JP2007237061A - ポンプ装置およびサイクロン型異物除去装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水中ポンプ14の吸込口にサイクロン型異物除去装置16を同軸に接続し、深井戸内に配置する。サイクロン型異物除去装置16の本体部90の円筒部92の上端部に4つの流入口120を等角度間隔に、かつ本体部90の軸線を対称軸とする渦巻線に沿って形成する。本体部90の異物排除口130を開閉する錐体132と、流出筒102内に昇降可能に配設した羽根部材140とを接続軸138により接続する。ポンプ作動時には羽根部材140が羽根142において上方へ流れる水から上昇力を受けて引き上げられ、錐体132が上昇して異物排除口130を閉じる。そのため、深井戸内の水は流入口120を通って本体部90内に流入して渦流が発生し、遠心力により砂180が分離され、堆積筒96内に沈殿し、水中ポンプ14への侵入が減少させられる。
【選択図】図3
Description
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、フィルタを用いることなく、液体中に混入する異物を除去することができる装置の提供を課題とする。
本体部は全体が円錐部とされてもよく、上部が直径が一定のストレートな円筒部とされ、その円筒部に続く部分の少なくとも一部が円錐部とされてもよい。本体部が円筒部および円錐部を含む場合、流入口は円筒部に形成されることが望ましい。
本発明に係るサイクロン型異物除去装置は、うず巻ポンプ,軸流ポンプ,往復ポンプ等、種々の態様のポンプに接続可能である。
このように本発明に係るサイクロン型異物除去装置によれば、ポンプにより吸い上げられる液体に渦流を生じさせ、遠心力によって異物を分離するため、フィルタを用いることなく、異物を除去し、ポンプの寿命の低下やポンプロックの発生を良好に回避することができる。また、ポンプにより汲み上げる液体が水の場合、汲上げ時による異物除去性の向上により、飲料水化が容易になる。
流入口は、流出筒の本体部内における開口より上側の位置に形成されることが望ましいが、不可欠ではなく、流入口を流出筒の本体部内開口より下側に設けてもよい。例えば、流入口と流出筒の本体部内開口との間に、流入口からの液体の流入により本体部内に発生した渦流を一旦下方へ導いた後、流出筒への流入を許容する部材を設け、渦流の遠心力によって異物が分離されるとともに、沈殿するようにすることも可能なのである。
円形の横断面形状を有して上下方向に延び、少なくとも下部が下に向かうに従って直径の漸減する円錐部とされた本体部と、
その本体部の上端開口を塞ぐ天板と、
その天板の中央部を貫通して上下方向に延びる流出筒と、
前記本体部の上部の、周方向に互いに隔たった複数の位置に、その上部の周壁を貫通するとともにその本体部の半径方向に対して傾斜して形成された複数の流入口と
を含むサイクロン型異物除去装置。
(2)前記流入口が、前記本体部の周壁に、その周壁を厚み方向に貫通して形成された(1)項に記載のサイクロン型異物除去装置。
流入口は、例えば、周壁が薄い場合、周壁の一部を曲げ起こしたり、別体の導液部材を取り付けたりして形成することもできるが、本項に記載の流入口は、周壁の厚みを利用して周壁内に設けられるため、形成が容易であり、かつ、本体部内における液体の旋回を妨げる恐れもなく、本体内に良好な渦流を生じさせることができる。
(3)前記流入口が3つ以上、等角度間隔に形成された(1)項または(2)項に記載のサイクロン型異物除去装置。
3つ以上の流入口が本体部の周壁に周方向において均等に配置されていれば、本体部の流入口が設けられた部分と、その本体部を囲む部材との間の半径方向の隙間が小さくても、液体は流入口を通って本体部内に良好に流入することができる。例えば、深井戸のように横断面積を大きくすることが困難で、本体部と深井戸の内周面との間の隙間が狭くなることを避け得ない場合があり、複数の流入口が周壁の周方向において偏った位置に設けられていれば、深井戸内の液体が本体部の周方向において1箇所に集中するとともに、流入口の深井戸側開口周辺の圧力が高くなり、本体部へ流入し難い。それに対し、3つ以上の流入口が等角度間隔に形成されていれば、液体は本体部の周方向において分散して流入口から本体部内へ流入するため、流入口の深井戸側開口周辺の圧力が高くなることがなく、容易に流入することができる。本項のサイクロン型異物除去装置は、深井戸,配管等、直径が小さい液体汲上対象部からのポンプによる液体汲上げ時における異物の除去に適している。
(4)前記本体部の下端に形成された異物排除口と、
その異物排除口を開閉する開閉体と
を含む(1)項ないし(3)項のいずれかに記載のサイクロン型異物除去装置。
本体部の下端に異物排除口を設ければ、そこから容易に異物を排除することができるが、この異物排除口は、ポンプの作動による液体の汲み上げ時には、異物排除口からの液体の流入を防止するために、閉じられていることが必要である。
開閉体による異物排除口の開閉は、作業者により手動で行なわれてもよく、開閉体開閉装置により自動的に行なわれるようにしてもよい。前者の場合、作業者が開閉体を異物排除口から外し、あるいは回動させる等して、異物排除口を開き、異物を取り除く。異物排除口は本体部の下端に設けられているため、本体部の下方に沈殿した異物を容易に除去することができる。また、開閉体を自動的に開閉させる開閉体開閉装置は、手動による開閉体の開閉が困難な箇所、例えば、深井戸にサイクロン型異物除去装置が設けられる場合等に適しており、開閉体をポンプ停止時には開位置に位置させ、ポンプ作動時には閉位置に位置させることにより、ポンプが停止する毎に異物が自動的に本体部から排除されるようにすることができる。この場合、本体部は1回のポンプ作動時に分離される異物を収容し得る異物収容スペースを有するものとすればよく、小形のものとすることができる。自動の開閉体開閉装置は、本体部内において分離された異物を自動的に排出する異物自動排出装置であると考えることもできる。作業者による手動操作が可能であれば、手動操作型の開閉体開閉装置を設けてもよい。
(5)前記本体部が、前記円錐部の下方に、その円錐部の下端から同軸に延び、円錐部により集められた異物を堆積させて収容するストレート筒状の堆積筒を含み、その堆積筒の下端に前記異物排除口が形成された(4)項に記載のサイクロン型異物除去装置。
本項のサイクロン型異物除去装置においては、本体部の下部が円錐部とされ、さらに本体部の下端部が堆積筒とされたと考えるものとする。
(6)前記堆積筒と前記円錐部との境界近傍に、上下方向に貫通する開口を備え、円錐部により集められた異物の前記堆積筒内への沈降を許容する一方、円錐部内における液体の旋回が堆積筒内の液体に伝達されることを抑制する旋回抑制部材が設けられた (5)項に記載のサイクロン型異物除去装置。
堆積筒内の液体が掻き混ぜられ、一旦沈殿した異物が巻き上げられ、円錐部側へ逆移動し、ポンプにより吸い込まれることが良好に回避される。
(7)前記流出筒の近傍に、昇降可能に設けられ、液体が流出筒を経て流出することを許容しつつその液体から上昇力を受ける引上部材と、
その引上部材の下降端を規定する規定部と、
前記引上部材と前記開閉体とを接続するとともに、それら引上部材と開閉体との距離を、引上部材の下降端が前記規定部により規定された状態では開閉体が前記異物排除口から下方へ離間し、引上部材の上昇に伴って開閉体が異物排除口を閉塞する距離に規定する接続装置と
を含む(4)項ないし(6)項のいずれかに記載のサイクロン型異物除去装置。
規定部は、引上部材に当接して下降端を規定するものでもよく、引上部材と一体的に移動する部材、例えば、開閉体あるいは接続装置に当接して下降端を間接的に規定するものでもよい。
ポンプ非作動時には引上部材に上昇力が作用せず、下降端位置に位置し、開閉体が異物排除口を開いているが、ポンプが作動させられれば、引上部材に上昇力が作用して引き上げられ、開閉体が異物排除口を閉じ、液体が本体部の流入口から流入させられて渦流が発生させられる。本体部内に流入した液体は、流出筒を通ってポンプに吸い込まれる。したがって、流出筒の近傍に設けられた引上部材に確実に上昇力が作用し、引き上げられる。引上部材は、流出筒内に設けられることが望ましいが、流出筒外であっても、流出筒を経て流出する液体の力により引き上げられる位置であればよい。ポンプが停止させられれば、引上部材および開閉体が自重により下降し、開閉体が異物排除口を開き、分離され、沈殿した異物が本体部外へ捨てられる。なお、引上部材および開閉体の下降を確実にするために、スプリング等の弾性部材の付勢力を下向きに作用させることも可能である。
引上部材および接続装置は、ポンプによる液体の汲上げを利用し、ポンプの作動,停止に連動して開閉体に異物排除口を自動的に開閉させる開閉体開閉装置であって、電動や液圧のアクチュエータやそれの制御装置を必要とせず、安価に製造し得るとともに、単純で信頼性の高い開閉体開閉装置が得られる。
(8)前記引上部材が前記流出筒の内部において昇降可能に設けられた(7)項に記載のサイクロン型異物除去装置。
(9)前記引上部材が前記流出筒内を流れる液体に前記本体部内における液体の旋回方向と逆方向の旋回を生じさせる向きの羽根を備えた羽根部材である(8)項に記載のサイクロン型異物除去装置。
流出筒内に流入した液体は羽根に当たり、旋回を抑制される。そのため、流出筒からポンプに吸い込まれる際に液体の旋回が少なく、あるいは旋回がなく、旋回の存在に起因するポンプの効率低下を低減させ得るか、なくすることができる。
羽根は、本体部から流出筒に流入する液体の旋回を丁度停止させるものであることが望ましい。
また、羽根は、2枚あるいは3枚以上であることが望ましい。
なお、引上部材が羽根部材であれば、部品点数が少なくて済むが、同じ部材であることは不可欠ではなく、羽根部材は引上部材とは別体に設けてもよい。その場合、羽根部材は流出筒の内部に位置を固定して設けられればよい。また、引上部材は、流出筒を経て液体が流出することを許容しつつ、その液体から上昇力を受ける部材であればよく、流出筒内に設けられても、流出筒外に設けられてもよく、例えば、格子状を成し、流出筒の軸線に直角な姿勢で昇降可能に配設され、格子を形成する部分の下向きの面に正圧(厳密には、格子間を通過する液体の圧力より高い圧力)を受けることと、上向きの面に負圧(厳密には、格子間を通過する液体の圧力より低い圧力)を受けることとの少なくとも一方を行うものとすることができる。
(10)前記開閉体が、上部ほど横断面積が小さい凸錐面を有する錐体であり、その錐体の上端が前記接続装置の下端に接続された(7)項ないし(9)項のいずれかに記載のサイクロン型異物除去装置。
(11)前記堆積筒の下端部に前記錐体の凸錐面に対応する凹錐面が形成された(10)項に記載のサイクロン型異物除去装置。
引上部材が上昇させられるとき、凸錐面が凹錐面にしまり嵌合され、各傾斜面の案内作用および楔作用により異物排除口が確実に閉じられ、ポンプ作動時に異物排除口から本体部内へ液体が流入することが回避される。
(12)前記接続装置が、前記引上部材と前記開閉体とを固定的に接続する接続部材を含む(7)項ないし(11)項のいずれかに記載のサイクロン型異物除去装置。
(13)前記接続部材が実質的に剛体である接続軸であり、その接続軸が、前記流出筒と前記本体部との少なくとも一方に設けられた軸受部材に軸方向に摺動可能に嵌合され、その軸受部材は上下方向に貫通する開口を備えている(12)項に記載のサイクロン型異物除去装置。
接続軸によれば、引上部材と開閉体とを簡単に接続することができる。接続軸は軸受部材に嵌合されることにより支持され、安定して軸方向に移動し、開閉体が傾くことなく、異物排除口を確実に閉塞する。
(14)前記軸受部材が、前記流出筒に設けられた第一軸受部材と前記本体部の軸方向の中間部に設けられた第二軸受部材とを含む(13)項に記載のサイクロン型異物除去装置。
接続軸は軸方向に離れた2箇所においてそれぞれ軸受部材により支持され、より安定して軸方向に移動し、引上部材が上下方向に移動させられる。
(15)前記第一軸受部材が前記引上部材と当接して、その引上部材の下降端を規定する前記規定部を構成している(14)項に記載のサイクロン型異物除去装置。
第一軸受部材が規定部を兼ねており、部品点数が少なくて済み、サイクロン型異物除去装置を簡易に構成することができる。
(16)前記本体部が、前記円錐部の下方に、その円錐部の下端から同軸に延び、円錐部により集められた異物を堆積させて収容するストレート筒状の堆積筒を含み、その堆積筒の下端に前記異物排除口が形成されるとともに、前記第二軸受部材が、前記堆積筒と前記円錐部との境界近傍に設けられ、その上下方向に貫通する開口において円錐部により集められた異物の前記堆積筒内への沈降を許容する一方、円錐部内における液体の旋回が堆積筒内の液体に伝達されることを抑制する旋回抑制部材を構成する(14)項または(15)項に記載のサイクロン型異物除去装置。
第二軸受部材が旋回抑制部材を兼ねており、部品点数が少なくて済み、サイクロン型異物除去装置を簡易に構成することができる。
(17)前記第一軸受部材と前記接続軸との間に、両者の軸方向の相対移動を許容しつつ両者の相対回転を防止する相対回転防止装置が設けられた(14)項ないし(16)項のいずれかに記載のサイクロン型異物除去装置。
第二軸受部材と接続軸との間に相対回転防止装置を設けることも可能である。しかし、その場合には、引上部材に回転トルクが作用すれば、接続軸が弾性的にねじられ、引上部材に回転振動が発生する恐れがある。したがって、相対回転防止装置はできる限り引上部材に近い位置に設けられることが望ましい。特に、引上部材が羽根部材である場合、流出筒内を流れる液体の旋回を安定して抑制することができる。
(18)液体中に設置されてその液体を汲み上げる液中ポンプと、
その液中ポンプの吸込口に接続された(1)項ないし(17)項のいずれかに記載のサイクロン型異物除去装置と
を含むポンプ装置。
本項に記載のポンプ装置のサイクロン型異物除去装置には(1)項ないし(17)項のいずれかに記載の効果が得られる。
前述のように液中ポンプについてはフィルタを設けて異物を濾過することが困難であるが、サイクロン型異物除去装置はフィルタを用いることなく異物を除去することができ、メンテナンスの容易なポンプ装置が得られる。
モータの中心部にポンプが配設されたモータ・ポンプ一体型ポンプ装置においては、一般にポンプの回転数が高いため、液中に配設され、かつ、回転軸の軸受が汲み上げられる液体によって潤滑される滑り軸受とされることが望ましいが、その場合、軸受面への異物の侵入が故障や寿命低下の原因となり易いため、サイクロン型異物除去装置による異物除去が特に効果的である。
(19)前記液中ポンプが概して円筒状を成し、下端に前記吸込口、上端に吐出口を有し、前記サイクロン型異物除去装置と同軸に接続された(18)項に記載のポンプ装置。
本項に記載のポンプ装置は、深い井戸や細く長い配管等、横断面積が小さく、長い液体汲上対象部内に同軸的に設置し、異物を除去しつつ液体を汲み上げさせることができ、例えば、深井戸からの液体の汲上げ時における砂等の異物の分離や、配管から液体を汲み上げる際の配管スラッジの分離に好適である。
図3に示すように、本サイクロン型異物除去装置16の本体部90は、横断面形状が円形の筒状を成し、上下方向に延び、円筒部92,円錐部94および堆積筒96を含む。円筒部92は、本体部90の上部に設けられ、直径が一定のストレート筒であり、円錐部94は円筒部92の下方に設けられ、円筒部92の下端から下に向かうに従って直径が直線状に漸減させられた形状を有する。堆積筒96は、円錐部94の下方に、円錐部94の下端から同軸に延びる状態で設けられ、直径が一定のストレート筒である。
Claims (7)
- 液体を汲み上げるポンプに接続され、そのポンプに吸い込まれる液体中に混入する異物を除去する装置であって、
円形の横断面形状を有して上下方向に延び、少なくとも下部が下に向かうに従って直径の漸減する円錐部とされた本体部と、
その本体部の上端開口を塞ぐ天板と、
その天板の中央部を貫通して上下方向に延びる流出筒と、
前記本体部の上部の、周方向に互いに隔たった複数の位置に、その上部の周壁を貫通するとともにその本体部の半径方向に対して傾斜して形成された複数の流入口と
を含むことを特徴とするサイクロン型異物除去装置。 - 前記本体部の下端に形成された異物排除口と、
その異物排除口を開閉する開閉体と
を含むことを特徴とする請求項1に記載のサイクロン型異物除去装置。 - 前記流出筒の近傍に、昇降可能に設けられ、液体が流出筒を経て流出することを許容しつつその液体から上昇力を受ける引上部材と、
その引上部材の下降端を規定する規定部と、
前記引上部材と前記開閉体とを接続するとともに、それら引上部材と開閉体との距離を、引上部材の下降端が前記規定部により規定された状態では開閉体が前記異物排除口から下方へ離間し、引上部材の上昇に伴って開閉体が異物排除口を閉塞する距離に規定する接続装置と
を含むことを特徴とする請求項2に記載のサイクロン型異物除去装置。 - 前記引上部材が前記流出筒の内部において昇降可能に設けられ、その流出筒内を流れる液体に前記本体部内における液体の旋回方向と逆方向の旋回を生じさせる向きの羽根を備えた羽根部材であることを特徴とする請求項3に記載のサイクロン型異物除去装置。
- 前記接続装置が、前記引上部材と前記開閉体とを固定的に接続し、実質的に剛体である接続軸を含み、その接続軸が、前記流出筒と前記本体部との少なくとも一方に設けられた軸受部材に軸方向に摺動可能に嵌合され、その軸受部材は上下方向に貫通する開口を備えていることを特徴とする請求項3または4に記載のサイクロン型異物除去装置。
- 前記軸受部材が、前記流出筒に設けられた第一軸受部材と前記本体部の軸方向の中間部に設けられた第二軸受部材とを含むことを特徴とする請求項5に記載のサイクロン型異物除去装置。
- 液体中に設置されてその液体を汲み上げる液中ポンプと、
その液中ポンプの吸込口に接続された請求項1ないし6のいずれかに記載のサイクロン型異物除去装置と
を含むことを特徴とするポンプ装置。
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