以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づき説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明に係る投影装置110の第1実施形態を示す外観斜視図である。
図1に示すように、投影装置110は、映像信号に基づいた投影光112を生成して卓上に映像113を投影する投影手段114と、投影手段114を支持する支柱116と、投影手段114及び支柱116を立設させる台座118とを備えている。投影装置110は、コンピュータ装置800からRGB信号等の映像信号を入力し、この入力した映像信号に基づいた投影光112を生成して卓上方向に投影する。
本発明に係る投影手段114は、投影光112のうちの少なくとも一部が台座118にかかるように照射する。台座118に、投影光112により映像113の一部を形成することが可能な投影領域119を設けることによって、照射する投影光112を垂直に近づけることができる。したがって、投影による歪みが少なく、見やすい映像113を表示させることができる。
投影領域119は、投影光112の一部を受光して、その散乱光により映像の一部を表示する領域であり、スクリーンの一部を構成する領域である。
投影領域119は、映像113の一部を表示する領域であるので、投影光112により影が生じないような段差の無い形状(後述する図2及び図3参照。)とすることが望ましい。また、表示する映像の歪みを少なくするために、投影領域119は、なだらかな形状とすることが望ましい。
また、台座118に投影領域119を設けることによって、台座の設置面を映像側に広く設定することができる。これにより、従来の投影装置と比較して、投影手段114及び支柱116を台座118の重心位置寄りに立設させることができる。したがって、投影装置110を卓上に載置した際の安定性が増すので、投影装置110の転倒を防止することができる。
また、図1に示す例では、利用者が映像113に関連する操作を行う際に操作スイッチ124として機能する光検出器126を、台座118に設けてある。光検出器126は、受光した光の光量に応じた受光情報を出力する機器である。
利用者が光検出器126の上に指を翳して、光検出器126が受光している投影光112を遮ると、光検出器126が出力する受光情報が変化するので、投影装置110は、利用者により光検出器126(操作スイッチ)が操作されたことを検出することができる。
また、投影装置110は、投影されている映像113の一部に、操作スイッチ124に割り当てられている機能を、利用者に通知するための操作機能情報122を投影して、利用者による利便性を向上させている。また、操作スイッチ124の存在を示すために、投影されている映像113の一部に、操作スイッチ124の範囲又はその周囲を識別するスイッチ識別表示を行うようにしてもよい。スイッチ識別表示は、背景に対する補色、又はコントラストの高い表示を用いるとよい。また、操作スイッチ124として光検出器126を用いる場合には、スイッチ識別表示として、白色光などの輝度の高い光や、蛍光灯などの照明には含まれない波長の光を投影するとよい。
図1に示す例では、操作スイッチ124を投影された映像113の内部に設けた実施形態を示しているが、本発明はこれに限定するものではなく、操作スイッチ124を映像113の外部に設けるようにしてもよい。また、操作スイッチ124として光検出器126を用いる代わりに、押しボタン等の入力手段を用いることも可能である。
図2及び図3に、投影手段114から投影される投影光112の投影角θsと、投影領域119における傾斜角θdとの関係を側面図に示す。
図2に示すように、台座118の投影領域119に鋭角の傾斜角θdの段差等が存在する場合であって、投影角θsとの関係がθs<θdとなる場合には、投影光112による影が生じて、映像113が見にくくなってしまう。そこで本発明では、投影角θsと投影領域119における傾斜角θdとの関係をθs>θdとすることによって、投影光112による影が生じないように、投影手段114と傾斜角θd及びその位置を定める。また、表示する映像の歪みを少なくするために、投影領域119における傾斜角θdをなるべく小さい角度にすると共に、なだらかな形状とすることが望ましい。
また、図3に示すように、投影角θsが直角又は鈍角となる領域においても、投影角θsと傾斜角θdとの関係をθs>θdとすることによって、投影光112による影が生じないようにすることができる。また、表示する映像の歪みを少なくするために、投影領域119における傾斜角θdをなるべく小さい角度にすると共に、なだらかな形状とすることが望ましい。
図4は、本発明に係る投影装置110の信号処理系ブロック図である。
図4に示すように投影装置110の投影手段165は、投影光を発光する発光手段159と、発光手段159が発光した光の光量を調節する絞り160と、発光手段159が発光した照明光を平行光に調節する照明光学系161と、発光手段159が発光した照明光に対して投影映像を形成する液晶等の光変調手段162と、投影映像を拡大して投影光112を形成する投射光学系163とを備えている。
また、投影装置110の投影手段165は、コンピュータ装置800からRGB信号等の映像信号を入力して、光変調手段162に対する駆動信号の出力、絞り160の調節並びに発光手段159に対する発光量の調節を行うと共に、投影装置110が投影する映像の輝度若しくは色彩の調節や、操作機能情報、メニュー投影、又はその他の投影情報を合成して光変調手段162に出力する投影ドライバ164を備えている。
また、投影装置110は、映像113の輝度、若しくは色彩等の映像に関連する利用者の操作、又は投影装置110に関する各種の操作を行った際の操作情報を出力する入力手段170と、入力手段170から出力された操作情報をバス199を介して情報処理手段180に伝える入力I/F171と、受光した光の光量に応じた電圧信号等の受光情報を出力するとともに操作スイッチ124として機能させることが可能な光検出器126と、光検出器126が出力する受光情報を取得して情報処理手段180に伝達する受光情報処理手段178とを備えている。
また、投影装置110は、投影装置110の取り扱いに関するヘルプの投影、投影言語の設定、投影時間の設定、メニュー投影、選択スイッチ、電源の投入並びに遮断処理、若しくはその他の投影装置110に関する制御、又は、投影装置110が投影する映像113の、投影位置、サイズ、明るさ、コントラスト、ガンマ、色温度、色調、シャープネス、水平位置、若しくは垂直位置の調節に関する処理を実行する情報処理手段180を備えている。
また、投影装置110は、情報処理手段180が処理を実行する際に作業領域として用いるRAM181と、情報処理手段180が実行する処理プログラムや定数等の各種情報を記録するROM183と、時刻を刻む計時手段190とを備えている。
投影装置110内の情報処理手段180と、受光情報処理手段178、投影ドライバ164、入力I/F171、RAM181、ROM183、計時手段190等を含む各周辺回路はバス199で接続されており、情報処理手段180にて実行される処理プログラムに基づいて、情報処理手段180が各々の周辺回路を制御することが可能となっている。なお、情報処理手段180にて実行される処理プログラムは、記録媒体や通信によって提供することが可能である。また、各周辺回路をASIC等で構成することも可能である。
次に、投影装置110の動作について説明する。コンピュータ装置800からRGB信号等の映像信号を入力すると、投影ドライバ164は光変調手段162に映像を形成するための駆動信号を出力し、発光手段159に対して発光量を指示する。これにより映像の投影光112が形成され、スクリーンに映像113を投影することができる。
投影装置110にて投影した映像113の投影位置、サイズ、明るさ、コントラスト等を調節する際には、利用者が操作スイッチ124を操作してメニュー投影を指示する。利用者による操作スイッチ124の操作情報は、受光情報処理手段178又は入力I/F171が取得して情報処理手段180に伝達する。
すると情報処理手段180は、メニュー投影を行うための投影情報を生成して投影ドライバ164に出力する。投影情報を取得した投影ドライバ164は、コンピュータ装置800から取得した映像信号に、メニュー投影の投影情報を合成して光変調手段162に出力する。利用者は、投影されたメニュー投影を見ながら操作スイッチ124を操作して、投影装置110が投影する映像の投影位置、サイズ、明るさ、コントラスト等の調節を行うことができる。
次に、映像113に操作機能情報122を投影する処理について説明する。
図5は、映像113に操作機能情報122を投影するためのフローチャートである。
投影装置110において、利用者によるメニュー投影、ヘルプの投影、又はその他のスイッチ操作が許可されている状態にある場合には、情報処理手段180が実行する処理はステップS102「操作スイッチの近傍に操作機能情報を追加」(以降、S102のように省略して記載する。)の処理に進む。
S102では、現在各操作スイッチ124に割り当てられている機能を映像113内に投影するための操作機能情報を生成して、投影ドライバ164に出力する。投影ドライバ164は、コンピュータ装置800から取得したRGB信号等の映像信号に情報処理手段180から取得した操作機能情報を合成する処理を行って、光変調手段162に対して駆動信号を出力する。そして、処理は次のS104「投影光を照射」に進む。
S104にて情報処理手段180は、投影ドライバ164に対して発光手段159の発光を指示し、投影光112の照射を行う。そして、処理は次のS106「操作スイッチの操作有り?」の判断に進む。
S106にて情報処理手段180は、利用者により操作スイッチ124操作されるのを待つ処理を行う。利用者により操作スイッチ124の操作がなされると、その情報は受光情報処理手段178又は入力I/F171を介して情報処理手段180が取得する。そして、次のS108「入力動作を実行」の処理に進む。
S108にて情報処理手段180は、利用者が操作した内容に対応した処理を実行する。例えば、利用者がメニュー投影を指示する操作スイッチ124を操作した場合には、情報処理手段180はメニュー投影に関する投影情報を生成して投影ドライバ164に出力する。投影情報の出力が終了すると、処理は次のS110「追加表示有り?」の判断に進む。
S110にて情報処理手段180は、利用者の入力動作に基づく追加の表示が存在するか否かの判断を行って、追加の表示が存在すると判断した場合にはS102に分岐して、操作スイッチ124の近傍に追加の操作機能情報を投影する処理を行う。追加の表示が無い場合には、操作機能情報122を投影する処理を終了して、元の処理ルーチンに戻る。
次に、映像113の映像サイズ及び投影位置を調節する処理について説明する。
図6は、光検出器126が受光した受光情報に基づいて、映像サイズの調節及び投影位置の調節を実行する処理のフローチャートである。
投影装置110の電源投入当初、又は、台座118に対する投影手段114の高さを変更した後等、利用者により映像サイズ及び投影位置の調節が指示されると、情報処理手段180が実行する処理はステップS202「校正用映像を最大サイズで投影」の処理に進む。
S202で情報処理手段180は、台座側の投影端XBからの距離に応じて投影形態の異なる距離情報を含む映像信号を生成し、投影ドライバ164に出力する。投影ドライバ164は、コンピュータ装置800から取得したRGB信号等の映像信号に代えて、情報処理手段180から取得した距離情報を含む校正用映像130を投影するための駆動信号を光変調手段162に対して出力する。
そして情報処理手段180は、投影ドライバ164に対して発光手段159の発光と絞り160の設定を指示する。すると、投影手段165は投影光の照射を行って、校正用映像130を投影する。
ここで、投影装置110が、距離情報を含む校正用映像130を用いて映像サイズを調節する際の外観について、図7を用いて説明する。
図7は、光検出器126が距離情報を含む校正用映像130を受光し、その結果得られる受光情報に基づいて、映像サイズの調節を行う状況を説明する投影装置110の側面図である。
図7(a)に示す例では、投影装置110は、投影する映像サイズの変更を行う際に、先ず最大サイズの校正用映像130を投影する。最大サイズの校正用映像130は、図7(b)に示すように、例えば投影端XBからの距離に応じて映像の点滅周期が異なる特性を有する映像である。
校正用映像における距離情報の他の実施形態として、投影端XBからの距離に応じて縞模様や格子パターンの密度を変化させた映像を投影するようにしてもよい。また、校正用映像における距離情報を、台座118側の投影端XBと平行な特性を有するものとしてもよい。更に、距離情報を、光検出器126の近傍のみに投影する映像としてもよいし、台座118側の投影端XBから所定の距離の範囲内にのみ投影する映像としてもよい。
図6に示すS202で、校正用映像130を投影すると、情報処理手段180が実行する処理は、次のS204「光検出器が出力する受光情報から映像の点滅周期を算出」に進む。校正用映像130の一部を受光した光検出器126は、受光した光を受光情報に変換し、その受光情報をバス199を介して情報処理手段180に出力する。
S204にて情報処理手段180は、光検出器126が出力する受光情報に基づいて点滅周期を算出する処理を行う。点滅周期を算出する際には、例えば計時手段190が所定時間を刻む間に、輝度の変化が何回存在したかを計数することによって算出する。そして、処理は次のS206「台座と投影端XBまでの距離を算出」の処理に進む。
S206にて情報処理手段180は、校正用映像130を生成する際に用いた、台座側の投影端XBからの距離に応じて投影形態を変えた距離情報と、受光情報に基づいて算出した点滅周期とに基づいて、光検出器126と台座側の投影端XBとの距離を算出する。この距離の算出に際して情報処理手段180は、台座118に対する投影手段114の高さに関する情報を取得して用いるようにしてもよい。そして、処理は次のS208「映像が所定の位置に存在?」の判断に進む。
S208にて情報処理手段180は、S206において算出した、光検出器126と台座側の投影端XBとの間の距離が、所定の範囲内の距離にあるか否かの判断を行って、映像が所定の位置に存在しているか否かの判断を行う。もし、光検出器126と投影端XBとの距離が、所定の範囲内にないと判断した場合には、処理は次のS210「映像サイズを縮小して投影」の処理に進む。
S210にて情報処理手段180は、光検出器126と台座側の投影端XBとの間の距離に基づいて、サイズを縮小した校正用映像132を投影するための駆動信号を、光変調手段162に対して出力する指示を行うと共に、投影光を照射する指示を行うことによって、投影手段165は図7(a)に示す校正用映像132を投影する。
ここで、投影装置110が、距離情報を含む校正用映像130を用いて投影位置をシフトする際の外観について、図8を用いて説明する。
図8は、校正用映像を受光した光検出器126が出力する受光情報に基づいて、投影位置をシフトする状況を説明する投影装置110の側面図である。
図8に示すように、投影装置110は、投影する投影位置の変更を行う際に、先ず校正用映像134を投影して表示する。校正用映像134は、例えば図7(b)に示した特性を有する映像を用いる。
図6に示すS210で校正用映像134を投影すると、情報処理手段180が実行する処理は、次のS212「全映像を投影可能なシフト量を算出」の処理に進む。校正用映像130の一部を受光した光検出器126は、校正用映像130の一部を受光して受光情報に変換し、受光情報をバス199を介して情報処理手段180に出力する。S212にて情報処理手段180は、光検出器126が出力する受光情報に基づいて点滅周期を算出する処理を行った後に、全映像を投影可能なシフト量を算出する。
次のS214にて情報処理手段180は、投影位置をシフトした校正用映像136(図8参照。)を投影するための駆動信号を光変調手段162に対して出力する指示を行うと共に、投影光を照射する指示を行うことによって、投影手段165はシフトした校正用映像136を投影する。そしてS208の処理に戻る。
S208にて、光検出器126と投影端XBとの距離が、所定の範囲内にあると判断した場合には、処理はS216「校正後のサイズ、位置で映像を投影」の処理に進む。
S216で情報処理手段180は、投影ドライバ164に対し、校正用映像130に代えて、コンピュータ装置800から取得したRGB信号等の映像信号を、所定のサイズ及び位置に投影するための情報を出力する。投影ドライバ164は、映像信号を所定のサイズ及び位置に投影するための駆動信号を光変調手段162に対して出力する。情報処理手段180は、投影ドライバ164に対して、発光手段159の発光と絞り160の設定を指示する。すると投影光が照射されて、投影サイズ及び投影位置が調節された映像113を投影することができる。映像113の投影サイズ及び投影位置の校正が終了すると、情報処理手段180が実行する処理は元のルーチンに戻る。
以上のようにして投影装置110は、台座側の投影端XBからの距離を、点滅周期の違いにより表現する校正用映像130を投影することによって、短時間で映像のサイズ又は投影位置の校正処理を終了させることができる。また、光検出器126に画素数が多いCCD等を用いることによって、校正用映像130の映像パターンや模様の違いを、短時間で判別することができる。なお、映像のサイズの変更、又は投影位置のシフトは、光学系を調節することにより実施してもよいし、電子的に実施してもよい。
映像のサイズの変更及び投影位置のシフトを実現するための、投影手段114内における光学部品の配置を、図9を用いて説明する。
図9に示すように、投影手段114の光学系148には、投影光を発光する発光手段159と、発光手段159が発光した光の光量を調節する絞り160と、発光手段159が発光した照明光を平行光に調節する照明光学系161と、発光手段159が発光した照明光を分割して各原色ごとの画像を形成して合成する光変調手段162と、光変調手段162により変調された光をスクリーン149に投影する投影レンズ144と、この投影レンズ144と光変調手段162との間に配置され、光軸に対して垂直な方向に移動可能なリレーレンズ143とを備える。
光変調手段162は、カラー画像を投影するために、照明光を例えばR(赤)、G(緑)、B(青)の三原色の各色成分に分岐させるダイクロイックミラー141a、141bを備えている。また、光変調手段162は、分岐した各色成分毎に画像を形成する光変調手段162a、162b、162cを備えている。ミラー141c、141dは、光の向きを変える働きをし、ミラー141e、141fは、各原色成分を合成する働きをする。
ダイクロイックミラー141aは、発光手段159が発光した白色の照明光を、短波長側のB(青)成分とそれ以外の成分とに分離する。図9に示す実施形態では、ダイクロイックミラー141aはB(青)成分を反射させて、ミラー141dを介してB(青)色の画像を形成する光変調手段162aに入射させる。
一方、ダイクロイックミラー141aを透過した光は、ダイクロイックミラー141bに入射する。ダイクロイックミラー141bは、R(赤)成分の光を反射して光変調手段162bに入射させ、G(緑)成分の光は透過して光変調手段162cに入射させて、それぞれR(赤)及びG(緑)の色の画像を形成する。
B(青)成分の画像とR(赤)成分の光はミラー141eにより合成され、更にミラー141fによりG(緑)の画像を合成してカラー画像を形成する。
リレーレンズ143は、光変調手段162側及び投影レンズ144側の両方に対してテレセントリックであり、投影レンズ144は、リレーレンズ143側にテレセントリックである。
このように、リレーレンズ143を、光変調手段162側、投影レンズ144側の両方に対してテレセントリックな構成にすることにより、リレーレンズ143を光軸Cに対して垂直な方向に、リレーレンズ143’の位置までシフトさせた場合であっても、光変調手段162側からの光束が投影レンズ144から外れる不具合を防ぐことができる。
また、光学系148は、リレーレンズ143を光軸Cから光軸C’にずらすシフト機構146と、投影レンズ144の焦点距離やピントを調節するズーム・フォーカス機構142と、そのズーム・フォーカス機構142に対して焦点距離やピントを調節する指令を出力すると共に、シフト機構146に対して光軸C’のシフト量を制御する指令を出力する制御装置145とを備えている。
シフト機構146は、モータ等の駆動機構から構成される制御可能な機構であり、図4に示した制御手段180が、制御装置145に出力したシフトの指令に基づいて光軸C’のシフト量を制御することが可能となっている。
ズーム・フォーカス機構142は、モータ等の駆動機構から構成される制御可能な機構であり、図4に示した制御手段180が、制御装置145に出力したズーム指令、又はフォーカス指令に基づいて、焦点距離や合焦位置を制御することが可能となっている。
ズーム・フォーカス機構142は、例えばスクリーン149に形成する映像のピントを合わせるために繰り出す動作を行うフォーカシングレンズ群と、映像サイズを変更する動作を行うために光軸Cに沿って移動するバリエーターレンズ群と、ズーム動作によるピントのずれを補正するコンペンセータレンズ群とから構成される。
図9に示すように光学系148を構成することにより、リレーレンズ143を光軸Cに対して平行にシフトさせて、スクリーン149に投影する映像を平行移動させることができる。図9に示す例では、リレーレンズ143の光軸を光軸C’にシフトさせることにより、投影光112を投影光112’にずらし、映像の位置をシフトすることができる。また、制御装置145にズーム指令を与えることにより、映像サイズを変更することができる。また、制御装置145にフォーカス指令を与えることにより、映像のピントを調節することができる。
尚、図9を参照して映像のサイズの変更及び投影位置のシフトを実現する例を説明してきたが、光変調手段162は単板のカラー液晶表示素子を用いたもので構成しても、DMD(デジタルミラーデバイス)や反射型液晶素子を用いたものでもよい。但し、その場合の照明光学系161、絞り160、発光源159は光変調手段162に対応した構成となる。また、図1等の実施例に示すように投影するためには、発光源159〜照明光学系161をダイクロイックミラー141aに対し光軸Cに直交する方向に配置すればよい。
また、映像のサイズの変更及び投影位置のシフトの実施には図9のようなリレーレンズ143は必須ではなく、投影レンズ144を光軸Cと直交する方向に移動させたり、チルトさせたりすることでも実施は可能である。
また、台座側の投影端XBからの距離を校正用映像として、点滅周期の違いにより表現する他、色彩の違い、又は輝度等の投影形態の違いにより表現するようにしても、本発明の目的を達成することが可能である。
なお、投影装置110の支柱116に、台座118に対する投影手段114の高さを変更することが可能な可変機構を備えている場合には、投影手段114の高さを変更すると映像のサイズや投影位置が変わるので、その都度映像サイズ及び投影位置の調節を行うようにするとよい。また、投影手段114を支柱116に回動可能(図示せず)に支持すれば投影位置の変更はより容易となる。
次に、映像113の映像サイズ及び投影位置を調節する処理の他の実施形態について説明する。
図10は、光検出器126が投影光を受光したか否かに基づいて、映像サイズの調節及び投影位置の調節を実行する処理のフローチャートである。
投影装置110の電源投入当初、又は、台座118に対する投影手段114の高さを変更した後等、利用者により映像サイズ及び投影位置の調節が指示されると、情報処理手段180が実行する処理はステップS302「校正用映像を最大サイズで投影」の処理に進む。
S302で情報処理手段180は、単色の映像信号を生成して投影ドライバ164に出力する。投影ドライバ164は、コンピュータ装置800から取得したRGB信号等の映像信号に代えて、情報処理手段180から取得した校正用映像を投影するための駆動信号を光変調手段162に対して出力する。
そして情報処理手段180は、投影ドライバ164に対して発光手段159の発光と絞り160の設定を指示する。すると、投影手段165は投影光の照射を行って校正用映像を表示する。そして、処理は次のS304「校正用映像を1ステップ縮小」の処理に進む。
S304にて情報処理手段180は、前記校正用映像のサイズを1ステップ縮小した映像信号を生成して、投影ドライバ164に出力する。投影手段165は、投影光の照射を行って、1ステップ縮小した校正用映像を表示する。そして、情報処理手段180が実行する処理は、次のS306「映像が不存在?」の判断に進む。
S306にて情報処理手段180は、S304において投影した校正用映像の一部を、光検出器126が検出したか否かの判断を行って、映像が所定の位置に存在しているか否かの判断を行う。もし、光検出器126が校正用映像の一部を検出した場合には、処理はS304に戻る。また、もし光検出器126が校正用映像を検出していない場合には、処理はS308「映像サイズを所定のステップ拡大」の処理に進む。
S308にて情報処理手段180は、投影領域119に映像913の一部を形成するように、映像サイズを所定のステップ拡大した映像信号を生成して、投影ドライバ164に出力する。投影手段165は、所定のステップ拡大した校正用映像を表示する。そして、情報処理手段180が実行する処理は、次のS310「校正用映像を1ステップシフト」の処理に進む。
S310にて情報処理手段180は、前記校正用映像の投影位置を1ステップシフトした映像信号を生成して、投影ドライバ164に出力する。投影手段165は投影光の照射を行って、1ステップシフトした校正用映像を表示する。そして、情報処理手段180が実行する処理は、次のS312「映像が不存在?」の判断に進む。
S312にて情報処理手段180は、S310において投影した校正用映像の一部を、光検出器126が検出したか否かの判断を行って、映像が所定の位置に存在しているか否かの判断を行う。もし、光検出器126が校正用映像の一部を検出した場合には、処理はS310に戻り、もし光検出器126が校正用映像を検出していない場合には、処理はS314「映像サイズを所定のステップシフト」の処理に進む。
S314にて情報処理手段180は、投影領域119に映像913の一部を形成するように、映像サイズを所定のステップシフトした映像信号を生成して、投影ドライバ164に出力する。投影手段165は、所定のステップ拡大した校正用映像を表示する。そして、情報処理手段180が実行する処理は、次のS316「映像を校正後のサイズで投影」の処理に進む。
S316にて情報処理手段180は、投影ドライバ164に対し、校正用映像130に代えてコンピュータ装置800から取得したRGB信号等の映像信号を所定のサイズ及び位置に投影する指示を行う。投影ドライバ164は、映像信号を所定のサイズ及び位置に投影するための駆動信号を光変調手段162に対して出力する。情報処理手段180は、投影ドライバ164に対して、発光手段159の発光と絞り160の設定を指示する。すると投影光が照射されて、投影サイズ及び投影位置が調節された映像113を投影することができる。映像113の投影サイズ及び投影位置の校正が終了すると、情報処理手段180が実行する処理は元のルーチンに戻る。
以上のようにして投影装置110は、光検出器が投影光を受光したか否かに基づいて映像のサイズ又は投影位置を自動で変更することができる。これにより、特段の距離情報を含む校正用映像を生成することなく、映像のサイズを適切な大きさ、又は投影位置に変更して投影することができる。
次に、操作スイッチ124に映像113に関連する操作の機能を割り当てる処理と、その機能に応じた操作機能情報122の投影を行う処理について説明する。
映像113に関連する操作情報として、映像113の投影位置、投影する映像のサイズ、明るさ、コントラスト、ガンマ特性、色温度、色調、シャープネス、水平位置、垂直位置、ヘルプの投影、投影言語の設定、投影時間の設定、メニュー投影、選択スイッチ、又は電源スイッチ等、多くの設定項目を指定する情報を挙げることができる。
これら多数の設定項目に応じて、多数の操作スイッチ124を設けることも可能である。しかし、設定作業を行うにあたって、必要な操作スイッチ124のみを有効にする方が、利用者による操作性は向上する。
そこで本発明では、操作スイッチ124に割り当てる機能を可変にするとともに、その操作スイッチ124の操作機能情報122を操作スイッチ124の近傍に投影して、利用者に通知することとしている。
利用者は、投影された操作機能情報122を見ながら操作スイッチ124を操作することができるので、少ない操作スイッチ124に多くの機能を割り当てることができ、投影装置110のコストを低減することができる。
操作スイッチ124に各種の機能を割り当てた際に、その機能に応じた操作機能情報122の投影を行う処理について、図11、図16、図18のフローチャートを用いて説明する。
図11は、メニュー投影処理を実行する際のフローチャートである。
図1に示す投影装置110が起動すると、情報処理手段180が実行する処理は、S1102「操作機能情報読み出し」に進む。S1102では、ROM183から初期状態における操作機能情報投影を行うためのデータ(KG0)を読み出して、操作機能情報を含む映像信号に相当する情報を生成し、操作機能情報(KG)に代入する。次のS1104「操作機能情報投影」にて情報処理手段180は、操作機能情報(KG)を投影ドライバ164に出力するとともに、合成投影の指示を出力する。
投影ドライバ164は、コンピュータ装置800から取得したRGB信号等の映像信号に、情報処理手段180から取得した操作機能情報(KG)を操作スイッチ124の近傍に合成、又は入れ替えする処理を行って、光変調手段162に対して駆動信号を出力する。すると、投影手段165は、コンピュータ装置800から取得したRGB信号等の映像信号に対し、操作スイッチ124の近傍に操作機能情報(KG)を合成した投影光112を生成して投影する。その操作機能情報(KG=KG0)の投影例を図12示す。
図12に示す操作機能情報(KG=KG0)の投影例では、操作スイッチ124Aが映像113の設定に関する「メニュー」を投影する機能に割り当てられている状態を示している。したがって、操作スイッチ124Aの近傍には、操作機能情報122Aとして「メニュー」を投影している。その他の操作スイッチ124B、124Cには、いずれの機能も割り当てていないので、操作機能情報122B及び122Cには何も表示していない。なお、機能が割り当てられている操作スイッチ124A部分のみに、その操作スイッチ124Aの存在を示すためのスイッチ識別表示を行うようにしてもよい。
次のS1106「メニューボタンが操作されたか?」では、情報処理手段180は、メニューボタンの機能が割り当てられている操作スイッチ124Aが、利用者によって操作されるのを待つ処理を行っている。もし、利用者が操作スイッチ124Aを操作すると、その情報は受光情報処理手段178又は入力I/F171を経由して情報処理手段180が読み取る。すると、情報処理手段180が実行する処理は、次のS1108「メニュー映像読み出し」に進む。
S1108では、ROM183から、映像113の設定に関する「メニュー」を表示するためのデータ(MG1)を読み出して、メニューを含む映像信号に相当する情報を生成し、RAM181に記憶する。
次のS1110「反転投影対象設定」では、ROM183から、設定項目を指示するための反転投影対象の項目(HG1)を読み出して、反転投影対象(HG)としてRAM181に記憶する。
次のS1112「操作機能情報読み出し」では、ROM183から、メニュー投影時の操作機能情報投影を行うためのデータ(KG1)を読み出して、操作機能情報を含む映像信号に相当する情報を生成し、操作機能情報(KG)に代入してRAM181に記憶する。
次のS1114「メニュー投影」で情報処理手段180は、メニュー映像(MG)及びそのメニュー投影の中の反転投影対象(HG)を指定して投影ドライバ164に出力するとともに、合成投影の指示を出力する。
投影ドライバ164は、コンピュータ装置800から取得したRGB信号等の映像信号に、情報処理手段180から取得したメニュー映像(MG)及びそのメニュー投影の中の反転投影対象(HG)を合成、又は入れ替えする処理を行って、光変調手段162に対して駆動信号を出力する。すると、投影手段165は、コンピュータ装置800から取得したRGB信号等の映像信号に対し、メニュー映像(MG)の合成、又は入れ替えする処理を行うとともに、そのメニュー投影の中の反転投影対象(HG)に対して補色を用いて投影するなどの反転投影処理を行う。
そのメニュー映像(MG=MG1)と、その中の反転投影対象情報(HG)の投影例を図13に示す。
次に、メニュー映像(MG)が投影されている状態における、操作機能情報の投影例について説明する。
次のS1116「操作機能情報投影」で情報処理手段180は、操作機能情報(KG)を投影ドライバ164に出力するとともに、合成投影の指示を出力する。
投影ドライバ164は、コンピュータ装置800から取得したRGB信号等の映像信号に対してメニュー映像(MG)の合成、又は入れ替え処理、並びに、メニュー投影の中の反転投影対象(HG)を指定するとともに、操作機能情報(KG)を操作スイッチ124の近傍に合成、又は入れ替えする処理を行って、光変調手段162に対して駆動信号を出力する。
すると、投影手段165は、コンピュータ装置800から取得したRGB信号等の映像信号に対し、メニュー映像(MG)の合成、又は入れ替えする処理、並びにメニュー投影の中の反転投影対象(HG)に対して補色を用いて投影するなどの反転投影処理を行うとともに、操作スイッチ124の近傍に操作機能情報(KG)を合成した投影光112を生成して投影する。図13に示したメニュー映像(MG=MG1)とともに投影する操作機能情報(KG=KG1)の投影例を図14に示す。
図14に示すように、操作スイッチ124Aは反転投影対象情報(HG)を次の項目に移動させる機能に割り当てられているために、操作機能情報122Aとして「次項目」を投影している。例えば図14では、「投影位置の変更」の項目が反転投影(図14では網かけ状態で投影している。)されているが、利用者が操作スイッチ124Aを操作すると、反転投影はその下に投影されている「映像サイズの変更」に移動する。
一方、操作スイッチ124Bは、反転投影対象情報(HG)の項目を選択する機能に割り当てられているために、操作機能情報122Bとして「選択」を投影している。図14に示す状態で、利用者が操作スイッチ124Bを操作すると、反転投影されている「投影位置の変更」の処理が選択され、利用者が投影位置の変更を行うことが可能となる。
一方、操作スイッチ124Cは、映像113の設定に関する操作を中断する機能に割り当てられているために、操作機能情報122Cとして「キャンセル」を投影している。図14に示す状態で、利用者が操作スイッチ124Cを操作すると、図13に示したメニュー映像(MG)の投影を消去するとともに、操作機能情報(KG)の投影を、図12に示した内容に戻す処理を行う。これらの処理は、図11に示すS1118〜S1126を実行することにより実現しており、以下にその説明を行う。
S1118「次項目ボタンが操作されたか?」にて、情報処理手段180は、反転投影対象情報(HG)を次の項目に移動させる機能に割り当てられている操作スイッチ124Aが、利用者により操作されたか否かの判断を行っている。もし、操作スイッチ124Aが利用者により操作されたと判断した場合には、情報処理手段180が実行する処理はS1120「反転投影対象を指定された方向にシフト」に分岐する。
また、S1118にて操作スイッチ124Aが利用者により操作されなかったと判断した場合には、S1122「キャンセルボタンが操作されたか?」の判断に進む。
S1120にて情報処理手段180は、ROM183から、設定項目を指示するための次の反転投影対象の項目(HG2)を読み出して、反転投影対象(HG)としてRAM181に記憶し、処理はS1114に戻り、メニューの投影と操作機能情報の投影を指示する。すると、図15に示すメニュー映像(MG=MG1)と、その中の反転投影対象情報(HG=HG2)が投影される。
一方、S1122にて情報処理手段180は、キャンセルボタンが操作されたか否かの判断を行っている。もし、キャンセルボタンが操作されたと判断した場合には、S1124「メニュー投影消去」の処理に分岐する。また、キャンセルボタンが操作されていないと判断した場合には、S1126「選択ボタンが操作されたか?」の判断に進む。
S1124にて情報処理手段180は、投影ドライバ164に対し、S1114にて投影したメニュー映像(MG)の投影中止を指示する。すると投影ドライバ164は、コンピュータ装置800から取得したRGB信号等の映像信号に、操作機能情報(KG)のみを合成した投影光112を生成して投影する。S1124の処理が終了すると、情報処理手段180が実行する処理はS1102に戻り、初期状態における操作機能情報(KG=KG0)の投影を行う。
一方、S1126にて情報処理手段180は、選択ボタンが操作されたか否かの判断を行っている。もし、選択ボタンが操作されたと判断した場合には、図16に示すS1202「反転情報読み出し」の処理に分岐する。
また、S1122にて選択ボタンが操作されていないと判断した場合には、S1118の処理に戻り、利用者からの入力を待つ。
次に、選択ボタンが操作された際の処理について図16を参照し説明する。図14に示した例では、操作スイッチ124Bに選択ボタンの機能が割り当てられている。
S1202にて情報処理手段180は、RAM181から現在の反転対象情報(HG)を読み出すと共に、ROM183から現在の反転対象(HG)に付随する追加メニューの有無に関する情報、又は設定用投影の有無に関する情報を読み出す処理を行う。そして、処理は次のS1204「追加メニューあり?」の判断に進む。
S1204にて情報処理手段は、S1202で読み出した情報に基づいて、選択された反転対象情報に追加メニューがあるか否かの判断を行っている。もし、選択された反転対象情報に追加メニューがあると判断した場合には、S1206「追加メニュー映像読み出し」の処理に分岐して、下の階層のメニュー映像の投影処理を行う。また、追加メニューがないと判断した場合には、次のS1210「設定用の投影?」の判断に進む。
S1206にて情報処理手段180は、ROM183から映像113の設定に関する「追加メニュー」を表示するためのデータ(MG2)を読み出して、メニューを含む映像信号に相当する情報を生成し、RAM181に記憶する。
次のS1208「反転投影対象設定」では、ROM183から、設定項目を指示するための、追加メニューの反転投影対象の項目(HG3)を読み出して、反転投影対象(HG)としてRAM181に記憶する。その後、図11のS1114の処理に戻り、追加のメニュー映像(MG)及びそのメニュー投影の中の反転投影対象(HG)を指定して投影ドライバ164に出力するとともに、合成投影の指示を出力する。このようにして投影される追加のメニュー映像(MG)の投影例を、図17に示す。
図17では、「映像サイズの変更」の設定項目の追加メニューとして、「手動で映像サイズを変更」と「自動で映像サイズを変更」の2種類の項目を投影し、「手動で映像サイズを変更」の項目を反転投影(図17では網かけ状態で投影している。)している実施例を示している。
一方、S1210にて情報処理手段は、S1202にて読み出した情報に基づいて、選択された反転対象情報に設定のための投影があるか否かの判断を行っている。もし、反転対象情報に設定のための投影があると判断した場合には、S1212「メニュー投影消去」の処理に分岐する。また、設定の投影のための情報がないと判断した場合には、次のS1220「電源OFF?」の判断に進む。
S1212にて情報処理手段180は、投影ドライバ164に対し、S1114にて投影したメニュー映像(MG)の投影中止を指示する。すると投影ドライバ164は、コンピュータ装置800から取得したRGB信号等の映像信号に、操作機能情報(KG)のみを合成した投影光112を生成して投影する。S1212の処理が終了すると、次のS1214「設定用映像読み出し」の処理に進む。
S1214では、ROM183から、映像113の設定に関する「設定用の映像」を表示するためのデータ(SG1)を読み出して、設定用の映像信号に相当する設定用映像(SG)の情報を生成し、RAM181に記憶する。
次のS1216「設定用操作機能情報読み出し」では、ROM183から、設定用映像を投影した際の、操作機能情報投影を行うためのデータ(KG2)を読み出して、操作機能情報を含む映像信号に相当する情報を生成し、操作機能情報(KG)に代入してRAM181に記憶する。
次のS1218「元のボリューム値を記憶」で情報処理手段180は、設定前の元のボリューム値(VR0)をRAM181に記憶する処理を行う。元のボリューム値とは、例えば以下に説明する値である。
利用者が設定メニューの中の「映像サイズの変更」を選択して、映像サイズを変更する場合には、変更前の映像サイズの設定値をボリューム値(VR0)に代入しておく。元のボリューム値(VR0)の記憶処理が終了すると、処理は図18に示すS1302「設定映像投影」の処理に進む。
図18は、映像113の投影位置、映像サイズ、明るさ等の設定用の映像を投影する処理を説明するフローチャートである。
S1302にて情報処理手段180は、S1214にてRAM181に記憶した設定用映像(SG)を読み出して投影ドライバ164に出力するとともに、合成投影の指示を出力する。
投影ドライバ164は、コンピュータ装置800から取得したRGB信号等の映像信号に、情報処理手段180から取得した設定用映像(SG)を合成、又は入れ替えする処理を行って、光変調手段162に対して駆動信号を出力する。すると、投影手段165は、コンピュータ装置800から取得したRGB信号等の映像信号に対し、設定用映像(SG)の合成、又は入れ替えする処理を行って投影光112を生成して投影する。
その設定用映像(SG)の投影例を図19に示す。
図19は、手動で映像サイズを変更する際の設定用映像(SG)の投影例である。
図19に示す例では、変更前の元の映像サイズ設定値として、50%のボリューム値(VR0)が設定されており、50%を示す5個のボリューム表示がなされている状態を示している。
次に、設定用映像(SG)が投影されている状態における、操作機能情報の投影例について説明する。
図18に示すS1304「操作機能情報投影」にて情報処理手段180は、S1216にてRAM181に記憶した操作機能情報(KG)を読み出して投影ドライバ164に出力するとともに、合成投影の指示を出力する。
投影ドライバ164は、コンピュータ装置800から取得したRGB信号等の映像信号に対して、操作機能情報(KG)を操作スイッチ124の近傍に合成、又は入れ替えする処理を行って、光変調手段162に対して駆動信号を出力する。すると、投影手段165は、コンピュータ装置800から取得したRGB信号等の映像信号に対し、メニュー映像(MG)の合成、又は入れ替えする処理、並びに操作スイッチ124の近傍に操作機能情報(KG)を合成した投影光112を生成して投影する。図19に示した設定用映像(SG=SG1)とともに投影する操作機能情報(KG=KG2)の投影例を図20に示す。
図20に示すように、操作スイッチ124Aは、ボリューム表示の移動をさせる機能に割り当てられているために、操作機能情報122Aとして「ボリューム移動」を投影している。例えば、図19に示す設定用映像(SG)が投影されている状態で、利用者が操作スイッチ124Aを操作すると、ボリューム表示が移動するとともに、図21で示すように60%のボリューム値(VR1)を設定することができる。これらの処理は、図18に示すS1308〜S1310を実行することにより実現している。
また、図20に示す例では、操作スイッチ124Bは、現在設定されているボリューム値を確定する機能に割り当てられているために、操作機能情報122Bとして「確定」を投影している。図20に示す状態で、利用者が操作スイッチ124Bを操作すると、現在投影されているボリューム値を確定して、その値を設定することができる。これらの処理は、図18に示すS1314〜S1316を実行することにより実現している。
また、操作スイッチ124Cは、映像113の設定に関する操作を中断する機能に割り当てられているために、操作機能情報122Cとして「キャンセル」を投影している。図20に示す状態で、利用者が操作スイッチ124Cを操作すると、現在投影されているボリューム値を破棄して、例えば図19に示した元のボリューム値に戻す処理を行う。これらの処理は、図18に示すS1320〜S1322を実行することにより実現している。
以下に、利用者により操作スイッチ124A〜124Cが操作された際の処理について説明する。
図18に示すS1306「ボリューム移動ボタンが操作されたか?」にて、情報処理手段180は、ボリューム値(VR)を変更する機能に割り当てられている操作スイッチ124Aが、利用者により操作されたか否かの判断を行っている。もし、操作スイッチ124Aが利用者により操作されたと判断した場合には、情報処理手段180が実行する処理はS1308「ボリューム値を変更」に分岐する。
また、S1306にて操作スイッチ124Aが利用者により操作されなかったと判断した場合には、S1312「確定ボタンが操作されたか?」の判断に進む。
S1308にて情報処理手段180は、現在のボリューム値(VR)をRAM181から読み出して、所定量のボリューム値を加算又は減算する処理を行って、新たなボリューム値としてRAM181に記憶する処理を行う。
そして、次のS1310「ボリューム表示を指定された方向にシフト」にて、ボリューム表示を指定された方向にシフトする映像信号(SG2)を生成し、設定用映像(SG)として投影ドライバ164に投影を指示する。すると、図21に示す設定用映像(SG=SG2)が投影される。図21に示す例では、変更後の映像サイズ設定値として、60%のボリューム値(VR)が設定されており、60%を示す6個のボリューム表示がなされている状態を示している。
一方、S1312にて情報処理手段180は、確定ボタンが操作されたか否かの判断を行っている。もし、確定ボタンが操作されたと判断した場合には、S1314「ボリューム値確定」の処理に分岐する。
また、S1312にて確定ボタンが操作されていないと判断した場合には、次のS1318「キャンセルボタンが操作されたか?」の判断に進む。
S1314にて情報処理手段180は、現在設定されているボリューム値(VR)を確定して、映像113の設定を変更する処理を行う。例えば、手動で映像サイズの変更を行っていた場合には、情報処理手段180は、現在設定されているボリューム値(VR)に相当する映像サイズに変更する指示を、投影ドライバ164に出力する処理を行う。
次のS1316「設定映像、操作機能情報消去」にて情報処理手段180は、投影ドライバ164に対し、S1302及びS1304にて投影した設定用映像(SG)と操作機能情報(KG)の投影中止を指示する。すると投影ドライバ164は、コンピュータ装置800から取得したRGB信号等の映像信号を用いて、投影光112を生成して投影する。S1316の処理が終了すると図11に示したS1108に戻り、メニュー映像(MG)と、そのメニュー映像(MG)に対応した操作機能情報(KG)の投影を行う。
一方、S1318にて情報処理手段180は、キャンセルボタンが操作されたか否かの判断を行っている。もし、キャンセルボタンが操作されたと判断した場合には、S1320「ボリューム値を元に戻して確定」の処理に分岐する。また、キャンセルボタンが操作されていないと判断した場合には、S1306に戻り、利用者による選択ボタンの操作を待つ処理を行う。
S1320にて情報処理手段180は、現在設定されているボリューム値(VR)を破棄し、RAM181に記憶されている元のボリューム値(VR0)を読み出して確定して、映像113の設定を元に戻す処理を行う。例えば、手動で映像サイズの変更を行っていた場合には、情報処理手段180は、設定前の元のボリューム値(VR0)に相当する映像サイズに戻す指示を、投影ドライバ164に出力する。
次のS1322にて情報処理手段180は、投影ドライバ164に対し、S1302及びS1304にて投影した設定用映像(SG)と操作機能情報(KG)の投影中止を指示する。すると投影ドライバ164は、コンピュータ装置800から取得したRGB信号等の映像信号を用いて、投影光112を生成して投影する。S1316の処理が終了すると図11に示したS1108に戻り、メニュー映像(MG)と、そのメニュー映像(MG)に対応した操作機能情報(KG)の投影を行う。
以上のようにして、操作スイッチ124に割り当てる機能を可変にするとともに、その操作スイッチ124の操作機能情報122を操作スイッチ124の近傍に投影して、映像113の投影位置、投影する映像のサイズ、明るさ、コントラスト、ガンマ、色温度、色調、シャープネス、水平位置、垂直位置、ヘルプの投影、投影言語の設定、投影時間の設定、メニュー投影、選択スイッチ、又は電源スイッチ等の設定を、容易に行うことが可能となる。
次に、投影装置における投影手段の高さを変更することが可能な可変機構について説明する。
図22は、図1に示した投影装置110の支柱116に代えて、台座218に対する投影手段114の高さを変更することが可能な可変機構を備えた投影装置210の実施形態を示す図である。
図22に示すように、投影装置210の投影手段114は、コンピュータ装置からRGB信号等の映像信号を入力し、この入力した映像信号に基づいた投影光112を生成して卓上に映像113を投影する。
本発明によれば、投影手段114を、パンタグラフ式可変機構216によって、昇降自在に台座218に立設させている。したがって、投影手段114の高さを変更することができるので、投影装置210を収納する際には台座218に対する投影手段114の高さを低くして、コンパクトに収納することができる。
また、図22に示すように、台座218に対する投影手段114の高さを変更することが可能な可変機構を備えることによって、投影する映像113の大きさを調節することができる。なお、台座218に対する投影手段114の高さを変更する可変機構として、スライド式の可変機構、アーム式の可変機構等を用いることができる。
また、台座218に、投影光112により映像113の一部を形成することが可能な投影領域119を設けることにより、投影手段114を台座218の重心位置寄りに立設させることができる。したがって、投影装置210を卓上に載置した際の安定性が増す。また、投影光112の照射角度を垂直に近づけることができるので、歪みの少ない映像を形成させることができる。
図23は、図1に示した投影装置110の台座118に、スクリーン340の収納機構を備えた投影装置310の実施形態を示す図である。
図23に示すように、投影装置310の台座318には、投影光112により映像の一部を形成することが可能な投影領域119を設けるとともに、台座318の内部にスクリーン340を収納するための巻取り式収納機構342を備えている。
本発明によれば、台座318の内部にスクリーン340を収納するための巻取り式収納機構342を備えたので、スクリーン340を台座318内にコンパクトに収納することができる。巻取り式収納機構342を設ける位置は、図23に図示するように投影領域119の下部に限定するものではない。なお、巻取り式収納機構342を投影領域119の下部又は光検出器の下部に重なるように設けることによって、台座318を小型にすることができる。
また、台座318の一部に投影領域119を設けることによって、投影手段114を台座318の重心位置寄りに立設させることができ、投影装置310を卓上に載置した際の安定性を増すことができる。また、投影光112の照射角度を垂直に近づけることができるので、歪みの少ない映像を形成させることができる。なお、スクリーン340の収納機構は、図22に示したパンタグラフ式可変機構216等の可変機構と併用することが可能である。
図24は、図23に示したスクリーン340の収納機構を備える台座318に、転倒防止用の安定部材を備えた投影装置410の実施形態を示す図である。
図24に示すように、投影装置410の台座418には、台座418の内部にスクリーン340を収納するための巻取り式収納機構342と、使用時における投影装置410の転倒を防止して安定性を増すためのパンタグラフ式安定部材444を備えている。台座418の一部にパンタグラフ式安定部材444を備えることによって、投影装置410の使用時の安定性を向上させつつ、投影装置410をコンパクトに収納することができる。
巻取り式収納機構342並びにパンタグラフ式安定部材444を設ける位置は、図24に示した投影領域119の下部に限定するものではないが、巻取り式収納機構342並びにパンタグラフ式安定部材444の収納部を、投影領域119の下部又は光検出器の下部に重なるように設けることによって、台座418を小型にすることができる。なお、パンタグラフ式安定部材444の収納部を、巻取り式収納機構342の下側に重ねるように配置することもできる。
図25は、図1に示した投影装置110の台座118に、転倒防止用の安定部材を備えた投影装置510の実施形態を示す図である。
図25に示すように、投影装置510の台座518は、使用時における投影装置510の安定性を向上させて転倒を防止するための、収納式安定部材546を備えている。台座518の投影領域の部分に、収納可能な収納式安定部材546を備えることによって、投影装置510の使用時の安定性を向上させつつ、投影装置510をコンパクトに収納することができる。また、台座518の内部に、図23に示した巻取り式収納機構342を併設するようにしてもよい。
図25に示す例では、台座518の両端部に、中央方向に向かって収納可能な収納式安定部材546を設けた実施例を示しているが、本発明はこの形態に限定されるものではなく、台座518の中央部に収納式安定部材546を備えるように構成してもよい。
(第2実施形態)
図26は、図1に示した投影装置110の台座部分に、固定式のスクリーン640を設けることによって、投影装置610の安定性を更に向上させた実施形態を示す図である。
投影装置610は、映像信号に基づいた投影光112を生成してスクリーン640に映像を投影する投影手段114と、投影手段114を支持する支柱116と、投影手段114及び支柱116を立設させる台座618とを備えている。投影装置610は、図示しないコンピュータ装置からRGB信号等の映像信号を入力し、この入力した映像信号に基づいた投影光112を生成して、台座618に設けたスクリーン640に向けて投影する。台座618に、投影光112により映像113を形成する投影領域となるスクリーン640を設けることによって、照射する投影光112を垂直に近づけることができる。したがって、歪みが少なく、見やすい映像113を表示させることができる。
また、台座618にスクリーン640を設けることによって、台座の設置面を映像側に広く設定することができる。これにより、投影手段114及び支柱116を台座618の重心位置寄りに立設させることができるので、投影装置610を卓上に載置した際の安定性が増して、投影装置610の転倒を防止することができる。
また、図26に示すように、利用者が映像113に関連する操作を行う際に操作スイッチ124として、光検出器126を台座618に設けることができる。操作スイッチ124として光検出器126を用いた場合には、利用者が光検出器126の上に指を翳して、光検出器126が受光している投影光112を遮ると、光検出器126が出力する受光情報が変化するので、投影装置610は、利用者により光検出器126が操作されたことを検出することができる。
また、投影装置610は、投影されている映像113の一部に、操作スイッチ124に割り当てられている機能を利用者に通知する操作機能情報122を表示して、利用者による利便性を向上させている。また、投影されている映像113の一部に、操作スイッチ124の存在を示すために、操作スイッチ124の範囲又はその周囲を識別するスイッチ識別表示を行うようにしてもよい。スイッチ識別表示は、背景に対する補色、又はコントラストの高い表示を用いるとよい。また、操作スイッチ124として光検出器126を用いる場合には、スイッチ識別表示として、白色光などの輝度の高い光や、蛍光灯などの照明には含まれない波長の光を投影するとよい。
操作スイッチ124の機能や作用は、図1にて説明した内容と同一であるので、ここでは説明を省略する。操作スイッチ124は、映像113の外部に設けてもよいし、操作スイッチ124として光検出器126を用いる代わりに、押しボタン等の入力手段170(図4参照。)を用いることも可能である。
図27は、図26に示した投影装置610において、台座618に折り畳み式のスクリーン740を備えた投影装置710の実施形態を示す図である。
図27に示すように投影装置710には、台座718にスクリーンを設けるとともに、ヒンジ等によるスクリーンの折り畳み機構748を設けてある。台座718に折り畳み式のスクリーン740を設けることによって、良質な映像を表示しつつ、投影装置710の収納を容易にすることができる。
また、スクリーン740を折り畳んだ際に、機械式の操作スイッチ124を押下する構成、又は光検出器126から構成される操作スイッチ124が受光している光を遮る構成として、機械式の操作スイッチ124が押下されたこと又は光検出器126の操作スイッチ124が受光している光が遮られたことを検出した際に、投影装置710の電源を遮断する構成としてもよい。また、機械式の操作スイッチ124が開放されたこと又は光検出器126が光を受光したことを検出した際に、投影装置710の電源を投入する構成としてもよい。これにより、スクリーン740の折り畳みを行うのみで、投影装置710の電源の遮断又は投入を自動で行うことができる。
なお、図27に示す実施形態では、折り畳み機構748をスクリーン中央部の一カ所に設け、折り畳む側のスクリーン740が操作スイッチ124に覆いかぶさるようにK方向に折り畳む実施形態を示してあるが、K方向とは反対側のL方向に折り畳むように構成してもよい。また、折り畳み機構748をスクリーンの複数箇所に設けて、スクリーンを蛇腹状に折り畳むようにして、より投影装置710をコンパクトに収納するように構成してもよい。