JP2007242183A - 凸構造基体とその製造方法、凸構造基体からなる記録媒体用原盤とその製造方法 - Google Patents

凸構造基体とその製造方法、凸構造基体からなる記録媒体用原盤とその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】レーザ光の送り周期以下の微細で高精度の凸状構造体を支持基板上に有する凸構造基体とその製造方法、該凸構造基体からなる記録媒体用原盤とその製造方法を提供する。
【解決手段】支持基板上にシリコン酸化物を含有する熱変化可能なA層とレーザ光の吸収により発熱する熱変化可能なB層が順次設けられた積層体に、所定の送り周期をもつレーザ光を照射し、逐次B層とA層の状態を変化させ、エッチング処理して、支持基板上に、A層のみの構成、またはA層・B層積層のみの構成、あるいはA層とA層・B層積層の構成の何れかからなる凸状の構造を有する凸構造基体とする。凸構造基体の支持基板をディスク状に、凸状の構造体をスパイラル状または同心円状として記録媒体用原盤とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、光学デバイス、生体デバイスなどの各種デバイスに適用することができる支持基板上に凸状の構造体を有する凸構造基体に関し、特に、レーザ露光装置におけるレーザ光の送り周期以下で高精度の凸状構造体を支持基板上に有する凸構造基体とその製造方法および凸構造基体からなる記録媒体用原盤とその製造方法に関する。
光ディスクの製造原盤は、レーザビームによるフォトレジスト露光、現像によるレジストのパターン化、パターン化したレジストをマスクとした基板エッチング等の手順で作製する。高密度化(凹凸パターンの微細化)に対応するために電子線露光が検討されている。
しかしながら、電子線露光の場合、フォトレジストの感度が不十分であること、真空プロセスを必要とすることなどから、スループットの低下は免れない。また、電子線描画装置は非常に高価であり莫大な初期投資が必要になる。また、装置のメンテナンスも難しく、ランニングコストもかかる。以上のように電子線露光の場合、スループットの低下、初期投資の増加、ランニングコストの増加によって、プロセスコストが高騰する。このような状況のなかで、低コスト化を目的としたレーザ光による微細な凹凸パターン(構造体)の形成方法が開示されている。
例えば、基板上に少なくともSbとOとを含有する感熱記録層を形成し、この感熱記録層にレーザ光を照射し、露光された部分と露光されていない部分のエッチングレートの差を利用して凹凸パターンを形成する原盤製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、樹脂層に設けた誘電体あるいは金属酸化物からなる凹部誘起層に光ビームを集光照射して樹脂層にピット部および/または案内溝を形成する微細パターンの形成方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
あるいは、基板状にWやMoのような遷移金属の不完全酸化物を含むレジスト層を形成し、このレジスト層を紫外線、可視光、あるいはレーザ光により露光した後、現像処理して凹凸パターンを形成する光ディスク用原盤の製造方法が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
また、基板上に形成した相変化膜にレーザ光を照射して熱記録を行い、これをエッチング処理して凹凸を形成する光ディスク用スタンパの製造方法が提案されている(例えば、特許文献4参照。)。
上記のように、レーザ加熱による材料の熱変化を利用し微細なパターンを形成する方法が提案されている。このような方法を、以下の説明では、「ヒートモードリソグラフィー」と記載する。
ヒートモードリソグラフィーによるパターン形成の場合、レーザ加熱により材料の構造が変化する熱反応層を設ける。熱反応層の構造変化は、温度に対して閾値を持って起こることから、レーザビームスポット径よりも小さな領域を変化させることができる。このため、レーザ照射後に熱反応層をエッチング処理することで微細な凹凸パターンの形成ができ、例えば、ヒートモードリソグラフィーによる光ディスク用原盤製造の際、低密度の原盤製造用のレーザ露光装置を用いて、高密度化が図れるという利点がある。
しかしながら、上記提案のヒートモードリソグラフィーによる製造方法では次のような問題がある。すなわち、光ディスク用原盤を製造する場合に、ディスク半径方向における構造体の周期、つまり、トラックピッチの精度は、レーザ露光装置のレーザビーム送り精度に依存する。従って、レーザビーム送り精度が不十分であるレーザ露光装置(例えば、一世代前のレーザ露光装置)を用いてトラックピッチが縮小された光ディスク用原盤を製造する際、十分なトラックピッチ精度が確保できないという問題がある。すなわち、トラックピッチの高精度化を図る工夫が必要である。このような問題が解決できれば、一世代前のレーザ露光装置が適用でき装置の延命が図れるので設備投資が不要となり、プロセスコストが低減できる。
なお、本出願人は先に、あるいは、支持基板上に第1の誘電体層、光吸収層、第2の誘電体層(例えば、シリコン酸化物を含む)を順次形成し、レーザ光照射とエッチングにより第2の誘電体層の未記録部分を除去し、凸状に加工する工程を含む光記録媒体の製造方法を提案した(例えば、特許文献5参照。)。
この提案により、フォトリソグラフィを使わない簡単なプロセスで凹凸のパターンを形成することができる。しかし、レーザビーム送り精度が不十分であるレーザ露光装置を用いて、トラックを縮小した際に十分なトラックピッチ精度を確保することは難しい。
特開2005−100602号公報 特開2005−71564号公報 特開2004−152465号公報 特開平9−115190号公報 特開2005−158191号公報
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、レーザ露光装置におけるレーザ光の送り周期以下の微細で精度の高い凸状構造体を支持基板上に有し、光学デバイス、生体デバイスなどの各種デバイスに適用できる凸構造基体とその製造方法、および凸構造基体からなる記録媒体用原盤とその製造方法を提供することを目的とする。
なお、レーザ露光装置として、レーザビームの送り精度が不十分な装置(以下、「一世代前のレーザ露光装置」と称することがある。)を用いてプロセスコストの高騰を抑制しつつ上記課題を達成することを目的とする。
本発明者は鋭意検討した結果、以下の(1)〜(14)に記載する発明によって上記課題が解決されることを見出し本発明に至った。以下、本発明について具体的に説明する。
(1):支持基板上に、A層からなる凸状の構造体および/またはA層・B層積層からなる凸状の構造体を有する凸構造基体であって、
前記凸状の構造体は、
支持基板上にシリコン酸化物を含有する熱変化可能なA層とレーザ光の吸収により発熱する熱変化可能なB層が順次設けられた積層体に、
所定の送り周期をもったレーザ光の照射とエッチング処理を施して形成され、該レーザ光の照射送り周期以下の間隔で構成されたものであることを特徴とする凸構造基体である。
上記凸構造基体は、レーザ露光装置におけるレーザ光の送り周期あるいはそれよりも縮小された(例えば、レーザ光の送り周期の半分)間隔で形成された凸状構造体を支持基板上に有するものであり、フォトニクス結晶デバイスなどの光学デバイス、バイオチップなどの生体デバイス等、各種デバイスや光ディスクなどの記録媒体用原盤として用いることができる。特に、一世代前のレーザ露光装置を用いても微細で精度の高い凸状の構造体を形成することが可能であるため、設備投資が不要となってプロセスコストが低減できる。
(2):前記支持基板上に設けられたB層が、Sb、Si、Ge、Snから選ばれる元素単体もしくはそれら元素を含む化合物を含有することを特徴とする(1)に記載の凸構造基体である。
上記元素単体あるいは化合物を含有するB層とすることにより、レーザ光の照射により効果的に発熱して閾値温度で熱変化を起し、例えば、レーザビームスポット径よりも小さな領域を変化させこの熱反応層をエッチング処理することにより、レーザ光の照射送り周期以下の間隔をもって凸状の構造体を形成することができる。
(3):前記支持基板上に設けられたA層およびB層のレーザ光照射前の状態は、銅のKα線を用いたX線回折測定における回折角を2θとしたとき、全ての散乱、回折ピークの半値幅(FWHM)が1.5°以上を示すアモルファス状態であることを特徴とする(1)または(2)に記載の凸構造基体である。
A層およびB層をそれぞれアモルファス状態(非結晶質状態)とすることによって、それぞれの層(膜)の残留応力が低減できる。残留応力を低減することでクラックなどの欠陥が発生することなく、大面積の支持基板、例えば、記録媒体用原盤のような大面積基板上に均一に成膜することができる。また、レーザ光の照射によるA層および/またはB層の熱処理、熱反応層のエッチング処理等においても簡便で、かつ確実に凸状の構造体を精度良く均一に形成することができるため好ましい。
(4):(1)〜(3)の何れかに記載の凸構造基体からなる記録媒体用原盤であって、
前記凸構造基体の支持基板がディスク状であり、凸状の構造体がスパイラル状または同心円状であることを特徴とする記録媒体用原盤である。
凸構造基体を上記の構成とすることで、光ディスク等の記録媒体用原盤が提供される。
すなわち、凸構造基体における凸状の構造体は、前述のようにレーザ露光装置におけるレーザ光の照射送り周期以下の間隔をもって形成することができる。このため、例えば、光ディスク記録媒体用原盤における凸状の構造体の周期が縮小された場合でも、レーザビームの送り精度が不十分な一世代前の露光装置の精度不足を補い改善することが可能である。従って、設備更新の必要がないのでプロセスコストを低減することができる。
(5):前記凸状の構造体がA層およびA層・B層積層の混成からなり、かつ該A層とA層・B層積層の各構造体は交互に形成されてなることを特徴とする(4)に記載の記録媒体用原盤である。
前記積層体に、所定の送り周期をもったレーザ光の照射とエッチング処理を施して、A層およびA層・B層積層を交互に形成し、混成構造とすることによって各凸状の構造体の間隔をレーザ光の送り周期の半分(1/2)とすることができる。これによって、高密度で精度の良い記録媒体用原盤として用いることができる。
(6):前記A層およびA層・B層積層の各構造体における支持基板表面からの高さの差が、5〜50nmの範囲にあることを特徴とする(5)に記載の記録媒体用原盤である。
上記構成とすることにより、各凸状の構造体に対してレーザ光を照射してトラッキングする際の安定化が図れる。
(7):支持基板上に凸状の構造体を有する凸構造基体の製造方法であって、
下記工程:
(a)支持基板上にシリコン酸化物を含有する熱変化可能なA層とレーザ光の吸収により発熱する熱変化可能なB層が順次設けられた積層体に、所定の送り周期をもつパワー調整されたレーザ光を照射し、B層を加熱してB層全域に広がるように熱変化させる工程、
(b)B層からの熱伝導によりA層の一部を熱変化させる工程、
(c)熱変化したB層全域を、該熱変化したB層のみ溶解するエッチング液1により除去するエッチング工程、
(d)表面が曝露された熱変化していないA層を、該熱変化していないA層のみ溶解するエッチング液2により除去するエッチング工程、
により、支持基板上に、レーザ光の照射送り周期に対応する間隔で構成されたA層のみからなる凸状の構造体を形成することを特徴とする凸構造基体の製造方法である。
上記により、レーザ光の照射送り周期に対応する間隔をもってなる精度の高い凸状の構造体を有する凸構造基体を一世代前のレーザ露光装置を用いて容易に製造することができる。
(8):支持基板上に凸状の構造体を有する凸構造基体の製造方法であって、
下記工程:
(e)支持基板上にシリコン酸化物を含有する熱変化可能なA層とレーザ光の吸収により発熱する熱変化可能なB層が順次設けられた積層体に、所定の送り周期をもつパワー調整されたレーザ光を照射し、B層を加熱してB層の一部を熱変化させる工程、
(f)上記レーザ光のパワー調整によりB層からの熱伝導に伴う温度上昇を抑制してA層を熱変化させない工程、
(g)熱変化したB層を、該熱変化したB層のみ溶解するエッチング液1により除去するエッチング工程、
(h)表面が曝露された熱変化していないA層を、該熱変化していないA層のみ溶解するエッチング液2により除去するエッチング工程、により、支持基板上に、レーザ光の照射送り周期に対応する間隔で構成されたA層・B層積層のみからなる凸状の構造体を形成することを特徴とする凸構造基体の製造方法である。
上記により、レーザ光の照射送り周期に対応する間隔をもってなる精度の高い凸状の構造体を有する凸構造基体を、一世代前のレーザ露光装置を用いて容易に製造することができる。
(9):支持基板上に凸状の構造体を有する凸構造基体の製造方法であって、
下記工程:
(i)支持基板上にシリコン酸化物を含有する熱変化可能なA層とレーザ光の吸収により発熱する熱変化可能なB層が順次設けられた積層体に、所定の送り周期をもつパワー調整されたレーザ光を照射し、B層を加熱してB層の一部を熱変化させる工程、
(j)B層からの熱伝導によりA層の一部を熱変化させる工程、
(k)熱変化したB層を、該熱変化したB層のみ溶解するエッチング液1により除去するエッチング工程、
(l)表面が曝露された熱変化していないA層を、該熱変化していないA層のみ溶解するエッチング液2により除去するエッチング工程、により、支持基板上に、レーザ光の照射送り周期以下の間隔で構成されたA層とA層・B層積層が混成してなる凸状の構造体を形成することを特徴とする凸構造基体の製造方法である。
上記により、レーザ光の送り周期の半分の間隔をもってなる高密度で精度の高い凸状の構造体を有する凸構造基体を、一世代前のレーザ露光装置を用いて容易に製造することができる。
(10):前記エッチング液1がアルカリ水溶液であり、エッチング液2がフッ酸水溶液であることを特徴とする(7)〜(9)の何れかに記載の凸構造基体の製造方法である。
上記エッチング液1としてアルカリ水溶液を用い、エッチング液2としてフッ酸水溶液を用いれば、レーザ光の照射による前記A層とB層の熱変化を利用して、支持基板上に、A層のみの構成、またはA層・B層積層のみの構成、あるいはA層とA層・B層積層の混在した構成からなる何れかの凸状の構造を容易に、かつ高精度で形成することができる。
(11):ディスク状の支持基板上にスパイラル状または同心円状である凸状の構造体を有する凸構造基体からなる記録媒体用原盤の製造方法であって、
前記製造方法は(7)〜(9)の何れかに記載の製造方法に準拠するものであることを特徴とする記録媒体用原盤の製造方法である。
上記により、レーザ光の照射送り周期以下の間隔をもってなる光ディスクなどの記録媒体用原盤が、一世代前のレーザ露光装置を用いて安価に製造される。
(12):前記凸状の構造体がA層およびA層・B層積層の混成からなり、かつ該A層とA層・B層積層の各構造体は交互に形成されてなることを特徴とする(11)に記載の記録媒体用原盤の製造方法である。
上記により、高密度で精度の高い記録媒体用原盤を、一世代前のレーザ露光装置を用いて容易に製造することができる。
(13):ディスク状の支持基板表面にスパイラル状または同心円状の凹凸を有する記録媒体用原盤の製造方法であって、
下記工程:
(i)ディスク状の支持基板上にシリコン酸化物を含有する熱変化可能なA層とレーザ光の吸収により発熱する熱変化可能なB層が順次設けられた積層体に、所定の送り周期をもつパワー調整されたレーザ光を照射し、層を加熱してB層の一部を熱変化させる工程、
(j)B層からの熱伝導によりA層の一部を熱変化させる工程、
(k)熱変化したB層を、該熱変化したB層のみ溶解するエッチング液1により除去するエッチング工程、
(l)表面が曝露された熱変化していないA層を、該熱変化していないA層のみ溶解するエッチング液2により除去するエッチング工程、
(m)上記によりスパイラル状または同心円状で交互に形成されたA層とA層・B層からなる凸状の構造体をエッチングマスクとして、支持基板表面に凹凸を形成するエッチング工程、
(n)上記凹凸を形成するエッチングにより凸状の構造体を完全に除去する工程、
により、支持基板表面に、レーザ光の照射送り周期以下の間隔で構成されたスパイラル状または同心円状の凹凸を形成することを特徴とする記録媒体用原盤の製造方法である。
上記により、支持基板材料のみからなる凹凸形状を有する記録媒体用原盤が製造される。
単一材料構成からなる記録媒体用原盤であるため、例えば、スタンパ作成の際の転写工程において、凸状の構造体の離脱や剥離が起こらないため、原盤としての高耐久化が図れる。
(14):前記凹凸を形成するエッチングがドライエッチングであることを特徴とする請求項13に記載の記録媒体用原盤の製造方法である。
ドライエッチングにより、例えば、石英などの無機質支持基板表面に微細で高精度の凹凸が良好に形成され、マスクとして用いられる凸状の構造体のエッチング速度もバランス良く制御されて完全に除去される。
本発明の凸構造基体は、微細で精度が高い凸状の構造体を有すると共に、コスト上昇が押えられるので、フォトニクス結晶デバイスなどの光学デバイス、バイオチップなどの生体デバイス等、各種デバイスや光ディスクなどの記録媒体用原盤として用いることが可能である。
また、本発明の凸構造基体の製造方法によれば、レーザ光の照射送り周期以下の間隔からなる精度の高い凸状の構造体を、レーザ光の送り精度が不十分なレーザ露光装置(一世代前のレーザ露光装置)を用いても製造可能である。このため、プロセスコストの高騰を抑制できる。
さらに、本発明の記録媒体用原盤によれば、凸状の構造体の間隔がレーザ光の照射送り周期の半分であるものが得られるので、微細で精度の高いスタンパ形成が可能となり、安価でしかも容易に高密度光ディスクの作製が可能である。
また、本発明の記録媒体用原盤の製造方法によれば、レーザ光の送り周期以下の間隔である精度の高い凸状の構造体を有する記録媒体用原盤が一世代前のレーザ露光装置を用いて安価に得られる。さらに凸状の構造体をエッチングマスクとし、ドライエッチング処理によって支持基板表面に凹凸を有する単一材料構成からなる記録媒体用原盤の製造ができ、原盤の高耐久化が図れる。
前述のように本発明における凸構造基体は、支持基板上に、A層からなる凸状の構造体および/またはA層・B層積層からなる凸状の構造体を有する凸構造基体であって、
前記凸状の構造体は、
支持基板上にシリコン酸化物を含有する熱変化可能なA層とレーザ光の吸収により発熱する熱変化可能なB層が順次設けられた積層体に、
所定の送り周期をもったレーザ光の照射とエッチング処理を施して形成され、該レーザ光の照射送り周期以下の間隔で構成されたものであることを特徴とするものである。
ここで、上記「支持基板上に、A層からなる凸状の構造体および/またはA層・B層積層からなる凸状の構造体を有する凸構造基体」とは、「支持基板上に、A層のみの構成、またはA層・B層積層のみの構成、あるいはA層とA層・B層積層の混在した構成の何れかからなる凸状の構造を有する凸構造基体」であることを意味する。また、レーザ光の照射「送り周期以下の間隔」とは、「送り周期に対応する間隔、あるいはそれ以下(例えば、送り周期の半分)」を指す。
すなわち、上記凸構造基体は、レーザ露光装置におけるレーザ光の照射送り周期(略、「レーザ光の送り周期」)あるいはそれよりも縮小された送り周期間隔で形成された凸状構造体を支持基板上に有するものである。微細で精度の高い凸状の構造体を有するため、フォトニクス結晶デバイスなどの光学デバイス、バイオチップなどの生体デバイス等、各種デバイス、あるいは光ディスクなどの記録媒体用原盤として用いることができる。特に、レーザ光の送り精度が十分でない一世代前の既存レーザ露光装置を用いても微細で高精度の凸状の構造体が形成できるため、プロセスコストが低減できる。
以下、本発明の凸構造基体について図面を参照しながら詳細を説明する。
図1は本発明における支持基板上にA層とB層が順次設けられた積層体を示す概略断面図である。
図1において、符号101は支持基板、102はシリコン酸化物を含有する熱変化可能なA層、103はレーザ光の吸収により発熱する熱変化可能なB層を示す。
支持基板101の材質としては、ガラス、石英などを用いることができる。また、Siなどの半導体製造に用いられる基板も使える。また、Al基板など、HDD(ハードディスク)用の基板も用いることができる。また、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリオレフィン、エポキシ、ビニルエステル、ペットなどの樹脂基板を用いることができる。
シリコン酸化物を含有する熱変化可能なA層102としては、シリコン酸化物を含む材料を用いる。ここで、シリコン酸化物はSiOxで示され、xは2以下である。そして、A層は、SiOxとその他の材料との混合体であることが好ましい。
その他の材料としては各種材料を用いることができるが、シリコン酸化物をエチング処理する際に用いられるフッ化水素酸溶液などのエッチング溶液(以降、「エッチング液2」と称することがある。)に溶解しない材料であることが好ましい。
また、SiOx と混合した状態のスパッタリングターゲットが作製できる材料であることが好ましい。さらに、スパッタリング法によって室温で成膜できる材料であることが好ましい。前述のように、A層としては成膜された状態における熱変化がアモルファス状態(非結晶質状態)である材料を用いる。
ここでのアモルファス状態とは、次の状態を示している。
すなわち、銅のKα線を用いたX線回折測定における回折角を2θとしたとき、全ての散乱、回折ピークの半値幅(FWHM)が1.5°以上である状態を指す。つまり、回折ピークがブロードになるような状態をアモルファス状態としている。従って、極微細な領域では結晶状態であっても、微結晶粒でありX線回折法で測定した場合に回折ピークがブロードになる状態であればよい。
成膜した状態がアモルファス状態である材料を用いることによって、膜の残留応力が低減できる。残留応力が低減できることによって、クラックなどの欠陥が発生することなく、記録媒体用原盤のような大面積基板に対して均一性よく形成できる。
A層としては、本来、結晶配向性が強い材料であって、熱処理によって結晶成長し、結晶粒径が大きくなる材料であることが好ましい。例えば、前記その他の材料として、ZnS、ZnSe、あるいはCaF2などが挙げられる。
なお、SiOx と混合させるその他の材料は、ZnS、ZnSe、CaF2などに限定されるものではなく、上記要件を満足する各種材料を用いることができる。
SiOxとその他の材料の混合比率を、スパッタリングターゲットの混合比率で示すと、SiOx:10mol%−その他の材料:90mol%〜SiOx:40mol%−その他の材料:60mol%の範囲であることが好ましい。
上記において、SiOx 含有量が少な過ぎると、エッチング処理によるパターン形成ができなくなる。また、SiOx 含有量が多過ぎると、パターン形成ができてもパターンのエッジラフネスが増加する。
A層の膜厚としては、5〜200nmの範囲に設定する。5nm以下では均一な薄膜として成膜することが困難であり、200nm以上では熱が拡散して微細なパターンを形成することが困難になる。
B層103としては、レーザ光を吸収し発熱する材料を用いる。また、フッ化水素酸水溶液などシリコン酸化物のエッチング溶液(以降、「エッチング液1」と称することがある。)に対して溶解しない材料を用いる。A層と同様にスパッタリング法で室温成膜できる材料であることが好ましい。
そして、B層としては成膜された状態における相状態がアモルファス状態である材料を用いることが好ましい。ここでのアモルファス状態とは、銅のKα線を用いたX線回折測定における回折角を2θとしたとき、全ての散乱、回折ピークの半値幅(FWHM)が1.5°以上である状態を指す。つまり、回折ピークがブロードになるような状態をアモルファス状態としている。
従って、極微細な領域では結晶状態であっても、微結晶粒でありX線回折法で測定した場合に回折ピークがブロードになる状態であればよい。
A層と同様に、B層をアモルファス状態とすることによって、A層(膜)の残留応力が低減でき、クラックなどの欠陥が発生することなく、大面積の支持基板上に均一に成膜することができる。また、レーザ光の照射により形成される熱反応層のエッチング処理等においても簡便で、かつ確実に凸状の構造体を精度良く均一に形成することができるため好ましい。
上記条件を満たすB層に用いられる材料としては、Sb、Si、Ge、Snから選ばれる元素単体もしくはそれら元素を含む化合物などが挙げられる。例えば、Sbを含有する化合物としては、SbTeや、GeSbTeや、AgInSbTeなどが例示される。
なお、例示の元素単体もしくはそれら元素を含む化合物に限定されるものではなく、上記要件を満足する材料であればどのような材料でも用いることができる。
上記元素単体あるいは化合物を含有するB層とすることにより、レーザ光の照射により効果的に発熱して閾値温度で熱変化を起し、例えば、レーザビームスポット径よりも小さな領域を変化させこの熱反応層のエッチング処理により、レーザ光の照射送り周期以下の間隔で凸状の構造体を形成することができる。
B層の膜厚としては、5nm〜100nmの範囲に設定する。5nm以下では均一な薄膜として成膜することが困難であり、100nm以上では熱が拡散し微細なパターンを形成することが困難になる。
前記凸構造基体における支持基板をディスク状とし、凸状の構造体をスパイラル状または同心円状とすれば光ディスクなどの記録媒体用原盤として好適に用いることができる。
ここで、凸状の構造体を、A層とA層・B層積層を交互に形成した構造とすれば、容易にレーザ光の送り周期以下の間隔(レーザ光の送り周期の半分)とすることができるので、高密度の記録媒体用原盤が得られる。従って、光ディスク記録媒体用原盤における凸状の構造体の周期が縮小された際にも、レーザビームの送り精度が不十分な一世代前の露光装置を用いることができ、プロセスコストの上昇を抑制することができる。
A層およびA層・B層積層の各構造体における支持基板表面からの高さの差を5〜50nmの範囲とすれば、凸状の構造体に対してレーザ光を照射してトラッキングする際の安定化が図れる。
すなわち、記録媒体用原盤に対してレーザ光を照射し、レーザ光を構造体に対してトラッキングする場合、構造体の高さの差が5nm未満であるとトラックエラー信号が低下しトラッキングが不安定になる。一方、構造体の高さの差が50nmよりも高い場合には、構造体による回折光が増加することによって反射光量が低下する。
上記本発明の記録媒体用原盤を用いて、Ni等によりスタンパを作製し、これを型として、樹脂に転写すれば、高密度で精度の高い光記録媒体(光ディスク)が、安価に作製できる。樹脂としては、例えば、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリオレフィン、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、紫外線硬化樹脂などが用いられ、転写(レプリケーション)方法としては、例えば、圧縮成形法、射出成形法、光硬化法(2P転写法)などが適用される。
次に、本発明における支持基板上に凸状の構造体を有する凸構造基体の製造方法について説明する。すなわち、支持基板上に、A層のみの構成、またはA層・B層積層のみの構成、あるいはA層とA層・B層積層の混在した構成の凸状の構造を有する凸構造基体についてそれぞれ図を参照して説明する。
[A層のみの構成からなる凸構造基体の製造方法]
A層のみからなる凸状の構造体を形成する凸構造基体の製造方法は、図2に示す概略工程図に従って製造される。
図2において、符号200は積層体を示す。201は支持基板、202はA層、203はB層を示す。
すなわち、下記工程により、支持基板上にレーザ光の照射送り周期に対応する間隔で構成されたA層のみからなる凸状の構造体を形成する。
(a)支持基板上にシリコン酸化物を含有する熱変化可能なA層とレーザ光の吸収により発熱する熱変化可能なB層が順次設けられた積層体に、所定の送り周期をもつパワー調整されたレーザ光を照射し、B層を加熱してB層全域に広がるように熱変化させる工程
(b)B層からの熱伝導によりA層の一部を熱変化させる工程
(c)熱変化したB層全域を、該熱変化したB層のみ溶解するエッチング液1により除去するエッチング工程
(d)表面が曝露された熱変化していないA層を、該熱変化していないA層のみ溶解するエッチング液2により除去するエッチング工程
上記工程(a)、(b)における符号204はレーザ光の照射方向を示す。205はB層が熱変化した部分を示す。つまり、レーザ光の吸収でB層が発熱し熱変化する。狭いピッチの構造体を形成する場合には、レーザ光の照射点の間隔を狭くするとB層内の熱伝導によって図2のようにB層全域が熱変化する。
符号206は材料A層の熱変化した部分を示す。B層からの熱伝導によりA層の一部が熱変化する。207はA層の熱変化していない部分を示す。
次に、エッチング工程(c)では、エッチング液1として熱変化したB層のみ溶解するアルカリ水溶液を用いる。すなわち、レーザ加熱によって熱変化したB層はアルカリ水溶液に対するエッチング耐性が弱くなる材料が用いられるため、熱変化したB層全域205が除去される。A層は熱変化した部分206、熱変化していない部分207ともエッチングされずに残る。アルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム水溶液(NaOH+H2O)や水酸化カリウム水溶液(KOH+H2O)を用いることができる。
次いで、エッチング工程(d)では、エッチング液2として熱変化していないA層のみ溶解するフッ酸水溶液(HF+H2O)を用いる。すなわち、B層からの熱伝導により熱変化したA層はフッ酸水溶液に対するエッチング耐性が強くなる材料であるため、熱変化していないA層の熱変化していない部分207が除去される。
なお、エッチング工程(c)とエッチング工程(d)を連続的に進行させるため、アルカリ水溶液とフッ酸水溶液を併用することもできる。
下記表1にA層とB層の各成膜後(熱変化前)とレーザ加熱による熱変化後における、それぞれのエッチング液1(アルカリ水溶液)およびエッチング液2(エッチング液2)に対するエッチング耐性を示す。表中の「強」はエッチングされにくいことを示し、「弱」はエッチングされやすいことを示す。
Figure 2007242183
すなわち、シリコン酸化物を含有する熱変化可能なA層は、アルカリ水溶液に対するエッチング耐性が強い。フッ酸水溶液に対しては、成膜状態(熱変化前)ではエッチング耐性が弱く、レーザ照射によって熱変化した状態ではエッチング耐性が強くなる。一方、レーザ光の吸収により発熱する熱変化可能なB層は、フッ酸水溶液に対するエッチング耐性が強い。アルカリ水溶液に対しては、成膜状態(熱変化前)ではエッチング耐性が強く、レーザ照射によって熱変化した状態ではエッチング耐性は弱くなる。
上記工程(a)〜工程(d)により、A層のみからなる凸状の構造体が形成される。
上記のレーザ光源としては半導体レーザを用いる。半導体レーザの波長は、通常370〜780nmであり、好ましくは390〜410nmである。例えば、GaN系の半導体レーザを用いる。半導体レーザを用いることによって、安価な露光装置とすることができ、プロセスコストの低価格化が図れる。また、半導体レーザの場合には、レーザ光のパワーレベルを高速変調することができるため、大面積の積層体に対して凸状の構造体を高速で形成することができる。
さらに、短波長のレーザを用いることによって微小なレーザスポットが形成でき、微細な構造体を形成することができるので、レーザ光の波長が240〜270nm程度のより短波長のレーザ光源を用いてもよい。
例えば、固体レーザとSHG(第2次高調波)による短波長レーザ光源や、前記半導体レーザとSHGによる短波長レーザ光源を用いることができる。紫外領域の短波長レーザを用いることによって、さらに微細な構造体が形成できる。
図2に示すようにレーザ光は積層体の最上層であるB層203側から照射する。つまり、支持基板201を介さずにB層203膜面に直接照射する。以降の説明では“膜面入射”と記載する。膜面入射とすることによって、支持基板による収差の発生が抑制できる。
また、レーザ光照射光学系の対物レンズの開口数(NA)を大きくすることにより、レーザビームを集光することができ、より微細な構造体が形成できる。光学系に用いる対物レンズの開口数(NA)は0.5〜1.0であり、好ましくは0.8〜0.95である。
レーザ光を照射するに際して、積層体(媒体)を回転させてもよい。媒体を回転させながら、レーザ光を媒体に対してフォーカスサーボをかけながら光を照射してもよい。また、媒体を回転させながら、レーザ光を媒体に対してフォーカスサーボおよびトラッキングサーボをかけながらレーザ光を照射してもよい。
[A層・B層積層のみの構成からなる凸構造基体の製造方法]
A層・B層積層のみからなる凸状の構造体を形成する凸構造基体の製造方法は、図3に示す概略工程図に従って製造される。
図3において、符号300は積層体を示す。301は支持基板、302はA層、303はB層を示す。
すなわち、下記工程により、支持基板上にレーザ光の照射送り周期に対応する間隔で構成されたA層・B層積層のみからなる凸状の構造体を形成する。
(e)支持基板上にシリコン酸化物を含有する熱変化可能なA層とレーザ光の吸収により発熱する熱変化可能なB層が順次設けられた積層体に、所定の送り周期をもつパワー調整されたレーザ光を照射し、B層を加熱してB層の一部を熱変化させる工程
(f)上記レーザ光のパワー調整によりB層からの熱伝導に伴う温度上昇を抑制してA層を熱変化させない工程
(g)熱変化したB層を、該熱変化したB層のみ溶解するエッチング液1により除去するエッチング工程
(h)表面が曝露された熱変化していないA層を、該熱変化していないA層のみ溶解するエッチング液2により除去するエッチング工程
上記工程(e)、(f)における符号304はレーザ光の照射方向を示す。305はB層が熱変化した部分を示す。306はB層が熱変化しない部分を示す。レーザ光の照射パワーは、前記図2の水準よりも低く設定し、B層からの熱伝導によりA層が熱変化しないようにする。つまり、B層からの熱伝導によるA層の温度上昇が、A層の熱変化を引き起こす閾値温度に至らないレーザパワー水準としてB層に照射する。305はB層が熱変化した部分を示す。306はB層が熱変化していない部分を示す。307はA層の熱変化していない部分を示す。
次に、エッチング工程(g)では、エッチング液1として熱変化したB層のみ溶解するアルカリ水溶液を用いる。前記表1に示すように、レーザ加熱によって熱変化したB層はアルカリ水溶液に対するエッチング耐性が弱くなるため、熱変化したB層305が除去され、熱変化していない306は残る。また、熱変化していないA層307もエッチングされずに残る。
次いで、エッチング工程(h)では、エッチング液2として熱変化していないA層のみ溶解するフッ酸水溶液(HF+H2O)を用いる。前記表1に示すように、フッ酸水溶液によって、表面が曝露されたA層の熱変化していない部分307が除去される。B層が熱変化していない部分306によって覆われた308は、306がエッチングマスクとなり、下部のA層308は残留する。
上記工程(e)〜工程(f)により、A層・B層積層のみからなる凸状の構造体が形成される。
[A層とA層・B層積層の混成からなる凸構造基体の製造方法]
A層とA層・B層積層の混成からなる凸状の構造体を形成する凸構造基体の製造方法は、図4に示す概略工程図に従って製造される。
図4において、符号400は積層体を示す。401は支持基板、402はA層、403はB層を示す。
すなわち、下記工程により、A層とA層・B層積層が交互に混成されてなる凸状の構造体を形成する。
(i)支持基板上にシリコン酸化物を含有する熱変化可能なA層とレーザ光の吸収により発熱する熱変化可能なB層が順次設けられた積層体に、所定の送り周期をもつパワー調整されたレーザ光を照射し、層を加熱してB層の一部を熱変化させる工程
(j)B層からの熱伝導によりA層の一部を熱変化させる工程
(k)熱変化したB層を、該熱変化したB層のみ溶解するエッチング液1により除去するエッチング工程
(l)表面が曝露された熱変化していないA層を、該熱変化していないA層のみ溶解するエッチング液2により除去するエッチング工程
上記工程(i)、(j)における符号404はレーザ光の照射方向を示す。405はレーザ光の送り周期を示す。406はB層が熱変化した部分、407はB層が熱変化していない部分を示す。408はB層からの熱伝導によりA層が熱変化した部分を示し、409はA層の熱変化していない部分を示す。
次に、エッチング工程(k)では、エッチング液1として熱変化したB層のみ溶解するアルカリ水溶液を用いる。前記表1に示すように、レーザ加熱によって熱変化したB層はアルカリ水溶液に対するエッチング耐性が弱くなるため、熱変化したB層406が除去され、熱変化していない407は残る。また、A層の熱変化した部分408とA層の熱変化しない部分409はエッチングされずに残る。
次いで、エッチング工程(l)では、エッチング液2として熱変化していないA層のみ溶解するフッ酸水溶液(HF+H2O)を用いる。前記表1に示すように、フッ酸水溶液によって、A層の熱変化していない部分409の表面が曝露された箇所410が除去される。B層が熱変化していない部分407によって覆われた409は、407がエッチングマスクとなり、下部のA層409は残留する。
上記工程(i)〜工程(l)により、A層とA層・B層積層の混成からなるレーザ光の送り周期以下(送り周期の半分)の凸状の構造体が形成される。
上記何れかの凸構造基体の製造方法において、支持基板をディスク状の基板とし、凸状の構造体をスパイラル状または同心円状とすれば記録媒体用原盤が形成できる。すなわち、上記凸構造基体の製造方法は、記録媒体用原盤の製造方法として好適に適用できる。
特に、A層とA層・B層積層を交互に混成してなる記録媒体用原盤の製造方法によれば、レーザ光の送り周期以下(送り周期の半分)の間隔をもってなる凸状の構造体(記録媒体におけるトラックピッチ))が形成される。従って、レーザ光の送り周期が十分でないレーザ露光装置(例えば、一世代前のレーザ露光装置)を用いて、高密度で精度の高い光ディスクなどの記録媒体用原盤を安価に製造することが可能である。
なお、図4(l)において、符号412はA層からなる構造体の支持基板401表面からの高さを示し、413はA層・B層積層からなる構造体の支持基板401表面からの高さを示す。高さの差は、5〜50nmの範囲とされるのが好ましい。つまり、A層・B層積層からなる構造体はB層の分だけA層からなる構造体よりも高い。
前述のように、上記高さの差を5〜50nmの範囲とすることにより、記録媒体用原盤の各凸状の構造体に対してレーザ光を照射してトラッキングする際の安定化が図れる。構造体の高さの差が5nm未満であるとトラックエラー信号が低下してトラッキングが不安定になる。一方、構造体の高さの差が50nmよりも高い場合には、構造体による回折光が増加することによって反射光量が低下する。
支持基板上にシリコン酸化物を含有する熱変化可能なA層とレーザ光の吸収により発熱する熱変化可能なB層が順次設けられた積層体を作製する段階で、B層の膜厚を5〜50nmの範囲に設定することによって、所定高さの構造体を有する記録媒体用原盤を容易に作製することができる。
[凸状の構造体をマスクとする記録媒体用原盤の製造方法]
ディスク状の支持基板表面にスパイラル状または同心円状の凹凸を有する記録媒体用原盤は、図5に示す概略工程図に従って製造される。(図5はディスク状の支持基板表面にスパイラル状または同心円状の凹凸を有する記録媒体用原盤を製造するための概略工程図である。)
図5において、符号500はA層とA層・B層が交互に形成された凸状の構造体を有するディスク状の支持基板を示す。凸状の構造体は、スパイラル状または同心円状に形成されている。
すなわち、凸状の構造体500は下記工程(i)〜(l)により形成される(前記図4に示した工程と同様)。
(i)支持基板上にシリコン酸化物を含有する熱変化可能なA層とレーザ光の吸収により発熱する熱変化可能なB層が順次設けられた積層体に、所定の送り周期をもつパワー調整されたレーザ光を照射し、層を加熱してB層の一部を熱変化させる工程
(j)B層からの熱伝導によりA層の一部を熱変化させる工程
(k)熱変化したB層を、該熱変化したB層のみ溶解するエッチング液1により除去するエッチング工程
(l)表面が曝露された熱変化していないA層を、該熱変化していないA層のみ溶解するエッチング液2により除去するエッチング工程
図5において、符号501はディスク状の支持基板、502はB層からの熱伝導によりA層が熱変化した部分、503はA層の未変化部分、504はB層が熱変化しない部分を示し、505は熱変化しないA層503と熱変化しないB層504の積層構成を示す。
次の工程(m)は、上記(i)〜(l)によりスパイラル状または同心円状で交互に形成されたA層とA層・B層からなる凸状の構造体をエッチングマスクとして、支持基板501表面に凹凸を形成するドライエッチング工程である。なお、工程(m)はドライエッチングの途中工程であり、ディスク状の支持基板501がエッチングされると共に凸状の構造体も次第にエッチングされる。
工程(n)では、エッチングマスクとした構造体502、505が完全に除去されて無くなった時点でエッチングを停止する。従って、凸状の構造体が完全にエッチング除去され、スパイラル状または同心円状の凹凸を有するディスク状の支持基板501のみの状態となる。ここで、支持基板表面に凹凸を形成するエッチングがドライエッチングであることが好ましい。
上記工程(m)および(n)におけるエッチング方法としては、乾式エッチング(ドライエッチング)法を好ましく用いることができる。このような乾式エッチング法としては、RIE法(Reactive Ion Etching;反応性イオンエッチング)、ICP法(Inductively Coupled Plasma;高密度プラズマエッチング)、あるいはスパッタエッチング法などを用いることができる。
ドライエッチングによれば、マスクとして用いられる凸状の構造体のエッチング速度と、例えば、石英などの無機質支持基板のエッチング速度をバランス良く制御することができ、支持基板表面に微細で高精度の凹凸を形成することが可能である。
上記工程(i)〜工程(n)により、支持基板表面にレーザ光の照射送り周期以下の間隔をもって形成されたスパイラル状または同心円状の凹凸を有する記録媒体用原盤が形成される。このような記録媒体用原盤は、支持基板材料のみで構成されているため、転写工程において構造体の離脱、剥離が起こらないため、原盤を繰り返し使用することが可能になる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により制約を受けるものではない。
実施例1および実施例2の記録媒体用原盤を作製するため、先ず、前記図1に示す構成のA層とB層が順次設けられた積層体をそれぞれ作製した。
支持基板101としては、厚さ0.5mmのディスク状の石英基板を用いた。
シリコン酸化物を含有する熱変化可能なA層102は、スパッタリング法で成膜した、膜厚40nmのZnS−SiO2を用いた。なお、スパッタリングターゲットの組成は、ZnS(80mol%)−SiO2(20mol%)である。成膜温度;室温、RFパワー;1.5kW、成膜雰囲気;アルゴン(Ar)の条件で成膜した。成膜したZnS−SiO2膜を、銅のKα線を用いたX線回折法により測定した結果、回折ピークの半値幅(FWHM)は4°であり、アモルファス状態であることを示した。
レーザ光の吸収により発熱する熱変化可能なB層103としては、スパッタリング法で成膜した、膜厚20nmのAgInSbTeを用いた。なお、スパッタリングターゲットの組成は、Ag(4at%)−In(7at%)−Sb(61at%)−Te(28at%)である。成膜温度;室温、RFパワー;300Wであり、成膜雰囲気;Arの条件で成膜した。成膜したAgInSbTe膜を、銅のKα線を用いたX線回折法により測定した結果、アモルファス状態であることを示した。
(実施例1)
上記積層体を用いて、前記図4に示す工程に準拠した記録媒体用原盤の製造方法によって、記録媒体用原盤を作製した。
すなわち、工程(i)、(j)のレーザ照射工程において、レーザ光404がB層403(AgInSbTe)側から直接照射される。レーザ光404の光学系における対物レンズの開口数は0.85であり、レーザ光の波長は405nmである。レーザ光の半径方向への送り周期(405)は320nmである。レーザパワーレベルは3mWであり、一定レベルのパワーを照射した。
符号406はB層がレーザ照射によって熱変化した部分(熱変化したAgInSbTe)、407はB層の未変化部分、熱変化しないAgInSbTeを示す。408はB層からの熱伝導によりA層が熱変化した部分(熱変化したZnS−SiO2)を示し、409はA層の未変化部分、熱変化しないZnS−SiO2を示す。
次に、第1のエッチング工程である工程(k)では、エッチング液1としてアルカリ水溶液、すなわち、水酸化ナトリウム水溶液(NaOH+H2O)を用いた。溶液比は、[NaOH]:[H2O]=1:2である。水酸化ナトリウム水溶液で上記レーザ光照射処理された積層体を5分間エッチングした。
水酸化ナトリウム水溶液によるエッチングで、B層406(熱変化したAgInSbTe)は除去され、B層407(熱変化しないAgInSbTe)は残った。また、A層408(熱変化したZnS−SiO2)と、A層409(熱変化しないZnS−SiO2)はエッチングされずに残った。
次いで、第2のエッチング工程である工程(l)では、エッチング液2としてフッ酸水溶液(HF+H2O)を用いた。溶液比は、[HF]:[H2O]=1:20である。フッ酸水溶液により、上記第1のエッチング工程を経た積層体を10秒間エッチングした。
フッ酸水溶液によるエッチングで、A層409(熱変化しないZnS−SiO2)の表面が曝露された箇所410が除去された。B層407(熱変化しないAgInSbTe)によって覆われたA層409は、B層407がエッチングマスクとなり、下部のA層409は残留し、407と409の積層構成の構造体が形成された。
符号411は半径方向におけるA層とA層・B層積層の各構造体の周期、つまり、トラックピッチは160nmであった。レーザ光の半径方向への送り周期(405)は320nmであるので、トラックピッチはレーザ光の送り周期405の半分の周期であった。
また、石英基板401表面からのA層408(熱変化したZnS−SiO2)の高さ(412)は40nmであった。一方、B層407(熱変化しないAgInSbTe)と下部のA層409((熱変化しないZnS−SiO2))からなる積層構成の石英基板表面からの高さ(413)は60nmであった。隣接するA層とA層・B層積層の各構造体における高さの差は20nmであり、B層407(熱変化しないAgInSbTe)の膜厚分異なっている。
上記により作製した記録媒体用原盤に対してレーザ光を照射し、トラッキングエラー信号の発生状態を調べた。なお、用いたレーザ光の波長は405nmであり、対物レンズの開口数は0.85、レーザパワーは0.2mWである。
評価の結果、構造体に対してレーザ光をトラッキングすることができ、良好なプッシュプル信号が観測できた。すなわち、精度の高い凸状の構造体であると共に、隣接する構造体間で20nmの高さの差があるため、160nmという狭いトラックピッチ(高密度)においてもトラッキングすることができた。
(実施例2)
前記積層体を用いて、図5に示す工程に準拠した記録媒体用原盤の製造方法によって、記録媒体用原盤を作製した。
すなわち、A層とA層・B層積層をスパイラル状で交互に混成してなる記録媒体用原盤500は、実施例1で示した工程により得られる。
次の工程(m)で、記録媒体用原盤500に形成された凸状の構造体をエッチングマスクとして、エッチング処理により支持基板501表面に凹凸を形成した。エッチング処理は、スパッタエッチング法で行った。エッチング雰囲気はArであり、RFパワーは1kWとした。図5の工程(n)に示すように構造体が完全にエッチング除去された時点でエッチングを終了した。
以上により、スパイラル状の凹凸を有するディスク状支持基板501のみの記録媒体用原盤が形成された。半径方向に隣接する凸部の高さの差506は10nmであった。
上記により作製した記録媒体用原盤に対して、実施例1と同様にレーザ光を照射し、トラッキングエラー信号の発生状態を調べた。なお、用いたレーザ光の波長は405nmであり、対物レンズの開口数は0.85、レーザパワーは0.2mWである。
評価の結果、構造体に対してレーザ光をトラッキングすることができ、良好なプッシュプル信号が観測できた。すなわち、精度の高い凸状の構造体であると共に、隣接する構造体間で10nmの高さの差があるため、160nmという狭いトラックピッチ(高密度)においてもトラッキングすることができた。
上記実施例から分かるように、本発明の製造方法により、レーザビームの送り精度が不十分な装置を用いても、レーザ光の送り周期以下の微細で精度の高い凸構造基体からなる記録媒体用原盤が得られる。一世代前のレーザ露光装置が適用できることから、プロセスコストの高騰を抑制できる。また、本発明の微細で精度の高い凸構造基体は、光学デバイス、生体デバイスなどの各種デバイスにも適用できる。
本発明における支持基板上にA層とB層が順次設けられた積層体を示す概略断面図である。 支持基板上にA層のみの構成からなる凸構造基体を製造するための概略工程図である。 支持基板上にA層・B層積層のみの構成からなる凸構造基体を製造するための概略工程図である。 支持基板上にA層とA層・B層積層からなる凸構造基体を製造するための概略工程図である。 ディスク状の支持基板表面にスパイラル状または同心円状の凹凸を有する記録媒体用原盤を製造するための概略工程図である。
符号の説明
100 積層体
101 支持基板
102 シリコン酸化物を含有する熱変化可能なA層
103 レーザ光の吸収により発熱する熱変化可能なB層
200 積層体
201 支持基板
202 A層
203 B層
204 レーザ光の照射方向
205 B層が熱変化した部分
206 材料A層の熱変化した部分
207 A層の熱変化していない部分
300 積層体
301 支持基板
302 A層
303 B層
304 レーザ光の照射方向
305 B層が熱変化した部分
306 B層が熱変化していない部分
307 A層の熱変化していない部分
308 306によって覆われた部分
400 積層体
401 支持基板
402 A層
403 B層
404 レーザ光の照射方向
405 レーザ光の送り周期
406 B層が熱変化した部分
407 B層が熱変化していない部分
408 B層からの熱伝導によりA層が熱変化した部分
409 A層の熱変化していない部分
410 409の表面が曝露された箇所
411 トラックピッチ
412 石英基板表面からのA層408の高さ
413 B層407とA層409からなる積層構造体の石英基板表面からの高さ
500 A層とA層・B層が交互に形成されたディスク状の支持基板
501 ディスク状の支持基板
502 B層からの熱伝導によりA層が熱変化した部分
503 A層の熱変化していない部分
504 B層が熱変化していない部分
505 熱変化していないA層503と熱変化していないB層504の積層構成
506 半径方向に隣接する凸部の高さの差

Claims (14)

  1. 支持基板上に、A層からなる凸状の構造体および/またはA層・B層積層からなる凸状の構造体を有する凸構造基体であって、前記凸状の構造体は、支持基板上にシリコン酸化物を含有する熱変化可能なA層とレーザ光の吸収により発熱する熱変化可能なB層が順次設けられた積層体に、所定の送り周期をもったレーザ光の照射とエッチング処理を施して形成され、該レーザ光の照射送り周期以下の間隔で構成されたものであることを特徴とする凸構造基体。
  2. 前記支持基板上に設けられたB層が、Sb、Si、Ge、Snから選ばれる元素単体もしくはそれら元素を含む化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の凸構造基体。
  3. 前記支持基板上に設けられたA層およびB層のレーザ光照射前の状態は、銅のKα線を用いたX線回折測定における回折角を2θとしたとき、全ての散乱、回折ピークの半値幅(FWHM)が1.5°以上を示すアモルファス状態であることを特徴とする請求項1または2に記載の凸構造基体。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の凸構造基体からなる記録媒体用原盤であって、前記凸構造基体の支持基板がディスク状であり、凸状の構造体がスパイラル状または同心円状であることを特徴とする記録媒体用原盤。
  5. 前記凸状の構造体がA層およびA層・B層積層の混成からなり、かつ該A層とA層・B層積層の各構造体は交互に形成されてなることを特徴とする請求項4に記載の記録媒体用原盤。
  6. 前記A層およびA層・B層積層の各構造体における支持基板表面からの高さの差が、5〜50nmの範囲にあることを特徴とする請求項5に記載の記録媒体用原盤。
  7. 支持基板上に凸状の構造体を有する凸構造基体の製造方法であって、
    下記工程:
    (a)支持基板上にシリコン酸化物を含有する熱変化可能なA層とレーザ光の吸収により発熱する熱変化可能なB層が順次設けられた積層体に、所定の送り周期をもつパワー調整されたレーザ光を照射し、B層を加熱してB層全域に広がるように熱変化させる工程、
    (b)B層からの熱伝導によりA層の一部を熱変化させる工程、
    (c)熱変化したB層全域を、該熱変化したB層のみ溶解するエッチング液1により除去するエッチング工程、
    (d)表面が曝露された熱変化していないA層を、該熱変化していないA層のみ溶解するエッチング液2により除去するエッチング工程、により、支持基板上に、レーザ光の照射送り周期に対応する間隔で構成されたA層のみからなる凸状の構造体を形成することを特徴とする凸構造基体の製造方法。
  8. 支持基板上に凸状の構造体を有する凸構造基体の製造方法であって、
    下記工程:
    (e)支持基板上にシリコン酸化物を含有する熱変化可能なA層とレーザ光の吸収により発熱する熱変化可能なB層が順次設けられた積層体に、所定の送り周期をもつパワー調整されたレーザ光を照射し、B層を加熱してB層の一部を熱変化させる工程、
    (f)上記レーザ光のパワー調整によりB層からの熱伝導に伴う温度上昇を抑制してA層を熱変化させない工程、
    (g)熱変化したB層を、該熱変化したB層のみ溶解するエッチング液1により除去するエッチング工程、
    (h)表面が曝露された熱変化していないA層を、該熱変化していないA層のみ溶解するエッチング液2により除去するエッチング工程、により、支持基板上に、レーザ光の照射送り周期に対応する間隔で構成されたA層・B層積層のみからなる凸状の構造体を形成することを特徴とする凸構造基体の製造方法。
  9. 支持基板上に凸状の構造体を有する凸構造基体の製造方法であって、
    下記工程:
    (i)支持基板上にシリコン酸化物を含有する熱変化可能なA層とレーザ光の吸収により発熱する熱変化可能なB層が順次設けられた積層体に、所定の送り周期をもつパワー調整されたレーザ光を照射し、B層を加熱してB層の一部を熱変化させる工程、
    (j)B層からの熱伝導によりA層の一部を熱変化させる工程、
    (k)熱変化したB層を、該熱変化したB層のみ溶解するエッチング液1により除去するエッチング工程、
    (l)表面が曝露された熱変化していないA層を、該熱変化していないA層のみ溶解するエッチング液2により除去するエッチング工程、により、支持基板上に、レーザ光の照射送り周期以下の間隔で構成されたA層とA層・B層積層が混成してなる凸状の構造体を形成することを特徴とする凸構造基体の製造方法。
  10. 前記エッチング液1がアルカリ水溶液であり、エッチング液2がフッ酸水溶液であることを特徴とする請求項7〜9の何れかに記載の凸構造基体の製造方法。
  11. ディスク状の支持基板上にスパイラル状または同心円状である凸状の構造体を有する凸構造基体からなる記録媒体用原盤の製造方法であって、
    前記製造方法は請求項7〜9の何れかに記載の製造方法に準拠するものであることを特徴とする記録媒体用原盤の製造方法。
  12. 前記凸状の構造体がA層およびA層・B層積層の混成からなり、かつ該A層とA層・B層積層の各構造体は交互に形成されてなることを特徴とする請求項11に記載の記録媒体用原盤の製造方法。
  13. ディスク状の支持基板表面にスパイラル状または同心円状の凹凸を有する記録媒体用原盤の製造方法であって、
    下記工程:
    (i)ディスク状の支持基板上にシリコン酸化物を含有する熱変化可能なA層とレーザ光の吸収により発熱する熱変化可能なB層が順次設けられた積層体に、所定の送り周期をもつパワー調整されたレーザ光を照射し、層を加熱してB層の一部を熱変化させる工程、
    (j)B層からの熱伝導によりA層の一部を熱変化させる工程、
    (k)熱変化したB層を、該熱変化したB層のみ溶解するエッチング液1により除去するエッチング工程、
    (l)表面が曝露された熱変化していないA層を、該熱変化していないA層のみ溶解するエッチング液2により除去するエッチング工程、
    (m)上記によりスパイラル状または同心円状で交互に形成されたA層とA層・B層からなる凸状の構造体をエッチングマスクとして、支持基板表面に凹凸を形成するエッチング工程、
    (n)上記凹凸を形成するエッチングにより凸状の構造体を完全に除去する工程、
    により、支持基板表面に、レーザ光の照射送り周期以下の間隔で構成されたスパイラル状または同心円状の凹凸を形成することを特徴とする記録媒体用原盤の製造方法。
  14. 前記凹凸を形成するエッチングがドライエッチングであることを特徴とする請求項13に記載の記録媒体用原盤の製造方法。
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