JP2007248104A - 変流器のレシオ比及び極性判定方法及びその装置 - Google Patents

Abstract

【課題】試験時における変流器に流す電流のレシオ比と変流器の接続の極性の確認とを同時に行うことである。
【解決手段】電圧調整器３に接続された電圧／電流変換器４の電流側出力にその電流を測定する一次側用メータ９と変流器５の一次側とを接続するとともに前記電圧／電流変換器４の電圧側出力を位相計１０と二次側に流れる電流を測定する二次側用メータ１１とを介して前記変流器５の二次側に接続し、前記電圧／電流変換器４の前記一次側用メータ９により電流側出力の電流を所定値に設定した上で前記二次側用メータ１１に流れる電流を読み取って試験のためのレシオ比を測定し、同時に前記変流器５の二次側に接続された前記位相計１０により前記変流器５の極性の確認をするようにした。
【選択図】図１

Description

本発明は、制御盤や配電盤の変流器（ＣＴ）回路を試験する際に必要な変流器のレシオ比及び極性判定方法及びその装置に関するものである。

従来、制御盤や配電盤の変流器回路の試験においては、レシオ比及び極性試験をそれぞれ実施して変流器回路の合否を判定していた。すなわち、例えば、高電圧回路の電流５００Ａを直接測定する計器がないので、変流器を用いて高電圧回路から絶縁するとともに、大電流の５００Ａを１／１００の５Ａの扱いやすい電流に変換して測定することが行われており、この「１／１００」のレシオ比が得られているか否かをレシオ比の試験として測定している。また、制御盤や配電盤においては、内部回路が複雑であることから配線が複雑に張りめぐらされており、変流器が正しく接続されているか否かの試験、すなわち、極性試験を行って変流器の配線接続が正しいか否かの確認を行わなければならない。この極性試験は、極性がはっきりしている乾電池等の電池を組み合わせて電流を流すことにより変流器の接続が正しいか否かの試験を行っているものであり、変流器の回路中に接続した電流計または電圧計の指針の振れの方向を見て試験の結果を得ている。

制御盤や配電盤の変流器回路の試験においては、前述のように、レシオ比の試験と極性試験とはそれぞれ別に行わなければならないものであり、試験のための段取り、及び、試験の実施が別個に実施され、きわめて時間と労力とがかかるものである。すなわち、レシオ比の試験においては、回路に実際に電流を流さなければならないものであり、変流器の接続の極性試験においては、電池を接続して正しい接続がなされているか否かのチェックを行うものである。特に、制御盤や配電盤においては、工場での組立時に異常がなくても出荷時までに異常が発生する可能性もあり、前述のレシオ比の試験と極性試験とを行うことは必須の要件である。

請求項１記載の発明は、電圧調整器に接続された電圧／電流変換器の電流側出力にその電流を測定する一次側用メータと変流器の一次側とを接続するとともに前記電圧／電流変換器の電圧側出力を位相計と二次側に流れる電流を測定する二次側用メータとを介して前記変流器の二次側に接続し、前記電圧／電流変換器の前記一次側用メータにより電流側出力の電流を所定値に設定した上で前記二次側用メータに流れる電流を読み取って変流器のレシオ比を測定し、同時に前記変流器の二次側に接続された前記位相計により前記変流器の極性の確認をするようにした変流器のレシオ比及び極性判定方法である。

請求項２記載の発明は、電源に接続されて所定の電圧を生成する電圧調整器と、この電圧調整器からの電圧が印加される電圧／電流変換器と、変流器の一次側に接続された前記電圧／電流変換器の電流側出力の電流を測定する一次側用メータと、前記変流器の二次側に接続されて二次側に流れる電流を測定する二次側用メータと、前記変流器に印加される電圧の極性を表示する位相計とよりなる変流器のレシオ比及び極性判定装置である。

本発明は、変流器に対して電圧／電流変換器と位相計とを接続した状態で、変流器に対する試験用電流のレシオ比の測定と変流器の接続の極性の確認との二つの要件を一度に測定することができ、これにより、試験のために必要な関連計器等の接続の手間が一度の接続だけでよく、しかも、変流器に対する試験用電流のレシオ比の測定と変流器の接続の極性の確認との二つの要件を一度で知ることができるため、時間と労力との軽減を簡単に図ることができるものである。

本発明の実施の態様を図面に基づいて説明する。まず、ＡＣ１００Ｖの電源１にＭＣＣＢと表示した遮断器２を介して電圧調整器３が接続されている。この電圧調整器３には、電圧／電流変換器４が接続されている。前記電圧／電流変換器４の電流側出力には、二つの変流器５、６よりなる被試験物７が接続されている。すなわち、被試験物７の赤相母線Ｋ側とＬ側とに前記電圧／電流変換器４の電流側出力が接続されている。前記電圧／電流変換器４の電流側出力と前記被試験物７との間には、その接続線路８に流れる電流を測定する一次側用メータ９が接続されている。また、前記電圧／電流変換器４の電圧側出力には、位相計１０が接続されている。この位相計１０には、二次側用メータ１１及び切換スイッチ１２を介して前記被試験物７の二次側が接続されている。この二次側の接続点は、赤、白、青と表示した部分である。

前記切換スイッチ１２は、図２に示す構成よりなっているものであり、前記位相計１０と前記二次側用メータ１１とが接続点２、４、６、８に接続され、接続点１、５は赤に、接続点３、７は青に、前記二次側用メータ１１の接続点６は白にそれぞれ接続されているものである。

つぎに、被試験物７は、線路となる赤相母線、白相母線、青相母線に流れる電流に感応するコイルを備えた二つの変流器５、６よりなるものであり、試験時においては、接続点１、３、２がそれぞれ前記切換スイッチ１２の赤、青、白の接続点に接続されているものである。

このような構成において、まず、試験に先立って、図１に示すように接続された電圧調整器３、電圧／電流変換器４、一次側用メータ９、位相計１０、二次側用メータ１１、切換スイッチ１２を被試験物７に接続する。そして、遮断器２をＯＮにした状態で電圧調整器３を操作して電圧／電流変換器４に２００Ｖ／５００Ａを印加する。この電圧／電流変換器４においては、電流側出力として５００Ｖ／２００Ａのレシオ比で電流が流れるのが正常であるが、一次側用メータ９により電圧／電流変換器４の電流側出力が測定され、これに流れる電流値が２００Ａになるように前記電圧調整器３を調整する。このとき、電圧／電流変換器４の電流側出力は被試験物７の赤相母線Ｋ側とＬ側とに接続されており、切換スイッチ１２の三本のリード線は、被試験物７の変流器端子の電源側の赤、白、青に接続されている。

この状態において、電圧調整器３を操作して昇圧し、一次側用メータ９に流れる電流が試験用に予め定めた２００Ａになるように調整し、この状態において、二次側用メータ１１で示される電流値が２Ａであることを確認する。これにより、予め定めた正常なレシオ比で動作していることが確認される。同時に、位相計１０により、位相が３０°遅れとなっていることを確認する。三相の場合には、この３０°遅れの位相であることが正常である。そして、切換スイッチ１２を各々白相及び青相に切換えたときに、二次側用メータ１１の表示が「０」になり、位相計１０により示される位相も３０°から大幅に外れることを確認する。

また、リード線の白相接続をアース接続することにより、同様に電流・位相を確認することができる。このアース接続は、機器のどの部分でも良く、このような測定により白相がアースされている正常な状態が確認される。因みに、白相がアースに落ちていない場合には、変流器回路が動作しないものである。

このように、試験のための一度の接続により、電流のレシオ比の測定と変流器の接続の極性の確認とを同時に確認することができ、時間と労力との軽減は著しいものである。

本発明の実施の態様を示す回路図である。 切換スイッチの構成を示す回路図である。

符号の説明

３ 電圧調整器
４ 電圧／電流変換器
７ 被試験物
９ 一次側用メータ
１０ 位相計
１１ 二次側用メータ

Claims (2)

1. 電圧調整器に接続された電圧／電流変換器の電流側出力にその電流を測定する一次側用メータと変流器の一次側とを接続するとともに前記電圧／電流変換器の電圧側出力を位相計と二次側に流れる電流を測定する二次側用メータとを介して前記変流器の二次側に接続し、前記電圧／電流変換器の前記一次側用メータにより電流側出力の電流を所定値に設定した上で前記二次側用メータに流れる電流を読み取って変流器のレシオ比を測定し、同時に前記変流器の二次側に接続された前記位相計により前記変流器の極性の確認をするようにしたことを特徴とする変流器のレシオ比及び極性判定方法。
2. 電源に接続されて所定の電圧を生成する電圧調整器と、この電圧調整器からの電圧が印加される電圧／電流変換器と、変流器の一次側に接続された前記電圧／電流変換器の電流側出力の電流を測定する一次側用メータと、前記変流器の二次側に接続されて二次側に流れる電流を測定する二次側用メータと、前記変流器に印加される電圧の極性を表示する位相計とよりなることを特徴とする変流器のレシオ比及び極性判定装置。
   

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