JP2007248319A - シンチレーション検出器およびシンチレーション式低エネルギー光子1cm線量当量計 - Google Patents

シンチレーション検出器およびシンチレーション式低エネルギー光子1cm線量当量計 Download PDF

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精仁 山村
Kaoru Masui
馨 増井
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Abstract

【課題】10keV〜150keVという領域の低エネルギー光子に対して検出精度を高めたシンチレーション検出器およびシンチレーション式低エネルギー光子1cm線量当量計を提供する。
【解決手段】入射窓15と、シンチレータ12と、光電子増倍管13と、を備え、20keV以下におけるエネルギーに対する入射窓の透過率の特性を20keV以下の1cm線量当量換算係数曲線に近似させることで、10keVから150keVまでの低エネルギー光子が入射したときのエネルギーレスポンスの平坦化を図るシンチレーション検出器10とした。また、このシンチレーション検出器10を搭載したシンチレーション式低エネルギー光子1cm線量当量計とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、主に10keV〜150keVという低エネルギー光子を検出するためのシンチレーション検出器、および、このシンチレーション検出器を用いるシンチレーション式低エネルギー光子1cm線量当量計に関する。
低エネルギーのX線やγ線(以下、低エネルギー光子という)を用いる放射線利用装置が各種利用されている。このような放射線利用装置が設置される管理区域では、1cm線量当量計を用いて放射線の量を表す1cm線量当量を測定する。このような測定は、定期的(例えば一日毎に所定時刻から所定期間測定するというもの)あるいは不定期的に行われる。
放射線利用装置の一例として、例えば医療用のX線撮影装置がある。このX線撮影装置では、X線の発生時間は撮影時間に依存する。さらにまた、撮影時間間隔は撮影対象に応じて異なるものであり、撮影毎に数ミリ秒〜数百ミリ秒発生させる。これら理由のため放射線(X線)の発生は不定期・間欠的であり、その線量を正確に測定するため1cm線量当量計の積算モードで測定する必要がある。このような1cm線量当量計では、一般的にその際の測定値の表示は、積算値あるいは線量率のいずれか一方のみであった。
一般に50keV以下の低エネルギー光子を測定対象とするときの1cm線量当量計としては、特に50keV以下の検出感度のエネルギー依存性が小さい点で有利な電離箱式の1cm線量当量計を使用したり、または、エネルギー依存性は小さくないが低域で検出感度が高い点で有利なNaI(Tl)シンチレーション検出器を用いた1cm線量当量計を使用する。ここにエネルギー依存性が小さいとは、入射する光子のエネルギーに対する検出器のレスポンスがエネルギーによらずに一定に近いことを指す。
また、放射線測定装置に係る他の従来技術として、例えば、特許文献1(特開2004−108796号公報;発明の名称「放射線測定装置」)がある。この放射線測定装置では、DBM方式により、NaI(Tl)シンチレーション検出された信号に対して、波高弁別器の弁別閾値を所定パターンに従って時間的に変化させることにより、検出パルス信号が後段の計数器に入力される確率をその波高に応じて調整することで、1cm線量当量換算係数曲線図で表されるようなエネルギー別の係数を乗じて、補正する装置が開示されている。
従来技術の低エネルギー光子を測定対象とする1cm線量当量計等の放射線測定装置はこのようなものである。
特開2004−108796号公報(段落番号0020,図1)
従来技術の1cm線量当量計では、25keV以下の低エネルギー光子の検出については配慮されていないものであり、10keV〜150keVという低エネルギー光子を検出する場合に、特に25keV以下の低エネルギー光子の検出精度が高くないという問題点があった。
まず、電離箱式の1cm線量当量計では、エネルギー依存性を小さくするために、電離箱に使用される材質や電離する気体は制約を受け、材質はプラスチック、気体は窒素(空気)が大気圧で用いられることが多い。また、電離箱式の1cm線量当量計は携帯する測定器であり、電離箱検出器の大きさが制約をうける。これらのような事情のため、感度を高くすることが困難であった。加えて、エネルギー依存性は小さくおおむね良好であるものの、この場合における低エネルギー光子に対するレスポンスは、図14の電離箱式の1cm線量当量計の光子エネルギー−レスポンス特性の説明図からも明らかなように、特に25keV以下のエネルギー依存性については考慮されておらず、10keV〜25keVの低エネルギー光子に対するエネルギー依存性が良好でない(エネルギー依存性大きい)という問題があった。
また、他の従来技術のNaI(Tl)シンチレーション検出器を用いた1cm線量当量計は、低域において検出感度が高いがエネルギー依存性が大きいものである。1cm線量当量計は、図15の光子エネルギー−1cm線量当量換算係数曲線図で表されるように、低エネルギー領域では値を小さくする換算係数を乗じる必要(例えば、10keVでは0.1倍する必要)があり、むしろ検出感度が高すぎるというものであった。この図15からも明らかなように、20keV(0.020MeV)以下では、換算係数が小さくなっており、換言すれば低エネルギー領域では検出感度を低くしたいという要請があった。
この検出感度の点については、特許文献1でも同様の問題があった。
このように、10keV〜150keVという低エネルギー光子を検出する1cm線量当量計等の従来技術の放射線測定装置は、低域の検出感度が良好でないため、低域で検出精度に問題が生じるおそれがあった。
そこで、本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、10keV〜150keVという領域の低エネルギー光子に対してエネルギー依存度が小さいレスポンスとなるようにして、検出感度を良好にしたシンチレーション検出器を提供することにある。
また、このシンチレーション検出器を採用し、10keV〜150keVという領域の低エネルギー光子に対して検出精度を高めたシンチレーション式低エネルギー光子1cm線量当量計を提供することにある。
このような本発明の請求項1に係るシンチレーション検出器は、
入射する光子の一部を吸収するとともに残りは通過させ、所定エネルギー以下の光子に対してエネルギーが小さくなるにつれて透過率が小さくなる特性を有する入射窓と、
入射窓を通過した光子に応じてシンチレーション光を放出するシンチレータと、
シンチレータから放出されるシンチレーション光の強度に比例したパルス信号を出力する光電子増倍管と、
を備えるシンチレーション検出器であって、
20keV以下におけるエネルギーに対する入射窓の透過率の特性を20keV以下の1cm線量当量換算係数曲線に近似させることで、10keVから150keVまでの低エネルギー光子が入射したときのエネルギーレスポンスの平坦化を図ること特徴とする。
また、本発明の請求項2に係るシンチレーション検出器は、
請求項1に記載のシンチレーション検出器において、
前記入射窓の材料をアルミニウムとし、その厚さを0.1mmから0.4mmまでの厚さとすることを特徴とする。
また、本発明の請求項3に係るシンチレーション検出器は、
請求項1に記載のシンチレーション検出器において、
前記入射窓の材料をベリリウムとし、その厚さを5mmから20mmまでの厚さとすることを特徴とする。
本発明の請求項4に係るシンチレーション式低エネルギー光子1cm線量当量計は、
請求項1〜請求項3の何れか一項に記載のシンチレーション検出器と、
前記シンチレーション検出器から出力されるパルス信号を所定の波高レベルまで増幅するアンプと、
パルス信号に対して所定波高レベル以下を除去する基準の弁別閾値を設定する弁別基準信号を出力する弁別基準信号発生部と、
弁別基準信号発生部に接続され、少なくとも弁別閾値の下限レベルを調整する調整手段と、
弁別基準信号発生部から出力される弁別基準信号に基づいて、アンプから出力されるパルス信号を弁別して整形パルス信号を出力するディスクリミネータと、
整形パルス信号を用いて計数してカウント値を1cm線量当量として出力するカウント部と、
1cm線量当量を表示する表示器と、
を備え、
調整手段を用いて調整し、10keV付近のエネルギーレスポンスが略1.0となるような下限レベルを設定することを特徴とする。
また、本発明の請求項5に係るシンチレーション式低エネルギー光子1cm線量当量計は、
請求項1〜請求項3の何れか一項に記載のシンチレーション検出器と、
前記シンチレーション検出器から出力されるパルス信号を所定の波高レベルまで増幅するアンプと、
所定周期におけるパルス信号に含まれる全パルスに対して波高別にパルス数を調整するため所定周期における弁別閾値を所定パターンに従って時間的に変化させる弁別基準信号を出力する弁別基準信号発生部と、
弁別基準信号発生部から出力される弁別基準信号の弁別閾値に基づいて、アンプから出力されるパルス信号を弁別して、波高レベル別にパルス数を調整した整形パルス信号を出力するディスクリミネータと、
整形パルス信号を用いて計数してカウント値を1cm線量当量として出力するカウント部と、
1cm線量当量を表示する表示器と、
を備えることを特徴とする。
また、本発明の請求項6に係るシンチレーション式低エネルギー光子1cm線量当量計は、
請求項5に記載のシンチレーション式低エネルギー光子1cm線量当量計において、
前記弁別基準信号発生部からの弁別基準信号は、60keV以上におけるエネルギーに対するシンチレーション検出器からのレスポンスを60keV以上の1cm線量当量換算係数曲線に近似させるような弁別基準信号とすることで、10keVから150keVまでの低エネルギー光子が入射したときのエネルギーレスポンスの平坦化を図ること特徴とする。
また、本発明の請求項7に係るシンチレーション式低エネルギー光子1cm線量当量計は、
請求項5または請求項6に記載のシンチレーション式低エネルギー光子1cm線量当量計において、
前記弁別基準信号発生部に接続され、少なくとも弁別閾値の下限レベルを調整する調整手段を備え、
調整手段を用いて調整し、10keV付近のエネルギーレスポンスが略1.0となるような下限レベルを設定することを特徴とする。
また、本発明の請求項8に係るシンチレーション式低エネルギー光子1cm線量当量計は、
請求項4または請求項7に記載のシンチレーション式低エネルギー光子1cm線量当量計において、
10keV付近のエネルギーレスポンスと、エネルギー40keVにおけるエネルギーレスポンスと、が略一致するような弁別閾値の下限レベルを設定することを特徴とする。
また、本発明の請求項9に係るシンチレーション式低エネルギー光子1cm線量当量計は、
請求項4〜請求項8の何れか一項に記載のシンチレーション式低エネルギー光子1cm線量当量計において、
前記カウント部は、1cm線量当量率とその積算値である1cm線量当量を算出し、
前記表示器は、前記カウント部により算出された1cm線量当量率をバー表示で表し、また、1cm線量当量を数値表示で表示する、
ことを特徴とする。
また、本発明の請求項10に係るシンチレーション式低エネルギー光子1cm線量当量計は、
請求項9に記載のシンチレーション式低エネルギー光子1cm線量当量計において、
前記カウント部は、所定期間における1cm線量当量率の平均値、最大値および最小値と、1cm線量当量率の積算値である1cm線量当量を算出し、
前記表示器は、1cm線量当量率の平均値、最大値および最小値をバー表示で同時に表し、また、1cm線量当量を数値表示で表示する、
ことを特徴とする。
以上のような本発明によれば、10keV〜150keVという領域の低エネルギー光子に対してエネルギー依存度が小さいレスポンスとなるようにして、検出感度を良好にしたシンチレーション検出器を提供することができる。
また、このシンチレーション検出器を採用し、10keV〜150keVという領域の低エネルギー光子に対して検出精度を高めたシンチレーション式低エネルギー光子1cm線量当量計を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態のシンチレーション検出器およびシンチレーション式低エネルギー光子1cm線量当量計について図を参照しつつ説明する。まず、シンチレーション検出器について説明する。図1は本形態のシンチレーション検出器の構造図である。図2はシンチレータの光子エネルギー−検出効率の特性図である。
シンチレーション検出器10は、図1に示すように、容器11、シンチレータ12、光電子増倍管13、ブリーダ回路14、入射窓15を備える。
容器11は、前方に検出孔を、後方に信号線・電源線を引き出す孔を有する金属製の筒体であり、光や磁気を遮蔽する機能を有する。
シンチレータ12は、詳しくは、微量のタリウム(Tl)を含むヨウ化ナトリウム(NaI)の結晶からなるNaI(Tl)シンチレータである。光子が物質内を通過するときに閃光により発光する現象を、シンチレーションといい、発光する物質がシンチレータという。所定透過率の入射窓15を通過した光子がシンチレータ12へ入射するとシンチレータ12からシンチレーション光を放出する。
このシンチレータ12の検出効率であるが、例えば、図2では特に直径50mm、厚さ5mmの円板であるシンチレータ(入射窓なし)12に入射する光子エネルギーに対する検出効率の例を示す。図2では、50keVまでの光子エネルギーに対しては検出効率は1.00と一定であるが、50keV以上の光子エネルギーに対しては、光子エネルギー値が大きくなるにつれて検出効率が低下する。このようにシンチレータ12では50keV以上でエネルギー依存性が大きい。
光電子増倍管13は、シンチレータ12から放出されるシンチレーション光を光電面に入射させて、光電面でシンチレーション光を光電子に変換し、この光電子を電流に交換増倍し、強度に比例した電流によるパルス信号を出力する変換器である。詳しくは、光電面から出力される光電子をダイノードで加速して二次電子放出増倍により10万倍から100万倍程度に増倍し、最終的に光電子の強さに比例した電流によるパルス信号を出力する。シンチレータ12と光電子増倍管13は隣接した一体構造となっている。
ブリーダ回路14は、光電子増倍管13の各電極に対して適切な電圧を印加する。
このようなシンチレーション検出器において、入射窓15がないシンチレーション検出器10からの出力に対しては、1cm線量当量換算係数を用いて換算する必要がある。先の図15の国際放射線防護委員会(ICRP)1990年勧告に基いた光子エネルギー−1cm線量当量換算係数曲線図によれば、光子エネルギーの20keV以下の領域では1cm線量当量換算係数が小さくなっている。換言すれば、シンチレーション検出器10からの出力は、低域で感度が高いというものであり、低域の感度を予め低くするようにしたい。そこでシンチレータ12の前側に低域の光子を吸収する入射窓15を配置する。
入射窓15は、光子を入射させ、通過する光子の一部を吸収する機能を有する。入射窓15の材質は、好ましくはアルミニウムやベリリウムが用いられる。図3,図4は入射窓の厚さ・材質別の光子エネルギー−透過率特性図である。入射窓の材質と厚さ(厚さは光子入射面から出射面までの厚さ)に依存して光子エネルギーに対して透過率が変化するというもので、図3は入射窓の材質をベリリウムとし、厚さを1mm、2mm、4mm、10mmのものを示し、図4は入射窓の材質をアルミニウムとし、厚さを0.1mm、0.2mm、0.3mm、0.4mmのものを示している。これら特性からも明らかなように、光子エネルギーが低くなるにつれて光子エネルギーに対する透過率も低くなるという特性を有している。
入射窓15を装着したシンチレーション検出器10へ入射した光子の1cm線量当量は次式により算出される。
Figure 2007248319
入射した光子の光子エネルギー値により決定される1cm線量当量換算係数、検出器の検出効率、入射窓の透過率を求め、検出器の入射窓面積を用いて1cm線量当量を算出する。
光子エネルギーが50keV以下の低エネルギー領域ではシンチレータ12の検出効率は、図2で示したように、ほぼ100%で一定(=1.0)であって、この場合は数1でも明らかなように、1cm線量当量換算係数の低下具合と、入射窓15の吸収による透過率の低下具合と、を一致させると測定値(1cm線量当量)の光子エネルギーに対する依存性を小さくすることができる。
つまり、光子源(図示せず)とシンチレータ12との間に適切な材質で適切な厚さの入射窓15を挿入すれば、50keV以下におけるエネルギーに対する入射窓15の透過率の特性を50keV以下の1cm線量当量換算係数曲線に近似させることができ、50keVまでの低エネルギー光子が入射したときのエネルギーレスポンスを平坦化し、低エネルギー領域における1cm線量当量のエネルギー依存性を小さくできる。
続いて計算によるシンチレーション検出器10のエネルギーレスポンスを検討する。図5は、計算による光子エネルギー−レスポンス特性である。入射窓15の材質をアルミニウムとし、その厚さ4種類についての光子エネルギーに対するレスポンス(計算結果)である。特に15keV以下でエネルギー依存性が改善され、特にアルミニウムの厚さを0.3mmとした場合、10〜100keVの範囲のエネルギー領域でのエネルギー依存性は±40%以内となる。
以上より、例えば10keV以上を測定する場合、入射窓の材質および厚さはアルミニウムで0.1mm〜0.4mm(特に0.3mm)が適切である。また、アルミニウムよりも吸収が小さいベリリウムでは5mm〜20mmが適切である。
このように本発明によるシンチレーション検出器では、特に厚さ0.3mmのアルミニウムの入射窓15を採用すれば、10〜100keVの範囲のエネルギー領域でのエネルギー依存性は±40%以内となっており、従来技術と比較しても、特に低域の光子エネルギーに対してエネルギー依存性を少なくして検出精度を高めるというものであり、低エネルギー光子の検出に適用できる。
続いて、このシンチレーション検出器を用いるシンチレーション式低エネルギー光子1cm線量当量計について図を参照しつつ説明する。図6は、本形態のシンチレーション式低エネルギー光子1cm線量当量計のブロック構成図である。シンチレーション式低エネルギー光子1cm線量当量計1は、先に説明したシンチレーション検出器10、高圧電源20、アンプ30、ディスクリミネータ40、制御・処理部(ワンチップマイコン)50、表示器60、低圧電源70、操作スイッチ80を備える。また、制御・処理部50は、さらに、CPU51、DAC(ディジタル・アナログ・コンバータ)52、ドライバ53、タイマ54、カウンタ55、記憶部(ROM・RAM)56を備える。
シンチレーション検出器10は、先に説明したように、光子を入射して、この光子のエネルギーに比例したパルス信号を出力する。
高圧電源20は、シンチレーション検出器10内のブリーダ回路14に高圧の電圧を供給する。後述するが、電圧値は操作スイッチ80により操作されて所定電圧が決定され、DAC52を介して所定波形の信号を送ることにより高圧電源20から所定波形に応じた電源電圧が供給される。
アンプ30はシンチレーション検出器10から出力されるパルス信号をディスクリミネータ40が動作するのに十分な波高まで増幅し、このパルス信号をディスクリミネータ40へ出力する。
制御・処理部50は、各種機能を有するが、まず弁別基準信号発生部として機能するものであり、弁別基準信号を生成出力するものである。調整手段である操作スイッチ80がDI57を介してCPU51と通信可能に接続されて弁別基準信号の弁別閾値の下限レベルが調整可能になされているものとする。調整された下限レベルは例えば読み書き可能なRAMなどの記憶部56に登録されるものとする。登録された下限レベルによりDAC52はDA変換してディスクリミネータ40に対して弁別基準信号を出力する。この場合、弁別基準信号発生部は、制御・処理部50のCPU51、DAC52、記憶部56により機能する。
ディスクリミネータ40は、制御・処理部50から弁別基準信号を入力し、この弁別基準信号の弁別閾値に基づいて、アンプ30から出力されるパルス信号に対し、その基準電圧以上の波高をもつパルスのみ弁別して、測定対象信号以外のノイズ成分などを除去するとともに、一定波高、一定幅に整形した整形パルス信号を生成し、制御・処理部50へこの整形パルス信号を出力する。
制御・処理部50は、さらにカウント部としても機能するものであり、ディスクリミネータ40から出力される整形パルス信号を用いて計数してカウント値を1cm線量当量として出力する。
詳しくは、カウンタ55が、整形パルス信号を計数してCPU51へカウント値を出力する。この場合、シンチレーション検出器10が入射窓15により補償されているため、目標としている10keV〜150keVに対してはエネルギーレスポンスが平坦に近いものであり、そのままカウント値を使用して1cm線量当量を生成する。CPU51はタイマ54より所定周期の測定時間が経過したことの情報を検知し、その時間でカウンタ55が計数したカウント値を読み取り、所定周期の間に積算したカウント値を元に1cm線量当量を生成したり、または、積算値を単位時間当たりのカウント値に換算して1cm線量当量率を生成したりして、ドライバ53を介して表示器60へ出力して表示させる。この場合、カウント部は、制御・処理部50のカウンタ55、CPU51、タイマ54、ドライバ53により機能する。
なお、制御・処理部50のCPU51は、記憶部56のROMに予めプログラムされている手順に基き、DI(ディジタル入力部)57の操作スイッチ80の操作など入力情報に応じて、周囲の機能を制御する。例えば、先に説明した調整手段はこの操作スイッチ80であり、操作スイッチ80を操作することで、DAC52を介してディスクリミネータ40へ供給するディスクリミネーションレベル電圧である下限レベルの値を調整したり、高圧電源20へ出力電圧を調整したりする。
表示器60は、後述するが制御・処理部50のドライバ53の出力信号を受け、測定値や動作状態を表示するマン−マシン間のインタフェースをする。表示内容については後述する。
低圧電源70は、各部で必要な電力を供給する電源として機能する。
操作スイッチ80は、動作状態(例えばテストモードと測定モード)を切り替える信号などをDI(ディジタル信号入力回路)57を介して、CPU51へ指令を与えるマン−マシンインタフェースである。
ワンチップマイコンである制御・処理部50の記憶部56に含まれるROMには制御・処理部50がワンチップマイコンとして動作するためのプログラムが記憶されており、記憶部56に含まれるRAMはプログラムが動作するための一時的な情報が保持される。
続いて、このシンチレーション式低エネルギー光子1cm線量当量計1の動作について説明する。シンチレーション検出器10は、光子を入射して、この光子のエネルギーに比例したパルス信号を出力する。アンプ30は、シンチレーション検出器10から出力されるパルス信号をディスクリミネータ40が動作するのに十分な波高まで増幅し、このパルス信号をディスクリミネータ40へ出力する。ディスクリミネータ40へは、制御・処理部50のDAC52から、パルス信号に対して所定波高レベル以下を除去する基準となる弁別基準信号が出力されており、測定対象信号以外のノイズなど、不要な低エネルギーレベルのパルスを除去する。
このような下限レベルであるが、本発明では特に10〜150keVの範囲のエネルギー領域で精度良く検出できるようなシンチレーション式低エネルギー光子1cm線量当量計とすることを目的とするものであり、下限レベルの所定波高レベルとして10keVを選択することが考えられるが、単に所定波高レベルとして10keVを選択すると問題が生じていた、この点について説明する。図7は入射窓の材質をアルミニウム、厚さを0.1mmとした場合の下限レベル調整前後の光子エネルギー−レスポンス特性図である。図7でも示したように弁別基準信号の下限レベル(LLD)が10keVの場合の◇のプロットによるレスポンスは10keVで2.5というように大きく突出しており、レスポンスが平坦であるとは言い難い。そこで、ディスクリミネータ40の下限レベル(LLD)を少し増加させて(つまり検出可能なパルスを減らして)レスポンスを低下させる。例えば、ディスクリミネータ40の下限レベル(LLD)を11.6keVの場合の●のプロットによるレスポンスは10keVでほぼ1.0(光子エネルギーが40keVのレスポンスと同じ)となっており、レスポンスが平坦になっている。このようにレスポンスが1.0となることを目標にすると、本形態では下限レベルを11.6keVとすることで、目標が達成される。このような調整を施すことで図7でも明らかなように10keV〜150keVでエネルギー依存性が約40%に収まっており、実用上利用可能な程度にシンチレーション検出器10のエネルギーレスポンスを平坦化することができた。
ディスクリミネータ40は、このように整形して整形パルス信号を出力する。
制御・処理部50は、ディスクリミネータ40から出力された整形パルス信号を用いて計数してカウント値を1cm線量当量としてドライバ53を介して信号を出力し、表示器60がこの信号を受けて1cm線量当量を表示させる。本発明のシンチレーション式低エネルギー光子1cm線量当量計1はこのようなものである。
このように本形態のシンチレーション式低エネルギー光子1cm線量当量計1では、10〜150keVのエネルギー領域において、シンチレーション検出を採用することで検出感度を高くするとともに、エネルギーレスポンスが平坦なシンチレーション式低エネルギー光子1cm線量当量計1としたため、検出性能を高めることができる。
続いて他の形態のシンチレーション式低エネルギー光子1cm線量当量計1について説明する。本形態では、弁別基準信号は詳しくはDBM方式による信号を採用したものであり、弁別基準信号発生部から出力される弁別基準信号が、所定周期におけるパルス信号に含まれる全パルスに対して波高別にパルス数を調整するため、所定周期における弁別閾値を所定パターンに従って時間的に変化させるような信号である点が相違する。
制御・処理部50のCPU51、DAC52、カウンタ55、記憶部56を用いて弁別基準信号発生部として機能させる。
CPU51は、所定周期で記憶部56のROMからデータを読み出す。記憶部56のROMには弁別基準データが書き込まれており、DAC52によりアナログ信号である弁別基準信号に変換して出力する。この弁別基準信号は、ディスクリミネータ40の弁別基準である下限レベルを所定期間では時間とともに上昇させる信号であり、所定期間において1cm線量当量換算係数に見合うようにエネルギーレベルが低いパルスを少なく計数することで、1cm線量当量換算係数が上昇しつづけるエネルギー(約60keV以上)領域のエネルギーレベルが高いパルスが相対的に沢山あるように調整したものであり、所定期間ではエネルギーレスポンスを平坦化した。また、変動する下限レベルのうち最も最低なレベルも先に説明した11.6keVを採用している。このような変動をする弁別基準信号により出力される整形パルス信号は、約60keV以上では1cm線量当量換算係数により換算したのと同じ効果を有する。
図8は入射窓の材質をアルミニウム、厚さを0.1mmとした場合の下限レベル調整およびDBM調整を施した場合の光子エネルギー−レスポンス特性図である。図8でも示したようにDBM調整を組み合わせる前の●のプロットによるレスポンスは150keVを超えるとレスポンスが大幅に低下しているが、DBM方式により、1cm線量当量換算係数に見合うように、エネルギーレベルが低いパルスを減らすことで、見かけ上エネルギーレベルが高いパルスが相対的に沢山あるように調整したうえでパルスを計数したため、◇のプロットによるレスポンスのように、150keVを超えてもほぼ平坦なレスポンスを維持することができた。
ディスクリミネータ40は、このように整形して整形パルス信号を出力する。そして、以下は先の説明と同様にして1cm線量当量を算出し、表示器60に表示させる。
このような本形態のシンチレーション式低エネルギー光子1cm線量当量計1では、10〜150keVのエネルギー領域において、検出感度が高く、また、エネルギーレスポンスが平坦なシンチレーション式低エネルギー光子1cm線量当量計1としたため、検出性能を高めることができる。さらに150keVを超えるエネルギーに対するレスポンスも平坦化でき、この点でも検出性能を高めることができる。
続いて他の形態について説明する。本形態では、上記形態に加え、特にシンチレーション式低エネルギー光子1cm線量当量計1の表示を改良して見やすくする点に特徴がある。ここで制御・処理部50のカウント部を構成するCPU51は、1cm線量当量率とその積算値である1cm線量当量について算出し、ドライバ53を介して表示器60で出力させるものとする。以下図を参照しつつ説明する。図9は、数値表示とバー表示を含む表示器60の説明図であり、図9(a)は1cm線量当量率と1cm線量当量の表示の説明図、図9(b)は過大計数の説明図である。図10,図11,図12はバー表示の説明図である。
表示器は、図9(a)で示すように、1cm線量当量率と1cm線量当量とを表示する。バー表示で1cm線量当量率を表示し、数値表示で1cm線量当量を表示する。
なお、バー表示は図9(a)で示すように円弧状の表示部としたり、図10〜図12のように、直線状の表示部とすることができる。説明のため、両方式を併記して説明する。
1cm線量当量率は、信号パルスを単位時間(例えば1秒間)積算し線量率(Sv/h)に換算して表示する。
1cm線量当量率のバー表示では、測定値の指示範囲を広くするため図9(a)や図10で示すように擬似対数表示を採用している。ここでいう擬似対数で2桁を表示した例示している。2桁を表示するために、図9(a)では、10−3〜10−2の範囲を0.001毎の等間隔目盛とし、10−2〜10−1の範囲は0.01毎の等間隔目盛とした表示方式であり、また、図10では、1〜10の範囲を1毎の等間隔目盛とし、10〜100の範囲は10毎の等間隔目盛とした表示方式である。
1cm線量当量は、単位時間の線量率を線量に換算し、積算しながら表示する。1cm線量当量の数値表示では、図9(a),(b)で示すように数値にて表示するというものである。もし、単位時間内の計数率が信号パルスの幅に依存する計数分解時間に関係する限界値以上であった場合は、図9(b)で示すように、過大計数率(例えば:“OVER”)の表示をする。
このような表示器60を用いて、例えば、通常のBGレベルの線量率(例えば、0.04μSv/h)の測定信号が到来している状態では、線量率を表示するバー表示器は、0.04μSv/hを指示し、数値表示器は、表示間隔(例えば1秒)毎に平均0.04/3600ずつ表示値が加算されながら徐々に増大する。
以上のように1cm線量当量率とその積算値である1cm線量当量との両方を同時に測定して表示できるので効率のよい測定ができる。
また、1cm線量当量率の平均値、最大値、および、最小値の表示を行うようにしても良い。
例えば10秒間に1回10msのX線照射を行いその時の漏洩線量を測定する場合、線量率は1秒間の平均値で表示されるので、実際の漏洩線量の100分の1(10ms/1s)の表示になり、照射時の本当の漏洩線量が判らない。
そこで、図11で示すように、表示切り替え時間間隔内の平均値である平均線量率とその中の各サンプリング時間毎の1cm線量当量率のうち最大値である最大線量率と最小値である最小線量率とを表示させることで、上記のような短時間照射時の線量も正確に測定し表示することができる。また、図12で示すように、1cm線量当量率の平均値である平均線量率を連続のバー表示させ、最大線量率を個別のバーで表示させるようにしても、上記のような短時間照射時の線量も正確に測定して表示することができる。
続いて他の形態のシンチレーション式低エネルギー光子1cm線量当量計について説明する。図13は他の形態のシンチレーション式低エネルギー光子1cm線量当量計のブロック構成図である。先に図6を用いて説明した形態では、制御・処理部50が、弁別基準信号発生部とカウント部としての機能をともに果たす構成であるものとして説明した。しかしながら、図13で示すように、弁別基準信号発生部90を独立させ、制御・処理部50はカウント部として機能する構成を採用しても良い。弁別基準信号発生部90は、CPU、記憶部、DAC、DIを少なくとも備え、調整手段となる操作スイッチがDIを介してCPUに接続されて下限レベルも調整可能となっており、上記のような処理を行って弁別基準信号を発生させる。このような構成を採用しても良い。
以上本発明のシンチレーション検出器およびシンチレーション式低エネルギー光子1cm線量当量計について説明した。本発明のシンチレーション検出器およびシンチレーション式低エネルギー光子1cm線量当量計では、校正がされて、20keV以下におけるエネルギーに対する入射窓の透過率の特性を20keV以下の1cm線量当量換算係数曲線に近似させて、10keVから150keVまでの低エネルギー光子が入射したときのエネルギーレスポンスの平坦化を図る。したがって、このようなエネルギー特性を有するサーベイメータは1cm線量当量率や1cm線量当量を直接測定できる。
また、ディスクリミネータのディスクリミネーションレベルを調整し、測定する光子エネルギーの下限レベルのレスポンスが光子エネルギー40keV付近のレスポンスと同程度となるようにしたので、エネルギーレスポンスのさらなる平坦化を実現し、10keV〜150keVのエネルギー範囲の光子(X線)の線量を高感度、高精度で測定できるようになった。
60keV以上のエネルギー範囲については、DBM(=ディスクリミネーションバイアスモジュレーション)機能と組合わせたので、ディスクリ電圧を時間とともにG関数の上昇分に見合う分だけ計数が低下し、10keV〜150keVから拡張し、数keV〜数MeVのエネルギー範囲の光子(X線)の線量を高感度、高精度で測定できるようになった。
また、複数の測定値を表示できる表示器を備え、線量率とその積算値の測定値を同時に表示できるようにしたので、サンプリング時間毎の測定値の平均値と最大値と最小値が同時に表示されて、X線の照射のような短時間照射の線量を高感度、高精度で測定できるようになった。
このように低エネルギー光子の1cm線量当量計において、これまで測定が困難であった、25keV以下のエネルギー領域でもエネルギー依存性が平坦で、感度が高く、間欠的に発生する放射線の積算線量が測定でき、その際の測定値表示は、1cm線量当量率とその積算値である1cm線量当量を積算線量値との両方および所定時間内の平均線量値、最大線量値および最小線量値が同時にできるシンチレーション式の低エネルギー光子1cm線量当量計を提供することができる。
本発明を実施するための最良の形態のシンチレーション検出器の構造図である。 シンチレータの光子エネルギー−検出効率の特性図である。 入射窓の厚さ・材質別の光子エネルギー−透過率特性図である。 入射窓の厚さ・材質別の光子エネルギー−透過率特性図である。 計算による光子エネルギー−レスポンス特性である。 本発明を実施するための最良の形態のシンチレーション式低エネルギー光子1cm線量当量計のブロック構成図である。 下限レベル調整前後の光子エネルギー−レスポンス特性図である。 下限レベル調整およびDBM調整を施した場合の光子エネルギー−レスポンス特性図である。 数値表示とバー表示を含む表示器60の説明図であり、図9(a)は1cm線量当量率と1cm線量当量の表示の説明図、図9(b)は過大計数の説明図である。 バー表示の説明図である。 バー表示の説明図である。 バー表示の説明図である。 他の形態のシンチレーション式低エネルギー光子1cm線量当量計のブロック構成図である。 電離箱式の1cm線量当量計の光子エネルギー−レスポンス特性の説明図である。 光子エネルギー−1cm線量当量換算係数曲線図である。
符号の説明
1:シンチレーション式低エネルギー光子1cm線量当量計
10:シンチレーション検出器
11:容器
12:シンチレータ
13:光電子増倍管
14:ブリーダ回路
15:入射窓
20:高圧電源
30:アンプ
40:ディスクリミネータ
50:制御・処理部
51:CPU
52:DAC
53:ドライバ
54:タイマ
55:カウンタ
56:記憶部(ROM・RAM)
57:DI
58:操作スイッチ
60:表示器
70:低圧電源
80:操作スイッチ
90:弁別基準信号発生部

Claims (10)

  1. 入射する光子の一部を吸収するとともに残りは通過させ、所定エネルギー以下の光子に対してエネルギーが小さくなるにつれて透過率が小さくなる特性を有する入射窓と、
    入射窓を通過した光子に応じてシンチレーション光を放出するシンチレータと、
    シンチレータから放出されるシンチレーション光の強度に比例したパルス信号を出力する光電子増倍管と、
    を備えるシンチレーション検出器であって、
    20keV以下におけるエネルギーに対する入射窓の透過率の特性を20keV以下の1cm線量当量換算係数曲線に近似させることで、10keVから150keVまでの低エネルギー光子が入射したときのエネルギーレスポンスの平坦化を図ること特徴とするシンチレーション検出器。
  2. 請求項1に記載のシンチレーション検出器において、
    前記入射窓の材料をアルミニウムとし、その厚さを0.1mmから0.4mmまでの厚さとすることを特徴とするシンチレーション検出器。
  3. 請求項1に記載のシンチレーション検出器において、
    前記入射窓の材料をベリリウムとし、その厚さを5mmから20mmまでの厚さとすることを特徴とするシンチレーション検出器。
  4. 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載のシンチレーション検出器と、
    前記シンチレーション検出器から出力されるパルス信号を所定の波高レベルまで増幅するアンプと、
    パルス信号に対して所定波高レベル以下を除去する基準の弁別閾値を設定する弁別基準信号を出力する弁別基準信号発生部と、
    弁別基準信号発生部に接続され、少なくとも弁別閾値の下限レベルを調整する調整手段と、
    弁別基準信号発生部から出力される弁別基準信号に基づいて、アンプから出力されるパルス信号を弁別して整形パルス信号を出力するディスクリミネータと、
    整形パルス信号を用いて計数してカウント値を1cm線量当量として出力するカウント部と、
    1cm線量当量を表示する表示器と、
    を備え、
    調整手段を用いて調整し、10keV付近のエネルギーレスポンスが略1.0となるような下限レベルを設定することを特徴とするシンチレーション式低エネルギー光子1cm線量当量計。
  5. 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載のシンチレーション検出器と、
    前記シンチレーション検出器から出力されるパルス信号を所定の波高レベルまで増幅するアンプと、
    所定周期におけるパルス信号に含まれる全パルスに対して波高別にパルス数を調整するため所定周期における弁別閾値を所定パターンに従って時間的に変化させる弁別基準信号を出力する弁別基準信号発生部と、
    弁別基準信号発生部から出力される弁別基準信号の弁別閾値に基づいて、アンプから出力されるパルス信号を弁別して、波高レベル別にパルス数を調整した整形パルス信号を出力するディスクリミネータと、
    整形パルス信号を用いて計数してカウント値を1cm線量当量として出力するカウント部と、
    1cm線量当量を表示する表示器と、
    を備えることを特徴とするシンチレーション式低エネルギー光子1cm線量当量計。
  6. 請求項5に記載のシンチレーション式低エネルギー光子1cm線量当量計において、
    前記弁別基準信号発生部からの弁別基準信号は、60keV以上におけるエネルギーに対するシンチレーション検出器からのレスポンスを60keV以上の1cm線量当量換算係数曲線に近似させるような弁別基準信号とすることで、10keVから150keVまでの低エネルギー光子が入射したときのエネルギーレスポンスの平坦化を図ること特徴とするシンチレーション式低エネルギー光子1cm線量当量計。
  7. 請求項5または請求項6に記載のシンチレーション式低エネルギー光子1cm線量当量計において、
    前記弁別基準信号発生部に接続され、少なくとも弁別閾値の下限レベルを調整する調整手段を備え、
    調整手段を用いて調整し、10keV付近のエネルギーレスポンスが略1.0となるような下限レベルを設定することを特徴とするシンチレーション式低エネルギー光子1cm線量当量計。
  8. 請求項4または請求項7に記載のシンチレーション式低エネルギー光子1cm線量当量計において、
    10keV付近のエネルギーレスポンスと、エネルギー40keVにおけるエネルギーレスポンスと、が略一致するような弁別閾値の下限レベルを設定することを特徴とするシンチレーション式低エネルギー光子1cm線量当量計。
  9. 請求項4〜請求項8の何れか一項に記載のシンチレーション式低エネルギー光子1cm線量当量計において、
    前記カウント部は、1cm線量当量率とその積算値である1cm線量当量を算出し、
    前記表示器は、前記カウント部により算出された1cm線量当量率をバー表示で表し、また、1cm線量当量を数値表示で表示する、
    ことを特徴とするシンチレーション式低エネルギー光子1cm線量当量計。
  10. 請求項9に記載のシンチレーション式低エネルギー光子1cm線量当量計において、
    前記カウント部は、所定期間における1cm線量当量率の平均値、最大値および最小値と、1cm線量当量率の積算値である1cm線量当量を算出し、
    前記表示器は、1cm線量当量率の平均値、最大値および最小値をバー表示で同時に表し、また、1cm線量当量を数値表示で表示する、
    ことを特徴とするシンチレーション式低エネルギー光子1cm線量当量計。
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