JP2007247393A - 石膏ボード及び該石膏ボードの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】石膏ボードのカバー原紙との接着に優れ、石膏ボードの縁部のドライアウトがなく、石膏ボードへの釘打ちの作業性に不都合がない、発泡石膏コアを有する軽量な石膏ボードを提供する。
【解決手段】石膏ボードは、表面、裏面、及び四つの側面を有する石膏コア、並びに石膏コアの表面、裏面、及び少なくとも二つの対向する側面を被覆する少なくとも一つのカバー原紙を含む。石膏コアは、カバー原紙で被覆された側面の一つをそれぞれ含む一つ以上のハードエッジ部、表面又は裏面を含み、カバー原紙で被覆された側面を含まない、ハードエッジ部の密度と実質的に等しい密度を有する一つ以上の高密度部、及びハードエッジ部及び高密度部の密度よりも低い密度を有し、ハードエッジ部及び高密度部に接する低密度部を含む。ハードエッジ部は、釘が打たれる位置を含まない。
【選択図】図13

Description

本発明は、建築用材料、特に内装用材料として広範に普及している石膏ボード及びその製造方法に関する。より詳細には、本発明は、石膏ボード用原紙、石膏ボード用原紙に隣接する高密度層、及び低密度の発泡石膏から製造される中央部分からなる多層石膏コア、並びに石膏コアの両縁部にその領域が特定の範囲以下とされた高密度の硬い縁部、を有する石膏ボード及びその製造方法に関する。
石膏ボードは、耐火性、遮音性、施工性、及び経済性等の観点から内装用建築材料として広く使用されている。石膏ボードは、石膏を主材料とするコア(石膏コア)が、石膏ボード用原紙(以下、単に原紙という)で被覆されている板状体である。石膏ボードは、一般に、以下のステップ(1)−(5)によって製造される。
(1)焼石膏、接着助剤、硬化促進剤、石膏ボードを軽量化するための発泡体、その他の添加剤、及び水等をミキサ等で混練して、焼石膏スラリー(以下、単にスラリーという)を得る。
(2)長い移動ベルト上に支持されて移動する、下側(表面側)の原紙(表面カバー原紙)に石膏のスラリーを供給する間に、表面カバー原紙の対向する部分を、それらの部分のへりが、石膏ボードの裏面側に至るように、折り曲げる。
(3)石膏ボードの裏面側において、別の上側の原紙(裏面カバー原紙)のへりを、表面カバー原紙の折り曲げられた部分のへりと重ね合わせ、ここで裏面カバー原紙のへりには、糊が付けられる。
(4)成形機を通し、表面カバー原紙及び裏面カバー原紙で延展されると共に被覆されたスラリーを、成形機に通して、板状に成形する。
(5)スラリーを硬化させた後に、硬化した石膏ボードを、粗切断し、強制乾燥させ、製品寸法に切断する。
石膏ボード用の代表的な原紙として、石膏コアの一つの面上に位置する表面カバー原紙、及び石膏コアの対向する面上に位置する裏面カバー原紙がある。表面カバー原紙は、石膏コアの一対の側面を被覆し、表面カバー原紙のへりは、裏面カバー原紙のへりに糊付けされる。
コアの重量を減少させるためには、従来、石膏コア中に泡を導入することによって、発泡石膏コアが作られてきた。発泡石膏コアは、例えば、石膏スラリーに起泡剤を加えることによって作られてきた。
しかしながら、発泡石膏のみで形成されたコアは、二つの欠点を有する。第一に、硬化した発泡石膏コアは、比較的脆く、建設中に、発泡石膏コアに釘が打ち込まれると、発泡石膏コアは、亀裂が入ると共に砕け易い。ここで使用する「釘」という用語は、建物の建設中に木製の下地材に石膏ボードを固定するために使用される釘だけでなく、金属製の下地材(スタッド)に石膏ボードを固定するために使用されるビス(又はねじ)もまた含む、石膏ボードをある部材に留め付けるための部品を意味する。第二に、発泡石膏コアは、原紙に必ずしも良好に接着しない。
このような問題に関して、特表平4−505601(特許文献1)は、従来の発泡スラリーにおける泡よりも比較的"壊れやすい泡"を含む単一の発泡スラリーを、原紙上に堆積させると共に乾燥させ、原紙と石膏コアの表面との間に、原紙に由来する繊維と石膏コアに由来する石膏とを含む界面領域と、界面領域に対してほぼ平行に隣接し繊維をまったく含まない層とを有し、この層が、石膏コアの中央部分におけるよりも空隙が少なくかつ密度が大きい石膏からなり、石膏コアの中央部分は、全体にわたって略均一に分布した1705個/平方センチメートル以下の複数の不連続な空隙を有する多層コアからなることを特徴とする石膏ボードを開示する。
この先行技術によれば、石膏ボードの一つの面上における紙がその石膏ボードから容易に剥がれる"分離"の欠陥を、この紙に近接し紙の繊維をまったく含まない薄い層によって著しく減ずることができると共に、従来の空隙よりも少数でより大きな空隙を、硬化した石膏コア中に形成することによって、石膏ボードの強度を著しく高めることができる。
また、石膏コアと原紙との間の接着性を向上させるために、例えば、英国特許GB741140号公報(特許文献2)は、原紙の接着面に、泡を含まない高密度のスラリーをローラで均一かつ薄く塗り、その高密度のスラリー上に泡を含む低密度のスラリーを供給し、次に、その原紙で低密度のスラリーを被覆するか、又は泡を含まない高密度のスラリーをローラで表面に均一かつ薄く塗った別の原紙を設けて、石膏ボードを成形する技術を開示する。
さらに、特開平5−148001号公報(特許文献3)は、塗布ロールとアイドラーローラとの間に、接着剤を含む高密度のスラリーを供給し、塗布ロール面に付着したスラリーを、原紙の接着面に移転させて、その接着面に薄い石膏層を設け、その石膏層上に泡を含む低密度のスラリーを供給して、石膏ボードを成形する技術を開示する。
次に石膏ボードの接着に関する製造上の大きな要因として石膏ボードの乾燥が挙げられる。即ち、強制乾燥工程における石膏ボードに関しては、一般に、石膏ボードの縁部又は縁部領域における乾燥速度が、石膏ボードの中央部分における乾燥速度よりも比較的速い。このため、その縁部や縁部領域では、過剰乾燥による強度の低下や接着不良(即ち、ドライアウト)が、容易に起こる。
ドライアウトを防止する方法として、例えば、米国特許US2762738号公報(特許文献4)は、主ミキサから表面カバー原紙上に供給されるスラリーの両端部分に、それぞれ表面カバー原紙の両端部分の上方に設けた副ミキサから、高密度のスラリーを供給して石膏ボードを成形し、石膏ボードの両端部分におけるコア密度を中央部分における密度よりも大きくすることによって、ドライアウトを防止する技術を開示する。
同様に、特表平9−511702号(特許文献5)は、カバー原紙の移動方向と逆に回転するコーティングローラによって、カバー原紙上に比較的高密度の石膏スラリーの被膜及び縁部分を形成し、次に被膜上で縁部分の間に比較的低密度の石膏からなるコアを形成する装置を開示する。コーティングローラの軸方向における長さは、カバー原紙の幅より小さい。従って、通常の幅をもつカバー原紙が、コーティングローラの端を越えて延び、幾らかのスラリーが、コーティングローラの両端付近とカバー原紙のへりに又はその外側にはみ出る。被膜付き原紙は、その原紙の輸送径路に沿ってデッキの上に移され、追加の高密度スラリーが、カバー原紙のへりの上に注がれて硬い縁(ハードエッジ)部を形成する。コアを形成する装置は、被膜の上で縁部の間に比較的低密度の石膏スラリーを与える手段を備えている。
しかしながら、特表平4−505601(特許文献1)に開示されている単一の発泡スラリーから形成された多層コアからなる石膏ボードに関しては、石膏ボードの形成及びその後の強制乾燥における石膏ボードの縁部での密度の不足及びドライアウト現象により、原紙に石膏がほとんど又はまったく密着せず、石膏パネル上に原紙が全く残らない欠陥が生じる場合がある。このようなドライアウト現象を減ずるために、例えば特表平11−501002号公報(特許文献6)に開示されるように、別の高密度のスラリーを調製し、これを石膏ボードの縁部に供給して石膏ボードを成形する方法がある。この場合には、高密度のスラリーに由来するハードエッジ部分の領域が大きくなりすぎる。よって、建設中に石膏ボードに釘を打つとき、石膏ボードの長手方向の縁部に沿った釘を打つ位置において、釘が石膏ボードに十分に入らない、又は釘は入るものの釘頭が突出するというような、作業性及び/又はその後の仕上げ作業に不都合をもたらす場合がある。
GB741140号公報(特許文献2)及び特開平5−148001号公報(特許文献3)に開示される先行技術において、全く泡沫を含まない石膏は、実際上硬すぎて、石膏ボードの材料として最適に機能しないことがある。また、これらの石膏ボードの製造方法で使用されるロールコーターにおいて、塗布ロールの回転方向は、原紙の搬送方向と同じであるため、スラリーの粘着性によりローラで延展されたスラリーは、ローラ面に付着する傾向がある。その結果、薄塗りされたスラリーの層の厚さが、原紙の搬送方向に沿って一定ではない。さらに、塗布ロール面に付着したスラリーは、主成分の焼石膏が水と接触して硬化する、反応硬化型であるため、塗布ロールの回転中に、スラリーが次第に硬化し、塗布ロールとアイドラーローラとの間隙が狭くなる。その結果、塗布ロール面に供給されて移転するスラリーの量が、減少し、薄塗りされたスラリーの層の厚さが、時間とともに変化し、一定しない。一方、スラリーの塗布後に、ローラ面における残留スラリーを除去するために、長手方向に沿ってローラの全体にわたって、粕取り用の板を設けても、除去されたスラリーが、粕取り用の板から薄塗りされたスラリーの層の面上に落下し、結局、均一な厚さをもつスラリーの層を提供することが困難である。さらに、ローラの側面等に付着したスラリーが、硬化し、成長して原紙に接触すると、スラリーは、紙切れ等の原因になる。その結果、生産ラインを停止せざるを得ないという課題が残されていた。
また、US2762738号公報(特許文献7)に開示される先行技術においては、主ミキサ及び副ミキサによって、原紙の中央部分及びへりに、それぞれ、低密度及び高密度のスラリーを別々に調製して供給するため、石膏ボードの製造工程及び工程管理が煩雑であると共に、製造される石膏ボードのハードエッジ部の大きさは、十分に制御されない。
同様に、GB741140号(特許文献2)及び特開平5−148001号公報(特許文献3)に開示された先行技術においては、主ミキサに加えて二枚の原紙へのコーティングスラリーを調製する二つのスラリーミキサを使用するため、ミキサの制御が難しい構成を要求する。また、アプリケーターローラーにより、緻密な石膏プラスタースラリー、後者の特許出願においては特に澱粉等の結合剤を含有するスラリー、を原紙に付着させて、石膏コアと原紙を結合させることを開示する。しかしながら、ドライアウト及びハードエッジの課題に関する記載はない。
また、特表平9−511702号(特許文献5)の装置で使用する主ミキサ中のスラリーは、石膏、水、起泡剤、及び安定剤などを含み、比較的低密度の石膏スラリーを形成するための組成を有する。また、ローラコーティングに注がれるスラリーに含まれる気泡のほとんどが、発泡スラリーを主ミキサから管路を通じて高速ビータに供給し、高速ビータの迅速に回転する羽根を使用してスラリーを攪拌することによって、取り除かれる。このようにして、ロールコーター又はカバー原紙のへりへ供給されるスラリーは、比較的高密度のスラリーである。よって、まず単一の発泡スラリーを形成するために、ミキサ内で焼石膏スラリーと共に泡沫を相当攪拌するため、この先行技術は、泡沫の損失、並びに気泡及び空隙の大きさの不均一という問題を引き起こす。また、高速ビータの消泡能力には、限界があるため、所望の高密度を有するスラリーを、継続且つ安定して供給することは困難である。さらに、ロールコーターに供給されるスラリーから除去される泡沫を無駄にし、発泡剤及び泡沫を生成するために費やした労力も無駄にする。また、塗布ロールによりスラリーの被膜が設けられたカバーシート(原紙)のへりに、管路を通じて追加の高密度スラリー(ハードエッジスラリー)が供給されるため、ハードエッジ部分の大きさを制御することが、困難であり、石膏ボードへ釘を打ち込むことが難しいという問題を生じ易い。
特表平4−505601号公報 英国特許第741140号明細書 特開平5−148001号公報 米国特許第2,762,738号明細書 特表平9−511702号公報 特表平11−501002号公報 米国特許第2,762,738号明細書
本発明の目的は、石膏ボードのカバー原紙との接着に優れ、石膏ボード製造時の強制乾燥による石膏ボードの縁部のドライアウトがなく、石膏ボードへの釘打ち作業性に不都合がない、発泡石膏コアを有する軽量石膏ボードを提供することである。
また、本発明のさらなる目的は、簡略な装置構成により、発泡剤及び発泡剤から生成する泡沫を無駄にせずに均一な発泡石膏コアを提供し、発泡石膏コアと原紙との接着に優れ、ドライアウトを防止し、釘の打ち込みに不都合の無い、石膏ボードの製造方法を提供することである。
上述の目的は、表面、裏面、二つの対向する側面及び二つの対向する端面を有する石膏コア、並びに前記石膏コアの前記表面、前記裏面、及び前記二つの対向する側面を被覆するカバー原紙、を含む石膏ボードにおいて、
前記石膏コアは、
前記カバー原紙で被覆された前記側面を含む高密度ハードエッジ部、
前記カバー原紙で被覆された前記表面又は前記裏面を含み、前記高密度ハードエッジ部の密度と実質的に等しい密度を有する少なくとも一つの高密度部、及び
前記高密度ハードエッジ部及び前記高密度部の密度よりも低い密度を有し、前記高密度ハードエッジ部及び前記高密度部に内接する中央低密度部を含み、
前記高密度ハードエッジ部が、前記石膏ボードを固定する釘が打たれる前記側面に沿った所定の位置に掛からないように形成された石膏ボードによって達成される。
前記石膏ボードにおいて、前記高密度部は、0.1mm乃至1.2mmの前記表面又は前記裏面に垂直な方向に沿った厚さを有してもよい。
前記石膏ボードにおいて、前記ハードエッジ部は、少なくとも0.1mmの前記ハードエッジ部に含まれる前記側面に垂直な方向に沿った厚さを有してもよい。
前記石膏ボードにおいて、前記ハードエッジ部は、0.1mm乃至15.0mmの前記ハードエッジ部に含まれる前記側面に垂直な方向に沿った厚さを有してもよい。
また、上述の目的は、表面、裏面、二つの対向する側面及び二つの対向する端面を有する石膏コア、少なくとも前記石膏コアの前記表面及び前記二つの対向する側面を被覆する表面カバー原紙、及び前記表面カバー原紙に接着されると共に前記石膏コアの前記裏面を被覆する裏面カバー原紙、を含み、
前記石膏コアが、前記側面を含む高密度ハードエッジ部を有する石膏ボードの製造方法であって、
(a)円盤型回転式ミキサへ焼石膏、水、及び少なくとも一種類の添加剤及び/又は混和材を注入し攪拌して焼石膏スラリーを調製するステップ、
(b)前記円盤型回転式ミキサの外周領域に設けられた少なくとも一つの分取口から前記焼石膏のスラリーの一部分を取出し、前記スラリーの一部分を塗布用スラリーとして前記表面カバー原紙へ供給するステップ、
(c)前記表面カバー原紙に供給された前記塗布用スラリーの一部を塗布ロールによって延展して、前記塗布用スラリーの延展部を形成すると同時に、前記延展部の両側に前記塗布用スラリーの非延展部を提供するステップ、
(d)前記円盤型回転式ミキサの前記外周領域に設けられた送出管を通じて前記送出管の送出口へ前記円盤型回転式ミキサ内に残る前記焼石膏のスラリーを送出するステップ、
(e)前記送出管又は前記送出口に取付けられた泡供給口を通じて前記残りの焼石膏のスラリーに発泡体を注入すると共に均一に分散させてコア用スラリーを調製するステップ、
(f)前記表面カバー原紙に塗布された前記塗布用スラリーに前記送出口から送出される前記コア用スラリーを堆積させるステップ、並びに
(g)前記表面カバー原紙を折り曲げると共に前記表面カバー原紙のへりに前記裏面カバー原紙を接着して積層体を形成し、次いで乾燥させるステップ、
を含み、
前記塗布ロールの軸の方向における長さは、前記表面と前記側面との境界線間の距離の98%乃至108%である、石膏ボードの製造方法によって達成される。
前記石膏ボードの製造方法において、前記裏面カバー原紙に前記塗布用スラリーを供給し、前記裏面カバー原紙に供給された前記塗布用スラリーを塗布ロールで延展するステップをさらに含んでもよい。
前記石膏ボードの製造方法において、前記延展部の厚さは、0.2mm乃至1.5mmであってもよい。
前記石膏ボードの製造方法において、前記塗布用スラリーに水及び硬化遅延剤を添加するステップをさらに含んでもよい。
前記石膏ボードの製造方法において、前記塗布用スラリーに発泡体を添加するステップをさらに含んでもよい。
前記石膏ボードの製造方法において、前記裏面カバー原紙に供給された前記塗布ロールで延展された前記塗布用スラリーの厚さは、0.2mm乃至1.5mmであってもよい。
前記石膏ボードの製造方法において、前記裏面カバー原紙に供給される前記塗布用スラリーに水及び硬化遅延剤を添加するステップをさらに含んでもよい。
前記石膏ボードの製造方法において、前記裏面カバー原紙に供給される前記塗布用スラリーに発泡体を添加するステップをさらに含んでもよい。
以上説明したように、本発明によれば、石膏ボードのカバー原紙との接着に優れ、石膏ボード製造時の強制乾燥による石膏ボードの縁部のドライアウトがなく、石膏ボードへの釘打ちの作業性に不都合がない、発泡石膏コアを有する軽量石膏ボードを得ることができる。
また、本発明による石膏ボードの製造方法によれば、発泡剤及び発泡剤から生成する泡沫を無駄にせずに均一な発泡石膏コアを提供し、発泡石膏コアとカバー原紙との接着に優れ、ドライアウトを防止し、釘の打ち込みに不都合の無い、石膏ボードを製造することができる。
本発明の他の目的及び特長は、図面と共に述べる以下の説明より明らかになると思われる。
上記第一の目的を達成するために、本発明においては、互いに密度の異なる少なくとも二つのスラリーを使用し、それらのスラリーの一つは、高密度のスラリー(塗布用スラリー)であり、石膏ボードの幅を規定する表面カバー原紙上における二つのへり折り線間の幅とほぼ同等又はそれ以上のロール軸方向における長さを有する塗布ロールにより、表面カバー原紙に塗布される。また、表面カバー原紙の表面上のへり折り線に沿った対向するへりに、ハードエッジ部分を形成するために塗布用スラリーの非延展部を設ける。ここで、塗布用スラリーの非延展部の大きさは、釘打ちを許容するように調節される。次に、低密度のスラリー(コア用スラリー)を、表面カバー原紙上に塗布された塗布用スラリー上に堆積させる。上述のように表面カバー原紙上に供給された高密度及び低密度スラリーを、折り曲げられた表面カバー原紙と裏面カバー原紙で被覆して積層体を形成し、その積層体を強制乾燥して、所望の石膏ボードを得る。なお、上記積層体を形成する前に、適当なロール軸方向における長さを有する塗布ロールによって、裏面カバー原紙上にも塗布用スラリーを塗布しておくことが好ましい。この場合、裏面カバー原紙上における塗布用スラリーの塗布は、糊代としてのへりに塗布用スラリーを塗布しない点を除いて、表面カバー原紙における塗布と同様である。
また、上記第二の目的を達成するために、一つのミキサによって、少なくとも二つのスラリーを調製する。そのミキサは、円環壁と上面及び下面に二つの円板とを有する筺体と、混練する材料を筐体内に供給するために筐体の上面の中央領域に配置された供給口と、スラリーを連続的に筐体外に送出するための筺体の外周領域に配置されたスラリー送出口と、筺体内に回転可能に配置された回転盤と、回転盤を回転させる回転駆動装置と、を備える。混練する材料は、各供給口を介して筐体内に供給され、回転盤により撹拌混合され、遠心力により回転盤上を半径方向に沿って円環壁へ移動し、発泡体が混入されて又は混入されずにスラリー送出口からミキサの外に送出される。筺体の外周領域には、スラリーの少なくとも一部分を取出すための少なくとも一つの分取口が設けられている。
本発明による石膏ボードの製造方法の実施形態においては、混練されたスラリーは、焼石膏、水、接着助剤、硬化促進剤、石膏ボードを軽量化するための発泡体、減水剤、硬化遅延剤、ダレ抑制剤、過乾燥防止剤、防水剤、及びその他の添加剤、更には補強繊維、軽量骨材、及びその他の無機質混和材等を含む。
本発明の好ましい実施形態においては、スラリーの密度は、混水量と発泡体の混入量によって決定される。上記ミキサによれば、発泡体を混入する前に、スラリーの一部分を、ミキサの外に送出し、石膏ボード用の原紙の接着面に塗布するための塗布用材料(塗布用スラリー)として用いることができる。従って、単一のミキサによって、二種類のスラリー、即ち、発泡体を含まない高密度のスラリー及び発泡体を含む低密度のスラリーの両方を、必要に応じて、供給することができる。
このようなミキサにおいて、高密度スラリーの一部分を取出すための分取口には、ミキサの筺体の外周領域に沿って分取口に至るスリットを設けることが好ましい。このスリットによれば、滞留スラリーの存在及び滞留スラリーの硬化に起因する粕の生成を減少させるか又は防止し、塗布用スラリーを安定して連続的に供給することができる。結果として、本発明の石膏ボードを連続して製造することが可能になる。また、分取口の内部を定期的にクリーニングするための間欠洗浄手段を設けることが好ましい。種々の間欠洗浄手段、例えば、水を注入する手段、又はスラリーが流れる分取口の内部の形状に合わせたピストンピン及び可動板等を利用することができる。ピストンピン又は可動板を素早く押し引きすることで、スラリーの流速を変化させることができる。本発明の好ましい実施態様においては、分取口の内部の間欠洗浄が一定時間毎に自動的に行われる。
また、本発明においては、石膏ボードにスラリーの非延展部分を設けるために、塗布ロールの両端に供給される塗布用スラリーの量を厳密に制御することも重要である。即ち、分取口から取出される高密度スラリーの量、塗布ロールの回転数、並びに塗布ロール及び受けロールの間隔等を随時最適な条件に調整する。また、必要に応じ、表面カバー原紙の両へりを上方に押し上げ、スラリーの広がる範囲を制限してもよい。
この非延展部分の幅は、一般的には、10mm未満であり、好ましくは、5mm以下であり、最も理想的には、できる限り小さく調整される。このように非延展部の幅を比較的小さく調整することにより、塗布用スラリーとして泡を全く含まない高密度スラリーを使用することも可能になる。
分取口、又は分取口から塗布ロールに向かって延びるスラリー送出管には、少なくとも一つの添加剤供給口が配置され、水及び硬化遅延剤を添加及び混合して塗布用スラリーを調製する。塗布用スラリーがコア用スラリーと接触するまでの時間差を考慮して、塗布用スラリーの硬化時間を調整する場合もある。例えば、単一のミキサを使用する場合には、ミキサ外への塗布用スラリーの排出が、コア用スラリーの排出よりも相対的に遅くなることがある。また、分取された塗布用スラリーがコア用スラリーと接触するまでには、塗布用スラリーを塗布ロールへの送出管を通じて送出する及び原紙へ塗布するための時間を要する。よって、塗布用スラリーの硬化時間が、コア用スラリーの硬化時間よりも長いことが好ましい。なお、このような硬化時間は、それぞれの石膏ボードの製造条件に依存して、適宜調整されるべきである。
なお、塗布用スラリーには、必要に応じて、発泡体をさらに添加して、塗布用スラリーの密度を調整してもよい。ここで、発泡体は、発泡剤から生成される泡であって、塗布用スラリー中の発泡体の密度や添加量は、所望の塗布用スラリーの密度に応じて調整され得る。本実施例で使用する発泡体の密度は、以下に述べるコア用発泡体の密度と同等又はそれ以下であることが好ましい。
以上のような塗布用スラリーの調製において、必要に応じて、副ミキサを設置してもよい。副ミキサは、塗布用スラリーを攪拌して組成を均一化するために有用であるだけでなく、スラリーの密度の調整及び流量の制御にも有効であり、よって、一定量の品質の安定した塗布用スラリーを供給することに有効である。このような副ミキサは、比較的簡素な構成を有し、装置又は機器類の保守及び点検作業を煩雑にするものではない。
なお、本発明による石膏ボードを製造する目的を逸脱することなく、主として塗布用スラリーの密度を調整するために使用される発泡体を、スラリーをミキサーの外に送出する前に、ミキサーに取付けた泡供給口から添加してもよい。
また、コア用スラリー送出口、又はその送出口と接続するコア用スラリー送出管には、泡供給口が配置され、泡供給口は、送出口から送出されるコア用スラリーに、スラリーの容積を調整するための発泡体を供給する。ミキサ外においてコア用発泡体の投入を制御できるので、発泡体の使用量を低減させることができる。
なお、泡供給口をコア用スラリー送出口よりミキサー回転方向上流側且つスラリー分取口よりミキサー回転方向下流側のミキサー外周領域に取付け、コア用スラリーに前記発泡体を供給してもよい。また、本発明の目的を損なわない範囲内であれば、ミキサー内方領域のスラリーに対して発泡体を供給しても構わない。ここで、供給される発泡体の密度は、一般的に0.01乃至0.50g/cmである。発泡体が送出口から送出される間に、発泡体は、コア用スラリーに均一に分散される。発泡体を無駄にすることなく、気泡と空隙が均一に分布する低密度のコア用スラリーを効率よく生成するために、送出されるスラリーの流れに発泡体を投入する。また、スラリーへの渦巻回転又は緩やかな剪断力の適用等の慣用手段を利用することができる。
本発明で使用するミキサの好ましい実施形態においては、複数の歯形部が、回転盤の外周に形成される。よって回転盤の歯形部は、筐体内の中央領域と筐体の外周に沿って設けられた円環壁との間に配設される。焼石膏及び焼石膏に混練される成分は、撹拌及び混合されると同時に、遠心力により回転盤上を半径方向に外方に移動する。実質的に完全に混合したスラリーが滞留する外周領域(スラリー滞留領域)におけるスラリーは、回転する歯形部によって、スラリー送出口に導入される。また、スラリー送出口は、スラリー滞留領域付近で筺体の底蓋(下板)及び円環壁の一方又は両方に配置され、スラリー送出口の数は、目的、用途、又は設計条件に応じて設定される。即ち、一つ又は複数のスラリー送出口を筐体に設けることができる。なお、スラリー滞留領域付近で底蓋又は下板にスラリー送出口を配置する場合には、歯形部は、回転盤の必須の構成要素であるのに対して、円環壁に送出口を設ける場合には、歯形部を省略することができる。
また、ミキサの筺体の上蓋には、回転盤の上面の近傍まで垂直に延びる環状隔壁が設けられる。環状隔壁は、回転盤の外周付近のスラリー滞留領域と、回転盤の中央領域とを、即ち、未混合スラリーと混合スラリーとを区分する。結果として、密度の大きい均一なスラリーが、ミキサの外周領域から確実に得られる。なお、得られるスラリーを、ミキサから離れた場所に供給する場合には、分取口と接続する管路中に送出又は圧送用ポンプを配設して、スラリーを、その場所まで送出又は圧送することもできる。
更に、分取口は、スラリー滞留領域付近の筺体の部分、即ち、上蓋又は上板、底蓋又は下板、又は円環壁に好ましく配置することができ、また、分取口の数は、一つに限定されず、目的、用途又は設計条件に応じて二つ以上であってもよい。但し、分取口を底蓋又は下板に設ける場合には、回転盤の外周に歯形部を形成する必要がある。分取口から取出したスラリーは、原紙の接着面に塗布される塗布用材料に使用される。
また、本発明においては、原紙搬送手段によって原紙の長手方向に原紙を搬送すると同時に、塗布ロールが、原紙に略平行に、原紙の幅の方向に沿って、及び原紙の上面から所定の間隔を隔てて又は原紙の上面に接触して、配置される。また、原紙を支持するための受け材(受けローラ)と、原紙の長手方向に原紙を搬送させるための原紙搬送手段と、を有するロールコーターを使用する。塗布ロールから原紙の搬送方向の上流側には、原紙の上面に高密度の塗布用スラリーを供給するためのスラリー供給手段と、塗布ロールを原紙の搬送方向と逆方向に回転させるための塗布ロール回転駆動手段とがさらに設けられる。このようにして、石膏ボード原紙の上面と塗布ロールのローラ面下端との間に延展されたスラリーが供給される。
塗布ロールから原紙の搬送方向の上流側で、原紙の上面に塗布用スラリーを供給し、塗布用スラリーを、所定の大きさの隙間を通じて通過させるか又は塗布ロールのロール面から移転させる。このようにして、原紙の幅方向に塗布用スラリーを延展させて、塗布用スラリーの薄層を形成する。また、塗布ロールを原紙の搬送方向と逆方向に回転させることにより、所定の大きさの隙間又は接触部を通過しない塗布用スラリーを、塗布ロールのローラ面に沿って原紙の搬送方向の上流側に戻す。さらに、原紙のへりにおける塗布ロールの端より外側の領域に供給する塗布用スラリーの量を調節し、塗布ロールを使用して非延展部を形成する。このようにして、石膏ボードの縁部及び縁部領域の大きさを制御して、石膏ボードの縁部及び縁部領域を高密度化することができる。
本発明による石膏ボードの製造方法においては、塗布用スラリーを、塗布ロールによって石膏ボードの表面カバー原紙及び/又は裏面カバー原紙に塗布し、表面カバー原紙及び裏面カバー原紙上に形成された高密度のスラリーの薄層間に低密度のスラリーを供給して、積層体を形成し、引き続き乾燥させる。また、積層体を形成する前に、表面カバー原紙の対向するへりを、原紙の長手方向に沿って上方に折り曲げて、非延展部から表面カバー原紙のへりへスラリーが流れることを防止することが好ましい。
また、必要に応じて、塗布ロールと平行に、及び塗布ロールのローラ面に接触して配置された粕取りロールを取付けることが好ましい。粕取りロールは、塗布ロールから原紙の搬送方向の上流側に配置され、粕取りロールの中心高さは、塗布ロールの中心高さ以下である。このようにして、塗布ロール及び粕取りロールの接触部分から塗布ロールの回転の進行側における塗布ロール面にスラリーが残留することを防止することができる。また、スラリーの薄層の厚さにおける原紙の搬送方向に沿った変化及び時間変化を防止して、スラリーの薄層の厚さを均一化する。その結果、石膏コアと原紙との接着性を向上させることが可能になる。
粕取りロールは、塗布ロールの回転方向と逆方向に粕取りロールを回転させるための粕取りロール回転駆動手段をさらに有し、粕取りロールの回転速度は、塗布ロールの回転速度以下であることが好ましい。加えて、塗布ロールと粕取りロールの長手方向における長さは、同じであり、塗布ロール及び粕取りロールの各端部分における接触部に接して配置された粕取り板をさらに含むことが好ましい。また、塗布ロールのローラ面の硬度は、粕取りロールのローラ面の硬度及び受け材の受け面の硬度よりも高いことが好ましい。
塗布ロールによって原紙へ塗布される塗布用スラリーの厚さは、好ましくは、約200乃至1,500μmであり、より好ましくは、400乃至1,000μmである。塗布されるスラリーの厚さが、200μm未満である場合には、乾燥させた石膏コアと原紙との接着が、不十分である。一方、その厚さが、1,500μm以上である場合には、最早接着の効果を更に向上させることはできず、その厚さは、ボードの軽量化に関しては不利であり、石膏ボードが硬くなるため釘打ちなどの作業性が低下する。塗布されるスラリーの厚さが、上記のようである場合、製造される多層コアを含む石膏ボードの高密度層の厚さは、約100乃至1,200μmである。この高密度層の更に好ましい厚さは、約200乃至1,000μmである。
また、本発明の好ましい形態によれば、原紙に高密度スラリーを塗布する際に、塗布ロールの面長(ローラ軸方向の長さ)は、好ましくは、製品としての石膏ボードの幅を規定する表面カバー原紙のへり折り線(ボード端部を規定するスコーリング)間の幅の98乃至108%であり、さらに好ましくは、99乃至105%である。塗布ロールの面長の上限(%)は、好ましくは、目的とする石膏ボードの厚さの規格に対応して使用される表面カバー原紙の幅に応じて、適宜決定される。なお、石膏ボードの端部形状は、石膏ボードの張付けに関する目透し・突付工法、継目処理工法、及び突付けV目地工法等の工法の種類に対応して、一般に三種類、即ちスクエア、テーパー及びベベルである。ここで、用語「石膏ボードの幅」は、石膏ボードの端部の形状に拘わらず、石膏ボードの両端間の長さの最大値である。従って、上述の「石膏ボードの幅を規定する表面カバー原紙のへり折り線(ボード端部を規定するスコーリング)間の幅」は、表面カバー原紙の両側のへりに沿って、やすり等を使用して付けられる谷折り線であって、ボードの幅を規定するへり折り用の二つの線の間における間隔を表す。また、塗布ロールの端部の形状に関しては、塗布ロールの端部付近の直径を小さくして段差を設けたり、塗布ロールの端部へ向けてその直径を徐々に細くしてテーパー("順テーパー")を設けたり、又は、このような段差と順テーパーを組み合わせることが可能である。このような段差及び/又は順テーパーを塗布ロールの両端部に設けることにより、塗布用スラリーの厚さを意図的により厚くすることができ、非延展部へはみ出す塗布用スラリーの量を調整するバッファー(緩衝)機能を塗布ロールに与えることができる。なお、必要に応じて、この塗布ロール両端部の形状に応じて、粕取りロールの形状も変更したり、他の粕取り手段を設けることが好ましい。
このようにして、原紙に対する接着層の塗布面積を最大に確保できる。加えて、原紙のへりにおける塗布ロールの端より外側の領域に、余剰の塗布用スラリーのはみ出しによって非延展部を形成するとき、非延展部に対するスラリーのはみ出しを制御して少なくすることができるため、結果として、形成される石膏ボードのハードエッジ部の厚さも制御することができる。
本発明の石膏ボードにおいては、ハードエッジ部が、石膏ボードをある部材に釘で取付ける際に、石膏ボードの長手方向の縁部に沿った釘打ち領域にない。よって、石膏ボードの幅の方向におけるハードエッジ部の長さは、通常、約15.0mm以下であり、好ましくは、約10.0mm以下である。さらに、石膏ボードの軽量化や製造における材料の有効利用の観点からは、石膏ボードの幅の方向におけるハードエッジ部の長さは、好ましくは、約5.0mm以下である。また、石膏ボードの幅の方向におけるハードエッジ部の長さの最小値は、約0.1mm(=100μm)であるが、より安定してドライアウトを防止するため、又はスラリーの供給量における制御などの製造条件を管理するためには、その最小値は、好ましくは、約2.0mm、より好ましくは、約3.0mmである。
なお、従来技術において、塗布ロールの面長(ローラ軸方向の長さ)は、原紙のへり折り線間の幅よりも短かった。その長さは、例えば、特表平09−511702号に開示されるように1.22m×2.44m(4×8ft)の石膏ボードの生産において、1.15m(45inch)、すなわち約94.3%であり、塗布ロールの面長は、かなり短く設定されている。また、特開平08−112808号に開示するように、高密度スラリーの非延展部の幅は、10mm乃至50mmであり、高密度スラリーの非延展部から生じるハードエッジ部は、しばしば、釘打ち用の領域にまで達するために、釘が、ハードエッジ部に当たり、釘を石膏ボードに打ち込むことが難しい場合がある。本発明においては、塗布ロールの面長が、表面カバー原紙のへり折り線間の幅の98%以上、さらに石膏ボードの規格幅を超えて108%であることにより、ハードエッジ部が、釘打ち用の領域に達しないようにすることができる。例えば、ハードエッジ部の幅を、約15.0mm以下になるように適正に制御することができる。石膏ボードの取付けの作業条件にも依るが、好ましくは、ハードエッジ部の幅は、約10.0mm以下であり、より好ましくは、約5.0mm以下である。ハードエッジ部の幅を、例えば12.0mm以下に制御するためには、塗布ロールの面長(ローラ軸方向の長さ)を、約99%以上にして、非延展部へはみ出す塗布用スラリーの量を調節すればよい。
以上説明したような高密度層の厚さ及びハードエッジ部の厚さを、製造した石膏ボードに切れ口を付けて折り、その石膏ボードの断面を、SEMを使用して観察することによって測定することができる。本発明の石膏ボードは、石膏ボードの幅の方向に沿ったハードエッジ部の長さ及び形状に特徴を有する。すなわち、石膏ボードの幅の方向に沿った、塗布用スラリーの非延展部から形成されるハードエッジ部の幅は、約0.1mm乃至約15.0mmである。また、石膏ボードの幅の方向に沿った断面におけるハードエッジ部の形状は、四角形状、三角形状、三日月状、L字状、及びJ字状などの様々な形状である。石膏ボードの幅の方向に沿った断面でハードエッジ部の幅の最小値をより小さくするためには、L字状又はJ字状を有することが好ましい。なお、石膏ボードの幅の方向に沿った断面で、表面カバー原紙とハードエッジ部との境界における接着部分の長さは、少なくとも約0.1mmである。ドライアウトを防止する、及び製造条件の制御をより容易にするために、ハードエッジ部とボード原紙との接着部分の厚さは、好ましくは、少なくとも約2.0mm、より好ましくは、少なくとも約3.0mmである。
このようにドライアウトの防止及び製造条件の容易な制御は、石膏ボードの幅を規定する表面カバー原紙のへり折り線(スコーリング)の間における幅の98乃至108%の(ロール軸方向の)長さを有する塗布ロールを提供し、石膏ボードの両端に高密度の塗布用スラリーの非延展部を形成することによって達成される。すなわち、上述した幅の95%未満の長さを有する従来の塗布ロールを使用する場合の非延展部の大きさに比して、本発明における比較的長い塗布ロールを使用する場合では、原紙から塗布用スラリーがこぼれないようにスラリー供給量を制御すれば、非延展部の大きさをより小さく制限することができる。これにより、石膏ボードの成形の結果として、石膏ボードの幅の方向における、スラリーの非延展部に由来するハードエッジ部の最大長さが、約15.0mm以下であるようにすることができる。また、非延展部へはみ出す塗布用スラリーは、表面カバー原紙のへり折り線(スコーリング)の外側に塗布される。よって、石膏ボードの成形において、表面カバー原紙のへりをへり折り線(スコーリング)に沿って折り上げるための折りシュー部分を、表面カバー原紙が通過するときに、へり折り線(スコーリング)の外側に塗布されたスラリーの一部分が、重力の作用により、原紙のへりの内面に沿って垂れ落ちてくる。また、折りシューによるへり折り線(スコーリング)の折り上げにより、塗布用スラリーの一部分は、表面カバー原紙のへりの内面に沿って裏面カバー原紙との接着用の重なり領域に接することもある。その後、塗布用スラリーは、所定の発泡体が添加されたコア用スラリーと接触し、硬化し始める。その結果、四角形状、三角形状、三日月状、L字状、及びJ字状のような種々の形状を有するハードエッジ部が形成される。その中でも本発明の好ましい実施形態においては、L字状又はJ字状の形状を有するハードエッジ部を形成することが望ましい。このようなL字状又はJ字状のハードエッジ部の石膏ボードの幅の方向における厚さは、ドライアウトを防止するために必要な最小の厚さでよいが、実際の作業性や連続製造の安定性を考慮して少なくとも約0.1mm(=100μm)必要である。
以下、添付する図面を参照して、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明するが、本発明は、それらに限定されない。
FIG.1は、本発明による石膏ボードを成形する装置を部分的且つ概略的に示す側面図である。表面カバー原紙14が、生産ラインに沿って搬送される。ミキサー10は、搬送ラインと関連する所定の位置、例えば、搬送ラインの上方に配置され、単一のミキサー10によって高密度及び低密度のスラリーを供給することができる。なお、本発明の石膏ボードを製造するために、従来のミサキーを、それぞれ、高密度及び低密度のスラリーを供給するために設けてもよい。焼石膏、接着助剤、硬化促進剤、添加剤等の粉体、発泡体、及び水を、ミキサー10に供給し、ミキサー10は、上述のような原料を混練し、高密度のスラリー70を、送出管61、62を通じて、ロールコーター21の搬送方向における上流側で表面カバー原紙14及び裏面カバー原紙16上に供給する。ここで、22、23及び24は、それぞれ、塗布ロール、受けロール、及び粕取りロールを示す。表面カバー原紙14及び裏面カバー原紙16上のスラリーは、それぞれ、ロールコーター21の延展部20に到り、延展部20で延展される。高密度のスラリー70の薄層と縁部領域との両方が、表面カバー原紙14上に形成され、高密度のスラリー70の薄層が、裏面カバー原紙16上に形成される。表面カバー原紙14は、そのまま搬送され、裏面カバー原紙16は、転向ローラ170によって表面カバー原紙14の搬送ライン方向に転向される。そして、表面カバー原紙14及び裏面カバー原紙16の両方は、成形機200に達する。ここで、各原紙14、16の上に形成された薄層の間に、ミキサー10から管路63を通じて低密度のスラリー72が供給される。表面カバー原紙14、低密度のスラリー72、裏面カバー原紙16からなる三層構造を有する連続的な積層体が形成され、その積層体は、硬化すると共に粗切断カッター(図示せず)に至る。粗切断カッターは、連続的な積層体を所定の長さの板状体に切断し、原紙で被覆された石膏を主体とするコアからなる板状体、即ち、石膏ボードの原材料が形成される。粗切断された積層体は、更に、乾燥機(図示せず)を通過し、強制乾燥され、その後、所定の長さの製品に切断される。このようにして石膏ボードの製品が製造される。
FIG.2は、FIG.1に示す本発明による石膏ボードを成形する装置の平面図である。ここに示す装置は、平坦なデッキを備えている。供給ロール(図示せず)が、デッキ100に隣接して回転可能に取付けられ、表面カバー原紙14をデッキ100へ供給する。表面カバー原紙14は、デッキ100の上面において、矢印(←)で示す下流方向へ(左へ)移動する。
デッキ100の下流に、デッキ100から間隔をあけて第二のデッキ110が配置され、デッキ・カットアウトすなわち空隙120が、二つのデッキ100及び110の間に形成されている。
石膏ボードの代表的な製品の幅が910mmであり、表面カバー原紙14及び二つのデッキの幅は、この製品の幅よりわずかに広い。表面カバー原紙14は、石膏ボードの表の面を形成する。
FIG.3は、本発明の実施例で使用するロールコーターの部分斜視図である。FIG.3において、ロールコーター21は、表面カバー原紙14の上面にスラリーを供給するためのスラリー供給手段61と、表面カバー原紙14の上方に配置された塗布ロール22と、塗布ロール22に対して原紙の流れの上流側に設置された粕取りロール24と、表面カバー原紙14の下方に設置された受けロール23と、塗布ロール22及び粕取りロール24をそれぞれ回転駆動させる塗布ロール回転駆動手段及び粕取りロール回転駆動手段(図示せず)と、から概略構成される。
表面カバー原紙14を搬送する輸送経路は、デッキ100の上面から、受けロール23及び塗布ロール22の間を通り、デッキ110の上面に延びる。二つのロール22及び23は、それぞれ、車軸25及び26に取付けられる。受けロール23は、モータで駆動されず、その表面速度は、表面カバー原紙14のものと本質的に同じであるが、塗布ロール22は、モータ27によって駆動され、その表面は、FIG.3に示す矢印28及び29によって説明するように、表面カバー原紙14の移動方向と反対に動く。電源及びモータ速度制御装置31が、モータ27を駆動するために接続されている。
受けロール23は、比較的軟かいロールであり、例えば、スポンジゴムで作られてもよい。一方、塗布ロール22は、硬くて高度に磨き上げられ、例えば、磨きクロームメッキロールであってもよい。二つのロールは、互いに接触するか又は適度な間隔の間隙33を形成する(FIG.3参照)。表面カバー原紙14は、ニップ32又は間隙33を通って動き、カバーシートの上面は、塗布ロール22の下面をふき取る。表面カバー原紙14は、塗布ロール22の下側を通過し、塗布ロール22の表面は、表面カバー原紙14によって拭き取られる。動作中、塗布ロール22の回転を止めないことが重要である。
デッキ110の上方に多量の石膏スラリーを含むミキサ10(FIG.1参照)が取付けられている。
管路61は、ミキサ10から表面カバー原紙用ロールコーター21まで延びる。他方の管路62は、裏面カバー原紙用ロールコーター21まで延びる。二つのロールコーターへ流れるスラリーは、高密度の石膏スラリーである。
特にFIG.3を参照すると、ロールコーター21の塗布ロール22は、受けロール23の車軸25に対して上方に車軸26を備えている。塗布用スラリー70は、管路61,62から流れて塗布ロール22の面長にわたってトラフを充たす。塗布ロール22は、(FIG.3に示すように)左廻りに回転する。表面カバー原紙14は、普通の駆動装置(図示せず)によって塗布ロール22の下面に接触して、下流へ引っ張られる。さらに、軟い受けロール23は、表面カバー原紙14を、塗布ロール22に接触させる。表面カバー原紙14は、前述のように塗布ロール22の表面53の移動方向と反対に移動し、塗布ロール22の表面を拭き取る。結果として、被膜56は、表面カバー原紙14に移され、表面カバー原紙14の中央領域を横切ってほぼ均一な被膜又は層56を形成する。被膜56の厚さは、塗布ロール22の回転の速度に対する表面カバー原紙14の移動速度によって変動し、制御装置31は、好ましくは、所望の厚さを有する被膜を作るように調節される。
FIG.2に示すように、二つのロール22及び24の軸方向における長さは、塗布ロールの端と表面カバー原紙の辺との間に塗布用スラリーのはみ出しによって非延展部を形成するように、石膏ボードの幅を規定する表面カバー原紙のへり折り線間の幅の98乃至108%である。従って、塗布ロールは、石膏ボードの幅を規定する表面カバー原紙のへり折り線(スコーリング)を越えて延び、塗布用スラリー70の幾分かが、塗布ロール22の両端付近と表面カバー原紙14のへりに又はその外側にはみ出す。本発明においては、塗布ロール22で延展されない塗布用スラリー70の量又は幅は、特に厳密に制御され、例えば、その幅は、約10mm未満、好ましくは約5mm以下に調整される。
石膏ボードの石膏コア73は、管路63を通って被膜付き表面カバー原紙14の中央領域へ供給される、ミキサー10からのスラリーによって形成される。FIG.2に示すように、そのスラリーは、表面カバー原紙14を横切って被膜56上に広げられる。
カバーシートのへりに沿ってデッキ110の両側に設けられた普通の折りシュー61は、カバーシートの両へりを上方へ折り曲げ、次にスラリーの上にその両へりの一部分を折り下げる。折りシュー61は、完成板の対向する長辺の縁部を形成する。次に、裏面カバー原紙16は、コア60と表面カバー原紙14のへりの一部分上に置かれる。裏面カバー原紙は、供給ロール64(図示せず)から離れて、裏面カバー原紙を案内する成形機200の下を通過し、スラリーの上面を滑らかにして、スラリーの厚さを所望の値にする。完成品においては、表面カバー原紙14は、石膏ボードの表の面及び側面を規定通りに形成し、裏面カバー原紙16は、石膏ボードの裏面を規定通りに形成する。
裏面カバー原紙を配置した後、石膏ボードは、通例の方法で処理される。二枚のカバー原紙とスラリーは、スラリーの硬化までに、デッキ110に沿って、石膏ボードを処理できる場所まで移動される。次に、石膏ボードは、所望の長さに切られて、裏返しにされ、続いてキルン(図示なし)を通じて移動される。
高密度の石膏スラリーの被膜は、表面カバー原紙14との優れた接着力を有し、低密度の石膏コアに接着する。被膜56と硬い縁層が共に同じスラリーから形成されるので、接着力は、石膏ボードの表の面にわたって連続的で不変である。前述のように、塗布ロール22の回転速度は、所望の厚さの被膜56を形成するように注意深く制御される必要があり、塗布ロール22が、動作中に、ロールが停止しないように十分なトルクで駆動されることが重要である。受けロール23が、表面カバー原紙14と塗布ロール22に圧力を加えること、及び表面カバー原紙14が、表面カバー原紙14によって塗布ロール22を拭き取るように、塗布ロール22の下側を横切って、ぴんと引っ張られることもまた重要である。
本発明による装置の特定の実施態様においては、塗布ロール22、受けロール23、及び粕取りロール24のそれぞれの直径及びそれらを接触させるための圧力やロール面間の間隔は、適宜最適に調節され得る。
FIG.4は、塗布ロールの端部の形状における例、(a)スクエア、(b)段差、(c)順テーパー、(d)段差とテーパーの組み合わせを示す。このように、塗布ロールの両端部の形状を変化させることにより、塗布用スラリーの厚さを意図的に厚くすること、及び非延展部へはみ出す塗布用スラリーの量を調整することができる。
塗布用スラリーの非延展部に由来して形成されるハードエッジ部の、石膏ボードの幅の方向における長さは、約0.1mm乃至約15.0mmである。また、ハードエッジ部は、石膏ボードの幅の方向における断面において、四角形状、三角形状、三日月状、L字状、及びJ字状のような種々の形状を有する。FIG.5は、本発明による石膏ボードのハードエッジ部分の形状を説明する。
FIG.6乃至FIG.10は、ミキサ10の一実施形態を示す。
FIG.6及びFIG.7は、それぞれ、ミキサ10の平面図及び斜視図である。FIG.6及びFIG.7に示すように、ミキサ10は、円筒状筐体50を有し、筐体50は、互いに所定の間隔を隔てた円盤状の上板又は上蓋52及び下板又は底蓋54(以下、上板52、下板54と呼ぶ)と、上板52及び下板54の外周に配置された外周壁又は円環壁51とを備える。上板52の中心には、円形開口部80が形成され、上板52に垂直な回転軸30の拡大下端部31が、円形開口部80を貫通している。回転軸30は、回転駆動装置、例えば、電動モータ(図示せず)に連結される。所望により、回転軸30と回転駆動装置の出力軸との間に変速装置、例えば、変速歯車装置又はベルト式変速機等を設けてもよい。上板52には、混練すべきスラリーの成分を供給する粉体供給管40、混練用の水を供給する給水管42、過大な内圧上昇を抑制する内圧調整装置43(破線で示す)が、互いに所定の角度を隔てて連結される。
FIG.8は、ミキサ10の部分断面図であり、FIG.9は、ミキサ10の縦断面図である。また、FIG.10は、ミキサ10の内部に設けられた回転円盤を示す。筐体50内には、回転円盤32が回転可能に配置される。回転円盤32の中央部分が、回転軸30の拡大下端部31の下端面に固定され、回転円盤32の中心軸の線は、回転軸30の線と一致する。回転円盤32は、回転軸30の回転により、矢印Rで示す方向(時計廻り方向)に回転する。このような構造を有するミキサは、ピン型混練機(ピンミキサー)と呼ばれており、例えば米国特許第3,459,620号明細書に開示されている。
筐体50内の領域は、仮想の境界26により内方領域と外周領域とに区画される。但し、上板52の下面に垂直な環状隔壁を境界26に沿って筐体50内に設けても良い。この場合、環状隔壁は、円環壁51と実質的に同心に配置される。筐体50内の領域は、円環壁51の内壁面に固定された耐磨耗性リング53aの近傍に位置する外周領域と、筐体50の半径方向の内方に位置する内方領域とに明確に区分される。FIG.10に詳しく示すように、回転円盤32の外周領域には、多数の歯形部37が形成される。各歯形部37は、実質的に回転円盤20の半径方向に延びる後端縁37aと、回転方向に対して所定の角度で前方に傾斜した前端縁37bとを備える。各前端縁37bは、回転方向へ且つ外方に混練された流体を押圧又は付勢する。各歯形部37上には、二本のピン36が設けられる。また、内方領域には、複数のピン38が配置され、ピン38は、概ね半径方向に延びる複数の列に配置され、回転円盤32の上面に設けられる。各ピンの列38は、拡大下端部31の外周から歯形部37上のピン36に向かって延びる湾曲線上に配置される。上板52に垂直な複数のピン58が、上板52の半径方向に配列され、各ピン58は、ピン38の間に位置決めされる。従って、ピン38が、回転するとき、ピン38は、ピン58の間の領域を通過する。なお、ピン58、38は、それぞれ、必要に応じて取外し可能に回転円盤32及び上板52に固定され、ピン58、38の数は、所望により増減し得る。
円環壁51は、中空の送出管47を通じて、スラリー送出口48の上端部に連結される。スラリー送出口48は、混練したスラリーの成分に泡を供給する泡供給口49が連結される。好ましくは、泡供給口49は、スラリーに導入される泡がスラリー内に均一に分布するように、送出管47の近傍(本例では、スラリー送出口48の上端部)に連結される。また、分取口46が円環壁51に配設され、分取口46は、二つの分取口46a、46bを含む。分取口46a、46bは、それぞれ、送出管47から所定の角度を隔てた位置で円環壁51に配置され、管路61、62にそれぞれ連結される。分取口には、水及び硬化遅延剤の投入口(図示せず)が設けられており、塗布用スラリー70の密度及び硬化時間を調整する。さらに必要に応じて発泡体の投入口を設置しても良い。なお、このような水、硬化遅延剤及び発泡体を塗布用スラリー70に添加するために、管路61及び62に副ミキサを取付け、この副ミキサに水、硬化遅延剤、又は発泡体をそれぞれ必要に応じて投入することにより、塗布用スラリーを調製してもよい。
分取口には、ミキサの筺体の外周領域に沿って分取口に至る、粕入り防止用のスリットを設けることが好ましい。また、分取口内部を定期的にクリーニングするための間欠洗浄手段として、分取口の内部におけるスラリーの流路としての空隙の形状に合わせた、スラリーの流速を変化させることが可能なピストンピンを取付ける。本発明の好ましい実施態様において、この間欠洗浄は、一定時間毎に自動的に行われる。
送出管47及び分取口46a、46bは、円環壁51の内壁面上の開口を通じて筐体50の内部に接続される。分取口46a、46bは、互いに所定の角度αを隔てて配置され、回転方向の側に位置する分取口46aとスラリー送出口48とは、互いに所定角度βを隔てて配置される。
次に、ミキサ10の動作を説明する。回転駆動装置の動作により、回転円盤32が矢印Rの方向に回転し、ミキサ10で混練するべきスラリーの成分が、粉体供給管40を通じて供給され、混練用の水が、給水管42を通じて供給される。混練されるスラリーの成分及び供給される水は、ミキサ10内の内方領域に導入され、撹拌及び混合され、遠心力により、回転円盤32上を外方に、境界26を超えて外周領域へ移動する。比較的高密度のスラリーは、歯形部37によって外方且つ回転方向の側に押圧され、送出管47を通じてスラリー送出口48に導入される。送出管47又はスラリー送出口48に設置された(本実施例では送出口48上に設置された)泡供給口49を通じてスラリーに所望の量の泡が供給され、スラリーの密度が低密度に調整される。スラリー送出口48は、管路63と接続されており、比較的低密度のスラリーは、表面カバー原紙14の幅の方向における中央領域へ供給される。
外周領域のスラリーは、コア用スラリー送出管47の上流(回転と反対方向)にそれぞれ配置された各分取口46a、46bを通じて、管路61、62に導入され、管路61、62を通じて、表面カバー原紙14及び裏面カバー原紙16のロールコーターにそれぞれ供給される。分取口46a、46b付近に存在するスラリーは、発泡体を含まないスラリーであり、コア用スラリー72と比較して高密度のスラリーである。従って、分取口46a、46bを通じてロールコーターに送出されるスラリーは、比較的密度が高い。このように、ミキサ10は、スラリー送出口48及び送出管47を通じて比較的低密度のスラリーを表面カバー原紙14の中央領域に供給し、分取口46a、46b及び管路61及び62を通じて比較的高密度のスラリーを表面及び裏面カバー原紙の各ロールコーターに供給する。従って、石膏ボードの生産ラインによって乾燥機に搬送される石膏ボードの原材料は、比較的低密度のスラリーとして表面カバー原紙の中央領域に含まれ、比較的高密度のスラリーとして原紙と密着する層に含まれ、搬送ラインの下流側における強制乾燥機内で均一に乾燥される。このように、ミキサ10は、送出管47及びスラリー送出口48と、コア用スラリー72の容積又は密度を調整するための泡を導入する泡供給口49と、送出管47の上流側(回転方向と反対側)にそれぞれ配置された二つの分取口46a、46bとを備える。スラリー送出口48は、スラリーを表面カバー原紙14の中央領域に供給する送出管47と接続し、分取口46a、46bは、スラリーを表面カバー原紙14のロールコーターに供給する管路61及び62と接続する。このようなミキサ10によれば、単独のミキサによって、低密度のスラリー及び高密度のスラリーをそれぞれ調製し、石膏ボードの生産ラインにおける所望の部位で高密度及び低密度のスラリーをそれぞれ供給できる。また、上記ミキサ10を使用することによって、機器の保守作業等が大幅に単純になる。
ここで、泡供給口49を通じて、スラリー送出口48内のスラリーに、泡の全量を混入させることができる。また、泡供給口49を通じてスラリー送出口48内のスラリーに泡を付加的に混入させてもよい。本実施例においては、ミキサ10は、2つの分取口46a、46bを備えている。しかしながら、代わりに、分取口46bを省略し又は使用せず、分取口46aと接続する管路61及び62を分岐し、カバー原紙用の二つのロールコーターに塗布用スラリーを供給することも可能である。また、分取口を上板52又は下板54に配置してもよい。本実施例においては、ミキサ10をピン型ミキサーとして説明した。しかしながら、当業者によって容易に理解され得るように、本発明の構成は、偏向羽根を備えた羽根型ミキサ等、他の形式のミキサに対して同様に適用することができる。また、付加的な泡供給管、例えば、内方領域におけるスラリーに泡を供給する供給管41を、ミキサ10に設け、内方領域におけるスラリーに泡を付加的に供給することができる。この場合に、得られる異種のスラリーは、共に軽量であり、それらスラリーの密度差が大きいので、得られるスラリーは、軽量石膏ボードを製造するのに適している。
上述のようにして、例えば、ミキサ内のスラリーに泡を混入することによって、送出されたスラリーを、その乾燥硬化後の密度が0.45乃至0.75g/cmになるように調製した一つの運転状態と、ミキサ10内のスラリーを、その乾燥硬化後における密度が0.80乃至1.40g/cmであり、且つミキサ10の送出口におけるスラリーを、その乾燥硬化後におけるその密度が0.45乃至0.75g/cmになるように調整した別の運転状態との比較の結果、後者の運転状態ではスラリーの容積(密度)を調整するための泡の使用量を、約半分以下に減少させることができた。
(実施例)
本発明による石膏ボードの製造方法によって製造した石膏ボードの様々な特性を、従来の製造方法により製造した石膏ボードのものと比較してFIG.11A及び11Bに示す。
実施例及び比較例に示す様々な特性の測定及び評価方法を以下に示す。なお、それらの特性の評価においては、幅910mm×長さ1,820mm×厚さ12.5mmの石膏ボードを使用し、各特性値を以下の方法により測定した。
(1)高密度層の平均の厚さ:石膏ボードの断面の走査型電子顕微鏡写真における3点以上の測定値から算出した。
(2)ハードエッジの各種の厚さ:石膏ボードの端部の断面の写真から測定した(FIG.13参照)
(3)原紙の接着性:石膏ボードの幅の方向に平行な幅90mm×長さ150mmの必要な数の試験片を切り出した。次に、表の面と裏面に幅方向に沿ってカッターで入れた切れ目で石膏ボードを折り曲げ、断面が観察される面と反対側の面の原紙を剥がした。長手方向に沿った50mmの間隔にわたって原紙と石膏コアとの接着の状態を観察した。FIG.11Bにおいて、○は、50mmの間隔の80%以上にわたって原紙と石膏コアとが接着していた石膏ボードを示し、×は、それ以外の石膏ボードを示す。
(4)ドライアウト(耳部接着):過乾燥した石膏ボードの側面の縁部から試験片を取り、縁部における石膏コアと原紙の接着状態を観察した。○は、石膏コアと原紙の接着が良好な石膏ボードを示し、×は、過乾燥に起因した強度低下による接着が不良な石膏ボードを示す。
(5)釘引抜き抵抗:ASTMC473に準拠し、四つの152mm×152mmの試験片を取り、試験片の中央部分に案内穴を開けた。その案内穴に、一定の荷重が与えられた胴部2.515mm、釘頭6.350mmの釘を通し、試験片に釘を通過させることが可能な最小の荷重を測定した。
(6)曲げ強度:JISA6901「石膏ボード製品」に準拠して評価した。
(7)釘打ち性:石膏ボードの縁から10mmの位置に、石膏ボードの辺に平行に100mmの間隔で、JISA5508に従う石膏ボード用釘(長さ38mm×胴径2.3mm×頭径7.5mm)を石膏ボードに打ちつけた。次に、石膏ボードの割れ又はひびの存在に関して石膏ボードを観察した。○は、割れ又はひびが観察されなかった石膏ボードを示し、×は、割れ又はひびが観察された石膏ボードを示す。
各実施例において、ロールコーターのローラ面長は、原紙のスコーリング間における幅の98%乃至108%の間の変動があり、また、高い又は低いハードエッジの密度を有する石膏ボードを用いた。
実施例1、2、及び3は、それぞれ、ローラの面長が、石膏ボードの幅を規定する表面カバー原紙のスコーリング間の幅の98%、102%、及び108%である例を示す。また、実施例4及び5は、低いハードエッジの密度、及び高いハードエッジの密度を有する石膏ボードの例である。尚、比較例1は、単一の発泡スラリーから形成した多層コアの例であり、比較例2は、比較例1とハードエッジスラリーの組み合わせの例であり、比較例3は、ローラ面長が、石膏ボードの幅を規定する表面カバー原紙のスコーリング間の幅の95%である例である。
これらの実施例の実験結果から、本発明による石膏ボードは、石膏ボードの良好な特性を維持すると共にドライアウトの防止及び釘打ち性の両方に優れることがわかる。
FIG.12は、本発明による石膏ボードの幅の方向に沿った断面の中央付近の表面カバー原紙と高密度層との接着部分のSEM写真である。写真は、塗布ロールで原紙に延展された塗布スラリーの被膜に由来する高密度層とカバー原紙との間の接着界面の厚さが、約300μm乃至600μmであることを示す。
FIG.13は、本発明によるベベルエッジを有する石膏ボードの端部の断面の写真である。写真においては、下側の原紙が、裏面カバー原紙、上側の原紙が、表面カバー原紙である。
写真は、塗布スラリーを表面カバー原紙上に塗布する際に、塗布ロールの端の外側に形成される非延展部に由来する、石膏ボードのハードエッジ部の形状が、L字状又はJ字状であることを示す。加えて、石膏ボードの幅の方向に沿った、ハードエッジ部の厚さ又はハードエッジ部と原紙との接着部分における最小厚と最大厚を示す。
尚、本発明は、上述の実施例に限定されず、本発明の範囲内で種々の改良及び変更が可能であることは言うまでもない。
[付記]
(付記1).表面、裏面、二つの対向する側面及び二つの対向する端面を有する石膏コア、並びに前記石膏コアの前記表面、前記裏面、及び前記二つの対向する側面を被覆するカバー原紙、を含む石膏ボードにおいて、
前記石膏コアは、
前記カバー原紙で被覆された前記側面を含む高密度ハードエッジ部、
前記カバー原紙で被覆された前記表面又は前記裏面を含み、前記高密度ハードエッジ部の密度と実質的に等しい密度を有する少なくとも一つの高密度部、及び
前記高密度ハードエッジ部及び前記高密度部の密度よりも低い密度を有し、前記高密度ハードエッジ部及び前記高密度部に内接する中央低密度部を含み、
前記高密度ハードエッジ部が、前記石膏ボードを固定する釘が打たれる前記側面に沿った所定の位置に掛からないように形成された石膏ボード。
(付記2).前記高密度部は、0.1mm乃至1.2mmの前記表面又は前記裏面に垂直な方向に沿った厚さを有する(付記1)記載の石膏ボード。
(付記3).前記高密度ハードエッジ部は、少なくとも0.1mmの前記高密度ハードエッジ部に含まれる前記側面に垂直な方向に沿った厚さを有する(付記2)記載の石膏ボード。
(付記4).前記高密度ハードエッジ部は、0.1mm乃至15.0mmの前記高密度ハードエッジ部に含まれる前記側面に垂直な方向に沿った厚さを有する(付記2)記載の石膏ボード。
(付記5).表面、裏面、二つの対向する側面及び二つの対向する端面を有する石膏コア、少なくとも前記石膏コアの前記表面及び前記二つの対向する側面を被覆する表面カバー原紙、及び前記表面カバー原紙に接着されると共に前記石膏コアの前記裏面を被覆する裏面カバー原紙、を含み、
前記石膏コアが、前記側面を含む高密度ハードエッジ部を有する石膏ボードの製造方法であって、
(a)円盤型回転式ミキサへ焼石膏、水、及び少なくとも一種類の添加剤及び/又は混和材を注入し攪拌して焼石膏スラリーを調製するステップ、
(b)前記円盤型回転式ミキサの外周領域に設けられた少なくとも一つの分取口から前記焼石膏のスラリーの一部分を取出し、前記スラリーの一部分を塗布用スラリーとして前記表面カバー原紙へ供給するステップ、
(c)前記表面カバー原紙に供給された前記塗布用スラリーの一部を塗布ロールによって延展して、前記塗布用スラリーの延展部を形成すると同時に、前記延展部の両側に前記塗布用スラリーの非延展部を提供するステップ、
(d)前記円盤型回転式ミキサの前記外周領域に設けられた送出管を通じて前記送出管の送出口へ前記円盤型回転式ミキサ内に残る前記焼石膏のスラリーを送出するステップ、
(e)前記送出管又は前記送出口に取付けられた泡供給口を通じて前記残りの焼石膏のスラリーに発泡体を注入すると共に均一に分散させてコア用スラリーを調製するステップ、
(f)前記表面カバー原紙に塗布された前記塗布用スラリーに前記送出口から送出される前記コア用スラリーを堆積させるステップ、並びに
(g)前記表面カバー原紙を折り曲げると共に前記表面カバー原紙のへりに前記裏面カバー原紙を接着して積層体を形成し、次いで乾燥させるステップ、
を含み、
前記塗布ロールの軸の方向における長さは、前記表面と前記側面との境界線間の距離の98%乃至108%である、石膏ボードの製造方法。
(付記6).前記裏面カバー原紙に前記塗布用スラリーを供給し、前記裏面カバー原紙に供給された前記塗布用スラリーを塗布ロールで延展するステップをさらに含む(付記5)記載の石膏ボードの製造方法。
(付記7).前記延展部の厚さは、0.2mm乃至1.5mmである(付記5)記載の石膏ボードの製造方法。
(付記8).前記塗布用スラリーに水及び硬化遅延剤を添加するステップをさらに含む(付記5)記載の石膏ボードの製造方法。
(付記9).前記塗布用スラリーに発泡体を添加するステップをさらに含む(付記5)記載の石膏ボードの製造方法。
(付記10).前記裏面カバー原紙に供給された前記塗布ロールで延展された前記塗布用スラリーの厚さは、0.2mm乃至1.5mmである(付記6)記載の石膏ボードの製造方法。
(付記11).前記裏面カバー原紙に供給される前記塗布用スラリーに水及び硬化遅延剤を添加するステップをさらに含む(付記6)記載の石膏ボードの製造方法。
(付記12).前記裏面カバー原紙に供給される前記塗布用スラリーに発泡体を添加するステップをさらに含む(付記6)記載の石膏ボードの製造方法。
FIG.1は、本発明による石膏ボードを成形する装置の側面図である。 FIG.2は、本発明による石膏ボードを成形する装置の平面図である。 FIG.3は、本発明で使用するロールコーターの斜視図である。 FIG.4は、本発明で使用する塗布ロールの端部の形状を説明する図である。 FIG.5は、本発明による石膏ボードのハードエッジ部分の形状を説明する図である。 FIG.6は、本発明で使用するミキサの平面図である。 FIG.7は、本発明で使用するミキサの斜視図である。 FIG.8は、本発明で使用するミキサの部分断面図である。 FIG.9は、本発明で使用するミキサの縦断面図である。 FIG.10は、本発明で使用するミキサの内部に設けられた回転円盤を説明する図である。 FIG.11A及び11Bは、本発明による石膏ボードの特性を示す表である。 FIG.11A及び11Bは、本発明による石膏ボードの特性を示す表である。 FIG.12は、本発明による石膏ボードの中央部分付近の表面カバー原紙に接着する高密度層の断面の走査型電子顕微鏡写真である。 FIG.13は、本発明による石膏ボードの端部の断面の拡大写真である。
符号の説明
10 ミキサー
14 表面カバー原紙
16 裏面カバー原紙
20 延展部,回転円盤
21 ロールコーター
22 塗布ロール
23 受けロール
24 粕取りロール
25 車軸
26 車軸,仮想の境界
27 モータ
28,29 矢印
30 回転軸
31 モータ速度制御装置,拡大下端部
32 ニップ,回転円盤
33 間隙
36,38,58 ピン
37 歯形部
37a 後端縁
37b 前端縁
40 粉体供給管
41 供給管
42 給水管
43 内圧調整装置
46,46a,46b 分取口
47 送出管
48 スラリー送出口
49 泡供給口
50 円筒状筐体
51 外周壁,円環壁
52 上板,上蓋
53 塗布ロールの表面
53a 耐磨耗性リング
54 下板,底蓋
56 被膜,層
60 コア
61 スラリー供給手段,送出管,管路,折りシュー
62 送出管,管路
63 管路
64 供給ロール
70 高密度のスラリー,塗布用スラリー
72 低密度のスラリー,コア用スラリー
73 石膏コア
80 円形開口部
100,110 デッキ
120 空隙
170 転向ローラ
200 成形機

Claims (9)

  1. 表面、裏面、二つの対向する側面及び二つの対向する端面を有する石膏コア、少なくとも前記石膏コアの前記表面及び前記二つの対向する側面を被覆する表面カバー原紙、及び前記表面カバー原紙に接着されると共に前記石膏コアの前記裏面を被覆する裏面カバー原紙を含み、前記石膏コアが、前記側面を含む高密度ハードエッジ部を有する石膏ボードを製造する、石膏ボードの製造方法であって、
    (a)円盤型回転式ミキサへ焼石膏、水、及び少なくとも一種類の添加剤及び/又は混和材を注入し攪拌して焼石膏スラリーを調製するステップ、
    (b)前記円盤型回転式ミキサの外周領域に設けられた少なくとも一つの分取口から前記焼石膏のスラリーの一部分を取出し、前記スラリーの一部分を、発泡体を含まない高密度の塗布用スラリーとして前記表面カバー原紙へ供給するステップ、
    (c)前記表面カバー原紙に供給された前記塗布用スラリーの一部を塗布ロールによって展延して、前記塗布用スラリーの展延部を形成すると同時に、前記展延部の両側に前記塗布用スラリーの非展延部を形成するステップ、
    (d)前記円盤型回転式ミキサの前記外周領域に設けられた送出管を通じて前記送出管の送出口へ前記円盤型回転式ミキサ内に残る前記焼石膏のスラリーを送出するステップ、
    (e)前記送出管又は前記送出口に取付けられた泡供給口を通じて前記残りの焼石膏のスラリーに発泡体を注入すると共に均一に分散させてコア用スラリーを調製するステップ、
    (f)前記表面カバー原紙に塗布された前記塗布用スラリーに前記送出口から送出される前記コア用スラリーを堆積させるステップ、並びに
    (g)前記表面カバー原紙を折り曲げると共に前記表面カバー原紙のへりに前記裏面カバー原紙を接着して積層体を形成し、次いで乾燥させるステップ
    を含み、
    前記塗布ロールの軸の方向における長さは、前記石膏ボードの幅を規定する前記石膏ボードの表面カバー原紙のへり折り線間の距離の98%乃至108%であり、且つ、
    前記非展延部の塗布用スラリーが、前記石膏ボードの表面カバー原紙のへり折り線の外側に塗布される、石膏ボードの製造方法。
  2. 前記非展延部の幅は、10mm未満に調整される、請求項1に記載の石膏ボードの製造方法。
  3. 前記裏面カバー原紙に前記塗布用スラリーを供給し、前記裏面カバー原紙に供給された前記塗布用スラリーを塗布ロールで展延するステップをさらに含む、請求項1に記載の石膏ボードの製造方法。
  4. 前記展延部の厚さは、0.2mm乃至1.5mmである、請求項1に記載の石膏ボードの製造方法。
  5. 前記塗布用スラリーに水及び硬化遅延剤を添加するステップをさらに含む、請求項1に記載の石膏ボードの製造方法。
  6. 前記塗布用スラリーに発泡体を添加するステップをさらに含む、請求項1に記載の石膏ボードの製造方法。
  7. 前記裏面カバー原紙に供給された前記塗布ロールで展延された前記塗布用スラリーの厚さは、0.2mm乃至1.5mmである、請求項3に記載の石膏ボードの製造方法。
  8. 前記裏面カバー原紙に供給される前記塗布用スラリーに水及び硬化遅延剤を添加するステップをさらに含む、請求項3に記載の石膏ボードの製造方法。
  9. 前記裏面カバー原紙に供給される前記塗布用スラリーに発泡体を添加するステップをさらに含む、請求項3に記載の石膏ボードの製造方法。
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