JP2007239621A - ギヤポンプ - Google Patents

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鈴木  茂
Masaki Ota
太田  雅樹
Kazuro Murakami
和朗 村上
Katsumi Yamashita
勝巳 山下
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Abstract

【課題】閉じ込みによる液体の噴流を直接受けることのない、改良された閉じ込み防止孔を有するギヤポンプの提供にある。
【解決手段】互いに噛合し逆方向に回転するギヤ16、20をハウジング11内に配置し、両ギヤ16、20の側面に摺接して設けられたサイドプレート23、24にギヤ噛み合い部分における液体閉じ込みを防ぐための閉じ込み防止孔30、31及び35、36が形成されているギヤポンプ10において、吐出室27側の閉じ込み防止孔30、35の内壁面のうち、少なくとも両ギヤ16、20のピッチ円c1、c2の接点F側に近い内壁面を両ギヤ16、20に対して向かい合う斜面30c、35cで形成し、該斜面30c、35cを接点F側から吐出室27に向かって傾斜した斜面とする。
【選択図】 図3

Description

この発明は、油圧機器における作動油等の液体を圧送するギヤポンプに関する。
特許文献1で開示された従来技術では、駆動軸2Sに軸着されたギヤ2と従動軸3Sに軸着されたギヤ3とがケーシング1内に互いに噛合状態で配設されている。又、駆動軸2Sと従動軸3Sとは、ケーシング1内に配設された軸受6、7に回転可能に軸支されている。両ギヤ2、3の側面には側板4、5が摺接して設置されており、歯側面をシールしている。この側板4、5にはギヤ噛み合い部分における液体の閉じ込みを防止するための液体逃がし孔H1、H2が形成されている。
液体逃がし孔H1とH2において両ギヤの噛み合い点E側寄りに段差部D1、D2が、側板4と一体的に形成されている。この段差部D1、D2が存在することにより、閉じ込みが起きる時の液体の噴流を、段差部D1、D2に噴射させた後、液体逃がし孔H1、H2から逃すことが可能となり、軸受部材に直接噴き付けられることによる損傷を防止できるとしている。
特開平8−121352号公報(第2〜3頁、図1)
しかし特許文献1で開示された技術では、ギヤ2、3間で閉じ込められ高圧となった液体は、閉じ込み部と液体逃がし孔H1、H2との連通に伴い、その開口側より噴流となって噴出し、噴出した高圧液体は側板の段差部D1、D2にほぼ直角に噴き付けられる。段差部D1、D2はこの噴流による強い圧力を直接受けることになり、この圧力を繰り返し受けることにより、侵食を受け摩耗粉が発生してしまう問題がある。この問題は、側板4が鉄系金属であっても変わらない。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、閉じ込みによる液体の噴流を直接受けることのない、改良された閉じ込み防止孔を有するギヤポンプの提供にある。
上記課題を達成するため、請求項1記載の発明は、互いに噛合し逆方向に回転するギヤをハウジング内に配置し、両ギヤの側面に摺接して設けられたサイドプレートにギヤ噛み合い部分における液体閉じ込みを防ぐための閉じ込み防止孔が形成されているギヤポンプにおいて、前記閉じ込み防止孔の内壁面のうち、少なくとも両ギヤのピッチ円の接点側に近い内壁面の少なくとも一部を、前記両ギヤに対して向かい合う斜面としたことを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、閉じ込み防止孔の内壁面のうち、少なくとも両ギヤのピッチ円の接点側に近い内壁面の少なくとも一部を、両ギヤに対して向かい合う斜面で形成されているので、ギヤ間に形成される閉じ込み部と、閉じ込み防止孔の両ギヤのピッチ円の接点側に近い部位とが連通される時に、閉じ込み部に閉じ込められ高圧となった液体が上記連通された開口側より噴流となって噴出し、閉じ込み防止孔の接点側に近い内壁面の方に噴き付けられる。しかし、接点側に近い内壁面の少なくとも一部が、両ギヤに対して向かい合う斜面となっているので、噴流となった液体は閉じ込み防止孔の傾斜した斜面に直角に噴き付けられることはなく、斜面に斜めに吹き付けられ斜面に沿って下流に流れる。従って、斜面が噴流により受ける圧力は非常に小さく、サイドプレートの侵食を防止でき、侵食による金属粉の発生も防止できる。
又、噴流は斜面を流れた後、閉じ込み防止孔と対向する位置にあるハウジングと衝突するが、その衝突地点が噴流の噴き出し口より離れた位置にあり、且つハウジングとの衝突角度が斜めとなっているので、ハウジングの受ける力は小さくなり、ハウジングが侵食されることを防止できる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のギヤポンプにおいて、前記斜面は吐出室側の閉じ込み防止孔に形成されていることを特徴とする。
請求項2記載の発明によれば、斜面は吐出室側の閉じ込み防止孔に形成されているので、ギヤ間の閉じ込み部に閉じ込められた液体が、ギヤの回転に伴ってより高圧に圧縮された状態で吐出室側の閉じ込み防止孔と連通される時に、より高圧状態にある噴流を閉じ込み防止孔の斜面に沿って流すことが可能となり、サイドプレート及びハウジングの侵食を効果的に防止できる。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載のギヤポンプにおいて、前記斜面は直線状に形成されていることを特徴とする。
請求項3記載の発明によれば、斜面は直線状に形成されているので、噴流は直線状の斜面に沿って流れることにより、請求項1又は2と同様の効果を得ることができる。加えて、斜面が直線状であるので加工が容易であり、製造工数を短縮できる。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項記載のギヤポンプにおいて、前記サイドプレートを挟んで前記ギヤとは反対側に配設されているハウジングの前記閉じ込み防止孔に対向する位置に傾斜溝を設け、該傾斜溝を前記斜面に対して連続した斜面となるように形成されたことを特徴とする。
請求項4記載の発明よれば、サイドプレートを挟んでギヤとは反対側に配設されているハウジングの閉じ込み防止孔に対向する位置に傾斜溝を設け、該傾斜溝を前記斜面に対して連続した斜面となるように形成されているので、閉じ込み防止孔の斜面を流れた噴流は、更にハウジングの傾斜溝に沿って流れることが可能となり、ハウジングとの衝突による侵食を一層防止できる。又、噴流の流れる斜面の距離を増やすことにより、噴流の圧力を弱めることができる。
この発明によれば、閉じ込み防止孔の内壁面を斜面で形成することにより、閉じ込められた液体の噴流による侵食を防止できる。
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態に係るギヤポンプを図1〜図5に基づいて説明する。
この実施形態のギヤポンプ10は、フォークリフトやダンプカーに搭載されるギヤポンプであり、具体的には荷役装置におけるリフトシリンダやティルトシリンダ等へ作動油を供給するためのギヤポンプである。
図1に示すギヤポンプ10には、ギヤポンプ10の外郭であるハウジング11が形成されているが、このハウジング11は、ギヤ収容孔13aが形成されたシリンダブロック13と、そのシリンダブロック13の前部側に接合されるフロントハウジング12と、シリンダブロック13の後部側に接合されるリヤハウジング14とから構成されている。ここで、シリンダブロック13に対し、フロントハウジング12側(図1で左側)を前部側とし、リヤハウジング14側(図1で右側)を後部側とする。
そして複数の連結ボルト25によって、フロントハウジング12、シリンダブロック13及びリヤハウジング14が一体的に締め付け固定され、ハウジング11が形成されている。
駆動用のギヤ16と駆動軸15は一体成形されており、駆動軸15の前後部はフロントハウジング12とリヤハウジング14にそれぞれ設けられた軸受17、18により回転可能に軸支されている。又、駆動軸15はフロントハウジング12を貫通して配置されており、駆動軸15の前部を支持する軸受17の前方に、軸受17の周面に渡って摺接する軸封装置34が備えられている。又、この実施形態における駆動軸15の前端部は、図示しない動力伝達機構を介して外部駆動源に連結されている。
従動用のギヤ20と従動軸19は一体成形されており、従動軸19の前後部はフロントハウジング12とリヤハウジング14にそれぞれ設けられた軸受21、22により回転可能に軸支されている。
そして、両ギヤ16、20の両側面16a、20aには、サイドプレート23、24が摺接されており、サイドプレート23、24によりギヤ側面16a、20aをシールしている。尚、サイドプレート23、24の両ギヤ16、20の側面16a、20aとの摺接側を表面側とし、その反対側を裏面側とする。
図2に示されるように、シリンダブロック13には、眼鏡状のギヤ収容孔13aが貫通形成されており、ギヤ収容孔13aにはギヤ16とギヤ20を噛合させた状態で収容することが可能となっている。両ギヤ16、20のピッチ円c1、c2の接点(ピッチ点)をFとすれば、ギヤ収容孔13aの接点Fに近い左右両端部には、液体の吸入室26と、両ギヤ16、20の回転により搬送された液体の吐出室27とが、軸線方向に平行に形成されている。
吸入室26に導入された低圧の液体は、ギヤ16及びギヤ20の逆方向への回転と共にそれぞれのギヤの歯先とギヤ収容孔13aの内周面とにより形成される歯先空間に分離され、そのままギヤ収容孔13aの内周面に沿って搬送されることにより、高圧の液体となり吐出室27の方へと送り出される。その後ギヤ16とギヤ20とは、噛み合って回転し、接点Fを経由して再び吸入室26へと到る。
図3に示されるように、サイドプレート23は、瓢箪型の形状をした平板であり、材料としては、表面側に銅、鉛、スズ等の焼結層を有する焼結合金を用いており、図3に示すように上下に駆動軸15及び従動軸19を挿通するための貫通孔28、29が形成されている。貫通孔28、29の周辺には、円弧部23a、23b、23c、23dが形成されており、この円弧部23a、23b、23c、23dは、ギヤ収容孔13aの内周面に接合して取り付けられるようになっている。又、吐出室27及び吸入室26側のサイドプレート23の外周面には凹み部23e、23fが形成されている。そして、サイドプレート23の反ギヤ噛み合い側となる上下の外周面は、直線部23g、23hが形成されている。この直線部23g、23hとギヤ収容孔13aの内周面間に形成される隙間まで、サイドプレート23とフロントハウジング12との間の隙間を通って、吐出室27の高圧の液体が導入される。吐出室27の高圧の液体がサイドプレート23とフロントハウジング12との間、すなわちサイドプレート23の裏面側に導くことにより、サイドプレート23の表面側を両ギヤ16、20の側面16a、20aに押し付けるようにしている。
そして、両ギヤ16、20の噛み合い部分における、吐出室27側と吸入室26側の間に、サイドプレート23、24と両ギヤ16、20の噛み合い部分との空間への液体閉じ込みを防ぐための閉じ込み防止孔30、31がサイドプレート23に形成されている。閉じ込み防止孔30、31は、上下方向(中心線mの方向)に長辺部を有する長円孔で形成されている。駆動軸15の軸心Oと従動軸19の軸心Pとを結ぶ中心線mと、閉じ込み防止孔30、31の上記中心線m側の内壁面との間の距離は、それぞれn1、n2に設定されている。n1、n2の寸法は、ギヤの歯型及び歯数などにより自動的に定められる。両ギヤ16、20のピッチ円c1、c2の接点Fは、上記中心線m上に存在する。そして、吐出室27側にある閉じ込み防止孔30は内壁面30dが傾斜面となっている。
図4に示されるように、閉じ込み防止孔30は、サイドプレート23のギヤ16、20の側面16a、20aと接触する表面側に、サイドプレート23の表面に対し直角に一定の深さを有する座繰り孔30aと、それに連設された傾斜孔30bとで構成されている。傾斜孔30bは、長円孔の内壁面30dの全周に渡り、サイドプレート23の表面側から裏面側の方向に向かい反末広がり状に直線状の斜面30cが形成されている。斜面30cはギヤ16、20に対して向かい合っている。従って、閉じ込み防止孔30の接点F側に近い内壁面は、接点F側から吐出室27側に向かって傾斜した斜面30cを形成していることになる。
サイドプレート23とフロントハウジング12の間には、シール部材32が取り付けられ、シール部材32は図示しないが3の字状のゴム部材で形成されており、このシール部材32により吸入室26側の低圧域と、吐出室27側の高圧域とが区分されている。
又、閉じ込み防止孔30に対向するフロントハウジング12の端面には、溝33が設けられており、ギヤ16、20の歯先間の閉じ込み部q1に閉じ込められた液体が、閉じ込み防止孔30の方に噴出される時に、この溝33を通って、吐出室27側に排出される。
サイドプレート24についても、サイドプレート23と同じ形状をしており、サイドプレート23の閉じ込み防止孔30、31に対向する位置に、それぞれ閉じ込み防止孔35、36が形成されており、吐出室27側にある閉じ込み防止孔35は内壁面35dが傾斜面となっている。(図2にその一部を示す)該傾斜面は斜面30cと同様にギヤ16、20に対して向かい合うように形成されている。
以上の構成を持つギヤポンプ10について作用の説明を行う。
吸入室26に導入された低圧の液体は、ギヤ16、20の歯先と、ギヤ収容孔13aの内周面とサイドプレート23、24の表面とによって囲まれた歯先空間内に順次送り込まれると共に、ギヤ16及びギヤ20の逆方向への回転に伴って、それぞれギヤ収容孔13aの内周面に沿って搬送され、高圧の液体となり吐出室27の方へと送り出される。吐出室27へと送り込まれた高圧の液体は、吐出室27と連結された図示しない荷役装置の油圧機器等に供給される。
一方、ギヤ16とギヤ20とは、吐出室27を過ぎると噛み合い状態となり回転するが、ギヤ16とギヤ20の歯先間に閉じ込み部が形成され、この閉じ込み部に液体が閉じ込められる。図3で説明すると、吐出室27側より吸入室26側へとギヤ16、20が回転し、噛み合い状態となる時のギヤ16、20のそれぞれの歯をS1、S2及びS3、S4とすると、図3においては、S1、S2、S3及びS4によって閉じ込み部q1が形成されている。ギヤ16、20の噛み合い回転に伴い閉じ込み部q1は、閉じ込み空間の容積が小さくなり、閉じ込み部q1に閉じ込まれた液体は圧縮されようとするが、その途中で、閉じ込み部q1が閉じ込み防止孔30、35に連通して、閉じ込み部q1内の液体が閉じ込み防止孔30、35を通過する。
図5に基づいて説明すると、図5(a)は図3の状態より前の状態を表し、歯S1と歯S3とが噛み合い、歯S2と歯S4とが噛み合い始めて、閉じ込み部q1が生じ始めた初期段階である。図5(a)に示されるように、歯先S1、S2、S3、S4によって形成された閉じ込み部q1は、両ギヤ16、20の矢印G方向への移動に伴い、サイドプレート23に形成された閉じ込み防止孔30の位置にさしかかり、閉じ込み防止孔30と連通される。この時、閉じ込み部q1に閉じ込められた液体は、歯先S1、S2、S3、S4間で閉じ込み部q1の容積変化に伴い圧縮されることにより、その液体の一部が上記連通された開口より閉じ込み防止孔30の方へと噴流となり流される。この場合には、閉じ込み部q1の閉じ込み防止孔30への開口の幅t1は充分大きく、又、閉じ込み部q1に閉じ込められた液体の圧力は、吐出室27の圧力に近い状態なので、噴流の圧力は小さい。
次に、図5(b)に示されるように、閉じ込み部q1の位置が矢印G方向に移動し、歯先S1、S2、S3、S4間の間隔が狭まることにより、閉じ込み部q1に閉じ込められた液体はかなり高圧に圧縮された状態となる。この時、閉じ込み部q1の閉じ込み防止孔30への開口の幅t2は、図示されるようにかなり狭くなっている。従って、閉じ込み部q1に閉じ込められ高圧に圧縮された液体は、上記連通された開口t2より絞られて噴流となって矢印L方向に噴出し、閉じ込み防止孔30の斜面30cの方に噴き付けられる。
この時、斜面30cが両ギヤ16、20のピッチ円の接点F側から吐出室27に向かって傾斜した斜面となっているので、噴流となった液体は閉じ込み防止孔30の傾斜した斜面30cに直角に噴き付けられることはなく、斜面30cに対して斜めに吹き付けられることとなり、斜面30cに沿って下流に流れる。そして、斜面30cに沿って下流に流れた液体は、閉じ込み防止孔30と対向する位置にあるフロントハウジング12の溝33に至り、溝33を通って吐出室27側に排出される。
次に、図5(c)に示されるように、両ギヤ16、20の回転に伴い閉じ込み部q1の位置が矢印G方向に移動し、閉じ込み部q1は閉じ込み防止孔30との連通を終えて、閉じ込み部q1と吸入室26側の閉じ込み防止孔31とが連通される。この時、閉じ込み部q1に閉じ込められた液体の一部は、連通された開口t3を通って閉じ込み防止孔31の方へ流れる。この場合には、噴流の圧力は図5(b)の場合と比較して、それ程高くはない。
そして両ギヤ16、20が更に回転すると閉じ込み部q1が開放され、両ギヤ16、20の噛み合いが解消されて吸入室26へと帰還して行く。
尚、サイドプレート24に形成されている閉じ込み防止孔35、36についても、上記サイドプレート23における閉じ込み防止孔30、31と同等の作用が得られる。
この実施形態に係るギヤポンプによれば以下の効果を奏する。
(1)閉じ込み防止孔30、35の内壁面のうち、少なくとも両ギヤ16、20のピッチ円の接点F側に近い内壁面30d、35dが両ギヤ16、20に対して向かい合う斜面30c、35cで形成されている。従って、ギヤ16、20の歯先間に形成される閉じ込み部q1と、閉じ込み防止孔30、35の両ギヤ16、20のピッチ円の接点F側に近い部位とが連通される時に、閉じ込み部q1に閉じ込められ高圧に圧縮された液体が上記連通された開口t2側より噴流となって噴出し、閉じ込み防止孔30、35の斜面30c、35cの方に噴き付けられる。
この時、斜面30c、35cが接点F側から吐出室27に向かって傾斜した斜面となっているので、噴流となった液体は閉じ込み防止孔30、35の傾斜した斜面30c、35cに直角に噴き付けられることはなく、斜面30c、35cに対して斜めに吹き付けられ、斜面30c、35cに沿って下流に流れる。従って、斜面30c、35cが噴流により受ける圧力は、噴流となった液体がサイドプレート23の垂直な面に直角に吹き付けられる場合と比較して非常に小さく、サイドプレート23、24の侵食を防止でき、侵食による金属粉の発生も防止できる。
(2)噴流は斜面30c、35cに沿って斜めに流れた後、閉じ込み防止孔30、35と対向する位置にあるフロントハウジング12と衝突するが、その衝突地点が噴流の噴き出す開口t2より離れた位置にあり、且つフロントハウジング12との噴流の衝突角度が斜めとなっているので、フロントハウジング12の受ける力は、噴流がフロントハウジング12に対して直角に衝突する場合と比較して小さくなり、フロントハウジング12が噴流により侵食されることを防止できる。又、フロントハウジング12の噴流の衝突地点に溝33が形成されているので、衝突した液体は、溝33を通って吐出室27側に円滑に排出される。
(3)吐出室27側の閉じ込み防止孔30、35が斜面30c、35cを有する傾斜孔30b、35bで形成されているので、ギヤ16、20間の閉じ込み部q1に閉じ込められた液体が、ギヤ16、20の回転に伴ってより高圧に圧縮された状態で吐出室27側の閉じ込み防止孔30、35と連通される時に、より高圧状態にある噴流を閉じ込み防止孔30、35の斜面30c、35cに沿って流すことが可能となり、高圧状態にある噴流によるサイドプレート23、24及びフロントハウジング12の侵食を効果的に防止できる。
(4)閉じ込み防止孔30、35は、座繰り孔30a、35aと、それに連設された傾斜孔30b、35bとで構成されており、傾斜孔30b、35bには、長円孔の内壁面の全周に渡り、サイドプレート23、24の裏面方向に向かい反末広がり状に斜面30c、35cが形成されている。従って、長円孔の一部に斜面を形成する場合と比較して、加工が容易であり、製造工数を短縮できる。
(5)斜面30c、35cは直線状に形成されているので、加工が容易であり、製造工数を短縮できる。
(6)閉じ込み防止孔30、35は、サイドプレート23、24のギヤ16、20の側面16a、20aと接触する表面側に、サイドプレート23、24の表面に対し直角に一定の深さを有する座繰り孔30a、35aと、それに連設された傾斜孔30b、35bとで構成されている。従って、直接傾斜孔30b、35bを形成する場合と比較して、閉じ込み防止孔30、35の位置決め、即ち中心線mとの距離n1を正確に設定し易い。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係るギヤポンプを図6に基づいて説明する。
この実施形態のギヤポンプは、第1の実施形態に係る閉じ込み防止孔30、35に連設して設けられた溝形状を変更したものである。
従って、ここでは、説明の便宜上、先の説明で用いた符号を一部共通して用い、共通する構成についてはその説明を省略し、変更した個所のみ説明を行う。
図6に示されるように、サイドプレート23の閉じ込み防止孔30に対向するフロントハウジング12の端面には、傾斜溝40が設けられており、傾斜溝40は閉じ込み防止孔30の斜面30cに対して、連続した斜面となるように設けられた傾斜面41を有する。つまり、傾斜溝40側へ延長した斜面30cの架空面上に傾斜溝40の傾斜面41が形成されている。
従って、閉じ込み防止孔30の斜面30cに沿って下流に流れる噴流は、更に傾斜溝40の傾斜面41に沿って流れ、吐出室27側に排出される。尚、サイドプレート24の閉じ込み防止孔35に対して、連続した斜面となるように設けられた傾斜溝についても上記と同等である。
この実施形態に係るギヤポンプによれば以下の効果を奏する。
尚、第1の実施形態における(1)、(3)〜(6)の効果は同じであり、それ以外の効果を記載する。
(1)サイドプレート23、24を挟んでギヤ16、20とは反対側に配設されているフロントハウジング12の閉じ込み防止孔30、35に対向する位置に傾斜溝40を設け、該傾斜溝40の傾斜面41が斜面30c、35cに対して、連続した斜面となるように設けられているので、閉じ込み防止孔30、35の斜面30c、35cに沿って流れた噴流は、更に斜面30c、35cに連続するように形成された傾斜溝40の傾斜面41に沿って流れることが可能となり、フロントハウジング12との衝突によるフロントハウジング12の侵食を一層防止できる。又、噴流の流れる斜面の距離を増やすことにより、噴流の圧力を弱めることができる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係るギヤポンプを図7に基づいて説明する。
この実施形態のギヤポンプは、第1の実施形態に係る閉じ込み防止孔30、35の斜面30c、35cを湾曲形状としたものである。
従って、ここでは、説明の便宜上、先の説明で用いた符号を一部共通して用い、共通する構成についてはその説明を省略し、変更した個所のみ説明を行う。
図7に示されるように、サイドプレート23の閉じ込み防止孔50は、座繰り孔50aと、それに連設された湾曲孔50bとで構成されており、湾曲孔50bには、長円孔の内壁面の全周に渡り、サイドプレート23の裏面方向に向かい下に凸状の湾曲面50cが形成されている。つまり、第1の実施形態に係る閉じ込み防止孔30、35の斜面30c、35cに対して、凹ませた曲面となっている。
従って、閉じ込み部q1に閉じ込められ高圧に圧縮された液体が連通された開口t2側より噴流となって噴出し、閉じ込み防止孔50の湾曲面50cの方に噴き付けられるが、
湾曲面50cが接点F側から吐出室27に向かって傾斜した湾曲面となっているので、噴流は湾曲面50cに沿って下流に流れる。尚、サイドプレート24の閉じ込み防止孔51については図示しないが、上記閉じ込み防止孔50と同等となっている。
この実施形態に係るギヤポンプによれば以下の効果を奏する。
尚、第1の実施形態における(2)、(3)、(6)の効果は同じであり、それ以外の効果を記載する。
(1)閉じ込み部t1に閉じ込められ高圧に圧縮された液体が連通された開口t2側より噴流となって噴出し、閉じ込み防止孔50、51の湾曲面50c、51cの方に噴き付けられるが、湾曲面50c、51cが接点F側から吐出室27に向かって傾斜した湾曲面を有しているので、噴流は湾曲面50c、51cに沿って下流に流れる。従って、噴流との衝突による摩擦を軽減でき、より円滑に噴流をフロントハウジング12の溝33の方へと案内できる。
(2)閉じ込み防止孔50、51は、座繰り孔50a、51aと、それに連設された湾曲孔50b、51bとで構成されており、湾曲孔50b、51bには、長円孔の内壁面の全周に渡り、サイドプレート23の裏面方向に向かい下に凸状の湾曲面50c、51cが形成されている。従って、長円孔の一部に湾曲面を形成する場合と比較して、加工が容易であり、製造工数を短縮できる。
(3)湾曲した斜面(湾曲面50c)となっているため、直線状の斜面となっている場合と比較して、斜面の距離が長くなっている。従って、湾曲面50cに沿って噴流がフロントハウジング12に至る距離が長くなるため、直線状の斜面を沿う場合と比較して噴流の勢いを弱めることができる。従って、フロントハウジング12への噴流の衝突による摩擦を低減することができる。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態に係るギヤポンプを図8に基づいて説明する。
この実施形態のギヤポンプは、第1の実施形態に係る閉じ込み防止孔31、36の内壁面も閉じ込み防止孔30、35と同様に斜面で形成したものである。
従って、ここでは、説明の便宜上、先の説明で用いた符号を一部共通して用い、共通する構成についてはその説明を省略し、変更した個所のみ説明を行う。
図8に示されるように、吸入室26側の閉じ込み防止孔60は、サイドプレート23のギヤ16、20の側面16a、20aと接触する表面側に、サイドプレート23の表面に対し直角に一定の深さを有する座繰り孔60aと、それに連設された傾斜孔60bとで構成されている。傾斜孔60bは、長円孔の内壁面60dの全周に渡り、サイドプレート23の表面側から裏面側の方向に向かい反末広がり状に直線状の斜面60cが形成されている。斜面60cはギヤ16、20に対して向かい合っている。従って、閉じ込み防止孔60の接点F側に近い内壁面は、接点F側から吸入室26側に向かって傾斜した斜面60cを形成していることになる。
サイドプレート24の吸入室26側にある閉じ込み防止孔61については図示しないが、上記閉じ込み防止孔60と同等となっている。
従って、図8に示されるように、両ギヤ16、20の回転に伴い閉じ込み部q1の位置が矢印G方向に移動し、閉じ込み部q1は閉じ込み防止孔30との連通を終えて、閉じ込み部q1と吸入室26側の閉じ込み防止孔60とが連通される。この時、閉じ込み部q1に閉じ込められた液体の一部は、連通された開口t3を通って閉じ込み防止孔60の方へ噴流となって流れる。この場合には、噴流の圧力は閉じ込み部q1と閉じ込み防止孔30との連通の場合と比較して、それ程高くはないが、一定の圧力を有している。
噴流は閉じ込み防止孔60の斜面60cの方に噴き付けられるが、斜面60cが両ギヤ16、20のピッチ円の接点F側から吸入室26に向かって傾斜した斜面となっているので、噴流となった液体は閉じ込み防止孔60の傾斜した斜面60cに直角に噴き付けられることはなく、斜面60cに対して斜めに吹き付けられることとなり、斜面60cに沿って下流に流れる。
この実施形態に係るギヤポンプによれば以下の効果を奏する。
尚、第1の実施形態における(1)〜(6)の効果は同じであり、それ以外の効果を記載する。
(1)吸入室26側の閉じ込み防止孔60、61が斜面60c、61cを有する傾斜孔60b、61bで形成されているので、ギヤ16、20間の閉じ込み部q1に閉じ込められた液体が、ギヤ16、20の回転に伴って吸入室26側の閉じ込み防止孔60、61と連通される時に、高圧状態にある噴流を閉じ込み防止孔60、61の斜面60c、61cに沿って流すことが可能となり、高圧状態にある噴流によるサイドプレート23、24及びフロントハウジング12の侵食を防止できる。吐出室27側に加えて吸入室26側の侵食の防止ができるので、ギヤポンプの信頼性を更に向上可能となる。
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能であり、例えば、次のように変更してもよい。
○ 第1、第2の実施形態では、サイドプレート23、24にそれぞれ閉じ込み防止孔30、31及び閉じ込み防止孔35、36を設けるとして説明したが、どちらか一方のサイドプレートにのみ、閉じ込み防止孔を設けても構わない。
○ 第1、第2、第3の実施形態では、吐出室27側の閉じ込み防止孔30、35、50、51に斜面を設けるとして説明したが、吸入室26側の閉じ込み防止孔31、36にも第4の実施形態と同じように斜面を設けても構わない。
○ 第1、第2、第4の実施形態では、吐出室27側の閉じ込み防止孔30、35に設ける傾斜面を長円孔の全周に渡り形成するとして説明したが、少なくとも両ギヤのピッチ円の接点側に近い内壁面のみを斜面で形成してあれば良い。
○ 第1、第2、第3、第4の実施形態では、座繰り孔30a、50a、60aをそれぞれ形成したが、座繰り孔30a、50a、60aを設けず、閉じ込み防止孔30、50、60の内壁面の全面を斜面30c、60c又は湾曲面50cで形成してもよい。
第1の実施形態に係るギヤポンプの縦断面図である。 図1のA−A線断面図である。 図1のB−B線断面図である。 図3のC−C線断面図である。 第1の実施形態に係る閉じ込み防止孔の作用を説明するための図である。 第2の実施形態に係る図4に対応する図面である。 第3の実施形態に係る図4に対応する図面である。 第4の実施形態に係る図4に対応する図面である。
符号の説明
10 ギヤポンプ
11 ハウジング
15 駆動軸
16 駆動ギヤ
19 従動軸
20 従動ギヤ
23 サイドプレート
24 サイドプレート
26 吸入室
27 吐出室
30 閉じ込み防止孔
30c 斜面
31 閉じ込み防止孔
35 閉じ込み防止孔
35c 斜面
36 閉じ込み防止孔
c1 ギヤ16のピッチ円
c2 ギヤ20のピッチ円
F ピッチ円c1、c2の接点

Claims (4)

  1. 互いに噛合し逆方向に回転するギヤをハウジング内に配置し、両ギヤの側面に摺接して設けられたサイドプレートにギヤ噛み合い部分における液体閉じ込みを防ぐための閉じ込み防止孔が形成されているギヤポンプにおいて、
    前記閉じ込み防止孔の内壁面のうち、少なくとも両ギヤのピッチ円の接点側に近い内壁面の少なくとも一部を、前記両ギヤに対して向かい合う斜面としたことを特徴とするギヤポンプ。
  2. 前記斜面は吐出室側の閉じ込み防止孔に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のギヤポンプ。
  3. 前記斜面は直線状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のギヤポンプ。
  4. 前記サイドプレートを挟んで前記ギヤとは反対側に配設されているハウジングの前記閉じ込み防止孔に対向する位置に傾斜溝を設け、該傾斜溝を前記斜面に対して連続した斜面となるように形成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載のギヤポンプ。
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