JP2007241087A - 導電性エンドレスベルトおよびそれを用いた画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】走行時における蛇行の発生および駆動部材(プーリー)への乗り上げを防止することで、より直進性に優れ、安定した走行を行うことのできる導電性エンドレスベルトおよびそれを用いた画像形成装置を提供する。
【解決手段】静電吸着により保持した記録媒体を、駆動部材により循環駆動されて、4種の画像形成体に搬送し、各トナー像を該記録媒体に順次転写するタンデム方式の転写、搬送用導電性エンドレスベルト100である。ベルト本体101の、駆動部材と接触する側の面に、走行方向に沿って少なくとも1本のリブ102が設けられてなる。リブ102の、引張弾性率が0.5〜0.65N/mm2であり、かつ、反発弾性率が20〜25%である。上記導電性エンドレスベルトを用いた画像形成装置である。
【選択図】図1

Description

本発明は、複写機やプリンター、特にはカラープリンター等の電子写真装置や静電記録装置等における静電記録プロセスにおいて、表面に静電潜像を保持した潜像保持体等の画像形成体表面に現像剤を供給して形成されたトナー像を、紙等の記録媒体へと転写する際に用いられる導電性エンドレスベルト(以下、単に「ベルト」とも称する)およびそれを用いた画像形成装置に関する。
従来から、複写機、プリンター等における静電記録プロセスでは、まず、感光体(潜像保持体)の表面を一様に帯電させ、この感光体に光学系から映像を投射して光の当たった部分の帯電を消去することによって静電潜像を形成し、次いで、この静電潜像にトナーを供給してトナーの静電的付着によりトナー像を形成し、これを紙、OHP、印画紙等の記録媒体へと転写することにより、プリントする方法が採られている。
この場合、カラープリンターやカラー複写機においても、基本的には前記プロセスに従ってプリントが行われるが、カラー印刷の場合には、マゼンタ、イエロー、シアン、ブラックの4色のトナーを用いて色調を再現するもので、これらのトナーを所定割合で重ね合わせて必要な色調を得るための工程が必要であり、この工程を行うためにいくつかの方式が提案されている。
まず、第1には、モノクロ印刷を行う場合と同様に、感光体上にトナーを供給して静電潜像を可視化する際に、前記マゼンタ、イエロー、シアン、ブラックの4色のトナーを順次重ねていくことにより現像を行い、感光体上にカラーのトナー像を形成する多重現像方式がある。この方式によれば比較的コンパクトに装置を構成することが可能であるが、この方式では階調の制御が非常に難しく、高画質が得られないという問題点がある。
第2に、4つの感光ドラムを設け、各ドラムの潜像を夫々マゼンタ、イエロー、シアン、ブラックのトナーで現像することにより、マゼンタによるトナー像、イエローによるトナー像、シアンによるトナー像およびブラックによるトナー像の4つのトナー像を形成し、これらトナー像が形成された感光ドラムを1列に並べて各トナー像を紙等の記録媒体に順次転写して記録媒体上に重ねることにより、カラー画像を再現するタンデム方式がある。この方式は、良好な画像が得られるものの、4つの感光ドラムと、各感光ドラムごとに設けられた帯電機構および現像機構が1列に並べられた状態となり、装置が大型化するとともに高価なものとなる。
図2にタンデム方式の画像形成装置の印字部構成例を示す。感光体ドラム1、帯電ロール2、現像ロール3、現像ブレード4、トナー供給ロール5およびクリーニングブレード6で構成する印字ユニットをイエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックBの各トナーに対応して4個並べており、駆動ローラ(駆動部材)9により循環駆動されて転写搬送ベルト10で搬送した用紙上に、トナーを順次転写しカラー画像を形成する。転写搬送ベルトの帯電および除電は夫々帯電ロール7および除電ロール8で行う。また、用紙をベルトへ吸着させるための用紙帯電には吸着ローラ(図示せず)が使用される。これらの対応により、オゾンの発生を抑えることができる。吸着ローラでは、用紙を搬送路から転写搬送ベルトに乗せるとともに、転写搬送ベルトへの静電吸着を行う。また、転写後の用紙分離は、転写電圧を低くすることにより用紙と転写搬送ベルトの吸着力を弱くして、曲率分離のみで行うことができる。
転写搬送ベルト10の材料としては抵抗体と誘電体があり、夫々に長所、短所を持っている。抵抗体ベルトは電荷の保持が短時間であるため、タンデム型の転写に用いた場合、転写での電荷注入が少なく4色の連続する転写でも比較的電圧の上昇が少ない。また、次の用紙の転写に繰り返して使用されるときも電荷が放出されており、電気的なリセットは必要としない。しかし、環境変動により抵抗値が変化するため、転写効率に影響すること、用紙の厚さや幅の影響を受けやすいことなどが短所となっている。
一方、誘電体ベルトの場合は注入された電荷の自然放出はなく、電荷の注入、放出とも電気的にコントロールしなければならない。しかし、安定に電荷が保持されるので、用紙の吸着が確実で高精度な紙搬送が行える。誘電率は温湿度への依存性も低いため、環境に対しても比較的安定な転写プロセスとなる。欠点は、転写が繰り返されるごとにベルトに電荷が蓄積されるため、転写電圧が高くなることである。
第3に、紙等の記録媒体を転写ドラムに巻き付けてこれを4回転させ、周回ごとに感光体上のマゼンタ、イエロー、シアン、ブラックを順次記録媒体に転写してカラー画像を再現する転写ドラム方式もある。この方式によれば比較的高画質が得られるが、記録媒体が葉書等の厚紙である場合には、これを前記転写ドラムに巻き付けることが困難であり、記録媒体種が制限されるという問題点がある。
前記多重現像方式、タンデム方式および転写ドラム方式に対して、良好な画質が得られ、かつ装置が特に大型化するようなこともなく、しかも記録媒体種が特に制限されるようなこともない方式として、中間転写方式が提案されている。
即ち、この中間転写方式は、感光体上のトナー像を一旦転写保持するドラムやベルトからなる中間転写部材を設け、この中間転写部材の周囲にマゼンタによるトナー像、イエローによるトナー像、シアンによるトナー像およびブラックによるトナー像を形成した4つの感光体を配置して4色のトナー像を中間転写部材上に順次転写することにより、この中間転写部材上にカラー画像を形成し、このカラー画像を紙等の記録媒体上に転写するものである。従って、4色のトナー像を重ね合わせて階調を調整するものであるから、高画質を得ることが可能であり、かつタンデム方式のように感光体を1列に並べる必要がないので装置が特に大型化することもなく、しかも記録媒体をドラムに巻き付ける必要もないので記録媒体種が制限されることもないものである。
中間転写方式によりカラー画像の形成を行う装置として、中間転写部材として無端ベルト状の中間転写部材を用いた画像形成装置を図3に例示する。
図3中、11はドラム状の感光体であり、図中矢印方向に回転するようになっている。この感光体11は、一次帯電器12によって帯電され、次いで画像露光13により露光部分の帯電が消去され、第1の色成分に対応した静電潜像がこの感光体11上に形成され、更に静電潜像が現像器41により第1色のマゼンタトナーMで現像され、第1色のマゼンタトナー画像が感光体11上に形成される。次いで、このトナー画像が、駆動ローラ(駆動部材)30により循環駆動されて感光体11と接触しながら循環回転する中間転写部材20に転写される。この場合、感光体11から中間転写部材20への転写は、感光体11と中間転写部材20とのニップ部において、中間転写部材20に電源61から印加される一次転写バイアスにより行われる。この中間転写部材20に第1色のマゼンタトナー画像が転写された後、前記感光体11はその表面がクリーニング装置14により清掃され、感光体11の1回転目の現像転写操作が完了する。以降、感光体が3回転し、各周回ごとに現像器42〜44を順次用いて第2色のシアントナー画像、第3色のイエロートナー画像、第4色のブラックトナー画像が順次感光体11上に形成され、これが周回ごとに中間転写部材20に重畳転写され、目的のカラー画像に対応した合成カラートナー画像が中間転写部材20上に形成される。なお、図3の装置にあっては、感光体11の周回ごとに現像器41〜44が順次入れ替わってマゼンタトナーM、シアントナーC、イエロートナーY、ブラックトナーBによる現像が順次行われるようになっている。
次に、前記合成カラートナー画像が形成された中間転写部材20に転写ローラ25が当接し、そのニップ部に給紙カセット19から紙等の記録媒体26が給送される。これと同時に二次転写バイアスが電源29から転写ローラ25に印加され、中間転写部材20から記録媒体26上に合成カラートナー画像が転写されて加熱定着され、最終画像となる。合成カラートナー画像を記録媒体26へと転写した後の中間転写部材20は、表面の転写残留トナーがクリーニング装置35により除去され、初期状態に戻り次の画像形成に備えるようになっている。
また、タンデム方式と中間転写方式とを組み合わせたタンデム中間転写方式もある。図4に、無端ベルト状のタンデム中間転写部材を用いてカラー画像の形成を行うタンデム中間転写方式の画像形成装置を例示する。
図示する装置においては、感光体ドラム52a〜52d上の静電潜像を夫々イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックにより現像する第1現像部54a〜第4現像部54dが、タンデム中間転写部材50に沿って順次配置されており、このタンデム中間転写部材50を図中の矢印方向に循環駆動させて、各現像部54a〜54dの感光体ドラム52a〜52d上に形成された4色のトナー像を順次転写することにより、このタンデム中間転写部材50上にカラーのトナー像を形成し、このトナー像を紙等の記録媒体53上に転写することにより、プリントアウトを行う。ここで、上記いずれの装置においても、現像に用いるトナーの配列順は特に制限されるものではなく、任意に選択可能である。
なお、図中、符号55は、タンデム中間転写部材50を循環駆動するための駆動ローラ若しくはテンションローラを示し、符号56は記録媒体送りローラ、符号57は記録媒体送り装置、符号58は記録媒体上の画像を加熱等により定着させる定着装置を示す。また、符号59はタンデム中間転写部材50に電圧を印加する電源装置(電圧印加手段)を示し、この電源装置59は、トナー像を、感光ドラム52a〜52dから上記タンデム中間転写部材50に転写する場合と、タンデム中間転写部材50から記録媒体53上に転写する場合とで、印加する電圧の正負を反転させることができるようになっている。
上記各種画像形成装置において、転写搬送ベルト10や中間転写部材20、タンデム中間転写部材50等として使用される無端ベルト状の導電性エンドレスベルトには、駆動時におけるベルトの幅方向のズレや蛇行を防止する目的で、通常、周方向に沿ってガイド用のリブが設けられている。図1(a)および(b)に、リブ102をベルト内周面上の片側端部近傍に設けた導電性エンドレスベルト100の概略斜視図および断面図を夫々示す。かかるリブ102は一般に、シリコンゴムやウレタンゴム、ウレタンフォーム等からなり、粘着剤の層、または、粘着剤を両面に担持する両面粘着テープを介してベルト本体101に固着されている。駆動または従動ローラに取り付けられたプーリーがこのリブ102と嵌合して回転することで、幅方向のズレや蛇行を生ずることなくベルトを走行させることができる。
リブの改良に係る技術としては、例えば、特許文献1に、JISA硬度および100%モジュラスを所定に規定したガイド基材と、所定の引張弾性率を有する補強基材とを備える蛇行防止ガイドが開示されている。また、特許文献2には、ベルトの迫上がり現象や乗り上げ現象等による微妙な蛇行を抑制すると共に、ベルトの長寿命化を図ることを目的として、ガイド用リブを、所定の引張弾性率を有するフィルム層および弾性層からなり、所定の厚みおよび見掛け硬度を有する積層体からなるものとしたガイド付シームレスベルトが開示されている。
特開2000−289822号公報(特許請求の範囲等) 特開2002−145429号公報(特許請求の範囲等)
上述のように、ベルトのガイド用リブについてはこれまで種々検討がなされてきているが、十分なものではなく、より安定したベルトの走行を実現するための技術が求められていた。
そこで本発明の目的は、走行時における蛇行の発生および駆動部材(プーリー)への乗り上げを防止することで、直進性に優れ、安定した走行を行うことのできる導電性エンドレスベルトおよびそれを用いた画像形成装置を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、リブの弾性率および反発弾性率を最適化することにより、ベルトの蛇行および乗り上げの問題をともに解消しうることを見出して、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の導電性エンドレスベルトは、静電吸着により保持した記録媒体を、駆動部材により循環駆動されて、4種の画像形成体に搬送し、各トナー像を該記録媒体に順次転写するタンデム方式の転写、搬送用導電性エンドレスベルトであって、ベルト本体の、前記駆動部材と接触する側の面に、走行方向に沿って少なくとも1本のリブが設けられてなる導電性エンドレスベルトにおいて、
前記リブの、引張弾性率が0.5〜0.65N/mm2であり、かつ、反発弾性率が20〜25%であることを特徴とするものである。
また、本発明の他の導電性エンドレスベルトは、画像形成体と記録媒体との間に配設され、駆動部材により循環駆動されて、前記画像形成体表面に形成されたトナー像を一旦自己の表面に転写保持し、これを記録媒体へと転写する中間転写部材用の導電性エンドレスベルトであって、ベルト本体の、前記駆動部材と接触する側の面に、走行方向に沿って少なくとも1本のリブが設けられてなる導電性エンドレスベルトにおいて、
前記リブの、引張弾性率が0.5〜0.65N/mm2であり、かつ、反発弾性率が20〜25%であることを特徴とするものである。
さらに、本発明のさらに他の導電性エンドレスベルトは、4種の画像形成体と記録媒体との間に配設され、駆動部材により循環駆動されて、前記4種の画像形成体表面に形成されたトナー像を一旦自己の表面に順次転写保持し、これを記録媒体へと転写するタンデム中間転写部材用の導電性エンドレスベルトであって、ベルト本体の、前記駆動部材と接触する側の面に、走行方向に沿って少なくとも1本のリブが設けられてなる導電性エンドレスベルトにおいて、
前記リブの、引張弾性率が0.5〜0.65N/mm2であり、かつ、反発弾性率が20〜25%であることを特徴とするものである。
本発明においては、前記リブがウレタンゴムを主成分とすることが好ましい。また、前記リブは好適には、粘着剤および繊維、特には不織布を含む粘着層を介して前記ベルト本体に接合される。さらに、前記リブは、前記ベルト本体の両側縁部近傍または片側縁部近傍に設けることができる。
また、本発明の画像形成装置は、上記本発明の導電性エンドレスベルトを用いたことを特徴とするものである。
本発明によれば、上記構成としたことにより、走行時における蛇行の発生するとともに駆動部材への乗り上げを防止することができ、より直進性に優れ、安定した走行を行うことのできる導電性エンドレスベルトおよびそれを用いた画像形成装置を実現することが可能となった。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
導電性エンドレスベルトには、一般に、ジョイントありのものとジョイントなしのもの(いわゆるシームレスベルト)とがあるが、本発明においてはいずれのものであってもよい。好ましくはシームレスベルトである。本発明の導電性エンドレスベルトは、前述したように、タンデム方式、中間転写方式およびタンデム中間転写方式の転写部材等として用いることができるものである。
本発明の導電性エンドレスベルトが、例えば、図2に参照符号10で示す転写搬送ベルトの場合、駆動ローラ9等の駆動部材により駆動され、これに伴い搬送される記録媒体上にトナーが順次転写され、カラー画像が形成される。
また、本発明の導電性エンドレスベルトが、例えば、図3に参照符号20で示す中間転写部材の場合、これを駆動ローラ30等の駆動部材により循環駆動させ、感光体ドラム(潜像保持体)11と紙等の記録媒体26との間に配設することで、前記感光体ドラム11の表面に形成されたトナー像を一旦転写保持し、次いでこれを記録媒体26へと転写する。なお、図3の装置は、上述したように、中間転写方式によりカラー印刷を行うものである。
さらに、本発明の導電性エンドレスベルトが、例えば、図4に参照符号50で示すタンデム中間転写部材の場合、感光体ドラム52a〜52dを備える現像部54a〜54dと紙等の記録媒体53との間に配設されて、駆動ローラ55等の駆動部材により循環駆動され、各感光体ドラム52a〜52dの表面に形成された4色のトナー像を一旦転写保持し、次いでこれを記録媒体53へと転写することで、カラー画像を形成する。
図1に示すように、本発明の導電性エンドレスベルトは、ベルト本体101の、駆動部材と接触する側の面に、走行方向に沿って少なくとも1本のリブ102を有する。本発明においては、かかるリブ102の、引張弾性率が0.5〜0.65N/mm2であり、かつ、反発弾性率が20〜25%である点が重要である。
リブ102の引張弾性率が0.65N/mm2よりも高く、即ちリブが硬すぎると、ベルト回転時にリブがプーリーに乗り上げてしまう。一方、リブの引張弾性率が0.5N/mm2よりも低く、即ちリブが軟らかすぎると、プーリーに追従はするもののリブが変形しやすく、ベルト走行時に蛇行を生ずる結果となり、直進性が損なわれてしまう。また、リブ102の反発弾性率が20%よりも低いとリブが摩耗してしまい、一方、反発弾性率が高いほど摩耗しにくくなる反面、直進性が低下し、25%よりも高いと所期の直進性が得られない。
ここで、本発明に係るリブ102の引張弾性率は、プラスチック−引張特性の試験方法JIS−K7127に準拠して測定した値であり、また、反発弾性率は、軟質ウレタンフォームの反発弾性率試験法JIS−K6400−3に準拠して測定した値であって、具体的には、高さ500±0.5mmから鋼球(径φ16±0.5mm、重さ16±0.5g)を落下させ、何%跳ね返ったかを測定することにより得られるものである。
本発明のベルトにおいては、リブ102について上記引張弾性率および反発弾性率に係る条件を満足するものであれば、それ以外のリブの寸法、ベルト材料やベルト構造等の詳細については特に制限されるものではなく、公知の材料および構造にて、適宜構成することが可能である。
例えば、リブ102の具体的な材料としては、特に制限されるものではなく、ウレタンフォーム、ウレタンゴム、エチレンプロピレンジエン三元共重合体ゴム(EPDM)、ネオプレンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム等の各種エラストマーを適宜使用することができ、好適には、ウレタンゴムを用いる。
また、リブ102は、粘着剤の層、または粘着剤を両面に担持する両面粘着テープを介してベルト本体101に接合することができ、好適には、粘着剤および繊維を含む粘着層を介して接合する。リブとベルト本体との接合部分となる粘着層中に繊維を含有させることで、リブのベルト本体からの剥離を防止して、走行安定性のさらなる向上に寄与することができる。
かかる粘着層は、粘着剤と繊維とを混合することにより作製することができ、粘着剤は繊維中に含浸させてもよい。粘着剤としては、従来から知られている粘着剤のうちのいずれを使用してもよく、リブとベルト本体との関係で接着性に優れたものを用いる。例えば、天然または合成のゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤、アクリル系粘着剤、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体等の合成樹脂系粘着剤などを用いることができる。また、繊維としては、不織布、織布、その他繊維状のものを適宜用いることができ、特に制限されるものではないが、特に好ましくは不織布を用いる。粘着層における粘着剤と繊維との混合割合については、特に限定されるものではないが、繊維を5〜80重量%とし、残部を粘着剤にて構成することが好ましい。繊維が5重量%未満と少ないと、粘着剤がはみ出してしまう場合があり、一方、80重量%を超えると粘着力が下がって、ベルト本体とリブとの剥離が生じやすくなる。
また、図示する例では、リブ102は、ベルト本体101の片側縁部近傍に1本のみ設けられているが、これには限られず、両側の縁部近傍に1本ずつ計2本のリブを設けてもよく、また、縁部近傍以外の部分、例えば、幅方向中央部に設けてもよい。但し、図示するように片側のみにリブ102を設けたベルトの場合、両側に設けた場合に比べて走行安定性が悪く、蛇行を起こしやすいものと考えられるため、本発明の適用がより効果的であるといえる。
ベルト本体101の材料としては、特に制限されるものではなく、従来ベルト基材として使用されている各種熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂等のうちから適宜選択して用いることができ、所望に応じ、機能性成分として導電性材料を添加して、導電性の付与、調整を行うことができる。具体的には例えば、(a)熱可塑性ポリアミド(PA)、(b)アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、(c)熱可塑性ポリアセタール(POM)、(d)前記(a)〜(c)のうちのいずれか2種以上のポリマーアロイまたはポリマーブレンド、および(e)前記(a)〜(c)のうちのいずれか1種または2種以上と熱可塑性樹脂、特には熱可塑性エラストマーとのポリマーアロイまたはポリマーブレンド、からなる群から選ばれるいずれかを好適に用いることができ、この場合、組合せて用いる導電性材料としては、高分子イオン導電剤が好適である。
上記のうち(a)熱可塑性ポリアミドは、耐摩耗性の良好な材料として最も古くから使われている樹脂の一つであり、強度や耐衝撃性等にも優れており、市場で容易に入手することができる。PAとしてはいくつか種類があるが、本発明においては、特にナイロン12(以下、「PA12」と称する)、例えば、東レ(株)製、商品名:リルサンAESN O TLやダイセル・ヒュルス(株)製、商品名:ダイアミドL2101、ダイアミドL1940、宇部興産(株)製、商品名:3024Uなどを好適に用いることができる。PA12は他のPAに比べ環境変動における寸法安定性に優れている。また、PA6も好適である。かかる熱可塑性ポリアミドを導電性エンドレスベルトの基材に用いることで、抵抗のバラツキがなく、かつ、強度、特には屈曲耐久性に優れる導電性エンドレスベルトを得ることができる。尚、本発明に用いるPA12としては、好適には数平均分子量7000〜100000、より好適には13000〜40000の範囲内のものである。
かかるPAと熱可塑性エラストマーとのポリマーアロイのうち好適なものとしては、PA12と熱可塑性ポリエーテルとのブロック共重合アロイを挙げることができる。これにより、寸法安定性に加え、低温特性の向上にも優れた効果を得ることができる。かかるPA12と熱可塑性ポリエーテルとのポリマーアロイも市場で入手することができ、例えば、ダイセル・ヒュルス(株)製、商品名:ダイアミドX4442などを代表的に挙げることができる。
また、PAとのポリマーブレンドに好適に用いることのできる熱可塑性エラストマーとしては、ヤング率が98000N/cm2以下、好ましくは980〜49000N/cm2の重合体が知られ、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリエーテル系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、スチレン系、アクリル系、ポリジエン系等のエラストマーを使用することができる。かかる熱可塑性エラストマーをブレンドすることにより、耐折回数が増加し、クラックに対する耐久性を高めることができる。PA12と熱可塑性エラストマーとのポリマーブレンドも市場で入手可能であり、例えば、ダイセル・ヒュルス(株)製、商品名:ダイアミドE1947が挙げられる。
尚、本発明におけるPAと熱可塑性エラストマーとのポリマーアロイおよびポリマーブレンドにおける配合比としては、PAがPA12である場合には、好適には、PA12を100重量部に対し熱可塑性エラストマー100重量部以下である。
また、(b)アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂は、耐衝撃性、寸法安定性に優れる熱可塑性樹脂であり、市場で容易に入手することができる。具体的には、例えば、ダイセルポリマー(株)製、商品名:セビアンV320、セビアンV680などを代表的に用いることができる。かかるABS樹脂を導電性エンドレスベルトの基材に用いることで、抵抗のバラツキがなく、強度、特には耐屈曲性に優れ、かつ、高い寸法精度を有する導電性エンドレスベルトが得られる。
かかるABS樹脂のポリマーアロイおよびポリマーブレンドのうち好適なものとしては、熱可塑性ポリブチレンテレフタレート(PBT)、熱可塑性ポリカーボネート(PC)または熱可塑性ポリアミド(PA)とのポリマーアロイを挙げることができる。かかるABS樹脂と熱可塑性樹脂とのポリマーアロイおよびポリマーブレンドも市場で入手することが可能であり、例えば、ダイセルポリマー(株)製のポリマーアロイ、商品名:ノバロイB1500およびB1700(PBT/ABS樹脂)、ノバロイS1100(PC/ABS樹脂)、ノバロイA1500(PA6/ABS樹脂)などを代表的に挙げることができ、これにより夫々、耐熱性、耐薬品性および剛性(PBT/ABS樹脂)、耐熱性、耐衝撃性および剛性(PC/ABS樹脂)、耐衝撃性および耐薬品性(PA6/ABS樹脂)の改良効果を得ることができる。
また、(c)熱可塑性ポリアセタールは、ホモポリマーであっても、あるいはコポリマーであってもよいが、熱安定性の面からはコポリマーが好ましい。POMは、強度、耐摩耗性、寸法安定性、成形性などのバランスがとれていることから、プラスチック歯車などに多く使用されているエンプラであり、市場で容易に入手することができ、例えば、旭化成(株)製、商品名:テナック2010、ポリプラスチックス(株)製、商品名:ジュラコンM25−34などを代表的に挙げることができる。かかるPOMを導電性エンドレスベルトの基材に用いることで、抵抗のバラツキがなく、強度、特には屈曲耐久性と耐クリープ性に優れ、かつ、高い寸法精度を有する導電性エンドレスベルトが得られる。
かかるPOMのポリマーアロイのうち好適なものとしては、熱可塑性ポリウレタンとのポリマーアロイを挙げることができ、これにより、前記特性に加えて耐衝撃性にも優れた効果を奏する。POMと熱可塑性ポリウレタンとのポリマーアロイも市場で入手することができ、例えば、旭化成(株)製、商品名:テナック4012などを代表的に挙げることができる。
また、POMとのポリマーブレンドに好適に用いることができる熱可塑性エラストマーとしては、前述のPAの場合と同様のものを挙げることができる。この場合にも、かかる熱可塑性エラストマーとのブレンドの効果により、耐折回数が増加し、クラックに対する耐久性を高めることができる。
本発明のベルトが、上記(a)〜(e)からなる群から選ばれるいずれかの熱可塑性樹脂を主成分とする場合には、さらに、フッ素樹脂を含有させることが好ましく、フッ素樹脂を他材料とともに配合、混練することにより、ベルトのトナー離型性を良好に高めることができる。
かかるフッ素樹脂としては、250℃以下、特には240℃以下程度の低融点のものが好適であり、具体的には、例えば、ポリビニリデンフルオライド(PVdF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、クロロトリフルオロエチレンとエチレンとの共重合体(ECTFE)、ビニリデンフルオライド(VDF)とテトラフルオロエチレン(TFE)との共重合体、および、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレン(HFP)とビニリデンフルオライドとの3元共重合体(THV)等を挙げることができる。上記フッ素樹脂は市場で容易に入取可能であり、例えば、ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン共重合体としては、ダイキン工業(株)製、商品名:ネオフロンVT100等、THVとしては、ダイニオン社製、商品名:ダイニオンTHV220G、ダイニオンTHV500G等(住友スリーエム(株)より入手可能)を代表的に挙げることができる。
上記フッ素樹脂は1種を単独で用いても2種以上を混合して用いてもよいが、中でも融点が120〜200℃程度と極めて低いTHVが特に好適であり、他材料と同時に混練した際に容易に溶融して、効果を発現することができる。THVは、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンおよびビニリデンフルオライドの3種のモノマーからなる低融点熱可塑性樹脂であり、耐熱性、耐薬品性、耐候性、非粘着性、難焼性などの汎用フッ素樹脂の特長に加え、優れた加工性や溶解性、架橋性、柔軟性、接着性、透明性等を併せ持つ樹脂材料である。THVにおいては、上記モノマー比を調整することにより融点を変動させることが可能である。
フッ素樹脂の添加量は、基材の総量に対し、好ましくは0.1〜50重量%、より好ましくは1〜20重量%程度である。添加量が多すぎるとベルトの体積抵抗値に影響を及ぼすが、この範囲内の添加量であれば、体積抵抗値をほとんど変えることなく、トナー離型性および耐融着性を良好に発現させることができる。
また、本発明においては、熱可塑性樹脂として、熱可塑性ポリアルキレンナフタレート樹脂と、それ以外のエステル結合を有する熱可塑性樹脂とを組合せて用いることも好適であり、この場合、導電性材料としてはカーボンブラックが好適である。
かかる熱可塑性ポリアルキレンナフタレート樹脂は、耐衝撃性、寸法安定性および耐侯性に優れ、かつ、弾性回復特性が良好なエンプラであり、市場で容易に入手することができる。具体的には、例えば、熱可塑性ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂や熱可塑性ポリブチレンナフタレート(PBN)樹脂等を好適に用いることができ、これらを併用することも好ましい。
また、本発明に好適に用いられる上記エステル結合を有する熱可塑性樹脂としては、温度270℃におけるMFR(メルトフローレート)値が3〜80g/10min、特には5〜40g/10minであるものが好適であり、上記MFR値がこの範囲よりも高いと耐屈曲性が悪化してしまい、一方、小さいと相溶性が悪くなるため、いずれにしても本発明の所期の効果を得ることができない。ここで、温度270℃におけるMFR値を基準とするのは、本発明のベルトの主材料となる上記熱可塑性ポリアルキレンナフタレート樹脂の融点を考慮すると、溶融混練およびベルト成形時における温度が270℃付近となるためである。かかるエステル結合を有する熱可塑性樹脂としては、例えば、熱可塑性ポリアルキレンテレフタレート樹脂を好適に用いることができ、具体的には例えば、温度270℃におけるMFR値が3〜45g/10minである熱可塑性ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂や、温度270℃におけるMFR値が25〜80g/10minである熱可塑性ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂を好適に挙げることができる。
上記熱可塑性ポリアルキレンナフタレート樹脂とエステル結合を有する熱可塑性樹脂との重量比率は、通常95/5〜55/45の範囲内、好ましくは80/20〜60/40の範囲内とする。上記エステル結合を有する熱可塑性樹脂の配合量が、上記範囲よりも少ないと耐屈曲性が悪化してしまい、一方、多いと表面性が悪化するため、いずれにしても本発明の所期の効果を得ることができない。
また、高分子イオン導電剤としては、例えば、特開平9−227717号公報、特開平10−120924号公報、および、特開2000−327922号公報、特開2005−60658号公報等に記載されているものを用いることができるが、特に限定されない。
具体的には、(A)有機ポリマー材料、(B)イオン導電可能なポリマーまたはコポリマー、および、(C)無機または低分子量有機塩、からなる混合物を挙げることができ、ここで、成分(A)は、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリアミド6、ポリアミド12等のポリアミド、ポリウレタンまたはポリエステルであり、成分(B)は、オリゴエトキシ化アクリレートもしくはメタクリレート、芳香族環についてオリゴエトキシ化されたスチレン、ポリエーテルウレタン、ポリエーテル尿素、ポリエーテルアミド、ポリエーテルエステルアミドまたはポリエステル−エーテルブロックコポリマーであり、また、成分(C)は、無機または低分子量有機プロトン酸のアルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛またはアンモニウム塩であり、好ましくは、LiClO4、LiCF3SO3、NaClO4、LiBF4、NaBF4、KBF4、NaCF3SO3、KClO4、KPF6、KCF3SO3、KC49SO3、Ca(ClO42、Ca(PF62、Mg(ClO42、Mg(CF3SO32、Zn(ClO42、Zn(PF62またはCa(CF3SO32等である。
これらの中でも、成分(B)として、ポリエーテルアミド成分、ポリエーテルエステルアミド成分またはポリエステル−エーテルブロックコポリマー成分を含有する高分子イオン導電剤が好適であり、さらに、これに加えて成分(C)として低分子イオン導電剤成分を含有することが好ましい。また、かかるポリエーテルアミド成分およびポリエーテルエステルアミド成分としては、ポリエーテル成分が(CH2−CH2−O)を含有し、ポリアミド成分がポリアミド12またはポリアミド6を含有するものが特に好ましく、さらに、成分(C)の低分子イオン導電剤成分としてはNaClO4を含有する高分子イオン導電剤が特に好適である。かかる高分子イオン導電剤は、例えば、Irgastat(登録商標)P18およびIrgastat(登録商標)P22(共に、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ・インコーポレーテッド製)として市場で容易に入手可能である。
また、ポリオレフィンのブロックと、親水性ポリマーのブロックとが、エステル結合、アミド結合、エーテル結合、ウレタン結合、イミド結合等を介して繰り返し交互に結合してなるブロック共重合体も、本発明における高分子イオン導電剤として好適に用いることができる。かかるポリオレフィンとしては、ポリマーの両末端にカルボキシル基、水酸基、アミノ基等の官能基を有するポリオレフィンが挙げられ、特には、ポリプロピレンおよびポリエチレンが好適である。
また、親水性ポリマーとしては、官能基として水酸基を有するポリオキシアルキレン等のポリエーテルジオール、両末端カルボキシル基のポリアミドとポリエーテルジオールとから構成されるポリエーテルエステルアミド、ポリアミドイミドとポリエーテルジオールとから構成されるポリエーテルアミドイミド、ポリエステルとポリエーテルジオールとから構成されるポリエーテルエステル、ポリアミドとポリエーテルジアミンとから構成されるポリエーテルアミド等が使用でき、中でも、水酸基を有するポリオキシアルキレンが好ましい。例えば、両末端水酸基のポリオキシエチレン(ポリエチレングリコール)、ポリオキシプロピレン(ポリプロピレングリコール)等である。
本発明において高分子イオン導電剤として使用できるかかるブロック共重合体は、ペレスタット300,303(三洋化成(株)製)等として市場で容易に入手可能である。また、上記ブロック共重合体にリチウム化合物LiCF3SO3を含有させることで添加量を少なくしても帯電防止効果を維持する効果を得ることができ、かかるブロック共重合体とリチウム化合物との混合物として、サンコノールTBX−310(三光化学工業(株)製)が市販されている。
高分子イオン導電剤の添加量は、樹脂成分100重量部に対し、好ましくは1〜500重量部、より好ましくは10〜400重量部の範囲内であり、これによりベルトの体積抵抗値を好ましくは107〜1014Ω・cm、より好ましくは108〜1012.5Ω・cmに調整することができる。高分子イオン導電剤の添加量が1重量部未満であるとかかる抵抗レベルを達成することができず、一方、500重量部を超えると屈曲耐久性等の物性面に影響を及ぼすおそれがあるため、好ましくない。
また、カーボンブラックとしては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等の導電性カーボンや、SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MT等のゴム用カーボン、酸化処理を施したカラーインク用カーボン、熱分解カーボン等を用いることができる。カーボンブラックの添加量は、樹脂成分100重量部に対し、好適には5〜30重量部の範囲内である。これにより、ベルトの体積抵抗率を102Ω・cm〜1013Ω・cmの範囲内程度とすることができる。
また、本発明においては、ベルト配合中に機能性成分として他の導電性材料を添加して、補助的に導電性の付与、調整を行うことができる。かかる導電性材料としては、特に限定されず、ラウリルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム、オクタデシルトリメチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、変性脂肪酸・ジメチルエチルアンモニウムの過塩素酸塩、塩素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、硫酸塩、エトサルフェート塩、ハロゲン化ベンジル塩(臭化ベルジル塩、塩化ベンジル塩等)等の第4級アンモニウムなどの陽イオン界面活性剤;脂肪族スルホン酸、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加硫酸塩、高級アルコール燐酸エステル塩等の陰イオン界面活性剤;各種ベタイン等の両性イオン界面活性剤;高級アルコールエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル等の非イオン性帯電防止剤などの帯電防止剤、LiCF2SO2、NaClO4、LiBF4、NaCl等の周期律表第1族の金属塩;Ca(ClO42等の周期律表第2族の金属塩:およびこれらの帯電防止剤がイソシアネートと反応する活性水素を有する基(水素基、カルボキシル基、一級乃至二級アミン基等)を1個以上有するものなどが挙げられる。更に、これらと多価アルコール(1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール等)またはその誘導体との錯体、或いはエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等との錯体などのイオン導電剤;天然グラファイト、人造グラファイト等;酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛、ニッケル、銅等の金属および金属酸化物;ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン等の導電性ポリマーなどを例示することができる。
これら他の導電性材料は、1種または2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。例えば、電子導電剤とイオン導電剤とを組み合わせて用いることもでき、この場合、印加される電圧の変動や環境の変化に対しても安定して導電性を発現させることができる。これら他の導電性材料の添加量は、樹脂成分100重量部に対して好ましくは0.01〜30重量部、より好ましくは0.1〜20重量部程度である。
また、本発明のベルト本体には、本発明の効果を損なわない範囲で、上述の成分に加えて他の機能性成分を適宜添加することも可能であり、例えば、各種充填材、カップリング剤、酸化防止剤、滑剤、表面処理剤、顔料、紫外線吸収剤、帯電防止剤、分散剤、中和剤、発泡剤、架橋剤等を適宜配合することができる。さらに、着色剤を添加して着色を施してもよい。
本発明の導電性エンドレスベルトの厚さは、転写搬送ベルトまたは中間転写部材等の形態に応じて適宜選定されるものであるが、好ましくは50〜200μmの範囲内である。また、その表面粗さとしては、好適には、JIS10点平均粗さRzで10μm以下、特に6μm以下、更には3μm以下とする。
また、本発明の導電性エンドレスベルトを用いた本発明の画像形成装置としては、図2に示すタンデム方式のものや図3に示す中間転写方式のもの、または、図4に示すタンデム中間転写方式のものを例示することができるが、これらには限定されない。尚、図3の装置の場合、本発明の中間転写部材20を回転させる駆動ローラまたは駆動ギアには適宜電源61から電圧を印加することができ、この場合の電圧は直流のみの印加または直流に交流を重量する印加など、印加条件は適時選択することができる。
さらに、本発明の導電性エンドレスベルトの製法は特に制限されるべきものではなく、例えば、二軸混練機により基材の樹脂成分と導電性材料等の機能性成分とを混練し、得られた混練物を環状ダイスを使って押出し成形することにより製造することができる。または、静電塗装等の粉体塗装法、ディップ法または遠心注型法も好適に採用することができる。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明する。
実施例1
12ナイロンを主成分とするベルト本体(幅250mm,周長560mm)の、駆動部材と接触する側の面の両側縁部近傍に、走行方向に沿ってリブ(高さ1.5mm,幅4mm)を設けて、実施例1の導電性エンドレスベルトを作製した。リブは、ポリエステル(アジピン酸/フタル酸系)系のポリウレタン(NCO7%)100重量部と硬化剤としての芳香族ジアミン(イハラケミカル(株)製,商品名:キュアミンM)20重量部とからなり、セルロース繊維8重量%およびアクリル系粘着剤92重量%よりなる粘着材((株)寺岡製作所製、No.777)を用いた粘着層を用いてベルト本体に接合した。
実施例2,3
ポリウレタンとしてNCO6%または8%のものを用いた以外は実施例1と同様にして、実施例2,3の導電性エンドレスベルトを作製した。
比較例1,2
リブを、PPG系(ポリプロピレン系)ポリウレタンポリマー(NCO4%)またはPPG系(ポリプロピレン系)ポリウレタンポリマー(NCO7%)により形成した以外は実施例1と同様にして、比較例1,2の導電性エンドレスベルトを作製した。
得られた各実施例および比較例のベルトにつき、下記に従い、直進性および脱輪性について評価した。
(直進性)
常温常湿環境(23℃、50%RH)下で、ベルトを耐久試験機に組み込んで、2軸拡張して速度113rpmで走行させ、レーザー変位計で蛇行の有無を評価した。変位量0.1mm以下の場合を○、変位量0.1mm超の場合を×とした。
(脱輪性)
常温常湿環境(23℃、50%RH)下で、ベルトを耐久試験機に組み込んで、2軸拡張して速度113rpmで走行させ、10万回転を達成できるかどうかについて、目視で評価を行った。10万回転走行できた場合を○、10万回転未満で脱輪が生じた場合を×とした。
これらの結果を、各リブについてプラスチック−引張特性の試験方法JIS−K7127に準拠して測定した10%伸長時の引張弾性率、および、軟質ウレタンフォームの反発弾性率試験法JIS−K6400−3に準拠して測定した反発弾性率(高さ500±0.5mmから鋼球(径φ16±0.5mm、重さ16±0.5g)を落下させ、何%跳ね返ったかの測定値)の値とともに、下記の表1中に示す。
Figure 2007241087
上記表1に示すように、引張弾性率が0.5〜0.65N/mm2、反発弾性率が20〜25%を満足するリブを備える実施例1〜3のベルトにおいては、直進性および脱輪性ともに良好な結果が得られることが確かめられた。
本発明の一実施の形態に係る導電性エンドレスベルトの、(a)は概略斜視図であり、(b)は断面図である。 本発明の画像形成装置の一例としての転写搬送ベルトを用いたタンデム方式の画像形成装置を示す概略図である。 本発明の画像形成装置の他の例としての中間転写部材を用いた中間転写装置を示す概略図である。 本発明の画像形成装置の他の例としてのタンデム中間転写部材を用いたタンデム中間転写装置を示す概略図である。
符号の説明
1、11、52a〜52d 感光体ドラム
2、7 帯電ロール
3 現像ロール
4 現像ブレード
5 トナー供給ロール
6 クリーニングブレード
8 除電ロール
9、30、55 駆動ローラ(駆動部材)
10 転写搬送ベルト
12 一次帯電器
13 画像露光
14、35 クリーニング装置
19 給紙カセット
20 中間転写部材
25 転写ローラ
26、53 記録媒体
29、61 電源
41、42、43、44 現像器
50 タンデム中間転写部材
54a〜54d 第1現像部〜第4現像部
56 記録媒体送りローラ
57 記録媒体送り装置
58 定着装置
59 電源装置(電圧印加手段)
100 導電性エンドレスベルト
101 ベルト本体
102 リブ

Claims (8)

  1. 静電吸着により保持した記録媒体を、駆動部材により循環駆動されて、4種の画像形成体に搬送し、各トナー像を該記録媒体に順次転写するタンデム方式の転写、搬送用導電性エンドレスベルトであって、ベルト本体の、前記駆動部材と接触する側の面に、走行方向に沿って少なくとも1本のリブが設けられてなる導電性エンドレスベルトにおいて、
    前記リブの、引張弾性率が0.5〜0.65N/mm2であり、かつ、反発弾性率が20〜25%であることを特徴とする導電性エンドレスベルト。
  2. 画像形成体と記録媒体との間に配設され、駆動部材により循環駆動されて、前記画像形成体表面に形成されたトナー像を一旦自己の表面に転写保持し、これを記録媒体へと転写する中間転写部材用の導電性エンドレスベルトであって、ベルト本体の、前記駆動部材と接触する側の面に、走行方向に沿って少なくとも1本のリブが設けられてなる導電性エンドレスベルトにおいて、
    前記リブの、引張弾性率が0.5〜0.65N/mm2であり、かつ、反発弾性率が20〜25%であることを特徴とする導電性エンドレスベルト。
  3. 4種の画像形成体と記録媒体との間に配設され、駆動部材により循環駆動されて、前記4種の画像形成体表面に形成されたトナー像を一旦自己の表面に順次転写保持し、これを記録媒体へと転写するタンデム中間転写部材用の導電性エンドレスベルトであって、ベルト本体の、前記駆動部材と接触する側の面に、走行方向に沿って少なくとも1本のリブが設けられてなる導電性エンドレスベルトにおいて、
    前記リブの、引張弾性率が0.5〜0.65N/mm2であり、かつ、反発弾性率が20〜25%であることを特徴とする導電性エンドレスベルト。
  4. 前記リブがウレタンゴムを主成分とする請求項1〜3のうちいずれか一項記載の導電性エンドレスベルト。
  5. 前記リブが、粘着剤および繊維を含む粘着層を介して前記ベルト本体に接合されている請求項1〜4のうちいずれか一項記載の導電性エンドレスベルト。
  6. 前記繊維が不織布である請求項5記載の導電性エンドレスベルト。
  7. 前記リブが、前記ベルト本体の両側または片側の縁部近傍に設けられている請求項1〜6のうちいずれか一項記載の導電性エンドレスベルト。
  8. 請求項1〜7のうちいずれか一項記載の導電性エンドレスベルトを用いたことを特徴とする画像形成装置。
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