JP2007242717A - 車両用灯具 - Google Patents

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Abstract

【課題】発光ダイオードを光源とする車両用灯具において、光源の輝度をより高める。
【解決手段】車両用前照灯1は、光源部10を備える。光源部10は、発光ダイオードチップ3及び蛍光層4を含んで構成される。発光ダイオードチップ3は、青色光を生成する活性層33を有し、活性層33の厚さ方向と交差する矩形の光出射面3a、及び光出射面3aの縁に沿った側面3bを有する。蛍光層4は、発光ダイオードチップ3からの青色光により励起されて発光する蛍光物質41を含有し、光出射面3a上及び側面3b上に設けられている。蛍光層4の厚さtは、光出射面3a上及び側面3b上の双方においてd/10(d:光出射面3aの辺の長さ)以下となっている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、車両用灯具に関するものである。
近年、白色発光ダイオード(LED)を用いた灯具が盛んに開発されている。白色LEDは、青色LEDに黄色蛍光体を組み合わせること等により実現される。例えば、特許文献1に開示された発光ダイオードは、いわゆる砲弾型の白色LEDであって、GaN系化合物半導体からなり青色光を発光するLEDチップと、YAG蛍光体を含有する透明樹脂とを備えている。YAG蛍光体は、LEDチップからの青色光によって励起され、黄色の蛍光を発光する。
特許第2927279号公報
自動車などの車両の灯具(例:ヘッドランプ)に白色LEDを応用しようとすると、次の課題が生じる。すなわち、車両用の灯具は、遠方視認性を確保するために、極めて高い遠方照度を有することが望ましい。従って、車両用の灯具に用いられる光源は、一般的な照明用灯具の光源と比較して格段に高輝度であることが求められる。しかしながら、従来の白色LEDは、輝度が小さく、車両用灯具に応用しても十分な遠方視認性を確保することが困難であった。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、発光ダイオードを光源とする車両用灯具において、光源の輝度をより高めることを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る車両用灯具は、青色光を生成する半導体層を有し、半導体層の厚さ方向と交差する矩形の光出射面を有する発光ダイオードチップと、青色光により励起されて発光する蛍光物質を含有し、発光ダイオードチップの光出射面上及び側面上に設けられた蛍光層とを備え、蛍光層の厚さが、光出射面上においてd/10(dは光出射面の辺の長さ)以下であり、且つ、側面上においてもd/10以下であることを特徴とする。
光源の輝度は、単位発光面積から出射される光束に比例する。したがって、光源から一定量の光束が出射されるとすると、その輝度は発光面積に反比例する。そして、蛍光層に覆われた発光ダイオードチップにおいては、蛍光層の表面積が発光面積となる。従って、輝度を高めるためには、蛍光層の表面積を小さくすることが好ましい。
上記の車両用灯具において、発光ダイオードチップで生成された青色光は、実装面を除く他の面(光出射面及び側面)から出射される。また、蛍光層の厚さが均一でないと出射光の色度がばらつくので、蛍光層の厚さは光出射面上及び側面上に亘って均一であることが好ましい。このような場合、蛍光層の表面積は、発光ダイオードチップの光出射面上における蛍光層の厚さ、及び発光ダイオードチップの側面上における蛍光層の厚さに応じて定まる。本発明者は、これらのことに鑑み、光出射面上における蛍光層の厚さをd/10以下とし、且つ、側面上においても蛍光層の厚さをd/10以下とすることにより、蛍光層の表面積(発光面積)を効果的に小さくでき、従来のLEDを用いた車両用灯具と比較してより高い輝度が得られることを見出した。
すなわち、上記の車両用灯具によれば、発光ダイオードを光源とする車両用灯具において、光源の輝度をより高め、遠方視認性を確保できる。
また、車両用灯具は、光出射面の辺の長さdが150μm以上であり、蛍光層の厚さが、光出射面上において15μm以上であり、且つ、側面上においても15μm以上であることを特徴としてもよい。より高い輝度を得るためには、蛍光層の厚さをより薄くすることが好ましい。しかし、車両用灯具からの出射光の色合いには、運転時の視認性を高めるために、一般の照明光とは違い厳格な色度範囲が求められる。蛍光層を透過する青色光の強度に対して蛍光層から取り出される蛍光の強度が過小であると、青色光及び蛍光の合成光である出射光の色度をこの厳格な色度範囲内に収めることが困難となる。本発明者は、蛍光層が蛍光物質からなる場合、蛍光層の厚さが光出射面上及び側面上の双方において15μm以上あれば、蛍光層から取り出される蛍光の強度が十分に大きくなり、車両用灯具として望ましい色度範囲内に出射光の色度を収め得ることを見出した。すなわち、この車両用灯具によれば、車両用灯具として好適な色度の出射光を得ることができる。
また、車両用灯具は、蛍光層が、蛍光物質を保持するためのバインダを更に有し、蛍光層における蛍光物質の体積占有率vが、光出射面上においてv≧15/t(t[μm]は光出射面上における蛍光層の厚さ)を満たし、且つ、側面上においてもv≧15/t(t[μm]は側面上における蛍光層の厚さ)を満たすことを特徴としてもよい。
上述したように、蛍光層が蛍光物質からなる場合には、蛍光層の厚さが光出射面上及び側面上の双方において15μm以上あれば、蛍光層を透過する青色光の強度に対して蛍光層から取り出される蛍光の強度を十分に大きくでき、出射光の色度を車両用灯具として望ましい色度範囲内に好適に収め得る。しかし、蛍光物質をバインダによって固定する場合、蛍光層から取り出される蛍光の強度は、蛍光層の厚さだけでなく蛍光物質の密度(体積占有率v)にも依存する。すなわち、蛍光層から取り出される蛍光の強度は、単位発光面積当たりの蛍光物質の量(体積占有率×蛍光層の厚さ)によって定まる。上述したように、体積占有率vが1(すなわち100%)である場合に蛍光層の厚さt及びtが15μm以上(すなわち、v×t≧15,v×t≧15)であればよいので、蛍光層における蛍光物質の体積占有率vが光出射面上においてv≧15/tを満たし、且つ側面上においてv≧15/tを満たせば、車両用灯具として好適な色度の出射光を得ることができる。
また、車両用灯具は、蛍光層が、蛍光物質を保持するためのバインダを更に有し、蛍光層における蛍光物質の体積占有率vが、光出射面上においてv≦x(x:23/t及び1のうちいずれか小さい方、t[μm]は光出射面上における蛍光層の厚さ)を満たし、且つ、側面上においてもv≦x(x:23/t及び1のうちいずれか小さい方、t[μm]は側面上における蛍光層の厚さ)を満たすことを特徴としてもよい。
車両用灯具においては、蛍光層から取り出される蛍光の強度が、蛍光層を透過する青色光の強度に対して過大であっても、出射光の色度を上記色度範囲に収めることが困難となる。本発明者は、蛍光層が蛍光物質からなる場合において、蛍光層の厚さが光出射面上及び側面上の双方において23μm以下であれば、車両用灯具にとって望ましい色度範囲内に出射光の色度を収め得ることを見出した。また、上述したように、蛍光物質をバインダによって固定する場合、蛍光層から取り出される蛍光の強度は、単位発光面積当たりの蛍光物質の量(体積占有率×蛍光層の厚さ)によって定まる。体積占有率vが1(すなわち100%)である場合に蛍光層の厚さt及びtが23μm以下(すなわち、v×t≦23,v×t≦23)であればよいので、蛍光層における蛍光物質の体積占有率vが光出射面上においてv≦23/tを満たし、且つ側面上においてもv≦23/tを満たせば、車両用灯具として好適な色度の出射光を得ることができる。なお、23/t,23/tが1を超える場合(すなわち、蛍光層の厚さt,tが23μm以下の場合)には、体積占有率vが1(100%)であっても蛍光層から取り出される蛍光の強度が過大とはならず、好適な色度の出射光を得ることができる。
また、車両用灯具は、青色光のピーク波長が420nm以上490nm以下の波長域に含まれるとともに、蛍光物質が発する光のピーク波長が510nm以上600nm以下の波長域に含まれることが好ましい。
また、車両用灯具は、光出射面上における蛍光層の厚さと、側面上における蛍光層の厚さとが略等しいことを特徴としてもよい。これにより、出射光の色度のばらつき(色むら)を抑え、均質な白色光を生成できる。ここで、厚さが略等しいとは、例えば光出射面上における蛍光層の平均厚さと側面上における蛍光層の平均厚さとの差が8/vμm以下(v:蛍光物質の体積占有率)であるような場合をいう。
本発明によれば、発光ダイオードを光源とする車両用灯具において、光源の輝度をより高めることができる。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る車両用灯具の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明による車両用灯具の一実施形態として、車両用前照灯の構成を示す水平断面図である。本実施形態の車両用前照灯1は、例えば自動車等に用いられるヘッドランプであり、車両の前方へ可視光を照射する。図1を参照すると、車両用前照灯1は、複数の光源ユニット2、カバー21、基部22、回路ユニット23、及び複数の配線24を備える。
複数の光源ユニット2のそれぞれは、光源部10、配線基板20、及びレンズ25を有する。光源部10は、発光ダイオードチップを含んで構成されており、配線基板20上に実装されている。光源部10は、各光源ユニット2に接続された配線24を介して回路ユニット23から受け取る電力に応じて、可視光を出射する。また、レンズ25は、光源部10が出射する可視光を車両用前照灯1の外部へ照射する。光源ユニット2は、図示しない機構によって基部22に支持されており、光源ユニット2の光軸を調整するための機構によって傾動可能となっている。なお、本実施形態では各光源ユニット2に対し一つの光源部10を配しているが、各光源ユニット2は複数の光源部10を有してもよい。
カバー21および基部22は、複数の光源ユニット2を収容するための容器を構成する。カバー21および基部22は、光源ユニット2を収容するための空間を密閉し、防水することが好ましい。カバー21は、光源部10から出射される可視光を透過する素材によって構成され、複数の光源ユニット2の前方を覆っている。基部22は、カバー21との間に複数の光源ユニット2を挟むように配置され、複数の光源ユニット2を後方から覆っている。なお、基部22は、車両のボディと一体に形成されてもよい。
回路ユニット23は、光源部10を点灯させる点灯回路等を含む。回路ユニット23は、配線24を介して複数の光源ユニット2と電気的に接続される。また、回路ユニット23は、図示しない配線を介して車両用前照灯1の外部回路と電気的に接続される。
また、車両用前照灯1は、図示しない放熱部材(ヒートシンク)及び反射鏡(リフレクタ)を更に備えてもよい。放熱部材は、例えば金属といった高い熱伝導率を有する素材によって形成され、光源ユニット2の少なくとも一部と接触して設けられる。また、反射鏡は、例えば薄い金属板等によって光源ユニット2の光軸を囲むように形成され、複数の光源ユニット2とカバー21とに亘って設けられる。
図2及び図3は、光源部10の構成の一例を示す図である。図2は、光源ユニット2の光軸方向から見た光源部10の平面図である。また、図3は、図2に示す光源部10のI−I線に沿った側面断面図である。光源部10は、発光ダイオードチップ3及び蛍光層4を有する。
発光ダイオードチップ3は、例えば窒化ガリウム系半導体からなる半導体層30をサファイア基板31上に成長させた構成を備える半導体素子であり、例えば420nm以上490nm以下といった波長域にピーク波長を有する青色光を半導体層30において生成する。また、発光ダイオードチップ3は、半導体層30の厚さ方向と交差する光出射面3a(サファイア基板31の裏面に相当)、及び光出射面3aの縁に沿った側面3bを有する。半導体層30において生成された青色光は、光出射面3a及び側面3bから発光ダイオードチップ3の外部へ出射される。なお、本実施形態の光出射面3aは、図3に示すように矩形状(正方形状、長方形状など)に形成されている。光出射面3aの一辺の長さ(長方形状の場合は短辺の長さ)dは、例えば300μm〜1500μmといった値である。
半導体層30は、サファイア基板31の主面31a上にエピタキシャル成長により形成されている。本実施形態の半導体層30は、第1のクラッド層として機能するn型GaN層32、第2のクラッド層として機能するp型GaN層34、及びn型GaN層32とp型GaN層34との間に挟まれた活性層33が、サファイア基板31の主面31a上に積層されて成る。なお、半導体層30は、n型GaN層32、活性層33、及びp型GaN層34の他、更に別の層(例えば、サファイア基板31とn型GaN層32との間のバッファ層など)を有してもよい。
発光ダイオードチップ3は、半導体層30へ電力を供給するためのアノード電極35及びカソード電極36を更に有する。アノード電極35は、p型GaN層34とのオーミック接合によりp型GaN層34と電気的に接続されている。また、カソード電極36は、n型GaN層32の露出表面とのオーミック接合によりn型GaN層32と電気的に接続されている。発光ダイオードチップ3は、アノード電極35及びカソード電極36が配線基板20上の配線パターンにはんだ等を用いて接合されることにより、配線基板20上に実装される。
アノード電極35とカソード電極36との間に電圧が印加されると、アノード電極35とカソード電極36との間に電界が発生する。そして、n型GaN層32及びp型GaN層34において発生したキャリアが活性層33に集中する。これにより、活性層33において青色光が発生する。活性層33において発生した青色光は、光出射面3a及び側面3bから発光ダイオードチップ3の外部へ出射される。
蛍光層4は、蛍光物質41を含有する層であり、発光ダイオードチップ3の光出射面3a上及び側面3b上に亘って設けられている。蛍光物質41は、発光ダイオードチップ3からの青色光により励起され、青色の補色である黄色の蛍光を発する。従って、蛍光層4の表面から出射される光は、蛍光層4を透過した青色光、及び蛍光物質41から発光された黄色の蛍光に基づく白色光となる。蛍光物質41から発光される蛍光は、例えば510nm以上600nm以下といった波長域にピーク波長を有することが好ましい。このような蛍光物質41としては、例えばセリウム付活のガーネット構造のもの(YAG:Ceなど)が挙げられる。蛍光物質41は、蛍光層4の内部において、例えば直径5μm程度の粒子状となって分散している。なお、蛍光物質41は、蛍光層4の内部において略均一な密度で分散していることが好ましい。
また、蛍光層4は、蛍光物質41を保持するためのバインダ42を有する。バインダ42は、発光ダイオードチップ3の光出射面3a及び側面3bを覆うように形成される。また、バインダ42は、発光ダイオードチップ3からの青色光及び蛍光物質41からの蛍光に対して透明な素材からなることが好ましく、例えばシリコーン樹脂またはフッ素樹脂等により形成される。バインダ42は、蛍光物質41を内部に混合した状態で硬化されている。
また、白色光の色度を均一にするために、光出射面3a上における蛍光層4の厚さtは、巨視的には、該光出射面3a上に亘って略均一であることが望ましい。同様に、側面3b上における蛍光層4の厚さtもまた、巨視的には、該側面3b上に亘って略均一であることが望ましい。但し、微視的には、蛍光層4の界面における光の反射を低減するために、蛍光層4の表面に微細な凹凸形状が形成されていることが好ましい。この凹凸形状の具体的な大きさは、例えば次のようにして決定される。すなわち、青色光の反射を回避し得る(青色光からみて平坦ではない)凹凸形状の大きさは、該青色光の1/4波長以上の0.1μm以上である。また、蛍光物質41の密度の均一性を確保するためには、蛍光層4の厚さt,tが、蛍光物質41(特にYAG蛍光体)の最適粒径である6μmの1/2以下であることが好ましい。従って、蛍光層4の表面における凹凸形状の大きさは、0.1μm〜3μmであることが好ましい。
なお、発光ダイオードチップ3及び蛍光層4は、図示しない封止部材によって封止(モールド)されていてもよい。封止部材は、発光ダイオードチップ3及び蛍光層4を覆うように、可視光を透過する素材(シリコーン樹脂やフッ素樹脂樹脂など)によって形成されていることが好ましい。このような封止部材を更に備えることにより、発光ダイオードチップ3及び蛍光層4を好適に保護することができる。
ここで、車両用前照灯1に望まれる性能について、更に詳しく説明する。車両用前照灯1が例えば自動車に用いられるような場合、車両用前照灯1には、安全運転に必要な視界を確保するために特別な照射パターンが望まれる。例えば、(1)光軸付近の照度を特に高めて遠方視認性を確保すること、(2)横に広がる非対称な照明領域を実現し、対向車のグレアーを抑えつつ路肩までの側方視認性を確保すること、(3)水平面に沿った明暗ラインを有すること、(4)照明領域内でのなだらかな照度変化を実現すること、等である。このうち、(1)の遠方視認性に関しては、従来の白色LEDでは輝度が低い(4〜10cd/mm程度)ため十分な照度を確保することが困難であった。
また、自動車用の前照灯から照射される光の色は、色度座標系において以下の色度範囲に含まれることが望ましい。
黄色方向:x≦0.50
青方向:x≧0.31
緑方向:y≦0.44 及び y≦0.15+0.64x
紫方向:y≧0.05+0.75x 及び y≧0.382
光源部10からの発光色をこの色度範囲に収めるためには、発光ダイオードチップ3から出射され蛍光層4を透過した青色光(一次光)の強度と、蛍光物質41から発光され蛍光層4から取り出された蛍光(二次光)の強度との比率が、好適な範囲に収まっていることが必要となる。
また、車両用前照灯1には、車両の燃費向上のためより高い発光効率が望まれる。従来の白色LEDの発光効率は30[lm/W]〜50[lm/W]であり、ハロゲンランプを凌いでいるが、ディスチャージバルブ(91[lm/W])には及ばない。青色光と黄色の蛍光とを合成する方式の白色LEDにおいては、白色光に含まれる青色光成分が強いほど、視感度が小さくなり発光効率が低下する。従って、蛍光物質の量を多くして蛍光強度を増加させれば発光効率が向上するようにも思われる。しかし、蛍光物質が厚く設けられていると、内側の蛍光物質から発した蛍光が外側(表層側)の蛍光物質によって遮蔽されるので、蛍光物質の量が過大であっても発光効率が低下することとなる。
車両用前照灯1に望まれるこれらの課題を解決するために、本発明者は、(A)蛍光層4を厚くし過ぎると蛍光層4の表面積(発光面積)が増大して輝度の低下を招くので、蛍光層4をできる限り薄く(すなわち、表面積を小さく)する、及び(B)発光色が上述した色度範囲に収まるように、且つ、発光効率が十分に高くなるように、蛍光層4における蛍光物質41の量を定める、という着想を得た。
上記着想を具現化するため、まず、十分な輝度を確保できる蛍光層4の厚さについて検討した。なお、車両用前照灯1においては、発光ダイオードチップ3で生成された青色光は、実装面を除く他の面(光出射面3a及び側面3b)から出射される。また、光源部10からの発光色のばらつき(色むら)を抑え、均質な白色光を生成するために、光出射面3a上における蛍光層4の厚さt(図3参照)と、側面3b上における蛍光層4の厚さt(図3参照)とは略等しいことが好ましい。なお、厚さが略等しいとは、例えば光出射面3a上における蛍光層4の平均厚さと側面3b上における蛍光層4の平均厚さとの差が8/vμm以下(v:蛍光物質の体積占有率)であるような場合をいう。例えば体積占有率vが1(100%)の場合には、各平均厚さが基準値から±4μmの範囲内であれば、各平均厚さの差が8μm以下となり、発光色のばらつき(色むら)を好適に抑えることができる。
蛍光層4においては、単位発光面積当たりの蛍光物質41の量を一定とすると、蛍光物質41の体積占有率vが1(100%)のときに厚さt及びtが最小となる。従って、発光面積(蛍光層4の表面積)を最小にして光源部10の輝度を最大とするためには、蛍光物質41の体積占有率vを1(100%)とするとよい。しかし、実際には、蛍光層4の加工性を確保するために、蛍光物質41をバインダ42と混合して蛍光層4を形成する。このとき、蛍光物質41とバインダ42との混合比は、混合物のレオロジー特性を考慮して蛍光物質41の粒径やバインダ42の粘度に応じて調整される。一般的には、蛍光物質41の比率は60%〜70%を上限として設定される。
また、発光ダイオードチップ3の大きさによっても、蛍光層4の厚さt,tの発光面積への影響度合いは異なる。そこで、蛍光物質41の体積占有率vが1(100%)である場合の光源部10の輝度を基準として、少なくとも70%の輝度を確保するための厚さt,tの条件を、発光ダイオードチップ3の大きさ毎に求めた。図4は、発光ダイオードチップ3の光出射面3aの一辺の大きさdが300μm、500μm、1000μm、及び1500μmの場合における、70%の輝度を確保するために必要な蛍光層4の厚さt,tの最大値及び体積占有率vを示す図表である。図4を参照すると、蛍光層4の厚さt,tの最大値は、光出射面3aの一辺の大きさdの1/10を少し超えた値となっていることがわかる。このことから、光出射面3a上における蛍光層4の厚さtをd/10以下とし、且つ、側面3b上における蛍光層4の厚さtもd/10以下とすれば、発光面積は最小値の1.4倍以下に止まり、従来の白色LEDを用いた車両用灯具と比較して十分な輝度を確保できることが判明した。これにより、発光ダイオードチップ3を光源とする車両用前照灯1において、光源部10の輝度をより高め、遠方視認性を確保できる。
なお、以上の説明は発光ダイオードチップ3の光出射面3aが正方形の場合であり、光出射面3aが長方形の場合には、dの値を光出射面3aの短辺の大きさに置き換えるとよい。
このように、より高い輝度を得るためには、蛍光層4の厚さt,tをより薄くすることが好ましい。しかし、車両用灯具からの出射光の色合いには、運転時の視認性を高めるために、一般の照明光とは違い厳格な色度範囲が求められる。以下、発光色が上述した色度範囲に収まるように、且つ発光効率が十分に高くなるように、蛍光層4における蛍光物質41の量を検討する。
まず、蛍光層の表面から取り出される青色光及び蛍光の強度と、蛍光層の厚さtとの相関について、蛍光物質の量(体積占有率)を変化させつつ測定した。このときの測定系の構成を図5に示す。一次光源101は、460nmをピーク波長とする一次光(青色光Lb)を出射するための光源である。また、測光部102は、受光する光の青色成分強度及び黄色成分強度を別々に測定できる分光光度計であり、ここでは大塚電子製の瞬間マルチ測光システム(MCPD−1000)を用いた。そして、ガラス板103上に塗布された蛍光体ペースト膜104(蛍光層)に一次光源101から青色光Lbを照射し、蛍光体ペースト膜104を透過した青色光Lb及び蛍光体ペースト膜104からの二次光(蛍光)Lyそれぞれの強度を測光部102により測定した。なお、蛍光体ペースト膜104は、YAG:Ce蛍光体と透明バインダ(信越化学製シリコーン樹脂、KE106)とを所定の質量比(蛍光体:バインダ=2:1,1:1,1:2,及び1:4)で混合したものをガラス板103に塗布し、150℃を1時間維持して硬化させることにより形成した。
図6〜図9は、上記実験において測光部102に入射した青色光Lbの強度(相対強度)と、蛍光体ペースト膜104の厚さtとの相関を示すグラフである。図6は、蛍光体ペースト膜104における蛍光物質とバインダとの比率を2:1とした場合を示している。また、図7〜図9は、蛍光物質とバインダとの質量比をそれぞれ1:1、1:2、1:4とした場合を示している。
また、図10〜図13は、上記実験において測光部102に入射した蛍光Lyの強度(相対強度)と、蛍光体ペースト膜104の厚さtとの相関を示すグラフである。図10〜図13は、蛍光体ペースト膜104における蛍光体とバインダとの質量比をそれぞれ2:1、1:1、1:2、1:4とした場合を示している。
ここで、蛍光体ペースト膜104における減衰を考慮した場合の、青色光Lb及び蛍光Lyの強度について考察する。蛍光体ペースト膜104の内部を進む光は、その光路長に応じて指数関数的に減衰する。従って、蛍光体ペースト膜104を通過した青色光Lbの強度I、及び蛍光体ペースト膜104から取り出された蛍光Lyの強度Iは、以下の式(1)及び(2)で近似できる。
=BIexp(−bt) …(1)
=B(η/2)I(exp(−bt)−exp(−at))/(a−b) …(2)
なお、上式において、Iは蛍光体ペースト膜104への青色光Lbの入射強度であり、a,bそれぞれは、蛍光体ペースト膜104中における蛍光Ly,青色光Lbそれぞれの減衰率(単位:m−1)である。また、ηは蛍光体ペースト膜104の単位厚さ当たりの変換効率(単位:m−1)であり、Bは定数である。また、式(2)において変換効率ηを2で割ったのは、蛍光体ペースト膜104において変換された蛍光のうち測光部102とは反対の方向へ進む蛍光を強度Iから除外するためである。
これらの近似式(1),(2)に、図5〜図13のグラフを最小二乗法によりフィッティングさせると、蛍光体ペースト膜104における蛍光物質の体積占有率vと各数値a,b,η/2との関係は、図14のようになった。
ここで、図15は、図14に基づいて青色光(一次光)Lbの減衰率bと蛍光物質の体積占有率vとの相関を表したグラフである。また、図16は、図14に基づいて蛍光(二次光)Lyの減衰率aと蛍光物質の体積占有率vとの相関を表したグラフである。また、図17は、図14に基づいて変換効率(η/2)と蛍光物質の体積占有率vとの相関を表したグラフである。図15〜図17に示すように、青色光(一次光)Lbの減衰率b、蛍光(二次光)Lyの減衰率a、及び変換効率(η/2)は、蛍光物質の体積占有率vに比例することが判明した。そして、これらのグラフに基づいて、各数値b,a,及び(η/2)が以下の式(3)〜(5)で近似できることを確認した。
b=0.116v …(3)
a=0.0131v …(4)
η/2=0.038v …(5)
上式(3)〜(5)によって、各数値b,a,及び(η/2)が算出可能となり、式(1)及び(2)に基づいて青色光Lb及び蛍光Lyの強度比率が得られる。例えば、蛍光物質:バインダ=4:1の質量比で混合した場合、蛍光物質及びバインダそれぞれの比重から、蛍光物質の体積占有率vは0.44(すなわち44%)となる。そして、この数値を上式(3)〜(5)に代入すると、青色光Lbの減衰率b=5.1×10−2、蛍光Lyの減衰率a=5.7×10−3、変換効率(η/2)=1.7×10−2となる。図18は、これらの数値b,a,及び(η/2)を式(1)及び(2)に適用した場合における、青色光Lb、蛍光Ly、及びこれらの合成光(白色光)の強度(相対強度)と蛍光体ペースト膜104の膜厚tとの相関を示すグラフである。なお、図18において、グラフGbは青色光Lbの強度を示し、グラフGyは蛍光Lyの強度を示し、グラフGwは合成光の光束を示している。
図18を参照すると、蛍光体ペースト膜104の膜厚が厚くなるに従い、青色光(一次光)Lbの強度は指数関数的に減少するが、蛍光(二次光)Lyの強度は、或る膜厚において極大値を持つことがわかる。つまり、或る膜厚までは、蛍光Lyの強度は膜厚増加に応じて大きくなるが、膜厚が厚くなり過ぎると蛍光物質自体が蛍光Lyを遮蔽してしまい、結果的に蛍光Lyの出射強度が減少してしまう。従って、青色光Lbと蛍光Lyとの合成光(白色光)も、或る膜厚において極大値を持つこととなる。
このように、蛍光物質の体積占有率vに応じた、青色光Lb及び蛍光Lyの強度と膜厚tとの相関が得られた。通常、膜厚t及び体積占有率vは予め分かっているので、この相関に基づいて青色光Lb及び蛍光Lyの強度を求めることができる。そして、青色光Lb及び蛍光Lyの発光スペクトルを測定すれば、青色光Lbと蛍光Lyとの合成光の色度及び光束(光強度及び視感度の積)を求めることも可能となる。
なお、図19は、窒化ガリウム系の発光ダイオードチップから発光される青色光Lbの発光スペクトルの一例である。この青色光Lbの発光スペクトルは、図19に示すように、420nm以上490nm以下の波長域にピーク波長を有する。また、図20は、YAG:Ce蛍光体から発光される蛍光Lyの発光スペクトルの一例である。この蛍光Lyの発光スペクトルは、図20に示すように、510nm以上600nm以下の波長域にピーク波長を有し、且つ、700nm〜750nmの波長域(赤色波長域)まで裾を引くブロードなスペクトルとなっている。車両用前照灯1から照射される光は、このように赤色の波長成分を含んでいることが好ましく、更に具体的には、可視光域(380nm〜780nm)の全光束中に、赤色の波長成分(610nm〜780nm)の光束が5%以上含まれていることが好ましい。赤色の波長成分の割合Kredは、以下の式(6)によって表現できる。

なお、上式(6)において、λは波長[nm]であり、Ee(λ)は放射束の分光分布[W]であり、v(λ)は分光発光効率[l]である。
以上に得られた結果を利用して、蛍光層4中の蛍光物質41の密度が最も高い(すなわち、蛍光層4における蛍光物質41の体積占有率vが100%となる)場合における、青色光及び蛍光の強度と蛍光層4の厚さt,tとの相関を求めた。そして、この相関に基づいて、合成光(白色光)の光束と蛍光層4の厚さt,tとの相関を求めた。図21は、体積占有率vが100%の場合における、青色光及び蛍光の強度と厚さt,tとの相関、並びに合成光の光束と厚さt,tとの相関を示すグラフである。なお、図21において、グラフGbは青色光の強度を示し、グラフGyは蛍光の強度を示し、グラフGwは合成光の光束を示している。
前述したように、車両用前照灯1には車両の燃費向上のため高い発光効率が望まれる。従って、蛍光層4の厚さt及びtは、合成光(白色光)の光束がほぼ極大となるように設定されることが好ましい。本実施例においては、合成光(白色光)の光束が極大値FLMAXとなる蛍光層4の厚さt,tの値は、図21に示すように14μmであった。また、合成光(白色光)の光束がほぼ極大となる(具体的には、極大値FLMAXの90%以上となる)蛍光層4の厚さt,tの範囲は、図21に示すように5μm以上30μm以下の範囲であった。
また、先に得られた結果を利用して、蛍光層4中の蛍光物質41の密度が最も高い(すなわち、蛍光層4における蛍光物質41の体積占有率vが100%となる)場合における、合成光の色度と蛍光層4の厚さt,tとの相関を求めた。図22のグラフG1は、蛍光層4の厚さt及びtが変化したときの色度の変化を示すグラフである。なお、図22において、色度c〜cは、それぞれ蛍光層4の厚さt(=t)が16μm、18μm、20μm、22μm、及び24μmの場合における色度を示している。
前述したように、車両用前照灯1から照射される光の色は、色度座標系において次の色度範囲に含まれることが望ましい。すなわち、色度座標系において、0.31≦x≦0.50,0.382≦y≦0.44,且つ0.05+0.75x≦y≦0.15+0.64xである。この色度範囲を、図22に併せて示す(範囲A)。グラフG1のうち、この範囲A内に含まれる部分は、体積占有率vが100%の場合において上記色度範囲に合致する蛍光層4の厚さの範囲を表している。すなわち、図22より、上記色度範囲に合致する蛍光層4の厚さt,tは、15μm以上であり、23μm以下であることが判明した。
但し、上記色度範囲に合致する蛍光層4の厚さt,tの範囲(t,t≧15μm、t,t≦23μm)は、蛍光層4における蛍光物質41の体積占有率vが100%の場合のものであり、蛍光層4がバインダ42を有する場合には、蛍光層4の厚さt,tの好適な範囲も異なってくる。すなわち、蛍光層4の表面から出射される青色光及び蛍光の強度は、バインダ42による光の減衰が無いと仮定すると、単位発光面積当たりの蛍光物質の量(体積占有率v×蛍光層4の厚さt,t)に依存する。上述したように、体積占有率vが1(すなわち100%)である場合に蛍光層4の厚さt,tが15μm以上であればよいので、蛍光層4における蛍光物質41の体積占有率vが光出射面3a上においてv≧15/t(tの単位:μm)を満たし、且つ側面3b上においてもv≧15/t(tの単位:μm)を満たすことにより、車両用前照灯1として好適な色度の合成光(白色光)を得ることができる。
また、体積占有率vが1(100%)である場合に蛍光層4の厚さt,tが23μm以下であればよいので、蛍光層4における蛍光物質41の体積占有率vが光出射面3a上においてv≧23/t(tの単位:μm)を満たし、且つ側面3b上においてもv≧23/t(tの単位:μm)を満たすことにより、車両用前照灯1として好適な色度の合成光(白色光)を得ることができる。なお、23/t及び23/tが1を超える場合(すなわち、蛍光層4の厚さt及びtが23μm以下の場合)には、体積占有率vが1(100%)であっても蛍光の強度が過大とはならず、好適な色度の合成光を得ることができる。従って、上記条件は、蛍光層4における蛍光物質41の体積占有率vが、光出射面3a上においてv≦x(x:23/t及び1のうちいずれか小さい方)、且つ、側面3b上においてv≦x(x:23/t及び1のうちいずれか小さい方)と表現できる。
また、合成光(白色光)の光束がほぼ極大となる蛍光層4の厚さt,tの範囲(t,t≧5μm、t,t≦30μm)から、蛍光層4における蛍光物質41の体積占有率vが、光出射面3a上において5/t≦v≦30/t(tの単位:μm)を満たし、且つ、側面3b上において5/t≦v≦30/t(tの単位:μm)を満たすことによって、合成光(白色光)の光束がほぼ極大となり、高い発光効率を得ることができる。
なお、上述した各考察においては、蛍光物質41の粒径をも考慮すれば尚好ましい。通常、YAG蛍光体などの蛍光物質41は、粒子状の結晶中に発光中心となる元素がドープされて成る。また、結晶に存在する結晶欠陥は発光効率を低下させるが、粒子状結晶における結晶欠陥密度は、粒子状結晶の最表面において高くなる傾向がある。すなわち、粒子状結晶の単位体積当たりの表面積は平均粒径が小さいほど増大するので、平均粒径が小さいほど結晶欠陥が多くなり、発光強度が低下することとなる。
本発明者は、この点に鑑み、蛍光物質41の粒径と発光強度との相関を調べた。具体的には、図5に示した測定系において用いた蛍光物質(平均粒径6.5μm)をボールミルで粉砕して平均粒径を変化させ、発光効率を測定した。なお、蛍光物質の平均粒径の測定には、堀場製作所製のParticle Size Analyzer LA-500を使用した。その結果、蛍光物質41の平均粒径が2μmより小さいと、平均粒径が6.5μmである場合と比較して発光強度が40%以下と大幅に低下してしまうことがわかった。また、平均粒径が10μmを超えると、蛍光層4の厚さt,tを15μmとした場合に細密充填構造の形成が難しくなってしまうので、結晶粒子間の隙間が大きくなり、一次光(青色光)がその隙間から洩れてしまう。従って、蛍光物質41の平均粒径は、2μm以上10μm以下であることが好ましい。
本発明による車両用灯具は、上記した実施形態に限られるものではなく、他にも様々な変形が可能である。例えば、発光ダイオードチップの光出射面の平面形状は、矩形状であれば正方形や長方形に限られるものではない。また、上記実施形態では裏面出射型(フリップチップ実装型)の発光ダイオードチップを例示したが、半導体基板側の表面が実装面となり半導体層側の表面が光出射面となる方式の発光ダイオードチップに本発明を適用してもよい。
また、上記実施形態では蛍光物質の例としてセリウム付活のガーネット構造のものを例示したが、他の構造を有する蛍光物質であってもよい。
本発明による車両用灯具の一実施形態として、車両用前照灯の構成を示す水平断面図である。 光源ユニットの光軸方向から見た光源部の平面図である。 図2に示す光源部のI−I線に沿った側面断面図である。 発光ダイオードチップの光出射面の一辺の大きさに応じた蛍光層の最大厚さ及び体積占有率を示す図表である。 蛍光層の表面から出射される青色光及び蛍光の強度と蛍光層の厚さとの相関について、蛍光物質の量(体積占有率)を変化させつつ測定したときの測定系の構成を示す図である。 蛍光体ペースト膜における蛍光物質とバインダとの比率を2:1とした場合の、測光部に入射した青色光の強度と蛍光体ペースト膜の厚さとの相関を示すグラフである。 蛍光体ペースト膜における蛍光物質とバインダとの比率を1:1とした場合の、測光部に入射した青色光の強度と蛍光体ペースト膜の厚さとの相関を示すグラフである。 蛍光体ペースト膜における蛍光物質とバインダとの比率を1:2とした場合の、測光部に入射した青色光の強度と蛍光体ペースト膜の厚さとの相関を示すグラフである。 蛍光体ペースト膜における蛍光物質とバインダとの比率を1:4とした場合の、測光部に入射した青色光の強度と蛍光体ペースト膜の厚さとの相関を示すグラフである。 蛍光体ペースト膜における蛍光物質とバインダとの比率を2:1とした場合の、測光部に入射した蛍光の強度と蛍光体ペースト膜の厚さとの相関を示すグラフである。 蛍光体ペースト膜における蛍光物質とバインダとの比率を1:1とした場合の、測光部に入射した蛍光の強度と蛍光体ペースト膜の厚さとの相関を示すグラフである。 蛍光体ペースト膜における蛍光物質とバインダとの比率を1:2とした場合の、測光部に入射した蛍光の強度と蛍光体ペースト膜の厚さとの相関を示すグラフである。 蛍光体ペースト膜における蛍光物質とバインダとの比率を1:4とした場合の、測光部に入射した蛍光の強度と蛍光体ペースト膜の厚さとの相関を示すグラフである。 蛍光体ペースト膜における蛍光物質の体積占有率と各数値a,b,η/2との関係を示す図表である。 図14に基づいて、青色光(一次光)の減衰率と蛍光物質の体積占有率との相関を表したグラフである。 図14に基づいて、蛍光(二次光)の減衰率と蛍光物質の体積占有率との相関を表したグラフである。 図14に基づいて、変換効率(η/2)と蛍光物質の体積占有率との相関を表したグラフである。 青色光、蛍光、及びこれらの合成光(白色光)の強度と蛍光体ペースト膜の膜厚との相関を示すグラフである。 窒化ガリウム系の発光ダイオードチップから発光される青色光の発光スペクトルの一例である。 YAG:Ce蛍光体から発光される蛍光の発光スペクトルの一例である。 体積占有率が100%の場合における、青色光及び蛍光の強度と蛍光層の厚さとの相関、並びに合成光の光束と蛍光層の厚さとの相関を示すグラフである。 蛍光層の厚さが変化したときの色度の変化、及び車両用前照灯として望ましい色度範囲を示すグラフである。
符号の説明
1…車両用前照灯、2…光源ユニット、3…発光ダイオードチップ、3a…光出射面、3b…側面、4…蛍光層、10…光源部、20…配線基板、21…カバー、22…基部、23…回路ユニット、24…配線、25…レンズ、30…半導体層、31…サファイア基板、32…n型GaN層、33…活性層、34…p型GaN層、35…アノード電極、36…カソード電極、41…蛍光物質、42…バインダ。

Claims (6)

  1. 青色光を生成する半導体層を有し、前記半導体層の厚さ方向と交差する矩形の光出射面を有する発光ダイオードチップと、
    前記青色光により励起されて発光する蛍光物質を含有し、前記発光ダイオードチップの前記光出射面上及び側面上に設けられた蛍光層と
    を備え、
    前記蛍光層の厚さが、前記光出射面上においてd/10(dは前記光出射面の辺の長さ)以下であり、且つ、前記側面上においてもd/10以下であることを特徴とする、車両用灯具。
  2. 前記光出射面の辺の長さdが150μm以上であり、
    前記蛍光層の厚さが、前記光出射面上において15μm以上であり、且つ、前記側面上においても15μm以上であることを特徴とする、請求項1に記載の車両用灯具。
  3. 前記蛍光層が、前記蛍光物質を保持するためのバインダを更に有し、
    前記蛍光層における前記蛍光物質の体積占有率vが、前記光出射面上においてv≧15/t(t[μm]は前記光出射面上における前記蛍光層の厚さ)を満たし、且つ、前記側面上においてもv≧15/t(t[μm]は前記側面上における前記蛍光層の厚さ)を満たすことを特徴とする、請求項2に記載の車両用灯具。
  4. 前記蛍光層が、前記蛍光物質を保持するためのバインダを更に有し、
    前記蛍光層における前記蛍光物質の体積占有率vが、前記光出射面上においてv≦x(x:23/t及び1のうちいずれか小さい方、t[μm]は前記光出射面上における前記蛍光層の厚さ)を満たし、且つ、前記側面上においてもv≦x(x:23/t及び1のうちいずれか小さい方、t[μm]は前記側面上における前記蛍光層の厚さ)を満たすことを特徴とする、請求項1または2に記載の車両用灯具。
  5. 前記青色光のピーク波長が420nm以上490nm以下の波長域に含まれるとともに、
    前記蛍光物質が発する光のピーク波長が510nm以上600nm以下の波長域に含まれることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両用灯具。
  6. 前記光出射面上における前記蛍光層の厚さと、前記側面上における前記蛍光層の厚さとが略等しいことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の車両用灯具。
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