JP2007242659A - プリント配線板及びその製造方法 - Google Patents

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利和 加藤
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Abstract

【課題】絶縁不具合を抑制することができる大電流用プリント配線板及びその製造方法の提供。
【解決手段】厚肉導体にソルダーレジストが被覆された大電流用プリント配線板において、前記厚肉導体からなる導体パターンの側面における上端部が非鋭利な凸湾状を呈し、かつ当該導体パターンの厚さ方向におけるトップ位置の導体幅が、同厚さ方向における中央位置の導体幅よりも狭くなっているプリント配線板;大電流の通電用途に使用される厚肉導体から導体パターンを形成する回路形成工程と、当該導体パターンの側面における上端部を平面回転研磨機で研磨する工程と、前記導体パターンにソルダーレジストを被覆する工程とを有するプリント配線板の製造方法。
【選択図】図5

Description

本発明は、大電流用途に使用されるプリント配線板及びその製造方法に関し、特に、厚さのある導体を使用した場合においても、当該導体部位にソルダーレジストが良好に被覆され、それにより絶縁不具合を抑制でき、高い信頼性を確保することのできる大電流用プリント配線板及びその製造方法に関するものである。
近年、自動車のパワーステアリングやパワーウインドウなどの駆動系部位で使用される電気制御に関する技術の発展や、コンピュータ装置関連の各種処理機能を備えた高速化の需要に共ない、大電流用のプリント配線板の要求が高まっている。また、カーナビゲーションに代表されるような付属の電気製品の搭載も増加する傾向が強まり、使用される電気量が増加していることから、従来のプリント配線板では困難であった、数10〜100(A)程度の大電流を通電することのできる大電流用のプリント配線板が必要とされている。
このような、大電流用途に使用されるプリント配線板とは、導体パターンの厚み及び幅を、従来のプリント配線板よりも拡大させることで導体の断面積を増大させ、当該導体パターンを使用して、大電流を所望の機能を示す箇所に供給あるいは伝達する役割を果すものである。
従来のプリント配線板では一般に12〜70μm程度の厚さの銅箔が使用され、当該銅箔により導体パターンが形成されていた。そのような従来のプリント配線板の銅箔を使用して大電流用のプリント配線板を設計する場合、大電流用の導体パターンでは前記大きな断面積が必要となるために、導体パターンの幅を広く設けることが必要となっていた。しかしながら、個々の導体パターンの幅が広くなったプリント配線板は、表面積が拡大化することで、プリント配線板小型化に寄与することができない。そこで、斯かる大電流用のプリント配線板としては導体パターンの厚肉化が検討され、一般に、図9(a)に示されるような厚肉導体が知られている(例えば、特許文献1参照)。
すなわち、図9(a)は大電流用の導体パターンを示したもので、当該導体パターンは、大電流用に使用されるために厚さのある導体を使用して、当該導体を回路形成することにより加工し、導体パターンの厚さ(もしくは高さ)と幅を一般の導体パターンより拡大させた構造体となっているものである。
前記図9(a)に示されるような、大電流用に使用される導体パターンは、一例を挙げれば導体厚さが約400μmであり、導体幅はトップ位置で900μm、ボトム位置で1100μmである。他方、図9(b)に示される、一般的に使用されるプリント配線板の導体パターンは、一例を挙げれば導体厚さが約40μmであり、導体幅は約75μmである。
このように、図9(a)に示される大電流用に使用される導体パターン構造は、図9(b)に示される一般に使用される導体パターン構造と比較して、断面積の比率で100倍以上となり、著しく大きさの異なるものとなっている。
このような、図9(a)に示される大電流用の導体パターンは、上記のような導体の厚さ及び幅であるために、回路形成の際に独特の導体構造が形成される。
図10は、前記従来の大電流用の導体パターンの回路形成について示したものである。前記大電流用の導体パターンの回路形成においては、導体の厚さが厚いために、回路形成によりエッチングされた導体の側面は、その厚さに起因して壁のような状態を形成し、液体を滞留させる容器状の構造となる。その結果、導体パターンの間隙部に滞留したエッチング液は、導体パターンの側面部を過剰にエッチングするため、回路形成終了後の導体パターンには、当該導体の側面における上端部に鋭利な凸部51が形成されると共に、導体の厚み方向のほぼ中央付近に凹湾状部52が形成される。
このような鋭利凸部51と凹湾状部52は、導体パターンの上方に被覆するソルダーレジストを形成する際に問題となっていた。
すなわち、大電流用の導体パターン50の上方にソルダーレジストを被覆する際に、図11に示されるように、鋭利凸部51において、ソルダーレジスト55が弾かれてしまい、ソルダーレジスト55が被覆形成されないという問題を生じていた。
また、前記鋭利凸部51でのソルダーレジスト55の弾き不具合は、プリント配線板の品質に関する観点において、(i)電子部品を実装する際に使用するはんだ材料が鋭利凸部51に付着する不良を生じさせ、(ii)絶縁系の信頼性試験において、CAF(Conductive anodic filament)などの絶縁不良を生じさせ、(iii)導体パターンの配列ピッチが狭い場合においては、導体パターン間同士の電気的なショート不良を生じさせるために問題であった。
さらに、前記鋭利凸部51でのソルダーレジスト55の弾き不具合は、鋭利凸部51が鋭利な構造であるが故に、プリント配線板の製造及び取扱いに関する観点において、(i)製造に使用する印刷版などを損傷させ、(ii)搬送などに使用するロール部材を損傷させ、(iii)製品を重ね合わせた時などに製品同士を損傷させるために問題であった。
特開2003−179316号公報
このような背景に基づき本発明が解決しようとする課題は、特に厚さのある厚肉導体を使用した大電流用途に使用されるプリント配線板において、大電流を通電させる厚肉の導体パターン部に、ソルダーレジストを良好に被覆させ、絶縁性不具合を抑制することができる大電流用プリント配線板及びその製造方法を提供することにある。
発明者らは上記課題を解決するために種々検討を重ねた。その結果、大電流を通電させる厚肉導体パターン部の側面における上端部に形成された鋭利な凸部構造を平面型の回転研磨機で研磨除去して非鋭利な凸湾状とすると共に、導体パターン部のトップ面の導体幅を、導体パターン部の中央部の幅よりも狭くすれば、極めて良い結果が得られることを見出して発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、厚肉導体にソルダーレジストが被覆された大電流用プリント配線板において、前記厚肉導体からなる導体パターンの側面における上端部が非鋭利な凸湾状を呈し、かつ当該導体パターンの厚さ方向におけるトップ位置の導体幅が、同厚さ方向における中央位置の導体幅よりも狭くなっていることを特徴とするプリント配線板により上記課題を解決したものである。
また、本発明は、前記プリント配線板において、前記厚肉導体の一部にスルーホールが形成されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記プリント配線板において、前記導体パターンの表面部がソルダーレジストにより被覆されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記プリント配線板において、前記厚肉導体の厚さが100〜500μmであることを特徴とする。
また、本発明は、大電流の通電用途に使用される厚肉導体から導体パターンを形成する回路形成工程と、当該導体パターンの側面における上端部を平面回転研磨機で研磨する工程と、前記導体パターンにソルダーレジストを被覆する工程とを有することを特徴とするプリント配線板の製造方法により上記課題を解決したものである。
また、本発明は、前記プリント配線板の製造方法において、前記平面回転研磨機が、平面構造の研磨材が前記導体パターンに接触し、かつ平面方向の回転機能を備えた研磨機であることを特徴とする。
また、本発明は、前記プリント配線板の製造方法において、前記平面回転研磨機がオシュレーション機能を備えた研磨機であることを特徴とする。
また、本発明は、前記プリント配線板の製造方法において、前記ソルダーレジストを被覆する工程を、非接触型のスプレー方式により行なうことを特徴とする。
本発明の大電流用プリント配線板は、大電流を通電させる厚肉導体パターン部に、ソルダーレジストが良好に被覆されているので、当該導体パターンにおいて電気絶縁系の不具合の発生を抑制することができる。
また、本発明の大電流用プリント配線板の製造方法によれば、大電流を通電させる厚肉導体パターン部に、ソルダーレジストが良好に被覆されたプリント配線板を効率良く製造することができる。
以下本発明の実施の形態を図面と共に説明する。
始めに、図1に示されるように、熱硬化性タイプの絶縁樹脂12を用意し、当該絶縁樹脂12を中心にして、その上下両方の面側より、銅箔11を積み重ねるように配置した後に積層プレスにより一体化し、両面銅張り積層板構造となるプリント配線板の主骨格を作製する。ここで使用する絶縁樹脂12には、プリント配線板に強度を持たせるためにガラスクロスや無機フィラーなどの補強材が含有されている材料が好適に使用される。
本発明におけるプリント配線板は大電流用途に使用されるため、前記銅箔11は厚肉のものを使用する。銅箔11の厚さの選定としては、通電する電流値などが基準となる場合が多いが、100μmよりも薄い銅箔11を使用した場合には大電流用途に適さないことがあり、他方500μmよりも厚い銅箔11を使用した場合には回路形成時にエッチング液が充分に銅箔をエッチングできないため、当該銅箔の回路形成が困難となり易い。従って、本発明に使用する銅箔11としては、大電流用途に使用することができると共に、厚肉導体回路を形成することができ、かつ前記鋭利凸部により不具合を生じやすい銅箔として、100μmから500μmの厚みの銅箔11が好ましい。その一例を挙げれば、厚さ400μmの銅箔11が好適に使用される。
また、図1に示される状態において、厚さ400μmの銅箔11を使用した場合、当該銅箔を支えて固定するために充分な厚さを有する絶縁樹脂12が好ましい。その一例を挙げれば、厚さ1.2mm(1200μm)の絶縁樹脂12が好適に使用される。
次いで、上記の両面銅張り積層板に、ドリルやルーターを使用して、スルーホールを形成する所望の位置に貫通穴13を形成し、図1に示される構造体を得る。
次いで、前記図1に示される構造体にスルーホールめっき14を行ない、図2に示される構造体を得る。スルーホールめっき14は、無電解銅めっき及び電解銅めっきを順に行ない、前記貫通穴13の内部に厚さ25から40μmの銅めっきを付着させる。また、スルーホールめっき14は表層の銅箔11の表面にも付着することで、図2に示される導体15は前記銅箔11とスルーホールめっき14からなる複合導体として表層面に形成される。
スルーホールめっき14の付着が終了した後には、導体15部を回路形成するために回路形成用のレジストフィルム16を導体15部の表面に付着させ、次いで、レジストフィルム16を露光、現像、剥離の順に行ない、図2に示されるような導体15部の表面にレジストフィルム16の一部が残存する構造体を得る。
ここで使用するレジストフィルム16は、厚さのある導体15をエッチングすることを考慮し、エッチング液に対して耐久性を持たせるために厚さのある材料が使用される。当該レジストフィルム16の一例を挙げれば、厚さ40μmの材料が好適に使用される。また、この40μm程度の厚さのあるレジストフィルム16を使用することで、スルーホール上にテンディング方式で被覆することができ、前記エッチング液がスルーホール内部に進入する回路形成時の不具合を解消することができる。
次いで、サブトラクティブ方式による回路形成方法にて、回路形成エッチング工程でレジストフィルム16の開口部分の導体15を溶融し、回路形成終了後には、図3に示される導体パターン20及びスルーホール17を有する構造体を得る。ここでの回路形成においては、厚さのある導体15をエッチングするために、水平式の回路形成ラインであればコンベアスピードを遅くすることが必要である。例えば、従来の一般的な導体パターンを形成する際のコンベアスピードと比較して、2分の1から3分の1程度のスピードで回路形成することにより、導体15より導体パターン20及びスルーホール17を形成することができる。
回路形成終了後の導体パターン20は、前記従来技術における図10の説明で記載した通り、導体パターン20の間隙部にエッチング液が滞留する現象が生じるために、回路形成終了後の導体パターン20の断面観察図は、図6(a)に示されるような鋭利凸部31と凹湾状部32が形成された構造体となる。また、同様の理由より、スルーホール17においてもランド部において、鋭利凸部31構造と凹湾状部32が形成された構造体となる。
次いで、図3に示される導体パターン20の、特に鋭利凸部31の研磨除去を行なう。
ここで、鋭利凸部31の研磨除去においては次のような技術的な要請乃至背景が存在する。
1つ目として、鋭利凸部31を除去する際に、導体パターン20が全体的に小さくなることは好ましくない。これは、導体パターン20が大電流用途に使用され、大電流を導体パターンに通電する際には、導体パターンの大きな断面積が必要であることが技術的な背景とされる。そのため、導体パターン20の全体を小さくするような研磨方法は、大電流用途での使用を背景とした場合には好ましくない。
従って、エッチング性の薬液処理を使用した化学研磨処理による除去方法は不適切である。加えて、前記薬液処理を使用する化学研磨の場合には、スルーホール内の銅めっきを当該薬液から保護する必要が生じてくる。その際に、スルーホールの開口部付近にテント状に保護膜を形成することが必要となり、保護膜を形成するいずれの場合にも鋭利な角面凹部がラミネートロールや印刷版を損傷させる恐れがあり、このような観点からも工法として好ましくない。
2つ目として、鋭利凸部31を除去する際に、研磨方向が存在することは好ましくない。これは、導体パターン20がプリント配線板上で必要とされる配線ルールのもとに配置されており、それは曲線的な配線形状を多く含むことが技術的な背景とされる。そのため、鋭利凸部31を除去する際に、一定の方向性を有する研磨方法は、一定方向においてのみ鋭利凸部31の除去を可能とし、それにより鋭利凸部31が除去されない箇所が生じるため好ましくない。
従って、ロール状態の研磨方法として一般に使用されているバフロール研磨は不適切である。また、従来のプリント配線板の製造で使用されているベルト型研磨機なども不適切である。
3つ目として、鋭利凸部31を除去する際に、導体パターン20に研磨圧力をかけることは好ましくない。これは、研磨時のプリント配線板の形状が主に導体パターン20からなるためである。例えば、研磨時のプリント配線板の形状が回路形成前の銅ベタ状態であるならば、平面安定性に優れるため、前記研磨圧力をかけることは大きな問題とならない。しかしながら、図3に示される研磨時の状況下では、既に導体パターン20が形成されている形状である。そのため、研磨圧力を与えた状態で導体パターン20を研磨すると、導体パターン20に損傷を与え、さらには導体パターン20自身が絶縁樹脂12より引き剥がされることが生じるためである。
従って、鋭利凸部31を除去する際に、大きな研磨圧力をかけることは不適切であり、例えば従来のプリント配線板の製造で使用されているベルト型研磨機などは不適切なものとして挙げられる。
4つ目として、研磨する際に鋭利凸部31の銅部が引き伸ばされるような研磨方法は好ましくない。これは一般に、物理的圧力の存在化で、金属の延性による「だれ」と呼称される現象である。このような金属延性に伴う「だれ」が生じた場合、鋭利凸部31においてはより複雑な「だれ」形状を示し、目的とする導体パターン20へのソルダーレジストの被覆がより困難になることが生じるためである。
従って、鋭利凸部31を除去する際に、上方から研磨吐粒を噴射するタイプの粗化研磨方法は不適切であり、例えば、ウエットブラスト、サンドブラスト、スクラブ研磨などは不適切なものとして挙げられる。また、ロール状態の研磨方法として使用されているバフロール研磨も不適切である。
更に、前記した点以外にも、鋭利凸部31に追従する物理研磨方法が必要であること、多角度の方向より研磨できる研磨方法が必要であること、プリント配線板の面内が均一に研磨できる研磨方法が必要であること、絶縁樹脂12部に損傷を与えない研磨方法が必要であることなど、多くの技術的な要請が存在する。
以上のような技術的な要請乃至背景のもと、本発明では平面型の回転研磨方法を採用した。
始めに、この平面型の回転研磨方法について説明する。図7(a)は、平面型回転研磨方法を模式的に説明している図である。平面型回転研磨は、当該図7(a)に示されるように平面形状の研磨材36を使用して研磨する方法である。
また、平面型回転研磨の特徴的な箇所としては、研磨材36が平面上に回転をして対象物を研磨する箇所である。この回転は、例えばフロアーの床を清掃するのに使用するポリッシャー清掃機とその態様が類似しており、この平面的な回転により研磨対象物である導体パターン20に平面で接して研磨をするものである。
さらに、平面型回転研磨の特徴的な箇所としては、オシュレーション機能を有している箇所である。当該オシュレーション機能は、平面的に左右の往復動作をするものであり、これにより研磨材は前記平面的な回転を行ないながら、左右の往復動作をする。
このような特徴を有する平面型回転研磨をすることで、次のような研磨が行なえる。すなわち、(i)研磨材は鋭利凸部31の下側に潜り込み、目的とする鋭利凸部31を優先的に除去することが可能となる。(ii)平面的な回転を伴ない研磨するために、研磨に方向性が存在しない。(iii)回転方向が平面的な回転方向であるために、鋭利凸部31の除去する際に、導体パターン20に研磨圧力をかけることがない。(iv)回転方向が平面的であること及びオシュレーションが平面的な左右の動作であることより、噴射するタイプの粗化方法とは異なるため、鋭利凸部31において銅が引き伸ばされるような不具合を生じることなく、目的とする鋭利凸部31のみを除去することが可能となる。
斯かる平面型回転研磨を行なう平面型回転研磨機としては、例えば株式会社丸源鐵工所製のスーパーバイブレーションサンダー(MSV−602B)が好適に使用される。また、当該機種を使用した加工条件としては、例えばコンベアスピードを0.5〜1.5m/分として、研磨材回転数を1200〜2000rpmとして、研磨圧力を5〜15kgf/cm2として、オシュレーション動作を35回/minで、幅20mmとしたものが挙げられる。
また、使用する研磨材としては、例えば三共理化学株式会社製の不織布タイプ研磨材であるケンマロン(研磨粗さ:♯320〜♯600)が好適に使用され、研磨粗さ♯320の研磨材及び#400の研磨材を各4軸設けた研磨方法で、初期の軸数においては研磨粗さ♯320研磨材を使用して、後期の軸数においては研磨粗さ♯400研磨材を使用する配列が好ましい。
これにより、不織布タイプの研磨材は鋭利凸部31の下側に潜り込み、当該鋭利凸部31を除去する。
図3に示される鋭利凸部31を有する導体パターン20を、上記のような態様で使用される平面回転研磨機により研磨することで、鋭利凸部31が除去され、図4に示されるように、導体パターンの側面における上端部が非鋭利な、すなわち緩やかな湾曲状を呈した凸湾状部35を形成することができる。
ここで、平面回転研磨により鋭利凸部31が除去された凸湾状部35の構造的な特徴について説明する。
図6に示される構造体は、導体パターン20の特に鋭利凸部31の研磨前後の構造について示したものである。始めに、図6(a)に示される研磨前の導体パターン20は前記記載のように鋭利凸部31を有し、当該鋭利凸部31は導体パターン20にソルダーレジストを被覆させる際に弾く不具合を生じさせるため問題となる。
一方、図6(b)に示される研磨後の導体パターン20は鋭利凸部31が除去された構造、すなわち導体パターン20の側面における上端部が非鋭利な凸湾状を呈する凸湾状部35となると共に、当該凸湾状部35は、導体パターン20の厚さ方向におけるトップ位置の導体幅(図6(b)内のトップ幅)が、同厚さ方向における中央位置の導体幅(図6(b)内の中央幅)よりも狭い構造となっている。
前記トップ幅が中央幅よりも狭い構造により、液状でチキソ性を備えたソルダーレジストは凸湾状部35に付着し易くなる。その結果、ソルダーレジストの硬化後の形状を示した図8のように、前記導体パターン20の非鋭利な凸湾状部35において、前記ソルダーレジストが密着性の良い状態で接着され、導体パターン20にソルダーレジストを被覆させる際に、前記ソルダーレジストが弾かれる不具合を抑制することができる。
加えて、前記平面回転研磨は、導体パターン20の鋭利凸部31を優先的、かつ選択的に除去する特徴を有する。
上記の特徴点を確認するために、図6に示される研磨前後の導体パターン20の測長を行なった。すなわち、図6(b)に示されるトップ幅、中央幅、ボトム幅及び導体パターン20の厚さ(もしくは高さ)を測長した。また、前記トップ幅の測長では、拡大図たる図6(c)に示されるA点(水平面部から凸湾状部への開始点)を基点として行ない、同様に前記中央幅の測長では、図6(c)に示されるB点(凹湾状部の最奥点)を基点として行なった。
測長サンプル数としては、研磨前後の導体パターン20を各30サンプル測定した。その結果を表1に示す。
表1に示される結果より、導体パターン20の中央幅、ボトム幅は研磨前後の測長差がほとんど無いことから、当該箇所においては研磨材が接することなく、研磨する前の形状を維持していることが確認された。その一方、トップ幅は研磨前後の測長差で50〜54μmの差が生じていることより、平面回転研磨機を使用した場合、導体パターン20のトップ位置が優先的、かつ選択的に研磨されることが確認された。
これは、平面回転研磨機の研磨材の圧力が導体パターン20の側面における上端部に集中される研磨方法であることにより成し得たものである。
前述したように、導体パターン20は大電流用途に使用され、大電流を導体パターンに通電する際には、導体パターンの大きな断面積が必要であり、研磨により断面積が小さくなることは好ましくない。然るところ、前記平面回転研磨によれば、導体パターン20を研磨により小さくすることなく、優先的、かつ選択的に鋭利凸部31を研磨除去することができる。したがって、平面回転研磨機を使用した前記導体パターン20の鋭利凸部31の研磨は、大電流用途に使用するプリント配線板の製造方法としては極めて重要な必須不可欠の工程である。
次いで、凸湾状部35を形成した図4に示される構造体の導体パターン20の上方に、ソルダーレジスト22を被覆する(図5参照)。
ソルダーレジスト22の塗布方法としては、例えば株式会社ファーネス社製のベル型静電スプレー装置のような非接触型のスプレー方式による塗布方法が好適に用いられる。
これは、本発明の大電流用のプリント配線板においては、導体パターン20の厚さが厚いために、例えば従来のプリント配線板の製造方法において使用されたカーテンコート法や印刷法を使用した場合、導体パターン20の深さのある間隙部位に前記ソルダーレジストが堆積し、紫外線による光硬化の際に底部まで紫外線が到達せず、半硬化なソルダーレジストを形成することがあるためである。
また、上記非接触型のスプレー方式で使用するソルダーレジスト22としては、例えば太陽インキ製造株式会社製のソルダーレジスト(PSR−4000,AM01NB)が好適に使用される。
このように、導体パターン20の上方にソルダーレジスト22を被覆することにより、図5に示される構造体が得られる。
而して、当該図5に示される研磨後の導体パターン20には、予め導体パターンの側面における上端部に、非鋭利な凸湾状部35が形成されているため、導体パターン20にソルダーレジストを被覆させる際に、前記ソルダーレジストが弾かれる不具合が生じないので、ソルダーレジストが良好に被覆されている。
その結果、本発明によれば、特に厚さのある導体を使用した大電流用途に使用されるプリント配線板において、大電流を通電させる厚肉導体パターン部に、ソルダーレジストを良好に被覆させることができ、当該導体パターンにおいて電気絶縁系の不具合の発生を抑制することができる。
本発明のプリント配線板の製造工程を示す概略断面説明図。 図1に引き続く製造工程を示す概略断面説明図。 図2に引き続く製造工程を示す概略断面説明図。 図3に引き続く製造工程を示す概略断面説明図。 図4に引き続く製造工程を示す概略断面説明図。 導体パターンの研磨状態を示す模式断面説明図。 平面型回転研磨方法を示す模式説明図。 本発明のソルダーレジスト硬化後の導体パターンを示す模式断面説明図。 従来の導体パターンを示す模式断面説明図。 従来の導体パターンの回路形成を示す模式断面説明図。 従来の導体パターンへのソルダーレジスト被覆状態を示す模式断面説明図。
符号の説明
11:銅箔
12:絶縁樹脂
13:貫通穴
14:スルーホールめっき
15:導体
16:レジストフィルム
17:スルーホール
20:導体パターン
22:ソルダーレジスト
31:鋭利凸部
32:凹湾状部
35:凸湾状部
36:研磨材
50:導体パターン
51:鋭利凸部
52:凹湾状部
55.ソルダーレジスト

Claims (8)

  1. 厚肉導体にソルダーレジストが被覆された大電流用プリント配線板において、前記厚肉導体からなる導体パターンの側面における上端部が非鋭利な凸湾状を呈し、かつ当該導体パターンの厚さ方向におけるトップ位置の導体幅が、同厚さ方向における中央位置の導体幅よりも狭くなっていることを特徴とするプリント配線板。
  2. 前記厚肉導体の一部にスルーホールが形成されていることを特徴とする請求項1に記載のプリント配線板。
  3. 前記導体パターンの表面部がソルダーレジストにより被覆されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のプリント配線板。
  4. 前記厚肉導体の厚さが100〜500μmであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のプリント配線板。
  5. 大電流の通電用途に使用される厚肉導体から導体パターンを形成する回路形成工程と、当該導体パターンの側面における上端部を平面回転研磨機で研磨する工程と、前記導体パターンにソルダーレジストを被覆する工程とを有することを特徴とするプリント配線板の製造方法。
  6. 前記平面回転研磨機が、平面構造の研磨材が前記導体パターンに接触し、かつ平面方向の回転機能を備えた研磨機であることを特徴とする請求項5に記載のプリント配線板の製造方法。
  7. 前記平面回転研磨機が、オシュレーション機能を備えた研磨機であることを特徴とする請求項5又は6に記載のプリント配線板の製造方法。
  8. 前記ソルダーレジストを被覆する工程を、非接触型のスプレー方式により行なうことを特徴とする請求項5〜7の何れか1項に記載のプリント配線板の製造方法。
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