JP2854702B2 - プリント配線板の製造方法 - Google Patents

プリント配線板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、プリント配線板の製造方法に関するもの
である。さらに詳しくは、この発明は、表面メッキざら
つきのないプリント配線板の製造を可能とする新しい製
造方法に関するものである。
(従来の技術) 電気・電子機器、計算機、通信機器等には各種の構成
からなるプリント配線板が使用されている。これらのプ
リント配線板については、高密度実装および高密度配線
への対応が強く求められており、より高精度、高品質な
製造が必要とされてもいる。
これまで、このプリント配線板の製造法としては、ガ
ラス、紙等の基材にエポキシ樹脂、フェノール樹脂、不
飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等を含浸された
樹脂含浸基材、あるいは樹脂シート等に、銅、アルミニ
ウム、ステンレス等の金属箔を積層一体化成形し、これ
にスルーホール穴あけ加工した後にメッキ処理し、さら
にエッチングしてパターニングを行うなどの方法が知ら
れている。
いずれの方法を採用する場合にも、導体層形成のため
のメッキ処理は必須とされ、無電解メッキと電解メッキ
の組合わせ等によってこのメッキを行うのが一般的なも
のとなっている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、このメッキ処理は、導体層の形成手段
としては効率的で有用なものであるが、高精度ファイン
パターン化に対応するためには、依然として解決すべき
課題が残されているのが実情である。
このような課題の一つとして、メッキ処理中に、つぶ
銅がプリント配線基板に付着し、これが核となってメッ
キが成長し、表面にメッキざらつきを生じるという欠点
があった。このざらつきは、後工程の回路形成において
回路幅の精度を悪くし、高品質なプリント配線板の構造
を阻害する原因となってもいた。
このようなつぶ銅の付着は、この発明の発明者による
検討の結果からは、プリント配線基板のメッキ処理時に
おける端面でのメッキの異状析出に帰因するものである
ことが確かめられた。
そこで、この発明は、上記のような従来の方法におけ
るメッキざらつきの生成という欠点を解消し、均一なメ
ッキ処理を可能とする改善されたプリント配線板の製造
方法を提供することを目的としている。
(課題を解決するための手段) この発明は、上記の課題を解決するものとして、プリ
ント配線基板の端面を研磨またはルーターカット処理
し、次いでメッキ処理することを特徴とするプリント配
線板の製造方法を提供する。
(作 用) この発明においては、メッキ処理に先立って、被処理
プリント配線基板の端面を研磨またはルーターカットす
るため、メッキ浴においてこの端面にメッキの異状析出
が生じることがないため、これが原因となるつぶ銅の生
成や、このつぶ銅のプリント配線基板表面への付着によ
るメッキざらつきの発生も抑止される。
このため、後工程の回路形成においても、回路のファ
イン形成が容易となる。
(実施例) 以下、この発明のプリント配線板の製造方法をさらに
詳しく説明する。
第1図は、この発明の製造法を例示した工程断面図で
ある。たとえばこの第1図に示したように、 (a) ガラスシート、ガラスクロス、紙等の基材にエ
ポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂
等の樹脂を含浸した樹脂含浸基材および/または樹脂シ
ート等からなる複数枚の基材層(1)と、銅、アルミニ
ウム、ステンレス等の金属箔(2)とを加熱加圧して積
層一体化する。この積層成形によってプリント配線基板
(3)を製造する。
得られたプリント配線基板(3)の端面はなめらかで
なく、粗端面(4)となっている。
(b) そこで、このプリント配線基板(3)の粗端面
(4)を研磨、またはルーターカットによって処理して
滑らかな端部表面(5)を形成する。この時の研磨の手
段には特に限定はなく、基材層(1)、金属箔(2)の
種類や厚み等を考慮して適宜なものを適用することがで
きる。サンドペーパーレベルサンダー、バフ、ブラスト
等の物理的研磨や化学研磨が適用される。
ルーターカッティング処理でもよい。
この研磨またはルーターカットによって形成される滑
らかな端部表面(5)を有するプリント配線基板(3)
の場合には、メッキ液に浸漬してメッキ処理する場合に
その端部表面(5)でのメッキの異状析出はない。この
ため、つぶ銅等の微細金属粒の生成とその付着も生じな
い。
一方、従来のように、粗端面(4)のままメッキ処理
する場合には、第2図にも示したように、 メッキ液(6)中に浸漬したプリント配線基板(3)
の粗端面(4)にはメッキ(7)が異常析出し、これが
つぶ銅(8)等の金属粒子として落下し、その途中で、
プリント配線基板(3)の表面(9)に付着する。する
と、この付着したつぶ銅(8′)が核となってメッキが
成長し、メッキざらつきが発生する。
上記したこの発明の方法による場合には、このような
メッキざらつきは発生しない。
実際、エポキシ樹脂含浸ガラス基材と銅箔とから成形
したプリント配線基板を用い、その端部を研磨して滑ら
かな端部表面を形成し、次いで ・電流密度 20A/dm2 ・時間 40分 ・硫酸銅濃度 75g/ ・硫酸濃度 175g/ の条件において硫酸銅メッキを施したが、つぶ銅の生成
はもちろんのこと、銅メッキのざらつきも発生しなかっ
た。
一方、端部表面を研磨しない場合には、この銅メッキ
のざらつき発生は避けられなかった。
もちろん、この発明は以上の例に限定されるものでは
ない。銅メッキ以外の処理についても同様にこの発明は
適用される。それらの細部については様々な態様が可能
である。
(発明の効果) この発明により、以上詳しく説明した通り、プリント
配線基板表面でのメッキざらつきは発生しない。
このため、後工程の回路形成においても回路ファイン
化は容易で、高品質プリント配線板が製造される。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の方法を例示した部分工程断面図で
ある。第2図は、従来方による場合のメッキざらつきの
発生を示した側面図である。 1……基材層 2……金属箔 3……プリント配線基板 4……粗端面 5……滑らかな端部表面 6……メッキ液 7……メッキ 8,8′……つぶ銅 9……表面

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プリント配線基板の端面を研磨またはルー
    ターカット処理し、次いでメッキ処理することを特徴と
    するプリント配線板の製造方法。
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