JP2007247490A - 内燃機関の可変動弁機構 - Google Patents

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佳明 宮里
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貴夫 湯浅
Hidekazu Hioka
英一 日岡
Yuji Yoshihara
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Abstract

【課題】吸気バルブの最大リフト量が小さくなる低リフト領域においても、アクチュエータによる制御性を向上させる。
【解決手段】内燃機関の可変動弁機構は、コントロールシャフト32に連動してスライダギア43が軸方向に移動されると、入力アーム41と出力アーム42との相対位相差が変更されて、吸気バルブ21のバルブ特性が変更されるように構成されている。スライダギア43の軸挿入孔43cの内周面には周溝43dが形成され、周溝43d内にはブッシュ46が配設され、ブッシュ46はコントロールシャフト32に連結されている。周溝43dのブッシュ46との接触面43Fには、軸方向に直交する方向に対して傾斜する傾斜部分が形成されている。その傾斜部分は、吸気カムシャフト23の吸気カム23aによる入力アーム41の揺動量が大きくなるときにブッシュ46が接触する位置に設けられている。
【選択図】図11

Description

本発明は、内燃機関の機関バルブのバルブ特性を連続的に変更する可変動弁機構に関する。
内燃機関(エンジン)の可変動弁機構として、機関バルブ(吸気バルブおよび排気バルブの少なくとも一方のバルブ)の作用角や最大リフト量のようなバルブ特性を、エンジンの運転状態に応じて変更可能とする技術が知られている。このようなエンジンの可変動弁機構を、吸気バルブに適用すると、例えば、エンジンの低回転低負荷域では、吸気バルブの作用角や最大リフト量を小さくして、吸気ポートを通じて各気筒に吸入される空気の量(吸入空気量)を制御する。この制御により、スロットルバルブの開度制御によって生ずるポンピングロスを小さくし、燃費の向上を図ることができる。また、エンジンの高回転高負荷域では、吸気バルブの作用角や最大リフト量を大きくして、吸気充填効率の向上により出力の増加を確保することができる。
そのようなエンジンの可変動弁機構の一例に、エンジンのシリンダヘッドに固定され、機関バルブのカムシャフトと平行に設けられた円筒状のロッカシャフトと、アクチュエータの駆動により軸方向に移動可能な状態でそのロッカシャフト内に配設されたコントロールシャフトと、そのロッカシャフト上に配設される複数の可変バルブリフト機構とを備えて構成されているものがある(例えば、特許文献1参照)。
可変バルブリフト機構は、エンジンの各気筒ごとに設けられており、コントロールシャフトと連動して移動可能なスライダギアと、カムシャフトのカムにより駆動される入力アームと、機関バルブをリフトさせる出力アームとを備えて構成されている。入力アームおよび出力アームは、スライダギア上に設けられ、軸方向への移動が規制された状態でロッカシャフト(コントロールシャフト)を支持する支持部間に配設されている。
スライダギアには、コントロールシャフトが挿入される軸挿入孔が形成されている。また、スライダギアには、入力アームと噛み合う入力側ヘリカルスプラインと、出力アームと噛み合う出力側ヘリカルスプラインが形成されている。入力側ヘリカルスプラインの歯のねじれの向きと、出力側ヘリカルスプラインの歯のねじれの向きとは、反対方向に形成されている。これに対し、入力アームの内周面にはスライダギアの入力側ヘリカルスプラインに噛み合うヘリカルスプラインが形成されており、出力アームの内周面にも同様に、スライダギアの出力側ヘリカルスプラインに噛み合うヘリカルスプラインが形成されている。
上述のような構成のエンジンの可変動弁機構では、カムシャフトのトルクが入力アームに伝達されると、入力アームが揺動され、この入力アームと一体的に揺動する出力アームによって機関バルブがリフトされるようになっている。そして、機関バルブの作用角および最大リフト量が次のようにして変更される。すなわち、アクチュエータの駆動によりコントロールシャフトの軸方向への移動(変位)に連動してスライダギアが軸方向に移動(変位)されると、スライダギアと入力アームおよび出力アームとの軸方向における相対位置が変化する。これにより、スライダギア上の入力アームと出力アームとが相対回転して、両者の相対位相差が変更され、機関バルブの作用角および最大リフト量が連続的に変更されるようになっている。なお、入力アームは、ロストモーションスプリングの弾性力によって、常にカムシャフトのカムへ押し付けられている。また、出力アームには、機関バルブのバルブスプリングの弾性力によってロッカアームが押し付けられている。
特開2001−263015号公報
上述したようなエンジンの可変動弁機構では、アクチュエータの駆動によりコントロールシャフトが軸方向へ移動されると、吸気バルブのバルブ特性(作用角および最大リフト量)が、例えば、図15に示すように変更される。ここで、吸気バルブの作用角とは、図15に示すように、吸気バルブの開弁時期IVO1から閉弁時期IVC1までの角度範囲(開弁期間:図15ではクランク角で表現している)である。また、吸気バルブの最大リフト量は、吸気バルブが開弁時において可動範囲の最も下方まで移動(リフト)したときの吸気バルブの移動量である。これらの作用角および最大リフト量は互いに同期して変化する。例えば、作用角が小さくなるほど最大リフト量も小さくなる。また、作用角が小さくなるに従って吸気バルブの開弁時期IVO1と閉弁時期IVC1とが互いに近寄り、開弁期間が短くなって1気筒当たりの吸入空気量が少なくなる。
しかし、吸気バルブの作用角および最大リフト量が、図15に示すように変更されると、吸気バルブの最大リフト量が小さくなる低リフト領域では、最大リフト量が大きくなる高リフト領域に比べて、コントロールシャフトを軸方向へわずかに変位させただけでも吸入空気量が大きく変化してしまう。つまり、低リフト領域では、コントロールシャフトの軸方向への変位量、言い換えれば、アクチュエータストロークに対する吸入空気量の変化量が大きくなる。
このため、低リフト領域では、高リフト領域に比べて、コントロールシャフトの軸方向への変位量に対する出力変化への影響が大きくなり、出力制御を精度よく行なうことが難しくなる。したがって、低リフト領域においても、必要な吸入空気量を確実に得ようとすると、コントロールシャフトを軸方向へ高い精度で移動させなければならず、精度の高いアクチュエータ等が必要となってコストアップを招く可能性がある。
本発明は、上述した従来技術の問題点を鑑みてなされたものであり、吸気バルブの最大リフト量が小さくなる低リフト領域においても、アクチュエータによる制御性を向上させることができるような内燃機関の可変動弁機構を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題を解決するための手段を以下のように構成している。すなわち、本発明は、軸方向へ移動可能に設けられたコントロールシャフトと、前記コントロールシャフトを移動するアクチュエータと、前記コントロールシャフト上に配設される可変バルブリフト機構とを備え、前記可変バルブリフト機構には、前記コントロールシャフトが挿入される軸挿入孔が形成されているスライダと、前記スライダの外周面に形成されたヘリカルスプラインと係合し、吸気カムシャフトからの力を受ける入力アームと、前記スライダの外周面に、入力アームと係合するヘリカルスプラインとは異なる方向に形成されたヘリカルスプラインと係合し、吸気バルブをリフトさせる出力アームとが設けられており、前記スライダの軸挿入孔の内周面には内溝が形成され、その内溝内にはブッシュが配設され、ブッシュはコントロールシャフトに連結されており、前記ブッシュを介してアクチュエータの駆動によるコントロールシャフトの動作がスライダに伝えられることによりコントロールシャフトに連動してスライダが軸方向に移動されると、前記入力アームと出力アームとの相対位相差が変更されて、吸気バルブのバルブ特性が変更されるように構成された内燃機関の可変動弁機構において、前記内溝のブッシュとの接触面には、軸方向に直交する方向に対して傾斜する傾斜部分が形成されており、前記傾斜部分は、吸気カムシャフトの吸気カムによる入力アームの揺動量が大きくなるときにブッシュが接触する位置に設けられていることを特徴としている。
より具体的には、前記傾斜部分は、その傾斜部分にブッシュが接触したとき、前記入力アームと出力アームとの相対位相差を小さくするような方向に形成されている。また、前記ブッシュの内溝との接触面をクラウニング形状に加工して、エッジ当たりを防止することが好ましい。
このような内燃機関の可変動弁機構では、吸気カムシャフトのトルクが入力アームに伝達されると、入力アームが揺動され、この入力アームと一体的に揺動する出力アームによって吸気バルブがリフトされる。また、吸気バルブの作用角および最大リフト量が次のようにして変更される。すなわち、アクチュエータの駆動によりコントロールシャフトが軸方向に移動されると、その動作がブッシュを介してスライダに伝えられ、スライダが軸方向に移動される。このスライダの移動によって、スライダと入力アームおよび出力アームとの軸方向における相対位置が変化する。これにより、スライダ上の入力アームと出力アームとが相対回転して、両者の相対位相差が変更され、吸気バルブの作用角および最大リフト量が連続的に変更される。そして、1気筒当たりの吸入空気量が連続的に変更される。
上記構成によれば、吸気カムが回転して、吸気カムのリフト部分により入力アームが押し下げられると、スライダとブッシュとが互いに相対回転するが、この際、内溝の傾斜部分が形成された箇所にブッシュが位置するまでスライダが回転した時点で、ブッシュに対するスライダの軸方向の位置が傾斜部分の形状に応じてずれる。そのように、スライダがずれると、スライダがずれた分だけ、アクチュエータによるコントロールシャフトの移動量が打ち消される。つまり、スライダのずれにともない、スライダに対する入力アームおよび出力アームの軸方向の相対位置が変化し、入力アームと出力アームとの相対位相差が小さくなるように変更される。
これにより、内溝に傾斜部分が設けられていない場合に比べて、吸気カムの大リフト時のリフト量を小さく抑えることができ、1気筒当たりの吸入空気量も低減される。そして、アクチュエータによるコントロールシャフトの変位量、言い換えれば、アクチュエータストロークに対する吸気バルブのリフト量変化を緩やかにすることができ、吸気バルブの最大リフト量が小さくなる低リフト領域においても、アクチュエータによるその制御性を向上させることが可能になる。そして、アクチュエータストロークに対する1気筒当たりの吸入空気量変化を緩やかにすることができ、低リフト領域においてもアクチュエータによるその制御性を向上させることが可能になる。さらに、低リフト領域では、吸気バルブの最大リフト量が大きくなる高リフト領域に比べて、コントロールシャフトを軸方向へわずかに変位させただけでも吸入空気量が大きく変化するが、そのような低リフト領域において、精度の高いアクチュエータ等を用いなくても、コントロールシャフトの軸方向への変位量に対する出力変化への影響を抑えて、出力制御を精度よく行なうことができる。
本発明によれば、内燃機関の可変動弁機構において、吸気バルブの最大リフト量が小さくなる低リフト領域においても、アクチュエータによる制御性を向上させることができる。
本発明を実施するための最良の形態について添付図面を参照しながら説明する。
以下では、本発明の可変動弁機構を車両に搭載される内燃機関(エンジン)に適用した例を挙げて説明する。
まず、エンジンの概略構成について、図1,図2を用いて説明する。
この例のエンジン10は、車両に搭載される直列4気筒ガソリンエンジンであって、4つの気筒(シリンダ:#1〜#4)12を有するシリンダブロック11と、このシリンダブロック11上に取り付けられるシリンダヘッド14とを備えている。各気筒12内には、ピストン13が往復運動可能な状態で収容されている。ピストン13は、コネクティングロッドを介してクランクシャフト34に連結されており、ピストン13の往復運動がコネクティングロッドによってクランクシャフト34の回転運動に変換される。
エンジン10のシリンダヘッド14には、各燃焼室15に連通する吸気ポート17と排気ポート18とが各気筒12ごとに一対ずつ設けられている。吸気ポート17には、吸気通路(図示略)が接続されており、エンジン10の外部の空気が吸気通路および吸気ポート17を通過して燃焼室15に取り込まれる。吸気通路には、燃焼室15へ向けて燃料を噴射する燃料噴射弁(図示略)が各気筒12に対応して取り付けられている。噴射された燃料は、吸気ポート17を通って燃焼室15内に導入される吸入空気と混ざり合って混合気となる。なお、燃料噴射弁を吸気通路に代えてシリンダヘッドに取り付け、燃料を燃焼室15に直接噴射するようにしてもよい。
また、シリンダヘッド14には、点火プラグ16が各気筒12ごとに配置されている。燃焼室15に導入された上述の混合気は、点火プラグ16の電気火花によって着火され、爆発・燃焼する。このときに生じた高温高圧の燃焼ガスによりピストン13が往復動され、クランクシャフト34が回転されて、エンジン10の駆動力(出力トルク)が得られる。
一方、排気ポート18には、排気通路(図示略)が接続されており、燃焼室15で生じた燃焼ガスが、排気ポート18、排気通路等を通ってエンジン10の外部へ排出される。
シリンダヘッド14には、各吸気ポート17を開閉する吸気バルブ21と、各排気ポート18を開閉する排気バルブ22とがそれぞれ配置されている。各吸気バルブ21には、バルブスプリング21aがそれぞれ設けられており、バルブスプリング21aの弾性力によって各吸気バルブ21が吸気ポート17を閉じる方向に付勢されている。また、各排気バルブ22にも同様にバルブスプリング22aが設けられている。
吸気バルブ21の上方には、各気筒12ごとに1つの吸気カム23aを有する吸気カムシャフト23が配置されている。吸気カムシャフト23は、複数の支持壁25によって回転自在に支持されている。なお、支持壁25は、シリンダヘッド14に一体的に設けられたカムハウジングと、このカムハウジングにボルト締結等により脱着可能に取り付けられたカムキャップとで構成されている。
また、排気バルブ22の上方に、各気筒12ごとに1つの排気カム24aを有する排気カムシャフト24が配置されている。排気カムシャフト24は、複数の支持壁26によって回転自在に支持されている。なお、支持壁26は、シリンダヘッド14に一体的に設けられたカムハウジングと、このカムハウジングにボルト締結等により脱着可能に取り付けられたカムキャップとで構成されている。
これら吸気カムシャフト23および排気カムシャフト24は、タイミングチェーン35等を介してクランクシャフト34に駆動連結されている。そして、クランクシャフト34の回転がタイミングチェーン35等を介して吸気カムシャフト23および排気カムシャフト24に伝達され、各カムシャフト23,24の回転によって、吸気バルブ21および排気バルブ22がそれぞれ往復運動する。
吸気バルブ21の上端部と吸気カム23aとの間、および、排気バルブ22の上端部と排気カム24aとの間には、それぞれ、ローラ27aを有するロッカアーム27が揺動自在に配置されている。さらに、吸気バルブ21および排気バルブ22の各上端部の近傍には、油圧式のラッシュアジャスタ28がそれぞれ配置されている。ロッカアーム27には、バルブスプリング21a(22a)の圧縮反力とラッシュアジャスタ28の押し上げ力とが伝達されている。これにより、ロッカアーム27のローラ27aがほぼ上方に付勢されている。そして、この例では、ローラ27aは、各排気カム24aに対しては直接的に接触されている一方で、各吸気カム23aに対しては以下に述べるような可変動弁機構30を介して間接的に接触されている。なお、ロッカアームとして、ローラを備えないものを用いてもよい。
上述のようなエンジン10において、吸気カムシャフト23の近傍に可変動弁機構30が設けられている。以下、可変動弁機構30の構成について、図1〜図8を用いて詳しく説明する。なお、図3の矢印Fは、アクチュエータ33から離れる方向を示し、矢印Rは、アクチュエータ33に近づく方向を示す。
可変動弁機構30は、吸気バルブ21の作用角および最大リフト量を連続的に変更するためのものであって、吸気カムシャフト23の吸気カム23aとロッカアーム27との間に配設されている。なお、ロッカアーム27は、一端がラッシュアジャスタ28に支持され、他端が吸気バルブ21の上端に当接している。
吸気バルブ21の作用角および最大リフト量は、上記発明が解決しようとする課題の欄で説明したとおりであって、吸気バルブ21の作用角および最大リフト量は、図12の実線で示すように、可変動弁機構30によって互いに同期して変更される。図12については詳しくは後述する。
可変動弁機構30は、気筒12ごとの可変バルブリフト機構40を備えるほか、全ての可変バルブリフト機構40にそれぞれ共通のロッカシャフト31、コントロールシャフト32、および、アクチュエータ33を備えている。
ロッカシャフト31は、吸気カムシャフト23と平行な方向(気筒配列方向)に沿って延びる円筒状の部材であり、シリンダヘッド14に設けられた複数の支持壁25に、軸方向および周方向への移動が規制された状態で取り付けられている。なお、ロッカシャフト31が延びる方向を、「軸方向」と称する。
ロッカシャフト31には、可変バルブリフト機構40を挟んで対向する一対の支持壁25,25によって挟まれた箇所に軸方向に延びる長孔(貫通孔)31aが形成されている。長孔31aにはコネクトピン44が挿通されている。
コントロールシャフト32は、ロッカシャフト31内に軸方向の移動が可能な状態で挿入されている。コントロールシャフト32の一端側には、コントロールシャフト32の駆動用のアクチュエータ33が接続されている。コントロールシャフト32は、アクチュエータ33によって軸方向(F方向またはR方向)に前進・後退される。また、コントロールシャフト32には、コネクトピン44を挿入するためのピン挿入孔32aが形成されている。
可変バルブリフト機構40は、気筒数と同数設けられており、ロッカシャフト31に対して各気筒12と対応するように外装されている。各可変バルブリフト機構40は、コントロールシャフト32と連動して移動可能なスライダギア43と、吸気カムシャフト23の吸気カム23aにより駆動される入力アーム(カム被打部材)41と、吸気バルブ21をリフトさせる出力アーム(バルブ打部材)42とを備えている。入力アーム41および出力アーム42は、スライダギア43上に設けられ、軸方向への移動が規制された状態でロッカシャフト31(コントロールシャフト32)を支持する一対の支持壁25,25間に配設されている。なお、出力アーム42と支持壁25との間には、スライダギア43に対する入力アーム41および出力アーム42の軸方向における初期相対位置を調整するための板状のシム45が介装されている。
入力アーム41は、円筒形のハウジング41aを備えている。ハウジング41aの内周面には、後述するスライダギア43の入力側ヘリカルスプライン43aに噛み合うヘリカルスプライン41bが形成されている。また、ハウジング41aの外周には、径方向外向きに突出する一対の支持片41c,41cが設けられており、この一対の支持片41c,41cの間にローラ41eが配置されている。ローラ41eは、ロッカシャフト31と平行な回転軸41dによって回転自在に支持されている。
入力アーム41の軸方向両側には、一対の出力アーム42,42が配置されている。各出力アーム42は、円筒形のハウジング42aを備えている。ハウジング42aの内周面には、スライダギア43の出力側ヘリカルスプライン43bに噛み合うヘリカルスプライン42bが形成されている。また、ハウジング42aの外周には、径方向外向きに突出するノーズ42cが設けられている。ノーズ42cは、略三角形状に加工されており、その一辺が凹状に湾曲するカム面42dとなっている。
これらの入力アーム41および2つの出力アーム42,42によって区画された内部空間には、スライダギア43が配設されている。スライダギア43は、ロッカシャフト31上にコントロールシャフト32と連動して軸方向に移動可能に外装されている。
スライダギア43は、中心に軸挿入孔43cを有する略円筒形状に加工されている。スライダギア43の軸方向の中央部には、入力アーム41のヘリカルスプライン41bに噛み合う入力側ヘリカルスプライン43aが加工されている。また、スライダギア43の軸方向の両端部には、出力アーム42のヘリカルスプライン42bに噛み合う出力側ヘリカルスプライン43bがそれぞれ加工されている。出力側ヘリカルスプライン43bは、入力側ヘリカルスプライン43aに対して外径が小さく形成されている。また、入力側ヘリカルスプライン43aと出力側ヘリカルスプライン43bとは、歯のねじれの向きが互いに逆向きとなるように加工されている。
スライダギア43の内壁の軸方向中央部には、周方向に延びる周溝(内溝)43dが形成されている。また、この周溝43dは、貫通孔43eによってスライダギア43の外部に連通されている。なお、周溝43dの形状については詳しくは後述する。
そして、入力アーム41のローラ41eは、シリンダヘッド14に圧縮状態で配設されたロストモーションスプリング29の弾性力によって、常に吸気カム23aへ押し付けられている。一方、出力アーム42のハウジング42aのベース円部分またはノーズ42cのカム面42dには、吸気バルブ21のバルブスプリング21aによってロッカアーム27のローラ27aが圧接されている。これにより、吸気カムシャフト23が回転すると、吸気カム23aによって入力アーム41のローラ41eが押し下げられる。そして、入力アーム41とともに、スライダギア43および出力アーム42が一体的に揺動される。このような入力アーム41および出力アーム42の一体的な揺動によって、ロッカアーム27を介して吸気バルブ21がリフトされるようになっている。
ここで、ロッカシャフト31の外側のスライダギア43を、ロッカシャフト31内のコントロールシャフト32に動力伝達可能に連結するために、スライダギア43の周溝43d内には、断面円弧状のブッシュ46が配設されている。ブッシュ46には、周方向中間にピン挿入孔(貫通孔)46aが形成されている。
ブッシュ46は、コネクトピン44を介してコントロールシャフト32に連結されている。具体的には、コネクトピン44の一端部がブッシュ46のピン挿入孔46aに挿入され、コネクトピン44の他端部がコントロールシャフト32のピン挿入孔32aに挿入されている。また、コネクトピン44の中間部がロッカシャフト31の長孔31aに挿入されている。コネクトピン44は、コネクトピン44およびブッシュ46の組み付け時に、スライダギア43の貫通孔43eと、ブッシュ46のピン挿入孔46aと、ロッカシャフト31の長孔31aと、コントロールシャフト32のピン挿入孔32aとの位置合わせを行った状態で、スライダギア43の貫通孔43e側から挿入される。
そして、可変動弁機構30において、スライダギア43は次のように動作する。
コントロールシャフト32は、ロッカシャフト31の長孔31aの軸方向の長さの範囲内で、ロッカシャフト31に対して軸方向に移動可能となっている。また、スライダギア43は、周溝43dとブッシュ46との係合により、コントロールシャフト32に対する軸方向の位置が固定されているので、アクチュエータ33の駆動によりコントロールシャフト32が軸方向に移動されると、その動作がコネクトピン44およびブッシュ46を介してスライダギア43に伝えられる。これにより、コントロールシャフト32に連動してスライダギア43が軸方向に移動する。加えて、ブッシュ46がスライダギア43の周溝43d内を周方向に移動可能となっているので、その範囲内で、スライダギア43がコントロールシャフト32に対し回動可能となっている。これにより、コントロールシャフト32が軸方向に移動されると、スライダギア43は、軸方向に移動しながら、コントロールシャフト32に対して回動する。
また、入力アーム41に吸気カムシャフト23のトルクが伝達されると、そのトルクが入力アーム41からスライダギア43を介して出力アーム42に伝達されるが、このとき、スライダギア43は、ロッカシャフト31(コントロールシャフト32)の回りを揺動する。
このような可変バルブリフト機構40において、スライダギア43の入力側ヘリカルスプライン43aと、入力アーム41のヘリカルスプライン41bとは、互いに噛み合わされることによって支持されている。また同様に、スライダギア43の出力側ヘリカルスプライン43bと、出力アーム42のヘリカルスプライン42bとは、互いに噛み合わされて支持されている。
したがって、コントロールシャフト32の前進・後退によりスライダギア43を軸方向に移動させて、スライダギア43と、入力アーム41および出力アーム42との軸方向における相対位置を変化させることによって、入力アーム41と出力アーム42とに互いに逆向きのねじり力が付与されることになる。これにより、入力アーム41と出力アーム42とが互いに相対回転し、入力アーム41(ローラ41e)と出力アーム42(ノーズ42c)との相対位相差が変更されるようになっている。
以上のようにして、入力アーム41のローラ41eと出力アーム42のノーズ42cとの相対位相差が変更されると、吸気バルブ21の作用角および最大リフト量が変更される。そして、相対位相差が最も小さいとき(可変バルブリフト機構40の周方向において、ローラ41eとノーズ42cとが最も接近した状態にあるとき)、吸気バルブ21の作用角および最大リフト量は最も小さくなり、1気筒当たりの吸入空気量が最も少なくなる。逆に、相対位相差が最も大きいとき(可変バルブリフト機構40の周方向において、ローラ41eとノーズ42cとが最も離れた状態にあるとき)、吸気バルブ21の作用角および最大リフト量は最も大きくなり、1気筒当たりの吸入空気量が最も多くなる。
そして、この例の可変動弁機構30においては、共通する1本のコントロールシャフト32に各気筒12ごとのスライダギア43がそれぞれ設けられているので、アクチュエータ33の駆動によるコントロールシャフト32の軸方向の前進・後退に応じて、全ての気筒12の吸気バルブ21の作用角および最大リフト量が同時に変更されるようになっている。
次に、可変動弁機構30の動作について、図9,図10を用いて説明する。
まず、図9を参照して、コントロールシャフト32を最大限までアクチュエータ33から離れる方向(図3の矢印F方向)へ移動させた場合の可変動弁機構30の動作について説明する。
図9(a)に示すように、吸気カム23aのベース円部分が入力アーム41のローラ41eに当接しているとき、ロッカアーム27のローラ27aは、出力アーム42のハウジング42aのベース円部分と当接した状態にある。このため、吸気バルブ21は最大リフト量が「0」の状態(エンジン10の吸気ポート17を閉じた状態)に維持される。
そして、吸気カムシャフト23の時計方向への回転にともない、入力アーム41のローラ41eが吸気カム23aのリフト部分により押し下げられると、入力アーム41がロッカシャフト31に対して、反時計回り方向(図9(a)の矢印方向)に回動する。また、これに伴って、出力アーム42およびスライダギア43が一体となって揺動する。
これにより、出力アーム42のノーズ42cに形成されたカム面42dが、ロッカアーム27のローラ27aに当接し、カム面42dの押圧によってローラ27aが押し下げられる。
図9(b)に示すように、ロッカアーム27のローラ27aがカム面42dにより押圧されているとき、ロッカアーム27がラッシュアジャスタ28との当接部を中心として揺動し、吸気バルブ21が開弁される。
以上のように、コントロールシャフト32がアクチュエータ33から離れる方向に最大限まで移動した状態では、ロッカシャフト31の軸心回りにおける入力アーム41のローラ41eと、出力アーム42のノーズ42cとの相対位相差が最大となる。
これにより、吸気カム23aがローラ41eを最大限に押し下げたとき、ロッカアーム27の揺動量(揺動範囲)が最も大きくなり、吸気バルブ21は最大の作用角および最大リフト量で開閉される。そして、1気筒当たりの吸入空気量が最も多くなる。
次に、図10を参照して、コントロールシャフト32を最大限までアクチュエータ33に近づける方向(図3の矢印R方向)へ移動させた場合の可変動弁機構30の動作について説明する。
図10(a)に示すように、吸気カム23aのベース円部分が入力アーム41のローラ41eに当接しているときには、出力アーム42とローラ27aとの当接位置は、カム面42dから最大限まで離れた位置にある。そして、吸気カムシャフト23の回転によって、入力アーム41のローラ41eが吸気カム23aのリフト部分により押し下げられると、入力アーム41と出力アーム42とが一体となって回動する。
ただし、この場合、出力アーム42とローラ27aとの当接位置は、カム面42dから最大限離れているので、カム面42dによるロッカアーム27のローラ27aの押し下げが開始されるまでの出力アーム42の回転量が、図9に示す場合と比べて大きくなる。また、吸気カム23aのリフト部分により入力アーム41のローラ41eが押し下げられた際、ローラ27aと当接するカム面42dの範囲が、ノーズ42cの基端側の一部のみに縮小される。このため、吸気カム23aのリフト部分によるローラ41eの押し下げに応じたロッカアーム27の揺動量(揺動範囲)は小さくなる。
図10(b)に示すように、ロッカアーム27の揺動量が小さいことにより、吸気バルブ21は、より小さい最大リフト量にて開弁されるようになる。
また、コントロールシャフト32がアクチュエータ33に近づく方向に最大限まで移動した状態では、ロッカシャフト31の軸心回りにおけるローラ41eとノーズ42cとの相対位相差が最小となる。
これにより、吸気カム23aがローラ41eを最大限に押し下げたときのローラ27aの変位量は最も小さくなり、吸気バルブ21が最小の作用角および最大リフト量で開閉されるようになる。そして、1気筒当たりの吸入空気量が最も少なくなる。なお、図10では、吸気バルブ21の最大リフト量が「0」となる場合を示しているため、吸気カム23aがローラ41eを最大限に押し下げた場合でも、図10(b)に示すように、吸気バルブ21のリフト量が「0」の状態に維持される。ただし、吸気バルブ21の最小の最大リフト量は、「0」だけに限られず、例えば、図10(b)の想像線で示すように、Lminであってもよい。
以上述べたように、可変動弁機構30では、アクチュエータ33の駆動によって全ての気筒12に共通のコントロールシャフト32が軸方向に移動されると、スライダギア43が軸方向に移動される。そして、コントロールシャフト32の軸方向の移動位置に応じて、各可変バルブリフト機構40において、スライダギア43に対する入力アーム41および出力アーム42の軸方向の相対位置が変化する。これにより、スライダギア43上の入力アーム41と出力アーム42とが相対回転して、入力アーム41と出力アーム42との相対位相差が変更され、吸気バルブ21の作用角および最大リフト量が連続的に変更されるようになっている。そして、1気筒当たりの吸入空気量が連続的に変更されるようになっている。
ところで、上述の可変動弁機構30において、スライダギア43は、吸気バルブ21のバルブスプリング21aの弾性力およびロストモーションスプリング29の弾性力によって、入・出力アーム41,42を介して常に荷重を受けている。そして、スライダギア43からブッシュ46に対しては、軸方向の一方向への荷重が常にかかっている。このため、スライダギア43の周溝43dの軸方向一方の側面とブッシュ46の軸方向一方の側面とが常に接触している。この例では、スライダギア43からブッシュ46への荷重は、R方向に向けてかかっており、周溝43dのF方向側の側面43Fと、ブッシュ46のF方向側の側面46Fとが常に接触している。
なお、図14に示すように、ブッシュ46の側面46F,46Rに、クラウニング加工を施して、側面46F,46Rをクラウニング形状に形成し、スライダギア43の周溝43dとのエッジ当たりを防止するようにしてもよい。ただし、この場合、スライダギア43の周溝43dの側面43Fと常に当接するブッシュ46の側面46Fだけをクラウニング形状に形成することも可能である。
そして、この例では、スライダギア43の周溝43dの軸方向の幅(溝幅)W、つまり、周溝43dの側面43Fと側面43R間の距離が周方向において一定ではなく、所定の部位で大きくなっている。これについて、以下説明する。
図11は、スライダギア43の中心軸から半径r(図8)の位置において周溝43d(その側面43F,43R)を展開した一部を示している。
ここで、ブッシュ46とスライダギア43とは周方向において互いに相対移動するが、その際、ブッシュ46は、周溝43dの側面43Fの全周にわたって接触するのではなく、その一部とだけ接触する。つまり、スライダギア43の周溝43dの使用範囲(スライダ使用範囲)Yが、周溝43dの全周のうち一部だけとなっている。
具体的には、吸気カム23aのベース円部分が入力アーム41のローラ41eに当接しているときには、ブッシュ46は、スライダ使用範囲Yの一端P1に位置している。吸気カム23aが回転して、吸気カム23aのリフト部分により入力アーム41のローラ41eが押し下げられると、中心軸まわりの回転が規制されているブッシュ46に対しスライダギア43が相対回転する。これにより、ブッシュ46の位置がスライダ使用範囲Yの一端P1から他端P2側に向けて変化する。そして、吸気カム23aがローラ41eを最大限に押し下げたとき、ブッシュ46は、スライダ使用範囲Yの他端P2に位置している。また、吸気カム23aがローラ41eを最大限に押し下げたときから吸気カム23aがさらに回転すると、ブッシュ46の位置がスライダ使用範囲Yの他端P2から一端P1側に向けて変化する。
このように、吸気カム23aが回転するたびに、ブッシュ46は、スライダギア43に対し相対的にスライダ使用範囲Yの一端P1と他端P2との間で往復移動する(ただし、ブッシュ46の周方向の位置は固定)。そして、スライダ使用範囲Yにおけるのブッシュ46の位置は、吸気カム23aの回転位置に応じた位置となっており、吸気カム23aのリフト部分による入力アーム41のローラ41eの押し下げ量(入力アーム41の揺動量)が大きくなる大リフト時ほど、ブッシュ46は、スライダ使用範囲Yの他端P2側に位置している。
スライダギア43の周溝43dの形状は、図11に示すように、周溝43dの溝幅Wがスライダ使用範囲Yにおいて一定ではなく、スライダ使用範囲Yの他端P2側で大きくなっている。言い換えれば、吸気カム23aの大リフト時、つまり、吸気カム23aのリフト大の部分(吸気カム23aのリフト最大の部分の付近)に入力アーム41のローラ41eが接しているときにブッシュ46が接触している位置で周溝43dの溝幅Wが大きくなっている。そして、他端P2において(吸気カム23aのリフト最大の部分に入力アーム41のローラ41eが接しているときにブッシュ46が接触している位置で)、周溝43dの溝幅Wが最も大きくなっている。この例では、スライダギア43の周溝43dのR方向側の側面43Rは、平坦に(ストレートに)形成されている。一方、周溝43dの側面43Fは平坦ではなく、側面43Fには、スライダ使用範囲Yの他端P2側に軸方向に直交する方向に対し傾斜した(F方向側へ傾斜した)傾斜部分が形成されている。側面43Fの傾斜部分は、後述するように、その傾斜部分にブッシュ46が接触したとき、入力アーム41と出力アーム42との相対位相差を小さくするような方向に形成されている。具体的には、側面43Fの傾斜部分は、スライダ使用範囲Yの位置P3から他端P2にかけて湾曲して形成されている。そして、側面43Fの傾斜部分は、スライダ使用範囲Yの他端P2に近づくほど、F方向側への傾斜量が大きくなっており、他端P2においてその傾斜量が最大となっている。
そして、上述したように、スライダギア43の周溝43dの側面43Fは、ブッシュ46の側面46Fに常に接触するので、吸気カム23aが回転して、吸気カム23aのリフト部分により入力アーム41のローラ41eが押し下げられると、スライダギア43は、周溝43dの側面43Fがブッシュ46の側面46Fに接触しながらブッシュ46に対し回転する。このため、周溝43dの溝幅Wが大きくなっている部分、つまり、周溝43dの側面43Fの傾斜部分が形成された箇所にブッシュ46が位置するまでスライダギア43が回転した時点で、スライダギア43の軸方向の位置がスライダ使用範囲Yの一端P1に位置していたときに比べてR方向側へずれる。つまり、吸気カム23aのベース円部分やリフト小の部分が入力アーム41のローラ41eが接しているときに比べて、スライダギア43の軸方向の位置がR方向側へずれるようになる。スライダギア43のR方向側へのずれ量は、周溝43dの溝幅Wに応じて決まり、この場合には、周溝43dの側面43Fの傾斜形状に応じて決まる。
そのように、スライダギア43がR方向側へずれると、実際にはアクチュエータ33によりコントロールシャフト32を動かしていないにもかかわらず、あたかもアクチュエータ33によりコントロールシャフト32をR方向側へ動かしたかのような効果が得られる。言い換えれば、スライダギア43がR方向側へずれた分だけ、アクチュエータ33によるコントロールシャフト32の移動量が打ち消されるという効果が得られる。その点について以下に説明する。
スライダギア43がR方向側へずれると、これにともない、スライダギア43に対する入力アーム41および出力アーム42の軸方向の相対位置が変化し、入力アーム41と出力アーム42との相対位相差が小さくなるように変更される。そして、入力アーム41と出力アーム42との相対位相差が小さく変更される分、図12の実線で示すように、想像線に比べて頂点付近で吸気バルブ21のリフト量が小さく抑えられている。より具体的には、周溝43dの側面43Fの傾斜部分が設けられているスライダ使用範囲Yの位置P3から他端P2の間にブッシュ46が位置しているとき、吸気バルブ21のリフト量が小さく抑えられる。この場合、リフト量が抑えられる量は、周溝43dの側面43Fの傾斜形状に応じて決まる。なお、図12の想像線は、スライダギア43の周溝43dの溝幅Wが一定である場合、つまり、周溝43dの側面43Fが傾斜しておらず軸方向に垂直である場合の吸気バルブ21のリフト量のクランク角に対する変化を示している。
このように、スライダギア43の周溝43dの側面43FがF方向側へ傾斜している分だけ、スライダギア43がR方向側へずれるので、アクチュエータ33によるコントロールシャフト32のF方向側への移動量が打ち消される。これにより、周溝43dの溝幅Wが一定である場合に比べて、吸気カム23aの大リフト時(図12の頂点付近)のリフト量を小さく抑えることができ、1気筒当たりの吸入空気量も低減される。この際、スライダギア43の周溝43dの側面43Fの傾斜形状に応じて、吸気カム23aの大リフト時のリフト量を小さく抑えることができ、1気筒当たりの吸入空気量が低減される。
以上のように、アクチュエータ33によるコントロールシャフト32のF方向側への移動量が打ち消されるので、周溝43dの溝幅Wが一定である場合に比べて、コントロールシャフト32のF方向側への変位量、言い換えれば、アクチュエータストロークに対する吸気バルブ21のリフト量の変化を、図13に示すように、緩やかにすることができ、吸気バルブ21の最大リフト量が小さくなる低リフト領域においても、アクチュエータ33によるその制御性を向上させることが可能になる。なお、図13には、低リフト領域、この場合、アクチュエータストロークが小さい領域における、アクチュエータストロークに対する吸気バルブ21のリフト量変化を示しており、実線はスライダギア43の周溝43dの側面43Fに上述のような傾斜部分を設けた場合を示し、想像線は傾斜部分を設けない場合を示している。
そして、アクチュエータストロークに対する1気筒当たりの吸入空気量の変化も緩やかにすることができ、低リフト領域においてもアクチュエータ33によるその制御性を向上させることが可能になる。さらに、低リフト領域では、吸気バルブ21の最大リフト量が大きくなる高リフト領域に比べて、コントロールシャフト32を軸方向へわずかに変位させただけでも吸入空気量が大きく変化するが、そのような低リフト領域において、精度の高いアクチュエータ等を用いなくても、コントロールシャフト32の軸方向への変位量に対する出力変化への影響を抑えて、出力制御を精度よく行なうことができる。
なお、スライダギア43の周溝43dの側面43Fの傾斜形状は、アクチュエータ33によるコントロールシャフト32の移動量を打ち消す度合いに応じて適宜設定することが可能である。また、アクチュエータ33によってコントロールシャフト32を動かす方向や、吸気バルブ21のバルブスプリング21aの弾性力およびロストモーションスプリング29の弾性力によって、スライダギア43が荷重を受ける方向にしたがって、スライダギア43の周溝43dの側面43Fにではなく、他方の側面43Rに傾斜部分を設けることも可能である。
本発明を適用するエンジンの可変動弁機構の一実施形態を示す断面図である。 エンジンのシリンダヘッドを示す平面図である。 可変動弁機構の入力アーム、出力アーム等を示す斜視図である。 可変動弁機構のスライダギア、入力アーム、出力アーム等を示す分解斜視図である。 可変動弁機構のスライダギア、ロッカシャフト、コントロールシャフト等を示す斜視図である。 可変動弁機構のスライダギア、入力アーム、出力アーム等を示す水平破断斜視図である。 可変動弁機構のスライダギア、ロッカシャフト、コントロールシャフト、ブッシュ、コネクトピンの組み付けを示す断面図である。 図7のX−X線に沿った断面図である。 入力アームと出力アームとの相対位相差を最大にした場合の可変動弁機構の動作説明に用いる側面図である。 入力アームと出力アームとの相対位相差を最小にした場合の可変動弁機構の動作説明に用いる側面図である。 スライダギアの中心軸から半径rの位置において周溝を展開した一部を示す図である。 可変動弁機構により変更される吸気バルブの作用角およびリフト量を示す図である。 アクチュエータストロークが小さい領域におけるアクチュエータストロークに対する吸気バルブのリフト量変化を示す図である。 ブッシュの側面をクラウニング形状とした変形例を示す図である。 従来の可変動弁機構により変更される吸気バルブの作用角およびリフト量を示す図である。
符号の説明
10 エンジン
21 吸気バルブ
23 吸気カムシャフト
23a 吸気カム
27 ロッカアーム
30 可変動弁機構
32 コントロールシャフト
33 アクチュエータ
40 可変バルブリフト機構
41 入力アーム
42 出力アーム
43 スライダギア
43c 軸挿入孔
43d 周溝
43F,43R 側面
44 コネクトピン
46 ブッシュ
46F,46R 側面

Claims (3)

  1. 軸方向へ移動可能に設けられたコントロールシャフトと、
    前記コントロールシャフトを移動するアクチュエータと、
    前記コントロールシャフト上に配設される可変バルブリフト機構とを備え、
    前記可変バルブリフト機構には、前記コントロールシャフトが挿入される軸挿入孔が形成されているスライダと、前記スライダの外周面に形成されたヘリカルスプラインと係合し、吸気カムシャフトからの力を受ける入力アームと、前記スライダの外周面に、入力アームと係合するヘリカルスプラインとは異なる方向に形成されたヘリカルスプラインと係合し、吸気バルブをリフトさせる出力アームとが設けられており、
    前記スライダの軸挿入孔の内周面には内溝が形成され、その内溝内にはブッシュが配設され、ブッシュはコントロールシャフトに連結されており、
    前記ブッシュを介してアクチュエータの駆動によるコントロールシャフトの動作がスライダに伝えられることによりコントロールシャフトに連動してスライダが軸方向に移動されると、前記入力アームと出力アームとの相対位相差が変更されて、吸気バルブのバルブ特性が変更されるように構成された内燃機関の可変動弁機構において、
    前記内溝のブッシュとの接触面には、軸方向に直交する方向に対して傾斜する傾斜部分が形成されており、
    前記傾斜部分は、吸気カムシャフトの吸気カムによる入力アームの揺動量が大きくなるときにブッシュが接触する位置に設けられていることを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
  2. 前記傾斜部分は、その傾斜部分にブッシュが接触したとき、前記入力アームと出力アームとの相対位相差を小さくするような方向に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の可変動弁機構。
  3. 前記ブッシュの内溝との接触面は、クラウニング形状に加工されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関の可変動弁機構。
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