上記課題を解決するために、請求項1記載の遊技機のドラム式表示装置は、外側ドラムと内側ドラムとが二重に配置された遊技機のドラム式表示装置であって、前記外側ドラムと前記内側ドラムとの少なくとも一方が回転軸方向に移動可能であり、前記外側ドラムと前記内側ドラムとが重なった第1状態と、前記外側ドラムと前記内側ドラムとが重なっていない第2状態とを呈することを特徴とする。請求項1記載の遊技機のドラム式表示装置によれば、所定条件の成立に応じて内部抽選を実施し、その抽選結果に基づいて表示された表示部の図柄配列に応じて遊技者に特典を付与する遊技機において、図柄表示部としてドラムを採用し、そのドラムを二重構造にし、演出に応じて外側ドラムあるいは内側ドラムを回転軸方向にスライド移動させることで、それまで遊技者から目視できなかった外側ドラムあるいは内側ドラムを出現させ、それまでとは異なった図柄で図柄変動を行うようにすることで、従来にない演出を実現し、遊技者に従来にない意外性や興趣を与えることができる。
請求項2記載の遊技機のドラム式表示装置は、請求項1記載の遊技機のドラム式表示装置において、前記外側ドラムの外周部には複数種類の図柄が描かれた外側図柄表示面が形成され、前記内側ドラムの外周部には1つあるいは複数の図柄が描かれた内側図柄表示面が形成されており、前記外側ドラムは回転軸方向に移動可能に構成され、前記内側ドラムと前記外側ドラムとが重なった第1状態では遊技者から前記外側図柄表示面が目視可能になり、前記外側ドラムが移動した第2状態では遊技者から前記内側図柄表示面が目視可能になることを特徴とする。請求項2記載の遊技機のドラム式表示装置によれば、所定条件の成立に応じて内部抽選を実施し、その抽選結果に基づいて表示された表示部の図柄配列に応じて遊技者に特典を付与する遊技機において、図柄表示部としてドラムを採用し、そのドラムを二重構造にし、演出に応じて外側ドラムを回転軸方向にスライド移動させることで、内側ドラムと外側ドラムとが重なった状態では遊技者から外側図柄表示面を目視可能とし、外側ドラムが移動した状態では遊技者から内側図柄表示面を目視可能とすることにより、それまでとは異なった図柄で図柄変動を行うようにすることで、従来にない演出を実現し、遊技者に従来にない意外性や興趣を与えることができる。
請求項3記載の遊技機のドラム式表示装置は、請求項1または2記載の遊技機のドラム式表示装置において、回転軸方向に並んだ複数の前記内側ドラムと、複数の前記内側ドラムの外側に重ねて配置可能な前記外側ドラムとが設けられ、前記外側ドラムが複数の前記内側ドラムの間を移動可能であることを特徴とする。請求項3記載の遊技機のドラム式表示装置によれば、所定条件の成立に応じて内部抽選を実施し、その抽選結果に基づいて表示された表示部の図柄配列に応じて遊技者に特典を付与する遊技機において、図柄表示部としてドラムを採用し、そのドラムを二重構造にし、演出に応じて外側ドラムを回転軸方向にスライド移動させることで、隣の内側ドラムに被せて元の位置の内側ドラムを出現させることにより、それまでとは異なった図柄で図柄変動を行うようにすることで、従来にない演出を実現し、遊技者に従来にない意外性や興趣を与えることができる。
請求項4記載の遊技機のドラム式表示装置は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の遊技機のドラム式表示装置において、回転軸方向に並んだ複数の前記内側ドラムと、1つあるいは複数の前記外側ドラムとが設けられ、前記外側ドラムはいずれかの前記内側ドラムと重なって当該内側ドラムの図柄を遊技者から見えないように隠し、遊技者から見える前記内側ドラムの図柄と前記外側ドラムの図柄との組み合わせにより遊技の結果を示すことを特徴とする。請求項4記載の遊技機のドラム式表示装置によれば、所定条件の成立に応じて内部抽選を実施し、その抽選結果に基づいて表示された表示部の図柄配列に応じて遊技者に特典を付与する遊技機において、図柄表示部としてドラムを採用し、そのドラムを二重構造にし、演出に応じて外側ドラムを回転軸方向にスライド移動させることで、外側ドラムはいずれかの内側ドラムと重なって当該内側ドラムの図柄を遊技者から見えないように隠し、遊技者から見える内側ドラムの図柄と外側ドラムの図柄との組み合わせで遊技の結果を示すようにしたことにより、それまでとは異なった図柄で図柄変動を行うようにすることで、従来にない演出を実現し、遊技者に従来にない意外性や興趣を与えることができる。
請求項5記載の遊技機のドラム式表示装置は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の遊技機のドラム式表示装置において、遊技者が操作可能な操作手段を備え、遊技者が前記操作手段を操作することで移動可能なドラムを移動させることが可能なことを特徴とする。請求項5記載の遊技機のドラム式表示装置によれば、所定条件の成立に応じて内部抽選を実施し、その抽選結果に基づいて表示された表示部の図柄配列に応じて遊技者に特典を付与する遊技機において、図柄表示部としてドラムを採用し、そのドラムを二重構造にし、遊技者が操作手段を操作することを契機として二重構造のドラムのうちの移動可能なドラム(外側ドラムまたは内側ドラムあるいは両ドラム)を移動させることにより、図柄配列を変化させ、従来にない演出を実現し、遊技者に従来にない意外性や興趣を与えることができる。
図1は、本発明の実施例1に係るドラム式表示装置10を配設する遊技機1を示す正面模式図である。この遊技機1は、パチンコ遊技機であり、台枠に取り付けられた透明ガラス板でなる前面扉2と、台枠の内側に配置されて前面扉2によって覆われる遊技盤3と、遊技盤3の左右の斜め下方に配設された左右一対のスピーカ4a,4bと、遊技盤3の下方に設けられた玉供給皿5と、玉供給皿5の右方(図1で見て)に設けられた、玉の発射装置110(図11参照)を操作するハンドル6とを含んで構成されている。なお、図1中、符号106は、ランプ類(図11参照)を示す。
遊技盤3は、遊技盤3のほぼ中央位置に配設されたドラム式表示装置10と、ドラム式表示装置10の左方(図1で見て)に設けられた通過ゲート11と、ドラム式表示装置10の下方に設けられた第1始動入賞装置12と、第1始動入賞装置12の下方に設けられた、いわゆる電動チューリップ(以下、電チューと略記する)である第2始動入賞装置13と、第2始動入賞装置13の下方に設けられた大入賞装置14と、大入賞装置14の下方に設けられた玉排出口15と、ドラム式表示装置10の左斜め下(図1で見て)に設けられた普図表示部16と、ドラム式表示装置10の右斜め下(図1で見て)に設けられた特図表示部18とを含んで構成されている。
ドラム式表示装置10は、図2に示すように、2行3列の図柄表示が可能となっており、ダミー図柄を使ったリーチ演出などを行い、特図(特別図柄)の抽選結果により決定された3桁のアラビア数字等のキャラクタでなる特図を表示する。ドラム式表示装置10の左図柄,中図柄および右図柄のそれぞれの図柄が図柄変動開始と同時に縦にスクロールし、所定時間経過後に停止表示する。有効ラインは、上行および下行の2ラインである。各ライン上の3つの図柄が同じキャラクタで停止したならば、大当たりとなる。
図3(a)は、突確(突然確変)図柄の一例を示す。突確図柄は、右図柄に縦に「V」字の図柄(以下、単にV図柄と表記する)が1つ(左図柄および中図柄は何でもよい)である。この例では、V図柄が上行に出現することにより、突然確変の大当たり(小当たり)となっている。なお、V図柄の出現位置は、下行であってもよい。図3(b)は、確変図柄の一例を示す。確変図柄は、「111」、「333」、「555」、「777」、および右図柄に縦にV図柄が2つ(左図柄および中図柄は何でもよい)である。この例では、上行および下行にV図柄が揃うことにより、確変の大当たりとなっている。図3(c)は、確変図柄の他の例を示す。この例では、上行に「777」の図柄が揃うことにより、確変の大当たりとなっている。図3(d)は、非確変図柄の一例を示す。非確変図柄は、「222」、「444」、「666」である。この例では、上行に「444」の図柄が揃うことにより、非確変の大当たりとなっている。
図4は、本実施例1に係るドラム式表示装置10を示す断面図である。本実施例1に係るドラム式表示装置10は、左列のドラム部41と、中列のドラム部42と、右列のドラム部43とが、並置されて構成されている。左列のドラム部41は、固定ステー51と、固定ステー51に固着された内側ドラム用ステッピングモータ(内側ドラム用モータ)52と、内側ドラム用モータ52に回転自在に取り付けられた内側ドラム53と、内側ドラム53の外周に貼付された左列の図柄シート54とから構成されている。中列のドラム部42は、固定ステー61と、固定ステー61に固着された内側ドラム用ステッピングモータ(内側ドラム用モータ)62と、内側ドラム用モータ62に回転自在に取り付けられた内側ドラム63と、内側ドラム63の外周に貼付された中列の図柄シート64とから構成されている。右列のドラム部43は、固定ステー71,固定ステー71に固着された内側ドラム用ステッピングモータ(内側ドラム用モータ)72,内側ドラム用モータ72に回転自在に取り付けられた内側ドラム73,および内側ドラム73の外周に貼付された右列の図柄シート74とからなる内側ドラム部70と、スライドステー81,スライドステー81に固着された外側ドラム用ステッピングモータ(外側ドラム用モータ)82,外側ドラム用モータ82に回転自在に取り付けられた外側ドラム83,および外側ドラム83の外周に貼付された右列の図柄シート84とからなる外側ドラム部80とから構成されている。
図5を参照すると、外側ドラム83を回転自在に支持するスライドステー81は、中程の一側面に外側ドラム用モータ82を固着する垂直支柱部81aと、垂直支柱部81aの上下端部から水平に延出された一対の上下板部81b,81cと、上下板部81b,81cの四隅に回転自在に設けられた8つの移動用補助輪85と、下方の板部81cの上面一側部に刻設されたラック86と、ラック86と噛合し外側ドラム移動用モータ88の出力軸に取り付けられたピニオン87とから構成されている。なお、上下板部81b,81cの移動用補助輪85は、ドラム式表示装置10の筐体に刻設された4本の溝状の上下レール89に嵌め合わされており、スライドステー81は、外側ドラム83の回転軸方向にスライド移動するようになっている。
図6を参照すると、左列の図柄シート54には、上から「1234567」のキャラクタでなる図柄が順番に記載されている。中列の図柄シート64には、上から「1234567」のキャラクタでなる図柄が順番に記載されている。右列の外側ドラム83の図柄シート84には、上から「7654321」のキャラクタでなる図柄が順番に記載されている。また、右列の内側ドラム73の図柄シート74には、上から「VV VV 」のキャラクタでなる図柄が順番に記載されている。
図7(a)および(b)は、ドラム式表示装置10における右列の外側ドラム83のスライド移動を説明する遷移断面図である。図8(a)および(b)は、ドラム式表示装置10における右列の外側ドラム83のスライド移動を説明する遷移正面図である。図7(a)に示す内側ドラム73と外側ドラム83とが重なった状態では、図8(a)に示すように、ドラム式表示装置10の表示窓(破線図示)からは、外側ドラム83の図柄シート84に描かれた図柄が見える。この状態から外側ドラム移動用モータ88を回転すると、図7(b)に示すように、ピニオン87およびラック86を介してスライドステー81が移動用補助輪85によってガイドされながら、回転軸方向である右方向にスライド移動する。すると、図8(b)に示すように、ドラム式表示装置10の表示窓からは、内側ドラム73の図柄シート74に描かれた図柄が見えるようになる。
なお、右列の外側ドラム83のスライド移動は変動表示中(ドラム回転中)に行う。回転を開始するときは数字が並んでいたのに、右列ドラム部43が停止する直前に遊技者から図柄が識別できるほどゆっくりした速度で回転する演出を行ったときには、図柄の配列が変わっている、という演出を行える。
図1に戻って、通過ゲート11は、賞球がないゲートであり、通過ゲート11に玉を通過させると、例えば127/128の確率で普図の抽選が行われ、当選したならば、電チューである第2始動入賞装置13が可動羽根の開閉動作を行う。
第1始動入賞装置12は、いわゆるスタートと呼ばれる始動入賞口であり、第1始動入賞装置12に玉が入賞すると、始動入賞検知処理(図12参照)が開始されるようになっている。
第2始動入賞装置13は、開口部に一対の可動羽根を有する、いわゆる電チューと呼ばれる可変入賞装置でなる。第2始動入賞装置13は、通過ゲート11ヘの玉の通過が検知されて、例えば127/128の確率で普図の抽選が行われ、当選したならば、可動羽根を開放する。可動羽根の1回の開放時間は、通常時は、例えば0.5秒間、確変時は、例えば5秒間である。第2始動入賞装置13に玉が入賞すると、始動入賞検知処理(図12参照)が開始されるようになっている。なお、第2始動入賞装置13は、第1始動入賞装置12が可動羽根の直上に位置しているため、可動羽根の開放時にしか玉が入賞しないようになっている。
大入賞装置14は、いわゆるアタッカーと呼ばれる可変入賞装置であり、開口部と蓋部材とから構成され、蓋部材が移動することにより開口部の閉鎖状態と開放状態とを呈する。
普図表示部16は、図9に示すように、1つの普図変動LED(Light Emitting Diode)17と、2つの普図保留LEDp1,p2とから構成されている。普図変動LED17は、主回路120(図11参照)から直接制御されて、普図の変動を表示する。詳しくは、普図の変動動作を開始すると、普図変動LED17は、緑色と橙色とを切り換えながら点滅し、所定の変動時間の経過後、当たりのときは緑色で点灯し、ハズレのときは橙色で点灯する。普図保留LEDp1,p2は、主回路120から直接制御されて、普図の抽選結果の保留数を表示する。詳しくは、普図の抽選結果の保留および読出が発生する毎に、普図保留LEDp1,p2は、下記の表1に基づいて橙色に点灯あるいは点滅する。
特図表示部18は、図10(a)に示すように、いわゆる7セグメントの数字表示器19と、2つの特図保留LEDq1,q2とから構成されている。特図表示部18の図柄変動のタイミングは、ドラム式表示装置10の特図の図柄変動の変動開始および変動停止のタイミングと一致する。数字表示器19は、主回路120から直接制御されて、7セグメントを点滅することで、変動動作中であることを示す。所定の変動時間の経過後、数字表示器19は、特図の抽選結果を表示する。すなわち、ハズレのときは、図10(b)に示すように、真ん中の横棒のみを表示し、当たりのときは、図10(c)に示すように、数字を表示し、突確当たりのときは、図10(d)に示すように、文字「F」を表示する。特図保留LEDq1,q2は、主回路120から直接制御されて、特図の抽選結果の保留数を表示する。詳しくは、特図の抽選結果の保留および読出が発生する毎に、特図保留LEDq1,q2は、下記の表2に基づいて橙色に点灯あるいは点滅する。
図11を参照すると、遊技機1は、主制御基板100と、ドラム式表示装置10の内側ドラム用モータ52,内側ドラム用モータ62,内側ドラム用モータ72,外側ドラム用モータ82,および外側ドラム移動用モータ88を制御する表示制御基板101と、スピーカ4a,4bを含むアンプ/スピーカ104を制御する音声制御基板103と、ランプ類106を制御するランプ制御基板105と、払出装置108を制御する払出制御基板107と、発射装置110を制御する発射制御基板109と、通過ゲート11に併設されたゲート通過検出器111と、第1始動入賞装置12に併設された第1始動入賞検出器112と、第2始動入賞装置13に併設された第2始動入賞検出器113と、大入賞装置14に併設された大入賞検出器114と、電チューである第2始動入賞装置13の可動羽根を開閉する電チューソレノイド115と、大入賞装置14を開閉する大入賞ソレノイド116と、普図表示部16と、特図表示部18と、各基板に所定電圧を供給する電源回路部117とを含んで構成されている。
主制御基板100は、主回路120を搭載しており、主回路120は、CPU(Central Processing Unit)121,プログラム格納用のROM(Read Only Memory)122,ワークエリアや各種カウンタ等が割り当てられるRAM(Random Access Memory)123,I/O(Input/Output)124等を備える。
なお、その他の各基板も、個別にCPUやメモリを備える構成が一般的であるが、図11では省略している。
表示制御基板101は、主回路120より入力される表示制御信号に応じて、ドラム式表示装置10の内側ドラム用モータ52,内側ドラム用モータ62,内側ドラム用モータ72,および外側ドラム用モータ82を制御することにより、内側ドラム53の回転および停止,内側ドラム63の回転および停止,内側ドラム73の回転および停止,ならびに外側ドラム83の回転および停止を制御するための処理を実行する。また、表示制御基板101は、主回路120より入力される表示制御信号に応じて、外側ドラム移動用モータ88の回転(回転方向の制御を含む)および停止を制御することにより、外側ドラム83のスライド移動を制御するための処理を実行する。
音声制御基板103は、主回路120より入力される音声制御信号に応じてスピーカ4a,4bを含むアンプ/スピーカ104より音声を出力させる。
ランプ制御基板105は、主回路120より入力されるランプ制御信号に応じてランプ類106の点灯/消灯を制御する。
払出制御基板107は、主回路120より入力される賞球払出信号に応じて払出装置108を制御する。これにより、遊技者に対して所定数の賞球が払い出される。
発射制御基板109は、遊技者がハンドル6を操作することに応じて、該ハンドル6に対応して設けられた発射装置110を作動させる。ハンドル6の操作量に応じて、玉の打出し強さ(玉の飛距離)を調節することが可能となっている。
図12は、遊技機1における始動入賞検知処理を示すフローチャートである。始動入賞検知処理では、主回路120は、第1始動入賞装置12および第2始動入賞装置13からの玉の入賞検出信号が入力されたタイミングに応じて、特図の内部抽選を行い、特図の抽選結果を最大特図保留数4を上限として、RAM123上の特図用保留記憶領域(図示せず)に記憶して保留する。
図13は、遊技機1における特図保留読出処理を示すフローチャートである。特図保留読出処理では、主回路120は、RAM123上の特図用保留記憶領域から最古の特図の抽選結果を読み出し、特図変動処理(図14参照)を開始する。
図14は、遊技機1における特図変動処理を示すフローチャートである。特図変動処理では、主回路120は、特図の抽選結果が当たりであるかどうかを判定し、特図表示部18およびドラム式表示装置10での特図の変動開始,表示演出,変動停止等の一連の処理を行う。
図15は、遊技機1における大当たり処理を示すフローチャートである。大当たり処理では、主回路120は、大入賞装置14を開放し、1ラウンドの入賞可能玉数10の玉が入賞するか1ラウンドの最大開放時間25秒が経過するかのいずれかが成立すると、大入賞装置14を閉鎖する処理を1ラウンドとして、最大ラウンド数15まで実行する処理を行う。
図16は、遊技機1における小当たり処理を示すフローチャートである。小当たり処理では、主回路120は、大入賞装置14を開放し、1ラウンドの入賞可能玉数10の玉が入賞するか1ラウンドの最大開放時間0.5秒が経過するかのいずれかが成立すると、大入賞装置14を閉鎖する処理を1ラウンドとして、最大ラウンド数2まで実行する処理を行う。
図17(a)〜(h)は、ドラム式表示装置10における図柄変動例を示す状態遷移図である。
次に、このように構成された実施例1に係るドラム式表示装置10の動作を、遊技機1の動作とともに、図1ないし図17を参照しながら説明する。
遊技機1への電源投入後、玉供給皿5に準備された玉は、ハンドル6を含んで構成される発射装置110によって遊技盤3に向けて発射される。遊技盤3に達した玉は、遊技盤3の盤面上を流下する。
遊技盤3の盤面上を流下する玉が通過ゲート11を通過すると、これをゲート通過検出器111が検出して、通過検出信号が主回路120に送信される。
通過検知処理では、主回路120は、ゲート通過検出器111からの通過検出信号により通過ゲート11の玉の通過を検知しており、通過ゲート11を玉が通過したことが検知されると、普図用乱数カウンタ(図示せず)から値を抽出し、普図の抽選結果の保留数が最大普図保留数4であるかどうかを判定する。普図の抽選結果の保留数が最大普図保留数4であれば、主回路120は、通過検知処理を終了する。すなわち、最大普図保留数4を越える普図の抽選結果は保留することなしに破棄される。普図の抽選結果の保留数が最大普図保留数4でなければ、主回路120は、RAM123上の普図用保留記憶領域(図示せず)に普図の抽選結果を記憶して保留し、普図表示部16の普図保留LEDp1,p2を普図の抽選結果の保留数に応じて点灯あるいは点滅して、通過検知処理を終了する。
次に、普図保留読出処理では、主回路120は、RAM123上の普図用保留記憶領域(図示せず)に普図の抽選結果の保留があるかどうかを判定し、RAM123上の普図用保留記憶領域に普図の抽選結果の保留がなければ、普図保留読出処理を終了する。RAM123上の普図用保留記憶領域に普図の抽選結果の保留があれば、主回路120は、普図表示部16において先の普図の変動表示中であるかどうかを判定する。先の普図の変動表示中であれば、主回路120は、普図保留読出処理を終了する。先の普図の変動表示中でなければ、主回路120は、電チューである第2始動入賞装置13が開放中であるかどうかを判定する。電チューである第2始動入賞装置13が開放中であれば、主回路120は、普図保留読出処理を終了する。電チューである第2始動入賞装置13が開放中でなければ、主回路120は、RAM123上の普図用保留記憶領域に保留されている最古の普図の抽選結果を読み出し、普図表示部16の普図保留LEDp1,p2を普図の抽選結果の保留数に応じて点灯あるいは点滅して、普図変動処理を開始する。
普図変動処理では、主回路120は、普図保留読出処理で読み出した普図の抽選結果を所定の普図用判定値と照合して当たり/ハズレの判定を行う。なお、普図の当たり確率は、例えば127/128である。次に、主回路120は、確変中または時短中かそうでないかに応じて普図の変動時間を決定する。確変中または時短中であれば、例えば1秒、通常時は、例えば30秒と変動時間を決定する。続いて、主回路120は、普図表示部16の普図変動LED17で普図の変動を開始する。次に、主回路120は、判定結果がハズレであれば、普図表示部16の普図変動LED17を橙色で点灯し、普図変動処理を終了する。判定結果が当たりであれば、主回路120は、普図表示部16の普図変動LED17を緑色で点灯し、電チューソレノイド115を励磁することにより、電チューである第2始動入賞装置13を開放する。普図当選時の第2始動入賞装置13の開放時間は、通常時には、例えば0.5秒、確変時および時短時には、例えば1.8秒×3回である。次に、主回路120は、確変中または時短中であるかどうかを判定し、確変中または時短中であれば、例えば、1.8秒経過するのを待機した後、電チューソレノイド115を非励磁とすることにより、電チューである第2始動入賞装置13を閉鎖し、この開閉動作をさらに2回繰り返した後、普図変動処理を終了する。一方、確変中または時短中でなければ、主回路120は、例えば、0.5秒が経過するのを待機した後、電チューである第2始動入賞装置13を閉鎖し、普図変動処理を終了する。
第1始動入賞装置12または第2始動入賞装置13に玉が入賞すると、第1始動入賞検出器112または第2始動入賞検出器113が、これを検出して、入賞検出信号を主回路120に送信する。
始動入賞検知処理では、主回路120は、第1始動入賞検出器112または第2始動入賞検出器113からの入賞検出信号により第1始動入賞装置12または第2始動入賞装置13での玉の通過を検知しており(図12のS101)、玉の通過が検知されない場合には(図12のS101:NO)、始動入賞検知処理を終了する。
第1始動入賞装置12または第2始動入賞装置13での玉の通過が検知されると(図12のS101:YES)、主回路120は、RAM123上の特図用保留記憶領域に保留されている特図の抽選結果の保留数が最大特図保留数4であるかどうかを判定する(図12のS102)。特図の抽選結果の保留数が最大特図保留数4であれば(図12のS102:YES)、主回路120は、払出制御基板107を介して払出装置108に所定数の賞球の払出を指示して(図12のS105)、始動入賞検知処理を終了する。すなわち、最大特図保留数4を越える特図の抽選結果は保留することなしに破棄される。
特図の抽選結果の保留数が最大特図保留数4でなければ(図12のS102:NO)、主回路120は、特図用乱数カウンタ(図示せず)より値を抽出して特図の内部抽選を行い(図12のS103)、RAM123上の特図用保留記憶領域に特図の抽選結果を記憶して保留する(図12のS104)。なお、特図の当たり確率は、通常時には1/400、確変中には1/40とすることができる。また、確変振り分け率は60%とすることができる。これと同時に、主回路120は、特図表示部18の特図保留LEDq1,q2を特図の抽選結果の保留数に応じて点灯あるいは点滅する。次に、主回路120は、払出制御基板107を介して払出装置108に所定数の賞球の払出を指示して(図12のS105)、始動入賞検知処理を終了する。
次に、特図保留読出処理では、主回路120は、RAM123上の特図用保留記憶領域に特図の抽選結果の保留があるかどうかを判定し(図13のS201)、RAM123上の特図用保留記憶領域に特図の抽選結果の保留がなければ(図13のS201:NO)、特図保留読出処理を終了する。
RAM123上の特図用保留記憶領域に特図の抽選結果の保留があれば(図13のS201:YES)、主回路120は、特図表示部18およびドラム式表示装置10において先の特図の変動表示中であるかどうかを判定する(図13のS202)。先の特図の変動表示中であれば(図13のS202:YES)、主回路120は、特図保留読出処理を終了する。
先の特図の変動表示中でなければ(図13のS202:NO)、主回路120は、大当たりフラグがONであるかどうかに基づいて大当たり中であるかどうかを判定する(図13のS203)。大当たり中であれば(図13のS203:YES)、主回路120は、特図保留読出処理を終了する。
大当たりフラグがOFFであれば(図13のS203:NO)、主回路120は、RAM123上の特図用保留記憶領域から最古の特図の抽選結果を読み出し(図13のS204)、特図変動処理(図14参照)を開始する(図13のS205)。
特図変動処理では、主回路120は、特図保留読出処理で読み出された特図の抽選結果を、通常時であるか確変時であるかに応じて所定の通常時用判定値または確変時用判定値と照合して当たり/ハズレの判定を行い、当たり/ハズレの判定結果に基づいて特図の変動時間,停止図柄等を決定する(図14のS301)。特図の変動時間は、特図の保留数が多いほど短い時間を選択し、確変中および時短中は、通常よりもさらに短い時間を選択する。
次に、主回路120は、特図表示部18の特図の変動,ドラム式表示装置10における内側ドラム53,63,73の回転,外側ドラム83の回転,ならびに特図の変動タイマ(図示せず)のカウントを開始する(図14のS302)。
続いて、主回路120は、停止図柄にV図柄があるかどうかを判定し(図14のS303)、停止図柄にV図柄があれば(図14のS303:YES)、表示制御基板101により、演出に合わせて外側ドラム83のスライド移動を制御する(図14のS304)。停止図柄にV図柄がなければ(図14のS303:NO)、主回路120は、ステップS304をスキップする。
次に、主回路120は、特図の変動タイマに基づいて変動時間が経過したかどうかを判定し(図14のS305)、変動時間が経過していなければ(図14のS305:NO)、変動時間が経過するまで待機する。
変動時間が経過すると(図14のS305:YES)、主回路120は、特図表示部18における特図の変動,ならびにドラム式表示装置10における内側ドラム53,63,73の回転,外側ドラム83の回転およびスライド移動を停止する(図14のS306)。当たりのときは、特図表示部18およびドラム式表示装置10に当たり図柄が表示され、ハズレのときは、特図表示部18およびドラム式表示装置10にハズレ図柄が表示される。
次に、主回路120は、確変図柄または非確変図柄での停止であるかどうかを判定する(図14のS307)。
確変図柄または非確変図柄での停止であれば(図14のS307:YES)、主回路120は、大当たりフラグをONし(図14のS308)、非確変図柄での停止であるかどうかを判定する(図14のS309)。非確変図柄での停止であれば(図14のS309:YES)、主回路120は、特図変動処理を終了し、非確変図柄での停止でなければ(図14のS309:NO)、確変フラグをONした後に(図14のS312)、特図変動処理を終了する。
一方、確変図柄または非確変図柄での停止でなければ(図14のS307:NO)、主回路120は、突確図柄での停止かどうかを判定し(図14のS310)、突確図柄での停止でなければ(図14のS310:NO)、特図変動処理を終了する。突確図柄での停止であれば(図14のS310:YES)、主回路120は、小当たりフラグをONし(図14のS311)、確変フラグをONした後に(図14のS312)、特図変動処理を終了する。
続いて、大当たり処理では、主回路120は、大当たりフラグがONであるかどうかを判定し(図15のS401)、大当たりフラグがONでなければ(図15のS401:NO)、大当たり処理を終了する。
大当たりフラグがONであれば(図15のS401:YES)、主回路120は、1回の大当たりで大入賞装置14を最大ラウンド数15まで開放させるために、ラウンド数が最大ラウンド数15でないかどうかを判定する(図15のS402)。
ラウンド数が最大ラウンド数15でなければ(図15のS402:YES)、主回路120は、ラウンド数に1を加算し(図15のS403)、大入賞ソレノイド116を励磁することにより大入賞装置14の開放を指示する(図15のS404)。これにより、大入賞装置14が開放して、玉の入賞が可能になる。なお、1入賞あたりの賞球の払出は、15個である。
大入賞装置14へ1ラウンドの入賞可能玉数10の玉が入賞するか(図15のS405:YES)、大入賞装置14が開放してから1ラウンドの最大開放時間25秒が経過するか(図15のS406:YES)のいずれかが満たされると、主回路120は、大入賞ソレノイド116を非励磁とすることにより、大入賞装置14の閉鎖を指示し(図15のS407)、大当たり処理を終了する。これにより、大入賞装置14が閉鎖して、玉の入賞ができなくなる。
この後、大当たりフラグがまだONであるため(図15のS401:YES)、主回路120は、大入賞装置14の開閉(S401〜S407)を繰り返す。
そして、ラウンド数が最大ラウンド数15になると(図15のS402:NO)、主回路120は、ラウンド数を初期値0にリセットして(図15のS408)、大当たりフラグをOFFにし(図15のS409)、大当たり処理を終了する。
大当たり処理の終了後、確変図柄および突確図柄での大当たりであったときは、その大当たりの終了後は確変状態(通常よりも大当たりの当選確率が高い状態)になり、この確変状態は次の大当たりに当選するまで継続する。また、非確変図柄の大当たりであったときは、その大当たりの終了後は時短状態(普図の変動時間が短くなり、電チューである第2始動入賞装置13の開放時間が長くなる状態)になり、図柄変動の合計が100回まで継続する。
続いて、小当たり処理では、主回路120は、小当たりフラグがONであるかどうかを判定し(図16のS501)、小当たりフラグがONでなければ(図16のS501:NO)、小当たり処理を終了する。
小当たりフラグがONであれば(図16のS501:YES)、主回路120は、1回の小当たりで大入賞装置14を最大ラウンド数2まで開放させるために、ラウンド数が最大ラウンド数2でないかどうかを判定する(図16のS502)。
ラウンド数が最大ラウンド数2でなければ(図16のS502:YES)、主回路120は、ラウンド数に1を加算し(図16のS503)、大入賞ソレノイド116を励磁することにより大入賞装置14の開放を指示する(図16のS504)。これにより、大入賞装置14が開放して、玉の入賞が可能になる。なお、1入賞あたりの賞球の払出は、15個である。
大入賞装置14へ1ラウンドの入賞可能玉数10の玉が入賞するか(図16のS505:YES)、大入賞装置14が開放してから1ラウンドの最大開放時間0.5秒が経過するか(図16のS506:YES)のいずれかが満たされると、主回路120は、大入賞ソレノイド116を非励磁とすることにより、大入賞装置14の閉鎖を指示し(図16のS507)、小当たり処理を終了する。これにより、大入賞装置14が閉鎖して、玉の入賞ができなくなる。
この後、小当たりフラグがまだONであるため(図16のS501:YES)、主回路120は、大入賞装置14の開閉(S501〜S507)を繰り返す。
そして、ラウンド数が最大ラウンド数2になると(図16のS502:NO)、主回路120は、ラウンド数を初期値0にリセットして(図16のS508)、小当たりフラグをOFFにし(図16のS509)、小当たり処理を終了する。
図17(a)〜(h)は、ドラム式表示装置10における図柄変動例を示す。図17(a)に示す停止状態から図17(b)に示すように変動を開始すると、まず図17(c)に示すように左図柄が停止し、次に図17(d)に示すように中図柄が停止して、遊技者は「ハズレかな」と感じる。しかし、図17(e)に示すように右列の図柄の回転速度がゆっくりになり、図17(f)に示すように外側ドラム83がスライド移動を開始し、内側ドラム73からV図柄が出現することになる。このため、図17(g)に示すように、遊技者は、突確か確変か、はたまたハズレかとハラハラドキドキすることになり、図17(h)に示すように、V図柄が2つ表示されると確変当選となり、大喜びすることになる。なお、図柄変動中に内側ドラム73のV図柄を一瞬見せた後、また外側ドラム83を戻すような演出も可能である。
このように、実施例1に係るドラム式表示装置10では、通常は1〜7の図柄が描かれた3つの内側ドラム53,内側ドラム63,および外側ドラム83が回転し、特図の抽選結果を表示しているが、突確当選や確変当選のチャンスがあるときに、右列の外側ドラム83が外側ドラム移動用モータ88の駆動により向かって右側にスライド移動し、右列の内側ドラム73に描かれたV図柄が出現する(ハズレの場合の擬似演出もある)。右列の内側ドラム73と右列の外側ドラム83とは、常に同期して回転している(内側ドラム73を遊技者に見せないとき、内側ドラム73の回転は停止していても問題はない)。
なお、右列の外側ドラム83をスライド移動するタイミングは、様々なタイミングが可能である。変動開始直前や変動停止直前であってもよい。変動開始直前に右列の内側ドラム73を遊技者に見せることで、「この抽選で当選するかもしれない」という期待感を高めたり、左列の内側ドラム部53と中列の内側ドラム63とを停止した後に右列の内側ドラム部73をゆっくり(図柄が認識できるほど)変動しながら右列の外側ドラム83をスライド移動させたり、右列の外側ドラム83もほぼ回転を停止した状態から右列の外側ドラム83をスライド移動させたりすることで、「今回はハズレか」と思っていた遊技者に遊技の意外性を提供することができる。
実施例1によれば、所定条件の成立に応じて内部抽選を実施し、その抽選結果に基づいて表示された表示部の図柄配列に応じて遊技者に特典を付与する遊技機において、図柄表示部としてドラムを採用し、そのドラムを二重構造にし、演出に応じて外側ドラムを回転軸方向にスライド移動させることで内側ドラムを出現させ、それまでとは異なった図柄で図柄変動を行うようにすることで、従来にない演出を実現し、遊技者に従来にない意外性や興趣を与えることができる。
ところで、上記実施例1に係るドラム式表示装置10に関しては、以下のような変形例を考えることができる。
各列の図柄の間隔を広めに取り、全列のドラム部41,42,43を内側ドラムと外側ドラムとの二重構造にしてもよい。そうすることで、全列の図柄を入れ替えることが可能になり、演出の幅も増やすことができるようになる。
各列の図柄の間隔が広くなることを嫌うのであれば、とりあえず左右両端列のドラム部41,43だけを内側ドラムと外側ドラムとの二重構造にしてもよい。このようにする方が3列のドラム部41,42,43を内側ドラムと外側ドラムとの二重構造にするよりはシンプルな構成になる。演出としては、例えば左右両端列の内側ドラムの図柄を確変図柄となり得る図柄だけで構成しておき、図柄変動を開始してから一方の内側ドラムが出現すると、確変で大当たりとなる期待度が高くなり、左右両端列の内側ドラムが出現すると、さらに確変大当たりとなる可能性が高くなる、などである。あるいは、左右両端列の内側ドラムに、いわゆる「フリー図柄」を用意しておき、フリー図柄が表示されると、必ずリーチになるようにしてもよい。この場合、左右両端列の内側ドラムにフリー図柄が表示されると、中列の内側ドラム63はどの図柄が停止しても大当たりとなる。
また、図柄列は3列でなく、2列や4列など設計に応じていくつであってもよい。列が多いほど、演出のパターンを増やすことができるが、多すぎるとわずらわしくなり、遊技者の遊技意欲を低下させてしまう恐れがあるので、2〜4列くらいが程よいと思われる。
さらに、通常時、外側ドラムの図柄が見えている状態では、大当たりとなる図柄が存在せず、チャンス(リーチ発生時など)の時だけ大当たりとなる図柄が表示された内側ドラムが出現するようにしてもよい。こうすることで、当たる可能性のあるゲームとないゲームとのメリハリがつく。
さらにまた、通常時は内側ドラム73の図柄が見えるようにしておき、所定の演出を行うときだけ、あるいは所定条件が成立したときだけ外側ドラム83が出現して内側ドラム73の図柄を隠し、外側ドラム83の図柄が見えるようにしてもよい。外側ドラム83と内側ドラム73とはどちらでも主になりえる。
図18は、本発明の実施例2に係るドラム式表示装置10を示す断面図である。本実施例2に係るドラム式表示装置10は、左列のドラム部141と、中列のドラム部142と、右列のドラム部143と、外側ドラム部144とから構成されている。左列のドラム部141は、固定ステー151と、固定ステー151に固着された内側ドラム用ステッピングモータ(内側ドラム用モータ)152と、内側ドラム用モータ152に回転自在に取り付けられた内側ドラム153と、内側ドラム153の外周に貼付された左列の図柄シート154とから構成されている。中列のドラム部142は、固定ステー161と、固定ステー161に固着された内側ドラム用ステッピングモータ(内側ドラム用モータ)162と、内側ドラム用モータ162に回転自在に取り付けられた内側ドラム163と、内側ドラム163の外周に貼付された中列の図柄シート164とから構成されている。右列のドラム部143は、固定ステー171と、固定ステー171に固着された内側ドラム用ステッピングモータ(内側ドラム用モータ)172と、内側ドラム用モータ172に回転自在に取り付けられた内側ドラム173と、内側ドラム173の外周に貼付された右列の図柄シート174とから構成されている。
外側ドラム部144は、図19および図20に示すように、「コ」字状の側断面を有するスライドステー181と、スライドステー181の背面に突設されたラック181aに出力軸に固着されたピニオン182aが噛合された外側ドラム移動用ステッピングモータ(外側ドラム移動用モータ)182と、スライドステー181の右下隅部に配設された外側ドラム回転用モータ183と、外側ドラム回転用モータ183の出力軸に固着された外側ドラム回転用ギア184と、外側ドラム回転用ギア184に外周両側縁に刻設された外周ギア185aが噛合された短円筒体状の外側ドラム185と、外側ドラム185の外周に貼付された図柄シート186と、スライドステー181の左上隅部,左下隅部および右上部に一対ずつ回転自在に取り付けられ外側ドラム185の外周ギア185aに噛合された6つの回転補助ギア187と、スライドステー181の上端板部の四隅および下端板部の四隅に取り付けられた8つの移動用補助輪188とから構成されている。
図21を参照すると、左列の図柄シート154には、上から「12345678」のキャラクタでなる図柄が順番に記載されている。中列の図柄シート164には、上から「13571357」のキャラクタでなる図柄が順番に記載されている。右列の図柄シート174には、上から「24682468」のキャラクタでなる図柄が順番に記載されている。また、外側ドラム185の図柄シート186には、上から「12345678」のキャラクタでなる図柄が順番に記載されている。
図22(a)および(b)は、ドラム式表示装置10における外側ドラム185のスライド移動を説明する遷移断面図である。
図23(a)〜(c)は、ドラム式表示装置10における外側ドラム185のスライド移動を説明する遷移正面図である。
図24(a)は、実施例2に係るドラム式表示装置10における非確変図柄の一例を示す。この例では、上行に「444」のゾロ目が揃うことにより、非確変の大当たりとなっている。図24(b)は、実施例2に係るドラム式表示装置10における確変図柄の一例を示す。この例では、上行に「777」のゾロ目が揃うことにより、確変の大当たりとなっている。
なお、その他の部分は、図1ないし図17に示した実施例1に係るドラム式表示装置10と同様に構成され、かつ同様に動作するので、対応する部分には同一符号を付して、それらの詳しい説明を割愛する。
このように構成された実施例2に係るドラム式表示装置10では、内側ドラム用モータ152,内側ドラム用モータ162,内側ドラム用モータ172をそれぞれ回転または停止すると、内側ドラム153,内側ドラム163,内側ドラム173がそれぞれ回転または停止する。
外側ドラム回転用モータ183を回転または停止すると、外側ドラム回転用ギア184を介して外側ドラム185が回転または停止する。外側ドラム185の回転時には、回転補助ギア187が外側ドラム185の回転を補助する。
外側ドラム移動用モータ182が回転または停止すると、ピニオン182aおよびラック181aを介してスライドステー181がスライド移動または停止する。スライドステー181がスライド移動または停止することにより、外側ドラム185がスライド移動または停止する。スライドステー181のスライド移動時には、移動用補助輪188がスライドステー181のスライド移動を補助する。
図22(a)に示す中列の内側ドラム163と外側ドラム185とが重なった状態では、図23(a)に示すようにドラム式表示装置10の表示窓(破線図示)からは、中列の内側ドラム163の図柄シート164が隠れて外側ドラム185の図柄シート186に描かれた図柄が見える。この状態から外側ドラム移動用モータ182を回転すると、図22(b)に示すように、スライドステー181が移動用補助輪188によってガイドされながら、回転軸方向である右方向にスライド移動する。すると、図23(b)に示すように、外側ドラム185が中列の内側ドラム163および右列の内側ドラム173にまたがった状態を経由して、図23(c)に示すように、ドラム式表示装置10の表示窓からは、右列の内側ドラム173の図柄シート174が隠れて外側ドラム185に描かれた図柄が見えるようになる。
このように、中列の内側ドラム163と右列の内側ドラム173との外側にスライド移動可能な外側ドラム185が設けられており、外側ドラム185は左右にスライド移動することで必ず中列か右列の位置に配置される。特図の変動を開始すると同時に左中右列の各内側ドラム153,163,173と外側ドラム185とが同時に回転を開始する。特図の変動停止時に外側ドラム185は中列か右列のいずれかの位置で停止する。停止したときに見える図柄により特図の抽選結果が表示される。
中列の内側ドラム163には確変図柄が表示され、右列の内側ドラム173には非確変図柄が表示されているので、確変図柄で大当たりになるときは外側ドラム185が右列側で停止し、非確変図柄で大当たりになるときは外側ドラム185が中列側で停止する。図柄変動を開始してから完全に停止するまでの間、外側ドラム185は、その演出パターンに応じて中列と右列の間を行ったり来たりすることができる。一旦いずれかの大当たり図柄で停止した後に全ドラムが再変動し、そのタイミングに合わせて外側ドラム185をスライド移動させることも可能である。外側ドラム185が中列と右列とのいずれにあるかにより、確変大当たりに対する遊技者の期待度を変えることができる。
抽選結果が大当たりのとき、外側ドラム185が中列にあるか右列にあるかにより確変大当たりなのか非確変大当たりなのかが決まるので、遊技者は外側ドラム185の動きに注目することになる。
実施例2によれば、外側ドラム185が中列の内側ドラム163および右列の内側ドラム173のいずれに重なっているかによって遊技者から見える図柄を変えたり、また、遊技機1の状態や抽選結果に合わせてそれまでとは異なる図柄列を突然出現させたりして遊技者に意外性を提供することができ、その出現度合いによって大当たりすることへの期待度を変化させることができ、遊技者に従来にない興趣を与えることが可能になる。
ところで、上記実施例2に係るドラム式表示装置10に関しては、以下のような変形例を考えることができる。
各ドラムの図柄の配列や演出のパターンは何ら限定されるものではなく、適宜設定すればよい。
通常時は常に特定の場所(例えば中列)に外側ドラム185を配置しておき、特別な演出や特定の抽選結果を表示する時だけ外側ドラム185をスライド移動させるようにしてもよい。この場合、中列の内側ドラムに特別な図柄(突確当選専用の図柄など)を用意しておけば、外側ドラム185が動かないと表示されない図柄として、表示演出のパターンを増やしたり、当選役の種類を増やすこともできるようになる。
また、スライド移動可能な外側ドラムは中列と右列とに限定されるものではなく、左列と中列との間でスライド移動するようにしてもよい。あるいは抽選結果を表示するドラムを4つ用意しておき、左の2列の間をスライド移動可能な外側ドラムと、右の2列の間をスライド移動可能な外側ドラムとを設けてもよい。