JP2007237061A - ポンプ装置およびサイクロン型異物除去装置 - Google Patents

ポンプ装置およびサイクロン型異物除去装置 Download PDF

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Abstract

【課題】フィルタを用いることなく、ポンプにより汲み上げる液体中に混入する異物を除去する。
【解決手段】水中ポンプ14の吸込口にサイクロン型異物除去装置16を同軸に接続し、深井戸内に配置する。サイクロン型異物除去装置16の本体部90の円筒部92の上端部に4つの流入口120を等角度間隔に、かつ本体部90の軸線を対称軸とする渦巻線に沿って形成する。本体部90の異物排除口130を開閉する錐体132と、流出筒102内に昇降可能に配設した羽根部材140とを接続軸138により接続する。ポンプ作動時には羽根部材140が羽根142において上方へ流れる水から上昇力を受けて引き上げられ、錐体132が上昇して異物排除口130を閉じる。そのため、深井戸内の水は流入口120を通って本体部90内に流入して渦流が発生し、遠心力により砂180が分離され、堆積筒96内に沈殿し、水中ポンプ14への侵入が減少させられる。
【選択図】図3

Description

本発明は、ポンプにより汲み上げられる液体中に混入する異物を除去する異物除去装置およびそれを備えたポンプ装置に関するものである。
水,洗浄液,研削液等の液体を汲み上げるポンプには、例えば、下記の特許文献1に記載されているポンプのように、ポンプを駆動する電動モータと一体化されたものや、互いに別体である電動モータとポンプとがカップリングによって連結されたもの等、種々の態様のものがある。いずれの態様のポンプにおいても、汲み上げる液体中にスラッジ,砂,石等の異物が混入していれば、ポンプの摺動部の異物との接触による摩耗や、ポンプ内の隙間への異物の噛込みによるポンプのロック等、種々の問題が発生する。そのため、例えば、ポンプの吸込口にフィルタを設ければ、液体中に混入する異物が濾過され、ポンプ内への侵入が防止される。
特開2000−303986公報
しかしながら、フィルタの目が粗過ぎれば、異物の濾過が不足し、細か過ぎれば、フィルタに目詰まりが生じ、フィルタの頻繁な交換が必要となる。そのため、液体中に混入する異物の粒径に応じた目のフィルタを用いることが必要であるが、異物の大きさにばらつきがあれば、目に嵌り込む異物やフィルタを通過してポンプ内に侵入する異物が生じる。また、ポンプが液体中に設置されて、その液体を汲み上げる液中ポンプである場合、目詰まりが生じても交換が困難であるため、フィルタを設けることができず、ポンプ内への異物の侵入によるポンプの寿命の低下等の問題が生じることを避け得ない。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、フィルタを用いることなく、液体中に混入する異物を除去することができる装置の提供を課題とする。
上記の課題は、液体を汲み上げるポンプに接続され、そのポンプに吸い込まれる液体中に混入する異物を除去する装置を、(a)円形の横断面形状を有して上下方向に延び、少なくとも下部が下に向かうに従って直径の漸減する円錐部とされた本体部と、(b)その本体部の上端開口を塞ぐ天板と、(c)その天板の中央部を貫通して上下方向に延びる流出筒と、(d)本体部の上部の、周方向に互いに隔たった複数の位置に、その上部の周壁を貫通するとともにその本体部の半径方向に対して傾斜して形成された複数の流入口とを含むサイクロン型異物除去装置とすることにより解決される。
本体部は全体が円錐部とされてもよく、上部が直径が一定のストレートな円筒部とされ、その円筒部に続く部分の少なくとも一部が円錐部とされてもよい。本体部が円筒部および円錐部を含む場合、流入口は円筒部に形成されることが望ましい。
本発明に係るサイクロン型異物除去装置は、うず巻ポンプ,軸流ポンプ,往復ポンプ等、種々の態様のポンプに接続可能である。
本発明に係るサイクロン型異物除去装置は液体中に配置され、ポンプが作動させられるとき、液体が複数の流入口を通って本体部の外から内へ流入するが、流入口が本体部の半径方向に対して傾斜して形成されているため、その傾斜の向きによって決まる方向の渦流が発生する。流入口は本体部の上部に設けられているため、液体は本体部の周壁と流出筒との間を渦巻きつつ下方へ向かう。液体は、本体部の中央においてはポンプの吸込作用により上方へ吸い上げられ、流出筒へ流入し、ポンプに吸い込まれるが、液体中に混入する異物は渦流の遠心力によって分離される。本体部の少なくとも下部は下に向かうに従って直径の漸減する円錐部とされているため、下方に向かうほど渦流の流速が大きくなり、遠心力が増大して異物が良好に分離されるとともに、円錐部の傾斜に沿って下方へ移動し、ポンプに吸い込まれることなく、沈殿する。
このように本発明に係るサイクロン型異物除去装置によれば、ポンプにより吸い上げられる液体に渦流を生じさせ、遠心力によって異物を分離するため、フィルタを用いることなく、異物を除去し、ポンプの寿命の低下やポンプロックの発生を良好に回避することができる。また、ポンプにより汲み上げる液体が水の場合、汲上げ時による異物除去性の向上により、飲料水化が容易になる。
流入口は、流出筒の本体部内における開口より上側の位置に形成されることが望ましいが、不可欠ではなく、流入口を流出筒の本体部内開口より下側に設けてもよい。例えば、流入口と流出筒の本体部内開口との間に、流入口からの液体の流入により本体部内に発生した渦流を一旦下方へ導いた後、流出筒への流入を許容する部材を設け、渦流の遠心力によって異物が分離されるとともに、沈殿するようにすることも可能なのである。
発明の態様
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。請求可能発明は、少なくとも、請求の範囲に記載された発明である「本発明」ないし「本願発明」を含むが、本願発明の下位概念発明や、本願発明の上位概念あるいは別概念の発明を含むこともある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
なお、以下の各項において、(1)項が請求項1に相当し、(4)項が請求項2に、(7)項が請求項3に、(8)項と(9)項とを合わせたものが請求項4に、(12)項と(13)項とを合わせたものが請求項5に、(14)項が請求項6に、(18)項が請求項7に、それぞれ相当する。
(1)液体を汲み上げるポンプに接続され、そのポンプに吸い込まれる液体中に混入する異物を除去する装置であって、
円形の横断面形状を有して上下方向に延び、少なくとも下部が下に向かうに従って直径の漸減する円錐部とされた本体部と、
その本体部の上端開口を塞ぐ天板と、
その天板の中央部を貫通して上下方向に延びる流出筒と、
前記本体部の上部の、周方向に互いに隔たった複数の位置に、その上部の周壁を貫通するとともにその本体部の半径方向に対して傾斜して形成された複数の流入口と
を含むサイクロン型異物除去装置。
(2)前記流入口が、前記本体部の周壁に、その周壁を厚み方向に貫通して形成された(1)項に記載のサイクロン型異物除去装置。
流入口は、例えば、周壁が薄い場合、周壁の一部を曲げ起こしたり、別体の導液部材を取り付けたりして形成することもできるが、本項に記載の流入口は、周壁の厚みを利用して周壁内に設けられるため、形成が容易であり、かつ、本体部内における液体の旋回を妨げる恐れもなく、本体内に良好な渦流を生じさせることができる。
(3)前記流入口が3つ以上、等角度間隔に形成された(1)項または(2)項に記載のサイクロン型異物除去装置。
3つ以上の流入口が本体部の周壁に周方向において均等に配置されていれば、本体部の流入口が設けられた部分と、その本体部を囲む部材との間の半径方向の隙間が小さくても、液体は流入口を通って本体部内に良好に流入することができる。例えば、深井戸のように横断面積を大きくすることが困難で、本体部と深井戸の内周面との間の隙間が狭くなることを避け得ない場合があり、複数の流入口が周壁の周方向において偏った位置に設けられていれば、深井戸内の液体が本体部の周方向において1箇所に集中するとともに、流入口の深井戸側開口周辺の圧力が高くなり、本体部へ流入し難い。それに対し、3つ以上の流入口が等角度間隔に形成されていれば、液体は本体部の周方向において分散して流入口から本体部内へ流入するため、流入口の深井戸側開口周辺の圧力が高くなることがなく、容易に流入することができる。本項のサイクロン型異物除去装置は、深井戸,配管等、直径が小さい液体汲上対象部からのポンプによる液体汲上げ時における異物の除去に適している。
(4)前記本体部の下端に形成された異物排除口と、
その異物排除口を開閉する開閉体と
を含む(1)項ないし(3)項のいずれかに記載のサイクロン型異物除去装置。
本体部の下端に異物排除口を設ければ、そこから容易に異物を排除することができるが、この異物排除口は、ポンプの作動による液体の汲み上げ時には、異物排除口からの液体の流入を防止するために、閉じられていることが必要である。
開閉体による異物排除口の開閉は、作業者により手動で行なわれてもよく、開閉体開閉装置により自動的に行なわれるようにしてもよい。前者の場合、作業者が開閉体を異物排除口から外し、あるいは回動させる等して、異物排除口を開き、異物を取り除く。異物排除口は本体部の下端に設けられているため、本体部の下方に沈殿した異物を容易に除去することができる。また、開閉体を自動的に開閉させる開閉体開閉装置は、手動による開閉体の開閉が困難な箇所、例えば、深井戸にサイクロン型異物除去装置が設けられる場合等に適しており、開閉体をポンプ停止時には開位置に位置させ、ポンプ作動時には閉位置に位置させることにより、ポンプが停止する毎に異物が自動的に本体部から排除されるようにすることができる。この場合、本体部は1回のポンプ作動時に分離される異物を収容し得る異物収容スペースを有するものとすればよく、小形のものとすることができる。自動の開閉体開閉装置は、本体部内において分離された異物を自動的に排出する異物自動排出装置であると考えることもできる。作業者による手動操作が可能であれば、手動操作型の開閉体開閉装置を設けてもよい。
(5)前記本体部が、前記円錐部の下方に、その円錐部の下端から同軸に延び、円錐部により集められた異物を堆積させて収容するストレート筒状の堆積筒を含み、その堆積筒の下端に前記異物排除口が形成された(4)項に記載のサイクロン型異物除去装置。
本項のサイクロン型異物除去装置においては、本体部の下部が円錐部とされ、さらに本体部の下端部が堆積筒とされたと考えるものとする。
(6)前記堆積筒と前記円錐部との境界近傍に、上下方向に貫通する開口を備え、円錐部により集められた異物の前記堆積筒内への沈降を許容する一方、円錐部内における液体の旋回が堆積筒内の液体に伝達されることを抑制する旋回抑制部材が設けられた (5)項に記載のサイクロン型異物除去装置。
堆積筒内の液体が掻き混ぜられ、一旦沈殿した異物が巻き上げられ、円錐部側へ逆移動し、ポンプにより吸い込まれることが良好に回避される。
(7)前記流出筒の近傍に、昇降可能に設けられ、液体が流出筒を経て流出することを許容しつつその液体から上昇力を受ける引上部材と、
その引上部材の下降端を規定する規定部と、
前記引上部材と前記開閉体とを接続するとともに、それら引上部材と開閉体との距離を、引上部材の下降端が前記規定部により規定された状態では開閉体が前記異物排除口から下方へ離間し、引上部材の上昇に伴って開閉体が異物排除口を閉塞する距離に規定する接続装置と
を含む(4)項ないし(6)項のいずれかに記載のサイクロン型異物除去装置。
規定部は、引上部材に当接して下降端を規定するものでもよく、引上部材と一体的に移動する部材、例えば、開閉体あるいは接続装置に当接して下降端を間接的に規定するものでもよい。
ポンプ非作動時には引上部材に上昇力が作用せず、下降端位置に位置し、開閉体が異物排除口を開いているが、ポンプが作動させられれば、引上部材に上昇力が作用して引き上げられ、開閉体が異物排除口を閉じ、液体が本体部の流入口から流入させられて渦流が発生させられる。本体部内に流入した液体は、流出筒を通ってポンプに吸い込まれる。したがって、流出筒の近傍に設けられた引上部材に確実に上昇力が作用し、引き上げられる。引上部材は、流出筒内に設けられることが望ましいが、流出筒外であっても、流出筒を経て流出する液体の力により引き上げられる位置であればよい。ポンプが停止させられれば、引上部材および開閉体が自重により下降し、開閉体が異物排除口を開き、分離され、沈殿した異物が本体部外へ捨てられる。なお、引上部材および開閉体の下降を確実にするために、スプリング等の弾性部材の付勢力を下向きに作用させることも可能である。
引上部材および接続装置は、ポンプによる液体の汲上げを利用し、ポンプの作動,停止に連動して開閉体に異物排除口を自動的に開閉させる開閉体開閉装置であって、電動や液圧のアクチュエータやそれの制御装置を必要とせず、安価に製造し得るとともに、単純で信頼性の高い開閉体開閉装置が得られる。
(8)前記引上部材が前記流出筒の内部において昇降可能に設けられた(7)項に記載のサイクロン型異物除去装置。
(9)前記引上部材が前記流出筒内を流れる液体に前記本体部内における液体の旋回方向と逆方向の旋回を生じさせる向きの羽根を備えた羽根部材である(8)項に記載のサイクロン型異物除去装置。
流出筒内に流入した液体は羽根に当たり、旋回を抑制される。そのため、流出筒からポンプに吸い込まれる際に液体の旋回が少なく、あるいは旋回がなく、旋回の存在に起因するポンプの効率低下を低減させ得るか、なくすることができる。
羽根は、本体部から流出筒に流入する液体の旋回を丁度停止させるものであることが望ましい。
また、羽根は、2枚あるいは3枚以上であることが望ましい。
なお、引上部材が羽根部材であれば、部品点数が少なくて済むが、同じ部材であることは不可欠ではなく、羽根部材は引上部材とは別体に設けてもよい。その場合、羽根部材は流出筒の内部に位置を固定して設けられればよい。また、引上部材は、流出筒を経て液体が流出することを許容しつつ、その液体から上昇力を受ける部材であればよく、流出筒内に設けられても、流出筒外に設けられてもよく、例えば、格子状を成し、流出筒の軸線に直角な姿勢で昇降可能に配設され、格子を形成する部分の下向きの面に正圧(厳密には、格子間を通過する液体の圧力より高い圧力)を受けることと、上向きの面に負圧(厳密には、格子間を通過する液体の圧力より低い圧力)を受けることとの少なくとも一方を行うものとすることができる。
(10)前記開閉体が、上部ほど横断面積が小さい凸錐面を有する錐体であり、その錐体の上端が前記接続装置の下端に接続された(7)項ないし(9)項のいずれかに記載のサイクロン型異物除去装置。
(11)前記堆積筒の下端部に前記錐体の凸錐面に対応する凹錐面が形成された(10)項に記載のサイクロン型異物除去装置。
引上部材が上昇させられるとき、凸錐面が凹錐面にしまり嵌合され、各傾斜面の案内作用および楔作用により異物排除口が確実に閉じられ、ポンプ作動時に異物排除口から本体部内へ液体が流入することが回避される。
(12)前記接続装置が、前記引上部材と前記開閉体とを固定的に接続する接続部材を含む(7)項ないし(11)項のいずれかに記載のサイクロン型異物除去装置。
(13)前記接続部材が実質的に剛体である接続軸であり、その接続軸が、前記流出筒と前記本体部との少なくとも一方に設けられた軸受部材に軸方向に摺動可能に嵌合され、その軸受部材は上下方向に貫通する開口を備えている(12)項に記載のサイクロン型異物除去装置。
接続軸によれば、引上部材と開閉体とを簡単に接続することができる。接続軸は軸受部材に嵌合されることにより支持され、安定して軸方向に移動し、開閉体が傾くことなく、異物排除口を確実に閉塞する。
(14)前記軸受部材が、前記流出筒に設けられた第一軸受部材と前記本体部の軸方向の中間部に設けられた第二軸受部材とを含む(13)項に記載のサイクロン型異物除去装置。
接続軸は軸方向に離れた2箇所においてそれぞれ軸受部材により支持され、より安定して軸方向に移動し、引上部材が上下方向に移動させられる。
(15)前記第一軸受部材が前記引上部材と当接して、その引上部材の下降端を規定する前記規定部を構成している(14)項に記載のサイクロン型異物除去装置。
第一軸受部材が規定部を兼ねており、部品点数が少なくて済み、サイクロン型異物除去装置を簡易に構成することができる。
(16)前記本体部が、前記円錐部の下方に、その円錐部の下端から同軸に延び、円錐部により集められた異物を堆積させて収容するストレート筒状の堆積筒を含み、その堆積筒の下端に前記異物排除口が形成されるとともに、前記第二軸受部材が、前記堆積筒と前記円錐部との境界近傍に設けられ、その上下方向に貫通する開口において円錐部により集められた異物の前記堆積筒内への沈降を許容する一方、円錐部内における液体の旋回が堆積筒内の液体に伝達されることを抑制する旋回抑制部材を構成する(14)項または(15)項に記載のサイクロン型異物除去装置。
第二軸受部材が旋回抑制部材を兼ねており、部品点数が少なくて済み、サイクロン型異物除去装置を簡易に構成することができる。
(17)前記第一軸受部材と前記接続軸との間に、両者の軸方向の相対移動を許容しつつ両者の相対回転を防止する相対回転防止装置が設けられた(14)項ないし(16)項のいずれかに記載のサイクロン型異物除去装置。
第二軸受部材と接続軸との間に相対回転防止装置を設けることも可能である。しかし、その場合には、引上部材に回転トルクが作用すれば、接続軸が弾性的にねじられ、引上部材に回転振動が発生する恐れがある。したがって、相対回転防止装置はできる限り引上部材に近い位置に設けられることが望ましい。特に、引上部材が羽根部材である場合、流出筒内を流れる液体の旋回を安定して抑制することができる。
(18)液体中に設置されてその液体を汲み上げる液中ポンプと、
その液中ポンプの吸込口に接続された(1)項ないし(17)項のいずれかに記載のサイクロン型異物除去装置と
を含むポンプ装置。
本項に記載のポンプ装置のサイクロン型異物除去装置には(1)項ないし(17)項のいずれかに記載の効果が得られる。
前述のように液中ポンプについてはフィルタを設けて異物を濾過することが困難であるが、サイクロン型異物除去装置はフィルタを用いることなく異物を除去することができ、メンテナンスの容易なポンプ装置が得られる。
モータの中心部にポンプが配設されたモータ・ポンプ一体型ポンプ装置においては、一般にポンプの回転数が高いため、液中に配設され、かつ、回転軸の軸受が汲み上げられる液体によって潤滑される滑り軸受とされることが望ましいが、その場合、軸受面への異物の侵入が故障や寿命低下の原因となり易いため、サイクロン型異物除去装置による異物除去が特に効果的である。
(19)前記液中ポンプが概して円筒状を成し、下端に前記吸込口、上端に吐出口を有し、前記サイクロン型異物除去装置と同軸に接続された(18)項に記載のポンプ装置。
本項に記載のポンプ装置は、深い井戸や細く長い配管等、横断面積が小さく、長い液体汲上対象部内に同軸的に設置し、異物を除去しつつ液体を汲み上げさせることができ、例えば、深井戸からの液体の汲上げ時における砂等の異物の分離や、配管から液体を汲み上げる際の配管スラッジの分離に好適である。
以下、請求可能発明の実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、請求可能発明は、下記実施例の他、上記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更を施した態様で実施することができる。
図1に、請求可能発明の一実施例としてのポンプ装置が図示されている。本ポンプ装置は、深井戸10から水を汲み上げるものであり、水中に設置されて水を汲み上げる液中ポンプとしての水中ポンプ14と、水中ポンプ14の吸込口に接続されたサイクロン型異物除去装置16とを含む。この水中ポンプ14は、駆動源たる電動モータの中心部にポンプが配設され、電動モータとポンプとが一体化された一体型ポンプである。この種の一体型ポンプは、例えば、特開2000−303986公報に記載されており、簡単に説明する。
本水中ポンプ14は、図2に示すように、固定子20および回転子22を備えた電動モータ24と、ポンプ本体たる中空円筒状のポンプケース26,回転羽根30,案内羽根32および返し通路34を備えた多段渦巻ポンプ36とが一体化されたものであり、概して円筒状を成す。固定子20は、固定子鉄心40にコイル42が巻かれて成り、ポンプケース26と一体的に設けられた密封容器44内に液密に密封されて収容されている。回転子22は、磁性材料製の中空円筒である回転子本体としてのヨーク50の外周面に、複数の永久磁石52が等角度間隔に固定されて成り、ポンプケース26内に同心に配置され、両端をそれぞれラジアル・スラスト軸受54により回転可能に支持されている。これらラジアル・スラスト軸受54はそれぞれ、ヨーク50に固定の軸受メタル56と、ポンプケース26に固定の軸受メタル58とを備え、すべり軸受であり、軸封装置を備えず、本水中ポンプ14により圧送される水が、軸受メタル56,58の摺動面間に水幕を形成し、潤滑剤として機能する。
回転羽根30は、回転子22のヨーク50の内周面に固定され、案内羽根32は、ポンプケース26により同心に支持された固定軸60の外周面に固定されている。固定軸60は、ポンプケース26の両端に固定の吸込管62と吐出管64とにそれぞれ固定され、羽根30,32は複数ずつ、固定軸60の軸方向において交互に配置され、案内羽根32の内周側に返し通路34が形成されている。コイル42に電流が供給されれば、固定子20に形成される磁界と、回転子22の永久磁石52の磁界との相互作用により回転子22が回転させられ、吸込管62の先端開口である吸入口66および吸込管62の基端部に設けられた複数の開口68を通ってポンプケース26内に水が吸い込まれる。この水は、回転羽根30の内周側へ流入して外周側から放出され、案内羽根32の外周部に流入し、返し通路34により内周側へ案内されるうちに圧力が高くなり、再び回転羽根30の内周部へ流入し、その繰り返しにより、最終段の案内羽根32の内周部からは水が高い圧力で放出され、吐出管64の基端部に設けられた複数の開口70から流出し、吐出管64の先端開口である吐出口72から吐出される。吸込管62および吐出管64にはそれぞれ、先端開口部に半径方向外向きのフランジ74およびフランジ76が設けられ、吐出管64から吐出された水は、フランジ76に着脱可能に固定された揚水管78(図1参照)に流入し、送られる。この水中ポンプ14は、深井戸10の水中に回転軸線が上下方向に平行となる姿勢で配置され、その下端に吸込口66が位置し、上端に吐出口72が位置する。
サイクロン型異物除去装置16を説明する。
図3に示すように、本サイクロン型異物除去装置16の本体部90は、横断面形状が円形の筒状を成し、上下方向に延び、円筒部92,円錐部94および堆積筒96を含む。円筒部92は、本体部90の上部に設けられ、直径が一定のストレート筒であり、円錐部94は円筒部92の下方に設けられ、円筒部92の下端から下に向かうに従って直径が直線状に漸減させられた形状を有する。堆積筒96は、円錐部94の下方に、円錐部94の下端から同軸に延びる状態で設けられ、直径が一定のストレート筒である。
本体部90の上端開口は天板100によって塞がれるとともに、天板100の中央部を貫通して流出筒102が上下方向に延びる状態で設けられている。流出筒102は、有底の円筒状を成し、その底部104は本体部90内に配置され、図3および図6に示すように、複数の開口106が上下方向に貫通し、適宜の間隔を隔てて、本装置では等角度間隔に設けられ、本体部90内から流出筒102内への水の流入を許容する。流出筒102の本体部90から上方へ突出させられた上端部には、その開口周縁に半径方向外向きのフランジ110が形成され、前記水中ポンプ14の吸込管62のフランジ74にボルト等、適宜の結合手段112によって着脱可能に結合されている。それにより、サイクロン型異物除去装置16が水中ポンプ14の吸込口66に同軸に接続され、流出筒102が吸込管62に連通させられる。流出筒102のフランジ110が、サイクロン型異物除去装置16を水中ポンプ14に接続する接続部を構成し、本ポンプ装置は深井戸10内に同軸的に配置されている。
本体部90の周壁118には、図3および図4に示すように、その上端部であって、円筒部92の上部の天板100に隣接する部分に複数、本サイクロン型異物除去装置16においては4つの流入口120が等角度間隔に形成されている。これら流入口120はそれぞれ、図4に示すように、周壁118を厚み方向に、すなわち外周面から内周面まで貫通するとともに、円筒部92の軸線に対して軸対称な渦巻線であって、図3におけるA−A断面図において周壁118の外周面から内周面に向かうに従って反時計方向に旋回する向きの渦巻線に沿って形成されている。4つの流入口120はそれぞれ、周壁118内に形成されるとともに、本体部90の半径方向に対して傾斜させられているのである。また、4つの流入口120は、図3に示すように、本体部90の軸線に平行な方向において長いが、前記流出筒102の底部104より上側の位置に形成されている。
本体部90の前記堆積筒96の下端には、図3に示すように、異物排除口130が形成されている。この異物排除口130は、開閉体たる錐体132により開閉される。錐体132は、横断面形状が円形を成し、その外周面が、上部ほど横断面積が小さい凸錐面134とされ、堆積筒96の下端部に凸錐面134に対応する凹錐面136が形成されている。この凹錐面136により異物排除口130が画定され、錐体132の異物排除口130への嵌合により異物排除口130が閉じられる。なお、錐体132には、その下面ないし底面に開口する有底の孔139が形成され、重量軽減が図られている。
錐体132は、接続軸138によって羽根部材140に接続されている。羽根部材140は、図3および図5に示すように、複数、例えば、2枚の羽根142を備え、流出筒102の内部において昇降可能に設けられている。これら羽根142は、羽根部材140の直径方向に隔たった位置に設けられ、それぞれ、上端と下端とが直角となるようにねじられて流出筒102の軸線に対して傾斜させられ、流出筒102内を下方から上方へ、すなわちサイクロン型異物除去装置16から水中ポンプ14側へ流れる水の通過を許容するとともに、その際、羽根142の両面(下向きの面と上向きの面)に作用する圧力の差に基づいて水から上昇力を受ける。羽根部材140は引上部材でもある。また、2枚の羽根142のねじり方向は、図5に矢印で示すように、流出筒102内を下方から上方へ流れる水に平面視において反時計方向の旋回を生じさせる向きとされている。
羽根部材140と前記錐体132とを接続する接続軸138は、実質的に剛体であり、本異物除去装置16においては、例えば、ステンレススチール,銅等の錆び難い金属により作られている。接続軸138は、流出筒102に設けられた第一軸受部材150と、円錐部94と堆積筒96との境界部分に設けられた第二軸受部材152とにそれぞれ軸方向に摺動可能に嵌合され、接続軸138の上端部に羽根部材140の下端が嵌合されて固定され、下端部に錐体132の上端が嵌合され、固定されている。流出筒102の底部104の中央部にすべり軸受用ブッシュ154が嵌合され、底部104と共に第一軸受部材150を構成し、複数の開口106が第一軸受部材150の上下方向に貫通する開口を構成する。ブッシュ154は、錆び難い材料、例えば、ステンレススチール,銅あるいは合成樹脂により作られ、接続軸138が軸方向に摺動可能に嵌合されている。
羽根部材140の下降端は、第一軸受部材150に当接することにより規定される。第一軸受部材150が規定部を構成し、接続軸138は、羽根部材140と錐体132との距離を、羽根部材140が第一軸受部材150に当接し、下降端位置に位置する状態において錐体132が異物排除口130から下方へ離間し、異物排除口130を開放する開位置に位置し、羽根部材140の上昇に伴って凸錐面134が凹錐面136に嵌合され、錐体132が異物排除口130を閉塞する距離に規定する長さを有するものとされている。
また、図6に示すように、第一軸受部材150と接続軸138との間に、両者の軸方向の相対移動を許容しつつ両者の相対回転を防止する相対回転防止装置160が設けられている。本相対回転防止装置160は、接続軸138に設けられ、軸方向に延びる係合部たる溝162と、すべり軸受用ブッシュ154に半径方向に嵌合されるとともに、一端部が接続軸138側へ突出させられ、溝162に軸方向に相対移動可能に嵌合された係合部を構成するキー164とを含む。
第二軸受部材152の本体170は、図3に示すように、横断面形状が円形の厚い板状を成し、円錐部94と堆積筒96との境界部分に嵌合され、固定されている。本体170には、その中央にすべり軸受用ブッシュ172が嵌合され、接続軸138が軸方向に摺動可能に嵌合されるとともに、本体170を上下方向に貫通する複数の開口174が、本体170の軸線まわりに等角度間隔に形成されている。これら開口174はそれぞれ、横断面形状が、例えば扇形を成し、円錐部94により集められた異物の堆積筒96内への沈降を許容する。このブッシュ172も、前記すべり軸受用ブッシュ154と同様に、錆び難い材料により作られている。
本体170の開口174を画定する外周側の壁は、図3に示すように、厚さ(本体170の半径方向の寸法)が上端において極く薄く、下方ほど厚くされ、内周面が下方ほど第二軸受部材152の軸線に接近する向きの傾斜面とされている。また、ブッシュ172および本体170の中央のブッシュ172が嵌合される嵌合部は、厚さが上端においてできるだけ薄くされるとともに下方ほど厚くされ、外面に下方ほど第二軸受部材152の軸線から遠ざかる向きの傾斜面が設けられている。さらに、本体170のその開口174を仕切る仕切部は、本体170の半径方向に直角な断面形状がほぼ三角形状を成すものとされ、その開口174を画定する2つの側面は、下方ほど互いに離間する向きの傾斜面とされている。
以上のように構成されたポンプ装置においては、非作動時には、図3に二点鎖線で示すように、羽根部材140が下降端位置に位置し、錐体132が開位置にあって異物排除口130を開いた状態にある。深井戸10から水を汲み上げるために電動モータ24により多段渦巻ポンプ36が作動させられれば、本体部90内に下方から上方への水の流れが生じ、本体部90から開口106を通って流出筒102内に流入するとともに吸込口66から多段渦巻ポンプ36に吸い込まれる。この際、下方から上方へ流れる水の力を2枚の羽根142が受けるが、羽根部材140の回転は相対回転防止装置160によって防止されているため、羽根部材140は単純に上方へ引き上げられることとなる。その結果、接続軸138により接続された錐体132も上方へ移動させられ、凸錐面134が凹錐面136に嵌合され、それら面134,136の傾斜による案内作用および楔作用により異物排除口130が確実に閉じられる。この位置が錐体132の閉位置である。
それにより、深井戸10内の水は、本体部90に設けられた4つの流入口120からそれぞれ本体部90内に流入する状態となる。これら流入口120は渦巻線に沿って形成されているため、図3および図4に矢印で示すように流入口120を通って本体部90内に流入させられた水は、図4に矢印で示すように、渦巻の向きにより決まる方向、本異物除去装置16では底面視(図3におけるA−A断面視)において反時計方向(平面視においては時計方向)に旋回し、渦流が発生する。流入口120は、全体が流出筒102の底部104より上方に設けられ、底部104に設けられた開口106より上に位置するため、図3に実線で示すように、渦流は下方に向かう。また、流入口120はストレートな円筒部92に設けられているが、その下側には円錐部94が設けられ、本体部90の直径が下方ほど小さくなるため、渦流の流速が下方ほど増大し、遠心力により水中の異物、例えば、砂180が分離されるとともに、円錐部94の傾斜した内周面に案内されて落下し、第二軸受部材152の開口174を通って堆積筒96内に沈降し、堆積する。
第二軸受部材152の開口174の側面等の各面はいずれも傾斜面とされ、その外周部,中央の軸嵌合部および開口174の仕切部のいずれも上端の厚さが極く薄くされているため、それらの近傍を沈降する砂180が第二軸受部材180上に載ったままの状態になることがなく、傾斜面に案内され、堆積筒96内へ落下する。円錐部94内の水の旋回は、第二軸受部材152により、堆積筒96内の水に伝達されることが抑制され、堆積筒96内に沈殿した異物が攪拌され、再び巻き上げられて、円錐部94側へ逆移動することが回避される。本サイクロン型異物除去装置16においては、第二軸受部材152が旋回抑制部材を兼ねているのである。
本体部90内の水は、多段渦巻ポンプ36の吸込作用により流出筒102内に流入するが、下方への旋回と同じ方向に旋回したままの状態で開口106を通って流出筒102内に流入する。羽根142は、流出筒102内を下方から上方へ流れる水を、平面視において反時計方向に旋回させる向きにねじられており、その旋回方向は流入口120の傾斜によって発生させられる渦流の旋回方向とは逆である。そのため、旋回しつつ流出筒102内に流入した水は羽根142の作用により、その旋回がちょうど停止させられ、水はほぼ上下方向に流れる状態で多段渦巻ポンプ36に吸い込まれる。羽根142は、その寸法およびねじり角度が、流出筒102内に流入した水の旋回をちょうど停止させる大きさに設定されている。
水中ポンプ14が停止させられれば、水の流れがなくなり、羽根142に上昇力が作用しなくなって、羽根部材140および錐体132は自重により下方へ移動し、羽根部材140は第一軸受部材150に当接して下降端位置に位置し、錐体132は開位置に位置し、異物排除口130を開く。それにより、堆積筒96が開かれ、堆積した砂180等の異物が水中に捨てられる。堆積筒96内の空間は異物収容スペースであり、本サイクロン型異物除去装置16においては、羽根部材140および接続軸138は、水中ポンプ14の作動,停止に連動して錐体132を自動的に開位置と閉位置とに移動させ、異物排除口130を開閉させる開閉体開閉装置を構成している。
このように本ポンプ装置においては、水中ポンプ14によって水が汲み上げられるとき、水が旋回させられ、遠心力によって異物が分離され、除去されるため、フィルタを用いることなく、多段渦巻ポンプ36に侵入する異物が減少させられ、水中ポンプ14の寿命低下やポンプロックの発生が良好に回避される。特に、電動モータ24において回転子22を支持するラジアル・スラスト軸受54は、軸受メタル56,58の摺動面間に形成される水幕により潤滑されるため、異物除去効果が有効に得られる。
このように水を旋回させ、渦流を発生させることによる異物分離効果は実験により確認されている。この実験は、例えば、図7に概略的に示す実験装置を用いて行なわれる。本実験装置は、水槽200内に横断面形状が円形の筒202を上下方向に配置するとともに、筒202内にサイクロン発生筒204を配置する。筒202は底を有しない。サイクロン発生筒204は、サイクロン型異物除去装置16の本体部90の円筒部92および円錐部94と同様の円筒部206および円錐部208を備え、円筒部206には渦巻線に沿って複数の流入口210が形成され、円錐部208の開口は有底の異物受筒212により閉じられている。また、円筒部206の上端開口は天板によって塞がれている。ポンプ216は吸込管218の先端部が円筒部206内に配置され、吐出管220の先端部は水槽200内に配設された砂濾過布222内に入れられている。
実験時には、筒202内に砂を流し込む。この砂は、粒径が複数種類に異なる浜砂であり、各種類毎に同じ重量ずつの砂が用意される。そして、ポンプ216を作動させ、筒202内の水を汲み上げ、砂濾過布222内に吐出させる。筒202内の水は流入口210からサイクロン発生筒204内に流入して渦流を発生させ、水に混入した砂が遠心力によって分離されるが、分離されずに残った砂があれば、水と共に汲み上げられ、砂濾過布222により濾過される。そのため、ポンプ216により汲み上げられる水の流量を複数種類に異ならせ、各流量毎に砂が混入させられた水を汲み上げさせ、砂濾過布222により収集された砂の粒径を測って複数範囲に分け、各範囲に属する砂の重量を測る。流量は、真空計224により検出されるポンプ216の吸込口226における真空および圧力計228により検出される吐出口230における圧力に基づいて設定される。この測定結果から、流量が多いほど、砂濾過布222に収集された砂、すなわちサイクロン発生筒204において分離されず、ポンプ216により吸い込まれる砂の量は多いが、粒径は同じであり、ごく微少な粒径の砂のみであり、流量に関係なく、同様の異物除去効果が得られることが確認された。
サイクロン型異物除去装置により異物を除去しても、損失水頭が少なくて済むことも実験により確認されている。この実験は、例えば、図8に概略的に示す実験装置を用いて行なわれ、図8(a)に示すように、サイクロン発生筒を設けることなく、水槽250からポンプ252により、吸込管254を経て水を汲み上げさせるとともに、吐出管256から流量計258に吐出させ、吸込口260の真空を真空計262により検出する。符号264は圧力計であり、吐出口266の圧力を検出する。
また、図8(b)に示すように、水槽250内に筒270を上下方向に配置するとともに、前記流入口120と同様の流入口272が形成された円筒部274および円錐部276(下端は閉じられている)を含むサイクロン発生筒278を筒270内に配設し、ポンプ252の吸込管280の先端をサイクロン発生筒278内に配置し、サイクロン発生筒278を経て水を汲み上げさせ、吸込口260の真空を真空計262により検出する。筒270は底を有しない。サイクロン発生筒278を設ける場合も設けない場合も、ポンプ252の中心と水槽250の水面との距離は同じにし、吸込管254,280の長さも同じにする。円筒部274の上端開口は、天板によって塞がれている。
サイクロン発生筒278を設けない場合における吸込口260の真空とサイクロン発生筒278を設けた場合における吸込口260の真空との差が損失水頭であり、ポンプ252により汲み上げられる水の流量を複数種類に異ならせ、各流量毎に損失水頭を検出したところ、流量が多いほど損失水頭は大きくなるが、いずれも実用上問題のない大きさであり、ポンプ252の汲み上げ性能には殆ど影響を及ぼさないことが確認された。
なお、本発明に係るサイクロン型異物除去装置により液体中の異物が除去されるポンプは、液中ポンプに限らず、液外にあって液体を汲み上げるポンプでもよい。また、ポンプは一体型ポンプに限らず、モータと別体に設けられたポンプでもよく、さらに深井戸ポンプに限らず、電動井戸ポンプ,パイプライン等のライン状の配管に設けられるラインポンプでもよい。
請求可能発明の一実施態様であるポンプ装置が深井戸内に配置された状態を示す正面図(一部断面)である。 図1に示すポンプ装置の水中ポンプを示す正面図(一部断面)である。 図1に示すポンプ装置のサイクロン型異物除去装置を示す正面断面図である。 図3に示すサイクロン型異物除去装置のA−A断面図であり、本体部の流入口が形成された部分における底面断面図である。 上記サイクロン型異物除去装置の羽根部材を示す平面図である。 上記サイクロン型異物除去装置の相対回転防止装置を示す平面断面図である。 サイクロン型異物除去装置による異物除去効果を確認するための実験装置を概略的に示す正面図である。 サイクロン型異物除去装置による異物除去時における損失水頭を測定するための実験装置であって、図8(a)はサイクロン発生筒を設けない実験装置、図8(b)はサイクロン発生筒を設けた実験装置をそれぞれ概略的に示す正面図である。
符号の説明
14:水中ポンプ 16:サイクロン型異物除去装置 24:電動モータ 90:本体部 92:円筒部 94:円錐部 96:堆積筒 102:流出筒 120:流入口 130:異物排除口 132:錐体 138:接続軸 140:羽根部材

Claims (7)

  1. 液体を汲み上げるポンプに接続され、そのポンプに吸い込まれる液体中に混入する異物を除去する装置であって、
    円形の横断面形状を有して上下方向に延び、少なくとも下部が下に向かうに従って直径の漸減する円錐部とされた本体部と、
    その本体部の上端開口を塞ぐ天板と、
    その天板の中央部を貫通して上下方向に延びる流出筒と、
    前記本体部の上部の、周方向に互いに隔たった複数の位置に、その上部の周壁を貫通するとともにその本体部の半径方向に対して傾斜して形成された複数の流入口と
    を含むことを特徴とするサイクロン型異物除去装置。
  2. 前記本体部の下端に形成された異物排除口と、
    その異物排除口を開閉する開閉体と
    を含むことを特徴とする請求項1に記載のサイクロン型異物除去装置。
  3. 前記流出筒の近傍に、昇降可能に設けられ、液体が流出筒を経て流出することを許容しつつその液体から上昇力を受ける引上部材と、
    その引上部材の下降端を規定する規定部と、
    前記引上部材と前記開閉体とを接続するとともに、それら引上部材と開閉体との距離を、引上部材の下降端が前記規定部により規定された状態では開閉体が前記異物排除口から下方へ離間し、引上部材の上昇に伴って開閉体が異物排除口を閉塞する距離に規定する接続装置と
    を含むことを特徴とする請求項2に記載のサイクロン型異物除去装置。
  4. 前記引上部材が前記流出筒の内部において昇降可能に設けられ、その流出筒内を流れる液体に前記本体部内における液体の旋回方向と逆方向の旋回を生じさせる向きの羽根を備えた羽根部材であることを特徴とする請求項3に記載のサイクロン型異物除去装置。
  5. 前記接続装置が、前記引上部材と前記開閉体とを固定的に接続し、実質的に剛体である接続軸を含み、その接続軸が、前記流出筒と前記本体部との少なくとも一方に設けられた軸受部材に軸方向に摺動可能に嵌合され、その軸受部材は上下方向に貫通する開口を備えていることを特徴とする請求項3または4に記載のサイクロン型異物除去装置。
  6. 前記軸受部材が、前記流出筒に設けられた第一軸受部材と前記本体部の軸方向の中間部に設けられた第二軸受部材とを含むことを特徴とする請求項5に記載のサイクロン型異物除去装置。
  7. 液体中に設置されてその液体を汲み上げる液中ポンプと、
    その液中ポンプの吸込口に接続された請求項1ないし6のいずれかに記載のサイクロン型異物除去装置と
    を含むことを特徴とするポンプ装置。
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