JP2007238837A - 天然ガスハイドレート生成プラントにおける脱水装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 天然ガスハイドレート生成プラントにおける脱水装置の脱水効率を向上させて、脱水器の小型化を図ることにより、天然ガスハイドレート生成プラントのコンパクト化を促進する。
【解決手段】 脱水器11の底部を逆円錐形の案内部11bによって形成し、第1生成器3で生成されたNGHスラリーPを供給するスラリー供給管14をこの逆円錐形の頂部に接続させて、頂部から供給する。供給されたNGHスラリーPは、スラリー供給管14の側方に澱むことなく、上昇流となって上昇しながら拡開し、円筒形の胴部に至って全面的に拡開するから、脱水処理の均一化を図れると共に、脱水器11の小型化を図れる。
【選択図】 図1
【解決手段】 脱水器11の底部を逆円錐形の案内部11bによって形成し、第1生成器3で生成されたNGHスラリーPを供給するスラリー供給管14をこの逆円錐形の頂部に接続させて、頂部から供給する。供給されたNGHスラリーPは、スラリー供給管14の側方に澱むことなく、上昇流となって上昇しながら拡開し、円筒形の胴部に至って全面的に拡開するから、脱水処理の均一化を図れると共に、脱水器11の小型化を図れる。
【選択図】 図1
Description
この発明は、天然ガスを輸送や貯蔵に適した状態に生成する天然ガスハイドレート生成プラントに設置されている脱水装置であって、スラリー状となったガスハイドレートから水分を除去するのに適した脱水装置に関する。
シベリアやカナダ、アラスカ等の凍土地帯や大陸周辺部における水深500m以下の海底下には、主成分がメタンである天然ガスハイドレート(NGH)が存在している。このNGHは、メタン等のガス分子と水分子とから構成される低温高圧下で安定した水状固体物質あるいは包接水和物であり、二酸化炭素や大気汚染物質の排出量が少ないクリーンエネルギーとして着目されている。
天然ガスは一般に液化された後、輸送・貯蔵されてエネルギーとして利用されているが、その製造や輸送・貯蔵は−162℃の極低温において行われている。これに対してNGHは、常圧下において−20℃でほとんど分解せずに安定した性質を示し、固体として扱うことができる等の利点を備えている。このような性質から、世界中に存在している採算面等の理由から未開発の中小ガス田におけるガス資源を有効に利用することができる手段として、あるいは大ガス田からの近距離、小口輸送の場合等にNGH方式を活用できる。
NGH方式では、中小ガス田等のNGH出荷基地(地上又は海上)において、輸送や貯蔵に適したNGHペレットを生成し、輸送船や車両等によって所望のNGH受入基地まで輸送され、NGH受入基地では輸送されたNGHを貯蔵し、必要に応じてNGH再ガス化装置によってエネルギー源として利用することになる。図3は、前記NGH出荷基地におけるNGH生成プラントの構成の一例を説明する概略図である。まず、天然ガスを貯蔵する天然ガスタンク1から天然ガスを、水タンク2から水を、高圧反応容器からなる第1生成器3に給送して、低濃度のNGHスラリーを生成する。次に、この低濃度スラリーを脱水器4に供給し、脱水する。脱水器4により脱水されたNGHは第2生成器5に供給され、天然ガス雰囲気中で高濃度のNGHスラリーあるいはパウダーを生成する。さらに、この第2生成器5を通過した高濃度スラリーあるいはパウダーは、造粒器6に給送されて造粒され、適宜な大きさのNGHペレットに形成される。そして、常圧下でも分解しない温度まで冷却器7によって冷却された後、ロータリバルブ8等によって貯蔵槽9に排出、貯蔵される。
例えば、特許文献1には、ガスハイドレートスラリーの脱水に要する動力を削減するガスハイドレートの製造装置が開示されている。この製造装置では、天然ガスと水を縦長の生成塔に導入して下から上に向かう循環流を形成させてガスハイドレートを生成し、生成されたガスハイドレートを循環流によって生成塔の出口付近に設けた濾過器に流入させ、ガスハイドレートから未反応の水を分離させるようにしてある。
ところで、前記第1生成器3により生成されたNGHスラリーは前記脱水器4に供給するには、図2に示すように、底部中央に接続されたスラリー供給管4aから行われている。このため、脱水器4内ではNGHスラリーSが、特許文献1に開示されているように、上向きでほぼ平行な流れとなっており、この流れによりNGHスラリー中の固形分が浮力により上昇しながら上部の固形分の層と、下部の水分の層とに分離される。そして、水分を脱水器4の適宜高さ位置に設けられた排水部4bから排出すると共に、上部に設けられたスラリー回収手段4cにより固形分が次工程の第2生成器5へ給送される。
上述した脱水器4は底面が円盤状に形成され胴部がこの円形を延ばした円筒状に形成され、前記スラリー供給管4aが底面の円形の中心に接続されている。このため、供給されたNGHスラリーSにより上昇流が生成される。ところで、脱水器による処理量を増加させるには、脱水器の内径を大きくする必要が生じ、そのために底面の径を大きくして底面積を大きくする必要がある。底面の径を大きくした場合、スラリー供給管が底面の中央に配されていると、底面の周縁部では上昇流が作用せずに澱みができてしまうおそれがある。このため、例えば、底面の中心の同心円上に複数本のスラリー供給管を配してスラリーを供給することが考えられる。しかし、複数本のスラリー供給管から供給されるNGHスラリーの供給量を等しくすることが難しく、脱水器内での流速分布を生じるおそれがある。このため、脱水器内において脱水処理が均一に行われず、NGHスラリーの濃度ムラが大きくなるおそれがある。
そこで、この発明は、脱水器の処理量を増加させる場合に、脱水器の内径を大きくしてもNGHスラリーの流速を均一とすることができる天然ガスハイドレート生成プラントにおける脱水装置を提供することを目的としている。
前記目的を達成するための技術的手段とし、この発明に係る天然ガスハイドレート生成プラントにおける脱水装置は、天然ガスハイドレートの製造過程における生成されたガスハイドレートスラリーの脱水装置において、前記脱水装置の脱水器の底部の側面を、下端部から上方にかけて徐々に拡開する勾配を備えた傾斜状に形成し、脱水器に前記スラリーを供給するスラリー供給管を、前記下端部に配したことを特徴としている。
例えば、脱水器の底部を逆四角錐等のように逆多角錐とすれば、底部の側面が傾斜状に形成される。そして、その下端部となる頂部にスラリー供給管を接続させてスラリーを供給するようにしたものである。供給されたスラリーが壁面に沿って案内されて上昇しながら、徐々に範囲が拡開される。
また、請求項2の発明に係る天然ガスハイドレート生成プラントにおける脱水装置は、天然ガスハイドレートの製造過程における生成されたガスハイドレートスラリーの脱水装置において、前記脱水装置の脱水器の底部を逆円錐形に形成し、脱水器に前記スラリーを供給するスラリー供給管を、前記逆円錐形の頂部に配したことを特徴としている。
脱水器の底部を、逆多角錐に代えて、成形加工が容易な逆円錐形としたものである。逆多角錐に比べてスラリーの拡開が均一に行われて、上昇流が生成される。
この発明に係る天然ガスハイドレート生成プラントにおける脱水装置によれば、脱水器に供給されたスラリーは徐々に拡開しながら上昇することになり、脱水器の径を大きくしても流速が均一となって脱水処理を均一に行うことができる。また、勾配で形成された側壁の下端部からスラリーが供給されるから、スラリーが滞留する部分がなく、供給されたスラリーを確実に処理することができる。
また、請求項2の発明に係る天然ガスハイドレート生成プラントにおける脱水装置によれば、供給されたスラリーはより均一に拡開されるから、脱水処理をより均一に行える。しかも、スラリーが滞留する部分が存せず、供給されたスラリーを確実に処理することができる。さらに、逆円錐形としたから、底部の成形加工が容易であり、胴部も成形が容易な円筒形とすることができ、脱水器の径を大きくする場合にも容易に対応することができる。したがって、スラリーの処理量の増大化を図ることができる。なお、底部を円形とした従来の円筒形の脱水器の場合と等しい処理量とした場合には、底部を逆円錐形とすることにより、脱水器の小型化を図ることができる。
以下、図示した好ましい実施の形態に基づいて、この発明に係る天然ガスハイドレート生成プラントにおける脱水装置を具体的に説明する。
図1はこの発明に係る脱水装置10を説明する図で、生成されるNGHは高圧下で分解が抑制されることから、内圧が30〜70atmに耐える圧力容器で構成された脱水器11を主体として構成されている。この脱水器11の上部に、脱水されて浮上したNGHスラリーSを回収するスクリューコンベヤ等からなるスラリー回収手段12が設けられており、このスラリー回収手段12も耐圧容器で構成されて、その内部を脱水器11の内部と連通させてある。脱水器11の胴部から上部にかけてはほぼ円筒形に形成されており、胴部の適宜高さ位置には、壁体が網材または小孔が形成されたパンチングメタル等の分離板11aで構成されており、この分離板11aを通してNGHスラリーSが含んでいる未反応の水分がクッションタンク部13に排出されるようにしてある。
前記脱水器11の下部は逆円錐形に形成されて案内部11bとされており、この逆円錐形の頂部となる下端部に、前記第1生成器3で生成されたNGHスラリーSを供給するスラリー供給管14が接続されている。なお、前記案内部11bは逆円錐形に限らず、逆六角錐等のように逆多角錐に形成されたものであって構わない。
以上により構成されたこの実施形態に係る脱水装置10では、前記スラリー供給管14からNGHスラリーSが供給されると、案内部11b内を上昇する。このとき、案内部11bが逆円錐形に形成されているから、供給されたNGHスラリーSは脱水器11のスラリー供給管14を通る軸を中心として放射状に拡開しながら上昇することになる。さらに、脱水器11内を上昇する過程で、途中に設けられた前記分離板11aの網目や小孔を通って前記クッションタンク部13に水分が排出される。なお、このクッションタンク部13から回収された水は、前記水タンク2あるいは第1生成器3に戻され再利用することもできる。
また、脱水器11に供給されたNGHスラリーSは、逆円錐形の底部の壁面に沿って上昇するから、NGHスラリーSが滞留する部分が存せず、供給されたNGHスラリーSを確実に脱水処理に供することができる。
この発明に係る天然ガスハイドレート生成プラントにおける脱水装置によれば、底部が逆円錐形で形成されているため、全体を円筒形に形成した脱水器に比べて、脱水装置を小型化することができる。また、処理量を増加させる場合でも、底部の中心部の一箇所からNGHスラリーを供給できるから、処理の均一化と円滑な脱水処理を行って、エネルギー効率の高いNGHの生成に寄与する。
3 第1生成器
4 脱水器
4a スラリー供給管
10 脱水装置
11 脱水器
11a 分離板
11b 案内部
12 スラリー回収手段
13 クッションタンク部
S NGHスラリー
4 脱水器
4a スラリー供給管
10 脱水装置
11 脱水器
11a 分離板
11b 案内部
12 スラリー回収手段
13 クッションタンク部
S NGHスラリー
Claims (2)
- 天然ガスハイドレートの製造過程における生成されたガスハイドレートスラリーの脱水装置において、
前記脱水装置の脱水器の底部の側面を、下端部から上方にかけて徐々に拡開する勾配を備えた傾斜状に形成し、
脱水器に前記スラリーを供給するスラリー供給管を、前記下端部に配したことを特徴とする天然ガスハイドレート生成プラントにおける脱水装置。 - 天然ガスハイドレートの製造過程における生成されたガスハイドレートスラリーの脱水装置において、
前記脱水装置の脱水器の底部を逆円錐形に形成し、
脱水器に前記スラリーを供給するスラリー供給管を、前記逆円錐形の頂部に配したことを特徴とする天然ガスハイドレート生成プラントにおける脱水装置。
Priority Applications (1)
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JP2006065269A JP2007238837A (ja) | 2006-03-10 | 2006-03-10 | 天然ガスハイドレート生成プラントにおける脱水装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009123155A1 (ja) * | 2008-03-31 | 2009-10-08 | 三井造船株式会社 | ガスハイドレートの製造方法とその製造装置 |
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2006
- 2006-03-10 JP JP2006065269A patent/JP2007238837A/ja active Pending
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