JP2007247990A - 燃焼装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】燃焼装置1は、予混合部材2と、炎孔部材3と、空気流路部材5とを有する。予混合部材2と、炎孔部材3とが嵌合しあって一つ中間部材6を構成し、この中間部材6が二つの空気流路部材5の間に挟まった構成となっている。空気流路部材5同士の間で第一燃焼部46を構成し、一次燃焼が行われる。未燃成分は、第一燃焼部46の開口から外部に放出され、空気流路部材5の先端部から空気が供給されて二次火炎が発生する。空気流路部材には上流側空気放出開口5が設けられ、上流側空気放出開口5は炎孔部材の炎孔形成部30よりも基端側にある。上流側空気放出開口5から放出された空気が炎孔部材3の側面側に流れる。この空気によって炎孔部材3の側面部に保炎が生じる。
【選択図】図1
Description
ところで近年、酸性雨による環境破壊が深刻な社会問題となり、NOx(窒素酸化物)の総排出量を減少させることが急務となっている。
給湯装置の様な小型の装置に採用可能であり、かつNOxの発生量を抑制することができる構成として濃淡燃焼法と称される燃焼方式を採用した燃焼装置がある。
濃淡燃焼法とは、燃料ガスに理論空気量の1.6倍程度の空気を予混合した希薄な混合ガスから主炎を発生させ、この主炎の近辺に、空気の混合量が少なく燃料ガス濃度が高い混合ガスから発生する保炎を配置したものである。
濃淡燃焼を応用した燃焼装置には、例えば特許文献1,2に開示された様な構成が知られている。
二段燃焼法を採用した燃焼装置は、特許文献3に開示されている。
即ち濃淡燃焼法では、前記した様に燃料ガスに理論空気量の1.6倍程度の空気を予混合した希薄な混合ガスから主炎を発生させる。この混合ガスは、希薄であるがために燃焼速度が遅い。
これに対して濃淡燃焼法は、主炎を空気過剰状態で燃焼させるため、燃焼速度が遅い燃料ガスは火飛びが生じ、安定して燃焼させることができない。
即ち本発明の燃焼装置では、空気と燃料ガスが予混合部材に導入され、予混合部材の内部で燃料ガスと空気とが混合される。そして混合ガスは予混合部材に設けられた混合ガス放出開口から放出される。
本発明では、炎孔形成部の側壁部が、予混合部材の混合ガス放出開口を覆い、予混合部材と側壁部との間には少なくとも一部に混合空間を有している。そのため混合ガス放出開口から放出された混合ガスは、この混合空間に流れ込む。
ここで本発明では、前記混合空間には空気が導入されると共に炎孔内部空間を介して炎孔形成部と連通している。そのため燃料ガスは、前記した混合空間の部分においても空気と混合される。従って本発明の構成によると、炎孔に至る混合ガスは、燃料ガスと空気とがよく混合されており、均質である。
また本発明の燃焼装置では、空気流路部材は先端空気放出開口を備え、先端空気放出開口は炎孔形成部よりも先端側に位置している。従って炎孔の下流側の位置に先端空気放出開口から空気が供給され、残余の燃焼成分が燃焼される。
加えて本発明の燃焼装置では、空気流路部材に上流側空気放出開口が設けられており、炎孔部材の側面側に上流側空気放出開口から放出された空気が別途供給される。そのため炎孔部材の側面部に安定した火炎が発生し、一次火炎の基端部を保持する。その結果、一次火炎が安定する。
なお本発明の構成要素たる空気流路部材は、基端側が開放されていて当該基端側から空隙内に空気が導入されるが、基端側が全面的に開放されていることは必須ではなく、開口等が設けられていて部分的に開放されている構成であってもよい。
そして本発明の燃焼装置は、前記した請求項1に従属するものであるから、空気流路部材に上流側空気放出開口が設けられており、炎孔部材の側面側に上流側空気放出開口から放出された空気が別途供給され、炎孔部材の側面部に安定した火炎が発生し、一次火炎が安定する。
また本発明の燃焼装置では、予混合部材と炎孔部材の間に外部と混合空間とを連通する空隙があり、予混合部材と炎孔部材の間の空隙を介して混合空間に空気が導入される。一方、本発明の燃焼装置では、予混合部材と炎孔部材の間は少なくとも一部に閉塞部が設けられていて外部と第一燃焼部の間が閉塞されている。そのため予混合部材と炎孔部材の間からは第一燃焼部に空気が流れ込まない。
本発明の燃焼装置では、前記した様に、一次火炎の基端部を保持することを目的として炎孔部材の側面側に空気が供給されるが、予混合部材と炎孔部材の間は前記した閉塞部によって外部と遮蔽されているので、炎孔部材の側面側への空気の供給は、専ら空気流路部材に設けられた上流側空気放出開口を経由して行われる。そのため炎孔部材の側面側に供給する空気量を制御しやすい。
本発明では、燃焼に供される空気は、主に3つのルートによって燃焼装置内に導入される。即ち第一のルートは、空気流路部材を通るルートであり、空気は空気流路部材の基端側の開放部分から空気流路部材に入り、先端側開口から外部に放出されるルートである。この空気は、主として二次空気として作用する。
空気流路部材5を流れる空気の一部は、燃焼部向空気放出開口からも放出され、この空気は炎孔部材の側面側に流れて一次火炎の基端部に安定した火炎を発生させる。
第二のルートは、予混合部材と炎孔部材の間に設けられた空隙を通過するルートである。この空気は燃料ガスと混合されて第一燃焼部に放出される。
第三のルートは予混合部材に導入されるルートであり、一次空気として作用する。
即ち上記した構成では、側面側開口から放出される燃料ガスの流速は中央側開口から放出される燃料ガスの流速よりも遅いので、側面側開口に発生する火炎は火飛びが少ない。さらに側面側開口の近傍に空気が供給されるので側面側開口から放出される燃料ガスは完全燃焼に近い状態で安定して燃焼し、一次火炎の基端部を保持する。その結果、一次火炎が安定する。
以下の説明において、上下の関係は、燃焼装置1を縦置きして上部側に火炎を発生させる姿勢を基準とする。また上流側、下流側の表現は、空気又は燃料ガスの流れを基準としている。幅方向とは、燃焼装置の最も大きい面積を正面として左右方向に相当する方向(図面の矢印W方向)である。
空気流路部材5は一枚の板を折り重ねて表裏面11,12を構成しており、先端部分には鋭角の折り曲げ部14があり、当該折り曲げ部14によって頂部9が構成されている。頂部9は稜線状に延びている。
一方、空気流路部材5の基端側は、表裏面11,12の板間が開放され、空気導入開口15が形成されている。
空気放出用の開口が設けられた領域は、大きく分けて先端部と、第一燃焼部に面した位置と、中間部材6に面した位置である。
側壁部31,32の中間部分には外側(厚さ方向)に膨らんだ膨出部34が設けられている。膨出部34は、炎孔部材3の全幅に渡って設けられている。
本体部材25の側壁部31,32であって、減圧壁26に面した部位には開口35が設けられており、本体部材25の内面と空隙29とを連通している。
本実施例では、前記した様に予混合部材2と、炎孔部材3とが嵌合しあって一つ中間部材6を構成している。より具体的には、炎孔部材3の側壁部31,32の間に予混合部材2の開口列部10が挿入されている。実際の製作過程においては、炎孔部材3の側壁部31,32同士の開口(図面下部)から、予混合部材2を挿し込むことによって両者が接合される。
側壁部31,32の膨出部34に相当する部位については、内包される開口列部10とは離れている。膨出部34の部位は、開口列部10の混合ガス放出開口8の列部に相当する。従って開口列部10の混合ガス放出開口8の外側は、側壁部31,32とは離れており、他に比べて広い空間(混合空間)39がある。この混合空間39は、全ての混合ガス放出開口8に相当する部位に渡って連通している。
側壁部31,32の間であって開口列部10の頂部と炎孔部材3の頂面30部分との間には比較的大きな空間47がある。本実施例では、前記した混合空間39と、開口列部10の下流側の空間47によって炎孔上流側流路49が形成されている。
また燃焼部向空気放出開口23は、炎孔形成部(頂面30)の近傍にある。
一方、空気放出開口(上流側空気放出開口)48は、中間部材6に面した位置にあり、炎孔形成部30よりも基端側にある。
燃焼装置1は、図示しない箱体に多数配列され、図面下部側から送風機41によって送風される。また燃料ガスがノズル42によって予混合部材2のガス導入口43から導入される。
まず送風の流れについて説明する。送風の流れは、図面に細線で示している。
送風機41によって発生された送風は、整流板44の開口45によって整流され、燃焼装置1の基端部(図面下側)から燃焼装置1の内部に入る。
燃焼装置1の中に入る送風のルートは、3ルートである。即ち第一ルートは、空気流路部材5を通るルートであり、送風は空気流路部材5の基端部に設けられた空気導入開口15から空気流路部材5に入り、内部の空気流路(空気通過空隙)13を先端側に向かって真上に流れる。そして空気の大部分は、先端側開口20,21から外部に放出される。
燃焼部向空気放出開口23から放出された空気は、段部の傾斜面22から燃焼装置1の軸線に対して斜め前方に向かって放出される。
また空気放出開口(上流側空気放出開口)48から放出された空気は、空気流路部材5と中間部材6との間の隙間40を流れ、炎孔部材3の側面部に至る。
そのため予混合部材2と炎孔部材3の側壁部31,32との間に開口部28から空気が侵入する。
この空気は、側壁部31,32と開口列部10の間の隙間を流れ、混合空間39に入る。続いて開口列部10と炎孔部材3の頂面30部分の間の空間47に流れる。即ち上記した空気は、炎孔上流側流路49を流れる。そして炎孔33たるスリットから第一燃焼部46に放出される。また空間47に入った空気の一部は、本体部材25の側壁部に設けられた開口35から本体部材25と側壁部31,32との間の空隙29に入り、側面側開口27から第一燃焼部46に放出される。
ここで前記した炎孔上流側流路(混合空間39を含む)49を流れる空気は、燃焼装置1の高さ方向(下から上)に流れるのに対し、開口列部10の混合ガス放出開口8から放出された燃料ガスは空気の流れに対して垂直方向に流れ込む。そのため開口列部10の混合ガス放出開口8から放出された燃料ガスは、混合空間39の部位でも空気と激しく衝突し、空気との混合が促進される。また混合空間39は、開口列部10の長手方向全域に渡って連通しているから、圧力も平滑化される。
炎孔33から放出される燃料ガスは、予混合部材2の中で空気と混合され、さらに混合空間39内で空気と混合されるので均質であり、且つ炎孔33から放出される時の速度も均一である。
しかしながら、炎孔33から放出される燃料ガスは、空気が混合されてはいるものの、空気量は理論空気量に満たない。炎孔33から放出される燃料ガスは空気不足の状態であり、これだけでは完全燃焼することができない。
未燃成分は、第一燃焼部46の開口から外部に放出される。ここで第一燃焼部46の外部には、空気流路部材5の先端部から空気が供給されている。そのため未燃成分は酸素の供給を受けて二次燃焼する。即ち第一燃焼部46外側の領域は第二燃焼部として機能し、二次火炎が発生する。
本実施例では、燃料ガスは、「中央部開口」たる炎孔33から放出されるだけではなく、側面側開口27からも第一燃焼部46に放出される。ただし、側面側開口27から放出される燃料ガスは「中央部開口」たる炎孔33から放出される燃料ガスに比べて流速が遅い。即ち燃料ガスは、本体部材25の側壁部31,32に設けられた開口35から減圧壁26と側壁部31,32との間の空隙29に入り、側面側開口27から第一燃焼部46に放出される。そのため空隙29に入る燃料ガスは量が制限され、側面側開口27から放出される量は少ない。これに対して側面側開口27は大きな開口面積を持つので、側面側開口27から放出される燃料ガスは流速が遅いものとなる。
前記した様に燃料ガスの流速が低いことと相まって側面側開口27の近傍には、安定した保炎が発生する。そのため一次火炎の基端部は側面側開口27の近傍に発生する小さな炎によって保持される。
また本実施例では、燃焼部向空気放出開口23は斜め方向に開口し、前記した様に一次火炎や未燃ガスの流れを妨げることがないので、二次火炎は空気流路部材5から離れた位置で発生し、空気流路部材5を過度に加熱しない。
そのため本実施例の燃焼装置は、一次火炎及び二次火炎が共に安定し、実用的である。
図2以降の図面で示す燃焼装置の基本構成及び基本的な機能は、前記した実施例と同一であるが、細部に実用的な工夫が施されている。先の実施例と同一の機能を果たす部材については同一の記号を付し、重複する機能の説明は簡単なものに止める。
そして内部には正面板52と裏板53の間によって一連の気体流路が形成されている。即ち正面板52と裏板53の凹凸が合致する部分では、金属板同士が隙間を形成して配列された状態となっており、この隙間によって気体流路が形成される。
混合流路19は、図9の様に予混合部材2の下部側にあり、気体流路の入口から開口列部10に至るまでの流路である。気体流路の入口から説明すると、燃焼装置1の下側角には、図9の様に、ガス導入口43が開口している。そしてガス導入口43の内部には、一時的に断面積が絞られた絞り部55があり、さらにその下流側は断面積が次第に大きくなっていく拡径部56がある。そしてその後は、断面積が一様な均一断面部57となっている。ガス導入口43から絞り部55、拡径部56を経て均一断面部57に至る迄の間は、流路が直線的である。
均一断面部57の末端部は、流路が垂直に曲がって開口列部10に繋がっている。
なお本実施例では、開口列部10の直前部分に絞りとなる部位はない。
開口列部10の断面形状は、図10,11の様に二段形状となっており、頂部側は狭面積部58となっており、断面積がやや狭い。
即ち開口列部10の断面形状を説明すると、頂部50は平坦であり、頂部50の両辺から垂直に上部側垂直壁81がある。そして垂直壁81の端部は傾斜壁に繋がってやや外側にひろがっている。さらに傾斜壁の末端は下部側垂直壁82となっている。
本実施例では、混合ガス放出開口8は開口列部10の正面側と裏面側にだけ設けられ、頂部50には開口は無い。
空気流路部材5の先端部分には鋭角の折り曲げ部があり、当該折り曲げ部によって頂部9が構成されている。頂部9は稜線状に延びている。
空気流路部材5は、図12の様に折り曲げ部と接する二辺にフランジ部83が設けられ、当該フランジ部83がスポット溶接されている。
空気流路部材5の基端側は、図8の様に表裏面11,12の板間が開放され、空気導入開口15が形成されている。
即ち基端部から約1/3の高さまでが導入部60である。さらに高さ方向に約1/3の領域は中間部61である。そして先端側の約1/3の領域は第一燃焼部構成部62である。
即ち空気導入開口15から全高の約1/3までの部位(導入部60)は、図8の様に断面積が略一定である。言い換えれば導入部60は、図8の断面図の様に表裏面11,12が平行であり、間隔は変わらない。
即ち中間部61は図の様に下方が広く、上に向かうに連れて間隔が狭まるテーパー状である。ただし、テーパーの先端側末端部分と第一燃焼部構成部62との境界部分には、膨出部84が設けられている。膨出部84を構成する外壁部分は、表裏部分が平行である。
第一燃焼部構成部62と中間部61との間には傾斜面22からなる段部がある。
空気放出用の開口が設けられた位置は、大きく分けて先端部と、第一燃焼部に面した位置と、中間部材6に面した位置である。
さらに本実施例では、頂部及び傾斜面16,17にスリット状の先端側開口63,64が設けられている。スリットの長さは大小二種類あり、小さい方のスリット状の先端側開口63は、双方の傾斜面16,17の全てと頂部9とを連通するスリットである。大きい方のスリット(先端側開口)64は、さらに長く、表裏面11,12が平行である部位から頂部9にまで至っている。
前記した円形の先端側開口20,21は、各スリット(先端側開口)63,64の間に設けられている。
順次説明すると、先端側の第一燃焼部構成部62を構成する壁面には、高さ方向に延びる凹溝70,71が複数設けられている。凹溝70,71は、いずれも表面側から見て凹んだ形状であり、高さ方向に延びている。凹溝70は凹溝71よりも短い。凹溝70,71は、いずれも平行に並べて配置されている。凹溝70,71は主として板体の補強のために設けられたものである。
本実施例では、複数の短い凹溝70が設けられ、続いて長い凹溝71が設けられ、さらに短い凹溝70が複数設けられるという配列で空気流路部材5の全幅に渡って凹溝70,71が配置されている。
そして長い凹溝71同士の間であって、凹溝71の基端部近傍の位置には、図12,13の様な流線形の凹変部72が設けられている。凹変部72についても表面側から見て凹んだ形状である。凹変部72の形状は、具体的には、大円と小円とが中心を離れて配置され、両者を共通の接線で結んだものであり、大円側が空気流路の上流側に位置し、小円側が空気流路の下流側に位置している。二つの円の中心を結ぶ線は、空気の流れ方向に対して平行である。二つの円を結ぶ共通接線は、円の中心を結ぶ線に対して30°以下の傾きを持つ。
凹溝77は、主として位置決めのために設けられたものである。
炎孔部材3の本体部材25についても一枚の鋼板をプレスして表面に凹凸を有する展開図形を成形し、これを曲げ加工した後スポット溶接して作られている。本体部材25についても図14の様に頂面30に繋がる2辺にフランジ85があり、当該フランジ85で接合され、頂面30と対向する面は解放されている。
炎孔部材3の頂面30は、長尺状であり細長く広がっている。また頂部30は屋根状であり、中央の稜線部86が最も高く、その両側は緩やかな傾斜壁87となっている。
炎孔部材3は、前記した様に鋼板を曲げ加工したものであるが、頂部30の稜線部86は、鋼板が折り込まれている。そのため図の様に炎孔内部空間59には、折り込まれた部位が垂直壁88として垂下している。
即ち前記した頂面30の部位を含む先端側膨出部90と、中間部に設けられた中間膨出部91とがある。そして中間膨出部91と先端側膨出部90との間に先端側絞り部78がある。また中間膨出部91の基端部側には基端部側絞り部79がある。
また先端側膨出部90の側面には図14の様に一列に開口35が設けられている。開口35は、小さな孔である。
基端部側絞り部79には、図14の様に複数の凸条92が設けられている。凸条92は、表面側から見て外側に突出するものであり、内部には図6の様に溝93が形成されている。凸条92は、炎孔部材3の高さ方向に延びる。そして凸条92は、炎孔部材3の幅方向に平行に広がっている。
嵌合用凹溝38を構成する外壁37は、正面形状が略台形である。即ち外壁37の両側の辺は図15の拡大図の様に傾斜しており、テーパー状に先側が細くなっている。また嵌合用凹溝38内における側壁部31,32には、図16,17の様に突起95が設けられている。突起95の位置は、嵌合用凹溝38の両端であり、両端に各1個づつ突起95が設けられている。
本実施例の燃焼装置についても、予混合部材2と、炎孔部材3とが嵌合しあって中間部材6を構成している。
炎孔部材3(中間部材6)は、前記した様に二つの空気流路部材5に挟まれた位置にあるが、炎孔部材3の頂面30は、空気流路部材5の上端よりも図面下部側にあり、空気流路部材5の間に埋もれた位置にある。そのため炎孔部材3の頂面30よりも先端側の空間は、二つの空気流路部材5の壁によって仕切られている。本実施例では、炎孔部材3の頂面30と二つの空気流路部材5によって囲まれた空間が第一燃焼部46として機能する。
また予混合部材2の開口列部10の下部側に設けられた垂直壁82が炎孔部材3の基端部側絞り部79の内壁と当接して厚み方向の位置決めがなされている。
予混合部材2の開口列部10の狭面積部58は炎孔部材3の中間膨出部91の位置となる。
一方、混合空間39のさらに先端側に注目すると、側壁部31,32の間であって開口列部10の頂部50と炎孔部材3の頂面30部分との間には比較的大きな空間47がある。本実施例では、前記した混合空間39と、開口列部10の下流側の空間47によって炎孔上流側流路49が形成されている。
なお嵌合用凹溝38の外壁37は、前記した様に正面から見た形状が台形であり、両側の辺がテーパー状であるから、空気流路部材5を装着する際に空気導入開口15の内壁が嵌合用凹溝38外壁37のテーパに倣い、幅方向の位置決めが行われる。
空気流路部材5が炎孔部材3に対して正規の位置に納まると、図17に示すように空気流路部材5の開口近傍に設けられた凹溝77の外上端に嵌合用凹溝38内に設けられた突起95が係合し、「カチッ」という節度感が得られる。
また、空気流路部材5が正規の位置に装着されると、図31に示すように、燃焼部向空気放出開口23は、幅方向で炎孔部材3の炎孔群89と炎孔群89との間に位置することになる。
また燃焼部向空気放出開口23は、炎孔形成部(頂面30)の近傍にある。
一方、空気放出開口(上流側空気放出開口)48は、中間部材6に面した位置にあり、炎孔形成部30よりも基端側にある。
またこの隙間は、第一燃焼部46に連通している。即ち空気流路部材5の上流側空気放出開口48よりも先端側は、空気流路がテーパー状となっており、空気流路部材5の外壁は、下流に向かうほど空気流路の内側に位置し炎孔部材3との間に隙間が生じる。なお空気流路部材5の外壁と炎孔部材3とは、空気流路部材5に設けられた凸条73によって部分的に当接している。
燃焼装置1は、図3に示す様にケース54に多数配列され、図4の様に図面下部側から送風機41によって送風される。また燃料ガスがノズル(図示せず)によって予混合部材2のガス導入口43から導入される。
送風の流れは、前記した実施例と略同一であり、送風機41によって発生された送風は、整流板44(図4)の開口によって整流され、燃焼装置1の基端部(図面下側)から燃焼装置1の内部に入る。
燃焼装置1の中に入る送風のルートは、先の実施例と同一であり、3ルートである。即ち第一ルートは、図6に示すように空気流路部材5を通るルートであり、送風は空気流路部材5の基端部に設けられた空気導入開口15から空気流路部材5に入り、内部の空気流路(空気通過空隙)13を先端側に向かって流れる。そして空気の大部分は、先端側開口20,21から外部に放出される。
例えば図21に示すように空気流路部材5の先端形状が円形であるならば、空気導入開口15から導入された空気が天井面たる円弧面と衝突し、円弧面に沿って基端側に回り込む。そして回り込んだ空気が矢印の様に新たに供給された空気流と衝突し、新たに供給される空気の放出を阻害して放出方向を歪める。この様に空気流路部材5の先端形状を円形にすると乱流や渦の発生によって空気流の方向が不安定となる。そのため二次火炎が揺らぐと言う不具合が生じる。また本発明者らの実験によると、騒音が高いという不具合もある。
燃焼部向空気放出開口23から放出された空気は、段部の傾斜面22から、炎孔部材3の炎孔群89と炎孔群89との間に向けて、燃焼装置1の軸線に対して斜め前方に放出される。
また空気放出開口(上流側空気放出開口)48から放出された空気は、空気流路部材5と中間部材6との間の隙間40を流れ、炎孔部材3の側面部に至る。具体的には空気放出開口(上流側空気放出開口)48から放出された空気は、炎孔部材3の先端側絞り部78とによって構成される空隙に放出される。そしてこの空気は、空気流路部材5のテーパー状の壁面によって形成される隙間を流れ、炎孔部材3の側面部に放出される。
この空気は、炎孔部材3の内面に形成された凹溝93(凸条92の裏側)を通過して
混合空間39に入る。そして開口列部10と炎孔部材3の頂面30部分の間の空間47に入る。即ち上記した空気は、炎孔上流側流路49を流れる。そして炎孔(中央側開口)33たるスリットから第一燃焼部46に放出される。また空間47に入った空気の一部は、本体部材25の側壁部に設けられた開口35から本体部材25と側壁部31,32との間の空隙29に入り、側面側開口27から第一燃焼部46に放出される。
開口列部10に入った燃料ガスは、各混合ガス放出開口8から均等に放出される。即ち開口列部10は、相当の内容積を持つので予混合部材2の曲路等で発生した微小な渦は収斂している。また前記した様に開口列部10の直前に絞りとなる部位が無く、開口列部10に導入される燃料ガスは、流路の断面における流速のばらつきが小さい。そのため開口列部10の内部における圧力ばらつきは少なく、燃料ガスは、各混合ガス放出開口8から均等に放出される。
即ち混合空間39に流れ込む空気は、予混合部材2と炎孔部材3の側壁部31,32との間の開口部28から導入されるものであるが、混合空間39に至る前に炎孔部材3の内面に形成された凹溝93(凸条92の裏側)を通過しているので、層流となっている。
より詳細に説明すると、本実施例では、炎孔部材3の基端部側絞り部79においては、大半の部位が予混合部材2の外壁と接しているが、基端部側絞り部79の内面には多数の凹溝93が形成されており、凹溝93の部位については空隙がある。そして各凹溝93は、混合空間39と連通している。そのため側壁部31,32との間の開口部28から導入された空気は、複数の凹溝93を通過し、混合空間39に至る。そして凹溝93は、細長い流路であり、且つ等間隔であって平行に設けられているので、導入された空気は、複数の凹溝93を流れることによって整流される。
加えて本実施例では、凹溝93(凸条92の裏側)の延長線上に開口列部10の混合ガス放出開口8があるから、凹溝93を出た空気はより確実に混合ガス放出開口8から放出された燃料ガスと衝突する。
また混合空間39は、開口列部10の長手方向全域に渡って連通しているから、圧力も平滑化される。
スリットから放出される燃料ガスは、予混合部材2の中で空気と混合され、さらに混合空間39内で空気と混合されるので均質であり、且つスリットから放出される時の速度も均一である。
空間47に入った空気の一部は、本体部材25の側壁部に設けられた開口35から本体部材25と側壁部31,32との間の空隙29に入り、側面側開口27から第一燃焼部46に放出される。
本実施例では、炎孔部材3の炎孔群(中央側開口)89とスリット状の二次空気供給孔(先端側開口63,64)の位置は対応しており、炎孔群89のスリットの延長線上の側面部分に先端側開口63,64が設けられているから、未燃成分が多く排出される部位に、より多くの二次空気が供給され、効率がよい。
即ち本実施例では、燃料ガスの一部が側面側開口27から第一燃焼部46に放出される。ただし、側面側開口27から放出される燃料ガスはスリットから放出される燃料ガスに比べて流速が遅い。即ち燃料ガスは、本体部材25の側壁部に設けられた開口35から本体部材25と側壁部31,32との間の空隙29に入り、側面側開口27から第一燃焼部46に放出される。そのため空隙29に入る燃料ガスは量が制限され、側面側開口27から放出される量は少ない。これに対して側面側開口27は大きな開口面積を持つので、側面側開口27から放出される燃料ガスは流速が遅いものとなる。
即ち空気放出開口(上流側空気放出開口)48から放出された空気は、炎孔部材3の先端側絞り部78とによって構成される空隙から空気流路部材5のテーパー状の壁面によって形成される隙間に沿って流れ、炎孔部材3の側面部に至る。
さらに本実施例では、炎孔部材3の炎孔群89と炎孔群89との間に空気が放出されるため、炎孔群89の周囲には空気が十分に供給されており、一次火炎を確実に保炎することができる。
また本実施例においても燃焼部向空気放出開口23から供給された空気は、一次火炎や未燃ガスの流れを妨げることなく、二次火炎は空気流路部材5から離れた位置で発生し、空気流路部材5を過度に加熱しない。
そのため本実施例の燃焼装置は、一次火炎及び二次火炎が共に安定し、実用的である。
この構成は、推奨される構成であるが、本発明に必須ではない。
当該位置にスリットを設けると、図24に示すように第一燃焼部46に二次空気が供給され、第一燃焼部46の内の未燃ガスの一部が燃焼を開始し、一部に二次火炎が生じる。そしてこの二次火炎は外部の二次火炎と繋がる。
即ち図25に示す例では、端部に二つのスリット103,104が直列に設けられ、全体としてのスリット101の全長は中央側のどのスリット102よりも長い。
図26に示す実施例では、端部のスリット101は一本であり、この一本のスリット101の長さが中央側のどのスリット102よりも長い。
パッキン105は、図28、29に示すように燃焼装置1の幅方向の両端であって、空気流路部材5の基端部と当接する。そのため燃焼装置1の両端部における空気流路部材5と炎孔部材3との密着性が向上する。また燃焼装置1の幅方向の両端側からの予期しない空気の回り込みが阻止される。そのため一次火炎に供給される空気量の制御が容易となる。
この膨出部84は、テーパー部と、膨出部84の外壁側とを繋ぐために必然的にできる形状である。即ち上記した実施例では、炎孔部材3の近傍に空気を供給するための流路を形成されるために、空気流路部材5の側面にテーパ部が形成されている。上記した空気流路を多くする為には、テーパ部の傾斜は強い方が好ましい。即ちテーパが強いと炎孔部材3の外壁との間の隙間が大きくなり、炎孔部材3の近傍に空気を供給するための流路が広くなる。
一方、炎孔部材3の側面部に層流状態の空気を流すためには、炎孔部材3の先端近傍では流路の壁面が平行であることが望ましい。
この二つの条件を満足させるために、空気流路部材5の外面部にテーパ部と平行壁面部とを作る必要が生じ、膨出部84が設計された。
そこで渦の影響が無視できない場合は、膨出部とテーパー部との段差を極力小さくするとよい。
例えば図30に示すように、膨出部とテーパー部との段差を無くする構成も考えられる。図30に示す空気流路部材110では、膨出部に相当する部位111が炎孔部材の側面と略平行状態に面する。そして先の実施例と同様にしてその間に空気流路を形成する。
空気流路部材110の内面における部位はその上流側のテーパ掛かった部位112と連続的な平面で連続している。即ち両者の間に段差はない。
燃焼部向空気放出開口23の中心同士の間隔をHとし、円滑に形成された壁面の長さLとしたとき、「0.5H<L<4H」の関係であることが推奨される。
2 予混合部材
3 炎孔部材
5 空気流路部材
6 中間部材
8 混合ガス放出開口
10 開口列部
13 空気通過空隙
15 空気導入開口
20 21 先端側開口
23 燃焼部向空気放出開口
25 本体部材
26 減圧壁
27 側面側開口
29 空隙
31, 32 側壁部
35 開口
36 底壁(閉塞部)
39 混合空間
46 第一燃焼部
48 空気放出開口(上流側空気放出開口)
49 炎孔上流側流路
59 炎孔内部空間
Claims (3)
- 空気と燃料ガスとを導入し内部で燃料ガスと空気とを予混合する予混合部材と、炎孔部材と、空気流路部材とを備え、前記予混合部材は燃料ガスと空気との混合ガスを放出する混合ガス放出開口を有し、前記炎孔部材には炎孔形成部と側壁部が有り、炎孔形成部及び側壁部によって囲まれる炎孔内部空間を有し、炎孔形成部の側壁部は、予混合部材の混合ガス放出開口を覆い、予混合部材と側壁部との間には少なくとも一部に混合空間を有し、前記混合空間には空気が導入されると共に炎孔内部空間を介して炎孔形成部と連通し、前記空気流路部材は外形形状が壁状であって内部に空気流路となる空気通過空隙を備え、前記空気流路部材は基端側が開放されていて当該基端側から空隙内に空気が導入され、空気流路部材の先端側には先端空気放出開口が有り、前記炎孔部材は二枚の空気流路部材の間或いは前記空気流路部材と他の壁面との間に配置されていて先端空気放出開口は炎孔形成部よりも先端側に位置し、さらに前記空気流路部材には上流側空気放出開口を有し、当該上流側空気放出開口は炎孔部材の炎孔形成部よりも基端側に設けられ、炎孔部材の側面側に上流側空気放出開口から放出された空気が供給されることを特徴とする燃焼装置。
- 炎孔部材と空気流路部材によって囲まれた空間によって第一燃焼部が形成され、燃料ガスが酸素不足の状態で炎孔部材から第一燃焼部に放出されて燃焼し、さらに空気流路部材の先端空気放出開口から空気の供給を受けて燃焼するものであり、予混合部材と炎孔部材の間には外部と混合空間とを連通する空隙があり、予混合部材と炎孔部材の間は少なくとも一部に閉塞部が設けられていて外部と第一燃焼部の間が閉塞されていることを特徴とする請求項1に記載の燃焼装置。
- 炎孔部材は中央側開口と側面側開口とを有し、側面側開口から放出される燃料ガスの流速は中央側開口から放出される燃料ガスの流速よりも遅いことを特徴とする請求項1又は2に記載の燃焼装置。
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JP2001336716A (ja) * | 2000-05-30 | 2001-12-07 | Noritz Corp | 濃淡燃焼バーナの炎孔部材 |
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