JP2007247046A - 強度延性バランスに優れた高強度鋼板 - Google Patents

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Abstract

【課題】強度延性バランスに優れた590MPa以上の析出強化型高強度鋼板を提供する。
【解決手段】引張強度590MPa以上のフェライト単相組織からなる高張力鋼板において、質量%で、C:0.01〜0.2%、Si:0.01〜1.5%、Mn:0.20〜3%、Al:0.005〜0.5%、P:0.05%以下、S:0.08%以下、N:0.01%以下を含有し、さらに、析出物形成元素として、Ti、Nb、MoおよびVのうちの1種または2種以上を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、前記フェライト単相組織が、結晶粒内に最大径8nm以下の析出物またはクラスタが、個数密度1017〜1019個/cm3で分散した硬質フェライト結晶粒Aと、結晶粒内に最大径8nm以下の析出物またはクラスタが、個数密度1015個/cm3以下で分散した軟質フェライト結晶粒Bとからなる強度延性バランスに優れた高強度鋼板。
【選択図】図3

Description

本発明は、自動車の構造用部品、建築用鋼材、機械構造用鋼材等に要求される、強度に加えて成形加工性時の延性が必要とされる鋼材、特にプレス等によって複雑な形状の加工成形をさせる素材として好適である、強度延性バランスに優れた、引張強さが590MPa以上の析出強化型高強度鋼板に関するものである。
最近の自動車用部材においては、省エネルギー化の観点から軽量化が重視されながらも安全性や耐久性も重視される傾向があり、従来にも増して、鉄鋼材料部材の高強度化が急速に進んでいる。一般には鋼材を高強度化した場合には延性は低下するため、これを補う意味で用途目的に応じて多様な組織を有する鋼板が開発されている。590MPa以上の高強度鋼板に着目した場合、炭素やシリコン、マンガンといった従来の固溶強化だけではその強度達成はなかなか容易ではなかった。
そこで、TiやNbなどの易炭化物形成を活用して微細な炭化物を鋼中に析出させ、それらの炭化物と転位との相互作用を利用しての析出強化型鋼板が検討されてきた。例えば、Ti、Nbの炭窒化物およびMoの炭化物などの微細な単独析出物または複合析出物をフェライト組織中に分散析出させ、鋼中のC固溶量を0.002%以下とすることにより、引張り強さは780MPa以上、全伸びが20%以上、穴広げ率が70%以上である鋼板が提案されている(例えば特許文献1、参照)。
この鋼板の特徴は微細析出物を均一に分布させて均一化組織を得るところにあるが、その思想は、粒子分散強化法によって最大強度を得つつ、さらに析出物を微細化することで延性の低下を抑制したものである。この鋼板は析出物を分散させることで強度を得ようとする析出強化鋼は比較的容易に大きく強度を上げることができるものの、強度増加の割に延性の低下が著しく、強度延性のバランスに問題があった。さらに、鋼板中の析出物サイズ(原子クラスタ)を10nm以下とし、かつ、結晶構造及び個数密度(原子クラスタの1μm3 当りの数を102 〜106 個)を規定することによって強度延性バランスに優れた高強度鋼板も提案されている(例えば特許文献4、参照)。しかし、この鋼板も組織中に析出物を均一に分散させるため、従来の析出強化鋼板の特性を超えるものを達成することは困難であった。
一方で、ベイナイトやマルテンサイトなどの硬質相と延性に優れたフェライトなどの軟質相を組み合わせた複合組織鋼板が研究され、例えば、フェライトとベイナイトの混合組織を用いた鋼板(例えば特許文献3、参照)や、これらの組織にさらにマルテンサイト組織を含有する鋼板(例えば特許文献2、参照)が提案されている。このような鋼板は2相組織(Dual Phase)鋼板と呼ばれ、強度に対し一様伸びが優れる特徴を有し、強度延性バランスの点において優れた鋼板である。しかしながら、これらの鋼板は、全穴拡げ性等に代表される伸びフランジ性や局部伸びが著しく低下する欠点を有していた。また、このような組織を得るためには2相域で仕上圧延後、冷却が必要になるため生産性および製造上の制約を受け、また、焼入れ性等の観点から成分等が制限を受ける等の問題があった。
また、鋼板成分および組織、或いは製造法を制御することによって、フェライトとベイニティック・フェライトと呼ばれる相からなる組織を有し、伸びフランジ性に優れる鋼板(例えば特許文献5、参照)や、MgOとMgSと(Nb、Ti)Nの複合析出物のうち、サイズが0.05〜3.0μmの析出物が5.0×102〜1.0×107個/mm2含む、鋼組織がフェライト相とベイナイト相を主体とした強度が590N/mm2超の穴拡げ性と延性に優れた高強度薄鋼板(例えば特許文献、参照が提案されている)も提案されている。しかしながら、これらの鋼板は一般的な2相組織鋼板に比べて伸びフランジ性に優れるものの、全伸び、一様伸びに代表される延性においては逆に一般的な2相組織鋼板よりも劣っている。さらに、炭化物を含む組織が詳しく規定されておらず、析出強化鋼における延性(伸び)向上の指針を提示するまでには至っていない。
以上のように、製造法や高強度化が容易な析出強化型鋼板において、高強度鋼板に要求される強度と延性(伸び)をバランス良く向上させた、従来の析出強化鋼で実現された特性を超える新しい鉄鋼材料組織が求められていた。
特開示2002−322540号公報 特開平57−70257号公報 特開昭58−42726号公報 特開2003−73777号公報 特開平6−172924号公報 特開2005−120435号公報
本発明は、自動車の構造用部品、建築用鋼材、機械構造用鋼材等の材料として厳しく要求される加工性に優れた特徴を有し、かつ引張強さが590MPa以上の強度延性バランスに優れた高強度鋼板を提供しようとするものである。
本発明者は、自動車用等の高強度鋼板の加工性に対する要求に答えるために、加工性に優れた従来のフェライト鉄組織をベースに、その強化技術と延性に関わる挙動を鋭意検討した。その結果、析出物のサイズ及び個数密度の異なる複数種類のフェライト結晶粒から構成された組織を実現することによって、強度と延性および加工性を向上させることができることを見出した。従来の析出強化鋼組織の概念としては、結晶粒の区別なる析出物を均一に分散させた均一組織であるのに対し、析出物のサイズ及び個数密度(析出状態)の異なる複数種類のフェライト結晶粒からなる複合組織は提案されておらず、全く新しい概念である。この新知見を基に本発明を達成したものであり、その趣旨とするところは、以下の通りである。
(1)引張強度590MPa以上のフェライト単相組織からなる高張力鋼板において、質量%で、C:0.01〜0.2%、Si:0.01〜1.5%、Mn:0.20〜3%、Al:0.005〜0.5%、P:0.05%以下、S:0.08%以下、N:0.01%以下を含有し、さらに、析出物形成元素として、Ti:0.03〜0.2%、Nb:0.01〜0.2%、Mo:0.01〜0.2%、およびV:0.01〜0.2%のうちの1種または2種以上を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、前記フェライト単相組織が、結晶粒内に最大径8nm以下の析出物またはクラスタが、個数密度1017〜1019個/cm3で分散した硬質フェライト結晶粒Aと、結晶粒内に最大径で8nm以下の析出物またはクラスタが、個数密度1015個/cm3以下で分散した軟質フェライト結晶粒Bとからなる強度延性バランスに優れた高強度鋼板。
本発明によれば、自動車鋼板として十分な延性を有する高強度鋼板の製造が可能となる。さらに、建築材料や機械構造用材等、成形加工性時の延性が必要とされる材料、特にプレス等によって複雑な形状の加工成形をさせる素材として好適である。また、将来新しい適用先も見出されることが期待され、産業上に与える貢献は非常に多大なものである。
鉄鋼材料において強度延性のバランスを向上させるため、色々な鉄鋼組織が研究されてきた。軟質相であるファライトと硬質相であるマルテンサイトやベイナイトを複合させた構造組織を有する2相組織(Dual Phase)鋼板は、一般に、延性と強度のバランスが良いとされている。この組織の場合、強度は軟質相と硬質相の分配によって近似され、延性は軟質相が担うと考えられている。
なお、鋼板の強度延性バランスは、測定された引張強度TSと全伸びElから、これらの積として定義される。
これに対し、析出強化型フェライト鋼板は、鋼板組織をフェライト単相組織とし、この組織中の析出物の析出状態を制御することによって、幅広い強度の鋼板を実現できる特徴がある。しかし、従来の析出強化型フェライト鋼板は、すべてのフェライト結晶粒内に存在する析出物は均一な析出状態であるために、2相組織(Dual Phase)鋼板に比べて強度延性バランスが低いことが技術的課題であった。
本発明は、上記析出強化型フェライト鋼板における技術的課題に鑑みて、フェライト単相組織を、結晶粒内の析出物の析出状態(個数密度やサイズ)が異なる2種の結晶粒、つまり相対的に硬度の小さい結晶粒と硬度の大きい結晶粒とで構成することで、フェライト単相組織であるものの、実質的に2相組織(Dual Phase)に近い組織とし、従来の析出強化型フェライト鋼板に比べて強度・延性バランスに優れた鋼板を実現するものである。
図1に本発明の鋼板組織、図2に従来の析出強化型フェライト鋼板の鋼板組織の模式図をそれぞれ示す。
図2に示されるように、従来の析出強化型フェライト鋼板の組織は、延性に優れたフェライト単相組織とし、すべてのフェライト結晶粒粒内に破壊の起点とならないサイズの微細析出物がほぼ均一の析出状態で分散され、これによって、鋼板強度を向上させている。しかし、上述の通り鋼板の強度と延性をともに向上させることは困難であり、従来の2相組織鋼板に比べて強度延性バランスが低いものであった。
本発明鋼板は、図1(a)に示されるような、結晶粒内の析出物の析出状態、つまり、析出物サイズと個数密度が異なる2種類のフェライト結晶粒からなる組織、または、図1(b)に示されるような、結晶粒内に微細サイズの析出物を高密度で含むフェライト結晶粒と結晶粒内に析出物を実質的に含まないフェライト結晶粒からなるフェライト単相組織であることを特徴とする。なお、ここで、結晶粒内に析出物を実質的に含まないとは、後述する析出物の個数密度の測定方法において、TEM、3D−AP、FIMなどの微細析出物の観察において、析出物を捕らえることができない場合を意味する。
本発明は、図1に示されるように、鋼板組織を、結晶粒内の析出物の析出状態(析出物個数密度、析出物サイズ)の異なる2種類の結晶粒からなるフェライト単相組織とし、一方が結晶粒内の析出物の個数密度が低く、相対的に硬度の小さい結晶粒とし、他方が結晶粒内の析出物の個数密度が高く、相対的に硬度の大きい結晶粒とすることによって、フェライト単相組織であるものの、実質的に2相組織(Dual Phase)に近い組織とすることができる。これにより、従来の析出強化型フェライト鋼板に比べて強度・延性バランスに優れた鋼板を実現することができる。また、本発明鋼板の組織マトリックス部はフェライト単相であるため、フェライトの軟質相にマルテンサイト等の硬質相を混在させた従来の2相組織に比べ、穴あけ性等の伸びフランジ性に優れた特性を有するものとなる。
以下に本発明の詳しい構成について詳しく説明する。
先ず、本発明の特徴とする鋼板のミクロ組織の限定理由について説明する。
本発明の鋼板組織はフェライト単相組織とする。ここでいう、フェライト単相組織とは実質的に析出物以外のマトリックスがフェライト組織だけからなることを意味する。つまり、本発明の目的とする鋼板特性を阻害しない限り、好ましくはフェライトの体積分率が97%以上を確保できれば、フェライト組織中に本発明で規定する以外の組織相または成分の析出物が含有することを許容する。
また、フェライトとは、結晶構造としてBCCであるフェライト結晶粒を意味し、転位を含んでいても良く、ポリゴナルフェライト、アシュケラーフェライト、ベイネティックフェライト等を含むものとする。
本発明において、フェライト結晶粒内に含有する析出物またはクラスタのサイズは、最大径で8nm以下とする。なお、本発明では、フェライト結晶粒内の析出物のうち特にサイズの小さなもので、マトリックスから分離してそれ単独では抽出できないものをクラスタ(以下、析出物はここでいうクラスタも含むものとして説明する)と定義する。
上記析出炭化物またはクラスタのサイズは、析出炭化物の最大径、すなわち析出炭化物またはクラスタが球状の場合は直径、板状の場合は対角長と定義し、本発明ではこの最大径の測定値の平均値を規定する。なお、この最大径の測定値の測定方法については後述する。
本発明において、フェライト結晶粒内の析出物またはクラスタは、鋼板の強化向上に寄与するが、析出物のサイズが、最大径で8nmより大きい場合は、鋼板加工時にフェライト組織中の析出物への歪みの集中によって、ボイドの発生源となり、延性が劣化する可能性が高なり好ましくない。したがって、本発明は鋼板の延性劣化を抑制するために、フェライト結晶粒内の析出物またはクラスタのサイズを最大径で8nm以上とする。また、上記鋼板加工時の析出物への歪みの集中をより小さくし、延性を向上するためには、析出物またはクラスタのサイズを最大径でさらに5nm以下とするのが好ましい。
また、本発明では、上記析出物またはクラスタのサイズの下限は特に限定する必要がないが、フェライト結晶粒内で転位のピンニング力により、鋼板強度の向上の効果を安定して十分に発揮させるためには、上記析出物またはクラスタのサイズが、最大径で0.4nm以上とすることが好ましい。
また、本発明において上記析出物またはクラスタは、主として析出物形成元素である、Ti、Nb、Mo、およびVのうちの1種または2種以上の炭化物、窒化物、または炭窒化物からなる。なお、ここで炭窒化物とは、炭化物中に窒素が混入した炭化物と炭化物の複合析出物を意味する。また、本発明では、上記析出物形成元素の炭化物、窒化物、または炭窒化物の以外のその他の析出物を、本発明の目的とする鋼板の特性を阻害しない範囲で含有することが許容されることは言うまでもない。
本発明の鋼板は、目的とする鋼板の引張強度および延性を共に高め、強度延性を向上するために、フェライト単相組織を構成する2種類のフェライト結晶粒中の析出物またはクラスタの個数密度を以下のように限定する必要がある。
図3に、鋼板における結晶粒内の析出物の個数密度の高い硬質フェライト結晶粒A、および、個数密度の低い軟質フェライト結晶粒Bと、鋼板の強度延性バランスとの関係を示す。
なお、上記鋼板は、590MPa以上の引張強さを有し、フェライト単相組織中に結晶粒内に単一析出状態の析出物が分散した鋼板、及び、析出状態が異なる析出物を含有する2種類のフェライトからなる鋼板であり、フェライト結晶粒内の析出物またはクラスタのサイズは何れも最大径で8nm以下の範囲にあるものである。フェライト組織を結晶粒内の析出物の個数密度から2種類に区分し、結晶粒内の析出物の個数密度が高い方を硬質フェライト結晶粒A、個数密度が低い方を軟質フェライト結晶粒Bとした。
また、鋼板の強度延性バランスの評価は、鋼板の引張強度TS(MPa)と全伸びEl(%)を測定し、強度延性バランス(TS×El)が20000以上の場合を非常に良好(図中、◎)、強度延性バランス(TS×El)が19000以上20000未満の場合を良好(図中、○)、強度延性バランス(TS×El)が19000未満の場合を悪い(図中、△)とした。
図3において、硬質フェライト結晶粒Aおよび軟質フェライト結晶粒Bの何れも、結晶粒内の析出物の個数密度が高くなるほど、各結晶粒の硬度が増加すると考えられる。反対に、硬質フェライト結晶粒Aおよび軟質フェライト結晶粒Bの何れも、結晶粒内の析出炭化物の個数密度が低くなるほど、各結晶粒の硬度は小さくなるものと考えられる。この場合、各結晶粒の伸び(全伸び、一様伸び)は上昇するが、強度への寄与は小さくなることになる。
両方のフェライト結晶粒内の析出物の個数密度がほぼ同じ場合は、引張強度に対する伸びが小さくなり、十分な強度延性バランスが得られていない。一方、2種類のフェライト結晶粒の析出物密度の差が大きい場合は、引張強度に対する伸びが大きくなり、良好の強度延性バランスが得られている。
図3から、鋼板のフェライト単相組織において、主として強度を高める作用を担う結晶粒内の析出物の個数密度が高い硬質フェライト結晶粒Aと、主として延性を高める作用を担う個数密度が低い軟質フェライト結晶粒Bとによって、19000以上の強度延性バランス(TS×El)が良好な鋼板を得るためには、硬質フェライト結晶粒A中の析出物の個数密度を1017〜1019個/cm3とし、軟質フェライト結晶粒B中の析出物の個数密度を1015個/cm3以下とする必要がある。
硬質フェライト結晶粒Aの析出物の個数密度が1017個/cm3未満の場合は、鋼板の延性に対し鋼板の強度が十分に向上されず、強度延性バランスが十分に得られなくなる。また、硬質フェライト結晶粒Aの析出物の個数密度が1019個/cm3を超えると、鋼板の強度向上の効果が飽和し、析出物形成元素の添加量によるコスト増加の原因となるから好ましくない。
軟質フェライト結晶粒Bの析出物の個数密度が1015個/cm3より大きい場合は、鋼板の強度に対して鋼板の延性が十分に向上されず、強度延性バランスが十分に得られなくなる。
以上の理由から、本発明では、硬質フェライト結晶粒Aの析出物の個数密度を1017〜1019個/cm3とし、軟質フェライト結晶粒Bの析出物の個数密度を1015個/cm3以下とする。
また、本発明では、鋼板の強度延性バランス(TS×El)をより向上させるためには、上記硬質フェライト結晶粒A中の析出物の個数密度と、軟質フェライト結晶粒B中の析出物の個数密度の差をより大きくし、上記硬質フェライト結晶粒Aと上記軟質フェライト結晶粒Bとの硬度差を大きくすることが好ましい。これにより鋼板の強度延性バランス(TS×El)がより向上する理由は、鋼板の強度は、硬質フェライト結晶粒Aと上記軟質フェライト結晶粒Bの両者の強度分配で決まるのに対して、鋼板の伸びは、軟質フェライト結晶粒でほぼ決まるため、軟質フェライト結晶粒B中の析出物の個数密度を低下させることにより、鋼板の強度に対して伸びを大より大きくできるためと考えられる。この点から、本発明鋼板において、軟質フェライト結晶粒B中の析出物の個数密度を、析出物が実質的に含有しない程度まで低下させることが好ましい。
なお、ここでいう、析出物を実質的に含まないとは、後述する析出物の個数密度の測定方法において、TEM、3D−AP、FIMなどの微細析出物の観察において、析出物を捕らえることができない場合を意味する。
また、本発明において、鋼板組織の全体積に占める硬質フェライト結晶粒Aの体積体積%の比、つまり、硬質フェライト結晶粒Aの体積%/(硬質フェライト結晶粒Aの体積%+軟質フェライト結晶粒Bの体積%)が0.1〜0.9の範囲にあることが好ましい。鋼板組織の全体積に占める硬質フェライト結晶粒Aの体積%が0.1より小さいと鋼板の強度が低下し、引張強さ590MPa以上の強度を確保することが困難となり、硬質フェライト結晶粒Aの体積%が0.9より大きくなると、鋼板の延性が低下する。この結果、上記0.1〜0.9の範囲を外れる場合には、目標とする鋼板の強度延性バランスが安定して得ることが困難となる。
これらの理由から、本発明において、目標とする鋼板の強度延性バランスを安定して十得るために鋼板組織の全体積に占める硬質フェライト結晶粒Aの体積体積%を0.1〜0.9とすることが好ましい。
本発明における上記鋼板組織におけるフェライト結晶粒中の析出物のサイズ、個数密度は、以下の方法を用いて測定することができる。
本発明鋼板におけるフェライト組織中中の微細析出物は、サイズが8nm以下の微細析出物であるため、組織中の欠陥密度にも依存するが、一般に透過型電子顕微鏡(TEM)による観察でその定量をすることは難しい。このため、8nm以下の微細析出物を観察するのに適している3次元アトムプローブ(3D−AP)法を用いてフェライト組織中の微細析出物のサイズ及び個数密度を測定するのが好ましい。さらに、鋼板組織中の微細析出物のうちでも、よりサイズが小さいクラスタの分布と、これらのサイズと個数密度を精度良く測定するためには3D−APによる観察法が好ましい。
例えば、3D−APによる観察法を用いて、鋼板組織中の析出物またはクラスタのサイズおよび個数密度は以下のようにして測定できる。
先ず、測定対象となる鋼板から0.3mm×0.3mm×10mmの棒状試料を切り出し、電解研磨法によって針状加工する。この試料を用い、結晶粒内の任意方向に3D−APによって50万原子以上の測定を行い、3次元マップにより可視化して定量解析する。このような任意方向の測定を異なる結晶粒10個以上について行い、それから、各結晶粒に含まれる析出物の個数密度(観察領域の体積当り析出物の個数)と析出物サイズを平均として求める。結晶粒内の析出物のサイズについては、形状が明らかな析出物については棒状のものは棒の長さ、板状のものは対角長、球形のものは直径とする。微細析出物のうち、特にサイズの小さいクラスタは、その形状が明らかではない場合が多いため、FIMの電解蒸発を利用した精密なサイズ測定法等によって、微細析出物、および、クラスタのサイズを決定するのが好ましい。
以上の任意結晶粒、任意方向の測定結果から、各結晶粒内の析出物の析出状態を知ることができ、析出物の析出状態の異なる結晶粒の区別と、これらの体積比率を知ることができる。
また、上記の測定法に加え、さらに広い視野が可能となる、電界イオン顕微鏡(FIM)法を組み合わせて用いることも可能である。FIMは針状にした試料に高い電圧を印加し、不活性ガスを導入することで、表面の電界分布を2次元的に映し出す方法である。一般には鉄鋼材料中の析出物はフェライトマトリックスより明るいかまたは暗いコントラストを与える。特定の原子面の電界蒸発を1原子面づつ行い析出物コントラストの発生消滅を観察することで、析出物の深さ方向のサイズを精度良く見積もることができる。
次に本発明鋼板の成分組成の限定理由を以下に説明する。
なお、以下の説明において、「%」は特に説明がない限り、「質量%」を意味するものとする。
(C:0.01〜0.20%)
Cは鋼中に固溶し、または炭化物を形成することで鋼板の強度を高める作用を有する。鋼板の引張強度を590MPa以上に向上するためには、C含有量を0.01%以上とする必要がある。一方、C含有量が0.20%を越える場合には、鋼板中にセメンタイト、パーライトやマルテンサイトなどのフェライトとは異なる変態組織の形成が促進され、本発明で扱うところのフェライト単相組織を得るための製造条件が厳しくなる。
したがって、本発明では鋼板中のC含有量を0.01〜0.20%とする。
(Si:0.01〜1.5%)
Siは、鋼中のセメンタイト生成を抑制し、かつ強力な固溶強化元素として有効な元素である。固溶強化機能を活用し、鋼板の強度を高めるためにはSi含有量を0.01%以上とする必要がある。一方、Si含有量が1.5%を超えるような過剰な添加は、鋼板の製造工程でのスケール制御が難しくなるので、Si含有量の上限は1.5%とする。
したがって、本発明では鋼板中のSi含有量を0.01〜1.5%とする。
(Mn:0.2〜3.0%)
Mnは、鋼中に鉄鋼石から混入するSと反応させてMnSを形成することによりFeSの生成を抑制させ、また鋼板を製造する時の高温割れや中心偏析を抑制する役割を果たす。また、固溶強化機能により鋼板の強度を高める作用も有する。これらの効果を利用するために、Mn含有量は0.2%以上とする。一方、Mn含有量が3.0%を超えると鋼板の延性が著しく低下することが多くなる。したがって、本発明では鋼板中のMn含有量を0.2〜3.0%とする。
(N:0.01%以下)
Nは、粗大な窒化析出物の生成に寄与するため鋼板の加工性を確保するためにはできるだけ少ないほうが良い。特にNの含有量が0.01%を超えると、粗大なTiNなどの析出物が生成し鋼板の加工性が劣化するので、Nの含有量は0.01%以下に制限するのが好ましい。
(P:0.05%以下)
Pは、固溶強化元素として働き鋼板の強度を上昇させる作用があるが、その量が高くなると鋼板の加工性や溶接性を低下するため、好ましくない。特にP含有量が0.05%を超えると、鋼板の加工性や溶接性の低下が顕著となるため、P含有量は0.05%以下に制限するのが好ましい。
(S:0.08%以下)
Sは、MnS等の硫化物を形成し、熱間圧延時の割れや加工時の割れ引き起こす元素であるため、S含有量は0.008%以下に制限するのが好ましい。
(Al:0.005〜0.5%)
Alは、脱酸元素として有効であり、溶鋼脱酸のためにAl含有量は0.005%以上含有される。一方、Al含有量が0.5%を超えると、過剰添加は余分な窒化物などの形成を引き起こし、鋼板の伸びを劣化させ、材料制御が難しくなるため、Al含有量は0.5%以下に制限するのが好ましい。
(Ti、Nb、VおよびMoのうちの1種または2種以上)
析出物としては、鋼板の析出強化に効果があるものであれば良いが、鉄鋼材料において古くから使用されている、炭化物、窒素物やそれらの複合析出物、または銅などの析出物が活用できる。
本発明では、フェライト結晶粒内に炭化物または炭窒化物の析出物を分散させ、鋼板の強度、延性を向上するために、析出物形成元素として、以下のTi、V、Nb、Moのうちの一種または2種以上を鋼板中に含有させる必要がある。
Tiはフェライト結晶粒内に炭化物を析出し、析出強化により鋼板の強度上昇に寄与するとともに、この析出によりセメンタイト生成に寄与するCを固着する目的で添加されるが、この効果が十分に得るためにTi含有量を0.03%以上とする。一方、Ti含有量が0.2%を超えると、炭化物の粗大化が避けられず、結晶粒内の個数密度を低減させる原因となる。したがって、Tiを含有させる場合は、Ti含有量を0.03〜0.2%の範囲とするのが好ましい。
V、Nb、MoもTiと同様にフェライト結晶粒内に炭化物を析出し、析出強化元素として、また、セメンタイト生成に寄与するCを固着する目的で含有することができる。これらの効果を十分に発揮させるためには、これらの成分元素はいずれも、その含有量を0.01%以上とする必要がある。一方、これらの成分元素はいずれも、その含有量が0.2%を超えると、粗大析出炭化物が生成され、延性の低下の原因となるため、いずれもその含有量を0.2%以下とする。
また、上記Ti、V、Nb、Moのうちの2種以上を複合添加する場合は、粗大析出炭化物防止の点からこれらの合計量の上限は0.3%以下となるようにするのがこのましい。
以上の基本成分により本発明の目的とする効果は十分に発揮されるものであるが、本発明の目的とする上記鋼板特性を阻害しない範囲で、その他の成分を添加することは当然許容されるものである。
以下に本発明の鋼板の製造方法について説明する。
上記成分組成を含有し、上記析出物サイズおよび個数密度を有する硬質フェライト結晶粒Aおよび軟質フェライト結晶粒Bからなるフェライト単相組織を有する引張強度590MPa以上の高張力鋼板は以下の製造方法を用いて製造することができる。なお、以下の製造方法は、好ましい実施形態の一例として示すものであって、以下の製造のみ限定されるものではない。
鋼板組織中に上記Ti、Nb、MoおよびVのうちの1種または2種以上からなる析出物を分散させるためには、これらの析出物形成元素を過飽和に固溶させた後、それらの元素が拡散可能な温度に保持することによって可能となる。鋼片を1200℃以上の温度に再加熱することで析出物形成元素は固溶され、熱間圧延後の冷却時か、その後の巻き取り時、または追加熱処理過程によって鋼板中に析出物を析出させることができる。
目的とする上記析出物サイズおよび個数密度がことなるフェライト結晶粒Aおよび軟質フェライト結晶粒Bの2種のフェライト結晶粒は、例えば、以下に示すように、鋼板の熱間圧延後の冷却過程、その後の巻き取り時、または追加熱処理過程において、析出温度、析出速度を制御することにより生成することできる。
(1)熱間圧延終了後、異なる2種類の温度域に特定の時間保持し、それぞれの温度域でフェライト変態させ、析出させる。異なる2種類の温度域では、それぞれ核生成頻度、臨界核サイズ、拡散距離が異なるため、析出物分布及びサイズの異なる析出状態の析出物を析出することができる。
(2)熱間圧延終了後、異なる2種類の冷却速度にて冷却することで、それぞれ別の冷却速度中にフェライト変態させるとともに析出物を析出させる。異なる2種類の冷却速度での冷却過程では、それぞれ核生成頻度、臨界核サイズ、拡散距離が異なるため、析出物分布及びサイズの異なる析出状態の析出物を析出することが可能となる。
(3)前記(1)と(2)の方法を組み合わせることで、析出物分布及びサイズの異なる析出状態を製造することが可能となるためこのましい。
本発明鋼板の製造方法の最良の実施形態として、850〜950℃にて熱間圧延終了後、50〜100℃/秒の速度で冷却し、その後、600〜700℃に1〜10秒保持し、再び、50〜100℃/秒以上の冷却速度で冷却し、500〜600℃の温度で1〜10秒保持し、さらに400〜500℃で巻き取るのがこのましい。
また、別の最良の実施形態としては、850〜950℃にて熱間圧延終了後、50〜100℃/秒の速度で冷却し、550〜650℃において10〜50℃/秒の速度で冷却し400〜500℃で巻き取るのがこのましい。
このような冷却速度や保持温度を選択することによって、フェライトからなる析出状態の異なる2種類の結晶粒から構成された組織を形成することができる。
ここでは、熱延鋼板を例にしてフェライト組織に2種類の析出状態の結晶粒を実現することを説明したが、本発明は熱延鋼板に限定するものではない。類似の熱処理を行うことによって、冷延鋼板等にも適用可能である。
以下、実施例により本発明の効果を更に具体的に説明する。
表1の成分を有する供試鋼を溶製後、鋳造し、1250℃で加熱し、その後板厚3mmまで熱間圧延を行った。表の分析値は化学成分値であり質量%で表示した。熱間圧延における最終パス出口温度は約900℃であった。その後、600〜700℃に1〜10秒保持し、再び、50〜100℃/秒以上の冷却速度で冷却し、500〜600℃の温度で1〜10秒保持し、480℃で巻き取り、水冷を施した。保持温度及び保持時間を変えるとで、異なる析出組織を有する引張強さ590MPa以上の鋼板を製造した。
形成された組織は、表面エッチング面の光顕観察及び薄膜のTEM観察によって決定した。
L断面試料を鏡面研磨後ナイタールでエッチングし、表面から1/4深さ位置を光学顕微鏡で観察することで、パーライト、ベイナイト、マルテンサイト、フェライトの有無とそれらの比率を求めた。また同じ部分から取り出した試料を電解研磨法で薄膜とし、TEM観察によって組織のより詳細な同定を行った。フェライト中の微細析出物観察は前述した3D−AP法によって行った。より広い視野を得るため、FIMによる観察も行い、より精度の高い、析出物密度と液出物サイズを調べた。析出状態の異なる2種類のフェライト結晶粒から構成されている場合は、析出物個数密度の高い方をフェライト結晶粒Aとし、低い方または析出が観察されなかった方をフェライト結晶粒Bとした。析出状態が1種類のフェライト結晶粒しか観察されなかった場合は、これをフェライト結晶粒AとBに同じ数値で表記した。強度延性バランスは引張強さTS(MPa)と全伸び(%)の積によって評価し、TS×Elの値が19000(MPa%)以上を基準とし良好とした。特に、20000(MPa%)以上は非常に良好とした。
表1において、鋼種AからIまでは、炭化物を析出強化に用いた成分設計の鋼種である。表2は引張試験の結果と組織すなわち析出状態を表したものである。析出物密度の高い結晶粒をフェライト結晶粒A、析出物密度の低い方の結晶粒をフェライト結晶粒Bとして表した。また、前述した方法によって析出物を捕らえられなかった場合を、実質的に析出物が存在しないものとし、1×1014cm-3に満たないものとして表した。表2に示すように、2種類の析出状態の異なるフェライト結晶粒からなり、それらのサイズと個数密度が本発明の範囲内にある組織の鋼材においては、すべて、引張強さと全伸びの積が特に優れていることが分かる。
表1及び表2中に、本発明の範囲外にある値を下線で示した。鋼種Aにおいて、試験No.8は単一の析出状態を有するフェライト結晶粒からのみからなるものであり、試験No.9はフェライト結晶粒Bの析出物密度が本発明の範囲よりも高く、試験No.10はフェライト結晶粒Aの体積比率が高く、試験No.11はフェライト結晶粒Aの個数密度が高く、試験No.12はフェライト結晶粒Aの析出物サイズが大きいため、強度延性バランスが低い値を示したものである。鋼種Bにおいて、試験No.13はフェライト結晶粒Bの析出物密度が本発明の範囲よりも高く、試験No.14はベイナイト単一組織となったため、強度延性バランスが低い値となったものである。試験No.15は炭化物形成元素のTi含有量が本発明の範囲より高い鋼種Fの結果を示し、1種類の析出状態を有するフェライト結晶粒からなり、強度延性バランスが低い値を示したものである。試験No.16は炭化物形成元素の含有量が本発明の範囲よりも少ない鋼種Gの結果を示し、また試験No.17は炭素の含有量が少い鋼種Hの結果を示し、結晶粒Aにおいて十分な析出物個数密度を実現することができず、強度延性バランスが低い値となったものである。試験No.18及び試験No.19は炭素の含有量が本発明の範囲よりも高い鋼種Iの結果を示し、異なる2種類析出状態の異なるフェライト結晶粒以外の組織が形成されたため、強度延性バランスが低い値を示したものである。
Figure 2007247046
Figure 2007247046
(a),(b)は析出状態の異なる2種類のフェライト結晶粒からなる組織の模式図。 従来の析出型フェライト組織の模式図。 析出状態の異なる2種類のフェライト結晶粒の好ましい範囲を示す図。
符号の説明
1 析出物
2 フェライト結晶粒
3 結晶粒界

Claims (1)

  1. 引張強度590MPa以上のフェライト単相組織からなる高張力鋼板において、質量%で、C:0.01〜0.2%、Si:0.01〜1.5%、Mn:0.20〜3%、Al:0.005〜0.5%、P:0.05%以下、S:0.08%以下、N:0.01%以下を含有し、さらに、析出物形成元素として、Ti:0.03〜0.2%、Nb:0.01〜0.2%、Mo:0.01〜0.2%、およびV:0.01〜0.2%のうちの1種または2種以上を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、前記フェライト単相組織が、結晶粒内に最大径8nm以下の析出物またはクラスタが、個数密度1017〜1019個/cm3で分散した硬質フェライト結晶粒Aと、結晶粒内に最大径で8nm以下の析出物またはクラスタが、個数密度1015個/cm3以下で分散した軟質フェライト結晶粒Bとからなる強度延性バランスに優れた高強度鋼板。
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