率測定用の光を、前記アニール対象物の目標領域に入射させる工程と、
前記目標領域から反射した反射光の強度を測定する工程と
を含む請求項5に記載のレーザアニール方法。
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