JP2007245417A - 印刷装置および印刷方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】版胴に保持された印刷版を用いて台上に載置された被印刷体に印刷するとき、その印刷精度を向上させる印刷装置および印刷方法を提供する。
【解決手段】載置台3が被印刷体Sをその上面に載置し、円筒軸を中心に版胴1を回動させながら、版胴1の下部空間を載置台3が通過する方向へ載置台3と版胴1とが相対移動する。印刷版2は、その外縁部が版胴1の円筒面と当接してその円筒面に巻設される。インキ供給部は、印刷版2にインキを供給する。相対移動によって版胴1と載置台3とが最も接近するときのその載置台3に載置された被印刷体Sと印刷版2との隙間を調整して、被印刷体Sとその印刷版2とを近接させる。印刷版2の外縁部を除いた部位と版胴1の円筒面との間には、空間が形成される。
【選択図】図2

Description

本発明は、印刷装置および印刷方法に関し、より特定的には、版胴に保持された印刷版を用いて台上に載置された被印刷体に印刷する印刷装置および印刷方法に関する。
従来、円筒状のいわゆる版胴の側面に凸版、平版、凹版、グラビア版等の印刷版を巻き付け、印刷版から被印刷体にインキを転写し、転写した後の版離れを良くする印刷方式がある。このような印刷方式を用いた印刷で精密パターンを形成する場合、印刷版、当該印刷版を固定する版胴、および被印刷体に対して、それぞれの面精度を高める必要がある。
例えば、被印刷体に50〜100μm程度のパターンを印刷する場合、印刷版上のインキの厚みが数十μmであるため、転写ポイントにおける印刷版から被印刷体までの隙間が十μm前後となるように位置調整する必要がある。しかしながら、液晶用のカラーフィルタをパターンとして印刷する場合、被印刷体がガラス基板となる。比較的小さなサイズであるG2サイズ(370×470mm)のガラス基板を想定した場合、当該ガラス基板の厚み変動だけで10〜20μm以上ある。また、版胴の真円度や真直度の変動も10μm前後あるため、これらの変動がガラス基板への転写挙動に大きく影響する。さらに、印刷版については、アルミ基材の平板で平面度の変動が数十μmあり、弾性体で構成されるフレキソ版ではさらに精度が悪い。なお、フレキソ印刷においては、フレキソ版(凸版)を被印刷体に強く押しつけることによってどの転写ポイントにおいても印刷版と被印刷体とが接触するが、押しつけの強い部位で印刷版の変形が大きくなり、転写後のインキにも不要な圧力が加えられるため、印刷精度が低下する。
このような転写精度(印刷精度)を向上させるために、印刷版と版胴との間に弾性体を入れて印刷する方式が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−20130号公報
上記特許文献1で開示された印刷方式では、印刷版と被印刷体とが直接接触した場合に、印刷版と版胴との間に介在する弾性体が印刷時のクッションとして作用する。しかしながら、印刷版を変形させてしまうほどの大きな反発力が印刷版と版胴との間に介在する弾性体から生じることもあり、カラーフィルタのような精密部材の印刷の場合には印刷精度が低下することがある。
それ故に、本発明の目的は、版胴に保持された印刷版を用いて台上に載置された被印刷体に精密印刷をするとき、その印刷精度を向上させる印刷装置および印刷方法を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、以下に述べるような特徴を有している。
第1の発明は、被印刷体にインキを転写して印刷する印刷装置である。印刷装置は、載置台、円筒状の版胴、相対移動手段、印刷版、インキ供給部、および隙間調整手段を備える。載置台は、被印刷体をその上面に載置する。相対移動手段は、円筒軸を中心に版胴を回動させながら、載置台と版胴とを相対移動させる。印刷版は、その外縁部が版胴の円筒面と当接してその円筒面に巻設される。インキ供給部は、印刷版にインキを供給する。隙間調整手段は、相対移動手段による相対移動によって版胴と載置台とが最も接近するときのその載置台に載置された被印刷体と印刷版との隙間を調整して、被印刷体とその印刷版とを近接させる。印刷版の外縁部を除いた部位と版胴の円筒面との間には、空間が形成される。
第2の発明は、上記第1の発明において、圧力調整部を、さらに備える。圧力調整部は、空間内の圧力を調整する。
第3の発明は、上記第2の発明において、圧力調整部は、印刷開始前の空間内の圧力を大気圧以上に調整する。
第4の発明は、上記第1の発明において、隙間調整手段は、被印刷体が実質的に印刷版に供給されたインキのみと接する距離に隙間を調整する。
第5の発明は、上記第1の発明において、印刷装置は、隙間検出手段を、さらに備える。隙間検出手段は、相対移動手段による相対移動によって版胴と載置台とが最も接近するときのその載置台に載置された被印刷体と印刷版との隙間を予め検出する。隙間調整手段は、隙間検出手段が検出した最大隙間が印刷版に供給されるインキ膜厚以下となる距離に隙間を調整する。
第6の発明は、上記第1の発明において、クランプ機構を、さらに備える。クランプ機構は、印刷版を版胴の円筒軸方向へ張った状態で版胴の円筒面に張着する。
第7の発明は、被印刷体にインキを転写して印刷する印刷方法である。印刷方法は、印刷版の外縁部を円筒状の版胴の円筒面に当接させ、その印刷版の外縁部を除いた部位とその版胴の円筒面との間に空間を形成してその印刷版を巻設する工程と、被印刷体を載置台の上面に載置する工程と、版胴と載置台とが最も接近するときのその載置台に載置された被印刷体と印刷版との隙間を調整して、被印刷体とその印刷版とを近接させる工程と、印刷版にインキを供給する工程と、円筒軸を中心に版胴を回動させながら、載置台と版胴とを相対移動させて、印刷版に供給されたインキを被印刷体に転写する工程とを含む。
上記第1の発明によれば、印刷版と被印刷体との隙間の変動に応じて当該印刷版が空間側へ追随して移動することによって、インキの転写を確保しながら高精度な印刷が行える。
上記第2の発明によれば、印刷版に作用する反発力を調整することができる。
上記第3の発明によれば、被印刷体に形成された全体的な凹凸形状に合わせて印刷版2の形状を変化させることができる。例えば、被印刷体の中央部が凹んだ形状である場合、版胴に巻き付けられた印刷版が圧力の上昇に応じて中央部から膨らんだ形状となり、被印刷体の凹んだ部位に対して印刷版を近づけることができる。
上記第4の発明によれば、インキの転写を確保しながら印刷版と被印刷体とが実質的に非接触となった高精度な印刷が行える。
上記第5の発明によれば、被印刷体と印刷版との隙間が縮小する際、印刷版が空間側へ追随して移動するため、インキの転写を確保しながら印刷版と被印刷体とが実質的に非接触となった高精度な印刷が行える。
上記第6の発明によれば、版胴の円筒面に沿った形状で印刷版を版胴に固定することができる。
本発明の印刷方法によれば、上述した本発明の印刷装置と同様の効果を得ることができる。
図1〜図3を参照して、本発明の一実施形態に係る印刷装置について説明する。なお、図1は、当該印刷装置の側面概要図である。図2は、図1に示す断面CCをD方向から見た版胴1の断面図である。図3は、版胴1内部に形成される流路を通る断面における版胴1および載置台3の側断面図である。
図1において、当該印刷装置は、版胴1、印刷版2、載置台3、圧力調整部4、配管5、インキ供給部6、および変位計測部7を備えている。被印刷体Sは、例えばガラス基板のような板状部材であり、載置台3上に載置されてその上面に所定のインキが転写される。
版胴1は、図示x軸方向を回転軸とした円筒形状を有しており、その側面に印刷版2が巻き付けられて固定される。そして、版胴1は、印刷版2を円筒面に支持した状態で上記回転軸を中心に図示B方向へ回動可能に設けられ、図示しない相対移動機構からの駆動力を受けて所定の回転速度で回動する。印刷版2は、例えばステンレスで構成される薄板状の凸版である。なお、版胴1および印刷版2の構造についての詳細については後述する。
版胴1の下方空間には載置台3が配設される。載置台3の上面には、被印刷体Sが載置される。載置台3は、図示y軸方向へ平行移動可能に設けられており、図示しない相対移動機構からの駆動力を受けて所定の平行移動速度で移動する。そして、載置台3は、図示A方向に移動することによって版胴1の下部空間を通過する。このとき、予め載置台3に載置された被印刷体Sと版胴1に固定された印刷版2との間に生じる隙間が所定の範囲内になるように、版胴1および/または載置台3における図示z軸方向の位置が調整される。
インキ供給部6は、例えば、その軸線方向が版胴1の軸線方向に向けて配置されたローラと、当該ローラの外周面に対する開度を調整可能に構成されたインキキーとを備えている。上記ローラとインキキーとで構成されるインキつぼ内に、被印刷体Sに転写するインキが貯留される。そして、インキ供給部6のローラの円筒面は、版胴1の円筒面と当接して設置される。インキ供給部6は、ローラを図示反時計方向に回転させると、インキキーのローラに対する開度に応じたインキの薄膜が当該ローラの表面上に形成される。そして、ローラ上に形成されたインキの薄膜は、当該ローラと当接する版胴1や印刷版2に供給される。
変位計測部7は、例えばレーザ変位計によって構成され、載置台3に載置された被印刷体Sの高さ方向(図示z軸方向)の変位を計測する。そして、変位計測部7で計測された変位量に基づいて、予め載置台3に載置された被印刷体Sと版胴1に固定された印刷版2との間に生じる隙間が所定の範囲内(印刷版2に供給されたインキが被印刷体Sに接触するが、印刷版2と被印刷体Sとは直接当接しない状態)になるように、版胴1および/または載置台3における図示z軸方向の位置が調整される。
上記相対移動機構は、載置台3に被印刷体Sを載置して図示A方向に移動して版胴1の下部空間を通過させる際、載置台3の移動速度に応じて互いに速度差が生じないように図示B方向へ版胴1を回動させる。これによって、載置台3に載置された被印刷体Sと印刷版2とが所定の隙間を維持して対向し、当該印刷版2に供給されたインキが被印刷体Sに転写されていく。
圧力調整部4は、版胴1および圧力調整部4とを接続する配管5を介して、版胴1内部に形成された空間の圧力を調整する。圧力調整部4が調整する圧力は、大気圧に対して微量であり、印刷版2が被印刷体S等からの押圧を受けない状態で、後述する空間R内の圧力が大気圧または大気圧より若干高い圧力になるように制御する。したがって、圧力調整部4は、配管5の内部空間と連通する空間に対して、例えば所定のピストンを挿入/逸脱させることによって版胴1内部に形成された空間の圧力を調整する。この場合、版胴1内部に形成された空間の圧力は、上記ピストンが配管5の内部空間と連通する空間に対して挿入/逸脱するストローク量によって管理することが可能となる。
なお、後述により明らかとなるが、被印刷体Sと印刷版2との間に生じる隙間は、インキ膜厚および被印刷体Sの上記変位量に応じて、版胴1および/または載置台3を予め微動させるが、上記隙間をセンサで実測して制御してもかまわない。例えば、版胴1に設けられた偏心軸を用いた隙間調整機構や、載置台3を図示z軸方向へ微動させる移動機構を用いて、上記隙間を変化させる。また、版胴1や載置台3の左右端の上下位置を個別に調整して、上記隙間を変化させてもかまわない。さらに、被印刷体Sの変位量を当該被印刷体Sの座標位置に位置に応じて計測し、当該変位量に応じて版胴1の回転と共に上記隙間調整を行ってもかまわない。
次に、図2および図3を参照して、版胴1および印刷版2の構造について説明する。版胴1の円周面と印刷版2との間には、空間Rが形成される。具体的には、版胴1の円筒面には、使用する被印刷体Sに対して想定される最大変位に応じた、例えば数十μm程度の微細な凹部が形成されており、印刷版2は、その外縁部のみが版胴1の円筒面と当接してクランプされることで、外縁部を除いた部位と版胴1との間には空間Rが形成される。なお、版胴1の円筒面の印刷版2と当接する外縁部に数十μm程度のシール部材等を貼着させて、版胴1の円筒面と印刷版2との間に空間Rを形成するようにしてもかまわない。
版胴円周方向(図示x軸方向を中心とした周方向)に沿った印刷版2の外縁部(以下、左右外縁部と記載する)は、それぞれクランプ11によって版胴1の円筒面に挟持される。また、版胴軸方向(図示x軸方向)に沿った印刷版2の外縁部(以下、前後外縁部と記載する)は、それぞれクランプ13によって版胴1の円筒面に挟持される。ここで、クランプ11は、版胴軸方向へ印刷版2を引っ張った状態で印刷版2の左右外縁部を挟持して、当該印刷版2を張着するのが好ましい。これによって、印刷版2が版胴1の円筒面に沿った形状で版胴1に固定することができる。クランプ11および13としては、印刷版2を機械的に挟持する方式の他に、磁力や吸引を用いた固定方式や固定ピンに嵌合させる方式等を採用してもかまわない。なお、図2から明らかなように、クランプ11および13と載置台3や当該載置台3上の被印刷体Sとは、直接当接しないように配置されている。また、上述したように、印刷版2は、供給されたインキが被印刷体Sに接触するが、印刷版2と被印刷体Sとは直接当接しない状態で被印刷体Sと対向するように、版胴1と載置台3との間の距離が調整される。
クランプ11または13によって挟持される印刷版2の外縁部と版胴1との間には、その外縁部全周にシール部12が設けられ、外部空間に対する空間R内の気密が保たれる。また、空間Rは、配管5の内部空間と連通している。したがって、空間Rの内部圧力は、圧力調整部4によって調整される。
次に、図4を参照して、印刷版2と被印刷体Sとが対向する状態について説明する。なお、図4は、印刷版2と被印刷体Sとが対向する状態の一例を示す図である。
ここで、背景技術でも説明したように、被印刷体SがG2サイズ(370×470mm)のガラス基板である場合、その厚みの変動が10〜20μm以上ある。また、版胴1の真円度や真直度の変動も10μm前後ある。さらに、印刷版2の平面度(真円度)の変動も数十μmある。つまり、これらの寸法精度を考慮しながら、印刷版2に供給されたインキ(例えば、厚さ10〜20μm)を被印刷体Sに接触させながら、印刷版2と被印刷体Sとを直接当接させないように、印刷版2と被印刷体Sとの隙間を調整しなければならない。
本発明の印刷装置では、変位計測部7で予め計測した被印刷体Sの高さ方向(図示z軸方向)の変位に基づいて、印刷版2と被印刷体Sとの隙間が最も大きくなる部位(以下、最大隙間と記載する)においても、印刷版2に供給されたインキが接触するように版胴1および/または載置台3におけるz軸方向の位置を調整する。
しかしながら、上述したように版胴1および/または載置台3におけるz軸方向の位置を調整した場合、被印刷体Sの厚みの変動等によって印刷版2と被印刷体Sとの隙間が上記最大隙間より小さくなる部位が発生する。例えば、図4に示すように、被印刷体Sと印刷版2との隙間が小さくなる方向に変動幅Hsだけ変動した状態を想定する。このとき、印刷版2には、インキIを介して版胴1側に押し上げられる力が加わる。しかしながら、印刷版2と版胴1との間には空間Rが介在しているため、空間Rがない場合と比較して上記押し上げ力に対する印刷版2の反発力が非常に小さい。したがって、印刷版2は、被印刷体Sとの間にインキIが介在した状態を保って、高さHp(Hp≦Hs)だけ空間R側へ移動して、上記隙間の変動に追随する。ここで、印刷版2の反発力が非常に小さい場合、上述したような隙間の変動があってもインキIのつぶれ代に大きな影響はなく、印刷版2と被印刷体Sとが実質的に非接触となり、高精度な印刷が行える。
次に、図5および図6を参照して、印刷版2に加わる力について検証する。図5に示すように、印刷版2をステンレス薄板で構成した場合を想定して、ステンレス薄板の両端を張った梁を考える。この梁の断面は、厚さh=0.1mm、幅b=10mmとする。このとき、梁の断面慣性モーメントI=bh3/3で表され、I≒3.3×10-3mm4となる。そして、ステンレスの縦弾性係数E=2.05×105N/mm2≒2.1×104/mm2とする。なお、上記梁は、両サイドに張っていなくても、後述する変形に要する力が弾性変形領域内である限り同じである。
また、被印刷体SのサイズをG2サイズ(370mm×470mm)を想定し、梁の長さL=370mmとする。そして、梁中央位置x(x=L/2=185mm)において、30μmのひずみy(つまり、y=30μm=3×10−2mm)が梁に生じる場合を想定する。ここで、印刷版2の上下間の圧力差、すなわち印刷版2の下面に作用する大気圧に対して空間Rの大気圧からの圧力上昇分を、梁に作用する分布荷重w(kgf/mm;図示矢印群)として考える。この場合、
y=wx2(L−x)2/(24EI)
となる。この数式に、上記数値を代入すると、w≒2.65×10-8kgf/cmとなる。ここで、図5に示した梁の幅b=1cmであるため、長さLに対する長さ1cmあたりの分布荷重wが印刷版2に加えられる圧力増加分(すなわち、圧力増加分=2.65×10-8kgf/cm2)となる。この圧力増加分は、大気圧(1.03kgf/cm2)と比較すると極めて小さな圧力増加であり、印刷版2の一部が空間R側へ30μm移動しても印刷版2が空間Rから受ける反発力が非常に小さいことがわかる。また、印刷版2全体にかかる荷重は、4.6×10-4kgfとなり、非常に小さな荷重である。
さらに、印刷版2は、クランプ11および13によって版胴1の円筒面に挟持されているため、その張力による反発力が上記空間Rから受ける反発力に加わる。図6に示すように、長さL=370mmの印刷版2の中央部が高さHp=30μmだけ変形する場合を考える。ここで、印刷版2は、円弧状に変形していると近似し、その円弧半径をrおよび円弧角度をθとする。このとき、
Rsinθ=L/2
Rcosθ=R−Hp
であるので、
R=(L2/4+Hp2)/2Hp
となる。また、
θ=sin-1(L/2/R)
であるので、円弧長C=Rθ=370.00001mmとなる。この場合、印刷版2の伸びε=1.0×10-5mmとなるため、印刷版2に加わる引張り応力は、ε×E/L≒5.7×10-4kgf/mm2となり、非常に小さな引張り応力である。
一方、背景技術で説明したような弾性体を印刷版と版胴との間に入れて印刷する方式について検証する。印刷版を本実施例の印刷版2と同様のものを用い、その裏面に厚さ5mm、初期弾性率0.4kgf/mm2のゴム製の板状部材を配置する一例を想定する。このとき、上記板状部材の全体を平均15μm圧縮させるために必要な圧力は、0.12kgf/mm2となる。また、印刷版2全体にかかる荷重は、約210kgfとなる。したがって、本実施形態における空間Rを介在させる方式の圧力増加分(2.65×10-8kgf/cm2)は、弾性体を印刷版と版胴との間に入れて印刷する方式と比較すると、極めて小さな圧力であることがわかる。また、本実施形態における空間Rを介在させる方式で印刷版2全体にかかる荷重(4.6×10-4kgf)は、弾性体を印刷版と版胴との間に入れて印刷する方式と比較すると、極めて小さな荷重であることがわかる。また、弾性体を印刷版と版胴との間に入れて当該印刷版を変形させるための応力は、上述した印刷版2と同様である。したがって、従来と比較すると、印刷版2を空間R側へ移動させたときに生じる反発力が極めて小さいことがわかる。
なお、圧力調整部4が空間R内の圧力を大気圧より高い圧力に制御することによって、被印刷体Sに形成された全体的な凹凸形状に合わせて印刷版2の形状を変化させることもできる。例えば、被印刷体Sの中央部が凹んだ形状である場合、圧力調整部4が空間R内の圧力を大気圧より高い圧力に制御することによって、印刷版2を被印刷体Sに沿わせた形状に変形させることも可能である。具体的には、変位計測部7によって計測された被印刷体Sの高さ方向の変位が、当該被印刷体Sの中央部の凹みを示しているとき、当該凹み深さに応じて空間R内の圧力を上昇させる。これによって、版胴1に巻き付けられた印刷版2が圧力の上昇に応じて中央部から膨らんだ形状となり、被印刷体Sの凹んだ部位に対しても印刷版2を近づけることができる。また、被印刷体Sの上面に形成された凹凸に応じて、圧力調整部4が調整する圧力を可変にしてもかまわない。
また、圧力調整部4が空間R内の圧力を制御することによって、印刷版2に作用する変形抵抗を調整することができる。つまり、印刷版2に作用する反発力を調整することが可能となり、被印刷体やインキの種別、印刷版の材質等に応じて、印刷版と被印刷体との隙間を適切な状態に調整することができる。
また、図4を用いて、印刷版2と被印刷体Sとの隙間が小さくなる場合に印刷版2が上昇して当該隙間の変動に追随する例を説明したが、当該隙間が大きくなる場合もその変動に印刷版2が追随することもあり得る。例えば、印刷版2に供給するインキによって当該印刷版2と被印刷体Sとを引き寄せる力が働く。一方、この引き寄せ力に対して印刷版2に加わる反発力は、版胴1から離れる方向に対しても非常に小さいことは明らかである。したがって、印刷版2は、供給されるインキの引き寄せ力によって、上記隙間が大きくなる場合もその変動に印刷版2が追随する。つまり、印刷版2は、上記隙間が縮小する場合だけでなく上記隙間が拡大する場合もその変動に追随することができ、印刷版2と被印刷体Sとが実質的に非接触となった高精度な印刷が行える。また、印刷版2と被印刷体Sとの隙間が最大隙間となる部位と、印刷版2に供給されたインキ膜厚との接触について、正確な調整が不要となり、版胴1および/または載置台3におけるz軸方向の位置を調整する作業が容易となる。
このように、本実施形態に係る印刷装置では、印刷版2と被印刷体Sとの隙間の変動に応じて当該印刷版2が追随して移動することによって、インキの転写を確保しながら印刷版2と被印刷体Sとが実質的に非接触となった高精度な印刷が行える。
なお、印刷版2は、上述したようにステンレス薄板であるが、代表的には426合金(42Ni6Cr52Fe)等で構成される。また、印刷版2は、フレキソ印刷に用いられる弾性率が相対的に低い樹脂で構成されたフレキソ版でもかまわない。例えば、印刷版2がポリミド樹脂等で構成された薄板状の版であっても、印刷版2の変形が防止されるため印刷精度が向上する。
また、本実施形態の印刷装置で対象となる被印刷体Sは、例えば液晶用のカラーフィルタをパターンとして印刷するガラス基板がある。しかしながら、ガラス基板を被印刷体Sとして、その主面に所定のパターン形状で正孔輸送材料や有機EL材料を印刷する等、他のFPD(Flat Panel Display)の製造に本印刷装置を用いてもかまわない。また、プリント基板を被印刷体Sとした電極印刷に本印刷装置を用いてもよく、様々な被印刷体に対する精密印刷を期待できる。
また、上述した説明では、被印刷体Sを載置する載置台3をY軸正方向へ移動させながら版胴1を回動させて印刷を行っているが、載置台3を固定して版胴1自体を上述とは逆のY軸負方向へ移動させてもかまわない。版胴1と載置台3との少なくとも一方が相対的にY軸方向に移動すれば、同様の印刷が可能であることは言うまでもない。
また、上述した説明では、空間R内には気体(例えば、空気)が存在しており、その気体の圧力を圧力調整部4が調整しているが、他の物質を空間Rおよび配管5内に封入してもかまわない。例えば、水等の液体を空間Rおよび配管5内に封入することによって、気体よりも変形抵抗を大きくして印刷版2を支持することができる。
本発明に係る印刷装置および印刷方法は、印刷精度を向上させることができ、版胴に保持された印刷版を用いて台上に載置された被印刷体等に印刷する装置やその方法として有用である。
本発明の一実施形態に係る印刷装置の側面概要図 図1に示す断面CCをD方向から見た版胴1の断面図 版胴1内部に形成される流路を通る断面における版胴1および載置台3の側断面図 印刷版2と被印刷体Sとが対向する状態の一例を示す図 ステンレス薄板の両端を張った梁を示す図 印刷版2の中央部が変形した状態を示す図
符号の説明
1…版胴
11、13…クランプ
12…シール部
2…印刷版
3…載置台
4…圧力調整部
5…配管
6…インキ供給部
7…変位計測部

Claims (7)

  1. 被印刷体にインキを転写して印刷する印刷装置であって、
    被印刷体をその上面に載置する載置台と、
    円筒状の版胴と、
    円筒軸を中心に前記版胴を回動させながら、前記載置台と前記版胴とを相対移動させる相対移動手段と、
    その外縁部が前記版胴の円筒面と当接して当該円筒面に巻設された印刷版と、
    前記印刷版にインキを供給するインキ供給部と、
    前記相対移動手段による相対移動によって前記版胴と前記載置台とが最も接近するときの当該載置台に載置された被印刷体と前記印刷版との隙間を調整して、被印刷体と当該印刷版とを近接させる隙間調整手段とを備え、
    前記印刷版の前記外縁部を除いた部位と前記版胴の円筒面との間には、空間が形成される、印刷装置。
  2. 前記空間内の圧力を調整する圧力調整部を、さらに備える、請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記圧力調整部は、印刷開始前の前記空間内の圧力を大気圧以上に調整する、請求項2に記載の印刷装置。
  4. 前記隙間調整手段は、被印刷体が実質的に前記印刷版に供給されたインキのみと接する距離に前記隙間を調整する、請求項1に記載の印刷装置。
  5. 前記印刷装置は、前記相対移動手段による相対移動によって前記版胴と前記載置台とが最も接近するときの当該載置台に載置された被印刷体と前記印刷版との隙間を予め検出する隙間検出手段を、さらに備え、
    前記隙間調整手段は、前記隙間検出手段が検出した最大隙間が前記印刷版に供給されるインキ膜厚以下となる距離に前記隙間を調整する、請求項1に記載の印刷装置。
  6. 前記印刷版を前記版胴の円筒軸方向へ張った状態で前記版胴の円筒面に張着するクランプ機構を、さらに備える、請求項1に記載の印刷装置。
  7. 被印刷体にインキを転写して印刷する印刷方法であって、
    印刷版の外縁部を円筒状の版胴の円筒面に当接させ、当該印刷版の外縁部を除いた部位と当該版胴の円筒面との間に空間を形成して当該印刷版を巻設する工程と、
    被印刷体を載置台の上面に載置する工程と、
    前記版胴と前記載置台とが最も接近するときの当該載置台に載置された被印刷体と前記印刷版との隙間を調整して、被印刷体と当該印刷版とを近接させる工程と、
    前記印刷版にインキを供給する工程と、
    円筒軸を中心に前記版胴を回動させながら、前記載置台と前記版胴とを相対移動させて、前記印刷版に供給されたインキを被印刷体に転写する工程とを含む、印刷方法。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103568522A (zh) * 2012-07-18 2014-02-12 株式会社小村技术 印刷装置
JP5830146B1 (ja) * 2014-09-01 2015-12-09 株式会社太陽機械製作所 印刷方法

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