JP2007245763A - 車両用駆動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】発電機と交流モータとの組み合わせで、安定したモータトルク制御を行うことができる車両用駆動制御装置を提供する。
【解決手段】モータ4が必要とするモータ必要電力Pmに基づいて算出されるトルク指令値Ttを効率良く発生することができる動作点で発電機7を制御する。また、モータ・インバータ制御では、変調率固定の印加電圧をモータ4に印加する負荷固定制御を行うと共に、発電機7の現在の動作点を含む出力可能特性線上で最大電力を出力できる動作点の出力電流を目標出力電流Idcdemとして算出し、実出力電流Idcが目標出力電流Idcdemとなるようにモータ電圧位相θvを制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、主駆動軸を駆動する熱機関(例えば、内燃機関であるエンジン)で発電機を駆動し、その発電機の出力で交流モータを駆動する車両用駆動制御装置に関するものである。
従来の車両用駆動制御装置としては、従駆動軸を発電機の電力で駆動される直流モータで駆動し、この直流モータの界磁電流を制御することで駆動トルクを制御するというものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−239852号公報
しかしながら、上記従来の車両用駆動制御装置にあっては、直流モータを適用してモータトルクを制御しているので、トルクアップをするためには直流モータの電機子電流を増加させる必要があるが、直流モータのブラシの寿命に限界があるため、電機子電流の増加に限界があり、質量の重い車両への適用が困難であったり4WD性能の向上が図れなかったりという未解決の課題がある。
ところで、直流モータの代わりに交流モータ+インバータの構成を適用してモータトルクを制御することも考えられるが、一般に発電機の制御応答性は低く、インバータによるモータ制御の応答性は高いことが知られており、このような発電機とインバータとを組み合わせた場合、発電機の出力電圧と出力電流とは、電気負荷となるインバータの制御状態によって変動する可能性があるため、両者が協調して動作する必要がある。
例えば、トルク指令が急増する過程では、発電機出力の増加が遅れ、インバータの入力が不十分な状態でトルク指令を出力するようにモータ制御が動くため、車両総駆動力の面で不利となったり、制御系が発散し電圧、電流、トルクのハンチング現象が発生したりするという未解決の課題がある。
このハンチング現象は、インバータによるモータ制御にて電圧変調を施さないPWM制御(以下、負荷固定制御と称す)や矩形波制御を適用することで解決することができる。しかしながら、負荷固定制御では電圧変調を停止するため、PWMパルス幅をコントロールすることができず、モータトルクを指令値通りに発生できない恐れがある。また、負荷固定制御や矩形波制御では、モータ電流はインバータの電源電圧に依存するため、トルク指令値の急変など発電機の動作点が急変する場合に、電圧の落ち込み等の問題が発生するという未解決の課題がある。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、発電機と交流モータとの組み合わせで、安定したモータトルク制御を行うことができる車両用駆動制御装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係る車両用駆動制御装置は、界磁制御手段で交流モータが必要とするモータ必要電力に基づいて発電機の界磁を制御し、モータ制御手段で変調率固定の印加電圧を前記交流モータに印加することで当該交流モータを制御し、前記発電機の状態に基づいて、位相制御手段で前記交流モータの電圧位相を目標電圧位相まで徐々に変化させる。
本発明によれば、モータ制御として変調率固定の印加電圧をモータに印加する制御を適用すると共に、発電機の状態に基づいてモータ電圧位相を目標電圧位相まで徐々に変化させるので、モータトルク指令値が急変する場合であっても、発電電圧が落ち込むことなく、安定したモータトルク制御を行うことができるという効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明を四輪駆動車両に適用した場合の概略構成図である。
この図1に示すように、本実施形態の車両は、左右前輪1L、1Rが、内燃機関であるエンジン2によって駆動される主駆動輪であり、左右後輪3L、3Rが、モータ4によって駆動可能な従駆動輪である。
前記エンジン2の吸気管路には、例えばメインスロットルバルブとサブスロットルバルブとが介装されている。メインスロットルバルブは、アクセルペダルの踏込み量等に応じてスロットル開度が調整制御される。サブスロットルバルブは、ステップモータ等をアクチュエータとし、そのステップ数に応じた回転角により開度が調整制御される。従って、サブスロットルバルブのスロットル開度をメインスロットルバルブの開度以下等に調整することによって、運転者のアクセルペダルの操作とは独立して、エンジンの出力トルクを減少させることができる。つまり、サブスロットルバルブの開度調整が、エンジン2による前輪1L、1Rの加速スリップを抑制する駆動力制御となる。
上記エンジン2の出力トルクTeは、トランスミッション及びデファレンスギヤ5を通じて左右前輪1L、1Rに伝達される。また、エンジン2の出力トルクTeの一部は、無端ベルト6を介して発電機7に伝達されることで、発電機7は、エンジン2の回転数Neにプーリ比を乗じた回転数Ngで回転する。
上記発電機7は、4WDコントローラ8によって調整される界磁電流Ifgに応じてエンジン2に対し負荷となり、その負荷トルクに応じた発電をする。この発電機7の発電電力の大きさは、回転数Ngと界磁電流Ifgとの大きさにより決定される。なお、発電機7の回転数Ngは、エンジン2の回転数Neからプーリ比に基づき演算することができる。
図2は発電機7の界磁電流駆動回路の構造を示す図である。この回路は、図2(a)に示すように、界磁電流電源として車両の14Vバッテリ7aのような定電圧電源と発電機自身の出力電圧とを選択する構成を適用し、界磁電流電源のプラス側を界磁コイル7bに繋げて、トランジスタ7cをスイッチングするように構成されている。この場合、発電機出力がバッテリ電圧Vbを下回っている状態では、他励領域となってバッテリ電圧Vbが界磁コイル7bの電源となり、発電機出力が増加して出力電圧Vgがバッテリ電圧Vb以上となると、自励領域となって発電機の出力電圧Vgが選ばれて界磁コイル7bの電源となる。即ち、界磁電流値を発電機の電源電圧により増大することができるので、大幅な発電機出力の増加が可能である。
なお、界磁電流駆動回路は、図2(b)に示すように界磁電流電源として車両の14Vバッテリ7aのみ(他励領域のみ)を適用するようにしてもよい。
発電機7が発電した電力は、ジャンクションボックス10及びインバータ9を介してモータ4に供給可能となっている。前記モータ4の駆動軸は、減速機11及びクラッチ12を介して後輪3L、3Rに接続可能となっている。なお、本実施形態のモータ4は交流モータである。また、図中の符号13はデファレンスギヤを示す。
ジャンクションボックス10内には、インバータ9と発電機7とを接続・遮断するリレーが設けられている。そして、このリレーが接続されている状態で、発電機7から図示しない整流器を介して供給された直流の電力は、インバータ9内で三相交流に変換されてモータ4を駆動する。
また、ジャンクションボックス10内には、発電電圧を検出する発電機電圧センサと、インバータ9の入力電流である発電電流を検出する発電機電流センサとが設けられ、これらの検出信号は4WDコントローラ8に出力される。また、モータ4の駆動軸にはレゾルバが連結されており、モータ4の磁極位置信号θを出力する。
また、前記クラッチ12は、例えば湿式多板クラッチであって、4WDコントローラ8からの指令に応じて締結及び開放を行う。なお、本実施形態においては、締結手段としてのクラッチを湿式多板クラッチとしたが、例えばパウダークラッチやポンプ式クラッチであってもよい。
また、各車輪1L、1R、3L、3Rには、車輪速センサ27FL、27FR、27RL、27RRが設けられている。各車輪速センサ27FL、27FR、27RL、27RRは、対応する車輪1L、1R、3L、3Rの回転速度に応じたパルス信号を車輪速検出値として4WDコントローラ8に出力する。
前記4WDコントローラ8は、例えばマイクロコンピュータ等の演算処理装置を備えて構成され、前記各車輪速度センサ27FL〜27RRで検出される車輪速度信号、ジャンクションボックス10内の電圧センサ及び電流センサの出力信号、モータ4に連結されたレゾルバの出力信号及びアクセルペダル(不図示)の踏込み量に相当するアクセル開度等が入力される。
4WDコントローラ8は、図3に示すように、目標モータトルク演算部8A、界磁制御手段としての発電機制御部8B、モータ制御部8C、TCS制御部8D、クラッチ制御部8Eを備える。
目標モータトルク演算部8Aは、4輪の車輪速度信号に基づいて算出される前後輪の車輪速度差とアクセルペダル開度信号とから、モータトルク指令値Ttを算出する。
図4は、目標モータトルク演算部8Aの詳細を示すブロック図である。先ず、前後回転差演算部81で、4輪の車輪速度信号Vfr〜Vrrに基づいて次式をもとに前後回転差ΔVを算出する。
ΔV=(Vfr+Vfl)/2−(Vrr−Vrl)/2 ………(1)
そして、前後回転差ΔVに基づいて、第1モータ駆動力演算部82で予め格納されたマップを参照し、第1モータ駆動力TΔVを算出して後述するセレクトハイ部に出力する。この第1モータ駆動力TΔVは、前後回転差ΔVが大きくなると共に比例的に大きく算出されるように設定されている。
車速演算部83では、4輪の車輪速度信号と車両が発生する総駆動力Fとをセレクトローして車速信号Vを算出する。ここで、総駆動力Fは、トルクコンバータ滑り比から推定される前輪駆動力とモータトルク指令値Ttから推定される後輪駆動力との和によって求められる。
第2モータ駆動力演算部84では、第2モータ駆動力Tvを算出する。具体的には、車速演算部83から出力された車速Vとアクセル開度Accとに基づいて、予め格納されたマップを参照して、算出する。この第2モータ駆動力Tvは、アクセル開度Accが大きくなるほど大きく、車速Vが大きくなるほど小さく算出されるように設定されている。
次にセレクトハイ部85で、前記第1モータ駆動力演算部82から出力された第1モータ駆動力TΔVと、前記第2モータ駆動力演算部84から出力された第2モータ駆動力Tvとをセレクトハイした値を目標トルクTttとして後輪TCS制御部86に出力する。
そして、後輪速Vrl,Vrr、車速Vに基づいて、公知の方法により後輪トラクションコントロール制御を行って、モータ4のトルク指令値Ttを出力する。
発電機制御部8Bは、目標モータトルク演算部8Aからのトルク指令値Ttに基づいて後述する発電制御を行い、発電機7の界磁電流Ifgを制御する。
モータ制御部8Cは、発電機7の発電状態からインバータ9に出力する3相パワー素子のスイッチング制御信号を算出して、3相交流電流を制御する。このとき、後述するように、公知の3相電流フィードバック制御を行わず、変調率固定の印加電圧として変調率固定のPWM波電圧をモータ4に印加する負荷固定制御を行うと共に、発電機7の発電状態に基づいてモータ電圧位相θvを目標の電圧位相まで徐々に変化させる電圧位相制御を行う。
TCS制御部8Dは、エンジントルク制御コントローラ(ECM)からのエンジン発生駆動トルクデマンド信号Tet、前輪回転速度Vfr,Vfl、車速Vに基づいて、公知の方法によりECMに対してエンジン発生駆動トルクデマンド信号Teを送り返すことにより前輪トラクションコントロール制御を行う。
クラッチ制御部8Eは、上記クラッチ12の状態を制御し、4輪駆動状態と判定している間はクラッチ12を接続状態に制御する。
図5は、発電機7の発電制御を行う発電機制御部8Bの詳細を示すブロック図である。
この発電機制御部8Bは、モータ必要電力演算部101と、目標発電電力演算部102と、発電電力制限部103と、目標発電電力決定部104と、目標動作点設定手段としての目標動作点設定部105と、発電機出力制御手段としての発電電力制御部106とで構成され、発電機7の界磁電流Ifgを制御する。
モータ必要電力演算部101は、前記目標モータトルク演算部8Aで算出されたトルク指令値Ttとモータ回転速度Vmとに基づいて、次式をもとにモータ4に必要な電力Pmを算出する。
Pm=Tt×Vm ………(2)
目標発電電力演算部102では、モータ必要電力演算部101から出力されるモータ必要電力Pmに基づいて、次式をもとに発電機7が出力すべき発電機必要電力Pgを算出する。
Pg=Pm/Иm ………(3)
ここで、Иmはモータ効率である。つまり、発電機必要電力Pgはモータ必要電力Pmよりモータ効率分多く出力しなければならないことになる。
発電電力制限部103では、発電電力の制限値PL1及びPL2を出力する。電力制限値PL1は、発電電力が発電機7を駆動するベルトの伝達可能トルクに応じて決まる電力を上回らないようにするための上限値であり、次式をもとに算出する。
PL1=Tb×ωg×Иg ………(4)
ここで、Tbはベルト伝達可能トルク、ωgは発電機7の回転速度、Иgは発電機効率であり、PL1はベルト伝達可能トルクがTbであるときに発電機7が発電可能な最大発電量に相当する。
つまり電力制限値PL1は、図6(a)に示すように、発電機7の回転速度ωgが大きくなるにつれて比例的に大きく算出されることになる。
また、電力制限値PL2は、発電電力が、エンジンの負荷過大によるエンストや運転性劣化を起こす可能性のある電力を上回らないようにするための上限値である。この制限値PL2は、エンジントルク制御コントローラ(ECM)から与えられる。
この電力制限値PL2は、図6(b)に示すように、発電機7の回転速度ωgが大きくなるほど、またアクセル開度Accが大きくなるほど大きく算出されることになる。
そして、目標発電電力演算部102及び発電電力制限部103の演算結果が目標発電電力決定部104に入力されて、発電機必要電力Pgと電力制限値PL1,PL2とがセレクトローされ、発電機の目標出力電力PGが算出される。
図6(c)は、発電機必要電力Pgと電力制限値PL1,PL2とのうち、発電機必要電力Pgが最も小さい場合を示しており、この場合、現在速度での発電機必要電力Pgが目標出力電力PGとして選択される。
目標動作点設定部105では、目標発電電力決定部104から出力される目標出力電力PG即ちモータ使用可能電力と、予め格納された発電機出力最大特性マップとに基づいて、発電機7の目標動作点(インバータ9の入力電圧及び入力電流、即ち発電機7の目標電圧Vdc*及び目標電流Idc*)を算出する。
具体的には、図7に示すように、モータ使用可能電力PGに相当する電力一定線Pと、破線で示す発電機出力最大特性線ηとの交点を発電機7の目標動作点(Vdc*,Idc*)として選定する。
この図7において、曲線Stは発電機回転速度と界磁電流とをパラメータとした発電機出力特性線(発電機の出力可能特性線)であり、ある回転速度である界磁電流が与えられているとき、発電機はこの出力可能特性線上の電圧・電流を発生する。この出力可能特性線St上には出力(発電電力)が最大となる点が存在し、各出力可能特性線の最大出力点を連続した線が発電機出力最大特性線ηである。この発電機出力最大特性線ηを、発電機出力最大特性マップとして予め格納しておく。
そして、このようにして求められた目標電圧Vdc*が発電電力制御部106に入力され、発電電力制御部106で発電機7の出力電圧Vdcが目標電圧Vdc*となるように界磁電流Ifgを制御する。
図8は、第1の実施形態における発電電力制御部106を示すブロック図である。この第1の実施形態における発電電力制御部106では、目標電圧Vdc*と出力電圧Vdcとの偏差が零となるように、発電機界磁電流IfgをPWM制御する。この場合、先ず目標電圧Vdc*と出力電圧Vdcとの偏差ΔVdcをPI制御部121に出力する。
PI制御部121では偏差ΔVdcに対してPI制御を施し、次いで、PWMデューティ指令値演算部122で、発電機7の界磁電流駆動回路のPWMデューティ比の指令値Dを演算する。具体的には、Vdc*>VdcであるときPWMデューティ比を増加し、Vdc*<VdcであるときPWMデューティ比を減少するようにPWMデューティ指令値Dが演算される。
なお、PI制御部121では、偏差ΔVdcに対してPI制御を施す代わりに、PID制御を施すようにしてもよい。
図9はPWMデューティ比Dと界磁電流Ifgとの関係を示す特性図であり、横軸はPWMデューティ比D、縦軸は界磁電流Ifgである。この特性図に示すように、デューティ比Dが0%のとき界磁電流Ifgは流れず、デューティ比Dが100%に近づくにつれて界磁電流Ifgはたくさん流れるようになっている。
また、この特性は、界磁電源電圧Vfが大きいほど傾きが大きく、界磁コイルの抵抗が小さいほど傾きが大きくなるようになっており、発電機出力電圧Vgがバッテリ電圧Vb以下であるときIfg=a×Dで表され、Vg>VbであるときIfg=a×Vf×Dで表される。ここでaは定数である。
そして、このようにして出力されたPWMデューティ指令値DをPWM駆動部123で制御することで、界磁電流Ifgを制御することができ、結果として発電機7の出力電圧Vdcが目標電圧Vdc*となるように制御することができる。
つまり、発電機7の出力電圧Vdc及び出力電流Idcから決定される現在の動作点が目標動作点に一致し、発電機7は、モータ4が必要とする電力Pmから算出される発電機7が出力すべき目標出力電力PGを、効率良く発生することができる動作点で作動されることになる。
次に、モータ制御にて公知の3相電流フィードバック制御を行う従来装置における課題について説明する。
一般に発電機の制御応答性は低く、インバータによるモータ制御の応答性は高いことが知られており、このような発電機とインバータとを組み合わせた場合、従来装置では、例えばトルク指令が急増する過程で発電機出力の増加が遅れ、インバータの入力が不十分な状態でトルク指令を出力するようにモータ制御が動くため、低電圧・大電流の電気効率の悪い動作点で発電機が使われることになる。これを、図10をもとに説明する。
図10(a)は、発電機7の出力即ちインバータ9の入力における動作点(電圧・電流)を示す図である。曲線Stは、発電機回転速度と界磁電流とをパラメータとした発電機出力特性線(発電機の出力可能特性線)であり、ある回転速度である界磁電流が与えられているとき、発電機はこの出力可能特性線上の電圧・電流を発生する。また、双曲線状の曲線Pはあるトルク指令値に相当する電力一定線である。
今、動作点が出力可能特性線St0とトルク指令値T1に相当する電力一定線P1との交点a0にあり、図10(b)に示すように、時刻t0でトルク指令値がT1からT2に増加したものとする。この場合、発電機は、このトルクをモータが発生できるような動作点に向かって界磁電流を増加させ、発電電力を上げていく。一方、モータとインバータによるモータ制御は、前述したように応答性が良いため、発電機の現在の出力可能特性線上で早くトルク指令値を出力するように動作点を動かしてしまう。
つまり、発電機の界磁電流が徐々に増加して、時刻t1で発電機の出力可能特性線がSt1となると、動作点は、この出力可能特性線St1上でトルク指令値T2を出力できる動作点、即ち出力可能特性線St1とトルク指令値T2に相当する電力一定線P2との交点である動作点a1へ動く。さらに時刻t2で発電機の出力可能特性線がSt2となると、この出力可能特性線St2と電力一定線P2との交点である動作点a2へ動く。
このように動作点は図中右下に向かい、低電圧・大電流の動作点となる。したがって、図10(b)の破線で示すように、実駆動力はトルク指令値T2に早めに到達することになるが、図10(c)に示すように効率の悪い動作点で制御されることになる。また、時刻t0における発電機7の状態とトルク指令値T2とに大きな差がある場合、時刻t1になっても、トルク指令値T2に相当する電力を発電機7が出力できない状態となる。その結果、発電機7及びモータ4の制御系が発散し電圧、電流、トルクのハンチング現象が発生したりするという問題がある。
このハンチング現象は、モータ4のベクトル制御における電圧変調を停止する方法(負荷固定制御)や、モータ4が高回転であれば矩形波制御を適用することで解決することができる。しかし、負荷固定制御では、電圧変調を停止するためPWMパルス幅をコントロールすることができず、モータトルクを指令値通りに発生できない恐れがある。また、負荷固定制御や矩形波制御では、モータ電流はインバータの電源電圧に依存するため、トルク指令値急変など発電機の動作点が急変する場合に以下の問題が発生する。
図11(a)は、従来装置(負荷固定制御及び矩形波制御)において、トルク指令値が急変した場合の発電機動作点の動きを示す図である。発電機動作点が点a0にある状態で、トルク指令値がT1からT2に急増したものとする。このとき、発電機7側では出力可能特性線St1が目標の出力可能特性線St2となるように界磁電流Ifgを増加制御する。一方、モータ4・インバータ9側では、位相一定線が現在の位相一定線θ1から目標の位相一定線θ2となるように、モータ電圧位相θvを増加する。
ここで、位相一定線とは、モータ電圧位相をパラメータとした特性線であり、あるモータ電圧位相θvが与えられているとき、発電機は界磁電流の変化に伴ってこの位相一定線上の電圧・電流を発生する。そして、この位相一定線は、図12に示すように、モータ電圧位相θvが大きいほど発電機の出力電流Idcが大きい側にオフセットするようになっている。また、図11(a)の曲線P1、P2は、トルク指令値T1、T2に相当する電力一定線である。
前述したように、発電機7の応答はモータ4・インバータ9と比較して遅いため、発電機動作点は、出力可能特性線St1上を移動して、出力可能特性線St1と位相一定線θ2との交点a1となる。その後、発電機7の界磁電流Ifgの増加に伴って、位相一定線θ2上を移動して目標動作点a*に到達することになる。
このように、トルク指令値が急変すると一旦電圧が落ち込むため、図11(b)の破線に示すように、発電機出力電力とモータトルクとが一旦落ちてから目標動作点に収束する。このとき、電圧の落ち込みがモータ誘起電圧以下の場合、制御不能となる恐れがある。
これに対して本実施形態では、現在の発電機7の状態に応じてモータ電圧位相を目標電圧位相まで徐々に変化するように制御することで、上記の問題を解決し、モータトルクの落ち込みを防止するようにする。
図13は、本実施形態におけるモータ制御部8Cを示すブロック図である。
このモータ制御部8Cは、目標出力電流演算手段としての目標電流演算部131と、位相制御手段としての電圧位相制御部132と、Vd,Vq指令値演算部133と、モータ制御手段としての負荷固定制御部134と、モータ界磁電流制御部135とで構成され、インバータ9の3相のパワー素子をスイッチング制御する。
目標電流演算部131では、発電機7の発電状態に基づいて発電機7の目標出力電流Idcdemを演算する。具体的には、前述した発電機制御部8Bの目標動作点設定部105で使用した発電機出力最大特性マップを参照し、発電機7の出力電圧Vdc及び出力電流Idcから決定する動作点(Vdc,Idc)を含む出力可能特性線と、発電機出力最大特性線ηとの交点を最適目標動作点として選定し、この最適目標動作点の電流値を目標出力電流Idcdemとして算出する。つまり、現在の発電機7の発電状態で最大電力を出力できる動作点の電流値が、目標出力電流Idcdemとなる。
電圧位相制御部132では、発電機7の出力電流Idcと目標電流演算部131で演算された目標出力電流Idcdemとに基づいて、図14に示す電圧位相制御を行い、モータ電圧位相θvを制御する。即ち、出力電流Idcと目標出力電流Idcdemとの偏差ΔIdcに対してPI制御を施すことにより、出力電流Idcが目標出力電流Idcdemに追従するようなモータ電圧位相θvを出力する。
なお、偏差ΔIdcに対してPI制御を施す代わりに、PID制御を施すようにしてもよい。
Vd,Vq指令値演算部では、電圧位相制御部132から出力されるモータ電圧位相θvに基づいて、dq軸電圧指令値Vd*,Vq*を演算し、これを負荷固定制御部134に出力する。
負荷固定制御部134では、図15に示す負荷固定制御を行ってインバータ9に出力するスイッチング信号を生成する。この負荷固定制御部134は、dq/uvw変換部134aと、変調率固定部134bと、三角波比較&デッドタイム補償部134cとで構成される。
先ず、dq/uvw変換部134aでは、dq軸電圧指令値Vd*,Vq*とモータ4の磁極位置信号θとに基づいて、3相正弦波電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*を演算する。ここで、磁極位置信号θは、モータ4に連結されたレゾルバから出力される。
次に、変調率固定部134bでは、dq/uvw変換部134aで演算された3相正弦波電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*と発電機7の出力電圧Vdcとから、モータ4へ印加するPWM波電圧の変調率を設定する。本実施形態では、変調率を“1”に固定するものとする。
そして、三角波比較&デッドタイム補償部134cでは、3相正弦波指令値と三角波とを比較する三角波比較及びデッドタイム補償が行われて、インバータ9に出力するスイッチング信号が生成される。このスイッチング信号がインバータ9に出力されることにより、インバータ9は、上記スイッチング信号に応じたPWM波電圧を生成してモータ4へ印加し、これによりモータ4が駆動される。
このように、本実施形態では、変調率固定の印加電圧として、変調率を“1”に固定したPWM波電圧を適用し、この印加電圧をモータ4に印加することで当該モータ4を制御する。
また、図13のモータ界磁電流制御部135では、モータ回転数Nmに基づいてモータ4の界磁電流指令値Ifm*を演算し、この界磁電流指令値Ifm*に基づいてモータ4の界磁電流Ifmを制御する。
次に、本発明の第1の実施形態における動作について、図16をもとに説明する。
今、発電機動作点が出力可能特性線St1上で最大電力を出力できる点a0にあるものとする。このときのトルク指令値T1に相当する電力一定線がP1であり、動作点a0が出力可能特性線St1と電力一定線P1との交点であるとする。この状態から、トルク指令値がT1からT2に急増すると、発電機7は、このトルクをモータ4が発生できるような動作点に向かって界磁電流Ifgを増加させ、発電電力を上げていく。このときの発電機7の目標動作点は、トルク指令値T2に相当する電力一定線P2と発電機出力最大特性線ηとの交点a*(Vdc*,Idc*)である。また、モータ4及びインバータ9によるモータ制御では、図13の目標電流演算部131で、出力可能特性線St1上で最大電力を出力できる動作点の電流値、即ち動作点a0の電流値(現在の発電機7の出力電流)が目標電流Idcdemとして算出されるため、電圧位相制御部132でモータ電圧位相θvが制御されることにより、位相一定線がθ1となる。
その後、界磁電流Ifgが増加して出力可能特性線がSt1からSt2に変化すると、発電機動作点は点a0から位相一定線θ1上を動いて、出力可能特性線St2と位相一定線θ1との交点a1に変化する。すると、目標電流演算部131では、出力可能特性線St2上で最大電力を出力できる動作点a2の電流値が目標電流Idcdemとして算出されるため、電圧位相制御部132でモータ電圧位相θvが制御されることにより、位相一定線がθ2に変化する。このとき、発電機動作点は、点a1から出力可能特性線St2と位相一定線θ2との交点a2に変化する。
その後、発電機界磁電流Ifgの増加及びモータ電圧位相θvの制御を繰り返し、発電機7の出力可能特性線がSt4に変化し、発電機動作点が点a4から位相一定線θ3上を動いて、出力可能特性線St4と位相一定線θ3との交点a5に変化すると、目標電流演算部131では、出力可能特性線St4上で最大電力を出力できる動作点、即ち発電機7の目標動作点a*の電流値Idc*が目標電流Idcdemとして算出されるため、電圧位相制御部132でモータ電圧位相θvが制御されることにより、位相一定線が目標電圧位相に相当するθ4に変化する。このとき、発電機動作点は、点a5から出力可能特性線St4と位相一定線θ4との交点である目標動作点a*に到達する。
このように、現在の発電機7の動作点を含む出力可能特性線上で最大電力を出力できる動作点の電流値を目標電流Idcdemとし、実出力電流Idcと目標電流Idcdemとに基づいてモータ電圧位相θvを制御するので、トルク指令値が急増する場合であっても、モータ電圧位相θvを目標の電圧位相まで徐々に増加させることができる。その結果、発電機動作点は、発電機出力最大特性線ηを漸増することになる。なお、図16では説明を簡略化するために発電機動作点の軌跡を大きく示したが、実際は発電機出力最大特性線η上をスムースに移行する。
図16(b)は、トルク指令値がT1からT2に急増した場合におけるモータトルクの変化の様子を示している。図中太実線は本実施形態におけるモータトルクの変化、破線は図11に示す従来の負荷固定制御におけるモータトルクの変化である。この図からも明らかなように、本実施形態では、トルク指令値が急変した場合であっても、発電電力及びモータトルクが落ち込むことなく、常に効率の良い動作点でモータトルク制御を行うことができることがわかる。
ところで、モータ制御にて負荷固定制御を行わず、公知のベクトル制御により3相電流フィードバック制御を行う従来装置において、モータが必要とするモータ必要電力に基づいて発電機を制御すると共に、現在の発電機の発電状態に応じてモータを制御することで、トルク指令値が急変した場合であっても発電電力の落ち込みを回避して安定したモータトルク制御が可能である。
しかしながら、この場合、モータ制御にて3相電流フィードバック制御を行っているため、モータの3相コイルに流れる電流値を検出するための電流センサが必要となる。したがって、この電流センサを設置するためのスペースを確保する必要があると共にコストが嵩むという問題がある。
これに対して、本実施形態では、モータ制御にて負荷固定制御を行うため、当該電流センサを設ける必要がなくなり、スペース及びコストの面で有利となる。
このように、上記第1の実施形態では、モータが必要とする電力から発電機の界磁電流を制御し、変調率固定の印加電圧をモータに印加することにより当該モータを制御すると共に、現在の発電機の状態に基づいてモータ電圧位相を目標電圧位相まで徐々に大きくするので、モータトルク指令値が急変する場合であっても、発電電圧の落ち込みを防止することができる。したがって、応答性の低い発電機制御と応答性の高いモータ制御との組み合わせであっても、制御系が発散したり、非常に悪い効率で作動したりすることを防止することができる。
また、発電機の実出力電流が、当該発電機の発電状態に基づいて算出される目標出力電流となるようにモータ電圧位相を制御するので、モータ電圧位相を現在の発電機の発電状態の変化にあわせて徐々に目標電圧位相まで変化させることができる。
さらに、現在の発電機動作点を含む出力可能特性線上で最大電力を出力できる動作点の電流値を目標出力電流として算出し、モータ電圧位相を制御するので、インバータの電源電圧(発電機の出力電圧)が目標値に対して不足している場合や、シフトアップ等で発電機回転数が急減した場合であっても、その時に出力可能な最大トルクを出力することができる。
また、発電機制御において、発電機の出力電圧が目標電圧となるようにPWMデューティ比を制御することで発電機界磁電流を制御するので、界磁電流センサを設ける必要がない。その結果、界磁電流センサを設置する際のコスト及びスペースの面で有利となる。
なお、上記第1の実施形態においては、発電機制御部8Bの目標動作点設定部105での目標動作点の選定、及びモータ制御部8Cの目標電流演算部131での最適目標動作点の選定において、発電機出力最大特性マップを用いる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、各出力可能特性線の発電機7の効率が最大となる動作点を結んだ発電機効率最大特性マップや、各出力可能特性線のモータ4の効率が最大となる動作点を結んだモータ効率最大特性マップを用いるようにしてもよい。ただし、目標動作点設定部105で用いるマップと目標電流演算部131で用いるマップとは同じものを適用するものとする。
また、上記第1の実施形態においては、発電電力制御部106で、界磁電源電圧VfとPWMデューティ比Dとの乗算値をフィードバック制御するようにしてもよい。この場合、出力電圧Vdcと目標電圧Vdc*との偏差ΔVdcがPID制御部125に入力され、下記(8)式に示すPID制御を施してPWMデューティ比Dを出力する。
Vf×D=α×(Vdc*−Vdc)+β×∫(Vdc*−Vdc)
D={α×(Vdc*−Vdc)+β×∫(Vdc*−Vdc)}/Vf ………(8)
前述したように、Vg>Vbにおいて界磁電流Ifg=a×Vf×Dであり、この関係から(Vf×D)を界磁電流Ifgと見立ててフィードバック制御することが可能となる。つまり、界磁電源電圧VfとPWMデューティ比Dとの積をフィードバック制御することで、実質的に界磁電流Ifgをフィードバック制御しているような制御効果を得ることができる。また、界磁電源電圧Vfが大きい領域では、PWMデューティ比の重みを低電圧時と比べて小さく設定することができるので、界磁電源電圧の大きさを考慮した適切な制御を行うことができる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
この第2の実施形態は、前述した第1の実施形態のモータ制御部8Cにおいて、モータ4の制御方法として電圧変調を停止する負荷固定制御を適用しているのに対し、矩形波制御を適用するようにしたものである。
すなわち、第2の実施形態のモータ制御部8Cでは、図13に示す前述した第1の実施形態のモータ制御部8Cにおける負荷固定制御部134を図示しない矩形波制御部136に置換し、この矩形波制御部136で、図17に示す矩形波制御を行うようにしたことを除いては、第1の実施形態と同様の構成を有するため、その詳細な説明は省略する。
矩形波制御部136では、先ず、電圧位相演算部136aで、dq軸電圧指令値Vd*,Vq*、及びモータ4の磁極位置信号θに基づいて、次式をもとにモータ電圧位相θvを算出する。
θv=θ+tan-1(Vq*/Vd*) ………(9)
そして、スイッチングパターン演算部136bで、上記(9)式をもとに算出された電圧位相θvに基づいて、インバータ9に出力するスイッチング信号を生成する。インバータ9は、このスイッチング信号に応じた電圧を生成してモータ4へ印加することにより、矩形波電圧駆動が行われる。
つまり、本実施形態では、変調率固定の印加電圧としてPWMのデューティ比が高い状態で固定された矩形波電圧を適用し、この印加電圧をモータ4に印加することで当該モータ4を制御する。
このように、上記第2の実施形態では、モータ・インバータによるモータ制御にて矩形波制御を行うと共に、現在の発電機の発電状態に応じてモータ電圧位相を制御することで、前述した第1の実施形態と同様に、トルク指令値が急変した場合であっても、発電電力及びモータトルクの落ち込みが発生することなく、常に効率の良い動作点での作動を維持することができる。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
この第3の実施形態は、前述した第1及び第2の実施形態の発電機制御部8Bにおいて、出力電圧が目標電圧となるように発電機の界磁を制御しているのに対し、発電機の実界磁電流が目標界磁電流となるように制御するようにしたものである。
すなわち、第3の実施形態における発電機制御部8Bでは、図5に示す前述した第1及び第2の実施形態のおける目標動作点設定部105を、目標出力電力PGと発電機出力最大特性マップとに基づいて目標界磁電流Ifg*を算出する図示しない目標界磁電流設定部107に置換し、発電電力制御部106で図18に示す界磁電流制御を行うようにしたことを除いては、前述した第1及び第2の実施形態と同様の構成を有するため、その詳細な説明は省略する。
目標界磁電流設定部107では、目標発電電力決定部104から出力される目標出力電力PGと予め格納された発電機出力最大特性マップとに基づいて、図7に示すように、モータ使用可能電力PGに相当する電力一定線Pと、破線で示す発電機出力最大特性線ηとの交点である目標動作点(Vdc*,Idc*)を選定し、この目標電圧Vdc*及び目標電流Idc*をもとに、目標界磁電流Ifg*(出力可能特性線が図中Stとなるような発電機界磁電流)を算出する。
そして、発電電力制御部106では、図18に示すように、界磁電流センサで検出した実界磁電流Ifgと目標界磁電流Ifg*との偏差が零となるように、発電機界磁電流IfgをPWM制御する。
先ず、実界磁電流Ifgと目標界磁電流Ifg*との偏差ΔIfgをPI制御部141に出力し、PI制御部141で偏差ΔIfgに対してPI制御を施す。次いで、PWMデューティ指令値演算部142で、発電機7の界磁電流駆動回路のPWMデューティ比の指令値Dを演算する。これにより、Ifg*>IfgであるときPWMデューティ比を増加し、Ifg*<IfgであるときPWMデューティ比を減少するようにPWMデューティ指令値Dが演算される。
そして、このようにして出力されたPWMデューティ指令値DをPWM駆動部143で制御することで、界磁電流Ifgを制御することができ、結果として発電機7の界磁電流Ifgが目標界磁電流Ifg*となるように制御することができる。
なお、PI制御部141では、偏差ΔIfgに対してPI制御を施す代わりにPID制御を施すようにしてもよい。
つまり、本実施形態における発電電力制御部106では、現在の動作点(Vdc,Idc)が目標動作点(Vdc*,Idc*)となるように発電機7の界磁電流Ifgをフィードバック制御する、言い換えると、現在の動作点(Vdc,Idc)を含む現在の発電機出力特性線が、目標動作点(Vdc*,Idc*)を含む目標の発電機出力特性線となるように発電機7の界磁電流Ifgを制御することになる。
このように、上記第3の実施形態では、発電機界磁電流を検出する界磁電流センサを設け、発電機の動作点が目標動作点となるように発電機界磁電流をフィードバック制御するので、発電機制御の制御性を向上することができる。
本発明の実施形態を示す概略構成図である。 発電機の構造を示す図である。 図1の4WDコントローラの詳細を示すブロック図である。 図3の目標モータトルク演算部の詳細を示すブロック図である。 図3の発電機制御部の詳細を示すブロック図である。 電力制限値と目標出力電力との関係を示す図である。 目標動作点の選定方法を説明する図である。 第1の実施形態における発電電力制御部の詳細を示すブロック図である。 PWMデューティ比Dと界磁電流Ifgとの関係を示す特性図である。 従来装置における動作を説明する図である。 従来装置(負荷固定制御)における動作を説明する図である。 負荷固定制御時のモータ・インバータの動きを示す図である。 図3のモータ制御部の詳細を示すブロック図である。 電圧位相制御部の詳細を示すブロック図である。 負荷固定制御部の詳細を示すブロック図である。 本発明における動作を説明する図である。 矩形波制御部の詳細を示すブロック図である。 第3の実施形態における発電電力制御部の詳細を示すブロック図である。
符号の説明
1L、1R 前輪
2 エンジン
3L、3R 後輪
4 モータ
6 ベルト
7 発電機
8 4WDコントローラ
8A 目標モータトルク演算部
8B 発電機制御部
8C モータ制御部
8D TCS制御部
8E クラッチ制御部
9 インバータ
10 ジャンクションボックス
11 減速機
12 クラッチ
27FL、27FR、27RL、27RR 車輪速センサ
101 モータ必要電力演算部
102 目標発電電力演算部
103 発電電力制限部
104 目標発電電力決定部
105 目標動作点設定部
106 発電電力制御部
131 目標電流演算部
132 電圧位相制御部
133 Vd,Vq指令値演算部
134 負荷固定制御部
135 モータ界磁電流制御部

Claims (8)

  1. 主駆動輪を駆動する熱機関と、その熱機関で駆動される発電機と、当該発電機の電力がインバータを介して供給されて従駆動輪を駆動する交流モータとを備える車両用駆動制御装置において、
    前記交流モータが必要とするモータ必要電力に基づいて前記発電機の界磁を制御する界磁制御手段と、変調率固定の印加電圧を前記交流モータに印加することで当該交流モータを制御するモータ制御手段と、前記発電機の状態に基づいて、前記交流モータの電圧位相を目標電圧位相まで徐々に変化させる位相制御手段とを備えることを特徴とする車両用駆動制御装置。
  2. 前記発電機の発電状態に基づいて、前記発電機の目標出力電流を演算する目標出力電流演算手段を有し、前記位相制御手段は、前記発電機の出力電流が前記目標出力電流となるように前記交流モータの電圧位相を制御することを特徴とする請求項1に記載の車両用駆動制御装置。
  3. 前記目標出力電流演算手段は、前記発電機の出力電圧及び出力電流から決定する動作点を含む発電機出力特性線上で当該発電機の出力電力が最大となる動作点を選定し、その動作点の出力電流を前記目標出力電流とすることを特徴とする請求項2に記載の車両用駆動制御装置。
  4. 前記モータ制御手段は、前記印加電圧として変調率固定のPWM波電圧を適用することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の車両用駆動制御装置。
  5. 前記モータ制御手段は、前記印加電圧として矩形波電圧を適用することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の車両用駆動制御装置。
  6. 前記界磁制御手段は、前記交流モータが必要とするモータ必要電力に基づいて前記発電機の目標動作点を設定する目標動作点設定手段と、該目標動作点設定手段で設定された目標動作点に基づいて前記発電機の界磁を制御する発電機出力制御手段とを備えることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の車両用駆動制御装置。
  7. 前記発電機出力制御手段は、前記発電機の出力電圧が前記目標動作点の電圧となるように前記発電機の界磁を制御することを特徴とする請求項6に記載の車両用駆動制御装置。
  8. 前記発電機の界磁電流を検出する界磁電流検出手段を備え、前記発電機出力制御手段は、前記発電機の出力電圧及び出力電流から決定される動作点が前記目標動作点となるように、前記界磁電流検出手段で検出された界磁電流をフィードバック制御することを特徴とする請求項6に記載の車両用駆動制御装置。
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