JP2007236610A - 静脈認証装置及び静脈認証方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 静脈認証を簡単且つ小型な構成で低コストに実現し、認証時のユーザの心理的な負担を軽減し、端末デザイン設計の自由度を上げる。
【解決手段】
発光部7は近赤外光をユーザの所望の指10の内部へ照射する。撮像部8は、その指の内部で近赤外光が拡散され該指10から外部へ出射した近赤外光を撮像する。ジョグダイヤル6は、指10の移動方向と移動量を検出する。携帯電話端末1は、静脈認証のための登録時には、ジョグダイヤル6にて検出された指10の移動方向と移動量に基づいて、撮像部8の撮影タイミングを決定し、その撮影タイミングで撮像部8により撮影した指10内部の静脈画像を参照用画像として登録する。そして、携帯電話端末1は、実際の静脈認証時には、撮影タイミングに応じて撮像部8で撮影された指10内部の静脈パターンと、予め登録されている参照用の静脈パターンとのマッチングによりユーザの個人認証を行う。
【選択図】 図3
【解決手段】
発光部7は近赤外光をユーザの所望の指10の内部へ照射する。撮像部8は、その指の内部で近赤外光が拡散され該指10から外部へ出射した近赤外光を撮像する。ジョグダイヤル6は、指10の移動方向と移動量を検出する。携帯電話端末1は、静脈認証のための登録時には、ジョグダイヤル6にて検出された指10の移動方向と移動量に基づいて、撮像部8の撮影タイミングを決定し、その撮影タイミングで撮像部8により撮影した指10内部の静脈画像を参照用画像として登録する。そして、携帯電話端末1は、実際の静脈認証時には、撮影タイミングに応じて撮像部8で撮影された指10内部の静脈パターンと、予め登録されている参照用の静脈パターンとのマッチングによりユーザの個人認証を行う。
【選択図】 図3
Description
本発明は、特定使用者の静脈認証を行うための機能を備えた静脈認証装置、特定使用者の静脈認証を行うための静脈認証方法に関する。
従来より、例えば携帯電話端末やPDA(Personal Digital Assistants)等の携帯可能な携帯端末は、外出時などにおいて常に持ち歩くことを前提にして作られている。
また、これらの携帯端末は、外出先等で置き忘れられてしまうことも多く、また、最悪の場合盗難されることこともあり得る。このように、置き忘れられたり、盗難された場合、その携帯端末が不正に使用されたり、個人情報等が盗み見られたりする虞がある。さらに、近年は、いわゆる電子マネーサービスにおける決済機能を備えた携帯端末も製品化されている。したがって、このような電子マネーサービスの決済機能を備えた携帯端末が不正使用された場合には、金銭的な被害をも被ることになる。
ところで、従来の携帯端末には、例えば指紋認証により、正当なユーザ以外による不正使用を防止可能とした端末も既に存在している。但し、指の指紋の場合、例えば物体を手で持っり触ったりした場合に、その物体上には指紋が残ることがあり、当該物体上に残された正当ユーザの指紋が何らかの手法により複製されてしまうことも考えられる。このように、正当なユーザの指紋が複製されてしまった場合、携帯端末の不正使用が可能になる虞があり、上記指紋認証のセキュリティ性は必ずしも高いとは言い難いのが実状である。
一方で、近年は、銀行のATM(現金自動預払機)端末において、従来の暗証番号による認証に加えて、例えば手の平や指の静脈の撮影画像を用いて個人を認証する技術が導入され、より高いセキュリティサービスが提供されている。
すなわち、手の平や指等の静脈は、一般に外部からは見えず、生体内部で三次元的に形成されているものであるため、上述の指紋などのように外部に露出しているものとは異なり、複製が非常に困難であるとされている。このため、静脈認証は、セキュリティ性の高い個人認証の手法として非常に有効であると言われている。
なお、例えば特開2002−83298号の公開特許公報(特許文献1)には、光源と撮像部を溝の両側に対向配置して非接触で指の静脈パターンを獲得するようになされた個人認証装置及び方法が開示されている。さらにこの公報には、指の輪郭を用いて静脈パターンの回転補正を行う技術も開示されている。
また、特開2003−331272号の公開特許公報(特許文献2)には、光源と撮像装置を測定対象部位を挟んで対向配置させると共に、それら光源と撮像装置を測定対象部位の周囲に沿って回転させることで、測定対象部位の周囲に沿った3次元的な全周囲展開画像を撮影し、その撮影画像から得られた血管パターンに基づいて個人認証を行うようになされた認証方法及び認証装置が開示されている。さらにこの公報では、パターンの照合に際して、皮膚表面のパターンを基準として、画像の位置合わせを行う旨の技術も開示されている。
また、特開2005−253989号の公開特許公報(特許文献3)には、ガイド部により指位置を決め、そのガイド部の両側又は片側から指への透過光を照射すると共にその透過光を撮像することで指の撮像パターンを得るようになされた個人認証装置が開示されている。さらにこの公報には、光源から指への光の照射領域を制限するための遮光手段を設けることも開示されている。
上述したように、静脈認証は、指紋認証よりも高いセキュリティ性を備えている。このため、携帯端末にも静脈認証機能を搭載すれば、高額な電子商取引や電子マネー決済サービスを安全に提供可能になると考えられている。
しかしながら、上述した各公開特許公報に記載されているような静脈認証技術を携帯端末に適用することを考えた場合、以下に述べるような問題点がある。
先ず、特開2002−83298号の公開特許公報(特許文献1)に記載の技術の場合、光源と撮像部が溝の両側に対向配置される構造のため、装置全体が大きくなり、小型化が求められる携帯端末には不向きである。また、指等の回転により静脈パターンの回転補正を行うようになされているが、指等の実際の回転角が未知のままの状態で回転補正を行うようになされているため、計算量が大きくなり、低消費電力であることが求められる携帯端末には向かない。その他、当該公報中の図5の例は、複数の光源と撮像部の組み合わせが必要となるため、コストアップとなる。
また、特開2003−331272号の公開特許公報(特許文献2)に記載の技術は、装置の小型化を実現し得ると同時に、信頼性の高い個人認証が実現可能であり、また認証時に正確な照合を行えるが、回転台の回転軸と撮影される指の回転軸を同一線上に合わせる必要があり、装置の構成上、携帯端末には必ずしも向いていない。
さらに、特開2005−253989号の公開特許公報(特許文献3)に記載の技術は、遮光板やガイド溝が必要であり、構造が複雑になり、携帯端末には不向きであり、また、被写体のより広範囲を撮影するために、複数の光源を設けており、コスト高となる。
上述した従来の各静脈認証方式の場合、撮影された静脈パターンと、予め登録されている正当ユーザの静脈パターンとを比較することになるため、登録時と認証時とで指等の位置を正確に再現しなければならないが、正確な位置再現や指等の位置検出には大掛かりな構成が必要となり、その結果、小型化と製造コストの低減が難しくなっている。また、指等の位置を正確に再現しなければならないことは、ユーザ自身にとっても心理的に大きな負担となっている。さらに、従来の静脈認証方式では、認証時に指を置くためのガイド部分となる構成の形状が或る程度決められてしまうため、端末デザインの自由度が低下してしまっている。
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、指紋認証よりも高いセキュリティ性を備えた静脈認証を簡単且つ小型な構成で低コストに実現し、また、認証時におけるユーザの心理的な負担を軽減し、端末デザイン設計の自由度を上げることも可能な静脈認証装置及び静脈認証方法を提供することを目的とする。
本発明の静脈認証装置は、少なくとも近赤外光をユーザの所望の指の内部へ照射する発光部と、その指の内部で近赤外光が拡散され当該指から外部へ出射した近赤外光を撮像する撮像部と、その指の移動方向と移動量を検出する移動検出部と、移動検出部により検出された移動方向と移動量に基づいて撮像部の撮影タイミングを決定する撮影タイミング決定部と、撮影タイミングに応じて撮像部により予め撮影された指内部の静脈画像を格納している画像登録部と、撮影タイミングに応じて撮像部により撮影された指内部の静脈画像と、画像登録部に予め登録されている指内部の静脈画像とを比較してユーザの個人認証を行う認証部とを有することにより、上述した課題を解決する。
また、本発明の静脈認証方法は、ユーザの指の移動方向と移動量を検出するステップと、近赤外光が指の内部で拡散され当該指から外部へ出射した近赤外光を撮像する撮影タイミングを、移動方向と移動量に基づいて決定するステップと、撮影タイミングに応じて予め撮影された指内部の静脈画像を登録しておくステップと、撮影タイミングに応じて撮影された指内部の静脈画像と、予め登録されている指内部の静脈画像とを比較してユーザの個人認証を行うステップとを有することにより、上述した課題を解決する。
すなわち、本発明によれば、指の移動方向と移動量を検出し、その検出された移動方向と移動量に基づいて、指の静脈画像を撮影するタイミングを決定している。言い換えると、指の移動方向と移動量に基づいて、指の静脈画像を撮影する位置を装置が自動的に決定している。
本発明によれば、指紋認証よりも高いセキュリティ性を備えた静脈認証によりユーザの個人認証を行っており、その認証の際に、指の移動方向と移動量を検出し、その検出された移動方向と移動量に基づいて指の静脈画像を撮影する撮影タイミングを自動的に決定しているため、登録時と認証時とでユーザの指の位置を再現するための構成等が不要となり、その結果、簡単且つ小型な構成で低コストに個人認証を実現でき、また、指の位置の再現をユーザに強要しないため、認証時におけるユーザの心理的な負担を軽減でき、さらに、指の位置を再現するための構成が不要であるため、端末デザイン設計の自由度を上げることも可能となっている。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
なお、以下の説明では、本発明の静脈認証装置及び静脈認証方法の一実施形態として、静脈認証機能を備えた携帯電話端末を例に挙げているが、勿論、ここで説明する内容はあくまで一例であり、本発明はこの例に限定されないことは言うまでもない。また、本実施形態では、いわゆるストレートタイプと折り畳みタイプの携帯電話端末を例に挙げているが、本発明はそれに限定されず、他のタイプの携帯電話端末にも適用可能である。
〔第1の実施形態の携帯電話端末外観〕
図1には第1の実施形態の携帯電話端末1の概略的な正面外観図を示し、図2には当該携帯電話端末1の概略的な外観斜視図を示す。
図1には第1の実施形態の携帯電話端末1の概略的な正面外観図を示し、図2には当該携帯電話端末1の概略的な外観斜視図を示す。
本実施形態の携帯電話端末1は、図1に示すように、筐体正面側に、例えば液晶デバイスにより構成されたディスプレイ部2や受話用のスピーカ4、テンキー等からなるキー操作部3、送話用のマイクロホン5等が設けられている。また、本実施形態の携帯電話端末1は、筐体の一側面部(図1,2の例では右側面部)に、ジョグダイヤル6と、少なくとも近赤外光を出射可能な発光部7と、少なくとも近赤外光を受光可能な撮像部8とが設けられている。
上記ジョグダイヤル6は、回転体(ダイヤル部)と、その回転体の回転方向及び回転角度を検出する回転検出部とを有しており、例えばポインティングデバイスとして携帯電話端末1に搭載されている。上記回転体は、その一部のみが上記筐体の右側面部から突出するように配設されており、当該筐体の右側面部に対して水平(並行)で且つ上記発光部7及び撮像部8が設けられている位置から上記回転体までに至る直線に対して略々直交する方向となされた回転軸を有している。なお、ジョグダイヤル6には、回転体の押下操作を検出可能なプッシュスイッチも設けられている。当該プッシュスイッチは、例えばメニュー選択時の決定指示などに用いられている。
上記発光部7は、それぞれ近赤外光を出射可能な複数のLED(発光ダイオード)からなり、携帯電話端末1の筐体右側面に対して略々垂直方向へ上記近赤外光を出射するように配設されている。
上記撮像部8は、近赤外光を通過させそれ以外の可視光や紫外線を遮断する特性を備えたフィルタと、当該フィルタを通過した光を受光して画像信号に変換する撮像素子と、上記撮像素子の撮像面上に被写体像を結像させるためのレンズ系とを備え、それらレンズ系、フィルタ、撮像素子が一体化されて組み込まれている。また、当該撮像部8は、使用時にのみ当該携帯電話端末1の右側筐体内部から引き出され、非使用時には上記右側面筐体内部に収納可能となされている。
〔第1の実施形態の静脈認証時の使用例〕
図3には、第1の実施形態の携帯電話端末1において、指の静脈認証を行う際の使用例を示す。
図3には、第1の実施形態の携帯電話端末1において、指の静脈認証を行う際の使用例を示す。
本実施形態の携帯電話端末1において、指の静脈認証を行う場合には、図3に示すように、例えば右手の人差し指10の親指側を携帯電話端末1の筐体右側面部に略々接触させると共に当該指10の先端部分をジョグダイヤル6の回転体に接触させた状態で、当該右手全体を図中矢印A方向(つまり筐体右側面部の長手方向)へ移動させる。すなわちこの場合、ユーザの人差し指10は、筐体右側面部の長手方向(図中矢印A方向)へ一次元的に移動すると同時に、ジョグダイヤル6の回転体を図中矢印R方向へ回転させることになる。言い換えると、上記ジョグダイヤル6の回転体は、当該右手全体の図中矢印A方向への移動に連動して図中矢印R方向へ回転することになる。またこの場合において、本実施形態の携帯電話端末1の筐体右側側面部とジョグダイヤル6及び撮像部8は、ユーザが人差し指10を移動させる際に、図中矢印A方向への一次元的な移動方向から人差し指10が外れるのを防ぐためのガイドとして作用している。
上述のように、ユーザの人差し指10の一次元的な移動とジョグダイヤル6の回転がなされている時、当該ユーザの右手の人差し指10の中程には、上記発光部7から出射された近赤外光が照射されることになる。ユーザの人差し指10へ照射された近赤外光は、当該指10の内部へ拡散し、その指10の静脈内のヘモグロビンにより吸収される一方で、上記静脈以外の生体内部組織により散乱される。そして、上記人差し指10内部の静脈以外の生体内部組織による散乱光は、当該人差し指10の外部へ放出されることになる。つまり、当該指10の外部へ放出された光は、上記指内部の静脈部分が影のように投影された状態の光となる。
一方この時の撮像部8のレンズ系には、上記指10の外側へ放出された光、つまり上記指内部の静脈パターンが影のように投影された光が入射する。これにより、撮像部8では、上記指内部の静脈パターンを反映した画像が撮影されることになる。
〔第1の実施形態の静脈認証時の撮影タイミング〕
ここで、本実施形態の携帯電話端末1は、上記ジョグダイヤル6の操作信号に基づいて、上記撮影部8による静脈パターン画像を撮影する最適なタイミングを決定するようになされている。
ここで、本実施形態の携帯電話端末1は、上記ジョグダイヤル6の操作信号に基づいて、上記撮影部8による静脈パターン画像を撮影する最適なタイミングを決定するようになされている。
図4を用いて、正当なユーザの指10の静脈パターンを登録した時の撮影タイミングと、静脈認証時の撮影タイミングについて説明する。
先ず、正当なユーザの指10の静脈パターンを登録する際、本実施形態の携帯電話端末1は、上記ジョグダイヤル6の操作信号に基づいて一定間隔毎に静脈パターン画像を撮影する。すなわち、ユーザの人差し指10が筐体右側面部の長手方向へ一次元的に移動することで、ジョグダイヤル6の回転体が回転操作されたとき、本実施形態の携帯電話端末1は、当該ジョグダイヤル6の回転体の回転方向と回転角度のデータに基づいて、ユーザの指10の移動方向と移動量を検出すると同時に、当該検出した移動方向と移動量に基づいて一定間隔毎に静脈パターン画像を撮影するための撮影タイミングを決定する。
ここで、正当なユーザの指10の静脈パターン登録の際に、図4の(a)に示すように、指先端からの絶対位置が例えば41mmから60mmまでの間に1mm刻みで20枚の画像を撮影したとする。
本実施形態の携帯電話端末1では、これら1mm刻みで撮影された20枚の静脈パターンの画像のうち例えば2枚の画像を、後の静脈認証時に使用される参照用画像として、指の計測開始位置からの相対位置と対応させて内部メモリ等に記録(登録)する。なお、本実施形態では、例えば指先端からの絶対位置が48mmの位置で撮影された画像と、同じく絶対位置が55mmの画像の2枚、つまり撮影時の相対位置が7mm間隔だけ離れた2枚の画像を、上記参照用画像として登録したとする。
次に、実際に静脈認証が行われる場合、本実施形態の携帯電話端末1は、上記登録時と同様に、ジョグダイヤル6の操作信号に基づいて1mm刻みで静脈パターン画像を20枚撮影し、その撮影により得られた画像のうち相対位置が7mm間隔だけ離れた二枚の画像の組の全てについて、先に登録されている2枚の参照用画像との間のパターンマッチングを行う。そして、本実施形態の携帯電話端末1は、上記相対位置が7mm間隔だけ離れた画像2枚の組の中に、上記先に登録されている2枚の参照用画像と一致する組があった時、認証OKと判断する。
ここで、図4の例には、実際に静脈認証が二回行われ場合の例を挙げている。図4の(b)に示す一回目の静脈認証の際には、指先端からの絶対位置が例えば45mmから64mmまでの間に1mm刻みで20枚の画像を撮影し、当該撮影により得られた画像のうち相対位置が7mm間隔だけ離れた二枚の画像の組の全てについて、先に登録されている2枚の参照用画像との間のパターンマッチングを行う。図4の(c)に示す二回目の静脈認証の際には、指先端からの絶対位置が例えば38mmから57mmまでの間に1mm刻みで20枚の画像を撮影し、当該撮影により得られた画像のうち相対位置が7mm間隔だけ離れた二枚の画像の組の全てについて、先に登録されている2枚の参照用画像との間のパターンマッチングを行う。
このように、本実施形態では、上述のように1mm刻みで撮影した20枚の画像の中から相対位置が7mm間隔だけ離れた二枚の画像の組を用いて静脈パターンのマッチングを行うようになされているため、仮に、上記ジョグダイヤル6の操作信号に基づく位置計測精度が±2mmであったとした場合、従来の認証技術では指の合わせ精度が悪いために、二回の静脈認証共にマッチングがとれないが、本実施形態の携帯電話端末1では、二回ともマッチングをとることができることになる。
なお、上記発光部7は、撮像部8により撮影が行われている間、常時点灯する場合の他、上記撮影タイミングに合わせて点灯しても良い。
また、上述した参照用画像の登録と実際の静脈認証において、ユーザと端末1との間で認証開始及び終了のタイミングをインタラクティブに行えれば、よりユーザフレンドリであると言える。本実施形態の場合、携帯電話端末1の動作モードが静脈認証モードに設定されている状態で、ジョグダイヤル6に設けられているプッシュスイッチがユーザにより押下された時、認証開始の意思がユーザから端末1へ伝えられる。その他、携帯電話端末1は、静脈認証が終了した時に、画面表示やLED点灯、ブザー音の出力、PCM音声の出力、バイブレータの振動などにより、ユーザに認証終了を通知することも可能である。
また、第1の実施形態において、発光部7と撮像部8の位置関係は逆であっても良い。
〔第2の実施形態の携帯電話端末の外観〕
次に、図5には本発明の第2の実施形態の携帯電話端末1の概略的な外観斜視図を示す。なお、図4において、前述の図1,図2に示した構成要素と同一の機能を有するものには、図1,図2と同じ指示符号を付して、それらの説明は省略する。
次に、図5には本発明の第2の実施形態の携帯電話端末1の概略的な外観斜視図を示す。なお、図4において、前述の図1,図2に示した構成要素と同一の機能を有するものには、図1,図2と同じ指示符号を付して、それらの説明は省略する。
この第2の実施形態の携帯電話端末1は、図5に示すように、第1,第2の筐体21,22が回転ヒンジ23を介して連結された折り畳みタイプの携帯電話端末である。第1の筐体21には、例え液晶デバイスにより構成されたディスプレイ部2等が設けられ、第2の筐体22にはテンキー等からなるキー操作部3等が設けられている。また、第2の実施形態の携帯電話端末1は、第2の筐体22のキー操作部3等が設けられている筐体主面側に、ジョグダイヤル6と、少なくとも近赤外光を出射可能な発光部7と、少なくとも近赤外光を受光可能な撮像部8とが設けられている。
この第2の実施形態の場合も前述同様に、ジョグダイヤル6は、回転体(ダイヤル部)と、その回転体の回転方向及び回転角度を検出する回転検出部とを有しており、例えばポインティングデバイスとして搭載されている。なお、第2の実施形態の場合、上記回転体は、その一部のみが上記第2の筐体22の主面部から突出するように配設されており、当該第2の筐体22の主面に対して水平で且つ当該主面の幅方向に対して並行方向となされた回転軸を有している。
上記発光部7と撮像部8は、第2の筐体22の主面上で上記ジョグダイヤル6の回転体の回転軸に直交する線を挟むように、第2の筐体22の主面上の幅方向の両端部に設けられると共に、互いに向き合うように配設されている。また、第2の筐体22の主面上で上記発光部7と撮像部8を結ぶ線は、上記ジョグダイヤル6の回転体の回転軸からは離れた位置となされている。なお、これら発光部7と撮像部8は共に、使用時にのみ筐体内部から引き出され、非使用時には筐体内部に収納可能となされている。
〔第2の実施形態の静脈認証時の使用例〕
以下、上記図5に示した第2の実施形態の携帯電話端末1において、指の静脈認証を行う際の使用例を説明する。
以下、上記図5に示した第2の実施形態の携帯電話端末1において、指の静脈認証を行う際の使用例を説明する。
この第2の実施形態の携帯電話端末1において、指の静脈認証を行う場合には、図5に示すように、例えば人差し指10の手の平側(腹側)を第2の筐体22の主面上に略々接触させると共に指10の先端部分をジョグダイヤル6の回転体に接触させた状態で、当該手全体を図中矢印A方向(つまり第2の筐体22の長手方向)へ移動させる。すなわちこの場合、ユーザの人差し指10は、第2の筐体22の長手方向(図中矢印A方向)へ一次元的に移動すると同時に、ジョグダイヤル6の回転体を図中矢印R1方向へ回転させることになる。またこの場合において、第2の筐体22の主面部とジョグダイヤル6は、ユーザが人差し指10を移動させる際に、図中矢印A方向への一次元的な移動方向から人差し指が外れるのを防ぐためのガイドとして作用している。
上述のように、ユーザの人差し指10の一次元的な移動とジョグダイヤル6の回転がなされている時、当該ユーザの人差し指10の中程には、上記発光部7から出射された近赤外光が照射されることになる。そして、上記人差し指10内部の静脈以外の生体内部組織による散乱光は、当該人差し指10の外部へ放出され、撮像部8のレンズ系へ入射することになる。これにより、撮像部8では、上記指内部の静脈パターンを反映した画像が撮影されることになる。
なお、この第2の実施形態において、上記ジョグダイヤル6の操作信号に基づいて、上記撮影部8による静脈パターン画像を撮影する際のタイミングは、前述の第1の実施形態の場合と同様であるため、ここではその説明を省略する。
この第2の実施形態の例においても、上述の第1の実施形態の場合と同様に、ユーザの静脈認証を行うことができる。
また、この第2の実施形態のような折り畳みタイプの携帯電話端末1の場合、例えば第1の筐体21と第2の筐体22を半分閉じた状態で静脈認証を行うようにすれば、外光を遮断することが可能となるため、認証精度をより高めることが可能となる。
また、第2の実施形態において、発光部7と撮像部8の位置関係は逆であっても良い。
〔第3の実施形態の携帯電話端末の外観〕
次に、図6には本発明の第3の実施形態の携帯電話端末1の概略的な外観斜視図を示す。なお、図6において、前述の図1,図2,図5に示した構成要素と同一の機能を有するものには、図1,図2,図5と同じ指示符号を付して、それらの説明は省略する。
次に、図6には本発明の第3の実施形態の携帯電話端末1の概略的な外観斜視図を示す。なお、図6において、前述の図1,図2,図5に示した構成要素と同一の機能を有するものには、図1,図2,図5と同じ指示符号を付して、それらの説明は省略する。
この第3の実施形態の場合、ジョグダイヤル6の回転体は、第2の筐体22の主面に対して水平で且つ当該主面の長手方向に対して並行方向となされた回転軸を有している。
また、第3の実施形態の場合、上記発光部7と撮像部8は、第2の筐体22の主面上で上記ジョグダイヤル6の回転体の回転軸と一致する線を挟むように、第2の筐体22の主面上の幅方向の両端部に設けられると共に、互いに向き合うように配設されている。また、第2の筐体22の主面上で上記発光部7と撮像部8を結ぶ線は、上記ジョグダイヤル6の回転体からは離れた位置となされている。
また、第3の実施形態の場合、第2の筐体22には、上記ジョグダイヤル6が配されている一方の端部に相対応した長手方向の他方の端部近傍に、静脈認証が行われる指の根本を置くための窪みを備えた支持台24が設けられている。なお、上記支持台24は、使用時にのみ筐体内部から引き出され、非使用時には筐体内部に収納可能となされている。
〔第3の実施形態の静脈認証時の使用例〕
以下、上記図6に示した第3の実施形態の携帯電話端末1において、指の静脈認証を行う際の使用例を説明する。
以下、上記図6に示した第3の実施形態の携帯電話端末1において、指の静脈認証を行う際の使用例を説明する。
この第3の実施形態の携帯電話端末1において、指の静脈認証を行う場合には、図6に示すように、例えば人差し指10の手の平側(腹側)を第2の筐体22の主面上に略々接触させると共に指10の先端部分をジョグダイヤル6の回転体に接触させ、さらに上記支持台24に指10の根本を置いた状態で、ジョグダイヤル6の回転体を図中矢印R2方向へ回転させる。すなわちこの場合、ユーザの人差し指10は、ジョグダイヤル6の回転体の図中矢印R2方向への回転に伴って回転することになる。またこの場合において、第2の筐体22の主面部とジョグダイヤル6、及び支持台24は、ユーザが人差し指10を回転させる際に、その位置がずれるのを防ぐためのガイドとして作用している。
上述のように、ユーザの人差し指10によりジョグダイヤル6の回転がなされている時、当該ユーザの人差し指10の中程には、上記発光部7から出射された近赤外光が照射されることになる。そして、上記人差し指10内部の静脈以外の生体内部組織による散乱光は、当該人差し指10の外部へ放出され、撮像部8のレンズ系へ入射することになる。これにより、撮像部8は、上記指内部の静脈パターンを反映した画像を撮影することができる。すなわち、この第3の実施形態の場合、ジョグダイヤル6の回転操作に伴って、ユーザの人差し指10が図中矢印R2方向へ回転移動した時、携帯電話端末1は、当該ジョグダイヤル6の回転体の回転方向と回転角度のデータに基づいて、ユーザの指10の回転移動方向と回転移動量を検出すると同時に、当該検出した回転移動方向と回転移動量に基づいて一定間隔毎の撮影タイミングを決定し、その撮影タイミングに応じて指の静脈パターン画像を撮影する。
なお、この第3の実施形態において、上記ジョグダイヤル6の回転方向と回転角度のデータに基づいて、上記撮影部8による静脈パターン画像を撮影する際のタイミングは前述の第1,第2の実施形態の場合と略々同様であるが、各撮影タイミングにて撮影される静脈パターンの画像は指10を上記矢印R2方向に回転移動させた時の静脈パターンの画像となる。
この第3の実施形態の例においても、上述の第1,図2の実施形態の場合と同様に、上記撮影により得られた静脈パターンの画像と、予め登録しておいた参照用画像とのマッチングを行うことにより、ユーザの静脈認証を行うことができる。
〔携帯電話端末の概略的な内部構成〕
図7には、上述した静脈認証機能を備えた本発明の実施形態の携帯電話端末1の概略的な内部構成を示す。
図7には、上述した静脈認証機能を備えた本発明の実施形態の携帯電話端末1の概略的な内部構成を示す。
通信アンテナ52は、例えば内蔵アンテナであり、通話やパケット通信のための信号電波の送受信を行う。通信回路51は、送受信信号の周波数変換、変調と復調等を行う。なお、パケット通信により送受信されるデータは、電子メールデータ、動画像や静止画の画像データ、音声データ、HTML(Hyper Text Markup Language)データ、プログラムデータ、その他の各種データである。ここで、上記通信アンテナ52及び通信回路51の受信データが通話音声のデータである場合、その通話音声のデータはデータラインを介して音声処理部62へ送られ、それ以外の受信データは一旦、制御部50へ送られて処理された後、必要に応じて当該制御部50から各部へ送られる。
音声処理部62は、上記通信アンテナ52及び通信回路51から通話音声の受信データが供給された時には、当該通話音声の受信データを復号化し、その復号化後の通話音声データをデータラインを介してスピーカ60へ送る。
スピーカ60は、携帯電話端末1に設けられている受話用のスピーカ4やリンガ(着信音)、音楽再生、アラーム音出力用のスピーカであり、ディジタル/アナログ変換器と増幅器を含み、通話音声やリンガ音,再生音楽のデータを、ディジタル/アナログ変換及び増幅した後、出力する。これにより、通話音声やリンガ音,再生音楽が得られることになる。
マイクロホン61は、送話用のマイクロホン5であり、アナログ/ディジタル変換器と増幅器を含む。このマイクロホン61を介して入力された通話音声信号は、増幅器により所定のレベルに増幅された後、アナログ/ディジタル変換器によりディジタル音声データに変換され、データラインを介して音声処理部62へ送られて符号化された後、データラインを介して通信回路51へ送られて変調、周波数変換等の各種処理を受け、通信アンテナ52から送信される。
表示部53は、液晶等からなる前記ディスプレイ部2とそのディスプレイ部2を駆動するためのディスプレイ駆動回路とからなる。ディスプレイ駆動回路は、画像処理部63から供給された画像信号に基づいて、上記ディスプレイ部2を駆動する。これにより、ディスプレイ部2には、画像や文字等が表示される。
キー操作部54は、前述した携帯電話端末1の筐体上に設けられているキー操作部3と、各キーの操作に応じた操作信号を発生する操作信号発生器とからなる。
ポインティングデバイス部55は、前述したジョグダイヤル6であり、回転体(ダイヤル部)と回転検出部、プッシュスイッチ等からなる。なお、本発明において、静脈認証時に上記指の移動を検出するためのデバイスとしては、上記ジョグダイヤル6の他に、静電容量の変化を検出することで例えば指の接触を検知する接触検知部と、その接触している指等が移動した時の座標変化を検知する座標変化検知部とを有し、上記座標の変化により指等の移動方向と移動量を検出するような、いわゆる静電容量検出型のポインティングデバイスを用いることも可能である。すなわち、当該静電容量検出型のポインティングデバイスの一次元方向検出機能を用いて、指の一次元的な移動方向と移動量を検出し、それら移動方向と移動量から指の位置検出を行うようにしても良い。
撮像部66は、前述した携帯電話端末1の筐体に設けられている静脈認証用の撮像部8であり、撮像素子と結像用光学系、近赤外線を透過するフィルタなどにより構成されている。撮像制御部65は、制御部50による制御の元、上記撮像部66における撮像動作の制御等を行う。なお、撮像部66は、一般的な写真撮影を行う機能を備えていても良い。
発光部68は、前述した携帯電話端末1の筐体に設けられている近赤外光の発光部7である。発光制御部67は、制御部50による制御の元、上記発光部67における発光動作の制御等を行う。なお、発光部68は、着信LEDや表示部53のバックライト用LED、各キーの照明用LEDを含んでいても良い。
画像処理部63は、表示部53に表示される画像の処理を行う。また、画像処理部63は、制御部50による制御の元で内蔵メモリから読み出された圧縮符号化されている画像データや、インターネット等を介して取得した画像データ等を伸張復号化等し、その伸張復号後の画像データをデータラインを介して表示部53へ送って表示させる。
認証処理部64は、当該携帯電話端末1が静脈認証モードに設定されている時に、撮像部66にて撮影され画像処理部63にて適切な画像処理が施された撮影画像情報から、ユーザ固有の生体パターン(すなわち指の静脈パターン)を抽出し、当該抽出した静脈パターンと、メモリ部56に予め登録されている正当なユーザの静脈パターンとを比較することにより、ユーザの認証を行う。そして、その認証結果の情報は、制御部50に送られることになる。
メモリ部56は、ROM(Read Only Memory)とRAM(Random Access Memory)を含む。ROMは、OS(Operating System)、制御部50が各部を制御するための制御プログラムコード、各種の初期設定値、フォントデータ、仮名漢字変換や予測変換に用いられる辞書データ、着信音やキー操作音等の音データ、本実施形態にかかる静脈認証の制御プログラムコード、その他、当該端末に搭載される各種のアプリケーション用のプログラムコード、当該端末の機器識別情報(ID)などを記憶している。このROMは、NAND型フラッシュメモリ(NAND-type flash memory)或いはEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)のような書き換え可能なROMを含み、電子メールデータ、電話帳や電子メールアドレス帳のデータ、スケジュール帳のデータ、通信履歴等の様々なデータ、ユーザ辞書データ、静止画や動画データ、キー操作音等の音データ、本実施形態にかかる静脈認証時に使用される正当ユーザの登録静脈パターン情報、その他、各種のユーザ設定値等を保存することも可能となされている。RAMは、制御部50が各種のデータ処理を行う際の作業領域として、随時データを格納する。
制御部50は、CPUからなり、メモリ部56に記憶されているOSや各種プログラムに基づいて、当該端末の様々な制御、本実施形態にかかる静脈認証時の制御等を行う。特に本実施形態の場合、制御部50は、ポインティングデバイス部55から供給された検出信号から指の位置を計測し、その位置の情報に基づいて、先述した撮影タイミングを決定し、その情報を撮像制御部65に送る。これにより、撮像制御部65は、前述した撮影タイミングに応じた撮影を撮像部66に行わせることができるようになる。
その他、図7には図示を省略しているが、本実施形態の端末は、外部メモリインターフェース、外部ケーブル用コネクタ、赤外線通信機能、電子財布機能、バイブレータ、バッテリ、電力制御機能、通常のカメラ機能など、一般的な携帯電話端末が備えている各構成要素についても備えている。なお、それら一般的な携帯電話端末が備えている回路構成やその他の構成の説明については省略する。
〔静脈認証時の制御フロー〕
図8には、本実施形態の携帯電話端末1が静脈認証モードになされている時の上記制御部50による制御動作のフローチャートを示す。
図8には、本実施形態の携帯電話端末1が静脈認証モードになされている時の上記制御部50による制御動作のフローチャートを示す。
図8において、静脈認証モードが起動すると、制御部50は、ステップS11の処理として、ポインティングデバイス部55が操作されたか否か、つまり、ユーザの指が前述したように一次元方向や回転方向に移動することによりポインティングデバイス部55が操作されたか否か判定し、ポインティングデバイス部55が操作されたと判定した時、ステップS12へ処理を進める。
ステップS12の処理に進むと、制御部50は、ポインティングデバイス部55の操作信号に基づいて、ユーザの指がどの程度移動したかを計測し、その移動計測情報に基づいて前述の撮影タイミングを決定する。
そして、制御部50は、ステップS13の処理として、上記ステップS12で決定した撮影タイミングで撮像部66による撮影を行わせるように、撮像制御部65を制御する。
次に、制御部50は、上述した撮影タイミングにより撮影が行われ、前述したように例えば20枚等の所定の枚数の撮影が行われたか否か判定し、所定枚数の撮影が行われていない間はステップS11へ処理を戻し、一方、所定枚数の撮影が行われたと判定した場合には、ステップS15へ処理を進める。
ステップS15の処理に進むと、制御部50は、上記所定枚数の画像の中から前述したように相対位置が所定間隔だけ離れた2枚の画像を順次抽出し、それら抽出した2枚の画像と、メモリ部56に予め登録されている参照用画像とを、静脈認証部64へ送る。これにより、静脈認証部64では、それら画像のパターンマッチングによる静脈認証処理が実行される。
次に、制御部50は、ステップS16へ進み、上記静脈認証部64による静脈認証結果に応じた処理を行う。すなわち、認証OKならばその旨を前述の表示や音などを通じてユーザに知らせると共に、例えば当該携帯電話端末1の電子マネー機能等、認証が必要な機能を使用可能にするなどの処理を行う。一方、認証NGならばその旨を前述の表示や音などを通じてユーザに知らせると共に、当該携帯電話端末1の電子マネー機能等、認証が必要な機能を使用不可にするなどの処理を行う。
〔まとめ〕
以上説明したように、本実施形態の携帯電話端末1によれば、指紋認証よりも高いセキュリティ性を備えた静脈認証を行え、また、当該静脈認証の際には、筐体とポインティングデバイスをユーザの指のガイドとして使用すると共に、ポインティングデバイス部55の操作信号に応じてユーザの指の位置や回転を計測し、当該指の位置や回転に応じて、撮像部66の撮像タイミングを決定して撮影された指の内部静脈パターンの画像により個人認証を行うようになされているため、指の位置再現のために大掛かりな構成を設ける必要がなく、簡単且つ小型な構成で低コストに個人認証を実現できる。また、本実施形態によれば、撮影時の指の動く速度が変化したとしても、指の計測開始位置からの相対位置の精度は装置設計時の設計精度に一致し、設計時の設計精度が略々正確に再現される。すなわち本実施形態によれば、例えば指の計測開始位置からの相対位置の精度が高く取れることから、登録時の記録データ量を減らしたとしても、認証時の認証精度を十分に確保することが可能である。
以上説明したように、本実施形態の携帯電話端末1によれば、指紋認証よりも高いセキュリティ性を備えた静脈認証を行え、また、当該静脈認証の際には、筐体とポインティングデバイスをユーザの指のガイドとして使用すると共に、ポインティングデバイス部55の操作信号に応じてユーザの指の位置や回転を計測し、当該指の位置や回転に応じて、撮像部66の撮像タイミングを決定して撮影された指の内部静脈パターンの画像により個人認証を行うようになされているため、指の位置再現のために大掛かりな構成を設ける必要がなく、簡単且つ小型な構成で低コストに個人認証を実現できる。また、本実施形態によれば、撮影時の指の動く速度が変化したとしても、指の計測開始位置からの相対位置の精度は装置設計時の設計精度に一致し、設計時の設計精度が略々正確に再現される。すなわち本実施形態によれば、例えば指の計測開始位置からの相対位置の精度が高く取れることから、登録時の記録データ量を減らしたとしても、認証時の認証精度を十分に確保することが可能である。
また、本実施形態の携帯電話端末1によれば、静脈認証時に、ユーザはジョグダイヤル6等のポインティングデバイスを指で回転させる等の単純な操作を繰り返すのみで良く、登録時と認証時の指の位置を再現させるなどのような意識集中を必要とする特別な操作を行わなくても良いため、認証時におけるユーザの心理的な負担も軽減できる。
さらに、本実施形態によれば、静脈認証の際に指の位置再現を行うような特別な構成を設ける必要が無いため、端末デザイン設計の自由度が大きくなる。
なお、上述した各実施形態の説明は、本発明の一例である。このため、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることはもちろんである。
本発明は上述した各実施形態に挙げた携帯電話端末に限定されず、PDA、カーナビゲーションシステムやAV機器のリモートコントローラ等、様々な携帯端末にも適用可能である。
1 携帯電話端末、2 ディスプレイ部、3 キー操作部、4,60 受話用のスピーカ、5,61 送話用のマイクロホン、7,68 発光部、8,66 撮像部、10 ユーザの指、21 第1の筐体、22 第2の筐体、23 回転ヒンジ、24 指の支持台、50 制御部、51 通信回路、52 通信用のアンテナ、53 表示部、54 キー操作部、55 ポインティングデバイス部55、56 メモリ部、62 音声信号処理部、63 画像信号処理部、64 認証処理部、65 撮像制御部、67 発光制御部
Claims (8)
- 少なくとも近赤外光をユーザの所望の指の内部へ照射する発光部と、
上記指の内部で上記近赤外光が拡散され当該指から外部へ出射した近赤外光を撮像する撮像部と、
上記指の移動方向と移動量を検出する移動検出部と、
上記移動検出部により検出された移動方向と移動量に基づいて、上記撮像部の撮影タイミングを決定する撮影タイミング決定部と、
上記撮影タイミングに応じて上記撮像部により予め撮影された上記指内部の静脈画像を格納している画像登録部と、
上記撮影タイミングに応じて上記撮像部により撮影された上記指内部の静脈画像と、上記画像登録部に予め登録されている指内部の静脈画像とを比較してユーザの個人認証を行う認証部と、
を有することを特徴とする静脈認証装置。 - 請求項1記載の静脈認証装置であって、
上記撮影タイミング決定部は、上記移動検出部により検出された移動方向と移動量に基づいて一定間隔毎の撮影タイミングを決定し、
上記画像登録部は、上記一定間隔毎の撮影タイミングに応じて上記撮像部により予め撮影された上記指内部の複数の静脈画像のうち、所定の相対間隔の撮影タイミングにて撮影された少なくとも二枚の静脈画像を格納しており、
上記認証部は、上記一定間隔毎の撮影タイミングに応じて上記撮像部により撮影された上記指内部の複数の静脈画像のうち、所定の相対間隔の撮影タイミングにて撮影された少なくとも二枚の静脈画像と、上記画像登録部に予め登録されている上記少なくとも二枚の静脈画像とを比較してユーザの個人認証を行うことを特徴とする静脈認証装置。 - 請求項1記載の静脈認証装置であって、
上記移動検出部は、回転体と、当該回転体の回転方向及び回転角度を検出する回転検出部とを少なくとも有するダイヤル型のポインティングデバイスからなることを特徴とする静脈認証装置。 - 請求項3記載の静脈認証装置であって、
発光部及び撮像部と移動検出部は同一の装置筐体面上に配置され、且つ、発光部及び撮像部の配設位置と上記移動検出部の回転体の配設位置とは略々一次元方向に並んで位置し、
上記移動検出部の回転体は、上記同一の装置筐体面に対して一部のみが突出して配設されると共に、上記同一の装置筐体面に対して水平方向で且つ上記発光部及び撮像部の配設位置から当該回転体までに至る直線に対して略々直交する方向となされた回転軸を有していることを特徴とする静脈認証装置。 - 請求項3記載の静脈認証装置であって、
発光部及び撮像部と移動検出部は同一の装置筐体面上に配置され、
上記発光部と撮像部は、上記同一の装置筐体面上で上記移動検出部の回転体の回転軸に直交する線を挟むように設けられると共に互いに向き合うように配設されており、
上記移動検出部の回転体は、上記同一の装置筐体面に対して一部のみが突出して配設され、上記同一の装置筐体面に対して水平方向で且つ上記発光部及び撮像部を結ぶ線に対して略々並行する方向となされた回転軸を有していることを特徴とする静脈認証装置。 - 請求項3記載の静脈認証装置であって、
発光部及び撮像部と移動検出部は同一の装置筐体面上に配置され、
上記発光部と撮像部は、上記同一の装置筐体面上で上記移動検出部の回転体の回転軸に一致する線を挟むように設けられると共に互いに向き合うように配設されており、
上記移動検出部の回転体は、上記同一の装置筐体面に対して一部のみが突出して配設されると共に、上記同一の装置筐体面に対して水平方向で且つ上記発光部及び撮像部を結ぶ線に対して略々直交する方向となされた回転軸を有していることを特徴とする静脈認証装置。 - 請求項1記載の静脈認証装置であって、
上記移動検出部は、静電容量の変化を検出することで物体の接触を検知する接触検知部と、その検知された物体が接触した状態で移動した時の座標変化を検知する座標変化検知部とを有し、上記座標の変化により物体の移動方向と移動量を検出する、静電容量検出型のポインティングデバイスからなることを特徴とする静脈認証装置。 - ユーザの所望の指の移動方向と移動量を移動検出部により検出するステップと、
発光部からの近赤外光が上記指の内部で拡散され当該指から外部へ出射した近赤外光を撮像部が撮像する際の撮影タイミングを、上記移動検出部により検出された移動方向と移動量に基づいて撮影タイミング決定部が決定するステップと、
上記撮影タイミングに応じて上記撮像部により予め撮影された上記指内部の静脈画像を画像登録部に登録しておくステップと、
上記撮影タイミングに応じて上記撮像部により撮影された上記指内部の静脈画像と、上記画像登録部に予め登録されている指内部の静脈画像とを、認証部が比較してユーザの個人認証を行うステップと、
を有することを特徴とする静脈認証方法。
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-
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