JP2007242999A - 発光装置、発光装置の製造方法、電子機器 - Google Patents

発光装置、発光装置の製造方法、電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】有機機能層の温度を正確に測定することができる発光装置、その製造方法等を提供する。
【解決手段】基体10上に、第一電極と、第一電極上に配置された発光層と、発光層を覆う第二電極と、第二電極を覆う封止部と、を有する発光装置1において、第二電極と封止部との間に発光層の温度を測定する温度測定部50を備える。発光層が縦横に複数規則的に配置されて発光領域Pを形成すると共に、温度測定部50が少なくとも発光領域Pの中央部に配置される。
【選択図】図2

Description

本発明は、発光装置、発光装置の製造方法、電子機器に関する。
有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELと称する。)装置は、薄膜を積層した構造を有する自発光型の高速応答性表示素子を備えるため、軽くて動画対応に優れた表示パネルを形成でき、近年ではFPD(Flat PanEL Display)テレビ等の表示パネルとして非常に注目されている。
その代表的な製造方法としては、ガラス等の基板上に、フォトリソグラフィ技術を用いて陽極を所望の形状にパターニングし、更に陽極上に蒸着法を用いて発光層を含む複数の有機機能層を成膜し、更に陰極を順次積層する方法が知られている。
有機機能層には、発光層の他に、正孔注入層、正孔輸送層などの正孔輸送能を持つ材料からなる層や、電子輸送層、電子注入層などの電子輸送能を持つ材料からなる層などが含まれたものがある。
そして、透明陽極と陰極との間に電界を印加することにより、陽極からは正孔が、陰極からは電子が、それぞれ有機機能層に注入され、この電子と正孔が再結合して励起子が形成され、それが基底状態に戻るときに発光する。
有機機能層は、発光の際に熱を発しやすく、その一方で熱に対する輝度変化が大きいという特性を有している。このため、有機機能層の駆動時に、有機機能層の温度を測定し、この温度情報に基づいて有機機能層に対する印加電圧を補正することで、有機機能層の発光輝度を一定に保つ方法が提案されている。
特開2003−29710号公報 特開2001−13923号公報 特開2005−316139号公報
しかしながら、上述した技術は、いずれも有機機能層を挟持するガラス基板上に温度センサを配置することで、有機機能層の温度を測定している。このため、有機機能層の温度を正確に測定することは困難である。したがって、有機機能層の輝度制御が必ずしも十分に行われていないという問題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、有機機能層の温度を正確に測定することができる発光装置、その製造方法等を提供することを目的とする。
本発明に係る発光装置、発光装置の製造方法、電子機器では、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
第一の発明は、基体上に、第一電極と、前記第一電極上に配置された発光層と、前記発光層を覆う第二電極と、前記第二電極を覆う封止部と、を有する発光装置において、前記第二電極と前記封止部との間に前記発光層の温度を測定する温度測定部を備えるようにした。
この発明によれば、発光層の近傍に温度測定部が設けられるので、発光層の温度を正確に測定することが可能となる。
また、前記温度測定部が、熱電対であるものでは、簡単かつ低コストに温度測定部を配置することができる。
また、前記発光層が縦横に複数規則的に配置されて発光領域を形成すると共に、前記熱電対の接点が少なくとも前記発光領域の中央部に配置されるものでは、高温になりやすい発光領域の中央部の温度を測定することができる。
また、前記発光層が縦横に複数規則的に配置されて発光領域を形成すると共に、前記熱電対の接点が少なくとも前記発光領域の四隅に配置されるものでは、中央部に対して温度差の大きい発光領域の四隅の温度を測定することができる。
また、前記熱電対の測定情報と予め求められた前記発光領域の温度分布情報とに基づいて、前記発光領域の温度分布を求めるものでは、実験等により予め求めた発光領域の温度分布情報を用いるので、発光領域の温度分布を正確に求めることができる。
また、前記熱電対同士の間の領域の温度を前記熱電対までの距離に応じて補完して、前記発光領域の温度分布を求めるものでは、計算のみにより発光領域の温度分布を正確に求めることができる。
第二の発明は、基体上に第一電極を形成する工程と、前記第一電極上に発光層を含む有機機能層を形成する工程と、前記有機機能層上に第二電極を形成する工程と、前記第二電極上に封止部を形成する工程と、を有する発光装置の製造方法において、前記第二電極形成工程と前記封止部形成工程との間に、前記発光層の温度を測定する温度測定部を配置する工程を含むようにした。
この発明によれば、発光層の近傍に温度測定部が設けられるので、発光層の温度を正確に測定することが可能となる。
第三の発明に係る電子機器は、第一の発明に係る発光装置、或いは第二の発明に係る方法により製造した発光装置を備えるようにした。
この発明によれば、発光装置における発光層の温度状況を正確に測定し、この温度情報に基づいて発光層の駆動電圧の制御を行うことができる。これにより、長寿命でムラのない発光が可能な発光装置を得ることができる。
以下、本発明に係る発光装置、発光装置の製造方法、電子機器の実施形態について図を参照して説明する。
〔発光装置〕
図1は、有機EL表示装置1の全体構成を概略的に示す斜視図である。以下の図では、各部材を認識可能な大きさとするため、縮尺を適宜変更している。
有機EL表示装置1は、基板2に配線や絶縁層等が形成された基体10と、この基体10上に形成された有機EL素子部3と、基体10の端部2aに取り付けられた駆動部4と、有機EL素子部3及び基体10を覆う封止部5とを有しており、駆動部4から供給される電気信号に応じて有機EL素子部3が発光することで、画像や動画等を表示できるようになっている。
本実施形態では、薄膜トランジスタ(Thin film Transistor:TFT)が形成されたアクティブマトリクス型であり、有機EL素子部3により発生した光が基体10を透過して取り出されるボトムエミッション型である有機EL表示装置1を例に挙げて説明する。
図2は、有機EL表示装置1の平面図である。この図では、封止部5を省略している。
図2に示すように、基体10は、画素部7(一点鎖線内の領域)と周縁部8(当該一点鎖線の外の領域)とに区画されており、画素部7内では、実表示領域P(二点鎖線内の領域)とダミー領域Q(一点鎖線と二点鎖線との間の領域)とに更に区画されている。画素部7の実表示領域Pには、実表示領域Pには、それぞれ画素電極を有する画素領域Kそれぞれ離間してマトリックス状に配置される。
なお、各画素領域Kの間の領域には、図中X方向に延在する走査線(ゲート電極15)と、図中Y方向に延在するデータ線(ソース電極17)とが形成されている(図3、図4参照)。
複数の画素領域Kから形成される実表示領域P上には、複数の熱電対50が配置される。熱電対50は、2本の異なる材料からなる金属線51,52の一端同士を接続し、他端の電位差を測定することで、接点部50sの温度を求めるものである。
そして、2本の異なる金属線51,52の接点部50s、すなわち温度を測定する部分は、実表示領域Pの中央部及び四隅の五箇所に配置される。これにより、実表示領域Pの温度、特に発光した際の温度を測定し、この温度情報に基づいて、各画素領域Kへの印加電圧を制御することで、各画素領域Kの発光輝度を一定にする等の調整が行われるようになっている。
五つの熱電対50を実表示領域Pの中央及び四隅に配置するのは、実表示領域Pの全体の温度分布を計測するためである。実表示領域Pは、その構造上、中央部が高温となり、周辺部に向けて温度が下がるという温度分布となる。このため、最も高温となる中央部と、最も低温となる四隅のそれぞれの温度を測定することにより、実表示領域Pの全体の温度分布を求めることができる。
熱電対50が配置されていない領域、例えば、熱電対50aと熱電対50bとの間(領域Z)の温度は、熱電対50aと熱電対50bにより測定された温度情報と、熱電対50a及び熱電対50bから領域Zまでの距離により求めることができる。具体的には、領域Zが熱電対50aと熱電対50bの中間位置にあれば、領域Zの温度は、熱電対50aと熱電対50bにより測定された温度の中間値となる。
このように、熱電対50が配置されていない領域の温度を、熱電対50からの距離に応じて求めて補完することで、実表示領域Pの全体の温度分布を求めることができる。
なお、熱電対50からの距離に応じて熱電対50が配置されていない領域の温度を求める場合に限らない。
例えば、予め実験等により実表示領域Pの温度分布を求め、この情報を記憶しておく。そして、有機EL素子部3(画素領域K)を発光させて各種画像や動画等を表示した際に、各熱電対50により画素領域Kの温度を測定し、この温度情報と記憶された温度分布の情報とを比較して、発光時の画素領域Kの温度分布を求めてもよい。このように、予め実験等により実表示領域Pの温度分布を求めおく場合には、熱電対50が一つだけであってもよい。例えば、実表示領域Pの中央部にのみに熱電対50を配置すればよい。
図3は、有機EL表示装置1のA−A断面を概略的に示す図である。また、図4は、有機EL表示装置1のB−B断面を概略的に示す図である。
図3及び図4に示すように、基体10の構成要素である基板2は、例えば、ガラス、石英、樹脂(プラスチック、プラスチックフィルム)等からなる透明基板である。本実施形態に係る有機EL表示装置1はボトムエミッション型のものであり、光を取り出すには基板2を透明にする必要がある。基板2の表面2bには、下地として例えばSiO2等の透明な下地保護層11が形成されている。
画素部7の実表示領域Pでは、下地保護層11上に、シリコン膜12、第一絶縁層(ゲート絶縁層)13、ゲート電極15、第二絶縁層16、ソース電極17、ドレイン電極18、第三絶縁層19が形成されている。また、画素部7のダミー領域Qでは、下地保護層11上に、走査駆動回路20、データ駆動回路21等が形成されており、駆動部4に接続されるように電源線(図示せず)が形成されている。
シリコン膜12は、チャネル領域、ソース領域及びドレイン領域を有する駆動用トランジスタである。シリコン膜12のうち、ゲート絶縁層13を挟んでゲート電極15と重なる領域がチャネル領域12aである。チャネル領域12aのソース側には、低濃度ソース領域12b及び高濃度ソース領域12sが形成され、チャネル領域12aのドレイン側には、低濃度ドレイン領域12c及び高濃度ドレイン領域12dが形成されている。このようにシリコン膜12は、LDD(Lightly Doped Drain)構造になっている。
高濃度ソース領域12s及び高濃度ドレイン領域12dには、ゲート絶縁層13と第二絶縁層16とを連通して開孔されたコンタクトホール23、24が形成されている。一方、高濃度ドレイン領域12d側には、ドレイン電極18に接続されるように、第三絶縁層19を貫通してコンタクトホール25が形成されている。
ゲート絶縁層13は、例えばSiO2やSiN等で形成された透明な層であり、シリコン膜12とゲート電極15とを絶縁している。
ゲート電極15は、例えばアルミニウムや銅等により形成されており、走査線に接続されている。ソース電極17は、ゲート電極15と同様にアルミニウムや銅等により形成されており、データ線に接続されている。ソース電極17は、コンタクトホール23を介して高濃度ソース領域12sに接続されている。また、ドレイン電極18は、高濃度ドレイン領域12dに接続されている。
第二絶縁層16は、主にSiO2からなる透明な層であり、ゲート電極15、ソース電極17及びドレイン電極18をそれぞれ絶縁している。
第三絶縁層19は、例えばアクリル系の樹脂成分を主体とし、ソース電極17とドレイン電極18及びコンタクトホール25とを絶縁している。なお、アクリル系の絶縁膜以外の材料、例えば、SiN、SiO2などを用いることもできる。
また、ダミー領域Qに設けられる走査駆動回路20は、シフトレジスタ等のメモリや信号レベルを変換するレベルシフタ等の回路を有しており、走査線に接続されている。
データ駆動回路21は、このシフトレジスタ、レベルシフタの他、ビデオラインやアナログシフタ等の回路を有しており、データ線に接続されている。走査駆動回路20及びデータ駆動回路21は、駆動制御信号線28a、28bを介して駆動部4に接続されており、当該駆動部4の制御により走査線及びデータ線に電気信号を出力するようになっている。走査駆動回路20及びデータ駆動回路21は、駆動電源線29a、29bを介して電源に接続されている。
周縁部8には、有機EL素子部3に接続する接続用配線27が形成されている。この接続用配線27は駆動部4に接続されており、当該接続用配線27を介して駆動部4からの電気信号を有機EL素子部3に供給することができるようになっている。
一方、有機EL素子部3は、陽極31と、正孔注入層32と、発光層33と、共通電極(陰極)34と、画素開口膜35と、有機バンク層36とを有している。これらは上述した基体10上に積層されている。
陽極31は、正孔注入層32に正孔を注入する透明な電極であり、例えばITO(Indium Tin Oxide)等から形成されている。当該陽極31は、コンタクトホール25を介してドレイン電極18に接続されており、正孔注入層32を圧迫するように、凸状に形成されている。正孔注入層32は、例えば、ポリオレフィン誘導体である3、4−ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT/PSS)等の材料により形成されている。
発光層33は、正孔注入層32からの正孔と陰極34からの電子とが結合して光を発する層であり、例えば分子量が1000以上の高分子材料が用いることが好ましい。具体的には、ポリフルオレン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリチオフェン誘導体、またはこれらの高分子材料に、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素、例えばルブレン、ペリレン、9、10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等をドープしたものが用いられる。
発光層33には、赤色光を発する層(赤色発光層33R)、緑色光を発する層(緑色発光層33G)、青色光を発する層(青色発光層33B)の3種類がある。このような発光層33からの光が正孔注入層32、陽極31及び基体10を透過することで、基板2の実表示領域Pに画像や動画等が表示されるようになっている。
陰極34は、駆動部4からの電気信号に応じて発光層33に電子を注入する層であり、例えばカルシウム等の金属により形成されている。陰極34は、実表示領域Pおよびダミー領域Qの総面積より広い面積を備え、それぞれの領域を覆うように形成されたもので、有機EL素子部3の外側を覆った状態で基体10上に形成されている。この陰極34は、接続用配線27に接続されており、当該接続用配線27を介して駆動部4に接続されている。製造時の陰極34の腐食防止のため、陰極34の上層部に例えばアルミニウム等の保護層を形成してもよい。
画素開口膜35は、例えばSiO2等からなる絶縁膜である。この画素開口膜35は、壁面35bで囲まれた開口部35aにおいて陽極31からの正孔の移動を可能にすると共に、開口部35aが設けられない部位での正孔の移動が起こらないようにしている。
有機バンク層36は、正孔注入層32や発光層33をインクジェット法等の液滴吐出法で形成する際に各画素を隔てる部材である。また、隣接する正孔注入層32及び発光層33の間で電子の移動が起こらないようにする絶縁部材である。有機バンク層36は、例えばアクリルやポリイミド等の耐熱性・耐溶性のある材料で形成されており、各正孔注入層32及び発光層33を遮断している。
また、有機バンク層36の壁面36c、陽極31の上面31a、画素開口膜35の側面35c及び上面35dについては、親液性を示す領域(親液性領域)70になっており、有機バンク層36の上面36eおよび壁面36cについては、撥液性を示す領域(撥液性領域)80になっている。
陰極34の一部には、熱電対50(接点部50s)が配置される。陰極34と熱電対50との絶縁を確保するために、陰極34上の一部に絶縁層を形成してもよいし、絶縁性被膜に覆われた熱電対を用いてもよい。
上述したように、熱電対50は、異なる材料からなる2本の金属線51,52から構成される。2本の金属線材料の組み合わせとしては、クロメル(ニッケルおよびクロムを主とした合金)とアルメル(ニッケルを主とした合金)が代表的であるが、その他に、鉄とコンスタンタン(銅およびニッケルを主とした合金)、銅とコンスタンタン、クロメルとコンスタンタン等が知られている。これらのいずれの組み合わせであってもよい。
なお、熱電対50の接点部50sは、陰極34に密着させることが好ましい。これは、発光層33の温度をより正確に測定するためである。ただし、熱電対50の接点部50sと陰極34との電気的絶縁を確保するために、接点部50sに絶縁性被膜を設ける、或いは陰極34上に二酸化珪素(SiO2)等の絶縁性の薄膜を形成しておく必要がある。
一方、接点部50s以外の導線部(金属線51,52)は、必ずしも陰極34に密着させなくてもよい。
陰極34及び熱電対50上には、有機バンク層36よりも広い範囲で、かつ陰極34を覆った状態で緩衝層40が設けられる。緩衝層40は、有機バンク層36の形状の影響により、凸凹状に形成された陰極34の凸凹部分を埋めるように配置され、更に、その上面は略平坦に形成される。
緩衝層40は、基体10側から発生する反りや体積変化により発生する応力を緩和し、不安定な有機バンク層36からの陰極34の剥離を防止する機能を有する。また、緩衝層40の上面が略平坦化されるので、緩衝層40上に形成される硬い被膜からなる封止部5も平坦化されるので、応力が集中する部位がなくなり、これにより、封止部5へのクラックの発生を防止する。
緩衝層40としては、親油性で低吸水性を有する高分子材料、例えば、ポリオレフィン系またはポリエーテル系が好ましい。また、メチルトリメトキシシランやテトラエトキシシランなどのアルコキシシランを加水分解させて縮合させた有機珪素ポリマーでもよい。更に、3−アミノプロピルトリメトキシシランや3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤等の珪素化合物を含んだ高分子を用いることにより、陰極34及び封止部5との界面の接着性を向上させることができる。
更に、このような緩衝層40の上には、緩衝層40の基体10上で露出する部位を覆った状態で封止部5が設けられる。そして、封止部5は、基体10の外周部の第三絶縁層19上まで形成される。
封止部5は、その内側に酸素や水分が浸入するのを防止するためのもので、これにより陰極34や発光層33への酸素や水分の浸入を防止し、酸素や水分による陰極34や発光層33の劣化等を抑えるようにしたものである。
また、封止部5は、例えば無機化合物からなるもので、好ましくは珪素化合物、すなわち珪素窒化物や珪素酸窒化物、珪素酸化物などによって形成される。ただし、珪素化合物以外でも、例えばアルミナや酸化タンタル、酸化チタン、さらには他のセラミックスなどからなっていてもよい。このように封止部5が無機化合物で形成されていれば、特に陰極34がITOでから形成されることにより、封止部5と陰極34の一部との密着性がよくなり、したがって封止部5が欠陥のない緻密な層となって酸素や水分に対するバリア性がより良好になる。
なお、緩衝層40を設けることなく、封止部5を形成してもよい。この場合には、封止部5を無機化合物と有機化合物のいずれにより形成してもよい。
また、封止部5として、いわゆる缶封止部材を用いてもよい。この場合には、緩衝層40を設けることなく、陰極34と缶封止部材との間に乾燥空気等が封入してもよい。
〔有機EL装置の製造方法〕
次に、本実施形態に係るEL表示装置1の製造方法の一例を、図5を参照して説明する。図5に示す各断面図は、図2中のA−B線の断面図に対応した図である。
なお、本実施形態においては、EL表示装置1がボトムエミッション型である場合であり、また基体10上に陰極34を形成するまでの工程については、従来技術と変わらないので説明を省略する。
図5(a)に示すように、陰極34上の所定箇所、具体的には、実表示領域Pの中央部及び四隅に、熱電対50を配置する。熱電対50は、金属線51,52からなり、例えば0.2ミリメートル程度の厚みを有する。
なお、熱電対50の表面は、ポリイミド等の絶縁性に優れた材料で覆われており、粘着材で陰極34上に固定することができる。
次いで、図5(b)に示すように、塗布方式、すなわちウエットプロセスにより、陰極34上に緩衝層40を形成する。
例えばインクジェット法で形成する場合には、まず、インクジェットヘッド(図示略)に緩衝層材料を充填し、インクジェットヘッドの吐出ノズルを陰極34に対向させ、インクジェットヘッドと基体10とを相対移動させながら、吐出ノズルから1滴当たりの液量が制御された液滴を陰極34上に吐出する。次に、吐出後の液滴を乾燥処理し、緩衝層材料に含まれる分散媒や溶媒を蒸発させることにより、緩衝層40を形成する。
また、スリットコート(或いはカーテンコート)法により、緩衝層材料を塗布してもよい。
次いで、図5(c)に示すように、陰極34及び緩衝層40を覆って、封止部5を形成する。
封止部5の形成方法としては、先にスパッタリング法やイオンプレーティング法等の物理的気相蒸着法やプラズマCVD法等の化学的気相蒸着法で成膜を行うのが好ましい。
以上のようにして、EL表示装置1が形成される。
このようなEL表示装置1にあっては、陰極34上に熱電対50を配置したので、発光層33の発光時の温度を正確に測定することができる。そして、計測した温度情報に基づいて、発光層33への駆動電圧(陽極31と陰極34との間の電位差)をより適切に制御することが可能となる。
これにより、発光層33の発光輝度を一定に保つと共に、長寿命化を図ることが可能となる。
また、EL表示装置1では、本発明における第一の電極を陽極として機能させ、第二の電極を陰極として機能させたが、これらを逆にして第一の電極を陰極、第二の電極を陽極としてそれぞれ機能させるよう構成してもよい。
また、本実施形態では、発光装置にEL表示装置1を適用した例を示したが、本発明はこれに限定されることなく、基本的に第二電極が基体の外側に設けられるものであれば、どのような形態の発光装置にも適用可能である。
また、熱電対50は、異なる材料からなる2本の金属線51,52から構成されるが、少なくとも接点部50sが異なる材料から形成されていればよく、金属線51,52における接点部50s以外の部分は、例えば、アルミニウム等の導電性材料で形成してもよい。
〔電子機器〕
次に、本発明の電子機器について説明する。
電子機器は、上述したEL表示装置1を表示部として備えたものであり、具体的には図6に示すものが挙げられる。
図6(a)は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図6(a)において、携帯電話1000は、上述したEL表示装置1を用いた表示部1001を備える。
図6(b)は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図6(b)において、時計1100は、上述したEL表示装置1を用いた表示部1101を備える。
図6(c)は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図6(c)において、情報処理装置1200は、キーボードなどの入力部1202、上述したEL表示装置1を用いた表示部1206、情報処理装置本体(筐体)1204を備える。
図6(d)は、薄型大画面テレビの一例を示した斜視図である。図6(d)において、薄型大画面テレビ1300は、薄型大画面テレビ本体(筐体)1302、スピーカーなどの音声出力部1304、上述したEL表示装置1を用いた表示部1306を備える。
このように、図6(a)〜(d)に示すそれぞれの電子機器は、上述したEL表示装置1を有した表示部1001,1101,1206,1306を備えているので、表示部の長寿命化が図られたものとなる。
EL表示装置を示す斜視図である。 EL表示装置の構成を示す模式図である。 図2のA−A線に沿う断面図である。 図2のB−B線に沿う断面図である。 EL表示装置の製造方法を工程順に示す図である。 電子機器を示す図である。
符号の説明
1…表示装置(発光装置)、 5…封止部、 10…基体、 31…陽極(第一電極)、 33…発光層、 34…陰極(第二電極)、 40…緩衝層、 50…熱電対(温度測定部)、 50s…接点部、 P…実表示領域(発光領域)、 1000…携帯電話(電子機器)、 1100…時計(電子機器)、 1200…情報処理装置(電子機器)、 1001,1101,1202…表示部(発光装置)



Claims (8)

  1. 基体上に、第一電極と、前記第一電極上に配置された発光層と、前記発光層を覆う第二電極と、前記第二電極を覆う封止部と、を有する発光装置において、
    前記第二電極と前記封止部との間に前記発光層の温度を測定する温度測定部を備えることを特徴とする発光装置。
  2. 前記温度測定部は、熱電対であることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記発光層が縦横に複数規則的に配置されて発光領域を形成すると共に、前記熱電対の接点が少なくとも前記発光領域の中央部に配置されることを特徴とする請求項2に記載の発光装置。
  4. 前記発光層が縦横に複数規則的に配置されて発光領域を形成すると共に、前記熱電対の接点が少なくとも前記発光領域の四隅に配置されることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の発光装置。
  5. 前記熱電対の測定情報と予め求められた前記発光領域の温度分布情報とに基づいて、前記発光領域の温度分布を求めることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の発光装置。
  6. 前記熱電対同士の間の領域の温度を前記熱電対までの距離に応じて補完して、前記発光領域の温度分布を求めることを特徴とする請求項4に記載の発光装置。
  7. 基体上に第一電極を形成する工程と、前記第一電極上に発光層を含む有機機能層を形成する工程と、前記有機機能層上に第二電極を形成する工程と、前記第二電極上に封止部を形成する工程と、を有する発光装置の製造方法において、
    前記第二電極形成工程と前記封止部形成工程との間に、前記発光層の温度を測定する温度測定部を配置する工程を含むことを特徴とする発光装置の製造方法。
  8. 請求項1から請求項6のうちいずれか一項に記載の発光装置、或いは請求項7の方法により製造した発光装置を備えることを特徴とする電子機器。




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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009218094A (ja) * 2008-03-11 2009-09-24 Konica Minolta Holdings Inc 照明装置、接続装置及び照明接続方法
WO2015011047A1 (de) * 2013-07-23 2015-01-29 Osram Oled Gmbh Verfahren zum herstellen einer elektronischen bauelementevorrichtung und elektronische bauelementevorrichtung

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