JP2007237836A - エネルギー吸収部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】輸送機器が衝突を開始する際には、輸送機器に対して高い荷重が作用する。
【解決手段】鉄道車両が衝突した際に衝突のエネルギーを吸収するエネルギー吸収部材に関して、面板とリブが交わる結節点を貫通する穴をあける。これにより、衝突開始時に輸送機器に作用するピーク荷重を低減する。中空押出形材により構成したエネルギー吸収部材において、面板とリブが交わる結節点を貫通する穴をあける。
【選択図】図9
【解決手段】鉄道車両が衝突した際に衝突のエネルギーを吸収するエネルギー吸収部材に関して、面板とリブが交わる結節点を貫通する穴をあける。これにより、衝突開始時に輸送機器に作用するピーク荷重を低減する。中空押出形材により構成したエネルギー吸収部材において、面板とリブが交わる結節点を貫通する穴をあける。
【選択図】図9
Description
本発明は、エネルギー吸収部材に関するものである。
鉄道車両、道路車両などに代表される輸送機器では、運行中に予期しない衝突が生じることがある。このため、輸送機器に搭乗している乗員・乗客を保護するために、輸送機器の一部を積極的に変形させてエネルギーを吸収する概念が存在する。すなわち、乗員・乗客が搭乗しており衝突時につぶれないことを目的とした空間(以後、サバイバルゾーンと呼ぶ)と、積極的に変形させてエネルギーを吸収する空間(以後、クラッシャブルゾーンと呼ぶ)を分離して設けるという概念である。
鉄道車両を例に挙げると、クラッシャブルゾーンは、主にエネルギー吸収構造と梁構造という二つの構造に分類できる。エネルギー吸収構造とは衝突時に車体に作用するエネルギーの大部分を吸収する構造であり、主にエネルギー吸収部材により構成される。梁構造とはエネルギー吸収構造やクラッシャブルゾーンに付属する内装構造を支持する構造である。このうち、エネルギー吸収部材の例として、たとえば特開2004−168218号公報をあげることができる。当該発明は、焼鈍したアルミ合金製中空押出形材を用いて効率よくエネルギーを吸収することを示している。
上記従来技術では、エネルギー吸収部材に障害物が衝突し、エネルギー吸収部材が変形を開始する際に高いピーク荷重が生じる。図10は輸送機器に対して障害物が衝突した際、輸送機器に作用する荷重と変位の関係(荷重−変位特性)を模式的に表したものである。
図10によると、荷重−変位特性は複数の波が繰返えされる。接触を開始した直後に高い荷重(Fmax:ピーク荷重)が作用するが、その後、潰れきるまではピーク荷重ほどの大きな荷重の発生がなく潰れが進む。すなわち、エネルギー吸収部材に衝撃荷重が加わると、エネルギー吸収部材はある一定の荷重を超えるまで変形に耐えるが、荷重の限度を超えると一気に潰れが開始しその後潰れ部分の硬化と潰れを繰り返すことになるので、図
10のような波形の変位が発生することになる。
図10によると、荷重−変位特性は複数の波が繰返えされる。接触を開始した直後に高い荷重(Fmax:ピーク荷重)が作用するが、その後、潰れきるまではピーク荷重ほどの大きな荷重の発生がなく潰れが進む。すなわち、エネルギー吸収部材に衝撃荷重が加わると、エネルギー吸収部材はある一定の荷重を超えるまで変形に耐えるが、荷重の限度を超えると一気に潰れが開始しその後潰れ部分の硬化と潰れを繰り返すことになるので、図
10のような波形の変位が発生することになる。
エネルギー吸収部材のエネルギー吸収量は、前記荷重−変位特性の面積であり、平均圧潰荷重(Fave)と圧潰ストローク(δmax)の積で表せる。よって、平均圧潰荷重(Fave)と圧潰ストローク(δmax)を大きくすれば、エネルギー吸収部材のエネルギー吸収量を大きくすることができる。しかし、実際の設計では、クラッシャブルゾーンはサバイバルスゾーンよりも先に潰れて乗客や乗員に被害が及ばないように、エネルギー吸収部材の圧潰荷重をサバイバルスゾーンの圧潰開始荷重(Fs )よりも小さくする必要がある。また、エネルギー吸収部材の圧潰ストロークはクラシャブルゾーンの圧潰方向の長さ(δc)に制限される。従って、エネルギー吸収部材の最適設計では、荷重と変位がサバイバルスゾーンの圧潰開始荷重(Fs)とクラシャブルゾーンの圧潰方向の長さ(δc)より小さい範囲内で平均圧潰荷重と圧潰ストロークを最大にする必要がある。
本発明の目的は、エネルギー吸収部材が潰れを開始する際に生じるピーク荷重を低減したエネルギー吸収部材を提供することにある。
上記目的は、2枚平行に配置した板材と、この板材の内側面板間を接続する複数のリブとから構成される中空形材であって、前記板材と前記リブとが交わる交点を貫通する穴を前記中空形材の一部に設けたことにより達成される。
また上記目的は、前記中空形材を筒状に組合せたエネルギー吸収部材であって、相対する中空形材の同じ位置に穴を設けたことにより達成される。
また上記目的は、前記中空形材を筒状に組合せたエネルギー吸収部材であって、前記板材と前記リブが交わる交点を貫通する穴を前記中空形材の一部に設けたことにより達成される。
また上記目的は、前記エネルギー吸収部材を直列に複数段組合せたエネルギー吸収部材であって、各段のエネルギー吸収部材に穴をあけることにより達成される。
また上記目的は、前記中空形材を配管,配線ケーブルなどを通して固定することにより達成される。
また上記目的は、前記中空形材に設けられた穴をシールなどで閉塞したことにより達成される。
本発明によれば、エネルギー吸収部材が潰れを開始する際に生じるピーク荷重を低減したエネルギー吸収部材を提供できる。
さて、不測の衝突事故が発生してしまった場合、衝突時の衝撃をエネルギー吸収部材に吸収させて乗員乗客への衝撃をできるだけ小さくすることが要求される。例えば上記特許文献1のようなエネルギー吸収部材を鉄道車両の全面に取付けて衝突試験を行うと、図
10で説明したようにあるピーク荷重を超えると一気に潰れを開始しその後は硬化と潰れが繰り返されるのでピーク荷重を小さくしてやれば波形変形を小さくなることが分かった。
10で説明したようにあるピーク荷重を超えると一気に潰れを開始しその後は硬化と潰れが繰り返されるのでピーク荷重を小さくしてやれば波形変形を小さくなることが分かった。
そこで本発明の発明者らは潰れ開始点について種々検討した。
以下、本発明を鉄道車両構体に対して適用した場合の実施例を図で説明する。
図1は一般的な鉄道車両構体を説明するための鉄道車両の斜視図である。
図1において、鉄道車両構体1は屋根を形成する屋根構体2、車体長手方向に対して両端を閉鎖する面を形成する妻構体3、車体長手方向に対して左右の面を形成する側構体4および床面を形成する台枠5から構成されている。側構体4の最下部かつ台枠5の両端には、側梁6が設けられている。また、側構体3には窓や出入口の開口がある。
以下、本発明を鉄道車両構体に対して適用した場合の実施例を図で説明する。
図1は一般的な鉄道車両構体を説明するための鉄道車両の斜視図である。
図1において、鉄道車両構体1は屋根を形成する屋根構体2、車体長手方向に対して両端を閉鎖する面を形成する妻構体3、車体長手方向に対して左右の面を形成する側構体4および床面を形成する台枠5から構成されている。側構体4の最下部かつ台枠5の両端には、側梁6が設けられている。また、側構体3には窓や出入口の開口がある。
このような基本構造を持つ鉄道車両構体1は、衝突時に乗員・乗客の生命を保護するサバイバルゾーン10と衝突時に生じるエネルギーを吸収するクラッシャブルゾーン11とで構成されている。サバイバルゾーン10は車両の長手方向の中央に設置されている。クラッシャブルゾーン11は車両の長手方向の両端部に存在し、あたかもサバイバルゾーン10を挟み込むように配置されている。
図1では運転台を有さない車両を用いて構造を説明したが、運転台を有する車両でも、基本的な構造およびクラッシャブルゾーン11とサバイバルゾーン10の相対的な配置は変わらない。
図2はエネルギー吸収部材を取付けた車両端部におけるクラッシャブルゾーンの側面図である。
図2において、クラッシャブルゾーン11を構成する主な部材として、梁部材40、運転台床50、外板60とエネルギー吸収部材100をあげることができる。運転台を有するクラッシャブルゾーン11には、運転手が前方を確認するための窓70が車両端部に設けられている。図中、車両端部が丸くなる構造を例として示しているが、車両端部を実質的に平面で構成しても、本実施例は同様に適用可能である。
図2において、クラッシャブルゾーン11を構成する主な部材として、梁部材40、運転台床50、外板60とエネルギー吸収部材100をあげることができる。運転台を有するクラッシャブルゾーン11には、運転手が前方を確認するための窓70が車両端部に設けられている。図中、車両端部が丸くなる構造を例として示しているが、車両端部を実質的に平面で構成しても、本実施例は同様に適用可能である。
梁部材40と運転台床50は、クラッシャブルゾーン全体の通常運用に伴って生じる強度や振動に対応している。すなわち、運転手や機器の質量、通常運用中に作用する振動に対して十分耐えうる構造となっている。外板60は、外観および走行時の風圧を制御するために設けられているものであり、衝突時の挙動にはほとんど影響を及ぼさない。
台枠5の先端には、エネルギー吸収部材100が設置されている。図2では運転台床
50が車両の台枠5よりも高い位置に存在するが、運転台の床高さは台枠5との相対的な高さにかかわらず、本実施例を適用するにあたってはまったく問題とならない。エネルギー吸収部材100は、梁部材40にレール長手方向に配置されている。図2では、1個のエネルギー吸収部材を利用しているが、エネルギー吸収特性に応じて、複数のエネルギー吸収部材を組合せても構わない。
50が車両の台枠5よりも高い位置に存在するが、運転台の床高さは台枠5との相対的な高さにかかわらず、本実施例を適用するにあたってはまったく問題とならない。エネルギー吸収部材100は、梁部材40にレール長手方向に配置されている。図2では、1個のエネルギー吸収部材を利用しているが、エネルギー吸収特性に応じて、複数のエネルギー吸収部材を組合せても構わない。
エネルギー吸収部材100と梁部材40は、衝突時に互いの変形を拘束しないような連結関係にある。すなわち、まったく結合されていない或いは、全体からみると十分に弱い結合であり、衝突時にお互いの変形を拘束しない程度の結合である。エネルギー吸収部材と運転台床の連結関係も、エネルギー吸収部材100と梁部材40の結合と同様である。エネルギー吸収部材100は、ジグ105により、サバイバルゾーン10またはクラッシャブルゾーン10に対して連結されている。エネルギー吸収部材100とジグ105の連結は溶接やボルトなどを用いて強固に行われる。
エネルギー吸収部材100の車端側端部は、実質的に他の部材と連結されない。すなわち、衝突時に全体の変形モードを大きく変化させるような連結はされていない。言い換えれば、通常運用時に影響を及ぼす或いは衝突時に変形モードがほとんど変わらないような連結は、本発明と同等の効果を有することになる。
図3はエネルギー吸収部材を備えた車両の正面図である。
図3において、車体全体の大部分は外板60により覆われており、部分的に窓70が存在する。クラッシャブルゾーン11において、外板60に覆われた内部には、エネルギー吸収部材100、運転台床50、梁部材40が存在する。運転台床50は、台枠5よりも高い位置に存在していることがわかる。
図3において、車体全体の大部分は外板60により覆われており、部分的に窓70が存在する。クラッシャブルゾーン11において、外板60に覆われた内部には、エネルギー吸収部材100、運転台床50、梁部材40が存在する。運転台床50は、台枠5よりも高い位置に存在していることがわかる。
図4はエネルギー吸収部材を備えた車両の上面図である。
図4において、車体全体は外板60により覆われており、部分的に窓70が存在する。クラッシャブルゾーン11において、外板60に覆われた内部には、エネルギー吸収部材100、運転台床50、梁部材40が存在する。運転台床50の枕木方向の幅とレール方向長さは、クラッシャブルゾーン11とほぼ等しい。梁部材40は、クラッシャブルゾーンの外側をなぞるように配置されている。外板60は、梁部材40に接続している。エネルギー吸収部材100は、幅方向に関して対称に対になって設置されている。このエネルギー吸収部材100は上述したようにジブ105を介して車両本体に固定されている。左右のエネルギー吸収部材100に関して、サバイバルゾーンから先端までの長さは同じである。すなわち、図3および図4から、左右対称に設置されたエネルギー吸収部材100の対は実質的に対称な位置と形状である。
図4において、車体全体は外板60により覆われており、部分的に窓70が存在する。クラッシャブルゾーン11において、外板60に覆われた内部には、エネルギー吸収部材100、運転台床50、梁部材40が存在する。運転台床50の枕木方向の幅とレール方向長さは、クラッシャブルゾーン11とほぼ等しい。梁部材40は、クラッシャブルゾーンの外側をなぞるように配置されている。外板60は、梁部材40に接続している。エネルギー吸収部材100は、幅方向に関して対称に対になって設置されている。このエネルギー吸収部材100は上述したようにジブ105を介して車両本体に固定されている。左右のエネルギー吸収部材100に関して、サバイバルゾーンから先端までの長さは同じである。すなわち、図3および図4から、左右対称に設置されたエネルギー吸収部材100の対は実質的に対称な位置と形状である。
図5はひとつのエネルギー吸収部材の斜視図である。
図5において、エネルギー吸収部材100は中空押出形材200とふさぎ板110により構成されている。エネルギー吸収部材100は4枚の中空押出形材200を箱状に組合わせて構成され、中空押出形材200の長手方向端面となった開口部はふさぎ板110で閉塞されている。ふさぎ板110と中空押出形材200は溶接に代表されるような接合方法により強固に接続されている。
図5において、エネルギー吸収部材100は中空押出形材200とふさぎ板110により構成されている。エネルギー吸収部材100は4枚の中空押出形材200を箱状に組合わせて構成され、中空押出形材200の長手方向端面となった開口部はふさぎ板110で閉塞されている。ふさぎ板110と中空押出形材200は溶接に代表されるような接合方法により強固に接続されている。
図6はエネルギー吸収部材を構成する中空押出形材の斜視断面図である。
図6において、エネルギー吸収部材100の四辺は中空押出形材200で構成されており、中空押出形材200で囲まれたエネルギー吸収部材100の内部は空間となっている。
図6において、エネルギー吸収部材100の四辺は中空押出形材200で構成されており、中空押出形材200で囲まれたエネルギー吸収部材100の内部は空間となっている。
図7はエネルギー吸収部材100を構成する中空押出形材200の断面図である。
図7において、中空押出形材200は、二枚の実質的に平行な面板210a、210bと、この面板を接続する複数のリブ220により構成される。リブ220と面板210により囲まれる空間の幅方向断面はあたかも三角形を呈している。中空押出形材200の材料はアルミニウム合金をはじめとする軽合金である。
図7において、中空押出形材200は、二枚の実質的に平行な面板210a、210bと、この面板を接続する複数のリブ220により構成される。リブ220と面板210により囲まれる空間の幅方向断面はあたかも三角形を呈している。中空押出形材200の材料はアルミニウム合金をはじめとする軽合金である。
図8は本発明の一実施例である穴開きエネルギー吸収部材構造を説明する図であり、断面A−Aは穴がない部分を構成する中空押出形材200の断面図、断面B−Bは穴を設けた部分の中空押出形材200の断面図である。
図8の断面A−Aにおいて、中空押出形材200の断面形状は外側の表面を構成する面板210b(板材)、内側の表面を構成する面板210aおよびリブ220により構成されている。これは、押出しの際に成形された断面形状と同じである。
断面B−Bにおいて、中空押出形材200の断面形状は断面A−Aの断面形状に穴230を追加した構成からなる。穴230は、異物がエネルギー吸収部材へ入り込まないように、座屈に影響のない薄い板などで閉塞することも可能である。
図8の断面A−Aにおいて、中空押出形材200の断面形状は外側の表面を構成する面板210b(板材)、内側の表面を構成する面板210aおよびリブ220により構成されている。これは、押出しの際に成形された断面形状と同じである。
断面B−Bにおいて、中空押出形材200の断面形状は断面A−Aの断面形状に穴230を追加した構成からなる。穴230は、異物がエネルギー吸収部材へ入り込まないように、座屈に影響のない薄い板などで閉塞することも可能である。
図9は穴付きのエネルギー吸収部材100の斜視断面図である。
図9において、穴付エネルギー吸収部材100は外側の表面を構成する面板210b、内側の表面を構成する面板210a、リブ220および穴部分230により構成されている。穴230は面板210とリブ220が交わる結節点240(交点)を貫通するようにあけられる。かかる構成において、穴部230の断面B−Bは、一般断面A−Aと比較して中空押出形材200の断面積が小さくなる。
図9において、穴付エネルギー吸収部材100は外側の表面を構成する面板210b、内側の表面を構成する面板210a、リブ220および穴部分230により構成されている。穴230は面板210とリブ220が交わる結節点240(交点)を貫通するようにあけられる。かかる構成において、穴部230の断面B−Bは、一般断面A−Aと比較して中空押出形材200の断面積が小さくなる。
図11に穴付きのエネルギー吸収部材100の荷重−変位特性を示す。
図11において、穴なしを点線で、穴ありを実線で示すように、障害物が衝突してエネルギー吸収部材100が変形を開始した場合、断面積が小さい穴部230から座屈が生じるため初期のピーク荷重を小さくすることができる。穴部230が座屈によって潰れると一般断面A−Aと同じ断面積となり、穴なしのエネルギー吸収部材100の圧潰特性に戻る。これにより、エネルギー吸収部材が変形を開始する際に車体に作用する荷重を小さくすることができる。
上記実施例では、相対する中空押出形材200の中心に1つの穴を開けた例を示した。しかし、穴を開ける面板210やリブの220の構成および穴の位置、サイズ、個数、形状を適宜組合せることによっても同等の効果を得ることができる。
図12は、本発明の第二の実施例を示すものであり、穴ありおよび穴なしのエネルギー吸収部材100の斜視断面図である。
図12において、穴ありエネルギー吸収部材100bの穴の位置は、穴なしエネルギー吸収部材100aの初期の座屈位置における高さ(H)とする。穴なしエネルギー吸収部材100aの座屈位置は、例えばエンジニアリング系解析ソフトなどの数値シミュレーションにより予測する。
図12において、穴ありエネルギー吸収部材100bの穴の位置は、穴なしエネルギー吸収部材100aの初期の座屈位置における高さ(H)とする。穴なしエネルギー吸収部材100aの座屈位置は、例えばエンジニアリング系解析ソフトなどの数値シミュレーションにより予測する。
かかる構成において、あらゆる断面形状の中空形材および中空形材の固定方法に固有の座屈モードに対応して、圧潰開始時のピーク荷重を小さくすることができる。
上記実施例では、初期のピーク荷重に着目した例を示した。しかし、穴が潰れきってからの第2、第3のピーク荷重に対しても座屈位置に穴をあけることによって同等の効果を得ることができる。複数の高さに穴をあける場合、穴は荷重の垂直方向に沿って一列、千鳥などに配置してピーク荷重以外での圧潰荷重に影響が発生しないようにする。これは、複数段組合せたエネルギー吸収部材に対して穴をあける場合にも同様に適用できる。
図13は、本発明の第三の実施例を示すものであり、穴ありおよび穴なしのエネルギー吸収部材100の斜視断面図である。
図13において、穴ありエネルギー吸収部材100bの穴の幅は、リブ間ピッチ(W)以内とする。また、穴ありエネルギー吸収部材100bの穴の高さは、穴なしエネルギー吸収部材100aの座屈変形で生じるシワ250の高さ(H)以内とする。穴なしエネルギー吸収部材100aのシワの大きさは、例えばエンジニアリング系解析ソフトなどの数値シミュレーションにより予測する。
図13において、穴ありエネルギー吸収部材100bの穴の幅は、リブ間ピッチ(W)以内とする。また、穴ありエネルギー吸収部材100bの穴の高さは、穴なしエネルギー吸収部材100aの座屈変形で生じるシワ250の高さ(H)以内とする。穴なしエネルギー吸収部材100aのシワの大きさは、例えばエンジニアリング系解析ソフトなどの数値シミュレーションにより予測する。
かかる構成において、あらゆる断面形状の中空形材および中空形材の固定方法に固有の座屈モードに対応して、圧潰開始時のピーク荷重を小さくすることができる。このとき、エネルギー吸収部材100が穴の幅と高さの制約のもとで所定の座屈荷重で潰れはじめるように穴の形状を楕円、長方形などに変更したり、複数の穴に分割して配置することも可能である。
図14に、本発明の第四の実施例を示す。エネルギー吸収部材100は、ワイヤー260によって穴230に固定される。
かかる構成において、エネルギー吸収部材100はワイヤー260によって固定されているので、走行中の振動や圧潰時の倒れこみを防ぐことができる。
各実施例では先頭車両の衝突を想定して先頭車両の先端部にエネルギー吸収部材を取付けた例で説明したが、鉄道車両の側壁に取付けても構わない。またエネルギー吸収部材を周辺部品の取付け部材として利用することも可能である。
以上のごとく本発明は、
1.2枚平行に配置した板材と、この板材の内側面板間を接続する複数のリブとから構成される中空形材であって、前記板材と前記リブとが交わる交点を貫通する穴を前記中空形材の一部に設けたこと。
2.前記中空形材を筒状に組合せたエネルギー吸収部材であって、相対する中空形材の同じ位置に穴を設けたこと。
3.4面が前記中空形材からなり中央部が中空の四角柱のエネルギー吸収部材であって、前記板材と前記リブが交わる交点を貫通する穴を前記中空形材の一部に設けたこと。
4.前記エネルギー吸収部材を直列に複数段組合せたエネルギー吸収部材であって、各段のエネルギー吸収部材に穴をあけること。
5.前記中空形材を配管,配線ケーブルなどを通して固定すること。
6.前記中空形材に設けられた穴をシールなどで閉塞したこと。
1.2枚平行に配置した板材と、この板材の内側面板間を接続する複数のリブとから構成される中空形材であって、前記板材と前記リブとが交わる交点を貫通する穴を前記中空形材の一部に設けたこと。
2.前記中空形材を筒状に組合せたエネルギー吸収部材であって、相対する中空形材の同じ位置に穴を設けたこと。
3.4面が前記中空形材からなり中央部が中空の四角柱のエネルギー吸収部材であって、前記板材と前記リブが交わる交点を貫通する穴を前記中空形材の一部に設けたこと。
4.前記エネルギー吸収部材を直列に複数段組合せたエネルギー吸収部材であって、各段のエネルギー吸収部材に穴をあけること。
5.前記中空形材を配管,配線ケーブルなどを通して固定すること。
6.前記中空形材に設けられた穴をシールなどで閉塞したこと。
これにより、鉄道車両をはじめとする輸送機器構造物が運行中に物体と予期せず衝突した場合に衝突により生じるエネルギーを吸収することが可能であるばかりでなく、鉄道車両に装着するのに好適なエネルギー吸収部材を提供できる。
1…鉄道車両構体、2…屋根構体、3…妻構体、4…側構体、5…台枠、6…側梁、
10…サバイバルゾーン、11…クラッシャブルゾーン、40…梁部材、50…運転台床、60…外板、70…窓、100…エネルギー吸収部材、105…ジグ、110…ふさぎ板、150、障害物、200…中空押出形材、210…面板、220…リブ、230…穴、240…結節点、250…シワ,260…ワイヤー。
10…サバイバルゾーン、11…クラッシャブルゾーン、40…梁部材、50…運転台床、60…外板、70…窓、100…エネルギー吸収部材、105…ジグ、110…ふさぎ板、150、障害物、200…中空押出形材、210…面板、220…リブ、230…穴、240…結節点、250…シワ,260…ワイヤー。
Claims (6)
- 2枚平行に配置した板材と、この板材の内側面板間を接続する複数のリブとから構成される中空形材であって、
前記板材と前記リブとが交わる交点を貫通する穴を前記中空形材の一部に設けたことを特徴とするエネルギー吸収部材。 - 請求項1記載のエネルギー吸収部材において、
前記中空形材を筒状に組合せたエネルギー吸収部材であって、相対する中空形材の同じ位置に穴を設けたことを特徴とするエネルギー吸収部材。 - 請求項1記載のエネルギー吸収部材において、
前記中空形材を筒状に組合せたエネルギー吸収部材であって、前記板材と前記リブが交わる交点を貫通する穴を前記中空形材の一部に設けたことを特徴とするエネルギー吸収部材。 - 請求項1記載のエネルギー吸収部材において、
前記エネルギー吸収部材を直列に複数段組合せたエネルギー吸収部材であって、各段のエネルギー吸収部材に穴をあけることを特徴とするエネルギー吸収部材。 - 請求項1記載のエネルギー吸収部材において、
前記中空形材を配管,配線ケーブルなどを通して固定することを特徴とするエネルギー吸収部材。 - 請求項1記載のエネルギー吸収部材において、
前記中空形材に設けられた穴をシールなどで閉塞したことを特徴とするエネルギー吸収部材。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102145701A (zh) * | 2011-03-30 | 2011-08-10 | 中南大学 | 一种列车碰撞承载吸能部件碰撞阈值实现方法 |
CN107709130A (zh) * | 2015-08-04 | 2018-02-16 | 川崎重工业株式会社 | 铁道车辆的冲撞能量吸收装置 |
-
2006
- 2006-03-07 JP JP2006061194A patent/JP2007237836A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102145701A (zh) * | 2011-03-30 | 2011-08-10 | 中南大学 | 一种列车碰撞承载吸能部件碰撞阈值实现方法 |
CN107709130A (zh) * | 2015-08-04 | 2018-02-16 | 川崎重工业株式会社 | 铁道车辆的冲撞能量吸收装置 |
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