JP2007241705A - 加温システムおよびこれを用いた自動販売機 - Google Patents
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Abstract
【課題】缶飲料などの商品を冷却若しくは加温して販売する自動販売機に関し、冷却時の廃熱を加温に利用するとともに、冷却と加温の切替あるいは維持にかかる電力を削減してさらに消費電力量の削減を図る自動販売機の提供を目的とする。
【解決手段】コールド専用室2および第二のコールド専用室3の冷却手段とは別に、ホット/コールド切替室1を加温する専用の加温システムを有するとともに、この加温システムとして、標準沸点が−20〜0℃である冷媒をフッ素化炭化水素あるいはフッ素化炭化水素を主成分とする混合物で構成し、高温用圧縮機20と、庫内凝縮器21と、庫外蒸発器22とを備えたことによって、蒸発温度−10〜10℃、凝縮温度60〜80℃の厳しい加温条件において圧縮機の耐久性確保と高効率化が容易に実現できる。
【選択図】図1
【解決手段】コールド専用室2および第二のコールド専用室3の冷却手段とは別に、ホット/コールド切替室1を加温する専用の加温システムを有するとともに、この加温システムとして、標準沸点が−20〜0℃である冷媒をフッ素化炭化水素あるいはフッ素化炭化水素を主成分とする混合物で構成し、高温用圧縮機20と、庫内凝縮器21と、庫外蒸発器22とを備えたことによって、蒸発温度−10〜10℃、凝縮温度60〜80℃の厳しい加温条件において圧縮機の耐久性確保と高効率化が容易に実現できる。
【選択図】図1
Description
本発明は、缶飲料などの商品を加温あるいは加温と同時に冷却して販売する自動販売機において、圧縮機で圧縮された冷媒が凝縮する際に生じる潜熱を利用して加温を行う自動販売機に関するものである。
近年、自動販売機に対する消費電力量削減の要求が高まってきており、消費電力量削減手段として、冷却によって生じる廃熱を利用したものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
以下、図面を参照しながら従来の自動販売機を説明する。
図4は従来の自動販売機の冷媒回路図である。
図4に示すように、従来の自動販売機は、ホット/コールド切替室1、コールド専用室2、第二のコールド専用室3からなる貯蔵室を備え、ホット/コールド切替室1内に設置された室内熱交換器4、コールド専用室2内に設置された蒸発器5、第二のコールド専用室2内に設置された第二の蒸発器6、貯蔵室の外に設置された室外熱交換器7、圧縮機8で構成された冷却加温システムを有する。
また、膨張弁A9、膨張弁B10、膨張弁C11はそれぞれ通過する冷媒の圧力を低下するとともに閉塞機能を有したものであり、開閉弁A12、開閉弁B13、開閉弁C14、開閉弁D15はそれぞれ冷媒の流れの有無を制御するものである。
以上のように構成された従来の自動販売機について、以下その動作を説明する。
ホット/コールド切替室1を冷却する場合、開閉弁A12と開閉弁D15を開とし、開閉弁B13と開閉弁C14を閉として、圧縮機8を駆動する。圧縮機8から吐出された冷媒は、室外熱交換器7で凝縮された後、それぞれ膨張弁A9、膨張弁B10、膨張弁C11で減圧されて、室内熱交換器4、蒸発器5、第二の蒸発器6へ供給される。そして、室内熱交換器4、蒸発器5、第二の蒸発器6で蒸発した冷媒が圧縮機8へ還流する。
このとき、ホット/コールド切替室1、コールド専用室2、第二のコールド専用室3の内所定の温度に達した貯蔵室は、当該する膨張弁A9、膨張弁B10、膨張弁C11を閉塞して冷媒の供給を停止する。さらに、すべての貯蔵室が所定の温度に達すると圧縮機8の運転を停止する。
次に、ホット/コールド切替室1を加温する場合、開閉弁A12と開閉弁D15および膨張弁A9を閉とし、開閉弁B13と開閉弁C14を開として、圧縮機8を駆動する。圧縮機8から吐出された冷媒は、室内熱交換器4で一部が凝縮し、再度室外熱交換器7で凝縮された後、それぞれ膨張弁B10、膨張弁C11で減圧されて、蒸発器5、第二の蒸発器6へ供給される。そして、蒸発器5、第二の蒸発器6で蒸発した冷媒が圧縮機8へ還流する。また、コールド専用室2、第二のコールド専用室3の内、所定の温度に達した貯蔵室は、当該する膨張弁B10、膨張弁C11を閉塞して冷媒の供給を停止する。さらに、すべての貯蔵室が所定の温度に達すると圧縮機8の運転を停止する。
ここで、コールド専用室2および第二のコールド専用室3を冷却する際に生じる冷媒の凝縮廃熱を用いて、ホット/コールド切替室1を効率よく加温することができるので、電気ヒータなどの別の加熱手段を用いてホット/コールド切替室1を加温する場合に比べて、消費電力量を削減することができる。
特開平5−233941号公報
しかしながら、上記従来の構成では、ホット/コールド切替室を加温すると同時にコールド専用室および第二のコールド専用室を冷却するために、凝縮温度60℃以上でかつ蒸発温度−10℃以下を同時に実現する必要があり、このような高圧縮比条件に耐える中低温用圧縮機を新たに開発しなければならないという課題があった。
一般に、冷凍空調用圧縮機は蒸発温度が−30〜−20℃と比較的低い冷凍向けの低温用圧縮機と、蒸発温度が−10〜+10℃と比較的高い空調向けの高温用圧縮機、およびこれらの中間の蒸発温度−20〜−10℃向けの中温用圧縮機に大別される。コールド飲料の温度が5℃、ホット飲料の温度が55℃の自動販売機においては、コールド飲料を冷却するために中温用圧縮機あるいは低温用圧縮機が用いられる。
また、これらの圧縮機を用いるシステムは、常温大気と熱交換することを前提に設計されているため、通常、圧縮機の使用範囲は凝縮温度60℃以下に制限されている。従って、ホット飲料周囲の高温雰囲気を加温するためにはこの制限を越えた凝縮温度60〜80℃に耐える圧縮機の開発が不可欠である。結果として、コールド飲料とホット飲料を同一システムで実現するためには、蒸発温度−30〜−10℃でかつ凝縮温度60〜80℃の範囲で使用可能な圧縮機を新たに開発する必要がある。
本発明は、従来の課題を解決するもので、圧縮機の動作条件に着目して容易に実現できる加温システムを提案し、加温時の消費電力量を削減できる自動販売機を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明の自動販売機は、コールド専用室および第二のコールド専用室の冷却手段とは別に、ホット/コールド切替室を加温する専用の加温システムを有するとともに、この加温システムとして、フッ素化炭化水素あるいはフッ素化炭化水素を主成分とする混合物からなり、標準沸点が−20〜0℃である冷媒を用い、圧縮機と、庫内凝縮器と、庫外蒸発器とを備えたことを特徴とするものである。
これによって、専用に設計された庫外蒸発器で庫外の大気と熱交換することで、蒸発温度−10〜10℃の高温条件に維持して圧縮比を低減することができるとともに、標準沸点が−20〜0℃である冷媒と高温用圧縮機を用いることで、大量に生産されているR134aを冷媒とする低温用圧縮機の主要な構成部品を流用して、蒸発温度−10〜10℃、凝縮温度60〜80℃の厳しい加温条件において圧縮機の耐久性確保と圧縮機の高効率化が容易に実現できる。
また、標準沸点が−20〜0℃である冷媒をフッ素化炭化水素あるいはフッ素化炭化水素を主成分とする混合物で構成することにより、冷媒を不燃化あるいは燃焼下限濃度を高くすることができ、可燃性冷媒を使用する場合に必要な電気部品の防爆対応などのコストが削減できる。
本発明の自動販売機は、ホット/コールド切替室を加温する専用の加温システムを有することで、電気ヒータなどの加温効率が1程度の加熱手段に比べて、2倍程度の加温効率を容易に実現することができるので、自動販売機の消費電力量を大幅に削減することができる。
本発明の請求項1に記載の発明は、フッ素化炭化水素あるいはフッ素化炭化水素を主成分とする混合物からなり、標準沸点が−20〜0℃である冷媒を用い、庫内凝縮器と、庫外蒸発器と、圧縮機とを備え、庫内の温度を50〜70℃に維持する加温システムを用いた自動販売機であるので、専用に設計された庫外蒸発器で庫外の大気と熱交換することで、蒸発温度−10〜10℃の高温条件に維持して圧縮比を低減することができるとともに、高温条件に適した標準沸点が−20〜0℃である冷媒を用いることで高効率が実現できる。
一例として、炭化水素冷媒とフッ素化炭化水素冷媒(以下HFC冷媒という)に対して蒸発温度5℃/凝縮温度60℃の条件での低圧圧力、高圧圧力、圧縮比、吐出ガス温度、および体積能力と理論効率の相対値を(表1)に示す。ここで、(表1)の値は、過冷却0℃、吸入ガス温度25℃、断熱圧縮条件での計算値である。
(表1)に示したように、HFC冷媒においては標準沸点が高くなるに従い体積能力が低下し、標準沸点が−20〜0℃近辺で炭化水素冷媒であるR600aとほぼ同一となる。また、このとき吐出ガス温度や理論効率もR600aとほぼ同一となり、蒸発温度5℃/凝縮温度60℃の高温条件で最も適正なレベルとなることが期待できる。これは、標準沸点が−20℃より低くなると高温条件における吐出ガス温度が著しく上昇して圧縮機の信頼性を損なう恐れがあるとともに、標準沸点が0℃より高くなると体積能力が著しく低くなり圧縮機の気筒容積の増大によって圧縮機の実効率が低下する恐れがあるためである。つまり、蒸発温度5℃/凝縮温度60℃の高温条件では、低温用圧縮機で通常使用されているR134a(標準沸点−26.1℃)よりも若干高い、R600a(標準沸点−11.7℃)近傍の標準沸点が−20〜0℃の範囲が望ましいと言える。
従って、フッ素化炭化水素あるいはフッ素化炭化水素を主成分とする混合物からなり、標準沸点が−20〜0℃である冷媒を用いることで、冷媒を不燃性とするとともに、吐出ガス温度や理論効率は蒸発温度5℃/凝縮温度60℃の高温条件で最も適正なレベルとすることができる。
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、常用の蒸発温度を−10〜10℃とし、常用の凝縮温度を60〜80℃とする加温システムを用いた自動販売機であるので、凝縮温度を約80℃として飲料缶などの温度を室温から約55℃のホット温度まで加温するプルアップ時間を短縮するとともに、プルアップした飲料缶などの温度を約55℃のホット温度で維持する際は、凝縮温度を約60℃として圧縮機をほぼ連続運転することで圧縮機の断続に伴う加温ロスを削減して高効率化が図れる。
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、蒸発温度0℃、凝縮温度60℃における最低加温能力を100〜300Wとするインバータ圧縮機を使用した加温システムを用いた自動販売機であるので、プルアップした飲料缶などの温度を約55℃のホット温度で維持する際に、圧縮機の回転数を下げて最低加温能力を100〜300Wとすることで、圧縮機をほぼ連続運転しても余剰な加温能力を庫外へ排出する必要がなく高効率化が図れる。
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明において、圧縮機が、R134aを冷媒とし、蒸発温度−30℃、凝縮温度40℃における冷凍能力が50〜300Wである低温用圧縮機と主要な構成部品を共有化したことを特徴とする加温システムを用いた自動販売機であるので、通常の空冷凝縮器で使用する圧縮機の限界を越えた高凝縮温度での耐久性確保と、小能力時の高効率化が同時に実現できるとともに、汎用性が高く低コストの圧縮機が実現できる。
以下、本発明による自動販売機の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、従来と同一構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1による自動販売機の冷媒回路図、図2は同実施の形態の自動販売機の圧縮機の使用圧力範囲を示す図、図3は同実施の形態の自動販売機の圧縮機の断面図である。
図1は本発明の実施の形態1による自動販売機の冷媒回路図、図2は同実施の形態の自動販売機の圧縮機の使用圧力範囲を示す図、図3は同実施の形態の自動販売機の圧縮機の断面図である。
図1に示すように、本発明の自動販売機は、ホット/コールド切替室1、コールド専用室2、第二のコールド専用室3からなる貯蔵室を備え、R227ea(標準沸点−16.5℃)を冷媒とし、高温用レシプロ型圧縮機20、ホット/コールド切替室1内に設置された切替室凝縮器21、貯蔵室の外に設置された切替室蒸発器22、加温用膨張弁23からなり、ホット/コールド切替室1の加温を専用に行う加温システムを有する。
また、切替室凝縮器21は室内熱交換器4や蒸発器5、第二の蒸発器6と同様にフィンチューブ熱交換器の形態であるが、着霜を考慮せず高い凝縮能力を優先して、フィン間隔やチューブ間隔を比較的狭めるとともに冷媒と空気の流れが対向流となるようにチューブの接続が設計されている。この結果、加温能力200〜300Wにおいて凝縮温度と吹出し空気温度の差を10℃程度に抑えている。
一方、切替室蒸発器22は低外気温度での着霜を考慮して、室内熱交換器4や蒸発器5、第二の蒸発器6と同様に設計されている。
また、加温用膨張弁23は通過する冷媒の圧力を低下して蒸発圧力を調整するものである。特に、凝縮温度がまだ上昇していない起動直後に、加温用膨張弁23の開度を大きくして循環量を増大することで、凝縮温度の立ち上がり特性を改善することができる。
ここで、高温用レシプロ型圧縮機20は、R134aを冷媒とする家庭用冷蔵庫に使用されている低温用レシプロ型圧縮機に、冷媒R227eaをドロップインしたものである。この低温用レシプロ型圧縮機は、DCインバータで駆動され、標準条件である凝縮温度54.4℃、蒸発温度−23.3℃における冷凍能力に換算して100〜250Wの範囲で能力可変することができる。
図2は本発明の圧縮機の使用圧力範囲と家庭用冷蔵庫に使用されている低温用レシプロ型圧縮機の使用圧力範囲を比較して示した図である。図2において、従来例AはR134aを冷媒とし家庭用冷蔵庫に使用されている低温用レシプロ型圧縮機であり、一般に蒸発温度−40〜−5℃、凝縮温度の上限60℃、圧縮比12以下の圧力範囲で使用される。また、従来例BはR600aを冷媒とし家庭用冷蔵庫に使用されている低温用レシプロ型圧縮機であり、従来例Aと同様に一般に蒸発温度−40〜−5℃、凝縮温度の上限60℃、圧縮比12以下の圧力範囲で使用される。従来例Aと従来例Bの使用圧力範囲が異なるのは、同一飽和温度における圧力がR134aに比べてR600aの方が相対的に低いためである。
一方、図2に示したように、本発明の高温用レシプロ型圧縮機20はR227eaを冷媒とし、蒸発温度−10〜+5℃、凝縮温度の上限75℃の圧力範囲で使用される。この圧力範囲は従来例Aで示したR134aを冷媒とし家庭用冷蔵庫に使用されている低温用レシプロ型圧縮機の範囲内であるので、大きな問題なく稼動することができる。そこで、本発明の高温用レシプロ型圧縮機20は、従来例Aで示したR134aを冷媒とし家庭用冷蔵庫に使用されている低温用レシプロ型圧縮機に、冷媒R227eaをドロップインして使用している。
さらに、R227eaよりも沸点の高い不燃性の冷媒R236fa(標準沸点−1.4℃)などを少量混合して、蒸発圧力を下げることが望ましい。より高い蒸発温度まで使用可能となり、高外気温度でのさらなる効率向上が期待できる。
図3は本発明の高温用圧縮機20の断面図である。
図3に示したように、本発明の高温用圧縮機20は密閉容器101に冷凍機油102と、固定子103と回転子104で一対の電動要素105と、電動要素105の上に設置された圧縮要素106とを収納した構成からなる。
次に、圧縮要素106の詳細の構成と動作を以下に説明する。
クランクシャフト110は回転子104を圧入固定した主軸部111および主軸部111に対して偏心して形成された偏心部112を有する。シリンダーブロック120は、圧縮室122と、主軸部111を指示する軸受け部123を有する。ピストン130は圧縮室122に勘入され、偏心部112との間を連結手段131によって連結されている。
圧縮機の能力はクランクシャフト110の回転速度と気筒容積の積によって決まる。気筒容積は、ピストン130が排除する圧縮室122内の容積であり、偏心部112の偏心量とピストン130の外径によって決まる。本発明の圧縮機は、R134aを冷媒とし家庭用冷蔵庫に使用されている低温用レシプロ型圧縮機と同じ圧縮要素と電動要素を有し、同一の偏心部112の偏心量とピストン130の外径で構成されている。
鉄板を積層したバランスウエイト133は固定子104に固定される。バルブプレート135は圧縮室122の端面を封止し、高圧室を形成するヘッド136はバルブプレート135の反圧縮室122側に固定される。サクションチューブ139は密閉容器101に固定されるとともに、切替室蒸発器22で蒸発した冷媒ガスを密閉容器101内のサクションマフラー140に導く。サクションマフラー140は冷媒ガスの流入に起因する騒音を低減する消音空間142を形成する。
サクションマフラー140に流入した冷媒ガスは、バルブプレート135に固定された吸入バルブ(図示せず)を介して圧縮室122内へ吸入されるとともに、サクションマフラー140の一部が密閉容器101内と連通されることで密閉容器101内を蒸発圧力に保つ。また、圧縮室122内で圧縮された冷媒ガスはバルブプレート135に固定された吐出バルブ(図示せず)を介してヘッド136内へ流出し、密閉容器101に固定されたディスチャージパイプ(図示せず)を介して切替室凝縮器21へ排出される。
サスペンションスプリング150は密閉容器101に固定されたスナブバー152と、電動要素105の固定子103に固定されたスナブバー153の間に装着され、電動要素105と圧縮要素106を密閉容器101に対して弾性的に指示する。また、商用電源62から供給される電力は制御回路61、インバータ62を介して電動要素105に供給され、電動要素105の回転子104およびクランクシャフト110を任意の回転数で回転させる。
以上のように構成された実施の形態1の自動販売機について、以下その動作を説明する。
ホット/コールド切替室1を冷却する場合、高温用圧縮機20を停止した後、圧縮機8を駆動する。圧縮機8から吐出された冷媒は、室外熱交換器7で凝縮された後、それぞれ膨張弁A9、膨張弁B10、膨張弁C11で減圧されて、切替室蒸発器20、蒸発器5、第二の蒸発器6へ供給される。そして、切替室蒸発器20、蒸発器5、第二の蒸発器6で蒸発した冷媒が圧縮機8へ還流する。
このとき、ホット/コールド切替室1、コールド専用室2、第二のコールド専用室3の内所定の温度に達した貯蔵室は、当該する膨張弁A9、膨張弁B10、膨張弁C11を閉塞して冷媒の供給を停止する。さらに、すべての貯蔵室が所定の温度に達すると圧縮機8の運転を停止する。
次に、ホット/コールド切替室1を加温する場合、膨張弁A9を閉塞したまま、圧縮機8を稼動して、コールド専用室2、第二のコールド専用室3の冷却を継続するとともに、高温用圧縮機20を駆動する。高温用圧縮機20から吐出された冷媒は、切替室凝縮器21で凝縮された後、加温用膨張弁23で減圧されて、切替室蒸発器22へ供給される。そして、切替室蒸発器22で蒸発した冷媒が高温用圧縮機20へ還流する。
このとき、例えば外気温度15℃ではホット/コールド切替室1の安定時の熱負荷は100〜200W程度であるので、高温用圧縮機20は蒸発温度−10〜−5℃、凝縮温度60〜70℃の圧力条件で42rpsの低回転で連続運転するように制御される。これは、より高い蒸発温度に制御すると、連続運転時にはより高い効率が達成できるが、ホット/コールド切替室1の安定時の熱負荷よりも高い能力で運転することになるためである。この場合、高温用圧縮機20を断続運転する必要が生じ、停止状態から切替室凝縮器21の温度が所定温度に達するまでの無駄な運転が生じて全体として効率の低下を招く。
また、例えば外気温度15℃でプルアップする場合は、ホット/コールド切替室1を通常400W程度で加温する必要がある。この場合、高温用圧縮機20は蒸発温度+0〜+5℃、凝縮温度約75℃の圧力条件で72rpsの高回転で連続運転するように制御される。ホット/コールド切替室1内の温度が上昇するまでは、切替室凝縮器21の凝縮温度と室内の空気との温度差が大きいため、大きい凝縮能力が確保できるので高温用圧縮機20も高能力運転が可能となる。
従って、プルアップ中にホット/コールド切替室1内の温度が上昇するに伴って、高温用圧縮機20の回転数を42rpsまで順次低下させて能力調整する必要がある。望ましくは、切替室凝縮器21の凝縮温度を検知する温度センサーを設けるとともに、切替室凝縮器21の凝縮温度が所定値を越えると高温用圧縮機20の回転数を下げる制御を行う方がよい。
なお、本実施の形態では高温用圧縮機20の最低回転数を42rpsとしたが、蒸発温度0℃/凝縮温度60℃での加温能力が100〜300Wになるように気筒容積や最低回転数を選定すれば、外気温度15℃の安定時でも断続運転する必要がなく、効率的な運転が実現できる。また、加温効率を高めるためには、軸受け部の耐荷重性が許す限り、最低回転数を下げて加温能力を100W付近まで下げることが望ましい。
また、本実施の形態では、従来例Aで示したR134aを冷媒とし家庭用冷蔵庫に使用されている低温用レシプロ型圧縮機に、冷媒R227eaをドロップインしたものを高温用圧縮機20として搭載したが、冷媒の熱物性に合わせて、サクションマフラーやヘッド、吐出バルブ、吸入バルブなどの形状変更を行うことができる。また、冷媒や冷凍機油の化学的特性に合わせて、電動要素の固定子の絶縁材料などの有機材料を変更することができる。
また、本実施の形態では不燃性の冷媒R227eaを用いたため、炭化水素冷媒などの可燃性冷媒を使用する場合に必要な電気部品の防爆対応などが不要であったが、可燃性の冷媒R152a(標準沸点−24.0℃)と不燃性の冷媒R236fa(標準沸点−1.4℃)などを混合して標準沸点が−20〜0℃である混合冷媒を用いても、蒸発温度−10〜10℃、凝縮温度60〜80℃の厳しい加温条件において同様の冷却性能が期待できるとともに、炭化水素冷媒などの可燃性冷媒を使用する場合に比べて燃焼下限濃度が高くなることで、電気部品の防爆対応などのコスト削減が図れる。
以上のように、本実施の形態においては、コールド専用室および第二のコールド専用室の冷却手段とは別に、ホット/コールド切替室を加温する専用の加温システムを有するとともに、この加温システムとして、R227eaを冷媒とする高温用レシプロ型圧縮機と、庫内凝縮器と、庫外蒸発器とを備えたことによって、専用に設計された庫外蒸発器で庫外の大気と熱交換することで、蒸発温度−10〜10℃の高温条件に維持して圧縮比を低減することができるとともに、R227eaを冷媒とする高温用レシプロ型圧縮機を用いることで、大量に生産されているR134aを冷媒とする低温用レシプロ型圧縮機の主要な構成部品を流用して、蒸発温度−10〜10℃、凝縮温度60〜80℃の厳しい加温条件において圧縮機の耐久性確保と圧縮機の高効率化が容易に実現できる。
以上のように、本発明にかかる自動販売機の加温システムは、標準沸点が−20〜0℃である冷媒をフッ素化炭化水素あるいはフッ素化炭化水素を主成分とする混合物で構成することで、蒸発温度−10〜10℃、凝縮温度60〜80℃の厳しい加温条件において小能力でかつ高効率な加温システムが容易に実現できるので、ホット飲料とコールド飲料を同時に保存するショーケースや少量の給湯を行うカップ自販機など小能力の加温エネルギーの省力化が要求される用途にも適用できる。
1 ホット/コールド切替室
2 コールド専用室
3 第二のコールド専用室
20 高温用圧縮機
21 切替室凝縮器
22 切替室蒸発器
23 加温用膨張弁
2 コールド専用室
3 第二のコールド専用室
20 高温用圧縮機
21 切替室凝縮器
22 切替室蒸発器
23 加温用膨張弁
Claims (4)
- フッ素化炭化水素あるいはフッ素化炭化水素を主成分とする混合物からなり、標準沸点が−20〜0℃である冷媒を用い、庫内凝縮器と、庫外蒸発器と、圧縮機とを備え、庫内の温度を50〜70℃に維持する加温システムおよびこれを用いた自動販売機。
- 常用の蒸発温度を−10〜10℃とし、常用の凝縮温度を60〜80℃とする請求項1に記載の加温システムおよびこれを用いた自動販売機。
- 蒸発温度0℃、凝縮温度60℃における最低加温能力を100〜300Wとするインバータ圧縮機を用いた請求項1または請求項2に記載の加温システムおよびこれを用いた自動販売機。
- 圧縮機が、R134aを冷媒とし、蒸発温度−30℃、凝縮温度40℃における冷凍能力が50〜300Wである低温用レシプロ型圧縮機と主要な構成部品を共有化したことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の加温システムおよびこれを用いた自動販売機。
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2006
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