JP2007243120A - 研磨液 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属表面の酸化効率に凹凸依存性を持たせると共に、砥粒による研磨と組み合わせることで、主として銅配線の研磨工程において、高い平坦化性能を有する研磨液を提供する。
【解決手段】水に不溶な酸化性化合物の水分散物、研磨粒子、不動膜形成剤および有機酸を含有し、主として半導体デバイスの銅配線研磨に用いられる研磨液であり、水に不溶な酸化性化合物としては、下記一般式(A)で表されるポリハロゲン化合物が好ましい。一般式(A)において、Qはアルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表し、Yは2価の連結基を表し、nは0または1を表し、ZおよびZはそれぞれ独立にハロゲン原子を表し、Xは水素原子または電子吸引性基を表す。
一般式(A)
Q−(Y)−C(Z)(Z)X
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体デバイスの製造工程において、半導体デバイスの配線工程の平坦化、特に、銅配線の研磨に主として用いられる金属用研磨液に関する。
半導体集積回路(以下LSIと記す)で代表される半導体デバイスの開発においては、小型化・高速化のため、近年配線の微細化と積層化による高密度化・高集積化が求められている。このための技術として化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing、以下CMPと記す)等の種々の技術が用いられてきている。このCMPは層間絶縁膜等の被加工膜の表面平坦化、プラグ形成、埋め込み金属配線の形成、等を行う場合に必須の技術であり、基板の平滑化や配線形成時の余分な金属薄膜の除去を行っている。
CMPの一般的な方法は、円形の研磨常盤(プラテン)上に研磨パッドを貼り付け、研磨パッド表面を研磨液で浸して、パッドに基盤(ウエハー)の表面を押しつけ、その裏面から所定の圧力(研磨圧力)を加えた状態で、研磨常盤及び基盤の双方を回転させ、発生する機械的摩擦により基盤の表面を平坦化するものである。
CMPに用いる金属用研磨液は、一般には砥粒(例えばアルミナ、シリカ)と酸化剤(例えば過酸化水素)とを含むものであって、酸化剤によって金属表面を酸化し、その酸化皮膜を砥粒で除去することで研磨していると考えられている。
しかしながら、このような金属用研磨液を用いてCMPを行うと、研磨傷(スクラッチ)、研磨面全体が必要以上に研磨される現象(シニング)、研磨金属面が平面状ではなく、中央のみがより深く研磨されて皿状のくぼみを生ずる現象(ディッシング)、金属配線間の絶縁体が必要以上に研磨されたうえ、複数の配線金属面表面が皿状の凹部を形成する現象(エロージョン)などが発生することがある。
配線用の金属としては従来からタングステンおよびアルミニウムがインターコネクト構造体に汎用されてきた。しかしながら更なる高性能化を目指し、これらの金属より配線抵抗の低い銅を用いたLSIが開発されるようになった。この銅を配線する方法としては、例えばダマシン法が知られ、また、コンタクトホールと配線用溝とを同時に層間絶縁膜に形成し、両者に金属を埋め込むデュアルダマシン法が広く用いられるようになってきた。この銅配線用のターゲット材には、ファイブナイン以上の高純度銅ターゲットが出荷されてきた。しかしながら、近年は更なる高密度化を目指す配線の微細化に伴って、銅配線の導電性や電子特性などの向上が必要となり、それに伴って高純度銅に第3成分を添加した銅合金を用いることも検討されはじめてきている。同時に、これらの高精細で高純度の材料を汚染させることなく高生産性を発揮し得る高速金属研磨手段が求められている。銅金属の研磨においては、特に軟質の金属であるがため、前記したディッシング、エロージョンやスクラッチが発生しやすく、益々高精度の研磨技術が要求されてきている。
更に、昨今は生産性向上のため、LSI製造時のウエハー径が益々大型化しており、現在は直径200mm以上が汎用されており、300mm以上の大きさでの製造も開始され始めた。このようなウエハーの大型化に伴い、ウエハー中心部と周辺部とでの研磨速度の差異が生じ易くなり、ウエハー面内での研磨の均一性に対する要求が益々厳しくなってきている。
銅及び銅合金に対して砥粒を含まず、過酸化水素/リンゴ酸/ベンゾトリアゾール/ポリアクリル酸アンモニウムおよび水からなる金属用研磨液が提案されている(例えば、特許文献1参照。)が、化学的溶解作用のみによる化学研磨方法は、凸部の金属膜が選択的に化学的機械的に研磨されるCMPに比べ、凹部の削れ込み、即ちディッシングなどの発生によりその平面性に大きな課題が残っている。
また、銅配線使用時には、銅イオンが絶縁材料への拡散することを防止する目的で、配線部と絶縁層の間にバリア層と呼ばれる拡散防止層が一般に設けられ、これにはTaN、TaSiN、Ta、TiN、Ti、Nb、W、WN、Co、Zr、ZrN、RuおよびCuTa合金から選ばれる1層または2層以上から作られている。しかしながら、これらバリア材料自体が導電性の性質を持っているため、リーク電流などのエラー発生を防ぐために絶縁層上のバリア材料は完全に除去されなければならず、この除去加工は金属配線材のバルク研磨と同様な方法によって達成されている。銅のバルク研磨で特に幅広な金属配線部にディッシングが発生しやすいため、最終的な平坦化を達成するためには配線部とバリア部で研磨除去する量を調節できることが望ましい。このためバリア研磨用の研磨液には最適な銅/バリアメタルの研磨選択性を有することが望まれている。また、各レベルの配線層で配線ピッチや配線密度が異なるため、上記研磨選択性を適宜調整できることが更には望ましい。
CMPに用いる化学機械研磨剤には、前述の如く、一般的にはアルミナ、シリカなどの研磨粒子が含まれており、表面の凸部には機械研磨力が強く、凹部には機会研磨力が弱く働くため、凹部に対して凸部の研磨速度が速くなり、結果として表面が平坦化されると考えられている。
しかしながら、平坦性に関する要求は半導体デバイスの微細化が進むに連れて厳しくなっており、機械研磨力の凸凹差を利用するだけでは十分な平坦性が得られなくなってきているのが現状である。
これに対して、表面の酸化反応自体が凸部の領域のみで進行し易く、且つ、凹部の領域では反応を生起し難くできれば、機械研磨力の凹凸差を組み合わせることにより更に平坦性が向上することが期待されるが、均一系の化学組成では化学反応に表面形状依存性を持たせることは困難であった。このような問題点を解決するために提案された前記特許文献1に記載の金属用研磨液は、前記問題点に加え、さらに、十分な研磨速度が得難いという問題点を有していた。また、他の手段として、リンバナドモリブデン酸のような水溶性酸化剤と非イオン性界面活性剤を含み、砥粒を含まない金属用研磨液も開示されているが(例えば、特許文献2参照。)、ディッシング抑制効果は十分ではなかった。
特開2001−127019号公報 特開2003−173990公報
本発明の目的は、金属表面の酸化効率に凹凸依存性を持たせると共に、砥粒による研磨と組み合わせることで、主として銅配線の研磨工程において、高い平坦化性能を有する研磨液を提供することにある。
上記の課題に対して本発明者は鋭意検討した結果、下記<1>〜<10>によって問題を解決できることを見出して課題を達成するに至った。
<1> 水に不溶な酸化性化合物の水分散物、研磨粒子、不動膜形成剤および有機酸を含有し、主として半導体デバイスの銅配線研磨に用いられる研磨液。
<2> 前記水に不溶な酸化性化合物が有機性の化合物であることを特徴とする<1>に記載の研磨液。
<3> 前記水に不溶な有機性の酸化性化合物が下記一般式(A)で表されるポリハロゲン化合物であることを特徴とする<2>に記載の研磨液。
一般式(A)
Q−(Y)−C(Z)(Z)X
一般式(A)において、Qはアルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表し、Yは2価の連結基を表し、nは0または1を表し、ZおよびZはそれぞれ独立にハロゲン原子を表し、Xは水素原子または電子吸引性基を表す。
<4> 前記研磨粒子が無機粒子であることを特徴とする<1>乃至<3>のいずれか1項に記載の研磨液。
<5>
前記一般式(A)で表される化合物と前記無機粒子が接合していることを特徴とする<4>の研磨液。
<6> pHが6〜10であることを特徴とする<4>に記載の研磨液。
<7> さらに、4級アルキルアンモニウム化合物を含有することを特徴とする<1>乃至<6>のいずれか1項に記載の研磨液。
<8> さらに、水溶性ポリマーを含有することを特徴とする<1>乃至<7>のいずれか1項に記載の研磨液。
<9> 前記有機酸がアミノ酸であることを特徴とする<1>乃至<8>のいずれか1項に記載の研磨液。
<10> 前記不動膜形成剤が複素芳香環化合物であることを特徴とする<1>乃至<9>のいずれか1項に記載の研磨液。
本発明においては、液状の酸化剤に代えて、水に不溶な酸化性化合物を用いており、この酸化性化合物が金属表面の凹凸に応じた酸化効率を発現しうるため、砥粒による研磨と組み合わせることで、すぐれた平坦化性能、即ち、ディッシング抑制効果を発現するとともに、液状の酸化剤を用いた場合の如き経時的な酸化効率の低下を生じることがないため、研磨速度の経時的な安定性を達成しうるという利点をも有するものである。
本発明によれば、金属表面の酸化効率に凹凸依存性を持たせると共に、砥粒による研磨と組み合わせることで、主として銅配線の研磨工程において、高い平坦化性能を有する研磨液を提供することができる。
以下、本発明の具体的態様について説明する。
本発明の研磨液は、(1)水に不溶な酸化性化合物の水分散物、(2)研磨粒子、(3)不動膜形成剤および(4)有機酸を含有する。
本発明の研磨液に含まれる化合物について、順次説明する。
<(1)水に不溶な酸化性化合物の水分散物>
本発明の研磨液は、水に不溶な酸化性化合物の水分散物を含有することを特徴とする。酸化性化合物には特に制限はなく、金属銅を酸化するのに十分な酸化電位、すなわち標準水素電極に対して+0.52V以上の酸化電位を有する化合物であり、且つ、常温で水不溶性であれば、いずれの化合物でも用いることができる。
ここで用いられる酸化性化合物は水不溶性であるため、研磨液中においては固体の形状を有しており、この固体状の酸化性化合物が凹部に存在する場合には、研磨パッドによる応力を受けにくく、固体状態を維持するため金属を酸化させる機能が発現し難く、凸部に存在する場合には、応力を受けて粉砕され、金属を酸化させる機能を発現しやすくなり、凹部領域に存在する場合と凸部領域に存在する場合とでは金属を酸化させる機能に差異が生じるため、ディッシング抑制作用に優れるものと考えられる。
本発明において「水に不溶」とは、25℃の純水に対する溶解度が0.1g/L以下であることを意味し、0.01g/L以下であることが好ましい態様である。
本発明に用いる水に不溶な酸化性化合物は有機性の化合物であることが好ましく、より具体的には、下記一般式(A)で表されるポリハロゲン化合物であることが好ましい。
一般式(A)
Q−(Y)−C(Z)(Z)X
一般式(A)において、Qはアルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表し、Yは2価の連結基を表し、nは0または1を表し、ZおよびZはそれぞれ独立にハロゲン原子を表し、Xは水素原子または電子吸引性基を表す。
本発明の一般式(A)で表される化合物について詳細に説明する。
一般式(A)において、Qはアルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表すが、なかでも好ましくはハメットの置換基定数σpが正の値をとる電子吸引性基で置換されたフェニル基を表す。
ハメットの置換基定数に関しては、Journal of MedicinalChemistry,1973,Vol.16,No.11,1207−1216 等を参考にすることができる。
このような電子吸引性基としては、例えばハロゲン原子(フッ素原子(σp値:0.06)、塩素原子(σp値:0.23)、臭素原子(σp値:0.23)、ヨウ素原子(σp値:0.18))、トリハロメチル基(トリブロモメチル(σp値:0.29)、トリクロロメチル(σp値:0.33)、トリフルオロメチル(σp値:0.54))、シアノ基(σp値:0.66)、ニトロ基(σp値:0.78)、脂肪族・アリールもしくは複素環スルホニル基(例えば、メタンスルホニル(σp値:0.72))、脂肪族・アリールもしくは複素環アシル基(例えば、アセチル(σp値:0.50)、ベンゾイル(σp値:0.43))、アルキニル基(例えば、C≡CH(σp値:0.23))、脂肪族・アリールもしくは複素環オキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル(σp値:0.45)、フェノキシカルボニル(σp値:0.44))、カルバモイル基(σp値:0.36)、スルファモイル基(σp値:0.57)、スルホキシド基、ヘテロ環基、ホスホリル基等が挙げられる。
Qで表されるフェニル基に導入可能な電子吸引性基におけるσp値としては、好ましくは0.2〜2.0の範囲で、より好ましくは0.4から1.0の範囲である。
Qで表されるフェニル基に導入可能な電子吸引性基として特に好ましいのは、具体的には、例えば、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アルキルホスホリル基であり、なかでもカルバモイル基が最も好ましい。
およびZはそれぞれ独立にハロゲン原子を表し、好ましくは塩素原子、臭素原子、である。
Xは、水素原子または電子吸引性基を表し、好ましくは電子吸引性基であり、より好ましくはハロゲン原子、脂肪族・アリールもしくは複素環スルホニル基、脂肪族・アリールもしくは複素環アシル基、脂肪族・アリールもしくは複素環オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基であり、特に好ましくはハロゲン原子である。ハロゲン原子の中でも、好ましくは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、更に好ましくは塩素原子、臭素原子であり、特に好ましくは臭素原子である。
Yは2価の連結基を表し、好ましくは−C(=O)−、−SO−または−SO−を表し、より好ましくは−C(=O)−、−SO−であり、特に好ましくは−SO−である。nは、0または1を表し、好ましくは1である。
以下に本発明の一般式(A)の化合物の具体例〔例示化合物(A−1)〜(A−9)〕を示す。
Figure 2007243120
一般式(A)で表される化合物は実質的に水不溶性であることが好ましく、具体的には水への溶解度が0.1g/L以下が好ましく、0.01g/L以下であることが更に好ましい。
一般式(A)で表される化合物は固体分散物として研磨液中に含有されることが好ましい。分散される固体粒子の粒子径は、好ましくは5nm以上500nm以下、更に好ましくは10nm以上200nm以下、特に好ましくは20nm以上100nm以下である。
本発明においては、固体粒子の粒子径は、レーザー散乱法により測定した値を採用している。このような有機固体分散物の粒子サイズの測定方法は、レーザー散乱法や動的光散乱法、あるいは電子顕微鏡による観察により求めることができる。好ましくはレーザー散乱法である。
酸化性化合物の固体粒子を用いて水分散物を作製する方法としては、いかなる方法を用いてもよいが、酸性化合物を前記した好ましい粒径の固体粒子として成形した後、分散媒である水に添加し、ビーズミルなどのミル方式により分散物とする方法を好ましく用いることができる。なお、分散媒中には、目的に応じて、例えば、分散性向上のため、保護コロイドとして、ポリビニルアルコールやポリアクリル酸、ヒドロキシセルロース、ゼラチンなどを添加することができる。
水不溶性の酸化性化合物の添加量は、固体粒子換算で1重量%以上20重量%以下が好ましく、更に好ましくは3重量%以上10重量%以下である。
なお、本発明の研磨液においては、この酸化性化合物以外の酸化剤、即ち、金属用研磨液において汎用の液体酸化剤、或いは、水溶性の酸化剤は含まないことが好ましい。即ち、金属研磨用の研磨液は使用前に過酸化水素等の酸化剤を混合して用いることが一般的であるが、本発明の研磨液には、このような添加を行わず、前記水不溶性の酸化性化合物以外の酸化剤を混合しないことが好ましい。
本発明においては、水に不溶な酸化性化合物を酸化剤として用いており、この酸化性化合物が固体状態で研磨液中に分散物として存在するため、液状の酸化剤を用いた場合の如き経時的な酸化効率の低下を抑制し、研磨速度の経時的な安定性を達成しうるため、特に液状、或いは、水溶性の酸化剤を添加する必要はなく、また、経時的な研磨速度安定性の観点からはこれらを混合しないことが好ましい。
本発明の研磨液はpHが6〜10であることが好ましく、特に好ましくは7〜9である。
本発明においては、硫酸、硝酸、ホウ酸、燐酸などの無機酸、アミノ酸などの有機酸、アンモニア、アンモニウム化合物などのアルカリ性化合物を用いて、研磨液のpHを上記好ましい範囲に適宜調整することができる。
<(2)研磨粒子>
本発明の金属用研磨液は研磨粒子を含有する。好ましい研磨粒子(砥粒)としては、例えば、シリカ(沈降シリカ、フュームドシリカ、コロイダルシリカ、合成シリカ)、セリア、アルミナ、チタニア、ジルコニア、ゲルマニア、酸化マンガン、炭化ケイ素、ポリスチレン、ポリアクリル、ポリテレフタレートなどが挙げられる。
本発明に係る研磨粒子は無機粒子であることが研磨に必要な硬度が得られるといった観点から好ましい。好ましい無機砥粒としては、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ、アルミナ、チタニア、セリアが挙げられ、特に好ましくは、コロイダルシリカ、アルミナである。
無機砥粒のサイズは好ましくは、5nm以上200nm以下であり、更に好ましくは10nm以上100nm以下であり、特に好ましくは20nm以上70nm以下である。
本発明の研磨液に含まれる無機砥粒の少なくとも一部は、一般式(A)で表される化合物が接合していることが好ましい。接合の態様としては、一般式(A)で表される化合物の固体分散粒子と無機粒子とが接合している態様でもよいし、無機砥粒の表面を一般式(A)で表される化合物が被覆している態様でも良い。
好ましくは、無機砥粒の表面を一般式(A)で表される化合物が被覆している態様であり、その平均被覆厚さは0.05nm以上20nm以下が好ましく、0.5nm以上10nm以下が更に好ましく、1nm以上5nm以下が特に好ましい。
一般式(A)で表される化合物を無機砥粒表面に被覆させる方法としては、無機砥粒の水分散液に対して、一般式(A)で表される化合物溶液を徐々に添加して無機砥粒表面に析出させる方法が好ましい。このとき一般式(A)で表される化合物の溶媒は水に可溶の有機溶媒が好ましく、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、ジメチルホルムアミドが挙げられる。
両者の接合状態の確認は、粒子サイズの変化や、ESCA等による元素分析により行うことができる。
研磨粒子の研磨液中の含有量は0.001重量%以上20重量%以下が好ましく、0.01重量%以上10重量%以下が更に好ましく、0.05重量%以上5重量%以下が特に好ましい。研磨速度の向上とウエハ面内の研磨速度のばらつきの低減における充分な効果を得る上で0.001質量%以上が好ましく、CMPによる研磨速度が飽和するため、20質量%以下が好ましい。
<(3)不動態膜形成剤>
本発明の金属用研磨液は、研磨対象の金属表面に不動態膜を形成する不動態膜形成剤として少なくとも1種の複素環化合物を含有する。
「複素環化合物」とはヘテロ原子を1個以上含んだ複素環を有する化合物である。ヘテロ原子とは、炭素原子、又は水素原子以外の原子を意味する。複素環とはヘテロ原子を少なくとも一つ持つ環状化合物を意味する。ヘテロ原子は複素環の環系の構成部分を形成する原子のみを意味し、環系に対して外部に位置していたり、少なくとも一つの非共役単結合により環系から分離していたり、環系のさらなる置換基の一部分であるような原子は意味しない。
ヘテロ原子として好ましくは、窒素原子、硫黄原子、酸素原子、セレン原子、テルル原子、リン原子、ケイ素原子、及びホウ素原子であり、さらに好ましくは、窒素原子、硫黄原子、酸素原子、及びセレン原子であり、特に好ましくは、窒素原子、硫黄原子、及び酸素原子であり、最も好ましくは窒素原子、及び硫黄原子である。
まず、母核となる複素環について述べる。
本発明で用いる複素環化合物の複素環の環員数は特に限定されず、単環化合物あっても縮合環を有する多環化合物であっても良い。単環の場合の員数は、好ましくは3〜8であり、さらに好ましくは5〜7であり、特に好ましくは5、及び6である。また、縮合環を有する場合の環数は、好ましくは2〜4であり、さらに好ましくは2または3である。
これらの複素環として具体的に、以下のものが挙げられる。但し、これらに限定されるものではない。
ピロール環、チオフェン環、フラン環、ピラン環、チオピラン環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピロリジン環、ピラゾリジン環、イミダゾリジン環、イソオキサゾリジン環、イソチアゾリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、チオモルホリン環、クロマン環、チオクロマン環、イソクロマン環、イソチオクロマン環、インドリン環、イソインドリン環、ピリンジン環、インドリジン環、インドール環、インダゾール環、プリン環、キノリジン環、イソキノリン環、キノリン環、ナフチリジン環、フタラジン環、キノキサリン環、キナゾリン環、シンノリン環、プテリジン環、アクリジン環、ペリミジン環、フェナントロリン環、カルバゾール環、カルボリン環、フェナジン環、アンチリジン環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、トリアジン環、トリアゾール環、テトラゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、ベンズチアジアゾール環、ベンズフロキサン環、ナフトイミダゾール環、ベンズトリアゾール環、テトラアザインデン環等が挙げられ、より好ましくはトリアゾール環、テトラゾール環が挙げられる。
次に、上記複素環が有しうる置換基について述べる。
本発明において、特定の部分を「基」と称した場合には、当該部分はそれ自体が置換されていなくても、一種以上の(可能な最多数までの)置換基で置換されていても良いことを意味する。例えば、「アルキル基」とは置換または無置換のアルキル基を意味する。
本発明で用いる複素環化合物に使用できる置換基は、例えば以下のものが挙げられる。
但し、これらに限定されるものではない。
ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、または沃素原子)、アルキル基(直鎖、分岐又は環状のアルキル基であり、ビシクロアルキル基のように多環アルキル基であっても、活性メチン基を含んでもよい)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基(置換する位置は問わない)、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、カルバモイル基(置換基を有するカルバモイル基としては、例えば、N−ヒドロキシカルバモイル基、N−アシルカルバモイル基、N−スルホニルカルバモイル基、N−カルバモイルカルバモイル基、チオカルバモイル基、N−スルファモイルカルバモイル基)、カルバゾイル基、カルボキシ基またはその塩、オキサリル基、オキサモイル基、シアノ基、カルボンイミドイル基、ホルミル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基(エチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基単位を繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スルホニルオキシ基、アミノ基、(アルキル、アリール、またはヘテロ環)アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、N−ヒドロキシウレイド基、イミド基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、セミカルバジド基、チオセミカルバジド基、ヒドラジノ基、アンモニオ基、オキサモイルアミノ基、N−(アルキルもしくはアリール)スルホニルウレイド基、N−アシルウレイド基、N−アシルスルファモイルアミノ基、ヒドロキシアミノ基、ニトロ基、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基(例えばピリジニオ基、イミダゾリオ基、キノリニオ基、イソキノリニオ基)、イソシアノ基、イミノ基、メルカプト基、(アルキル、アリール、またはヘテロ環)チオ基、(アルキル、アリール、またはヘテロ環)ジチオ基、(アルキルまたはアリール)スルホニル基、(アルキルまたはアリール)スルフィニル基、スルホ基またはその塩、スルファモイル基(置換基を有するスルファモイル基としては、例えばN−アシルスルファモイル基、N−スルホニルスルファモイル基)またはその塩、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基等が挙げられる。
なお、活性メチン基とは2つの電子求引性基で置換されたメチン基を意味し、電子求引性基とは、例えば、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基、カルボンイミドイル基を意味する。2つの電子求引性基は互いに結合して環状構造をとっていてもよい。また塩とは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、重金属などの陽イオンや、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオンなどの有機の陽イオンを意味する。
これらの中でも好ましい置換基としては、例えばハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、または沃素原子)、アルキル基(直鎖、分岐又は環状のアルキル基であり、ビシクロアルキル基のように多環アルキル基であっても、活性メチン基を含んでもよい)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基(置換する位置は問わない)、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、カルバモイル基、N−ヒドロキシカルバモイル基、N−アシルカルバモイル基、N−スルホニルカルバモイル基、N−カルバモイルカルバモイル基、チオカルバモイル基、N−スルファモイルカルバモイル基、カルバゾイル基、オキサリル基、オキサモイル基、シアノ基、カルボンイミドイル基、ホルミル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基(エチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基単位を繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スルホニルオキシ基、(アルキル、アリール、またはヘテロ環)アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、N−ヒドロキシウレイド基、イミド基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、セミカルバジド基、チオセミカルバジド基、ヒドラジノ基、アンモニオ基、オキサモイルアミノ基、N−(アルキルもしくはアリール)スルホニルウレイド基、N−アシルウレイド基、N−アシルスルファモイルアミノ基、ヒドロキシアミノ基、ニトロ基、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基(例えばピリジニオ基、イミダゾリオ基、キノリニオ基、イソキノリニオ基)、イソシアノ基、イミノ基、メルカプト基、(アルキル、アリール、またはヘテロ環)チオ基、(アルキル、アリール、またはヘテロ環)ジチオ基、(アルキルまたはアリール)スルホニル基、(アルキルまたはアリール)スルフィニル基、スルホ基またはその塩、スルファモイル基、N−アシルスルファモイル基、N−スルホニルスルファモイル基またはその塩、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基等が挙げられる。なおここで活性メチン基とは2つの電子求引性基で置換されたメチン基を意味し、ここに電子求引性基とはアシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基、カルボンイミドイル基が挙げられる。
さらに好ましくは、例えばハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、または沃素原子)、アルキル基(直鎖、分岐又は環状のアルキル基であり、ビシクロアルキル基のように多環アルキル基であっても、活性メチン基を含んでもよい)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基(置換する位置は問わない)が挙げられる。
また、上記置換基の2つが共同して環(芳香族、又は非芳香族の炭化水素環、又は複素環。これらは、さらに組み合わされて多環縮合環を形成することができる。例えばベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環、トリフェニレン環、ナフタセン環、ビフェニル環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インドリジン環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾフラン環、キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キノキサゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、チアントレン環、クロメン環、キサンテン環、フェノキサチイン環、フェノチアジン環、フェナジン環、が挙げられる。)を形成することもできる。
本発明で特に好ましく用いることができる複素環化合物の具体例としては、これらに限定されるものではないが以下のものが挙げられる。すなわち、1,2,3,4テトラゾール、5アミノ1,2,3,4テトラゾール、5メチル1,2,3,4テトラゾール、1,2,3トリアゾール、4アミノ1,2,3トリアゾール、4,5ジアミノ1,2,3トリアゾール、1,2,4トリアゾール、3アミノ1,2,4トリアゾール、3,5ジアミノ1,2,4トリアゾールである。
本発明で用いる複素環化合物は、単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。また、本発明で用いる複素環化合物は、常法に従って合成できるほか、市販品を使用してもよい。
本発明で用いる複素環化合物の添加量は、総量として、研磨に使用する際の金属用研磨液(即ち、水または水溶液で希釈する場合は希釈後の金属用研磨液。)1L中、0.0001〜1.0molが好ましく、より好ましくは0.0005〜0.5mol、更に好ましくは0.0005〜0.05molである。
これらの不動態膜形成剤としての複素化合物のなかでも、特に、分子内に3以上の窒素原子を有し、かつ縮環構造を有する複素芳香環化合物を含有することが好ましい。また、分子内に4以上の窒素原子を有する複素芳香環化合物を含有することも好ましい。
これらの好ましい特定の複素芳香環化合物はカルボキシル基、スルホ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基から選択される官能基を有することが好ましい。
ここで、カルボキシル基、スルホ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基を有するこれら特定の複素芳香環化合物を用いる場合の添加量は、好ましくは0.0001重量%以上0.005重量%以下が好ましく、更に好ましくは、0.0005重量%以上0.002重量%以下である。
以下に、本発明の特に好ましく用いられる分子内に3以上の窒素原子を有し、かつ縮環構造を有する複素芳香環化合物、及び、分子内に4以上の窒素原子を有する複素芳香環化合物の具体例〔例示化合物(I−1)〜(I−16)〕を示す。
Figure 2007243120
<(4)有機酸>
本発明の研磨液には有機酸を含有する。
本発明においては特に有機酸のなかでもアミノ酸を含有することが好ましい。
有機酸としては、水溶性のものが望ましい。以下の群から選ばれたものがより適している。
ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、2−メチル酪酸、n−ヘキサン酸、3,3−ジメチル酪酸、2−エチル酪酸、4−メチルペンタン酸、n−ヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、n−オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、安息香酸、グリコール酸、サリチル酸、グリセリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、イミノ二酢酸、ジエチルヒドロキシルグリシン、及びそれらのアンモニウム塩やアルカリ金属塩等の塩、硫酸、硝酸、アンモニア、アンモニウム塩類、又はそれらの混合物等が挙げられる。これらの中ではギ酸、マロン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、イミノ二酢酸、ジエチルヒドロキシルグリシンが銅、銅合金及び銅又は銅合金の酸化物から選ばれた少なくとも1種の金属層を含む積層膜に対して好適である。
アミノ酸としては、水溶性のものが好ましい。以下の群から選ばれたものがより適している。
グリシン、L−アラニン、β−アラニン、L−2−アミノ酪酸、L−ノルバリン、L−バリン、L−ロイシン、L−ノルロイシン、L−イソロイシン、L−アロイソロイシン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、サルコシン、L−オルニチン、L−リシン、タウリン、L−セリン、L−トレオニン、L−アロトレオニン、L−ホモセリン、L−チロシン、3,5−ジヨ−ド−L−チロシン、β−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−L−アラニン、L−チロキシン、
4−ヒドロキシ−L−プロリン、L−システィン、L−メチオニン、L−エチオニン、L−ランチオニン、L−シスタチオニン、L−シスチン、L−システィン酸、L−アスパラギン酸、L−グルタミン酸、S−(カルボキシメチル)−L−システィン、4−アミノ酪酸、L−アスパラギン、L−グルタミン、アザセリン、L−アルギニン、L−カナバニン、L−シトルリン、δ−ヒドロキシ−L−リシン、クレアチン、L−キヌレニン、L−ヒスチジン、1−メチル−L−ヒスチジン、3−メチル−L−ヒスチジン、エルゴチオネイン、L−トリプトファン、アクチノマイシンC1、アパミン、アンギオテンシンI、アンギオテンシンII及びアンチパイン等のアミノ酸。
特に、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、グリシン、グリコール酸、β−アラニン、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、イミノ二酢酸、ジエチルヒドロキシルグリシンについては実用的なCMP速度を維持しつつ、エッチング速度を効果的に抑制できるという点で好ましい。
有機酸の添加量は、研磨に使用する際の研磨液の1L中、0.0005〜0.5molとすることが好ましく、0.005mol〜0.3molとすることがより好ましく、0.01mol〜0.1molとすることが特に好ましい。即ち、酸の添加量は、エッチングの抑制の点から0.5mol以下が好ましく、充分な効果を得る上で0.0005mol以上が好ましい。
なお、これらの有機酸の中でも、以下に挙げる化合物を用いることが好ましい。これらの化合物と好ましい含有量について説明する。
(分子内に少なくとも一つのカルボキシル基と少なくとも一つのアミノ基を有する化合物)
本発明の研磨液には、有機酸として、分子内に少なくとも一つのカルボキシル基と少なくとも一つのアミノ基を有する化合物を含有することが好ましく、該化合物のアミノ基の少なくとも1つは2級あるいは3級であることがさらに好ましい。該化合物のとして好ましくは、グリシン、アラニン、バリン、グルタミン酸等のα−アミノ酸、β−アラニン等のβ−アミノ酸、イミノジ酢酸、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸、ヒドロキシエチルグリシン、ジヒドロキシエチルグリシン、グリシルグリシン、N−メチルグリシン等が挙げられる。分子内に少なくとも一つのカルボキシル基と少なくとも一つのアミノ基を有する化合物を2種以上含有すること更に好ましく、分子内にカルボキシル基を1つだけ有する化合物と。分子内にカルボキシル基を2個以上有する化合物を併用することが特に好ましい。
分子内に少なくとも一つのカルボキシル基と少なくとも一つのアミノ基を有する化合物の添加量は、0.1重量%以上5重量%以下が好ましく、0.5重量%以上2重量%以下が更に好ましい。
(分子内に少なくとも一つのアミノ基と少なくとも一つのスルホ基を有する化合物)
本発明の金属研磨用組成物における有機酸の好ましい別の例として、分子内に少なくとも一つのアミノ基と少なくとも一つのスルホ基を有する化合物が挙げられ、このような有機酸を含有することが好ましい。該化合物としては例えば、アミノメタンスルホン酸、タウリン等が挙げられる。好ましくはタウリンである。
分子内に少なくとも一つのアミノ基と少なくとも一つのスルホ基を有する化合物の添加量は、0.1重量%以上10重量%以下が好ましく、1重量%以上5重量%以下が更に好ましい。
<その他の化合物>
本発明の研磨液には、上記必須成分(1)〜(4)に加え、目的に応じて種々の化合物を添加することができる。
(4級アルキルアンモニウム化合物)
本発明の研磨液は4級アルキルアンモニウム化合物を含有することが好ましい。4級アルキルアンモニウムとしては、水酸化テトラメチルアンモニウム、硝酸テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、硝酸テトラエチルアンモニウム、硝酸ステアリントリメチルアンモニウム、硝酸ステアリルトリメチルアンモニウム等が挙げられ、特に好ましくは水酸化トリメチルアンモニウムである。
4級アルキルアンモニウム化合物の含有量としては、好ましくは0.01重量%以上20重量%以下であり、更に好ましくは0.1重量%以上5重量%以下であり、特に好ましくは0.5重量%以上2重量%以下である。
(水溶性ポリマー)
本発明の研磨液は水溶性ポリマーを含有することが好ましい。水溶性ポリマーとしては、ポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリビニルアルコール、コハク酸アミド、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーを好ましく用いることができる。
水溶性ポリマーの添加量は、総量として、研磨に使用する際の金属用研磨液の1L中、0.001〜10gとすることが好ましく、0.01〜5gとすることがより好ましく0.1〜3gとすることが特に好ましい。即ち、親水性ポリマーの添加量は、充分な効果を得る上で、0.001g以上が好ましく、CMP速度の低下防止の点から10g以下が好ましい。また、これらの親水性ポリマーの重量平均分子量としては、500〜100000が好ましく、特には2000〜50000が好ましい。
(キレート剤)
本発明の研磨液は、混入する多価金属イオンなどの悪影響を低減させるために、必要に応じてキレート剤(すなわち硬水軟化剤)を含有することが好ましい。
キレート剤としては、カルシウムやマグネシウムの沈澱防止剤である汎用の硬水軟化剤やその類縁化合物であり、例えば、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン四酢酸、N,N,N−トリメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラメチレンスルホン酸、トランスシクロヘキサンジアミン四酢酸、1,2−ジアミノプロパン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、エチレンジアミンオルトヒドロキシフェニル酢酸、エチレンジアミンジ琥珀酸(SS体)、N−(2−カルボキシラートエチル)−L−アスパラギン酸、β−アラニンジ酢酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、N,N′−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N′−ジ酢酸、1,2−ジヒドロキシベンゼン−4,6−ジスルホン酸等が挙げられる。
キレート剤は必要に応じて2種以上併用しても良い。
キレート剤の添加量は混入する多価金属イオンなどの金属イオンを封鎖するのに充分な量であれば良く、例えば、研磨に使用する際の研磨液の1L中、0.0003mol〜0.07molになるように添加する。
本発明の金属研磨用組成物は、砥粒以外の無機成分は含有しないことが好ましいが、含有する場合にはリン酸塩または亜リン酸塩であることが好ましい。
本発明の金属研磨用組成物においては、研磨面への吸着性や反応性、研磨金属の溶解性、被研磨面の電気化学的性質、化合物官能基の解離状態、液としての安定性などにより、適時前記化合物の種類、添加量、或いは、pHを設定することが好ましい。本発明の金属研磨用組成物におけるpHは、先に述べたようにpHは2〜7であることが好ましく、さらに好ましくはpHが4〜6の範囲である。
<化学的機械的研磨方法>
本発明の金属用研磨液は、以下に詳述する化学的機械的研磨方法(以下、「CMP方法」又は「研磨方法」ともいう。)に適用される。即ち、本発明の金属用研磨液を、被研磨面と接触させ、被研磨面と研磨面を相対運動させて、金属配線を形成した基板を研磨することにより金属の少なくとも一部を除去するものである。
ここで研磨対象となる被加工体としては、支持体基板上に導電性材料膜が形成されたウェハ、支持体基板上に形成された配線上に設けられた低誘電性絶縁膜(層間絶縁膜)に導電性材料膜が形成された積層体など、半導体デバイス製造工程において平坦化を必要とする全ての段階の材料を挙げることができる。
〔低誘電率絶縁膜〕
本発明において、研磨する対象の一つである低誘電率絶縁膜について説明する。従来、半導体デバイスの層間絶縁膜材料としてSiO(比誘電率約4.1)が用いられてきた。本発明における低誘電率絶縁膜材料の誘電率は3.0以下と定義する。
本発明で用いられる低誘電率絶縁膜は有機系でも無機系でもよいが、好ましくはSiOC、MSQ等の有機−無機ハイブリッド系、またはポリイミド、テフロン(登録商標)等の有機ポリマー系である。これらの材料は微小な空孔を有しても構わない。
膜形成方法はプラズマCVDでもスピン塗布でもよい。誘電率は低い方が好ましいが、特に好ましくは1.8〜2.5である。具体的には、SiOC−プラズマCVD方式の「ブラックダイヤモンド(アプライドマテリアルズ社、商標)」や有機ポリマー系の「SiLK(ダウケミカルカンパニー社、商標)」などが挙げられる。
〔配線金属原材料〕
本発明においては、研磨する対象である半導体が、銅金属及び/又は銅合金からなる配線を持つ半導体集積回路(以下、適宜、LSIと記す)であることが好ましく、特には銅合金が好ましい。更には、銅合金の中でも銀を含有する銅合金が好ましい。銅合金に含有される銀含量は、40質量%以下が好ましく、特には10質量%以下、さらには1質量%以下が好ましく、0.00001〜0.1質量%の範囲である銅合金において最も優れた効果を発揮する。
〔配線の太さ〕
本発明においては、研磨する対象である半導体が、例えばDRAMデバイス系ではハーフピッチで0.15μm以下で特には0.10μm以下、更には0.08μm以下、一方、MPUデバイス系では0.12μm以下で特には0.09μm以下、更には0.07μm以下の配線を持つLSIであることが好ましい。これらのLSIに対して、本発明の研磨液は特に優れた効果を発揮する。
〔バリアメタル〕
本発明においては、半導体が銅金属及び/または銅合金からなる配線と層間絶縁膜との間に、銅の拡散を防ぐ為のバリアメタル層を設けることが好ましい。バリアメタル層を構成する材料としては低抵抗のメタル材料がよく、特にはTiN、TiW、Ta、TaN、W、WNが好ましく、中でもTa、TaNが特に好ましい。
〔研磨方法〕
研磨液は、濃縮液であって使用する際に水を加えて希釈して使用液とする場合、または、各成分が次項に述べる水溶液の形態でこれらを混合し、必要により水を加え希釈して使用液とする場合、あるいは使用液として調製されている場合がある。本発明の研磨液を用いた研磨方法は、いずれの場合にも適用でき、研磨液を研磨定盤上の研磨パッドに供給し、被研磨面と接触させて被研磨面と研磨パッドを相対運動させて研磨する研磨方法である。
研磨する装置としては、被研磨面を有する半導体基板等を保持するホルダーと研磨パッドを貼り付けた(回転数が変更可能なモータ等を取り付けてある)研磨定盤を有する一般的な研磨装置が使用できる。研磨パッドとしては、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂などが使用でき、特に制限がない。研磨条件には制限はないが、研磨定盤の回転速度は基板が飛び出さないように200rpm以下の低回転が好ましい。被研磨面(被研磨膜)を有する半導体基板の研磨パッドへの押しつけ圧力は、5〜500g/cm2であることが好ましく、研磨速度のウエハ面内均一性及びパターンの平坦性を満足するためには、12〜240g/cm2であることがより好ましい。
研磨している間、研磨パッドには研磨液をポンプ等で連続的に供給する。この供給量に制限はないが、研磨パッドの表面が常に研磨液で覆われていることが
好ましい。研磨終了後の半導体基板は、流水中で良く洗浄した後、スピンドライヤ等を用いて半導体基板上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させる。本発明の研磨方法では、希釈する水溶液は、次ぎに述べる水溶液と同じである。水溶液は、予め酸化剤、酸、添加剤、界面活性剤のうち少なくとも1つ以上を含有した水で、水溶液中に含有した成分と希釈される研磨液の成分を合計した成分が、研磨液を使用して研磨する際の成分となるようにする。水溶液で希釈して使用する場合は、溶解しにくい成分を水溶液の形で配合することができ、より濃縮した研磨液を調製することができる。
濃縮された研磨液に水または水溶液を加え希釈する方法としては、濃縮された研磨液を供給する配管と水または水溶液を供給する配管を途中で合流させて混合し、混合し希釈された研磨液を研磨パッドに供給する方法がある。混合は、圧力を付した状態で狭い通路を通して液同士を衝突混合する方法、配管中にガラス管などの充填物を詰め液体の流れを分流分離、合流させることを繰り返し行う方法、配管中に動力で回転する羽根を設ける方法など通常に行われている方法を採用することができる。
研磨液の供給速度は10〜1000ml/minが好ましく、研磨速度のウエハ面内均一性及びパターンの平坦性を満足するためには、170〜800ml/minであることがより好ましい。
濃縮された研磨液を水または水溶液などにより希釈し、研磨する方法としては、研磨液を供給する配管と水または水溶液を供給する配管を独立に設け、それぞれから所定量の液を研磨パッドに供給し、研磨パッドと被研磨面の相対運動で混合しつつ研磨する方法である。または、1つの容器に、所定量の濃縮された研磨液と水または水溶液を入れ混合してから、研磨パッドにその混合した研磨液を供給し、研磨をする方法がある。
本発明の別の研磨方法は、研磨液が含有すべき成分を少なくとも2つの構成成分に分けて、それらを使用する際に、水または水溶液を加え希釈して研磨定盤上の研磨パッドに供給し、被研磨面と接触させて被研磨面と研磨パッドを相対運動させて研磨する方法である。
例えば、酸化剤を1つの構成成分(A)とし、酸、添加剤、界面活性剤及び水を1つの構成成分(B)とし、それらを使用する際に水または水溶液で構成成分(A)と構成成分(B)を希釈して使用する。
また、溶解度の低い添加剤を2つの構成成分(A)と(B)に分け、酸化剤、添加剤及び界面活性剤を1つの構成成分(A)とし、酸、添加剤、界面活性剤及び水を1つの構成成分(B)とし、それらを使用する際に水または水溶液を加え構成成分(A)と構成成分(B)を希釈して使用する。この例の場合、構成成分(A)と構成成分(B)と水または水溶液をそれぞれ供給する3つの配管が必要であり、希釈混合は、3つの配管を、研磨パッドに供給する1つの配管に結合し、その配管内で混合する方法があり、この場合、2つの配管を結合してから他の1つの配管を結合することも可能である。
例えば、溶解しにくい添加剤を含む構成成分と他の構成成分を混合し、混合経路を長くして溶解時間を確保してから、さらに水または水溶液の配管を結合する方法である。その他の混合方法は、上記したように直接に3つの配管をそれぞれ研磨パッドに導き、研磨パッドと被研磨面の相対運動により混合する方法、1つの容器に3つの構成成分を混合して、そこから研磨パッドに希釈された研磨液を供給する方法である。上記した研磨方法において、酸化剤を含む1つの構成成分を40℃以下にし、他の構成成分を室温から100℃の範囲に加温し、且つ1つの構成成分と他の構成成分または水もしくは水溶液を加え希釈して使用する際に、混合した後に40℃以下とするようにすることもできる。温度が高いと溶解度が高くなるため、研磨液の溶解度の低い原料の溶解度を上げるために好ましい方法である。
酸化剤を含まない他の成分を室温から100℃の範囲で加温して溶解させた原料は、温度が下がると溶液中に析出するため、温度が低下したその成分を用いる場合は、予め加温して析出したものを溶解させる必要がある。これには、加温し溶解した構成成分液を送液する手段と、析出物を含む液を攪拌しておき、送液し配管を加温して溶解させる手段を採用することができる。加温した成分が酸化剤を含む1つの構成成分の温度を40℃以上に高めると酸化剤が分解してくる恐れがあるので、加温した構成成分とこの加温した構成成分を冷却する酸化剤を含む1つの構成成分で混合した場合、40℃以下となるようにする。
また本発明においては、上述したように研磨液の成分を二分割以上に分割して、研磨面に供給してもよい。この場合、酸化物を含む成分と酸を含有する成分とに分割して供給する事が好ましい。また、研磨液を濃縮液とし、希釈水を別にして研磨面に供給してもよい。
〔パッド〕
研磨用のパッドは、無発泡構造パッドでも発泡構造パッドでもよい。前者はプラスチック板のように硬質の合成樹脂バルク材をパッドに用いるものである。また、後者は更に独立発泡体(乾式発泡系)、連続発泡体(湿式発泡系)、2層複合体(積層系)の3つがあり、特には2層複合体(積層系)が好ましい。発泡は、均一でも不均一でもよい。
更に研磨に用いる砥粒(例えば、セリア、シリカ、アルミナ、樹脂など)を含有したものでもよい。また、それぞれに硬さは軟質のものと硬質のものがあり、どちらでもよく、積層系ではそれぞれの層に異なる硬さのものを用いることが好ましい。材質としては不織布、人工皮革、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート等が好ましい。また、研磨面と接触する面には、格子溝/穴/同心溝/らせん状溝などの加工を施してもよい。
〔ウエハ〕
本発明の研磨液でCMPを行なう対象ウエハは、径が200mm以上であることが好ましく、特には300mm以上が好ましい。300mm以上である時に顕著に本発明の効果を発揮する。
以下、実施例により本発明を説明する。本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
〔実施例1〜8、比較例1〕
ポリハロゲン化合物の固体分散物は以下の方法で調製した。
100gのポリハロゲン化合物に水100gを加え、ビーズ径2mmのジルコニアビーズを用いたビーズミルにて2時間粉砕および分散することによりポリハロゲン化合物の固体分散物を得た。レーザー散乱法により測定した分散粒子の平均粒径は130nmであった。
(研磨液の調製)
無機砥粒は平均サイズ50〜60nmの粒子径のものを用い、pHは8に調整した。ポリハロゲン化合物および砥粒以外の添加剤の組成は表1に示した。ただし比較例1に関してはポリハロゲン化合物に代えて、研磨液1Lに対して液状の酸化剤である30%過酸化水素を25ml添加して使用した。
(研磨速度の経時安定性試験)
研磨装置としてラップマスター社製装置「LGP−613」を使用し、下記の条件で研磨液を供給しながら各ウエハーに設けられた膜を研磨した。
基盤:8inch銅膜付きシリコンウエハ
テ−ブル回転数:50rpm
ヘッド回転数:50rpm
研磨圧力:168hPa
研磨パッド:ロデール・ニッタ株式会社製 品番IC−1400
スラリー供給速度:200ml/分
(研磨速度)
研磨速度は、研磨前後の電気抵抗から膜圧を換算した。具体的には、研磨速度(nm/分)=(研磨前の銅膜の厚さ−研磨後の銅膜の厚さ)/研磨時間で測定した。
研磨液調液後1時間以内に測定した研磨速度と、研磨液調液後1週間後の研磨速度を表2に併記した。
(ディッシングの評価試験)
セマテック社製CMP854パターンウェハを、研磨液調液後1時間以内の試料を用いて研磨を行い、Ta露出までの時間に加え、さらに30%分オーバーポリッシュした試料について、触針式段差計DektakV320Si(Veeco社製)で、ライン100μm&スペース100μm部の段差として求めた。数値が少ないほど良好であると評価する。結果を表1に示す。
Figure 2007243120
表1に明らかなように、水不溶性の酸化性化合物であるポリハロゲン化合物を研磨粒子として用いることにより、ディッシング及び研磨速度の径時安定性が飛躍的に向上することが明かとなった。
また、実施例1と実施例2〜8との対比により、酸性化合物の固体粒子と無機研磨粒子とを併用することで、研磨速度が向上することがわかった。
〔実施例9〜13〕
(ポリハロゲン化合物被覆砥粒の調製)
平均粒子径80nmのコロイダルシリカの20重量%水分散物100gを室温に保ち、攪拌しながらポリハロゲン化合物A−3のエタノール溶液(0.5g/50mlエタノール)を1時間掛けてゆっくりと添加した。これによりコロイダルシリカ表面が平均してポリハロゲン化合物〔例示化合物(A−3)〕に約2nm被覆される計算になる。
このポリハロゲン化合物被覆砥粒を含有する研磨液の組成を表2に示した。比較例2に関しては、ポリハロゲン化合物被覆砥粒に代えて、研磨液1Lに対して液状の酸化剤である30%過酸化水素を25ml添加して使用した。研磨速度の経時安定性試験は実施例1と同様の方法で行った。結果を表2に併記した。
Figure 2007243120
表2に示した通り、酸化性化合物であるポリハロゲン化合物を被覆した無機砥粒を用いることによって、研磨速度の径時安定性が飛躍的に向上することが分かった。また、このような被覆粒子に、さらに、無機粒子であるコロイダルシリカ粒子を併用することにより、研磨速度が向上することがわかった。

Claims (10)

  1. 水に不溶な酸化性化合物の水分散物、研磨粒子、不動膜形成剤および有機酸を含有し、主として半導体デバイスの銅配線研磨に用いられる研磨液。
  2. 前記水に不溶な酸化性化合物が有機性の化合物であることを特徴とする請求項1に記載の研磨液。
  3. 前記有機性の水に不溶な酸化性化合物が下記一般式(A)で表されるポリハロゲン化合物であることを特徴とする請求項2に記載の研磨液。
    一般式(A)
    Q−(Y)−C(Z)(Z)X
    一般式(A)において、Qはアルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表し、Yは2価の連結基を表し、nは0または1を表し、ZおよびZはそれぞれ独立にハロゲン原子を表し、Xは水素原子または電子吸引性基を表す。
  4. 前記研磨粒子が無機粒子であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の研磨液。
  5. 前記一般式(A)で表される化合物と前記無機粒子が接合していることを特徴とする請求項4の研磨液。
  6. pHが6〜10であることを特徴とする請求項4に記載の研磨液。
  7. さらに、4級アルキルアンモニウム化合物を含有することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の研磨液。
  8. さらに、水溶性ポリマーを含有することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の研磨液。
  9. 前記有機酸がアミノ酸であることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の研磨液。
  10. 前記不動膜形成剤が複素芳香環化合物であることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の研磨液。
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