JP2007298191A - 燃焼装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料ガス量に対する空気量の不足を確実に検出することができる燃焼装置を提供することである。
【解決手段】
一次空気と燃料ガスが混合して成る酸素不足状態の混合気が一次燃焼し、さらに二次空気67,67aの供給を受けて二次燃焼を行う燃焼装置1において、前記一次燃焼の火炎中に第一イオン電流検出部材65を設け、前記一次燃焼の火炎24の基部に二次空気67aを供給する二次空気供給口23を設け、前記二次空気供給口23の近傍に第二イオン電流検出部材66を設け、両イオン電流検出部材65,66の検出値を基に、供給される空気と燃料ガスのうちの少なくとも一つを制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃焼装置に関するものであり、特に給湯器や風呂装置に採用することが推奨される燃焼装置に関するものである。
燃焼装置は、給湯器や風呂装置の主要な構成部品であり、工場はもとより一般家庭においても広く普及している。
ところで近年、酸性雨による環境破壊が深刻な社会問題となり、NOx(窒素酸化物)の総排出量を減少させることが急務となっている。
給湯装置の様な小型の装置に採用可能であり、かつNOxの発生量を抑制することができる構成として濃淡燃焼法と称される燃焼方式を採用した燃焼装置がある。
濃淡燃焼法とは、燃料ガスに理論空気量の1.6倍程度の空気を予混合した希薄な混合ガスから主炎を発生させ、この主炎の近辺に、空気の混合量が少なく燃料ガス濃度が高い混合ガスから発生する保炎を配置したものである。
濃淡燃焼を応用した燃焼装置には、例えば特許文献1,2に開示された様な構成が知られている。
またNOxの発生量が少ない燃焼方式には他に二段燃焼法と称される燃焼形式がある。二段燃焼法とは、酸素不足の状態で燃料ガスを噴射し、当該ガスに点火して一次火炎を発生させ、未燃ガスに二次空気を供給して二次火炎を発生させる燃焼形式である。
このような二段燃焼法を採用した燃焼装置は、特許文献3に開示されている。
特開平5−118516号公報 特開平6−126788号公報 特開昭52−143524号公報
濃淡燃焼法を採用した燃焼装置は、NOxの発生量が少なく、市場において好評であるが、ターンダウン比(Turn Down Ratio T.D.R.)が小さいという欠点がある。特に濃淡燃焼法を採用した燃焼装置は、発熱量の小さい領域で燃焼させにくいという欠点がある。
即ち濃淡燃焼法では、前記した様に燃料ガスに理論空気量の1.6倍程度の空気を予混合した希薄な混合ガスから主炎を発生させる。この混合ガスは、希薄であるがために燃焼速度が遅い。
ところで濃淡燃焼法を採用する燃焼装置は、希薄な混合ガスを生成するために送風機を備えるが、送風機を長年に渡って使用し、送風機が老朽化すると次第に送風量が減少する。フィルターの目詰まりによって送風量が減少する場合もある。この様に経年変化によって送風量が減少すると、主炎を形成させる混合ガスの空気量が減少傾向となり、混合される空気量が理論空気量に近づく。その結果、主炎の燃焼速度が経年変化によって早まる傾向となり、経年変化によって火炎の基端部がしだいに炎孔に近づく傾向となる。そのため発熱量の小さい領域で燃焼させると火炎の基端部が炎孔に近接し、炎孔を傷めてしまう。そのため濃淡燃焼法を採用した燃焼装置は、経年変化を見越して発熱量の小さい領域での燃焼を制限せざるを得ない。
加えて、濃淡燃焼法は、使用可能なガスの範囲が狭いという不満がある。即ちガスメーカが供給する燃料ガスは単一の成分だけで構成されている場合もあるが、多くの場合、複数成分の燃料ガスが混在している。そのためたとえ発生する熱量(単位体積あたりの熱量)が同一であったとしても燃焼速度は燃料ガスのメーカごとに相違する。
これに対して濃淡燃焼法は、主炎を空気過剰状態で燃焼させるため、燃焼速度が遅い燃料ガスは火飛びが生じ、安定して燃焼させることができない。
一方、二段燃焼法を採用する場合は、濃淡燃焼法を採用する場合に比べてターンダウン比を高くとることができる。また適用可能な燃料ガスの種類も幅広い。しかしながら二段燃焼法は、燃料ガスを酸素不足の状態で燃焼させるために燃焼状態が不安定である。そのため市販された実用的な給湯器等に二段燃焼法を採用したものはない。
二段燃焼形式の燃焼装置は、一次火炎を発生させる炎孔部材を、一次火炎の下流側に二次火炎を発生させる空気燃焼部材が挟み込む構成を備えている。
従来の燃焼装置では、燃焼状態を診断する手段として熱電対が使用されていたが、熱電対では供給される空気量の不足を検出することができないため、昨今は熱電対の代わりに火炎のイオン電流を検出するイオン電流検出部材(プローブ)が専ら採用されている。
ここで火炎中には、イオンが存在しており、火炎は電気的に導体である。
ここで、イオン電流検出部材(プローブ)を、燃焼装置の二箇所に設置して、供給される空気量の不足を検出しようとしても、各プローブから得られる出力値が、送風機によって供給される空気量の減少に同調的に変化しては、供給される空気量の不足を確実に検出することができない。また、イオン電流検出部材(プローブ)が火炎に晒されて高温になると、耐久性が落ち、イオン電流検出部材(プローブ)の性能が低下する。
そこで本発明は、燃料ガス量に対する空気量の不足を確実に検出することができる燃焼装置を提供することを課題としている。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、一次空気と燃料ガスが混合して成る酸素不足状態の混合気が一次燃焼し、さらに二次空気の供給を受けて二次燃焼を行う燃焼装置において、前記一次燃焼の火炎中に第一イオン電流検出部材を設け、前記一次燃焼の火炎の基部に二次空気を供給する二次空気供給口を設け、前記二次空気供給口の近傍に第二イオン電流検出部材を設け、両イオン電流検出部材の検出値を基に、供給される空気と燃料ガスのうちの少なくとも一つを制御することを特徴とする燃焼装置である。
請求項1の発明によると、一次燃焼の火炎中に第一イオン電流検出部材を設け、一次燃焼の火炎の基部に二次空気を供給する二次空気供給口を設け、二次空気供給口の近傍に第二イオン電流検出部材を設けた。
ここで第一イオン電流検出部材は、一次火炎の高温の火炎面を貫通して、先端部分が一次火炎の内部に配置される。一次火炎の内部には未燃の混合気があるため、温度が低い。従って、第一イオン電流検出部材は、全体としてあまり高温にはならない。また、第二イオン電流検出部材は二次空気によって冷却される。よって、第一イオン電流検出部材と第二イオン電流検出部材が高温になって変形することを回避できる。また、燃焼装置の燃焼状態を検出し、さらに異常な燃焼を適切に正常化させることができる。
上記のように両イオン電流検出部材を設けると、第一イオン電流検出部材と第二イオン電流検出部材から得られる出力値が、供給される空気量の減少に同調的に変化せず、供給される空気量が減少したことを確実に検出することができる。
供給する空気については、例えば供給量や、一次空気と二次空気の分配の割合を調整する制御を行うことができる。
請求項2の発明は、予混合部材と、空気流路部材と、炎孔部材とを備え、前記予混合部材は一次空気と共に燃料ガスを導入して酸素不足状態の混合気を生成し、前記空気流路部材は壁状であって二次空気供給口を有し、前記炎孔部材は二つの空気流路部材の間或いは前記空気流路部材と他の壁面との間に配置され、炎孔部材と空気流路部材によって囲まれた空間によって燃焼部が形成され、前記混合気が炎孔部材から燃焼部に放出されて一次燃焼が行われる燃焼装置において、前記一次燃焼の火炎中に第一イオン電流検出部材を設け、前記一次燃焼の火炎の基部に二次空気を供給する二次空気供給口を設け、前記二次空気供給口の近傍に第二イオン電流検出部材を設け、両イオン電流検出部材の検出値を基に、供給される空気と燃料ガスのうちの少なくとも一つを制御することを特徴とする燃焼装置である。
請求項2の発明では、一次燃焼の火炎中に第一イオン電流検出部材を設け、二次空気供給口から一次燃焼の火炎の基部に二次空気が供給されており、二次空気供給口の近傍に第二イオン電流検出部材を設けた。
ここで第一イオン電流検出部材は、一次火炎の高温の火炎面を貫通して、先端部分が一次火炎の内部に配置される。一次火炎の内部には未燃の混合気があるため、温度が低い。従って、第一イオン電流検出部材は、全体としてあまり高温にはならない。また、第二イオン電流検出部材は二次空気によって冷却される。よって、両イオン電流検出部材は、共に高温にはならず、特に第二イオン電流検出部材は、空気供給口から供給される二次空気で冷却され、高温変形を回避することができる。
また、正常燃焼時においては、二次空気によって第二イオン電流検出部材が火炎から保護されるので、第一イオン電流検出部材と第二イオン電流検出部材との間に微弱なイオン電流が流れることを防止することができ、空気が不足した際の異常燃焼を確実に検出することができる。
さらに、両イオン電流検出部材の検出値を基に、燃焼が異常であることが検出された際には、供給される空気と燃料ガスのうちの少なくとも一つを制御するようにしたので、異常燃焼を正常化させることができる。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2の発明の燃焼装置において、両イオン電流検出部材の検出値を基に、一次空気量と二次空気量の配分と、一次空気量と二次空気量の総量と、燃料ガス量のうちの少なくとも一つを制御することを特徴とする燃焼装置である。
請求項3の発明によると、両イオン電流検出部材の検出値を基に、一次空気量と二次空気量の割合と、一次空気量と二次空気量の総量と、燃料ガス量のうちの少なくとも一つを制御するので、燃焼状態が異常になっても、適切に正常化させることができる。
また、上記のように両イオン電流検出部材を設けると、第一イオン電流検出部材と第二イオン電流検出部材から得られる出力値が、供給される空気量の減少に同調的に変化せず、供給される空気量が減少したことを確実に検出することができる。
本発明の燃焼装置では、一次火炎の中に第一イオン電流検出部材を設け、一次燃焼の火炎の基部に二次空気を供給する二次空気供給口の近傍に第二イオン電流検出部材を設けて第二イオン電流検出部材に二次空気が当たるようにした。
ここで第一イオン電流検出部材は、一次火炎の高温の火炎面を貫通して、先端部分が一次火炎の内部に配置される。一次火炎の内部には未燃の混合気があるため、温度が低い。従って、第一イオン電流検出部材は、全体としてあまり高温にはならない。また、第二イオン電流検出部材は二次空気によって冷却される。
よって、第一イオン電流検出部材と第二イオン電流検出部材のいずれも高温変形せず、燃料ガス量に対して空気量が不足することによる燃焼の異常を確実に検出することができる。
また、燃焼装置の燃焼が異常であることを検出すると、燃焼を適切に正常化させることができる。
以下、本発明の実施例について説明する。最初に、本発明の概略構成と基本的な機能を図1の模式図を参照しつつ説明する。図1の実施例は、本発明を概念的に説明するものである。
以下の説明において、上下の関係は、燃焼装置1を縦置きして上部側に火炎を発生させる姿勢を基準とする。また上流側、下流側の表現は、空気又は燃料ガスの流れを基準としている。幅方向とは、燃焼装置の最も大きい面積を正面として左右方向に相当する方向(図面の矢印W方向)である。
本実施例の燃焼装置1は、ケースに並列に並べて使用されたり、単独で使用されるものである。本実施例の燃焼装置1は、予混合部材2と、炎孔部材3と、二つの空気流路部材5とを有する。本実施例の燃焼装置1では、予混合部材2と、炎孔部材3とが嵌合しあって一つの中間部材6を構成し、この中間部材6が二つの空気流路部材5の間に挟まった構成となっているが、実際に使用される場合には、空気流路部材5、中間部材6、空気流路部材5、中間部材6、空気流路部材5・・・と言ったように空気流路部材5と中間部材6とが交互に配置されて面状をなしている。
燃焼装置1の構成部材たる予混合部材2は、内部で燃料ガスと空気とを予混合する機能を果たす部材である。予混合部材2は、曲路を有する混合部7と、開口8が列状に設けられた開口列部10を備える。開口列部10は、断面が略四角形をした空洞が長く直線的に延びた部位である。
空気流路部材5は概略形状が薄い壁状をした部材である。空気流路部材5は、表裏面11,12が薄板で作られ、この表裏面11,12が僅かな隙間を開けて接合され、さらに下面側を除く3辺が接合されたものであり、内部に空気流路13となる空隙が設けられている。
空気流路部材5は一枚の板を折り重ねて表裏面11,12を構成しており、先端部分には鋭角の折り曲げ部14があり、当該折り曲げ部14によって頂部9が構成されている。頂部9は稜線状に延びている。
一方、空気流路部材5の基端側は、表裏面11,12の板間が開放され、空気導入開口15が形成されている。
空気流路部材5には、空気放出用の開口が3つの領域に設けられている。前記した様に予混合部材2と中間部材6とが交互に配置されて面状をなすものであるから、空気流路部材5の表裏面11,12の板には同一の部位に同一個数の開口が設けられている。
空気放出用の開口が設けられた領域は、大きく分けて先端部と、第一燃焼部に面した位置と、中間部材6に面した位置である。
即ち空気流路部材5の表裏面11,12の板は、大部分が平行に配置されているが、先端部分だけが山形に折り曲げられており、表面側と裏面側に傾斜面16,17が形成されている。そして当該傾斜面16,17に先端部開口20が設けられている。また最先端部分(稜線部分)にも先端部開口21が設けられている。先端部開口20,21は、二次火炎68に二次空気67を供給するために設けられている。図1では、紙面の都合上、二次火炎68を空気流路部材5の先端部分より中側にのみ描写しているが、実際には二次火炎68は、空気流路部材5の先端部分よりも外側(図1で見て上側)にはみ出して存在している。
また空気流路部材5の表裏面11,12は、図1の様に先端側の空気流路13が基端部側に比べて幅狭く作られており、第一燃焼部46の基端部分に相当する部位に段部がある。この段部も傾斜面22となっている。そして前記段部に燃焼部向空気放出開口23が設けられている。燃焼部向空気放出開口23は第一燃焼部46の一次火炎24の基部に二次空気67aを供給し、一次火炎24の一部を燃焼させて第一燃焼部46内の一部に二次火炎68を発生させるものである。
さらに中間部材6に面した位置にも空気放出開口(上流側空気放出開口)48が設けられている。空気放出開口(上流側空気放出開口)48は、炎孔部材3の側面部に空気を供給して保炎を安定化させるものである。
炎孔部材3は、本体部材25と減圧壁26によって構成されている。炎孔部材3の本体部材25は、一枚の金属板を曲げ加工して作られたものであり、炎孔として機能する頂面30と、この両端から約90°折り曲げられた二つの側壁部31,32を有している。また炎孔部材3の左右両辺部は閉塞され、図面の下側に位置する面だけが開放されている。炎孔部材3の頂面30は、長尺状であり細長く広がっている。本体部材25の頂面30には、炎孔33となるスリットが規則的に配列されている。本体部材25に設けられた炎孔33は、「中央部開口」として機能する。
側壁部31,32の中間部分には外側(厚さ方向)に膨らんだ膨出部34が設けられている。膨出部34は、炎孔部材3の全幅に渡って設けられている。
側壁部31,32の開放端側は、図の様に二度に渡って約90°折り返され、外側に嵌合用凹溝38が形成されている。嵌合用凹溝38の底壁36は、側壁部31,32に対して垂直であり、嵌合用凹溝38の外壁37は、側壁部31,32と平行である。
本体部材25には前記した様に減圧壁26が取り付けられている。減圧壁26は、本体部材25の側壁部31,32に固定されており、本体部材25の側壁部31,32との間には空隙29がある。空隙29は、図面の上部側が開口している。この開口は、側面側開口27として機能する。
本体部材25の側壁部31,32であって、減圧壁26に面した部位には開口35が設けられており、本体部材25の内面と空隙29とを連通している。
次に各部材同士の関係について説明する。
本実施例では、前記した様に予混合部材2と、炎孔部材3とが嵌合しあって一つ中間部材6を構成している。より具体的には、炎孔部材3の側壁部31,32の間に予混合部材2の開口列部10が挿入されている。実際の製作過程においては、炎孔部材3の側壁部31,32同士の開口(図面下部)から、予混合部材2を挿し込むことによって両者が接合される。
側壁部31,32と開口列部10との間は図示しない凹凸形状によって部分的に接しており、両者は一体化されている。側壁部31,32と開口列部10との間は前記した様に凹凸形状によって部分的に接しているので、逆に言えば両者の間は部分的に離れている。図1の断面は、側壁部31,32と開口列部10が離れている部位における断面を図示している。
側壁部31,32の膨出部34に相当する部位については、内包される開口列部10とは離れている。膨出部34の部位は、開口列部10の開口8の列部に相当する。従って開口列部10の開口8の外側は、側壁部31,32とは離れており、他に比べて広い空間(混合空間)39がある。この空間は、全ての開口8に相当する部位に渡って連通している。
側壁部31,32の間であって開口列部10の頂部と炎孔部材3の頂面30部分との間には比較的大きな空間47がある。本実施例では、前記した混合空間39と、開口列部10の下流側の空間47によって炎孔上流側流路49が形成されている。
中間部材6の両側に空気流路部材5が装着される。空気流路部材5は、基端側の空気導入開口15に、炎孔部材3の嵌合用凹溝38を嵌合させることによって中間部材6と結合される。即ち嵌合用凹溝38の外壁37を空気導入開口15の中に挿入し、空気流路部材5の突端を嵌合用凹溝38に挿入して嵌合用凹溝38の底壁36に当接させる。
空気流路部材5と中間部材6(炎孔部材3)との間は、図示しない凹凸形状によって部分的に接しており、両者は一体化されている。両者の間は前記した様に凹凸形状によって部分的に接しているので、逆に言えば部分的には離れている。図1の断面は機能を理解し易い様に空気流路部材5と中間部材6(炎孔部材3)と間が離れた部位を図示している。ただし、燃焼装置1の上流側の端部(図面下端側)においては、空気流路部材5と中間部材6との間の隙間40が嵌合用凹溝38の底壁36によって封鎖されている。従って空気流路部材5と中間部材6との間の隙間40は、直接的には基端側の外界と連通していない。
炎孔部材3は、前記した様に二つの空気流路部材5に挟まれた位置にあるが、炎孔部材3の頂面30は、空気流路部材5よりも図面下部側にあり、空気流路部材5の間に埋もれた位置にある。そのため炎孔部材3の頂面30よりも先端側の空間は、二つの空気流路部材5の壁よって仕切られている。本実施例では、炎孔部材3の頂面30と二つの空気流路部材5によって囲まれた空間が第一燃焼部46として機能する。
以上説明した燃焼装置1に、本発明の特徴的な構成である第一イオン電流検出部材65(プローブ)と第二イオン電流検出部材66(プローブ)とが設置される。すなわち、炎孔部材3の上で且つ対向する二つの空気流路部材5に挟まれた第一燃焼部46の中であって、燃焼時に発生する一次火炎24の中の位置には、燃焼装置1の長手方向に沿って第一イオン電流検出部材65が配置される。また、一次火炎24の基部に二次空気67aを供給する燃焼部向空気放出開口23の近傍には、第二イオン電流検出部材66が配置される。第一イオン電流検出部材65及び第二イオン電流検出部材66は、第一燃焼部46を仕切る図示しない紙面の手前側又は向こう側の壁に固着される(固着機構は図示せず)。
火炎中には燃焼成分のイオンが存在しているので、電気的に導通性がある。第一イオン電流検出部材65及び第二イオン電流検出部材66は、火炎のこの性質を利用するものである。
第一イオン電流検出部材65は、一次火炎24内に配置される。ここで第一イオン電流検出部材65は、一次火炎24の高温の火炎面を貫通して、先端部分が一次火炎24の内部に配置される。一次火炎24の内部には未燃の混合気があるため、温度が低い。従って、第一イオン電流検出部材65は、全体としてあまり高温にはならない。また、第二イオン電流検出部材66は、燃焼部向空気放出開口23から供給(噴射)される二次空気67aが当たる位置に配置される。よって、第二イオン電流検出部材66は、二次火炎68に晒されることなく二次空気67aで包まれる。
よって、二次空気67aによって第二イオン電流検出部材66の温度上昇は抑制される。また、二次空気67aによって、正常燃焼時における第一イオン電流検出部材65と第二イオン電流検出部材66の炎による電気的な接続が遮断され、両者の間にはイオン電流が流れないため、燃料ガス量に対する空気量が不足した際の異常燃焼を確実に検出することができる。
第一イオン電流検出部材65と第二イオン電流検出部材66とを使用して、燃焼状態を診断する手順を、図21〜図23を参照しながら説明する。図21は、第一イオン電流検出部材65と第二イオン電流検出部材66の出力値(マイクロアンペア:μA)と一酸化炭素COの量(ppm)の関係を示すグラフである。図22は、空気量と燃料ガス量とを制御するための制御系統図である。また、図23は、燃焼装置の燃焼状態を診断する流れ図である。
図21に示すように、一酸化炭素COの排出量の規制値を、環境基準に適合するように設定する。すなわち、この排出CO量の規制値(閾値)は、第二イオン電流検出部材66の出力値と第一イオン電流検出部材65の出力値の差(μA)に対応させている。
図21において、正常燃焼時は、一次火炎24中には燃焼によって発生した一酸化炭素COイオンが多く存在しているため、第一イオン電流検出部材65の出力値(イオン電流検出値)は高くなる。一方、第二イオン電流検出部材66の大部分は二次空気67に包まれている上に、周囲におけるイオン発生量が極めて少なく、一酸化炭素COや水素Hの燃焼を主とする二次火炎68が存在しても、第二イオン電流検出部材66の出力値は第一イオン電流検出部材65の出力値よりかなり低くなる。
何らかの原因で送風機41によって供給される空気量のみが減少すると、第一燃焼部46における未燃CO成分の排出量が増加すると共に、一次火炎24の伸長によって一次火炎24内に設置される第一イオン電流検出部材65の未燃焼の混合気に包まれる部分が増えるばかりか、燃焼温度が低下して一次火炎24のイオン濃度が減少するため、第一イオン電流検出部材65の出力値は下がる。
一方、一次火炎24で空気不足により発生した炭化水素CO成分が第二イオン電流検出部材66まで到達するため、第二イオン電流検出部材66の出力値は上昇する。したがって、第一イオン電流検出部材65の出力値と第二イオン電流検出部材66の出力値の差は送風機41によって供給される空気量(風量)の減少と共に増大するのがわかる。
そこで、一酸化炭素COの排出濃度の規制値X(図21)に対応する両出力値の差D(図21)の演算値を予め実験によって求めておき、これを閾値として図22に示す制御装置69に備えたメモリ76に記憶させておく。
そして、CPU74は、第一イオン電流検出部材65と第二イオン電流検出部材66によって検出された各出力値の差を演算し、さらに演算値とメモリ76に記憶された閾値とを比較する。
仮に、演算値が閾値よりも小さければ、燃焼装置1の燃焼は正常であると判断し、逆に演算値が閾値に達するか、又は、演算値が閾値を超えていれば、燃焼装置1の燃焼は異常であると判断する。燃焼が異常であると判定(診断)した場合には、制御装置69は、送風機41の送風量を増加させるか、燃料ガス供給弁59又は燃料ガス比例弁18を絞り、図1に示すノズル42から噴射する燃料ガス量を減少させることにより、燃焼を正常化させる。ここで、閾値に幅dを持たせ、演算値が閾値領域(図21)に入ると燃焼が異常であると判定するようにしてもよい。すなわち、規制値Xよりも一酸化炭素CO濃度が小さい側に所定の幅dを設定し、演算値が規制値Xに達する以前に燃焼が異常であると判定するようにしてもよい。
制御装置69が、燃焼が異常であると判定し、上記の措置をとった後、燃焼が正常化されると、制御装置69は、演算値が閾値に達しないように送風機41や燃料ガス供給弁59又は燃料ガス比例弁18の開度を調整する。送風機41によって供給される空気の総量を増減させたり、後述する第一ルート、第二ルート、及び第三ルートに分配される空気量の配分を調整するようにしてもよい。また、ノズル42から噴射される燃料ガスの量を調整してもよい。そして、適正なメンテナンスを行うことができるように、制御装置69が燃焼異常であると判定した際に、警報ランプを点滅させるなどして、使用者に注意を喚起するのが好ましい。
以上の一連の流れを、図23の流れ図を参照しながら説明する。
燃焼装置1が稼働開始すると、まず、送風機41が駆動され、次に燃料ガスがノズル42(図1)から噴射され、予混合部材2内で混合気が生成される。そして、混合気はイグナイタ4(図22)によって点火されて着火し、その後、上述した一次燃焼及び二次燃焼を行う。
そして、制御装置69が、第一イオン電流検出部材65と第二イオン電流検出部材66によって検出された出力値から演算値(両出力値の差)を算出し、演算値とメモリ76に記憶した閾値とを比較する。仮に、演算値が閾値(又は閾値領域)に達していなければ燃焼は正常であると判定し、燃焼装置1が稼働している間、所定時間(例えば0.05秒〜3秒間隔、好ましくは0.1秒〜1秒間隔)毎に演算値が閾値に達しているか否かを判定する。演算値が閾値(又は閾値領域)に達していると、燃焼は異常であるため、制御装置69は、送風機41による送風量を増加させるか、又は、供給する燃料ガス量を減少させる。そして、さらに第一イオン電流検出部材65と第二イオン電流検出部材66でイオン電流値(出力値)を検出し、演算値を算出して、燃焼状態が改善されたことを確認する。燃焼状態が改善されていなければ、改善されるまでこの作業を繰り返す。燃焼状態が改善されると、所定時間が経過する毎に「演算値<閾値」であるか否かの判定を行い、燃焼装置1の稼働が停止されると、この判定作業も終了する。
図23の流れ図の制御は、出力値の差と閾値とを比較し、出力値の差が閾値を越えた場合に送風機の送風量を増加させる等の動作を行うが、送風量が過度に増加した場合には送風量を適切な量にまで減少させることが望ましい。
また燃料ガスの供給量を絞り過ぎた場合には燃料ガスの供給量を適切な量に増加させることが望ましい。
例えば図24に示す流れ図の様に、第二の閾値を設定し、出力値の差が第二の閾値を下回った場合に送風機の送風量を減少させたり、燃焼ガスの供給量を増加させる。
なお図24は、送風量を減少させる制御を含む構成の燃焼装置の燃焼状態を診断する流れ図である。
また送風量を増減させたり燃料ガスを増減させても第一イオン電流検出部材65と、第二イオン電流検出部材66の出力値が適正範囲内に収まらない場合は、燃焼を停止させることが望ましい。
第一イオン電流検出部材65と第二イオン電流検出部材66の出力値が閾値を越えた場合に、何らかの警報を発する構成を採用してもよい。
このような第一イオン電流検出部材65と第二イオン電流検出部材66を備えた燃焼装置1の機能を以下で詳述する。
燃焼装置1は、図3に示すようなケース54に多数配列され、図1で見て下部側から送風機41によって送風される。また燃料ガスがノズル42によって予混合部材2のガス導入口43から導入される。
まず送風の流れについて説明する。送風の流れは、図面に細線で示している。
送風機41によって発生された送風は、整流板44の開口45によって整流され、燃焼装置1の基端部(図面下側)から燃焼装置1の内部に入る。
燃焼装置1の中に入る送風のルートは、3ルートである。即ち第一ルートは、空気流路部材5を通るルートであり、送風は空気流路部材5の基端部に設けられた空気導入開口15から空気流路部材5に入り、内部の空気流路13を先端側に向かって真上に流れる。そして空気の大部分は、先端部開口20,21から外部に放出される。
また空気流路部材5を流れる空気の一部は、燃焼部向空気放出開口23と空気放出開口(上流側空気放出開口)48からも放出される。
燃焼部向空気放出開口23から放出された空気は、段部の傾斜面22から燃焼装置1の軸線に対して斜め前方に向かって放出される。
また空気放出開口(上流側空気放出開口)48から放出された空気は、空気流路部材5と中間部材6との間の隙間40を流れ、炎孔部材3の側面部に至る。
第二のルートは、中間部材6の中を流れるルートである。即ち中間部材6は、予混合部材2の開口列部10が炎孔部材3の側壁部31,32同士の間に挟まれたものであるが、開口列部10と炎孔部材3との間には隙間があり、この隙間の一部は、中間部材6の下部側に開口している。
そのため予混合部材2と炎孔部材3の側壁部31,32との間に開口部28から空気が侵入する。
この空気は、側壁部31,32と開口列部10の間の隙間を流れ、混合空間39に入る。続いて開口列部10と炎孔部材3の頂面30部分の間の空間47に流れる。即ち上記した空気は、炎孔上流側流路49を流れる。そして炎孔33たるスリットから第一燃焼部46に放出される。また空間47に入った空気の一部は、本体部材25の側壁部に設けられた開口35から本体部材25と側壁部31,32との間の空隙29に入り、側面側開口27から第一燃焼部46に放出される。
次に、空気の第三のルートについて説明する。第三のルートは、一次空気のルートであり、予混合部材2のガス導入口43から燃料ガスと共に導入される。第三のルートは、燃料ガス(混合気)が流れるルートと同一であるから、以下は燃料ガスの流れとして説明する。燃料ガスの流れは実線の矢印で図示する。
予混合部材2のガス導入口43からは一次空気と共に燃料ガスが導入される。燃料ガスは、混合部7等で空気と混合され、開口列部10に流れ込む。開口列部10では、多数の開口8が直線状に並べて配置されているので、開口列部10に入った燃料ガス(混合気)は、各開口8から均等に放出される。開口列部10の開口8から放出された燃料ガス(混合気)は、炎孔部材3の側壁部31,32と開口列部10の開口8の間に形成された混合空間39に入り、炎孔上流側流路(混合空間39を含む)49を流れる空気と混合される。
ここで前記した炎孔上流側流路(混合空間39を含む)49を流れる空気は、燃焼装置1の高さ方向(下から上)に流れるのに対し、開口列部10の開口8から放出された燃料ガスは空気の流れに対して垂直方向に流れ込む。そのため開口列部10の開口8から放出された燃料ガスは、混合空間39の部位でも空気と激しく衝突し、空気との混合が促進される。また混合空間39は、開口列部10の長手方向全域に渡って連通しているから、圧力も平滑化される。
燃料ガスは、混合空間39を通過し空間47に流れ込むが、この間においても燃料ガスと空気との混合は促進される。そしてその後は、前記した炎孔上流側流路49の流れと同一であり、開口列部10と炎孔部材3の頂面30部分の間の空間47に入り、多くの部分が炎孔33たるスリットから第一燃焼部46に放出される。また空間47に入った空気の一部は、本体部材25の側壁部31,32に設けられた開口35から減圧壁26と側壁部31,32との間の空隙29に入り、側面側開口27から第一燃焼部46に放出される。
炎孔33から放出される燃料ガスは、予混合部材2の中で空気と混合され、さらに混合空間39内で空気と混合されるので均質であり、且つ炎孔33から放出される時の速度も均一である。
しかしながら、炎孔33から放出される燃料ガス(混合気)は、空気が混合されてはいるものの、空気量は理論空気量に満たない。炎孔33から放出される燃料ガスは空気不足の状態であり、これだけでは完全燃焼することができない。
燃料ガス(混合気)に点火すると、燃料ガスは、第一燃焼部46で一次火炎24を発生させ、一次燃焼が行われる。ただし燃料ガスは、前記した様に空気不足状態であるから完全燃焼することはできず、未燃成分が多く生成される。
未燃成分は、第一燃焼部46の開口から外部に放出される。ここで第一燃焼部46の外部には、空気流路部材5の先端部(先端部開口21)から空気が供給されている。そのため未燃成分は酸素(二次空気67)の供給を受けて二次燃焼する。即ち第一燃焼部46外側の領域は第二燃焼部として機能し、二次火炎68が発生する。
また本実施例では、前記した一次火炎24の基端部に空気が供給され、一次火炎24の基端部に保炎が発生する。
本実施例では、燃料ガスは、「中央部開口」たる炎孔33から放出されるだけではなく、側面側開口27からも第一燃焼部46に放出される。ただし、側面側開口27から放出される燃料ガスは「中央部開口」たる炎孔33から放出される燃料ガスに比べて流速が遅い。即ち燃料ガスは、本体部材25の側壁部31,32に設けられた開口35から減圧壁26と側壁部31,32との間の空隙29に入り、側面側開口27から第一燃焼部46に放出される。そのため空隙29に入る燃料ガスは量が制限され、側面側開口27から放出される量は少ない。これに対して側面側開口27は大きな開口面積を持つので、側面側開口27から放出される燃料ガスは流速が遅いものとなる。
さらに前記した様に、空気流路部材5の中を通過する空気の一部が、空気放出開口(上流側空気放出開口)48から空気流路部材5と中間部材6との間の隙間40に放出され、当該隙間40を通って炎孔部材3の側面部に至る。そのため炎孔部材3の側面部は他の部位に比べて酸素量が豊富であり、側面側開口27から放出される燃料ガス(混合気)は空気の供給を受けて比較的安定して燃焼する。
前記した様に燃料ガスの流速が低いことと相まって側面側開口27の近傍には、安定した保炎が発生する。そのため一次火炎24の基端部は側面側開口27の近傍に発生する小さな炎によって保持される。
また本実施例では、燃焼部向空気放出開口23から放出された空気によって二次火炎68が安定化する。即ち本実施例では、空気流路部材5の表裏面11,12であって第一燃焼部46の基端部分に相当する部位に傾斜面22があり、この傾斜面22に燃焼部向空気放出開口23が設けられているので、第一燃焼部46の基端部分から空気の進行方向に対して斜め方向に空気(二次空気67a)が供給される。そのため供給された二次空気67aは、一次火炎24や未燃ガスの流れを妨げることなく、第一燃焼部46の中に供給される。その結果、第一燃焼部46の内の未燃ガスの一部が燃焼を開始し、一部に二次火炎が生じる。そしてこの二次火炎は外部の二次火炎68と繋がるので外部に発生する二次火炎68についても安定している。
また本実施例では、燃焼部向空気放出開口23は斜め方向に開口し、前記した様に二次空気67aは一次火炎24や未燃ガスの流れを妨げることがないので、二次火炎68は空気流路部材5から離れた位置で発生し、空気流路部材5を過度に加熱しない。さらに、二次空気67aが第二イオン電流検出部材66に当たり、第二イオン電流検出部材66も冷却される。
そのため本実施例の燃焼装置1は、一次火炎24及び二次火炎68が共に安定し、さらに、燃焼状態を確実に検出することができて実用的である。
第一イオン電流検出部材65と第二イオン電流検出部材66は、酸素不足の状態で一次燃焼させ、さらに二次空気を供給して二次燃焼させる二段燃焼形式の燃焼装置に設置されるものである。
次に、本発明のより実用的な構成例について図2以下の図面を参照しつつ説明する。以下に説明する実施例は、本発明を実施するために実用的に設計されたものであり、最も推奨される構成である。
図2以降の図面で示す燃焼装置の基本構成及び基本的な機能は、前記した実施例と同一であるが、細部に実用的な工夫が施されている。先の実施例と同一の機能を果たす部材については同一の記号を付し、重複する機能の説明は簡単なものに止める。
図2に示す燃焼装置1は、図3,4に示すようにケース54に並列に並べて使用されるものである。本実施例の燃焼装置1についても、予混合部材2と、炎孔部材3と、空気流路部材5とを有する。そして予混合部材2と、炎孔部材3とが嵌合しあって一つ中間部材6を構成し、この中間部材6が二つの空気流路部材5の間に挟まった構成となっている。
予混合部材2の形状は、図9,10,11の通りである。予混合部材2は、一枚の鋼板をプレスして表面に凹凸を有する展開図形を成形し、これを曲げ加工した後、周囲をスポット溶接によって接合されたものである。スポット溶接は、周囲のフランジ部51で行われている。
組み立て後の予混合部材2の形状は、図8,9の様な正面板52と、これに対称形状の裏板53が重ね合わされたものである。予混合部材2の外観はずんぐりした形をしており、平坦な頂部50を有し、周囲はガスが漏れない様に閉塞されている。
そして内部には正面板52と裏板53の間によって一連の気体流路が形成されている。即ち正面板52と裏板53の凹凸が合致する部分では、金属板同士が隙間を形成して配列された状態となっており、この隙間によって気体流路が形成される。
本実施例で採用する予混合部材2では、気体流路は、図9の様に大きく上下の部位に分かれている。具体的には気体流路は、大きく分けて混合流路19と開口列部10からなる。
混合流路19は、図9の様に予混合部材2の下部側にあり、気体流路の入口から開口列部10に至るまでの流路である。気体流路の入口から説明すると、燃焼装置1の下側角には、図9の様に、ガス導入口43が開口している。そしてガス導入口43の内部には、一時的に断面積が絞られた絞り部55があり、さらにその下流側は断面積が次第に大きくなっていく拡径部56がある。そしてその後は、断面積が一様な均一断面部57となっている。ガス導入口43から絞り部55、拡径部56を経て均一断面部57に至る迄の間は、流路が直線的である。
均一断面部57の末端部は、流路が垂直に曲がって開口列部10に繋がっている。
なお本実施例では、開口列部10の直前部分に絞りとなる部位はない。
開口列部10は、予混合部材2の上端部に位置し、図9の様に長手方向全域に渡って延びている。開口列部10の断面積、言い換えれば当該部分での正面板52と裏板53の隙間は、図10,11の様に大きい。
開口列部10の断面形状は、図10,11の様に二段形状となっており、頂部側は狭面積部58となっており、断面積がやや狭い。
即ち開口列部10の断面形状を説明すると、頂部50は平坦であり、頂部50の両辺から垂直に上部側垂直壁81がある。そして垂直壁81の端部は傾斜壁に繋がってやや外側にひろがっている。さらに傾斜壁の末端は下部側垂直壁82となっている。
そして開口列部10の外表面であって、前記した狭面積部58には、正面板52と裏板53の双方に、それぞれ多数の開口8が設けられている。開口8は、一定の間隔を開けて直線状に並んで列状に設けられている。
本実施例では、開口8は開口列部10の正面側と裏面側にだけ設けられ、頂部50には開口は無い。
次に空気流路部材5について図8,12,20を参照しつつ説明する。空気流路部材5についても一枚の鋼板をプレスして表面に凹凸を有する展開図形を成形し、これを曲げ加工した後スポット溶接によって接合されたものである。空気流路部材5では、図8の様に表裏面11,12が僅かな隙間を開けて接合され、内部に空気流路13となる空隙が設けられている。
空気流路部材5の先端部分には鋭角の折り曲げ部14があり、当該折り曲げ部14によって頂部9が構成されている。頂部9は稜線状に延びている。
空気流路部材5は、図12の様に折り曲げ部と接する二辺にフランジ部83が設けられ、当該フランジ部83がスポット溶接されている。
空気流路部材5の基端側は、図8の様に表裏面11,12の板間が開放され、空気導入開口15が形成されている。
空気流路部材5の外観形状は図12の様に薄い壁状である。空気流路部材5は、図12の様な縦置き状態を基準として高さ方向に対して大まかに3つの領域に分かれている。
即ち基端部から約1/3の高さまでが導入部60である。さらに高さ方向に約1/3の領域は中間部61である。そして先端側の約1/3の領域は第一燃焼部構成部62である。
空気流路部材5は、空気導入開口15から先端部側に向かう流路を構成するものであるが、流路の断面積は、先端側に向かうほど狭くなっている。
即ち空気導入開口15から全高の約1/3までの部位(導入部60)は、図8の様に断面積が略一定である。言い換えれば導入部60は、図8の断面図の様に表裏面11,12が平行であり、間隔は変わらない。
中間部61は、概ねテーパ状である。
即ち中間部61は図の様に下方が広く、上に向かうに連れて間隔が狭まるテーパ状である。ただし、テーパの先端側末端部分と第一燃焼部構成部62との境界部分には、膨出部84が設けられている。膨出部84を構成する外壁部分は、表裏部分が平行である。
第一燃焼部構成部62については断面積が略一定であるが(頂部9を除く)、この間の単位長さ当たりの断面積は導入部60のそれに比べて1/3程度である。
第一燃焼部構成部62と中間部61との間には傾斜面22からなる段部がある。
空気流路部材5には、3箇所の領域に空気放出用の開口が設けられている。
空気放出用の開口が設けられた位置は、大きく分けて先端部と、第一燃焼部46に面した位置と、中間部材6に面した位置である。
即ち空気流路部材5の表裏面11,12の板の先端部分は山形に折り曲げられており、表面側と裏面側に傾斜面16,17が形成されている。そして当該傾斜面16,17に図12の様に円形の先端部開口20が設けられており、また最先端部分(稜線部分)にも円形の先端部開口21が設けられている。
さらに本実施例では、頂部及び傾斜面16,17にスリット状の先端部開口63,64が設けられている。スリットの長さは大小二種類あり、小さい方のスリット状の先端部開口63は、双方の傾斜面16,17の全てと頂部9とを連通するスリットである。大きい方のスリット(先端部開口)64は、さらに長く、表裏面11,12が平行である部位から頂部9にまで至っている。
大きいスリット(先端部開口)64の方が小さいスリット(先端部開口)63よりも数が多く、大きなスリット64が連続して2列または3列設けられ、次いで小さいスリット63が設けられ、さらにそれに続いて大きなスリット64が連続して2列または3列設けられ、これが空気流路部材5の長さ方向の全域に渡って連続している。
前記した円形の先端部開口20,21は、各スリット(先端部開口)63,64の間に設けられている。
先端部開口20,21は、先の実施例と同様、二次火炎68に二次空気67を供給するために設けられたものである。
また前記した第一燃焼部構成部62と中間部61との間の傾斜面22に燃焼部向空気放出開口23が設けられている。燃焼部向空気放出開口23は第一燃焼部46の一次火炎24に二次空気を供給し、一次火炎24の一部を燃焼させて一部に二次火炎を発生させるものである。
さらに導入部60と中間部61との境界近傍にも空気放出開口(上流側空気放出開口)48が設けられている。空気放出開口(上流側空気放出開口)48は、炎孔部材3の側面部に空気を供給して保炎を安定化させるものである。
空気流路部材5の表裏面11,12には、両者の間に隙間を設けるためや、他の部材との間に隙間を設けることを目的として各部に凹凸形状が設けられている。
順次説明すると、先端側の第一燃焼部構成部62を構成する壁面には、高さ方向に延びる凹溝70,71が複数設けられている。凹溝70,71は、いずれも表面側から見て凹んだ形状であり、高さ方向に延びている。凹溝70は凹溝71よりも短い。凹溝70,71は、いずれも平行に並べて配置されている。凹溝70,71は主として板体の補強のために設けられたものである。
本実施例では、複数の短い凹溝70が設けられ、続いて長い凹溝71が設けられ、さらに短い凹溝70が複数設けられるという配列で空気流路部材5の全幅に渡って凹溝70,71が配置されている。
また長い凹溝71同士の間は他の凹溝同士の間隔に比べて広い。
そして長い凹溝71同士の間であって、凹溝71の基端部近傍の位置には、図12,13の様な流線形の凹変部72が設けられている。凹変部72についても表面側から見て凹んだ形状である。凹変部72の形状は、具体的には、大円と小円とが中心を離れて配置され、両者を共通の接線で結んだものであり、大円側が空気流路の上流側に位置し、小円側が空気流路の下流側に位置している。二つの円の中心を結ぶ線は、空気の流れ方向に対して平行である。二つの円を結ぶ共通接線は、円の中心を結ぶ線に対して30°以下の傾きを持つ。
空気流路部材5の中間部61には、図12の様に6条の凸条73が設けられている。凸条73の方向は、空気の流れ方向に対して平行である。凸条73は、後記する様に中間部材6の外面と当接して両者の間に隙間を設けるものであり、凸条73の突端(稜線)の位置(空気流路部材5の中心線からの距離)は、どの部位においても等しい。即ち前記した様に中間部61は、流路の断面形状がテーパ状であるが、凸条73の高さ(出っ張りの大きさ)は逆テーパ状に変化し、突端部分の位置は揃っている。
空気流路部材5の導入部60にも複数の凹溝75が多数平行に設けられている。凹溝75は、いずれも空気流路部材5の基端側から先端側に延びている。凹溝75は、表面側から見て凹んだ形状である。
空気流路部材5の導入部60近傍には、横方向(空気の流れに対して垂直方向)に延びる凹溝77が設けられている。
凹溝77は、主として位置決めのために設けられたものである。
また空気流路部材5の側面部分に目を移すと、両側面の中央部分に略三角形の突起80が設けられている。
次に炎孔部材3について説明する。炎孔部材3は、図8,14の様に本体部材25の側面に減圧壁26が溶接されたものである。
炎孔部材3の本体部材25についても一枚の鋼板をプレスして表面に凹凸を有する展開図形を成形し、これを曲げ加工した後スポット溶接して作られている。本体部材25についても図14の様に頂面30に繋がる2辺にフランジ85があり、当該フランジ85で接合され、頂面30と対向する面は解放されている。
炎孔部材3の、本体部材25は、図8,14の様に炎孔として機能する頂面30と、この両端から約90°折り曲げられた二つの側壁部31,32を有している。炎孔部材3の頂面30は、長尺状であり細長く広がっている。また頂面30は屋根状であり、中央の稜線部86が最も高く、その両側は緩やかな傾斜壁87となっている。
炎孔部材3は、前記した様に鋼板を曲げ加工したものであるが、頂面30の稜線部86は、鋼板が折り込まれている。そのため図の様に内部の空洞には、折り込まれた部位が垂直壁88として垂下している。
本体部材25の頂面30には炎孔(中央側開口)33となるスリット状の開口が設けられている。スリット(炎孔33)は、頂面30の幅方向に延びるものである。スリット状の開口は複数、平行に並んで、頂面30の長手方向の全域に設けられている。そして、図14の様に、複数のスリット状の開口を一組にして炎孔群89が構成されており、炎孔群89は頂面30に一定間隔毎に配置される構成となる。
本体部材25の断面形状に注目すると、本体部材25は、図8の様に2か所の絞り部78,79がある。逆に言えば基端部を除いて二箇所の膨出部90,91がある。
即ち前記した頂面30の部位を含む先端側膨出部90と、中間部に設けられた中間膨出部91とがある。そして中間膨出部91と先端側膨出部90との間に先端側絞り部78がある。また中間膨出部91の基端部側には基端部側絞り部79がある。
前記した膨出部90,91及び絞り部78,79の中で、先端側膨出部90と中間膨出部91は、共に炎孔部材3の全幅に渡って設けられている。
また先端側膨出部90の側面には図14の様に一列に開口35が設けられている。開口35は、小さな孔である。
基端部側絞り部79には、図14の様に複数の凸条92が設けられている。凸条92は、表面側から見て外側に突出するものであり、内部には図6の様に溝93が形成されている。凸条92は、炎孔部材3の高さ方向に延びる。そして凸条92は、炎孔部材3の幅方向に平行に複数個配置されている。
側壁部31,32の開放端側は、図6,8,16,17の様に二度に渡って約90°折り返され、外側に嵌合用凹溝38が形成されている。嵌合用凹溝38の底壁36は、側壁部31,32に対して垂直であり、嵌合用凹溝38の外壁37は、側壁部31,32と平行である。
嵌合用凹溝38を構成する外壁37は、正面形状が略台形である。即ち外壁37の両側の辺は図15の拡大図の様に傾斜しており、テーパ状に先側が細くなっている。また嵌合用凹溝38内における側壁部31,32には、図16,17の様に突起95が設けられている。突起95の位置は、嵌合用凹溝38の両端であり、両端に各1個ずつ突起95が設けられている。
減圧壁26は、本体部材25の側壁部31,32の上端部に固定されている。減圧壁26は図14の様に長尺の板状であり、本体部材25の先端側膨出部90を全域に渡って覆う。本体部材25の側壁部31,32と減圧壁26との間には空隙29がある。空隙29は、図面上部側が開口している。この開口は、側面側開口27として機能する。なお減圧壁26の内面には図8の様に小さな突起97があり、当該突起97が本体部材25と当接して側面側開口27の間隔を規制している。
前記したように先端側膨出部90には一列に開口35(図14)があり、この開口35が本体部材25の内面と空隙29とを連通している。
本体部材25の両端部は、側壁部31,32同士が重ね合わされてフランジ85を構成し、スポット溶接によって接合されているが、基端側から中間膨出部の近傍までの間は、側壁部31,32同士の間にスリット98がある。
次に燃焼装置1本体の各部材同士の関係について、図5、6を参照しつつ説明する。
本実施例の燃焼装置についても、予混合部材2と、炎孔部材3とが嵌合しあって中間部材6を構成している。
炎孔部材3(中間部材6)は、前記した様に二つの空気流路部材5に挟まれた位置にあるが、炎孔部材3の頂面30は、空気流路部材5の上端よりも図面下部側にあり、空気流路部材5の間に埋もれた位置にある。そのため炎孔部材3の頂面30よりも先端側の空間は、二つの空気流路部材5の壁によって仕切られている。本実施例では、炎孔部材3の頂面30と二つの空気流路部材5によって囲まれた空間が第一燃焼部46として機能する。
中間部材6は、炎孔部材3に予混合部材2が装着されたものであり、予混合部材2の頂部50側が炎孔部材3の空洞部分に挿入されている。この時、予混合部材2の両端のフランジ部51が炎孔部材3の両端に形成されたスリット98に嵌まり込む。そして予混合部材2の突端とスリット98の奥端とが当接して挿入方向の位置決めがなされている。
また予混合部材2の開口列部10の下部側に設けられた垂直壁82が炎孔部材3の基端部側絞り部79の内壁と当接して厚み方向の位置決めがなされている。
予混合部材2の開口列部10の狭面積部58は炎孔部材3の中間膨出部91の位置となる。
予混合部材2の開口列部10と、炎孔部材3の間の隙間に注目すると、前記した様に炎孔部材3の側壁部31,32の中間膨出部91に開口列部10の狭面積部58がある。即ち中間膨出部91の部位は、開口列部10の開口8の列部に相当する。従って開口列部10の開口8の外側は、側壁部31,32から離れており、開口8の外側には他に比べて広い空間(混合空間)39がある。この混合空間39は、全ての開口8に相当する部位に渡って連通している。
一方、前記した様に予混合部材2の開口列部10の下部側が炎孔部材3の基端部側絞り部79の内壁と当接している。そのため当該部位については、幅方向の殆どの位置で開口列部10の外壁と炎孔部材3の内壁が接しており、隙間がない。しかしながら、基端部側絞り部79には、前記した様に複数の凸条92が設けられており、凸条92の内面側は凹溝93(図6)となっている。従って凸条92の部分については開口列部10の外壁と炎孔部材3の内壁との間が離れている。また凸条92は、炎孔部材3の高さ方向に延びているから、前記した混合空間39は炎孔部材3の基端側に連通している。
ここで凸条92の位置と予混合部材2の開口列部10に設けられた開口8との位置関係に注目すると、図18の様に凸条92の真上の位置に開口8がある。即ち凸条92を延長すると開口8の位置と交わる。本実施形態では、図18の様に凸条92と開口8とは一対一に対応する。ただし、開口8の数と凸条92の数は、必ずしも一対一に対応していなくてもよい。
炎孔部材3の基端部と予混合部材2との間には隙間がある。従って前記した混合空間39は、凸条92(凹溝93)及び基端部の隙間を介して外部と連通している。
一方、混合空間39のさらに先端側に注目すると、側壁部31,32の間であって開口列部10の頂部50と炎孔部材3の頂面30部分との間には比較的大きな空間47がある。本実施例では、前記した混合空間39と、開口列部10の下流側の空間47によって炎孔上流側流路49が形成されている。
中間部材6の両側には図5,6の様に空気流路部材5が装着されている。空気流路部材5は、基端側の空気導入開口15に、炎孔部材3の嵌合用凹溝38を嵌合させて中間部材6に固定されている。即ち嵌合用凹溝38の外壁37を空気導入開口15の中に挿入し、空気流路部材5の突端を嵌合用凹溝38に入れて嵌合用凹溝38の底壁36に当接させる。
なお嵌合用凹溝38の外壁37は、前記した様に正面から見た形状が台形であり、両側の辺がテーパ状であるから、空気流路部材5を装着する際に空気導入開口15の内壁が嵌合用凹溝38外壁37のテーパに倣い、幅方向の位置決めが行われる。
空気流路部材5が炎孔部材3に対して正規の位置に納まると、図17に示すように空気流路部材5の開口近傍に設けられた凹溝77の外上端に、嵌合用凹溝38内に設けられた突起95が係合し、「カチッ」という節度感が得られる。
空気流路部材5と中間部材6(炎孔部材3)との間の隙間40に注目すると、図5,6の様に空気流路部材5の上流側空気放出開口48の側面側には、炎孔部材3の先端側絞り部78が位置する。先端側絞り部78は炎孔部材3の表面が凹んだ部位であるから、上流側空気放出開口48の近傍においては、空気流路部材5と炎孔部材3との間に隙間がある。
またこの隙間は、第一燃焼部46に連通している。即ち空気流路部材5の上流側空気放出開口48よりも先端側は、空気流路がテーパ状となっており、空気流路部材5の外壁は、下流に向かうほど空気流路の内側に位置し炎孔部材3との間に隙間が生じる。なお空気流路部材5の外壁と炎孔部材3とは、空気流路部材5に設けられた凸条73によって部分的に当接している。
次に燃焼装置1の機能について説明する。
燃焼装置1は、図3に示す様にケース54に多数配列され、図4の様に図面下部側から送風機41によって送風される。また燃料ガスがノズル42(図1)によって予混合部材2のガス導入口43から導入される。
送風の流れは、前記した実施例と略同一であり、送風機41によって発生された送風は、整流板44(図4)の開口によって整流され、燃焼装置1の基端部(図面下側)から燃焼装置1の内部に入る。
燃焼装置1の中に入る送風のルートは、先の実施例と同一であり、3ルートである。即ち第一ルートは、図6に示すように空気流路部材5を通るルートであり、送風は空気流路部材5の基端部に設けられた空気導入開口15から空気流路部材5に入り、内部の空気流路13を先端側に向かって流れる。そして空気の大部分は、先端部開口20,21から外部に放出される。
実施例の説明に戻ると、本実施例の燃焼装置1では、空気流路部材5を流れる空気の一部は、燃焼部向空気放出開口23と空気放出開口(上流側空気放出開口)48からも放出される。
燃焼部向空気放出開口23から放出された空気(二次空気67a)は、段部の傾斜面22から、炎孔部材3の炎孔群89と炎孔群89との間に向けて、燃焼装置1の軸線に対して斜め前方に放出される。
また空気放出開口(上流側空気放出開口)48から放出された空気は、空気流路部材5と中間部材6との間の隙間40を流れ、炎孔部材3の側面部に至る。具体的には空気放出開口(上流側空気放出開口)48から放出された空気は、炎孔部材3の先端側絞り部78とによって構成される空隙に放出される。そしてこの空気は、空気流路部材5のテーパ状の壁面によって形成される隙間を流れ、炎孔部材3の側面部に放出される。
第二のルートは、中間部材6の中を流れるルートであり、予混合部材2と炎孔部材3の側壁部31,32との間に開口部28から空気が侵入する。
この空気は、炎孔部材3の内面に形成された凹溝93(凸条92の裏側)を通過して
混合空間39に入る。そして開口列部10と炎孔部材3の頂面30部分の間の空間47に入る。即ち上記した空気は、炎孔上流側流路49を流れる。そして炎孔(中央側開口)33たるスリットから第一燃焼部46に放出される。また空間47に入った空気の一部は、本体部材25の側壁部に設けられた開口35から本体部材25と側壁部31,32との間の空隙29に入り、側面側開口27から第一燃焼部46に放出される。
次に、空気の第三のルートについて説明する。第三のルートは、一次空気のルートであり、予混合部材2のガス導入口43から燃料ガスと共に導入される。第三のルートは、燃料ガスが流れるルートと同一であるから、以下は燃料ガスの流れとして説明する。燃料ガスの流れは実線の矢印で図示する。
予混合部材2のガス導入口43からは一次空気と共に燃料ガスが導入され、混合部7等で空気と混合され、開口列部10に流れ込む。ここで本実施例では、混合部7の均一断面部57から開口列部10にかけての間に絞りとなる部位がない。従って燃料ガスは、突出して流速が異なる部分が無く開口列部10に入る。
開口列部10に入った燃料ガスは、各開口8から均等に放出される。即ち開口列部10は、相当の内容積を持つので予混合部材2の曲路等で発生した微小な渦は収斂している。また前記した様に開口列部10の直前に絞りとなる部位が無く、開口列部10に導入される燃料ガスは、流路の断面における流速のばらつきが小さい。そのため開口列部10の内部における圧力ばらつきは少なく、燃料ガスは、各開口8から均等に放出される。開口8の口径を噴出ガス量が均整化するように順次小さくしてもよい。
開口列部10の開口8から放出された燃料ガスは、炎孔部材3の中間膨出部91によって構成される混合空間39に入り、炎孔上流側流路(混合空間39を含む)49を流れる空気と混合される。
一方、混合空間39を流れる空気は、図面下側から上方向に流れるものであり、整流されたものである。
即ち混合空間39に流れ込む空気は、予混合部材2と炎孔部材3の側壁部31,32との間の開口部28から導入されるものであるが、混合空間39に至る前に炎孔部材3の内面に形成された凹溝93(凸条92の裏側)を通過しているので、層流となっている。
より詳細に説明すると、本実施例では、炎孔部材3の基端部側絞り部79においては、大半の部位が予混合部材2の外壁と接しているが、基端部側絞り部79の内面には多数の凹溝93が形成されており、凹溝93の部位については空隙がある。そして各凹溝93は、混合空間39と連通している。そのため側壁部31,32との間の開口部28から導入された空気は、複数の凹溝93を通過し、混合空間39に至る。そして凹溝93は、細長い流路であり、且つ等間隔であって平行に設けられているので、導入された空気は、複数の凹溝93を流れることによって整流される。
炎孔上流側流路(混合空間39を含む)49を流れる空気は、燃焼装置1の高さ方向に流れるのに対し、開口列部10の開口8から放出された燃料ガスは空気の流れに対して垂直方向に流れ込む。そのため開口列部10の開口8から放出された燃料ガスは、混合空間39の部位でも空気と激しく衝突し、空気との混合が促進される。
加えて本実施例では、凹溝93(凸条92の裏側)の延長線上に開口列部10の開口8があるから、凹溝93を出た空気はより確実に開口8から放出された燃料ガスと衝突する。
また混合空間39は、開口列部10の長手方向全域に渡って連通しているから、圧力も平滑化される。
燃料ガスは、混合空間39を通過して上昇し、先端側膨出部90によって構成される空間に流れ込むが、この間においても燃料ガスと空気との混合は促進される。そして燃料ガスの大部分が炎孔33たるスリットから第一燃焼部46に放出される。
スリットから放出される燃料ガスは、予混合部材2の中で空気と混合され、さらに混合空間39内で空気と混合されるので均質であり、且つスリットから放出される時の速度も均一である。
空間47に入った空気の一部は、本体部材25の側壁部に設けられた開口35から本体部材25と側壁部31,32との間の空隙29に入り、側面側開口27から第一燃焼部46に放出される。
燃料ガス(混合気)に点火すると、燃料ガスは、第一燃焼部46で一次火炎24を発生させ、一次燃焼が行われる。そして未燃成分は、第一燃焼部46の開口から外部に放出され、空気流路部材5の先端部から空気(二次空気67)が供給されて二次燃焼する。
また本実施例では、前記した一次火炎24の基端部にも空気(二次空気67a)が供給され、一次火炎24の基端部に保炎が発生する。
即ち本実施例では、燃料ガスの一部が側面側開口27から第一燃焼部46に放出される。ただし、側面側開口27から放出される燃料ガスはスリットから放出される燃料ガスに比べて流速が遅い。即ち燃料ガスは、本体部材25の側壁部に設けられた開口35から本体部材25と側壁部31,32との間の空隙29に入り、側面側開口27から第一燃焼部46に放出される。そのため空隙29に入る燃料ガスは量が制限され、側面側開口27から放出される量は少ない。これに対して側面側開口27は大きな開口面積を持つので、側面側開口27から放出される燃料ガスは流速が遅いものとなる。
さらに前記した様に、空気流路部材5の中を通過する空気の一部が、側面側開口27から放出される燃料ガスに供給されて完全燃焼する。
即ち空気放出開口(上流側空気放出開口)48から放出された空気は、炎孔部材3の先端側絞り部78とによって構成される空隙から空気流路部材5のテーパ状の壁面によって形成される隙間に沿って流れ、炎孔部材3の側面部に至る。
前記した様に燃料ガスの流速が低いことと相まって側面側開口27の近傍には、安定した保炎が発生する。そのため一次火炎24の基端部は、側面側開口27の近傍に発生する小さな炎によって保持される。
また本実施例においても、傾斜面22に設けられた燃焼部向空気放出開口23から斜め方向に空気(二次空気67a)が供給され、第一燃焼部46の内の未燃ガスの一部が燃焼を開始し、一部に二次火炎が生じる。そしてこの二次火炎は外部の二次火炎68と繋がる。
さらに本実施例では、炎孔部材3の炎孔群89と炎孔群89との間に空気が放出されるため、炎孔群89の周囲には空気が十分に供給されており、一次火炎24を確実に保炎することができる。
また本実施例においても燃焼部向空気放出開口23から供給された二次空気67aは、一次火炎24や未燃ガスの流れを妨げることなく、二次火炎68は空気流路部材5から離れた位置で発生し、空気流路部材5を過度に加熱しない。
そのため本実施例の燃焼装置は、一次火炎24及び二次火炎68が共に安定し、実用的である。
このような実用的な燃焼装置に、第一イオン電流検出部材65と第二イオン電流検出部材66とを設置し、燃焼状態の判定を行う。第二イオン電流検出部材66は、燃焼部向空気放出開口23の近傍に配置されるので、二次空気67aによって冷却され、高温変形することがなく、燃焼状態を確実に検出することができる。
上記した実施例では予混合部材の例として側面側に燃料ガスを放出する開口を設けた構成を示した。この構成によると、空気流に対して垂直方向に燃料ガスを放出するので燃料ガスと空気との衝突機会が多く、混合が促進される。
図2以下に示す実施例では、各部材の表面に多数の凹凸形状が設けられている。凹凸形状は流路を構成する機能の他、板体の剛性を向上させる機能を果たす。また流路を構成しない凹凸形状は、板体の剛性を向上させる機能のみを果たす。
上記した各実施例では、金属板同士の隙間によって一連の流路を構成している。すなわち一方又は双方の板に凹部を設け、他方の板との間に隙間を形成している。ここで流路を形成する際にいずれの板に凹溝等を設けるかは設計事項の一つであり、本発明は上記した実施例に限定されるものではない。例えば上記した実施例では、空気の第2ルートの一部に、炎孔部材3の内面と予混合部材の外周面との間を通過する流路があり、炎孔部材3の内面に凹溝93を設けて流路を確保した。しかしながら、逆に予混合部材側に凹溝等を設けて流路を構成してもよい。
以上説明したような燃焼装置においては、燃料ガスと空気とが適宜理想的に分配され、安定した一次火炎24と二次火炎68とを生じさせるが、仮に、送風機41が故障して送風量が低下した場合には、燃料ガス量と空気量(酸素量)との比率(当量比)が変化し、燃焼状態が悪化してしまう。しかし、本発明の燃焼装置1では、第一イオン電流検出部材65と第二イオン電流検出部材66とで検出されたイオン電流値(出力値)から、燃焼状態の異常を確実に検出することができる。また、密室において燃焼装置1を稼働させると、空気中における酸素分圧が低下する(酸素が減少する)が、このような場合においても、本発明を実施した燃焼装置であれば、燃焼状態の異常を直ちに検出することができる。
よって、異常が検出された場合には、制御装置69によって直ちに送風機41の送風量を増加させたり、燃料ガス量を減少させるように燃料ガス比例弁18や燃料ガス供給弁59の開度を小さくし、燃焼を正常化させることができる。
以上説明した燃焼装置に設置する第一イオン電流検出部材65及び第二イオン電流検出部材66は、直線形状のもの以外に、例えば図20に示すような先端部分が湾曲した又は折れ曲がった形状のものを採用することができる。その場合には例えば、第一イオン電流検出部材65の湾曲した又は折れ曲がった先端部分65aは、スリット(炎孔)33の方に向け、第二イオン電流検出部材66の湾曲した又は折れ曲がった先端部分66aは、第一燃焼部46の中心方向に向ける。
このように先端部分を湾曲させる又は折れ曲がっていると、燃焼状態の検出を、より確実に行うことができるようになる。
本発明の燃焼装置の構造を模式的に説明した燃焼装置の断面斜視図である。 本発明の実用的な実施例における燃焼装置の斜視図である。 図2の燃焼装置をケースに収納した場合の平面図である。 図3のA−A断面図である。 図2の燃焼装置の断面図である。 図2の燃焼装置を段階的に破断して内部構造を示した斜視図である。 図2の燃焼装置の分解斜視図である。 図2の燃焼装置の分解断面図である。 図2の燃焼装置の予備混合部材の斜視図である。 図9のA−A断面図である。 図9のB−B断面図である。 図2の燃焼装置の空気流路部材の斜視図である。 図12の空気流路部材の凹変部の拡大図である。 図2の燃焼装置の炎孔部材の斜視図である。 図14の炎孔部材の嵌合用凹溝部の正面拡大図である。 炎孔部材と予混合部材とを結合した状態の側面図である。 図16の炎孔部材の基端部近傍の拡大図である。 予混合部材の開口と空気流路部材の凸条との位置関係を示す説明図である。 本実施例における空気流路部材内における空気の流れを示す説明図である。 本発明を実施する際に使用可能な別のイオン電流検出部材を配置した燃焼装置の断面斜視図である。 第一イオン電流検出部材と第二イオン電流検出部材の出力値と一酸化炭素COの量の関係を示すグラフである。 空気量と燃料ガス量とを制御するための制御系統図である。 燃焼装置の燃焼状態を診断する流れ図である。 送風量を減少させる制御を含む構成の燃焼装置の燃焼状態を診断する流れ図である。
符号の説明
1 燃焼装置
2 予混合部材
3 炎孔部材
5 空気流路部材
6 中間部材
8 開口
10 開口列部
13 空気流路
15 空気導入開口
20、21 先端部開口
23 燃焼部向空気放出開口(二次空気供給口)
25 本体部材
26 減圧壁
27 側面側開口
29 空隙
31、32 側壁部
35 開口
39 混合空間
41 送風機
46 第一燃焼部
48 空気放出開口(上流側空気放出開口)
49 炎孔上流側流路
63、64 スリット(先端部開口)
65 第一イオン電流検出部材
66 第二イオン電流検出部材
67,67a 二次空気
69 制御装置
89 炎孔群

Claims (3)

  1. 一次空気と燃料ガスが混合して成る酸素不足状態の混合気が一次燃焼し、さらに二次空気の供給を受けて二次燃焼を行う燃焼装置において、
    前記一次燃焼の火炎中に第一イオン電流検出部材を設け、前記一次燃焼の火炎の基部に二次空気を供給する二次空気供給口を設け、前記二次空気供給口の近傍に第二イオン電流検出部材を設け、
    両イオン電流検出部材の検出値を基に、供給される空気と燃料ガスのうちの少なくとも一つを制御することを特徴とする燃焼装置。
  2. 予混合部材と、空気流路部材と、炎孔部材とを備え、前記予混合部材は一次空気と共に燃料ガスを導入して酸素不足状態の混合気を生成し、前記空気流路部材は壁状であって二次空気供給口を有し、前記炎孔部材は二つの空気流路部材の間或いは前記空気流路部材と他の壁面との間に配置され、炎孔部材と空気流路部材によって囲まれた空間によって燃焼部が形成され、前記混合気が炎孔部材から燃焼部に放出されて一次燃焼が行われる燃焼装置において、
    前記一次燃焼の火炎中に第一イオン電流検出部材を設け、前記一次燃焼の火炎の基部に二次空気を供給する二次空気供給口を設け、前記二次空気供給口の近傍に第二イオン電流検出部材を設け、
    両イオン電流検出部材の検出値を基に、供給される空気と燃料ガスのうちの少なくとも一つを制御することを特徴とする燃焼装置。
  3. 両イオン電流検出部材の検出値を基に、一次空気量と二次空気量の配分と、一次空気量と二次空気量の総量と、燃料ガス量のうちの少なくとも一つを制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の燃焼装置。
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