JP2007249031A - 画像表示用シートの製造方法、画像表示用シート及び画像表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シートに内包された表示材料の光学特性を、電界印加により、変化させて反射型表示を行う画像表示用シート及びそれを用いた画像表示装置を、より簡便な製造方法で、またより安価に提供する。
【解決手段】表示材料を内包し、該表示材料の光学特性を電界印加により変化させて反射型表示を行う画像表示用シートの製造方法において、2枚の平行する透明なプラスチックフィルムの間が一定間隔で配置された細長いリブで連結され、互いに平行する複数の細長いセルが隣接した中空構造を有するシートを用いて、前記セル内部に表示材料を封入することにより、表示材料を内包するシートを作製する画像表示用シートの製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、シートに内包された表示材料の光学特性を、電界を印加することにより変化させて反射型表示を行う画像表示用シートの簡便な製造方法、画像表示シート及びそれを用いた画像表示装置に関するものである。
近年、低消費電力で駆動可能であり、紙ライクな視認性、薄型、およびフレキシブルといった特長を有する情報表示媒体のニーズが増している。これらのニーズに合わせた表示技術、特に電子ペーパーと言われる繰り返し書き換え可能な表示技術の研究、開発が盛んに行われている。メモリー性、つまり通電を停止した後でも情報の表示を維持でき、低消費電力で書き換えることができるという特長を活かし、電子書籍や電子新聞といった紙文書の代替としての用途にとどまらず、設備時計、駅の時刻表、情報表示板などの公共表示装置や、ポスター、電車の中吊り広告といった広告表示装置など、書き換え可能な大型表示媒体としての電子ペーパーの応用が近年特に期待されている。
従来、電子ペーパーの技術として、粒子の電気泳動、メモリー性を有する液晶、絶縁性トナーを利用した表示、着色粒子の回転、エレクトロクロミー等の技術が知られている。しかし、いずれの方式も、製造方法が複雑で大型化が難しく、安価で品質の良い画像表示を達成することができないという問題があった。
粒子の電気泳動を利用した表示法の基本原理を説明する。2枚の電極間に帯電粒子の分散媒を挟み込み、電極間に電圧を印加することで微粒子の運動を制御し、光学的反射特性を変化させて表示を行う方法である(特許文献1参照。)。図10にその概略図を示す。例えば、青色染料を溶解させた溶媒中に分散させた白色帯電微粒子が、反対の電荷を有する電極に動くことで、白/青の変化を示すことができる(例えば、非特許文献1参照。)。
電気泳動を利用したディスプレイとしては、例えば、帯電粒子分散媒を70μm径のマイクロカプセルに封入する方法(例えば、特許文献2参照。)、(50〜150)μm×(12〜40)μm×(8〜25)μm(長×高×幅)の大きさのマイクロカップと呼ばれるセルに封入する方法(例えば、特許文献3参照。)、および透明筒体に着色した泳動粒子と無色絶縁性液体、あるいは白色泳動粒子と着色絶縁性液体を封入した方法(例えば、特許文献4参照。)が提案されている。
マイクロカプセル法は、基板上に塗工することにより表示層を簡単に設けることができる利点はあるが、複雑な化学反応を使って、泳動粒子を分散媒とともにマイクロカプセル化する手間が必要であり、製造工程も煩雑である等の問題があった。
マイクロカップ法は、基板表面に微細なエンボス加工を施し、エンボス面に泳動粒子分散液を均一に塗工するという極めて難しい製造工程があった。また、エンボス面に泳動粒子分散液を塗布した後に、ラミネートにより封止するという難しい製造工程もあった。
また、透明筒体を利用した方法は、透明筒体に泳動粒子分散液を充填するという難しい問題があった。そこで、本発明者らは、押出し法により透明中空繊維を作製しながら、透明中空繊維内部に泳動粒子分散液を封入する方法を提案した(例えば、特許文献5参照。)。しかしながら、表示媒体として用いるためには微細な透明中空繊維を多数並べてシート化する必要があり、シート化のために複雑な工程が必要となるという問題があった。
着色粒子を回転させて表示を行う方法について説明する。半球ずつ色分けされた球状の表示素子を備えた表示ユニットにより構成される表示装置が提案されている(例えば、特許文献6、7参照。)。この方法は、半球ずつ色分けされた粒子を表示媒体として用いるものである。表示用回転粒子が絶縁性オイルで満たされた球状の空隙に封入された状態で、光学的に透明な透明電極基板に挟まれている。表裏両面の電極に電界を印加し、それによって粒子の回転運動を起こさせ、画像を形成するものである。
前記の表示装置は、球状の空隙を形成するために複雑な工程が必要となり、また一定の直径を有する球状の空隙を得ることが難しいため、コントラストの高い良好な画像を再現性よく形成することができないという問題があった。そのため本発明者らは、2色の着色回転粒子を分散した分散液を、透明な中空繊維に封入した素子を電極で挟み込み、表示を行う方法の提案を行った(例えば、特許文献8参照。)。しかしながら、表示媒体として用いるためには微細な透明中空繊維を多数並べてシート化する必要があり、シート化のために複雑な工程が必要となるという問題があった。
メモリー性を有する液晶を利用したディスプレイとして、例えばネマチック液晶にカイラル剤を混合したものや、コレステリック液晶を利用した表示方式が提案されている。これらの液晶は、カラーフィルターや偏向板を必要としない干渉反射の原理を用い、液晶自身が外光を反射するなどの特徴を有している。
これら液晶の表示原理を説明する。カイラル剤を配合した液晶は高分子を少量添加した高分子安定化、もしくは配向膜を着膜した界面安定化状態で電気的に双安定化状態になる。電界を印加していない状態では、図11(a)に示すようにプレーナー配向になり、液晶の螺旋ピッチに応じた色光を選択反射する。弱い電界を印加すると、図11(b)に示すフォーカルコニック配向に変化し、光を透過させる。この状態で電界を解除するとフォーカルコニック配向を維持する。更に、高い電界を印加すると、図11(c)に示すホメオトロピック配向になり、更に透明度が増すが、この状態から電界を解除するとプレーナー配向に変化する。このようにして、電界を制御することにより、プレーナー配向とフォーカルコニック配向を選択することができる(例えば、非特許文献2参照。)
光透過性の管に液晶材料を充填し、表示に用いる方法が提案されている(例えば、特許文献9参照。)。内部に液晶材料を充填した光透過性の管を複数本作製し、平行に配置した表示機器である。厚さが均一で外部からの水分、気体などの混入を防ぐことができる。光透過性の管は内径が10〜100μm、肉厚が2〜50μmを使用する。これらの管を電極に挟みこみ、表示を行う。本発明者らは、押出し法により透明筒体(透明中空繊維)を作製しながら、透明筒体内部に液晶材料を封入する方法を提案した(例えば、特許文献10参照。)。しかしながら、表示媒体として用いるためには微細な透明中空繊維を多数並べてシート化する必要があり、シート化のために複雑な工程が必要となるという問題があった。
絶縁性トナーを用いた摩擦帯電型トナーディスプレイという方式が提案されている(例えば、特許文献11参照。)。図12に示すように、一対の電極基板に挟まれた空間に、正極性に帯電した黒粒子と、負極性に帯電した白粒子が封入されている。基板間は距離を一定にするためにスペーサーが配置され、空気などの気体で満たされている。表示基板の電極に正極性、背面基板の電極に負極性のパルス電圧を印加して基板間に電界を発生させると、クーロン力によって負極性に帯電した白粒子は表示側へ、正極性に帯電した黒粒子は背面側へ移動する。この時、背面基板上に付着した黒粒子は、白粒子に遮られて見えない。印加する電界の極性を反対に切替えると、各粒子は電界に沿って基板間をそれぞれ反対の方向へ移動し、黒白表示が行われる。
トナーディスプレイの製造には、ITO電極付き表示基板上に黒粒子と白粒子混合物を一様に散布する工程がある。水系塗料、溶剤系塗料のような塗工、乾燥工程が使用できず、基板上に黒粒子、白粒子を散布することは非常に高度な技術が要求されている。本発明者らは、押出し法により透明中空繊維を作製しながら、透明中空繊維内部に粒子を封入する方法を提案した(例えば、特許文献12参照。)。しかしながら、表示媒体として用いるためには微細な透明中空繊維を多数並べてシート化する必要があり、シート化のために複雑な工程が必要となるという問題があった。
以上の従来技術において、透明筒体や透明中空繊維を利用したディスプレイは、簡便な方法にて表示素子を内包する表示用ユニットが作製可能であるという特長を有するものの、微細な筒体や中空繊維をシート化するのが難しいという問題点があった。よって本発明者らは、表示用透明中空繊維と非中空繊維とを互いに製織することによりシート化する方法を提案した(特許文献13参照。)。しかしその方法にも、中空繊維が均一な間隔で配列した製織シートを得るのが難しいという問題点や、表示素子を駆動可能な状態に保つためにはある程度繊維間に隙間を持たせて製織する必要があるため、得られたシート面積に対する表示可能な面積の割合、いわゆる開口率が低くなるといった問題点があった。
米国特許3668106号明細書(第1−4図) 米国特許6120588号明細書(第3図) 特開2004−4773号公報(第2−5頁、第1図) 特開2000−330142号公報(第2頁、第1図) 特開2005−202296号公報(第2−7頁、第1図) 米国特許4126854号明細書(第1図) 特開平1−282589号公報(第6頁、第1図) 特開2002−202536号公報(第2−4頁) 特開昭49−96694号公報(第1−3頁、第1図) 特開2005−215657号公報(第4−7頁、第1図) 特開2002−229073号公報(第1−5頁、第1図) 特開2005−221881号公報(第2−5頁、第6図) 特開2006−17792号公報(第4−6頁、第1図) デジタルペーパーの最新技術、(株)シーエムシー、2001、P.19−37 日本画像学会、Japan Hardcopy2000論文集、2000、P.89−92
本発明の目的は、上記製造上および表示品質上の問題を解決し、シートに内包された表示材料の光学特性を、電界を印加することにより変化させて反射型表示を行う画像表示用シート及びそれを用いた画像表示装置を、より簡便な製造方法で、またより安価に提供することである。
本発明は下記の態様を包含する。
(1)表示材料を内包し、該表示材料の光学特性を電界印加により変化させて反射型表示を行う画像表示用シートの製造方法において、2枚の平行する透明なプラスチックフィルムの間が一定間隔で配置された細長いリブで連結され、互いに平行する複数の細長いセルが隣接した構造を有する中空シートを用いて、前記セル内部に表示材料を封入することにより、表示材料を内包するシートを作製することを特徴とする、画像表示用シートの製造方法。
(2)前記セルのアスペクト比(セルの長手方向の長さ/シート断面方向の深さ)が5以上である(1)項に記載の画像表示用シートの製造方法。
(3)前記表示材料が、電気泳動粒子が分散された絶縁性液体を主成分とする(1)項または(2)項に記載の画像表示用シートの製造方法。
(4)前記表示材料が、表面を少なくとも2色に色分けした回転可能な表示素子、及び絶縁性液体を主成分とする(1)項または(2)項に記載の画像表示用シートの製造方法。
(5)前記表示材料が、電界により気体中を飛翔移動可能な粒子を主成分とする(1)項または(2)項に記載の画像表示用シートの製造方法。
(6)前記表示材料が、液晶を主成分とする(1)項または(2)項に記載の画像表示用シートの製造方法。
(7)前記のセル内部に表示材料を封入した後、さらにセル内部を小部屋に区切る(1)項〜(6)項のいずれか1項に記載の画像表示用シートの製造方法。
(8)(1)項〜(7)項のいずれか1項に記載の画像表示用シートの製造方法により製造されたことを特徴とする画像表示用シート。
(9)(8)項に記載の前記画像表示用シートが、少なくとも一方が透明な対向する2枚の電極基板間に密着して配置されていることを特徴とする画像表示装置。
本発明の方法により、シートに内包された表示材料の光学特性を、電界を印加することにより変化させて反射型表示を行うことのできる画像表示用シートを、簡便な方法で製造することが可能となり、さらに、本発明の画像表示用シートは、フレキシブルでペーパーライクであり、良好な表示性能をもち、大型化が容易である。
即ち本発明の画像表示用シートは、すでに複数の細長い中空セル構造が並列に配置されたシートを用いて、中空セル内部に目的とする表示材料を封入するという方法により、繰り返し書き換えが可能な画像表示用シートを極めて簡便に製造することができる。また本発明のシートは、例えば中空繊維を互いに製織したシートの場合のように、表示部分間の隙間を持たないため、高開口率を保つことが出来、良好な表示性能を有する。さらに、本発明で用いられる中空構造を有するプラスチックシートは、一般的な工業的製法で製造され、大型の画像表示装置を簡便に作製することが可能である。
以下に本発明の実施形態を詳細に説明する。
本発明において使用される、2枚の平行する透明なプラスチックフィルムの間が一定間隔で配置された細長いリブで連結され、互いに平行する複数の細長い中空のセルが隣接した構造を有する中空プラスチックシート(以下、単に中空シートとも言う。)について説明する。図1に示されるように、2枚の平行する透明なプラスチックフィルム1及び2が、一定間隔で配置された多数の細長いリブ3により連結されることにより、それぞれのリブ間に互いに平行にする細長いセル4が形成されている。このような構造を有する中空シートは一般に、農業用のシート、包装材、緩衝材、保温材あるいは断熱材として市販されている。本発明は、中空シートのセル内部(中空構造の内部)に表示材料5を封入することにより、表示材料を内包する画像表示用シートを製造するものである。
本発明で使用される中空シートの製造方法としては、(1)ハーモニカ形状を持つT−ダイから連続的に押出し成形を行い、2枚の平行する透明なプラスチックフィルムとリブが一体となったシートを形成する方法(特公昭50−24339号公報、特開2004−9493号公報、特開2005−028624号公報等)、(2)凹凸が一定間隔で繰り返されるプラスチックフィルムの両面または片面に、透明なプラスチックフィルムを接合して一体化したシートを形成する方法(特開2001−269995号公報、特開2003−170515号公報等)、(3)エンボス加工などによりリブが等間隔に形成された一対の透明プラスチックフィルムを、リブの先端同士を重ね合わせて融着させる方法(特開2006−35764号公報)、などの公知の方法を用いることができる。
中空シートを構成する材料としては、一般的な熱可塑性樹脂、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、又はそれらの共重合体等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン12、ポリアミド、ポリアミドイミド等のポリアミド系樹脂、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体等のポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のビニルアルコール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、セルロース系樹脂、ポリエーテル系樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂等が挙げられる。これらの中でもポリオレフィン系樹脂やポリカーボネート系樹脂は、透明性、成形性、機械的強度、熱に対する寸法安定性に優れ、特に好適に用いられる。
本発明の画像表示用シートは、前記方法により形成される、平行に配列された中空構造を有することが特徴であり、それによって表示材料を内包するシートを簡便な方法により製造することが出来る。またその結果、シート内の表示材料がセル単位に区切られることにより、表示材料を均一に分布された状態に保つことができ、良好な画質を得ることが出来る。これらの特徴を実現するためには、シート中の中空部である各セルは、一般には十分に細長いことが好ましい。セルのアスペクト比、すなわち、セルのフィルム断面方向の深さに対する長手方向の長さの比は5以上であることが好ましく、より好ましくは10以上、さらに好ましくは50以上である。
本発明の画像表示用シートに用いるプラスチックシートは、2枚の透明プラスチックフィルムが多数の細長いリブにより連結された構成である。透明プラスチックフィルムの厚みは、1μm〜3mm程度であり、好ましくは5μm〜1mm程度である。リブの高さは10μm〜10mm程度であり、好ましくは30μm〜3mm程度である。リブの幅は5μm〜1mm程度である。隣接するリブ間の間隔、すなわち、シート中の中空部である各セルの幅は、良好な画質を保つためにある程度狭いことが好ましく、20μm〜10mm程度であり、好ましくは50μm〜8mm程度であり、さらに好ましくは100μm〜5mm程度である。
次に、本発明において使用される表示材料について説明する。
表示材料として電気泳動粒子を用いた場合について説明する。本発明に使用可能な電気泳動用粒子としては、周知のコロイド粒子、種々の有機・無機顔料、染料、金属紛、ガラス、あるいは樹脂等の粉砕微粉末等が挙げられるが、所望の組成、色調、粒子径が実現できるものであればいかなるものでもよい。
有機顔料の中でも、縣濁重合法、乳化重合法、界面重合法、溶液重合法、分散重合法等により合成される重合粒子は、その製造過程で様々な細工ができる利点がある。具体的な重合粒子の組成材料はメタクリル酸系、アクリル酸系、スチレン系、アクリロニトリル系、酢酸ビニル系、塩化ビニル系、ナイロン系、ウレタン系樹脂等を使用することができる。
無機顔料としては、カーボンブラック、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、鉛白、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、アルミナホワイト、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、カドミウムオレンジ、チタンイエロー、紺青、群青、コバルトブルー、コバルトグリーン、コバルトバイオレット、酸化鉄、カーボンブラック、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅粉、アルミニウム粉などが挙げられる。
電気泳動粒子を分散する液体としては、種々の絶縁性液体が使用され、例えば、シリコーン系オイル、脂肪族炭化水素系オイル、芳香族炭化水素系オイル、脂環式炭化水素系オイル、ハロゲン化炭化水素系オイル、各種エステル類、またはその他の種々の油等を単独、または適宜混合したものが使われる。
重合体泳動粒子や無機系泳動粒子を分散する液体の着色には、アゾ系、ビスアゾ系、トリアゾ系、アントラキノン系、トリフェニルメタン系、スチルベン系、フェロシアン化合物、酸化コバルト化合物、フタロシアニン化合物、イソインドリノン化合物、モリブテン化合物などの各顔料や染料などが挙げられる。また、電気泳動粒子の凝集・沈降を防ぎ、良好な表示性能を得る目的で、各種界面活性剤などの分散剤を適宜添加してもよい。
また、電気泳動粒子の凝集・沈降を防ぎ、良好な表示性能を得る目的で、必要に応じて分散媒に可溶な帯電制御剤、分散安定剤を適宜添加してもよい。帯電制御剤は分散媒に可溶であるならば特に限定されないが、例えばナフテン酸系金属石鹸、オクタン酸系金属石鹸、ステアリン酸系金属石鹸等の金属石鹸など、公知のものが挙げられる。同様に分散安定剤は分散媒に可溶であるならば特に限定されないが、例えばロジンエステル、ロジン誘導体、ブタジエン系共重合体、スチレン系共重合体や、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤など、公知のものが挙げられる。
表示材料として、表面を少なくとも2色に色分けした、回転可能な表示素子を用いた場合について説明する。本発明に使用可能な、液体中で回転可能な表示材料は、一般にはその表面が2色以上の領域に色分けされており、具体例としては、2色に色分けした着色粒子、および2色に色分けした円柱体等を挙げることができる。2色に色分けした着色粒子の製造方法としては(1)色の異なる2種類の硬化性樹脂組成物を結合させて粒子化する方法(特開平6−226875号公報)、(2)光透過性粒子表面に、金属、カーボンブラックなどを蒸着、塗布する方法(特開平11−85067号公報)、(3)感光材料からなる粒子を用い、露光、現像、定着により色分けする方法(特開平11−85069号公報)、(4)表裏で色の異なる2つの組成物を貼合し、粒子になるように加工する方法(特開平1−282589号公報、特開2002−99005号公報等)、(5)色の異なる2種類の液体を空気中で接触させ、反応液に浸し固化させる方法(特開2004−199022)、(6)マイクロチャンネル内に連続的に形成された、色の異なる2種類の液体からなる層流を、別の液流によりせん断して液滴を形成し、さらに固化させて粒子化する方法(特開2004−197083)などの公知の方法を用いることができる。
また、色分けした円柱状表示素子も、前記2色粒子の製造方法に準じた類似の方法により製造することができる。例えば、前記(1)の方法では、色の異なる2種類の部分からなる繊維(サイドバイサイド繊維)を形成したのち、回転刃や直線刃などの固体刃、またはレーザー光を用いて細かく切断することにより円柱状表示素子が製造可能であるし、前記(2)や(3)の方法においては粒子の代わりに円柱体を用いればよい。
表示素子を色分けするために用いる着色剤としては、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、鉛白、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、アルミナホワイト、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、カドミウムオレンジ、チタンイエロー、紺青、群青、コバルトブルー、コバルトグリーン、コバルトバイオレット、酸化鉄、フッ化マグネシウム、カーボンブラック、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅粉、アルミニウム粉、アゾ系、ビスアゾ系、トリアゾ系、アントラキノン系、トリフェニルメタン系、スチルベン系、フェロシアン化合物、酸化コバルト化合物、フタロシアニン化合物、イソインドリノン化合物、モリブテン化合物、ランプブラック、デュポンオイルレッド、オリエントオイルレッド、ローズベンガル、キノリンイエロー、クロームイエロー、ウルトラマリンブルー、アニリンブルー、マラカイトグリーンオキサレート等が使用できる。
2色に色分けした粒子あるいは円柱体を回転させるには、第1の色表面と第2の色表面の帯電特性に差を持たせる必要がある。帯電特性を制御するには帯電制御剤を使用するのがよい。使用可能な帯電制御剤は、正帯電用としてニグロシン系、四級アンモニウム塩化物、トリフェニルメタン系等が、負帯電用としてモノアゾ系染料のCr錯体、CrやZnのサリチル酸塩などの各顔料や染料などが挙げられる。
色分けした粒子や円柱体を分散する液体としては、シリコーン系オイル、脂肪族炭化水素系オイル、芳香族炭化水素系オイル、脂環式炭化水素系オイル、ハロゲン化炭化水素系オイル、各種エステル類、またはその他の種々の油等を単独、または適宜混合したものが使われる。
表示材料として、電界により、気体中を飛翔移動可能な粒子を用いた場合について説明する。本発明に使用可能な気体中を飛翔移動可能な粒子は、周知の電子写真プロセスに使用されているトナー粒子が使用できる。バインダー樹脂としてはスチレン−アクリル共重合体、ポリエステル樹脂である。着色剤はカーボンブラック、ランプブラック、デュポンオイルレッド、オリエントオイルレッド、ローズベンガル、キノリンイエロー、クロームイエロー、ウルトラマリンブルー、アニリンブルー、マラカイトグリーンオキサレート等が使用できる。帯電制御剤は正帯電用として、ニグロシン系、四級アンモニウム塩化物、トリフェニルメタン系等が、負帯電用としてモノアゾ系染料のCr錯体、CrやZnのサリチル酸塩が用いられる。
表示材料として液晶を用いた場合について説明する。本発明に使用可能な液晶は、正の誘電異方性を有するネマチック液晶に、カイラル剤と呼ばれる末端基として、光学活性の2−メチルブチル基、2−メチルブトキシ基、または4−メチルヘキシル基などが結合された液晶を添加することにより得ることができる。螺旋ピッチはカイラル剤の添加量によって決まる。具体的には、シアノビフェニル系ネマチック液晶、例えばメルク社製E8に対して、右旋回カイラル剤、例えばメルク社製のCB15を、それぞれ、質量比で50%、40%、30%添加することによって、各々、ブルー反射、グリーン反射、レッド反射の液晶を得ることができる。配向させるために、これらの液晶に、重合後に液晶とほぼ同一の屈折率が得られる高分子前駆体、例えばノーランド社製NOA65を添加するのがよい。
本発明の製造方法において、中空シートに表示材料を封入する方法について説明する。表示材料が液体、例えば、電気泳動粒子あるいは回転可能な表示素子が分散された絶縁性液体や、液晶である場合には、例えば以下のような方法を用いることが出来る。
図2に示すように、適当な容器6に表示材料液7を入れ、表示材料液を攪拌しながら該中空シート8の一端を液中に入れ、他の一端を吸引しながら充填する。中空部分、すなわち前記セルの内部が全て表示材料液に満たされた後、中空シートの両端を封止する。封止する方法としては、熱、レーザー照射あるいは超音波により端部を融着させて封止する方法や、エポキシやUV接着剤などの各種封止剤を用いる方法のいずれかを用いてもよいし、これらのうち複数の方法を併用してもよい。
表示材料が液体を含まない場合、例えば、電界により気体中を飛翔可能な粒子である場合には、例えば以下のような方法を用いることが出来る。図3に示すような粒子供給装置9中に該粒子10を入れ、攪拌して空気中に粒子が分散された状態とする。この粒子供給装置に取り付けられた供給ポンプ12と、本発明の中空シート8の中空部の一方の端部を接続し、気流とともに該粒子を中空セル内部に供給する。この際、該中空シートの両面に電界印加装置13を取り付け、電界を印加しながら粒子を供給することによって、粒子を中空セルの内壁に付着させ、均一に粒子をセル内に導入することができる。セルの内部に十分な量の粒子が充填された後、上記液体表示材料を封入する場合と同様の方法で中空シートの両端を封止する。
本発明の中空シートに、電気泳動粒子、回転可能な表示素子あるいは電界により気体中を飛翔可能な粒子などの粒子状の表示材料を封入した場合には、粒子が凝集または沈降して表示不良を起こすことがある。これを防止するために、図4および図5に示すように、中空部である各セルの内部に壁14を設け、セル内を微小な部屋に区切って分けることにより、沈降や表示不良を軽減できる。各セルの内部に壁を設けて微小な部屋15を作製する方法としては、中空シートにエンボス加工を施す方法、あるいはレーザー光を中空シート内壁に照射する方法等が好ましい方法である。使用される加工用レーザーとしては、集光性に優れた炭酸ガスレーザーやYAGレーザーが好適に使用される。
本発明の画像表示用シートを、少なくとも一方が透明な対向する2枚の電極基板間に密着して配置させ、さらに電界を与える装置を配置することで、情報の記入・消去・書換えが可能な画像表示装置として使用可能となる。電界を与える装置は、公知の手段を適用できる。上側の電極基板の材質としては、ガラス、透明プラスチック、例えばポリエーテルスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、またはスチレン−アクリロニトリル共重合体等のスチレン系樹脂を用いてもよい。電極基板の極線はITOを蒸着したものが好ましい。一方、下側に設置する電極基板は、金属など不透明な電極材料を用いてもよい。
本発明の画像表示装置を用いればカラー表示も可能である。例えば図6のように、「赤・緑・青・赤・緑・青…」のように異なる表示色を示す表示材料を規則的な順序で各中空セルに封入することにより、カラー表示を行うことが出来る。例えば図6において、赤色を表示する液晶材料16、緑色を表示する液晶材料17、青色を表示する液晶材料18、の3種類を規則的な順番で配列し、画素毎に適宜発色させることでカラー表示を行うことができる。このように各セルに異なった表示色を示す表示材料を封入する方法としては、以下のような方法を用いることが出来る。例えば図2の封入方法において、赤色の表示材料を入れるセル以外のセルの端部を蓋などで仮封止してから、赤色の表示材料を封入する。同様の操作を緑色、青色の表示材料についても繰り返すことにより、各セルに異なった表示色を示す表示材料を封入することが出来る。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、特に断らない限り、実施例中の「%」および「部」は、すべて「質量%」および「質量部」を意味する。
実施例1
[中空シートの製造]
図7において、図8のような形状を持つ中空シート押出用ダイ19を用い、ポリプロピレンを溶融押出し、真空吸引ロール20により連続的に真空吸引しながら、冷却固化させて、中空シートの連続引取りを行なうことにより、中空シート8を得た。得られた中空シートは、総厚みが250μm、リブ間隔が200μm、フィルム部の厚みが25μmおよびリブ厚みが50μmであった。幅50cmで連続的に得られた中空シートを、10cm×10cm四方のサイズに裁断し、以下の表示材料内包中空シートの作製に用いた。
[電気泳動粒子分散液の製造]
分散媒として、炭化水素系オイル(商品名:アイソパーG、エクソンモービル製)100部に、ロジンエステル(商品名:ネオトール125H、ハリマ化成(株)製)を2.5部混合し、24時間攪拌した。この分散媒に、酸化チタン粒子(商品名:R−980、石原産業(株)製、平均粒径0.24μm)とカーボンブラック粒子(商品名:MICROJET、オリエント化学工業(株)製)が、それぞれ3%となるように投入し、攪拌装置で混合分散することにより、電気泳動粒子分散液を得た。
[表示材料を内包した中空シートの作製]
図2に示すように、容器に上記の電気泳動分散液を入れ、良く攪拌しながら、上記方法にて作製した中空シートの一端を液中に入れ、他の一端から吸引しながら、分散液を中空シートのセル内部に充填した。充填が完了した後、シートの両端それぞれを加熱して融着することにより封止を行い、電気泳動粒子分散液を内包した画像表示用中空シートを得た。
[表示装置の作製および表示品質評価]
得られた画像表示用中空シートを透明なITO電極基板間に挟み込み、両基板に密着させて配置し、電界印加手段を設けて表示装置を作製した。この表示装置を用いて表示品質の評価を行った。上電極を+200V、下電極を0Vに印加したところ、全面黒表示になり、上電極を−200V、下電極を0Vに印加したところ、全面白表示になった。シートの全面積に占める表示素子の割合は75%と高く、コントラスト比は10:1と良好であった。ここで「コントラスト比」は、マクベス濃度計により測定した、黒表示時の画像濃度と、白表示時の画像濃度の比であり、「シートの全面積に占める表示素子の割合」は、シートの全面積に対する、表示素子が存在する面積の割合であり、目視により容易に測定できる。
実施例2
[2色に色分けされた球状表示素子(2色粒子)の製造]
重合性単量体1として、イソボルニルアクリレート100部に、架橋剤としてトリメチロールプロパントリアクリレート1部、および着色剤としてカーボンブラック(商品名:MA−100、三菱化学製)1部を、サンドミルを用いて分散させ、熱重合開始剤としてクミルパーオキシネオデカネート0.5部を溶解させ、着色連続相用反応性溶液A−1とした。
次に重合性単量体2として、ブチルアクリレート100部に、架橋剤としてトリメチロールプロパントリアクリレート1部、および着色剤として酸化チタン(商品名:R−550、石原産業製)1部を、サンドミルを用いて分散させ、熱重合開始剤としてクミルパーオキシネオデカネート0.5部を溶解させ、着色連続相用反応性溶液A−2とした。
次に、イオン交換水100部に88%ケン化ポリビニルアルコール1部を溶解させたものを水性の流動媒体Bとした。
使用する実験装置は、単量体同士の混合として、図9の装置を用いてA−1(21)およびA−2(22)を合流させ、次に、3本の流路が交差したマイクロチャンネルの真ん中の第1マイクロチャンネル23から、A溶液を(1ml/hr)で、その両側の第2および第3マイクロチャンネル(24、25)を30(ml/hr)で流れる流動媒体B中に吐出させ、その後、管内径0.5mmのPTFEチューブ26に流しながら、90℃温水浴中を通し重合を行なった。以上の操作により黒色/白色の粒子径のそろった2色粒子27が得られた。その粒子径は50μmであった。
[2色粒子分散液の調製]
前記作製した球状表示素子(黒/白2色粒子)を10%濃度になるように脂肪族炭化水素系オイル(商品名:アイソパーG、エクソンモービル製)に分散した。
[表示材料を内包した中空シートの作製]
実施例1と同様の方法により中空シートを製造した。中空シートのセル内部に、前記2色粒子分散液を実施例1と同様の方法で封入し、2色粒子分散液を内包した画像表示用中空シートを得た。
[表示装置の作製および表示品質評価]
実施例1と同様にして表示装置を作製し、表示品質の評価を行った。上電極を+100V、下電極を0Vに印加したところ、全面黒表示になり、上電極を−100V、下電極を0Vに印加したところ、全面白表示になった。シートの全面積に占める表示素子の割合は70%と高く、コントラスト比は8:1と良好であった。
実施例3
[気体中を飛翔移動可能な粒子の製造]
3%アルギン酸ナトリウム水溶液(試薬)100部、着色剤としてマゼンタ系顔料(水性エナメル赤、株式会社アサヒペン製)1部を混合、分散した。分散液を市販スプレイに取り、3%塩化カルシウム水溶液に接触するように噴霧した。得られた粒子を乾燥して、直径30μmのマゼンタ固体粒子を得た。次に、3%アルギン酸ナトリウム水溶液(試薬)100部、ナイロンフィラー14部、水56部を混合、分散した。分散液を市販スプレイに取り、3%塩化カルシウム水溶液に接触するように噴霧した。得られた粒子を乾燥した後、0.1M濃度のEDTA水溶液で数分浸漬させ、蒸留水で洗浄後に直径35μmの白色固体粒子を得た。
[表示材料を内包した中空シートの作製]
実施例1と同様の方法により中空シートを製造し、電界印加装置を取り付けたITO電極基板間に挟みこんだ。中空シートの中空部の一方の端部を、図3の粒子供給装置に接続し、前記マゼンタ粒子および白粒子を粒子供給装置内に入れ、攪拌して空気中に粒子を分散させた。その後、中空シートに300Vの電界を印加した状態で、供給ポンプにより粒子をセル内に導入し、気体中を飛翔移動可能な粒子を内包した画像表示用中空シートを得た。
[表示装置の作製および表示品質評価]
実施例1と同様にして表示装置を作製し、表示品質の評価を行った。上電極を+300V、下電極を0Vに印加したところ、全面白表示になり、上電極を−300V、下電極を0Vに印加したところ、全面マゼンタ表示になった。シートの全面積に占める表示素子の割合は75%と高く、コントラスト比は10:1と良好であった。ここで「コントラスト比」は、マクベス濃度計により測定した、マゼンタ表示時の画像濃度と、白表示時の画像濃度の比である。
実施例4
[液晶の調製]
緑の色光を選択反射する表示層のコレステリック液晶として、正の誘電率異方性を有するネマチック液晶(商品名:BDH−TL202、メルク社製)57部、右旋回のカイラル剤(商品名:CB15、メルク社製)43部を混合した。
[表示材料を内包した中空シートの作製]
実施例1と同様の方法により中空シートを製造した。中空シートのセル内部に、前記で調製した液晶を実施例1と同様の方法で封入し、液晶を内包した画像表示用中空シートを得た。
[表示装置の作製および表示品質評価]
実施例1と同様にして表示装置を作製し、表示品質の評価を行った。上電極を+300V、下電極を0Vに印加したところ、緑色表示から白表示に変化した。さらに電圧をかけたところ、+700Vで透明になった。電圧をオフにしたところ、元の緑色を表示した。シートの全面積に占める表示素子の割合は75%と高く、コントラスト比は7:1と良好であった。ここで「コントラスト比」は、マクベス濃度計により測定した、緑色表示時の画像濃度と、白表示時の画像濃度の比である。
実施例5
実施例1と同様にして、電気泳動粒子分散液を内包した画像表示用中空シートを作製した。中空シート内部の各中空セルについて、半導体レーザー(商品名:UDL−15V、オリンパスマーケティング(株)製)を用い、0.5mm周期で3W出力、20msecのレーザー照射で、中空シート内壁を溶かして壁を形成させ、中空セル内に微小な小部屋を作製した。この中空シートを用いて、実施例1と同様にして表示装置を作製し、表示品質の評価を行った。上電極を+200V、下電極を0Vに印加したところ、全面黒表示になり、上電極を−200V、下電極を0Vに印加したところ、全面白表示になった。小部屋を設けてセル内の粒子の凝集を防ぐことにより、コントラスト比は12:1とさらに良好であった。
本発明により、シートに内包された表示材料の光学特性を、電界印加で変化させて反射型表示を行う画像表示用シートを、簡便な方法により安価に製造することが可能となった。本発明の画像表示用シートは良好な表示性能をもち、大型化が容易であるため、フレキシブルでペーパーライクな表示装置、あるいは書き換え可能な大型表示装置として利用できる可能性がある。
本発明の表示材料を内包した中空シートを用いた、画像表示用シートの一例を模式的に示す斜視図。 本発明で表示材料が液体である場合における、中空シートに表示材料を封入する方法の一例を示す模式図。 本発明で、表示材料が気体中を飛翔移動可能な粒子である場合における、中空シートに表示材料を封入する方法の一例を示す模式図。 本発明の画像表示用シートにおいて、セル内部を小部屋に区切った一実施形態を模式的に示す斜視図。 本発明の画像表示用シートにおいて、セル内部を小部屋に区切った一実施形態を模式的に示す断面図(セル長手方向断面)。 本発明の画像表示用シートにおいて、カラー表示を行う一実施形態を模式的に示す平面図。 本発明の中空シートの製造方法の一例を示す模式図。 本発明の中空シートの製造において用いられる押出用ダイの一例を示す断面模式図。 従来公知の2色粒子の製造方法に用いられるマイクロチャンネル装置の模式図。 従来公知の電気泳動を利用した表示方式を示す模式図。 従来公知のコレステリック液晶を利用した表示方式を示す模式図。 従来公知の飛翔移動可能な粒子を利用した表示方式を示す模式図。
符号の説明
1、2透明なプラスチックフィルム
3 リブ
4 中空セル
5 表示材料
6 液体の表示材料を入れる容器
7 液体の表示材料
8 中空シート
9 粒子供給装置
10 飛翔移動可能な粒子
11 攪拌装置
12 供給ポンプ
13 電界印加装置
14 中空セル内に形成される壁
15 中空セル内に形成される小部屋
16 赤色を表示する表示材料
17 緑色を表示する表示材料
18 青色を表示する表示材料
19 押出用ダイ
20 真空吸引ロール
21、22 着色連続相用反応性溶液
23 第1マイクロチャンネル
24 第2マイクロチャンネル
25 第3マイクロチャンネル
26 黒/白2色粒子




Claims (9)

  1. 表示材料を内包し、該表示材料の光学特性を電界印加により変化させて反射型表示を行う画像表示用シートの製造方法において、2枚の平行する透明なプラスチックフィルムの間が一定間隔で配置された細長いリブで連結され、互いに平行する複数の細長いセルが隣接した構造を有する中空シートを用いて、前記セル内部に表示材料を封入することにより、表示材料を内包するシートを作製することを特徴とする、画像表示用シートの製造方法。
  2. 前記セルのアスペクト比(セルの長手方向の長さ/シート断面方向の深さ)が5以上である請求項1に記載の画像表示用シートの製造方法。
  3. 前記表示材料が、電気泳動粒子が分散された絶縁性液体を主成分とする請求項1または2に記載の画像表示用シートの製造方法。
  4. 前記表示材料が、表面を少なくとも2色に色分けした回転可能な表示素子、及び絶縁性液体を主成分とする請求項1または2に記載の画像表示用シートの製造方法。
  5. 前記表示材料が、電界により気体中を飛翔移動可能な粒子を主成分とする請求項1または2に記載の画像表示用シートの製造方法。
  6. 前記表示材料が、液晶を主成分とする請求項1または2に記載の画像表示用シートの製造方法。
  7. 前記のセル内部に表示材料を封入した後、さらにセル内部を小部屋に区切る請求項1〜6のいずれかに記載の画像表示用シートの製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の画像表示用シートの製造方法により製造されたことを特徴とする画像表示用シート。
  9. 請求項8に記載の前記画像表示用シートが、少なくとも一方が透明な対向する2枚の電極基板間に密着して配置されていることを特徴とする画像表示装置。




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