JP2007246517A - 光学活性な5−ヒドロキシ−3−ケトエステル化合物の製法 - Google Patents

光学活性な5−ヒドロキシ−3−ケトエステル化合物の製法 Download PDF

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昌彦 林
Takanori Tanaka
孝徳 田中
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Abstract

【課題】収率及び光学純度が高い光学活性な5-ヒドロキシ-3-ケトエステル化合物の製法を提供する。
【解決手段】アルデヒド化合物とジケテンを、
チタン化合物と光学活性オキサゾリン化合物と、又はチタン化合物と光学活性オキサゾリン化合物との反応によって得られる複合化合物と、
反応させた後に、反応混合物を酸で処理することを特徴とする、一般式(3)

Figure 2007246517

(式中、R及びRは、前記と同義であり、*は、不斉炭素原子を示す。)
で示される光学活性な5-ヒドロキシ-3-ケトエステル化合物の製法。
【選択図】なし

Description

本発明は、光学活性な5-ヒドロキシ-3-ケトエステル化合物の新規な製法に関する。光学活性な5-ヒドロキシ-3-ケトエステル化合物は、血中コレステロ−ル低下剤(3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル-5-(HMG)Co-Aリダクタ−ゼ阻害剤)の合成中間体として有用な化合物である。
従来、アルデヒド化合物とジケテンとを反応させ、光学活性な5-ヒドロキシ-3-ケトエステル化合物を製造する方法としては、光学活性なシッフ塩基(配位子)とチタン又はアルミニウム化合物とからなる複合化合物の存在下、アルデヒド化合物とジケテンとを反応させて、光学活性な5-ヒドロキシ-3-ケトエステル化合物を製造する方法が開示されている(例えば、特許文献1及び2参照)。しかしながら、この方法においては、反応において使用する光学活性なシッフ塩基が水により容易に分解されるため、その取扱いは繁雑となるために、工業的な製法としては適当ではなかった。
特開平7-126218号公報 特開平9-100285号公報
又、光学活性な2,2'-ビス(ジ-p-トリルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル、銀トリフラート、ジブチルジメトキシスズ及びメタノールの存在下、ベンズアルデヒドとジケテンとを反応させて、光学活性な5-フェニル-5-ヒドロキシ-3-オキソペンタン酸メチルを製造する方法が開示されている(例えば、非特許文献1参照)。しかしながら、この方法では、高価なジブチルメトキシスズを使用しなければならない上に、目的物の光学純度が低いという問題があった。
J.Am.Chem.Soc.,121,892(1999)
更に、光学活性なビスホスフィノビアリール、1価銀化合物及び有機スズオキサイドの存在下、アルデヒド、ジケテン及びアルコールを反応させて、光学活性な5-ヒドロキシ-3-ケトエステル化合物を製造する方法(例えば、特許文献3参照)や銅化合物、リン化合物及びフッ素化合物の存在下、アルデヒド、ジケテン及びアルコールを反応させて、光学活性な5-ヒドロキシ-3-ケトエステル化合物を製造する方法(例えば、特許文献4参照)が開示されている。しかしながら、この方法では、目的物の収率及び光学純度が低いという問題があった。
特開2003-221364号公報 特開2004-10490号公報
本発明の課題は、即ち、上記問題点を解決し、収率及び光学純度が高い光学活性な5-ヒドロキシ-3-ケトエステル化合物の製法を提供することにある。
本発明の課題は、一般式(1)
Figure 2007246517
(式中、Rは、置換基を有していても良い炭化水素基又は複素環基(縮合していても良い)を示す。)
で示されるアルデヒド化合物とジケテン、及び一般式(2)
Figure 2007246517
(式中、Rは、置換基を有していても良い炭化水素基を示す。)
で示される基を少なくとも1つ有するチタン化合物と光学活性オキサゾリン化合物、又はチタン化合物と光学活性オキサゾリン化合物との反応によって得られる複合化合物とを反応させた後に、反応混合物を酸で処理することを特徴とする、一般式(3)
Figure 2007246517
(式中、R及びRは、前記と同義であり、*は、不斉炭素原子を示す。)
で示される光学活性な5-ヒドロキシ-3-ケトエステル化合物の製法によって解決される。
本発明により、収率及び光学純度が高い光学活性な5-ヒドロキシ-3-ケトエステル化合物の製法を提供することが出来る。
本発明の反応において使用するアルデヒド化合物は、前記の一般式(1)で示される。その一般式(1)において、Rは、置換基を有していても良い炭化水素基又は複素環基である。複素環基は縮合していても良い。炭化水素基の炭素数は、一般に1〜30、特に1〜20である。炭化水素基としては、具体的には、例えば、アルキル基、特に、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の炭素数1〜15の直鎖または分岐鎖アルキル基;シクロアルキル基、特に、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の炭素数3〜10のシクロアルキル基;アルケニル基、特に、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基等の炭素数2〜6の直鎖または分岐鎖アルケニル基;アルキニル基、特に、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基等の炭素数2〜6の直鎖または分岐鎖アルキニル基;アラルキル基、特に、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基等の炭素数7〜20のアラルキル基;アリール基、特に、フェニル基、p-トリル基、ナフチル基、アントリル基等の炭素数6〜20のアリール基が挙げられる。
又、複素環基(縮合していても良い)における複素原子の例は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子である。複素環の環原子数は一般に3〜18である。複素環基の炭素数は、2〜25、例えば3〜20、特に4〜15である。複素環基としては、具体的には、例えば、フリル基、ベンゾフリル基、チエニル基、ピロリル基、ピリジル基、キノリル基、ピリミジル基、ピペリジル基、モルホニル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、イミダゾリル基、トリアゾリル基等が挙げられる。なお、これらの基は、各種異性体も含む。
前記の炭化水素基及び複素環基は、置換基を有していても良い。その置換基としては、炭素原子を介して出来る置換基、酸素原子を介して出来る置換基、窒素原子を介して出来る置換基、硫黄原子を介して出来る置換基、ハロゲン原子等が挙げられる。
前記炭素原子を介して出来る置換基としては、例えば、アルキル基、特に、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の炭素数1〜15の直鎖または分岐鎖アルキル基;シクロアルキル基、特に、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の炭素数3〜10のシクロアルキル基;アルケニル基、特に、ビニル基、アリル基、プロペニル基、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基等の炭素数2〜6の直鎖、分岐鎖または環状アルケニル基;複素環基、特に、キノリル基、ピリジル基、ピロリジル基、ピロリル基、フリル基、チエニル基等の少なくとも1つの酸素原子、窒素原子または硫黄原子を有する環原子数3〜18の複素環基;アリール基、特に、フェニル基、トリル基、フルオロフェニル基、キシリル基、ビフェニリル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基等の炭素数6〜20のアリール基;アシル基(アセタール化されていても良い)、特に、アセチル基、プロピオニル基、アクリロイル基、ピバロイル基、シクロヘキシルカルボニル基、ベンゾイル基、ナフトイル基、トルオイル基等の炭素数1〜20のアシル基;カルボキシル基;アルコキシカルボニル基、特に、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基;アリールオキシカルボニル基、特に、フェノキシカルボニル基等の炭素数7〜21のアリールオキシカルボニル基;ハロゲン化アルキル基、特に、トリフルオロメチル基等の炭素数1〜15の直鎖または分岐鎖のハロゲン化(例えば、フッ化、塩化、臭化またはヨウ化)アルキル基;シアノ基が挙げられる。なお、これらの基は、各種異性体を含む。
前記酸素原子を介して出来る置換基としては、例えば、ヒドロキシル基;メトキシル基、エトキシル基、プロポキシル基、ブトキシル基、ペンチルオキシル基、ヘキシルオキシル基、ヘプチルオキシル基等の炭素数1〜15の直鎖または分岐鎖アルコキシル基;ベンジルオキシル基等の炭素数7〜15のアラルキルオキシル基;フェノキシル基、トルイルオキシル基、ナフチルオキシル基等の炭素数6〜20のアリールオキシル基が挙げられる。なお、これらの基は、各種異性体を含む。
前記窒素原子を介して出来る置換基としては、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロへキシルアミノ基、フェニルアミノ基、ナフチルアミノ基等の炭素数1〜20の第一アミノ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、メチルブチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、N-メチル-N-メタンスルホニルアミノ基等の炭素数2〜20の第二アミノ基;モルホリノ基、ピペリジノ基、ピペラジニル基、ピラゾリジニル基、ピロリジノ基、インドリル基等の炭素数5〜20の複素環式アミノ基;イミノ基が挙げられる。なお、これらの基は、各種異性体を含む。
前記硫黄原子を介して出来る置換基としては、例えば、メルカプト基;チオメトキシル基、チオエトキシル基、チオプロポキシル基等の炭素数1〜20のチオアルコキシル基;チオフェノキシル基、チオトルイルオキシル基、チオナフチルオキシル基等の炭素数6〜20のチオアリールオキシル基等が挙げられる。なお、これらの基は、各種異性体を含む。
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
本発明の反応において使用するジケテンの量は、アルデヒド化合物1モルに対して、好ましくは0.8〜5.0モル、更に好ましくは1.5〜3.0モルである。
本発明の反応において使用するチタン化合物は、一般式(2)
Figure 2007246517
(式中、Rは、置換基を有していても良い炭化水素基を示す。)
で示される基を少なくとも1つ有するチタン化合物であり、その一般式(2)において、Rは、置換基を有していても良い炭化水素基であるが、Rの例はRで示したものと同様である。
前記チタン化合物としては、一般式(4)
Figure 2007246517
(式中、Rは、前記と同義であり、Aは、ハロゲン原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基を示し、mは、1〜4の整数を示す。)
で示されるチタン化合物が好適に使用される。
その一般式(4)において、Aは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子を示す。又、mは、1〜4の整数を示すが、好ましくは4である。
前記チタン化合物の使用量は、アルデヒド化合物1モルに対して、好ましくは0.7〜1.5モル、更に好ましくは0.9〜1.2モルである。
本発明の反応において使用する光学活性オキサゾリン化合物としては、一般式(5)
Figure 2007246517
(式中、R、R、R及びRは、水素原子、アルキル基、ニトロ基、アルコキシル基又はアリールオキシ基を示し、R、R、R及びR10は、水素原子、アルキル基又はアリール基を示す(但し、RとRが同一の基の場合には、RとR10は異なる基である。)。)
で示される光学活性オキサゾリン化合物が好適に使用される。
その一般式(5)において、R、R、R及びRは、水素原子、アルキル基、ニトロ基、アルコキシル基又はアリールオキシ基を示すが、具体的には、例えば、水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の炭素数1〜15の直鎖または分岐鎖アルキル基;ニトロ基;メトキシル基、エトキシル基、プロポキシル基等の炭素数1〜6のアルコキシル基;フェノキシ基、ナフトキシ基等の炭素数6〜20のアリールオキシ基が挙げられる。なお、これらの基は、各種異性体を含む。
又、R、R、R及びR10は、水素原子、アルキル基又はアリール基を示すが、具体的には、例えば、水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の炭素数1〜15の直鎖または分岐鎖アルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等の炭素数6〜20のアリール基が挙げられる。なお、これらの基は、各種異性体を含む。
但し、RとRが同一の基の場合には、RとR10は異なる基である。
前記光学活性オキサゾリン化合物の使用量は、チタン化合物1モルに対して、好ましくは0.9〜1.5モル、更に好ましくは1.0〜1.3である。
なお、光学活性オキサゾリン化合物は、反応工程式(1)
Figure 2007246517
(式中、R、R、R、R、R、R、R、R10は、*は、前記と同義である。)
で示されるように、ヒドロキシベンゾニトリル化合物と光学活性な2-アミノプロパンジオール化合物とを反応させて得られる化合物である。
チタン化合物と光学活性オキサゾリン化合物との反応によって得られる複合化合物を使用してもよい。複合化合物の使用量は、アルデヒド化合物1モルに対して、好ましくは0.7〜1.5モル、更に好ましくは0.9〜1.2モルである。
本発明において使用する酸としては、無機酸および有機酸、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸等が挙げられるが、好ましくは塩酸、硫酸などの無機酸が使用される。なお、これらの酸は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
前記酸の使用量は、アルデヒド化合物1モルに対して、好ましくは3〜100モル、更に好ましくは10〜30モルである。
本発明の反応は溶媒の存在下又は非存在下において行われるが、溶媒を使用する場合には、反応を阻害しないものならば特に限定されず、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類等が挙げられるが、好ましくはハロゲン化炭化水素類が使用される。なお、これらの溶媒は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
前記溶媒の使用量は、反応の均一性や攪拌性により適宜調節するが、アルデヒド化合物1gに対して、一般に300g以下、好ましくは10〜100g、更に好ましくは15〜60gである。
本発明は、例えば、反応工程式(2)
Figure 2007246517
(式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、*及びmは、前記と同義である。)
で示されるように、アルデヒド化合物とジケテン、及びチタン化合物と光学活性オキサゾリン化合物、又はチタン化合物と光学活性オキサゾリン化合物との反応によって得られる複合化合物とを反応させた後に、反応混合物を酸で処理する等の方法によって行われる。その際の反応温度は、好ましくは-70〜30℃、更に好ましくは-50〜25℃、特に好ましくは-40〜15℃であり、反応圧力は特に制限されない。酸処理温度は、好ましくは-70〜50℃である。
なお、本発明の好ましい態様としては、チタン化合物と光学活性オキサゾリン化合物との複合化合物を形成後、アルデヒド化合物とジケテンを加えて反応を行うことである。
本発明によって光学活性な5-ヒドロキシ-3-ケトエステル化合物が得られるが、これは、例えば、加水分解、中和、抽出、濾過、濃縮、蒸留、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の一般的な方法によって単離・精製される。
なお、一般式(5)においてRがメチル基である化合物、すなわち、一般式(6)
Figure 2007246517
(式中、R、R、R、R、R、R、R10は及び*は、前記と同義である。)
で示されるオキサゾリン化合物は新規な化合物である。
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。なお、本発明の反応によって得られる光学活性な5-ヒドロキシ-3-ケトエステル化合物の光学純度は、光学活性カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーにより、以下の条件で測定した。
カラム:CHIRALPAK AD(ダイセル社製)
溶媒 :ヘキサン/エタノール(=95/5(容量比))
(トリフルオロ酢酸を0.01%含む)
流速 :1.0mL/min.
波長 :254nm
実施例1(3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンズアルデヒドの合成)
攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積500mLのナスフラスコに、2,4-ジ-tert-ブチルフェノール62.5g(303mmol)、ヘキサメチレンテトラミン85g(606mmol)及び酢酸150mLを加え、攪拌しながら130℃で3時間反応させた。次いで、反応液を75℃まで冷却し、33%硫酸150mL加えて、攪拌しながら105℃で1時間反応させた。反応終了後、反応液を75℃まで冷却し、液温を同温度に維持したまま有機層を分液した。得られた有機層を50℃まで冷却した後、メタノール50mLを加えて氷浴中で結晶を析出させた。析出した結晶を濾過し、黄色結晶として、3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンズアルデヒド43.0gを得た(単離収率;60%)。
実施例2(3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンゾニトリルの合成)
攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積500mLのナスフラスコに、ヒドロキシルアミン塩酸塩12.5g(180mmol)、ジクロロメタン250mL及びトリエチルアミン18g(180mmol)を加え、27℃で2時間攪拌した。その後、実施例1で合成した3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンズアルデヒド28g(119mmol)を加え、攪拌しながら40℃で24時間反応させた。反応終了後、反応液を濃縮して、オキシム化合物を得た。
次いで、該オキシム化合物に、酢酸ナトリウム0.54g(6.6mmol)及び無水酢酸200mLを加え、攪拌しながら130℃で24時間反応させた。反応終了後、反応液を27℃まで冷却し、水300mLを加えて、同温度で2時間攪拌した。攪拌終了後、反応液を濾過し、濾物を乾燥させた。
攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積500mLのナスフラスコに、前記濾物、メタノール80mL及び0.24mol/l水酸化ナトリウム水溶液164g(36mmol)を加え、攪拌しながら80℃で24時間反応させた。反応終了後、反応液を27℃まで冷却し、水200mL、35%塩酸の順でゆるやかに加え、反応液を酸性化した。反応液を濾過後、濾物をヘキサン/アセトンに溶かし結晶を析出させ、白色結晶として、3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンゾニトリル19.0gを得た(単離収率;70%)。
実施例3((2S)-2-アミノ-3-メチル-1,3-ブタンジオール塩酸塩の合成)
攪拌装置、温度計及び滴下漏斗を備えた内容積300mLの三つ口フラスコに、L-セリンメチルエステル塩酸塩15.0g(96mmol)、テトラヒドロフラン150mL及びトリエチルアミン21.0g(207mmol)を加えた。その後、ジ炭酸-ジ-tert-ブチル21.7g(99mmol)をテトラヒドロフラン50mLに溶解させた溶液を、氷水下、ゆるやかに滴下し、攪拌しながら27℃で17時間、更に50℃で3時間反応させた。反応終了後、反応液を減圧下で濃縮し、濃縮物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液150mLを加えた後、酢酸エチルで抽出した。得られた抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過後、濾液を濃縮し、無色油状物として、N-tert-ブトキシカルボニル-L-セリンメチルエステル20.8gを得た(単離収率;99%)。
攪拌装置及び温度計を備えた内容積300mLの三つ口フラスコに、先に合成したN-tert-ブトキシカルボニル-L-セリンメチルエステル4g(18mmol)及びジエチルエーテル120mLを加え、液温を-70℃まで冷却した。その後、3.0mol/lメチルマグネシウムブロマイドジエチルエーテル溶液36mL(108mmol)をゆるやかに加え、攪拌しながら27℃で10時間反応させた。反応終了後、反応液を0℃まで冷却した後、飽和塩化ナトリウム水溶液100mLを加え、酢酸エチルで抽出した。得られた抽出液を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過後、濾液を濃縮し、(2S)-2-N-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-メチル-1,3-ブタンジオール2.4gを得た(単離収率;60%)。
先に合成した(2S)-2-N-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-メチル-1,3-ブタンジオールに、35%塩酸及びエタノールの混合溶液中で反応させた後、反応液を濃縮後、乾燥させ、(2S)-2-アミノ-3-メチル-1,3-ブタンジオール塩酸塩を得た。
実施例4((4S)-4-[(1-ヒドロキシル-1-メチル)-エチル]-2-[(2-ヒドロキシル-3,5-ジ-tert-ブチル)-フェニル]オキサゾリン[1a]及び(4S)-4-ヒドロキシメチル-5,5-ジメチル-2-[(2-ヒドロキシル-3,5-ジ-tert-ブチル)-フェニル]オキサゾリン[2a]の合成)
攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積100mLのナスフラスコに、実施例3で合成した(2S)-2-アミノ-3-メチル-1,3-ブタンジオール塩酸塩311mg(2mmol)、実施例2で合成した3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンゾニトリル463mg(2mmol)、炭酸カリウム175mg(1.3mmol)及びエチレングリコール/グリセロールの混合液(=2/1(容量比))4mLを加え、攪拌しながら118℃で16時間反応させた。反応終了後、室温まで冷却し、反応液に酢酸エチル及び飽和塩化ナトリウム水溶液を加えて、有機層を分液した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過後、濾液を濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(展開溶媒;n-ヘキサン/酢酸エチル=30/1(容量比))し、白色固体として、(4S)-4-[(1-ヒドロキシル-1-メチル)-エチル]-2-[(2-ヒドロキシル-3,5-ジ-tert-ブチル)-フェニル]オキサゾリン[1a]187mgを得た(単離収率;28%)。又、白色固体として、(4S)-4-ヒドロキシメチル-5,5-ジメチル-2-[(2-ヒドロキシル-3,5-ジ-tert-ブチル)-フェニル]オキサゾリン[2a]187mgを得た(単離収率;28%)。
なお、1a及び2aは、以下の物性値で示される新規な化合物である。
(4S)-4-[(1-ヒドロキシル-1-メチル)-エチル]-2-[(2-ヒドロキシル-3,5-ジ-tert-ブチル)-フェニル]オキサゾリン[1a]
融点;109℃
比旋光度;[α]27 D +3.7°(c 1.0,CHCl3)
IR(KBr法,νmax(cm-1));3447、2953、2906、2864、1635、1438、1368、1278、1249、1217、1104、1046、972、893、801
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));1.23(s,3H)、1.28(s,9H)、1.38(s,3H)、1.45(s,9H)、4.29(dd,J=8Hz,1H)、4.42(m,2H)、7.51(d,J=2.4Hz,1H)、7.55(d,J=2.4Hz,1H)、12.42(s,1H)
13C-NMR(CDCl3,δ(ppm));25.7、27.0、29.5、31.5、34.3、35.2、67.7、71.3、74.6、110.0、122.4、128.4、136.5、140.2、157.0、168.0
(4S)-4-ヒドロキシメチル-5,5-ジメチル-2-[(2-ヒドロキシル-3,5-ジ-tert-ブチル)-フェニル]オキサゾリン[2a]
融点;139℃
比旋光度;[α]27 D -29.8°(c 1.0,CHCl3)
IR(KBr法,νmax(cm-1));3563、2955、2896、2866、1625、1591、1455、1366、1275、1249、1222、1194、1160、1136、1110、1087、1035、951、892、860、810、726、643
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));1.31(s,9H)、1.44(s,9H)、1.50(s,3H)、1.52(s,3H)、3.80(d,J=5.6Hz,2H)、4.29(m,2H)、4.42(m,2H)、7.51(d,J=2.4Hz,1H)、7.55(d,J=2.4Hz,1H)
13C-NMR(CDCl3,δ(ppm));21.4、29.0、29.5、31.5、34.3、35.1、62.4、74.0、85.1、110.0、122.3、128.2、136.5、140.0、157.0、166.5
実施例5((2S)-2-アミノ-3-エチル-1,3-ペンタンジオール塩酸塩の合成)
攪拌装置、温度計及び滴下漏斗を備えた内容積300mLの三つ口フラスコに、L-セリンメチルエステル塩酸塩15.0g(96mmol)、テトラヒドロフラン150mL及びトリエチルアミン21.0g(207mmol)を加えた。その後、ジ炭酸-ジ-tert-ブチル21.7g(99mmol)をテトラヒドロフラン50mLに溶解させた溶液を、氷水下、ゆるやかに滴下し、攪拌しながら27℃で17時間、更に50℃で3時間反応させた。反応終了後、反応液を減圧下で濃縮し、濃縮物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液150mLを加えた後、酢酸エチルで抽出した。得られた抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過後、濾液を濃縮し、無色油状物として、N-tert-ブトキシカルボニル-L-セリンメチルエステル20.8gを得た(単離収率;99%)。
攪拌装置及び温度計を備えた内容積300mLの三つ口フラスコに、先に合成したN-tert-ブトキシカルボニル-L-セリンメチルエステル4g(18mmol)及びジエチルエーテル120mLを加え、液温を-70℃まで冷却した。その後、3.0mol/lエチルマグネシウムブロマイドジエチルエーテル溶液36mL(108mmol)をゆるやかに加え、攪拌しながら27℃で10時間反応させた。反応終了後、反応液を0℃まで冷却した後、飽和塩化ナトリウム水溶液100mLを加え、酢酸エチルで抽出した。得られた抽出液を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過後、濾液を濃縮し、(2S)-2-N-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-エチル-1,3-ペンタンジオール2.8gを得た(単離収率;60%)。
先に合成した(2S)-2-N-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-エチル-1,3-ペンタンジオールに、35%塩酸及びエタノールの混合溶液中で反応させた後、反応液を濃縮後、乾燥させ、(2S)-2-アミノ-3-エチル-1,3-ペンタンジオール塩酸塩を得た。
実施例6((4S)-4-(1-エチル-1-ヒドロキシルプロピル)-2-[(2-ヒドロキシル-3,5-ジ-tert-ブチル)-フェニル]オキサゾリン[1b]及び(4S)-4-ヒドロキシメチル-5,5-ジエチル-2-[(2-ヒドロキシル-3,5-ジ-tert-ブチル)-フェニル]オキサゾリン[2b]の合成)
実施例4において、(2S)-2-アミノ-3-メチル-1,3-ブタンジオール塩酸塩に変えて、実施例5で合成した(2S)-2-アミノ-3-エチル-1,3-ペンタンジオール塩酸塩を使用したこと以外は、実施例4と同様に反応を行った。その結果、白色固体として、(4S)-4-(1-エチル-1-ヒドロキシルプロピル)-2-[(2-ヒドロキシル-3,5-ジ-tert-ブチル)-フェニル]オキサゾリン[1b]123mgを得た(単離収率;17%)。又、白色固体として、(4S)-4-ヒドロキシメチル-5,5-ジエチル-2-[(2-ヒドロキシル-3,5-ジ-tert-ブチル)-フェニル]オキサゾリン[2b]123mgを得た(単離収率;41%)。
なお、1b及び2bは、以下の物性値で示される新規な化合物である。
(4S)-4-(1-エチル-1-ヒドロキシルプロピル)-2-[(2-ヒドロキシル-3,5-ジ-tert-ブチル)-フェニル]オキサゾリン[1b]
融点;44℃
比旋光度;[α]27 D -0.9°(c 1.0,CHCl3)
IR(KBr法,νmax(cm-1));3568、3451、2943、2902、2866、2769、1630、1594、1459、1437、1368、1284、1249、1217、1188、1104、1045、973、890、781、724、642
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));0.91(t,J=7.2Hz,3H)、0.93(t,J=7.2Hz,3H)、1.30(s,9H)、1.45(s,9H)、1.54(m,2H)、1.78(m,2H)、4.40(m,3H)、7.46(d,J=2.4Hz,1H)、7.55(d,J =2.4Hz,1H)、12.45(s,1H)
13C-NMR(CDCl3,δ(ppm));7.6、7.9、26.8、28.8、29.5、31.5、34.3、35.2、67.2、71.4、75.1、109.7、122.3、128.3、136.5、140.2、156.9、167.6
(4S)-4-ヒドロキシメチル-5,5-ジエチル-2-[(2-ヒドロキシル-3,5-ジ-tert-ブチル)-フェニル]オキサゾリン[2b]
融点;113℃
比旋光度;[α]27 D +22.6°(c 1.0,CHCl3)
IR(KBr法,νmax(cm-1));3593、3397、2957、2901、2868、1630、1595、1443、1437、1390、1361、1273、1252、1219、1193、1109、1086、1035、940、891、821、781、724、643、557
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));0.94(t,J=7.2Hz,3H)、1.06(t,J=7.2Hz,3H)、1.31(s,9H)、1.44(s,9H)、1.69〜1.94(m,4H)、3.81(m,2H)、4.11(m,1H)、7.44(d,J=2.4Hz,1H)、7.54(d,J=2.4Hz,1H)
13C-NMR(CDCl3,δ(ppm));7.4、8.3、24.3、29.4、29.6、31.5、34.2、35.1、62.5、72.5、89.7、109.9、122.2、128.1、136.5、140.0、157.0、166.3
実施例7((2S)-2-アミノ-1,1-ジフェニル-1,3-プロパンジオール塩酸塩の合成)
攪拌装置、温度計及び滴下漏斗を備えた内容積300mLの三つ口フラスコに、L-セリンメチルエステル塩酸塩15.0g(96mmol)、テトラヒドロフラン150mL及びトリエチルアミン21.0g(207mmol)を加えた。その後、ジ炭酸-ジ-tert-ブチル21.7g(99mmol)をテトラヒドロフラン50mLに溶解させた溶液を、氷水下、ゆるやかに滴下し、攪拌しながら27℃で17時間、更に50℃で3時間反応させた。反応終了後、反応液を減圧下で濃縮し、濃縮物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液150mLを加えた後、酢酸エチルで抽出した。得られた抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過後、濾液を濃縮し、無色油状物として、N-tert-ブトキシカルボニル-L-セリンメチルエステル20.8gを得た(単離収率;99%)。
攪拌装置及び温度計を備えた内容積300mLの三つ口フラスコに、先に合成したN-tert-ブトキシカルボニル-L-セリンメチルエステル4g(18mmol)及びジエチルエーテル120mLを加え、液温を-70℃まで冷却した。その後、3.0mol/lフェニルマグネシウムブロマイドジエチルエーテル溶液36mL(108mmol)をゆるやかに加え、攪拌しながら27℃で10時間反応させた。反応終了後、反応液を0℃まで冷却した後、飽和塩化ナトリウム水溶液100mLを加え、酢酸エチルで抽出した。得られた抽出液を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過後、濾液を濃縮し、(2S)-2-アミノ-1,1-ジフェニル-1,3-プロパンジオール塩酸塩3.9gを得た(単離収率;60%)。
先に合成した(2S)-2-アミノ-1,1-ジフェニル-1,3-プロパンジオール塩酸塩に、35%塩酸及びエタノールの混合溶液中で反応させた後、反応液を濃縮後、乾燥させ、(2S)-2-アミノ-1,1-ジフェニル-1,3-プロパンジオール塩酸塩を得た。
実施例8((4S)-4-ヒドロキシルジフェニルメチル-2-[(2-ヒドロキシル-3,5-ジ-tert-ブチル)-フェニル]オキサゾリン[1c]及び(4S)-4-ヒドロキシメチル-5,5-ジフェニル-2-[(2-ヒドロキシル-3,5-ジ-tert-ブチル)-フェニル]オキサゾリン[2c]の合成)
実施例4において、(2S)-2-アミノ-3-メチル-1,3-ブタンジオール塩酸塩に変えて、実施例7で合成した(2S)-2-アミノ-1,1-ジフェニル-1,3-プロパンジオール塩酸塩を使用したこと以外は、実施例4と同様に反応を行った。その結果、白色固体として、(4S)-4-ヒドロキシルジフェニルメチル-2-[(2-ヒドロキシル-3,5-ジ-tert-ブチル)-フェニル]オキサゾリン[1c]485gを得た(単離収率;53%)。又、白色固体として、(4S)-4-ヒドロキシメチル-5,5-ジフェニル-2-[(2-ヒドロキシル-3,5-ジ-tert-ブチル)-フェニル]オキサゾリン[2c]146.4gを得た(単離収率;16%)。
なお、1c及び2cは、以下の物性値で示される新規な化合物である。
(4S)-4-ヒドロキシルジフェニルメチル-2-[(2-ヒドロキシル-3,5-ジ-tert-ブチル)-フェニル]オキサゾリン[1c]
融点;114℃
比旋光度;[α]27 D -42.8°(c 1.0,CHCl3)
IR(KBr法,νmax(cm-1));3560、3416、2953、2901、2861、1705、1628、1590、1463、1439、1371、1276、1250、1219、1187、1107、1032、993、977、891、783、769、742、702、649
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));1.29(s,9H)、1.40(s,9H)、4.19(dd,J=8.2,8.4Hz,1H)、4.30(dd,J=9.2,8.2Hz,1H)、5.54(dd,J=9.2,8.4Hz,1H)、7.20〜7.64(m,12H)、12.05(s,1H)
13C-NMR(CDCl3,δ(ppm));29.4、30.8、31.4、34.2、35.1、68.0、72.1、78.2、109.5、122.4、125.6、126.8、127.0、127.2、128.3、128.4、128.5、136.5、140.2、143.8、145.5、157.0、169.0
(4S)-4-ヒドロキシメチル-5,5-ジフェニル-2-[(2-ヒドロキシル-3,5-ジ-tert-ブチル)-フェニル]オキサゾリン[2c]
融点;93℃
比旋光度;[α]27 D +247.9°(c 1.0,CHCl3)
IR(KBr法,νmax(cm-1));3420、2954、2902、2867、1637、1440、1365、1252、1218、1182、1106、1038、965、888、757、697
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));1.35(s,9H)、1.45(s,9H)、3.47(d,J=6.4Hz,2H)、5.09(t,J=6.4Hz,1H)、7.20〜7.64(m,12H)
13C-NMR(CDCl3,δ(ppm));29.5、30.7、31.5、34.2、35.1、68.1、72.2、77.7、109.7、122.4、125.7、126.8、127.1、127.3、128.4、128.5、128.6、137.1、140.3、144.4、146.3、157.3、169.1
実施例9(光学活性な5-ヒドロキシ-5-フェニル-3-オキソペンタン酸イソプロピルの合成)
攪拌装置を備えた内容積25mLのアンプル管に光学活性オキサゾリン化合物2b200mg(0.55mmol)をジクロロメタン2mLに溶解した溶液及びチタンテトライソプロポキシド0.15mL(0.5mmol)を加え、27℃で1時間攪拌して複合化合物(チタン錯体化合物)を形成させた。次いで、-40℃まで冷却し、ベンズアルデヒド53mg(0.5mmol)、ジケテン84mg(1.0mmol)の順で加え、攪拌しながら48時間反応させた。反応終了後、得られた反応混合物をエーテルに溶解させ、氷水で冷却した1mol/l塩酸/ジエチルエーテルの混合液(=1/1(容量比))20mL中に加え、27℃で24時間攪拌させた。攪拌終了後、反応液に酢酸エチルを加え、有機層を分液した。得られた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液の順で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過後、濾液を濃縮し、濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(展開溶媒;n-ヘキサン/酢酸エチル=5/1(容量比))し、無色透明液体として、5-ヒドロキシ-5-フェニル-3-オキソペンタン酸イソプロピル78mgを得た(単離収率;62%、光学収率;86%ee(R))。
実施例10〜15(光学活性な5-ヒドロキシ-5-フェニル-3-オキソペンタン酸イソプロピルの合成)
実施例9において、光学活性オキサゾリン化合物、反応温度を変えたこと以外は、実施例9と同様に反応を行った。結果を表1に示す。
Figure 2007246517
実施例16(光学活性な5-ヒドロキシ-5-フェニル-3-オキソペンタン酸イソプロピルの合成)
攪拌装置を備えた内容積25mLのアンプル管に、(4S)-4-(1-エチル-1-ヒドロキシルプロピル)-2-[(2-ヒドロキシル-3,5-ジ-tert-ブチル)-フェニル]-4,5-ジヒドロ-1,3-オキサゾリン(光学活性オキサゾリン化合物1b) 200mg(0.55mmol)をジクロロメタン5mLに溶解した溶液及びチタンテトライソプロポキシド(Ti(O-i-Pr)4)0.15mL(0.5mmol)を加え、27℃で1時間攪拌して複合化合物(チタン錯体化合物)を形成させた。次いで、-40℃まで冷却し、アルデヒドとしてベンズアルデヒド53mg(0.5mmol)、ジケテン84mg(1.0mmol)の順で加え、攪拌しながら48時間反応させた。その後、イソプロピルアルコール (2 mL) を加え、-40℃で3時間攪拌した。反応溶液を氷水で冷却した1mol/l塩酸/ジエチルエーテルの混合液(=1/1(容量比))20mL中へと加え、25℃で1時間攪拌させた。攪拌終了後、反応液に酢酸エチルを加え、有機層を分液した。得られた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液の順で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過後、濾液を濃縮し、濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(展開溶媒;n-ヘキサン/酢酸エチル=5/1(容量比))し、無色透明液体として、5-ヒドロキシ-5-フェニル-3-オキソペンタン酸イソプロピル32mgを得た(単離収率;64%、光学収率;83%ee(S)、比旋光度;[α]27 D -41.8°(c 1.0,CHCl3))。
実施例17〜26(光学活性な5-置換5-ヒドロキシ-3-オキソペンタン酸イソプロピルの合成)

Figure 2007246517

実施例16において、アルデヒドを変えたこと以外は、実施例16と同様に反応を行った。結果を表2に示す。
Figure 2007246517
実施例27〜37(光学活性な5-置換5-ヒドロキシ-3-オキソペンタン酸イソプロピルの合成)
実施例16において、光学活性オキサゾリン化合物として(4S)-4-[(1-ヒドロキシル-1-メチル)-エチル]-2-[(2-ヒドロキシル-3,5-ジ-tert-ブチル)-フェニル]オキサゾリン(光学活性オキサゾリン化合物1a)を用い、種々のアルデヒドを用いたこと以外は、実施例16と同様に反応を行った。結果を表3に示す。
Figure 2007246517
本発明は、光学活性な5-ヒドロキシ-3-ケトエステル化合物の新規な製法に関する。光学活性な5-ヒドロキシ-3-ケトエステル化合物は、血中コレステロ−ル低下剤(3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル-5-(HMG)Co-Aリダクタ−ゼ阻害剤)の合成中間体として有用な化合物である。

Claims (5)

  1. 一般式(1)
    Figure 2007246517
    (式中、Rは、置換基を有していても良い炭化水素基又は複素環基を示す。)
    で示されるアルデヒド化合物とジケテン、及び一般式(2)
    Figure 2007246517
    (式中、Rは、置換基を有していても良い炭化水素基を示す。)
    で示される基を少なくとも1つ有するチタン化合物と光学活性オキサゾリン化合物、又はチタン化合物と光学活性オキサゾリン化合物との反応によって得られる複合化合物とを反応させた後に、反応混合物を酸で処理することを特徴とする、一般式(3)
    Figure 2007246517
    (式中、R及びRは、前記と同義であり、*は、不斉炭素原子を示す。)
    で示される光学活性な5-ヒドロキシ-3-ケトエステル化合物の製法。
  2. チタン化合物が、一般式(4)
    Figure 2007246517
    (式中、Rは、前記と同義であり、Aは、ハロゲン原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基を示し、mは、1〜4の整数を示す。)
    で示されるチタン化合物である請求項1記載の光学活性な5-ヒドロキシ-3-ケトエステル化合物の製法。
  3. 光学活性オキサゾリン化合物が、一般式(5)
    Figure 2007246517
    (式中、R、R、R及びRは、水素原子、アルキル基、ニトロ基、アルコキシル基又はアリールオキシ基を示し、R、R、R及びR10は、水素原子、アルキル基又はアリール基を示す(但し、RとRが同一の基の場合には、RとR10は異なる基である。)。)
    で示される光学活性オキサゾリン化合物である請求項1記載の光学活性な5-ヒドロキシ-3-ケトエステル化合物の製法。
  4. チタン化合物と光学活性オキサゾリン化合物との複合化合物を形成後、前記反応を行う請求項1記載の光学活性な5-ヒドロキシ-3-ケトエステル化合物の製法。
  5. 一般式(6)
    Figure 2007246517
    (式中、R、R、R、R、R、R、R10は及び*は、前記と同義である。)
    で示される新規なオキサゾリン化合物。
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