JP2007248290A - マイクロ流路素子 - Google Patents

マイクロ流路素子 Download PDF

Info

Publication number
JP2007248290A
JP2007248290A JP2006072719A JP2006072719A JP2007248290A JP 2007248290 A JP2007248290 A JP 2007248290A JP 2006072719 A JP2006072719 A JP 2006072719A JP 2006072719 A JP2006072719 A JP 2006072719A JP 2007248290 A JP2007248290 A JP 2007248290A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sample
channel
lipid
microchannel
membrane
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006072719A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4519794B2 (ja
Inventor
Kazuaki Furukawa
一暁 古川
Hiroshi Nakajima
寛 中島
Yoshiaki Kashimura
吉晃 樫村
Keiichi Torimitsu
慶一 鳥光
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP2006072719A priority Critical patent/JP4519794B2/ja
Publication of JP2007248290A publication Critical patent/JP2007248290A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4519794B2 publication Critical patent/JP4519794B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Automatic Analysis And Handling Materials Therefor (AREA)
  • Micromachines (AREA)

Abstract

【課題】微量な試料であってもハイスループットに分析を行うことができるマイクロ流路素子を提供すること。
【解決手段】試料の分析を行うためのマイクロ流路素子1であって、基板部2と、この基板部2に設けられ、前記試料を輸送するための流路と、を備え、前記流路が、脂質二分子膜の単一膜により構成されることを特徴とする。これにより、流路を微小にすることができるだけでなく、単一膜自身を試料の担体とすることができる。そのため、微小な流路内において試料を容易に輸送することができ、試料が微量であってもハイスループットな分析を行うことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、分子間相互作用の解明や分析技術に用いられるマイクロ流路素子に関する。
近年、微量試料をいかに効率的に分析するかが重要となってきている。特に、生体関連化合物は、一般的に試料の量が非常に少ないため、それら微量試料の分析を効率よく、ハイスループットに行う技術が求められている。
それら試料の分析を行うためのものとして、種々のマイクロ流路素子が利用されている。これらマイクロ流路素子の中には、基板部と、この基板部に形成され、チューブ型の3次元構造を有する流路とを備えたものが知られている(例えば、非特許文献1参照。)。そして、基板部に試料を導入し、この導入された試料を、流路を介して輸送することによって各種分析が行われる。
また、化学・生物学の分野で最も一般的に使用されている微量試料の分析手法として、ガスクロマトグラフィーや液体クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィー技術が知られている。
さらに、DNAチップを利用した分析手法も知られている。DNAチップは、ガラスなどの基板の上に多種類のDNA断片や合成オリゴヌクレオチドを固定した検査素子であり、遺伝子の発現や変異の存在を、短時間で網羅的に行うことを可能にしている素子である。
"Microfluidic Large−Scale Integration"、SCIENCE VOL298 2002年10月18日発行
上記のようなマイクロ流路素子は、必要な試料量がなるべく少なくなるように流路の微小化が施されているが、一般的に、流路の横断面は、縦、横ともに数〜数百μmの大きさを有し、横断面積は数百〜数千μmとなる。かつ、流路長は数十〜数百mmに及ぶ。従って、少なくともこれらの流路内容積を満たすに十分な試料量が必要である。
また、上記のようなクロマトグラフィー技術では、微小試料の分析には適しているものの、一分析に要する時間が長くかかってしまう(数十分の単位)だけでなく、複数試料の分析を同時に行うことができないという問題がある。複数試料の分析を同時に行うためには、相応の台数のクロマトグラフィー機器を用意する必要があるため、スループットを向上させることは困難である。
さらに、クロマトグラフィー技術では、分析対象物質が、液体か又はガス状に均一に拡散される物質かに限られ、分析項目が特定のものに限定されるという問題がある。例えば、たんぱく質などの分析には適さない。すなわち、近年の一塩基多形やたんぱく質解析においては、分子間相互作用を検出することが重要であるが、クロマトグラフィー技術は、基本的に試料の成分分離・分析を行う手法である。そのため、クロマトグラフィー技術では、特定の分子が他の分子とどのような相互作用を示すのかといった分子間相互作用について分析することはできない。
一方、上記のようなDNAチップを利用した分析手法では、複数の試料を同時に分析することができ、さらに、分子間相互作用の分析も可能であるものの、クロマトグラフィー技術と比較して、分析に多量の試料が必要であるという問題がある。
ここで、今日においては、上述のように、分析をハイスループットに行うことが要請されているが、DNAチップのスループットは、単位面積当たりにいかに数多くの異なる種類の断片を固定できるかに依存している。そのため、DNAチップに固定する断片の面積を小さくすれば、ハイスループットが期待できるが、その代償として分子間相互作用の検出が困難になってしまう。一方、DNAチップの面積を広くすることにより、スループットは向上するが、この場合はより多量の試料が必要になり、微量試料の分子間相互作用の分析に対応できなくなってしまう。すなわち、DNAチップに固定する断片の面積を小さくすれば、より少ない試料量での検査が可能となるが、DNAチップによる検出では、そもそもクロマトグラフィー法に比べるとはるかに大量の試料が必要となる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、微量な試料であってもハイスループットに分析を行うことができるマイクロ流路素子を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明に係るマイクロ流路素子は、試料の分析を行うためのマイクロ流路素子であって、基板部と、この基板部に設けられ、前記試料を輸送するための流路と、を備え、前記流路が、脂質二分子膜の単一膜により構成されることを特徴とする。
また、本発明に係るマイクロ流路素子は、前記基板部に親水面が設けられ、前記流路が、前記親水面に設けられることを特徴とする。
また、本発明に係るマイクロ流路素子は、前記基板部に、疎水面と前記親水面とが交互に設けられていることを特徴とする。
また、本発明に係るマイクロ流路素子は、前記脂質二分子膜の単一膜が、自発展開することにより構成されることを特徴とする。
また、本発明に係るマイクロ流路素子は、前記試料が、前記脂質二分子膜の脂質分子の拡散によって輸送されることを特徴とする。
本発明によれば、脂質二分子膜の単一膜を流路とすることから、流路を微小にすることができるだけでなく、単一膜自身を試料の担体とすることができる。そのため、微小な流路内において試料を容易に輸送することができ、試料が微量であってもハイスループットな分析を行うことができる。
以下、本発明の実施形態におけるマイクロ流路素子について、図面を参照して説明する。
図1及び図2において、符号1はマイクロ流路素子を示している。
マイクロ流路素子1は、矩形板状の基板部2を備えている。
基板部2の材質としては、表面に酸化膜を有するシリコンウエハ又は表面酸化膜を除去したシリコンウエハ、石英ウエハ、パイレックス(登録商標)ガラスウエハ、サファイア(アルミナ)及びマイカ(雲母)等を用いることができる。更に、これらの基板の表面を親水性にするような表面修飾したものを用いてもよい。
ここでは、基板部2として、表面に酸化膜を有するシリコンウエハを用いた場合に関して説明する。
基板部2の上面には、疎水膜3が設けられている。疎水膜3の材質としては、例えば、フォトレジストなどの樹脂並びに金及びチタンなどの金属類を用いることができる。
さらに、基板部2の上面の長さ方向の両端部には、試料が収容される矩形平面状の収容部7,8が設けられている。両収容部7,8のうち、長さ方向の一端側の収容部を一方の収容部7とし、他端側の収容部を他方の収容部8とする。一方の収容部7及び他方の収容部8は、後述するように疎水膜3が剥離されることにより形成されている。一方の収容部7及び他方の収容部8のサイズは、1mm四方に設定されている。
また、基板部2の上面の長さ方向の中央部には、両収容部7,8を結ぶ案内部9が設けられている。案内部9は、酸化膜が露出した複数の親水面11と、疎水膜3からなる複数の疎水面12とを備えている。親水面11及び疎水面12は、帯状に延ばされており、基板部2の短手方向に交互に形成されている。さらに、図2に示すように、一の親水面11の幅寸法d1は、他の親水面11の幅寸法d2よりも大きく設定されている。すなわち、親水面11の幅寸法は、それぞれ異なるように設定されている。なお、親水面11及び疎水面12の長さ寸法は700μmに設定され、幅寸法は1〜50μmに設定されている。
このような構成のもと、例えば一方の収容部7に脂質分子を導入し、基板部2をバッファー溶液中に静置することにより、後述するように、親水面11にわたって脂質二分子膜の単一膜が自発展開によって形成されるようになっている。そして、これら形成された脂質二分子膜の単一膜が、試料を輸送するための流路15(図3に示す)として構成される。
次いで、本実施形態におけるマイクロ流路素子1の製造方法について説明する。
まず、酸化膜が付されたシリコン基板上にフォトレジストを塗布する。すなわち、回転支持台に基板を固定して、その基板の上にフォトレジストを滴下する。そして、回転支持台を駆動して基板を高速回転させる。これにより、基板上に均一な膜厚を有するレジスト薄膜が形成される。このときのレジスト薄膜の膜厚は、数百nm〜数μmとなる。
それから、露光装置によって、レジスト薄膜の上に所定のパターンを転写する。さらに、現像液によって現像を行い、転写されたパターンに応じて所定箇所のレジスト薄膜を剥離する。このとき、レジスト薄膜が残された部分が疎水膜3となり、レジスト薄膜が剥離された部分では酸化膜が露出する。
これにより、図1に示すマイクロ流路素子1が得られる。
なお、現像後の基板に金属を蒸着し、その後レジスト薄膜を有機溶剤で剥離する通常のリフトオフプロセスを用いることにより、蒸着した金属を疎水膜3として用いることができる。この場合の膜厚は、数nm〜数百nmとなる。
次いで、本実施形態におけるマイクロ流路素子1の使用方法について説明する。
ここでは、一方の収容部7を試料の導入部とし、他方の収容部8を反応部とする。すなわち、他方の収容部8には、あらかじめ反応物質が付着しているものとする。
まず、試料を脂質分子に混入し、これら試料と脂質分子とを混合させた混合物S(図3に示す)を用意する。そして、その混合物Sを一方の収容部7に付着させる。このとき、脂質分子は室温・大気中で粘着性を有する固体であるため、混合物Sは一方の収容部7に容易に付着する。これによって、混合物Sが一方の収容部7に収容される。
それから、混合物Sが収容された状態で、基板部2をバッファー溶液中に混合物ごと静置する。すると、図3に示すように、混合物Sのすそ野から、基板部2の上面に自己組織化によって、脂質二分子膜の単一膜が形成されていく。すなわち、脂質二分子膜の単一膜が、自発展開することによって形成されていく。なお、自発展開とは、基板部2の表面に付着した脂質の塊を中心に、自己組織化によって、基板部2の表面上に脂質二分子膜が成長して広がっていくことをいい、これは通常、バッファー水溶液下で生じる現象である。
これら脂質二分子膜の単一膜は、疎水面12上には広がらず、親水面11上を他方の収容部8に向けて広がっていく。そして、脂質二分子膜の単一膜が、他方の収容部8に到達する。これによって、一方の収容部7から他方の収容部8にわたって、脂質二分子膜の単一膜から構成される流路15が形成される。
流路15は、高さが5nmであって、親水面11の幅寸法が例えば10μmとすると、その横断面積は、0.05μmとなる。従来のマイクロ流路素子の流路の横断面積は、上述のように、数百〜数千μmであることから、本実施形態における流路15の横断面積は、極めて小さいことがわかる。
加えて、従来のマイクロ流路素子においては、流路を微小化すると、試料を微量にすることができるが、その代償として溶液の粘性抵抗により流路内での試料の輸送が困難となってしまう。本実施形態においては、以下のようにして試料が容易に輸送される。
脂質分子には試料が混合されているため、自発展開によって流路15が形成されていくことによって、試料が他方の収容部8に向けて移動させられる。すなわち、脂質二分子膜の単一膜を、流路15そのものとして利用するだけでなく、さらに試料の担体として機能させている。
このようにして、他方の収容部8に試料を輸送し、反応物質と反応(相互作用)させる。このとき、基板部2の短手方向の中央付近と両端部とで、自発展開速度が異なることから、自発展開速度の速い中央付近の流路15内を輸送された試料から順に、他方の収容部8に到達し反応物質と反応していく。
また、親水面11の幅寸法がそれぞれ異なることから、輸送される試料の量がそれぞれの親水面11で異なることになる。
試料を反応物質と反応させてから、例えば、蛍光顕微鏡、表面プラズモン共鳴測定、原子間力顕微鏡などによって検出する。
以上より、本実施形態におけるマイクロ流路素子1によれば、脂質二分子膜の単一膜を流路15とすることから、流路を容易に微小化することができる。また、それら脂質二分子膜の単一膜を試料の担体として機能させることから、微小な流路であっても、容易かつ確実に試料を輸送することができる。したがって、試料が微量であってもハイスループットな分析を行うことができる。
特に、膜たんぱく質などのたんぱく質は、脂質二分子膜中への取り込みが容易であり、また、脂質二分子膜中のように生体類似の環境におかれることでのみ分子間相互作用を発現することが期待されるので、これらの分子に対してはむしろ脂質二分子膜中に取り込むことが前提になっている。また、脂質分子と結合した化合物を合成することにより、有機分子を脂質二分子膜中に容易に取り込むことが可能である。また、そのような化合物を合成しなくとも、脂質二分子膜の疎水部に有機分子を取り込むことも可能である。
また、リソグラフィーによって基板部2を形成することから、迅速かつ容易に基板部2を製造することができる。すなわち、従来の3次元流路を形成するには、上述のプロセスによって固体基板上に2次元のパターンを形成し、その上からさらにもう一枚の固体基板を接着して3次元の流路を完成させる。このとき、接着面がマイクロ流路中にはみ出しても不都合であるし、また接着がしっかりなされないと流路からの液漏れなどが懸念される。さらに収容部などの設計・製造も必要である。このように3次元流路の形成には、本発明に係るマイクロ流路素子1の製造工程に加えて、さらなる工程が必要であり、かつその工程は容易ではなく、技術の積み重ねによるノウハウが必要である。
また、基板部2に親水面11が形成されていることから、脂質二分子膜の単一膜を自発展開により容易かつ確実に設けることができる。
また、基板部2に親水面11と疎水面12とが交互に設けられていることから、脂質二分子膜の単一膜の自発展開を案内することができ、一方の収容部7から他方の収容部8にわたって流路15を確実に設けることができる。
さらに、自発展開速度の差異により、反応物質への到達に時間差を設けることができ、時間差による分析を行うことができる。
また、親水面11の幅寸法がそれぞれ異なることから、輸送される試料の量がそれぞれの親水面11で異なることから、反応物質に反応する試料の量的な差を設けることができ、それら量的差異による分析を行うことができる。
なお、本実施形態においては、自発展開により試料を輸送するとしたが、これに代えて、脂質分子の拡散によって試料を輸送するようにしてもよい。すなわち、試料を導入する前に、あらかじめ脂質二分子膜の単一膜で親水面11を被覆しておく。これによって流路15があらかじめ形成される。なお、脂質二分子膜の単一膜による被覆は、自発展開によっても行うことができるが、ベシクルフュージョン法によれば、より短時間に大量に被覆を行うことができる。それから、一方の収容部7に形成された脂質二分子膜の単一膜に、試料を注入する。すると、脂質二分子膜の脂質分子が拡散し、これにより試料が他方の収容部8に輸送される。なお、拡散とは、脂質二分子膜を形成する個々の分子が、脂質二分子膜内でランダムに動くことをいう。つまり、自発展開による輸送は、脂質二分子膜の形成に合わせて試料を移動させるものであり、一方、拡散による輸送は、あらかじめ形成された脂質二分子膜内における分子の運動により移動させるものである。
また、一方の収容部7を試料の導入部とし、他方の収容部8を反応部としたが、これに限ることはなく、両収容部7,8のいずれも試料の導入部としてもよい。すなわち、一方の収容部7に混合物を付着させ、他方の収容部8に脂質分子と混合させた反応物を付着させる。それから上記と同様にしてバッファー溶液下に静置すると、両収容部7,8から、基板部2の長さ方向の中央に向けて、流路15が形成されていき、親水面11の途中位置で、試料と反応物質とが反応する。これにより、試料の反応が分析される。この場合、親水面11が疎水面12によって挟まれていることから、それぞれの親水面11を独立の領域とすることができ、それぞれの親水面11の試料同士を交じらせることなく、確実に反応させることができる。このとき、親水面11の幅寸法をそれぞれ異ならせることにより、試料の量的な差異による反応を高精度に分析することができる。
また、案内部9が親水面11と疎水面12とからなるとしたが、これに限ることはなく、親水面11のみとしてもよい。
また、親水面11の幅寸法が異なるものとしたが、これに限ることはなく、それぞれの幅寸法を均一にしてもよい。
さらに、一方の収容部7及び他方の収容部8のサイズは、1mm四方としたが、これに限ることはなく、その数値は適宜変更可能である。例えば、0.1mm四方〜5mm四方であってもよい。また、一方の収容部7及び他方の収容部8の形状は矩形以外にも、適宜変更可能である。
また、親水面11及び疎水面12の長さ寸法は700μmに設定され、幅寸法は1〜50μmに設定されているとしたが、これに限ることはなく、その数値は適宜変更可能である。例えば、長さ寸法を100μm〜2000μmの範囲に設定し、幅寸法を0.1μm〜100μmの範囲に設定してもよい。
(実施例1)
ここで、本実施形態におけるマイクロ流路素子1の実施例について以下に説明する。
<マイクロ流路素子の製造とその機能確認>
(1)フォトレジスト製マイクロ流路素子の製造
300nmの酸化絶縁膜を表面に有するシリコンウエハ上に、以下に述べるプロセスを経て、図2に示すマイクロ流路素子を得た。
すなわち、4インチシリコンウエハに、プライマーとしてヘキサメチルジシロキサンを滴下し、毎分500回転で30秒間、引き続き毎分2000回転で30秒間スピンコートした。続いて、フォトレジスト(TSMR―V3、東京応化工業株式会社製)を滴下し、毎分500回転で30秒間、引き続き毎分2000回転で30秒間スピンコートした。
このウエハを120℃のオーブンで90秒間ベーキングした。これをフォトマスクによって露光感光し、引き続き現像した。さらに、現像によって得られたウエハを切り分けた。これにより、フォトレジストによってマイクロ流路素子がシリコン表面上に製造された。製造されたマイクロ流路素子の流路の高さは、フォトレジストの膜厚に等しく、およそ1μmであった。
(2)脂質二分子膜の展開
卵黄由来フォスファチジルコリン(L−α―PC)6.15mgと、フルオレセイン色素が結合した1,2‐ジヘキサデカノイル‐sn‐グリセロ‐3‐フォスフォエタノールアミン(フルオレセイン‐DHPE)0.10mgを、クロロホルム3mLに溶解させて、混合した(フルオレセイン濃度1mol%)。
これをガラスびんの中にとり、クロロホルムを蒸発させ、混合した脂質分子でできた膜をガラスびんの内壁に形成した。これをさらに真空下で12時間乾燥させ、クロロホルムを除去した。得られた膜は、空気中・室温において、粘張性を有する固体であった。
次いで、ガラス製キャピラリーを作製し、その尖端で上記の粘張な膜を掻き取り、掻き取った物質を一方の収容部に付着させた。試料は、およそ直径100μmの塊であった。
この試料を蛍光顕微鏡で観察すると、青色入射光による励起によって、脂質に含まれるフルオレセイン色素由来の緑色の蛍光が見られた。この状態で、蛍光顕微鏡の対物レンズと試料との間に、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(Tris)10mM、NaCl:100mMの濃度で、HClによりpH7.6に調整されたバッファー溶液を静かに注いだ。これにより、マイクロ流路素子の表面に付着した脂質の塊はバッファー溶液中におかれるが、バッファー溶液には溶け出さない。
さらに、基板部の表面近傍のみを観察するために、顕微鏡として共焦点レーザー蛍光顕微鏡を用いて観察を行った。その結果、図4に示すように、基板部の表面の親水面であるSiO2膜上に成長する脂質二分子膜が、内包する色素フルオレセインの蛍光(励起光488nm、蛍光505―525nm)像として得られた。一方の収容部内において自発展開し始めた膜は、図4の時間経過の説明図に示すように、流路の入り口に差し掛かり、さらに流路の内部へと自発展開していく。脂質二分子膜は、流路の親水面にのみ展開していき、レジストでできた膜の上には展開しない。また、流路の導入口において、自発展開速度が遅延するなどの不都合は確認されなかった。
(実施例2)
<金属製マイクロ流路素子の動作確認>
(1)金属製マイクロ流路素子の製造
上述の実施例1と同様に、フォトレジストによるマイクロ流路素子を製造した。そして、スパッタ蒸着法によって、ウエハ上にチタンを5nm蒸着し、引き続き金を45nm蒸着した。スパッタ蒸着を行った後のウエハは、メチルエチルケトンに浸漬して超音波を加えることによって、レジストを溶解・剥離する(リフトオフプロセス)。そして、純水流水下で洗浄し、金属製マイクロ流路素子を得た。この場合の流路の高さは、蒸着した金属の総量の膜厚に等しく、50nmであった。スパッタ蒸着をチタン5nmのみとした、流路高さ5nmのマイクロ流路素子も同時に製造した。
(2)脂質二分子膜の展開
卵黄由来フォスファチジルコリン(L−α―PC)1.63mgと、クマリン色素が結合した1,2‐ジミリストイル‐sn‐グリセロ‐3‐フォスフォエタノールアミン(クマリン‐DHPE)0.10mgを、クロロホルム3mLに溶解させて、混合した(クマリン濃度5mol%)。
これをガラスびんの中にとり、クロロホルムを蒸発させ、混合した脂質分子でできた膜をガラスびんの内壁に形成した。これをさらに真空下で12時間乾燥させ、クロロホルムを除去した。得られた膜は、空気中・室温において、粘張性を有する固体であった。
次いで、ガラス製キャピラリーを作製し、その尖端で上記の粘張な膜を掻き取り、掻き取った物質を一方の収容部に付着させた。試料は、およそ直径100μmの塊であった。
次いで、上記実施例1と同様に、蛍光顕微鏡で観察後、対物レンズとマイクロ流路素子との間に静かにバッファー水溶液を注いだ。その後の時間発展を、レーザー共焦点顕微鏡で観察した(励起光405nm、蛍光430〜460nm)。パターンの形状どおりに時間発展する脂質二分子膜を証明する、クマリン由来の430nm〜460nmの蛍光が観察された。これにより、脂質二分子膜の膜厚5nmと等しい厚さのパターンでも、脂質二分子膜が選択的にSiO2面上を自発展開していることが確認された。したがって、パターンを形成する材料の厚さは、脂質二分子膜の膜厚以上あれば、マイクロ流路素子は動作する。
(実施例3)
<マイクロ流路素子による分子間相互作用の検出>
本実施例においては、一方の収容部と他方の収容部との双方を試料の導入部とした。すなわち、両収容部から互いに接近する方向に流路を通して自発展開する脂質二分子膜が、流路の中心付近で衝突し、両収容部に導入した試料間の分子間相互作用が生じる。したがって、この場合の流路は反応部を兼ねることとなる。
上記実施例と同様に作製したL‐α‐PCとフルオレセイン‐DHPEとの粘張性を有する混合物、及び、L‐α‐PCとクマリン‐DHPEとの粘張性を有する混合物を、両収容部にそれぞれ付着させた。これを上記実施例1と同様に蛍光顕微鏡観察し、さらに対物レンズとマイクロ流路素子との間を、上記実施例1のバッファー水溶液で浸漬し、自発展開する脂質二分子膜を観察した。
図5(a)及び(b)は、二つの脂質二分子膜が衝突する前後のレーザー共焦点顕微鏡の観察像、及び、フルオレセイン蛍光とクマリン蛍光との相対強度のグラフを示すものである。
両観察の時間差は1分である。488nm励起光により励起して得られた505nm〜525nmの発光(フルオレセイン由来)を黒で示し、405nm励起光により励起して得られた430nm〜460nmの発光(クマリン由来)を薄い灰色で示した。フルオレセイン、クマリンは、脂質二分子膜により流路に導入されている。二つの脂質二分子膜が衝突する前は、図5(a)の観察像に示すように、フルオレセイン及びクマリンはそれぞれ独立に、対応する励起光のもとで発光する。しかし、二つの脂質二分子膜が衝突した直後には、図5(b)の観察像に示すように、フルオレセインの発光がより広い領域で観察され、クマリンの発光領域は減少する。
この原因は、フルオレセインとクマリンとが近接することによって、フルオレセインと
クマリンとの間に、蛍光共鳴エネルギー移動として知られる分子間相互作用が働いたためである。実際、二つの脂質二分子膜が衝突した直後から、フルオレセイン及びクマリンは、ともに互いの脂質二分子膜中に拡散して広がる。クマリンもフルオレセインを輸送してきた脂質二分子膜中に拡散するはずであるが、励起されたクマリンは、蛍光共鳴エネルギー移動によりフルオレセインに励起エネルギーを緩和するため、クマリンの発光がみられず、代わりにフルオレセインの発光が観察されることによる。
図5において、グラフの縦軸はそれぞれの光の相対強度を示し、横軸は観察像の距離(位置)に対応している。グラフでは、衝突前後におけるフルオレセイン由来の発光を実線で示し、クマリン由来の発光を点線で示している。
衝突前には、図5(a)のグラフに示すように、おのおのの発光はほぼ同じ強度で独立に観察されたが、衝突後は、図5(b)のグラフに示すように、フルオレセインの発光領域がクマリンを輸送してきた脂質二分子膜内に大きく広がっていることが明らかに示された。
これにより、本実施例のマイクロ流路素子が、流路を用いて目的の分子を目的の場所に輸送し、分子間相互作用を検出する用途に適することが示された。
(実施例4)
<ハイスループット化の例>
上記実施例3において示した分子間相互作用分析をハイスループット化するマイクロ流路素子を設計した。
図6は、基板部2の表面に形成されたパターンを示している。
基板部2の中央部に、一方の収容部7が設けられ、この一方の収容部7の周囲を囲むようにして、他方の収容部8が複数設けられている。そして、親水面11は、一方の収容部7から、複数設けられた他方の収容部8のそれぞれに対して、放射状に延在している。
このような構成のもと、一方の収容部7に試料を導入し、放射状に広がる親水面11にわたって、脂質二分子膜が自発展開していく。これにより、流路が形成され、他方の収容部8まで試料が輸送される。
これにより、他方の収容部8を反応部とし、最大で反応部の数だけ分子間相互作用の分析を行うことができる。
なお、基板部2上のパターンは、適宜変更可能である。
図7は、基板部2の表面に形成されたパターンの変形例を示している。
基板部2の一端部に一方の収容部7が複数設けられ、他端部に他方の収容部8が複数設けられている。そして、それら複数の収容部7,8同士がそれぞれ親水面11を介して接続されている。
これにより、両収容部7,8に、それぞれ独立に試料を導入でき、複数の独立な分子間相互作用を同時に分析することができる。この場合、反応部は流路の中心付近となるため、その領域を例えば蛍光顕微鏡の一視野で観察することができ、ハイスループット化に貢献する。
なお、上記実施例1〜4においては、全て室温で実施した。ただし、試料に応じてその温度を変更してもよい。
また、本発明の技術範囲は上記の実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
本発明に係るマイクロ流路素子の実施形態を示す斜視図である。 図1のマイクロ流路素子を示す平面図である。 図2の基板部上において、脂質二分子膜が自発展開する様子を示す平面図である。 図2の基板部上において、脂質二分子膜が自発展開していく様子を時間ごとに示す説明図である。 二つの脂質二分子膜が衝突する前後のレーザー共焦点顕微鏡の観察像、及び、フルオレセイン蛍光とクマリン蛍光との相対強度のグラフを示すものであって、(a)は衝突前の様子を示す図、(b)は衝突後の様子を示す図である。 図2の基板部上の他のパターンを示す平面図である。 図6の基板部上のパターンの変形例を示す平面図である。
符号の説明
1 マイクロ流路素子
2 基板部
11 親水面
12 疎水面
15 流路

Claims (6)

  1. 試料の分析を行うためのマイクロ流路素子であって、
    基板部と、
    この基板部に設けられ、前記試料を輸送するための流路と、を備え、
    前記流路が、脂質二分子膜の単一膜により構成されることを特徴とするマイクロ流路素子。
  2. 前記基板部に親水面が設けられ、
    前記流路が、前記親水面に設けられることを特徴とする請求項1に記載のマイクロ流路素子。
  3. 前記基板部に、疎水面と前記親水面とが交互に設けられていることを特徴とする請求項2に記載のマイクロ流路素子。
  4. 前記脂質二分子膜の単一膜は、自発展開することにより構成されることを特徴とする請求項1から請求項3に記載のマイクロ流路素子。
  5. 前記試料は、前記自発展開によって輸送されることを特徴とする請求項4に記載のマイクロ流路素子。
  6. 前記試料は、前記脂質二分子膜の脂質分子の拡散によって輸送されることを特徴とする請求項1から請求項4に記載のマイクロ流路素子。
JP2006072719A 2006-03-16 2006-03-16 マイクロ流路素子 Active JP4519794B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006072719A JP4519794B2 (ja) 2006-03-16 2006-03-16 マイクロ流路素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006072719A JP4519794B2 (ja) 2006-03-16 2006-03-16 マイクロ流路素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007248290A true JP2007248290A (ja) 2007-09-27
JP4519794B2 JP4519794B2 (ja) 2010-08-04

Family

ID=38592756

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006072719A Active JP4519794B2 (ja) 2006-03-16 2006-03-16 マイクロ流路素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4519794B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009210272A (ja) * 2008-02-29 2009-09-17 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 分子分析方法および分子分析素子
JP2011002385A (ja) * 2009-06-19 2011-01-06 Univ Of Tokyo 人工脂質二重膜を用いた電流計測装置
JP2011185874A (ja) * 2010-03-10 2011-09-22 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 生体分子分析用キット、これを用いた生体分子の分析方法
JP2012037330A (ja) * 2010-08-05 2012-02-23 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> バイオデバイス
JP2012117860A (ja) * 2010-11-30 2012-06-21 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 人工生体膜マイクロアレイの作製方法
WO2016121886A1 (ja) * 2015-01-28 2016-08-04 株式会社ダナフォーム 分析用デバイス、分析用チップ、分析キット、および、これらを用いた分析方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003302399A (ja) * 2002-04-09 2003-10-24 Mitsubishi Chemicals Corp 分析用チップ
JP2004309464A (ja) * 2003-03-27 2004-11-04 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 光重合性脂質膜による膜内分子の水平拡散制御
WO2005071405A1 (ja) * 2004-01-21 2005-08-04 Japan Science And Technology Agency 膜タンパク質分析用平面脂質二重膜の形成方法とその装置
WO2006068619A1 (en) * 2004-12-23 2006-06-29 Nanoxis Ab Device and use thereof

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003302399A (ja) * 2002-04-09 2003-10-24 Mitsubishi Chemicals Corp 分析用チップ
JP2004309464A (ja) * 2003-03-27 2004-11-04 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 光重合性脂質膜による膜内分子の水平拡散制御
WO2005071405A1 (ja) * 2004-01-21 2005-08-04 Japan Science And Technology Agency 膜タンパク質分析用平面脂質二重膜の形成方法とその装置
WO2006068619A1 (en) * 2004-12-23 2006-06-29 Nanoxis Ab Device and use thereof
JP2008525797A (ja) * 2004-12-23 2008-07-17 ナノキシス アーベー 装置及びその使用

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009210272A (ja) * 2008-02-29 2009-09-17 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 分子分析方法および分子分析素子
JP2011002385A (ja) * 2009-06-19 2011-01-06 Univ Of Tokyo 人工脂質二重膜を用いた電流計測装置
JP2011185874A (ja) * 2010-03-10 2011-09-22 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 生体分子分析用キット、これを用いた生体分子の分析方法
JP2012037330A (ja) * 2010-08-05 2012-02-23 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> バイオデバイス
JP2012117860A (ja) * 2010-11-30 2012-06-21 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 人工生体膜マイクロアレイの作製方法
WO2016121886A1 (ja) * 2015-01-28 2016-08-04 株式会社ダナフォーム 分析用デバイス、分析用チップ、分析キット、および、これらを用いた分析方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4519794B2 (ja) 2010-08-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10809257B2 (en) Method for detecting target molecule
JP4361271B2 (ja) アッセイ、合成、および保存用の器具、ならびに、その作製、使用、および操作の方法
US7348183B2 (en) Self-contained microelectrochemical bioassay platforms and methods
Romanov et al. A critical comparison of protein microarray fabrication technologies
JP4519794B2 (ja) マイクロ流路素子
US10725020B2 (en) High throughput miniaturized assay system and methods
KR20110036002A (ko) 라이브러리 요소들의 마이크로 유체 선택
JP2004529339A (ja) 蛍光信号参照デバイス
EP1733229A1 (en) Patterning method for biosensor applications and devices comprising such patterns
JP2004309405A (ja) 一分子酵素活性検出に用いられるマイクロチャンバ
JP2022031760A (ja) 病原性微生物検出のための方法及びキット
JP2000249706A (ja) 新規の生物学的チップ及び分析方法
JP4253695B2 (ja) 物質の定量方法及び物質の定量デバイス
JP2018038384A (ja) 病原性微生物検出のための方法及びキット
US20130203631A1 (en) Frameless multiplexed microarrays
Delehanty Printing functional protein microarrays using piezoelectric capillaries
US20050003521A1 (en) Addressable microarray device, methods of making, and uses thereof
JP4783755B2 (ja) 物質検出方法
US20220137037A1 (en) Device and method for detecting protein-based marker, and method for manufacturing chip
JP2007101308A (ja) 標的物質検出素子、標的物質検出装置及び標的物質検出方法
CN109370891B (zh) 一种生物芯片及其制备方法
JP4533105B2 (ja) ハイスループットスクリーニングアッセイ用の標本調製および分析のための方法
US20130053279A1 (en) Biochip and fabricating method thereof
JP2008134188A (ja) プローブ固相化反応アレイおよび該アレイの製造方法
JP2004148519A (ja) 樹脂成形品の製造方法、型用金属構造体の製造方法及び樹脂成形品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080206

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091217

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100105

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100303

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100511

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100519

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130528

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4519794

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140528

Year of fee payment: 4

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350