JP2009098935A - 指静脈認証装置及びこれを用いた情報処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型化・薄型化が可能であり、携帯電話等の小型情報装置に適用することができると共に、低消費電力化、指静脈認証の高速化及び高精度化、指静脈認証終了後のセキュリティの確保を可能にした指静脈認証装置及びこれを用いた情報処理装置を提供する。
【解決手段】指を載置させる筐体11と、指に向けて光を射出する光源と、前記光によって指の内部を撮像する撮像部と、撮像部によって撮像された画像から指の静脈パターンを抽出し、個人認証を行う処理部を有する認証部と、指が接触した際に、認証部を起動させる起動ボタン15と、指を載置位置に誘導するガイド部16とを備え、撮像部と、起動ボタン15と、ガイド部16とを互いに間隔をおいて略直線上に配置した指静脈認証装置10である。
【選択図】図1
【解決手段】指を載置させる筐体11と、指に向けて光を射出する光源と、前記光によって指の内部を撮像する撮像部と、撮像部によって撮像された画像から指の静脈パターンを抽出し、個人認証を行う処理部を有する認証部と、指が接触した際に、認証部を起動させる起動ボタン15と、指を載置位置に誘導するガイド部16とを備え、撮像部と、起動ボタン15と、ガイド部16とを互いに間隔をおいて略直線上に配置した指静脈認証装置10である。
【選択図】図1
Description
本発明は、指の静脈パターンに基づいて生体個人認証を行う指静脈認証装置及びこれを用いた情報処理装置に関する。
従来、様々なセキュリティ技術の中でも、指静脈は高精度な認証を実現できるものとして知られている。指静脈認証は、身体内部の指静脈パターンを使用するために優れた認証精度を実現し、且つ指紋認証に比べて偽造・改ざんが困難であることにより高度なセキュリティを実現できる。
この種の指静脈認証装置として、例えば、指を通過する光を照射する光源と、前記指を透過した光を撮像する撮像部と、前記指が所定位置に存在することを検知する指検知手段と、前記撮像部によって撮影された画像の中から前記指の占める領域を抽出する指領域抽出手段と、前記抽出された領域内部の特定部位の画質により前記撮像部における撮像素子の増幅率を変化させる利得変化手段と、を備えたものがある。(例えば、特許文献1参照)。
また、撮像部と、指を透過し、前記撮像部へ入射する光を照射する光源と、前記撮像部で撮像された画像からパターンを生成し、前記パターンと事前に登録された登録パターンとの照合を行う画像演算部と、前記登録パターンを保持する記憶装置と、前記指の撮像位置を示すガイド部と、前記指の前記ガイド部への接触を検知する検知部と、を有する指静脈認証装置も紹介されている。(例えば、特許文献2参照)。
そしてまた、手で握りこむ曲率を有するグリップ部と、前記グリップ部内に設置され、該グリップ部に設置された指を掌側から照射する光源と、前記指を透過した前記光源からの光を撮像する撮像部と、前記撮像部で撮像された画像から血管パターンを抽出して個人認証を行う処理部とを有し、前記撮像部は前記グリップ部に設置された指を介して前記光源と対向する位置に設置され、前記設置された指の甲側を撮像する指静脈認証装置も紹介されている。(例えば、特許文献3参照)。
特開2006−155575号公報
特開2006−26427号公報
特開2007−75305号公報
指静脈認証は、掌静脈認証に比較して認証装置を小型化できる利点がある。しかしながら、近年では、携帯電話等の小型情報装置を利用した電子商取引やオンラインバンクの普及により、指静脈認証装置をさらに小型化・薄型化して小型情報装置に適用できるようにすることが望まれる。また、指静脈認証装置の低消費電力化、指静脈認証の高速化及び高精度化、指静脈認証終了後のセキュリティの確保等も望まれている。
しかしながら、特許文献1〜3に記載された指静脈認証装置は、装置を小型化・薄型化して、例えば、携帯電話等の小型情報装置に適用できるようにすることについては記載されていない。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、小型化・薄型化が可能であり、携帯電話等の小型情報装置に適用することができると共に、低消費電力化、指静脈認証の高速化及び高精度化、指静脈認証終了後のセキュリティの確保を可能にした指静脈認証装置及びこれを用いた情報処理装置を提供することを目的とする。
この目的を達成するため本発明は、指を載置させる筐体と、前記筐体に載置された指に向けて光を射出する光源と、前記光によって前記指の内部を撮像する撮像部と、前記撮像部によって撮像された画像から前記指の静脈パターンを抽出し、個人認証を行う処理部と、を有する認証部と、前記指が接触した際に、前記認証部を起動させる起動部と、前記指を載置位置に誘導するガイド部とを備え、前記撮像部と、起動部と、ガイド部と、を互いに間隔をおいて略直線上に配置してなる指静脈認証装置を提供するものである。
また、本発明は、指を載置させる筐体と、前記筐体に載置された指に向けて光を射出する光源と、前記光によって前記指の内部を撮像する複数の撮像部と、前記複数の撮像部によって撮像された画像から前記指の静脈パターンを抽出し、個人認証を行う処理部と、を有する認証部を備え、前記複数の撮像部を互いに間隔をおいて略直線上に配置してなり、前記処理部は、前記各々の撮像部によって撮像された各々の画像から前記指の静脈パターンを抽出し、個人認証を行う指静脈認証装置を提供するものである。
さらにまた、本発明は、指を載置させる筐体と、前記筐体に載置された指に向けて光を射出する光源と、前記光によって前記指の内部を撮像する撮像部と、前記撮像部によって撮像された画像から前記指の静脈パターンを抽出し、個人認証を行う処理部と、を有する認証部と、前記筐体に配設された加速度センサと、を備え、前記個人認証が成立した後、前記加速度センサが、予め設定されている設定値を超える加速度を感知した際に、当該個人認証の成立を解除する指静脈認証装置を提供するものである。
また、本発明は、指を載置させる筐体と、前記筐体に載置された指に向けて光を射出する光源と、前記光によって前記指の内部を撮像する撮像部と、前記撮像部によって撮像された画像から前記指の静脈パターンを抽出し、個人認証を行う処理部と、を有する認証部と、前記撮像部の近傍に配設され、前記指にかかる圧力を検知する圧力センサとを備え、前記圧力センサで検知した圧力と、予め設定された圧力値とを表示部に出力する指静脈認証装置を提供するものである。
そしてまた、本発明は、指を載置させる筐体と、前記筐体に載置された指に向けて光を射出する光源と、前記光によって前記指の内部を撮像する撮像部と、前記撮像部によって撮像された画像から前記指の静脈パターンを抽出し、個人認証を行う処理部と、を有する認証部と、を備え、前記処理部は、前記撮像部によって撮像された画像から前記指の輪郭及び撮像範囲を仮想的に生成する仮想画像生成部と、予め記憶されている撮像範囲と、前記仮想画像生成部で生成された仮想撮像範囲が一致したか否かを判断する判断部と、を備え、前記予め記憶されている撮像範囲、予め記憶されている指の輪郭、前記仮想撮像範囲及び仮想輪郭の画像情報を、表示部に出力し、前記予め記憶されている撮像範囲と、前記仮想撮像範囲が一致した際に、前記指の静脈パターンを抽出し、個人認証を行う指静脈認証装置を提供するものである。
また、本発明は、前述した指静脈認証装置を備え、前記認証部での認証結果に基づいて電子取引処理を行う情報処理装置を提供するものである。
本発明によれば、小型化・薄型化が可能であり、携帯電話等の小型情報装置に適用することができると共に、低消費電力化、指静脈認証の高速化及び高精度化、指静脈認証終了後のセキュリティの確保を可能にした指静脈認証装置及びこれを用いた情報処理装置を提供することができる。
次に、本発明の好適な実施の形態にかかる指静脈認証装置及びこれを用いた情報処理装置について図面を参照して説明する。なお、以下に記載される実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこれらの実施の形態にのみ限定するものではない。したがって、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、様々な形態で実施することができる。
本実施の形態にかかる指静脈認証装置では、指の下方(指腹側)に設けられたLED(Light Emitting Diode)等の光源から光を指内に照射し、指内部で拡散した光のうち、静脈を透過するか、または静脈から反射する等して、指の静脈の形態(静脈パターン)を含む指の内部環境の影響を受けて指外部に放出される光(以下、この光を「透過光」という。)に基づく画像を撮像し、この画像から静脈パターンを抽出して個人認証を行なう。
指静脈認証装置の撮像部が指静脈パターンの画像を鮮明に撮像するためには、以下の光学的な条件を満たすことが望まれる。一つは、撮像部が、指の皮膚の表面で反射した赤外光を撮像しないことである。この条件を満たさないと、指静脈パターンの画像が、指の皮膚の表面のしわ等の不要な情報を含んでしまい、不鮮明になってしまう虞がある。もう一つは、撮像部が、指静脈の存在する深さまで到達せずに散乱した赤外光を撮像しないことである。この条件を満たさないと指静脈パターンの情報を含まない赤外光が、指静脈パターンのコントラストを低下させてしまう虞がある。
図1は、本発明の実施の形態にかかる指静脈認証装置を示す斜視図、図2は、指静脈認証装置に指を載置した状態を示す斜視図、図3は、図1に示すIII−III線に沿った断面を模式的に示す図、図4は、図3に示す指静脈認証装置の一部を拡大して示す模式図、図5は、図1に示す指静脈認証装置の内部に収容された撮像モジュールと指との位置関係を示す概略図である。なお、前記各図では、説明を判り易くするため、各部材の厚さやサイズ、拡大・縮小率等は、実際のものとは一致させずに記載した。また、本実施の形態では、説明を分かり易くするため、指静脈認証装置の指を載置する面を「上面」とし、上面と対向した面を「下面」とし、この方向を上下方向として説明する。
図1〜図5に示すように、本実施の形態にかかる指静脈認証装置10は、全体が略直方体に形成された筐体11を有している。筐体11の上面は、図2に示すように、認証対象である指100が載置可能となっている。この筐体11の上面の略中央部には、凹部12が形成されている。この凹部12は、筐体11に載置された指100と、後に詳述するが、凹部12の下方に位置する筐体11内の空間に収納される撮像モジュール50(図3〜図5参照)とを離間させ焦点距離を確保するために形成されている。凹部12の底面24には、載置された指100から透過光を取り込むために、例えば矩形(長方形)の透過光取込口20が、指100の長さ方向に沿って、互いに間隔をおいて2カ所設けられている。この各々の透過光取込口20には、IRフィルタ40(図5参照)が敷設されている。IRフィルタ40は、太陽光や蛍光灯の光等、認証に不要な外光を遮断すると共に、埃等が筐体11の内部に進入するのを防ぐ役割を果たしている。
また、筐体11の上面の凹部12が形成されている領域よりも外側であって、指100が載置された際に指100の先端が位置する領域には、指静脈認証装置10を起動させるための起動ボタン15が配設され、指100の第2間接付近が位置する領域には、指100を適切な位置に誘導するためのガイド部16が配設されている。起動ボタン15は、指100を筐体11の上面に載置した際に押圧することにより、その信号を制御部200(図15参照)に送信し、指静脈認証装置10を起動させる。このため、指静脈認証装置10の筐体11上に指100が載置されるのを待ち受けるための待ち受け用電力を消費することがなく、低消費電力化をすることができる。
ガイド部16は、筐体11に指100が載置された際に、指100の第2間接の両側付近に接触する一対の壁部16A及び16Bを備えている。壁部16A及び16Bの互いに対向する壁面には、互いに近づく方向に向けて高さが低くなるテーパ面17A及び17B(図1及び図12参照)が各々形成されている。これらの壁部16A及び16Bは、指100をテーパ面17A及び17Bに接触するように筐体11の上面に載置した際に、指100が最適な載置位置(すなわち、最適な撮像位置)に来るように位置しており、個人認証を行う際に、指100を最適な載置位置(すなわち、最適な撮像位置)に誘導する。
そして、これらの起動ボタン15、2つの透過光取込口20、ガイド部16のそれぞれの中心は、筐体11に指100が載置された際に、指100の長さ方向に延びる直線上に、互いに離れて位置している。したがって、個人認証を行う際には、指100の撮像すべき領域を、2つの透過光取込口20の上部に正確に位置させることができる。すなわち、認証するには起動ボタン15を押下しなければならないため、指の先端位置が固定される。このことにより、指100の長さ方向の指の先端位置は起動ボタンの位置に自ずと誘導される。次に、起動ボタン15と2つの透過光取込口20は互いに離れているため、起動ボタン押下によって生じる指静脈流の変化の範囲が、撮像範囲内へ入らないようにすることができ、認証精度の確保に繋がる。また、ガイド部16の中心位置は、起動ボタン15と2つの透過光取込口20の中心に対し直線上にあるため、ガイド部16に従って指を載置すれば、指の先端は起動ボタン15に位置しているので、指の角度も自ずと誘導され、指100の撮像すべき領域を、2つの透過光取込口20の上部に正確に位置させることができる。
撮像モジュール50は、特に、図3〜図5に示すように、光源3と、撮像部4とを備えている。この撮像モジュール50は、筐体11に形成された凹部12の底面24に配設された各々の透過光取込口20の下方に各々配設されている。このように、撮像モジュール50は、指100の長さ方向に互いに間隔をおいて2カ所設置されているため、個人認証のための撮像は、ある程度離れた2カ所で行われることになる。ここで、指の静脈は、急激に折れ曲がっている部分が無いため、図6に模式的に示すように、撮像モジュール50を隣り合う2点間(b−c間)に配設して撮像するよりも、ある程度離れた2カ所(a−d間)を撮像する方が特徴化しやすく、認証精度を向上させることができる。したがって、指全体に亘って撮像を行わず、撮像範囲が小さくても、適切な認証精度を確保することができるため、指静脈認証装置10を小型化することができる。
また、2つの撮像モジュール50は、共通の制御部200に接続されているため、各々の撮像モジュール50に対し、制御部200をそれぞれ設ける必要が無いため、低消費電力化及び小型化を達成することができる。
光源3と撮像部4は、図4及び図5に示すように、撮像部4が底面24に対し斜めに配置されているので、従来のように、撮像部4が底面24に対し水平に配置されている場合に比べ、同じ撮像範囲でも筐体11を薄くすることができる。すなわち、従来のように撮像部4が底面24に対し水平に配置されている場合は、撮像した指静脈画像は奥行き情報を持たないため、撮像範囲は指100と撮像素子30との間の距離(共役距離)によって決まる。本実施例では、図4及び図5のように撮像部4を斜め配置すると、撮像画像は撮像部4と底面24との角度により、指100の長さ方向に奥行きを持った指静脈画像が撮像され、指静脈の撮像範囲が広がる。撮像範囲が広がった分、指100と撮像素子30との間の距離(共役距離)を短縮できるため、装置の小型化、薄型化が可能である。
続いて光源3と撮像部4の配置の関係について、光源3と撮像部4は、図4に矢印で示すように、光源3の異なった位置から射出して指100を経て撮像素子30に入射する光Laの距離(L1+L2)と、光Lbの距離(L3+L4)とが一定となるよう、光源3の光射出面と、撮像部4の光入射面とが互いに傾斜して向き合うように配設されている。したがって、撮像範囲全体において、光源3から射出して指100を経て撮像素子30に入射する光の距離が一定となるため、撮像部4を斜めに配設した場合でも、撮像精度を保つことができる。また、指100と撮像素子30との間の距離(共役距離)が短い場所では、この位置に対応する画像が拡大されるため、S/N比が高く、指100と撮像素子30との間の距離(共役距離)が長い場所では、この位置に対応する画像が小さくなるため、S/N比が小さい。そこで、ピント調整は、画像が小さくなる、指100と撮像素子30との間の距離(共役距離)が長い場所に合わせる。指100と撮像素子30との間の距離(共役距離)が長い場所の画像は、ピントが合っているため、S/N比の劣化は起こらないが、短い場所の画像は、ピントが合わないため、S/N比の劣化が生じる。しかし、前述の通り指100と撮像素子30との間の距離(共役距離)が短い場所では、この位置に対応する画像が拡大されるため、S/N比が高く、前記S/N比の劣化を補うことができる。従って、全体として撮像範囲を拡大しながら、S/N比を保つことが可能となる。したがって、以上に述べた光源3と撮像部4の配置方法は、撮像部4を水平に配置しているものと比べ、撮像画像のS/N比を維持しながら、撮像範囲を広くとることができるため、撮像モジュール50を小型化することができる。
ここで、例えば、光源の光射出面と、撮像部の光入射面とが互いに水平に配設されている従来の指静脈認証装置では、光源から射出して撮像素子に入射する光の距離が撮像範囲の場所によって異なる。したがって、光の距離が短い場所では、光の輝度が高くなり、S/N比が良好となる。一方、光の距離が長い場所では、光の輝度が小さくなり、S/N比が劣化する。また、撮像範囲は前述の通り、指100と撮像素子30との間の距離(共役距離)によって決まるため、撮像範囲を広げると撮像モジュール50の厚さが大きくなり、撮像モジュール50を小型化が困難となる。
光源3は、前述したように、筐体11に指100が載置された際に、指100の腹側となる位置に設置されており、制御部200に接続されている。ここで、光源を指の上側、または側面に設置している従来の指静脈認証装置では、指の上側や側面側にも筐体を延長させて光源を支えることが必要となるため、装置の厚さが増さざるを得なかった。本実施の形態では、光源3を指の腹側に設置しているため、指100の上側や側面へ筐体11を延長する必要がなく、筐体11自身を小型化することができる。この光源3は、特に図3及び図4に示すように、射出した光(図4に矢印で示す)が、指100に対し斜めに到達するように傾けて配設されている。なお、光源3としては、砲弾型のLEDや、上面が平面状のLED等、所望により様々なものを用いることができる。
撮像部4は、CCDあるいはCMOS等から構成される撮像素子30と、撮像素子30の上部(指100側)に配設され、透過光を撮像素子30に結像するレンズ装置33とを備えており、制御部200に接続されている。レンズ装置33は、図5に示すように、第1レンズ34と、第1レンズ34の撮像素子30側に配設された第2レンズ36からなるレンズユニット38を有し、このレンズユニット38をレンズ筐体39に支持固定した構成を備えている。第1レンズ34と第2レンズ36とは、互いに光軸41に沿って対向するようにレンズ筐体39内に収納されている。
レンズ装置33は、指100内にジャストピント位置がくるように、撮像素子30に対して進退させることで、レンズユニット38と撮像素子30との間隔が調整される。指100と、撮像素子30との間の距離(共役距離)が低減されても、ジャストピント位置を指100内に設定することができるため、撮像素子30は、指100内の静脈パターンに対応する映像を作り出すことができる。
第1レンズ34及び第2レンズ36は、有効直径D(図5参照)が約2mm以下、好ましくは、1mm〜1.5mmの極小径レンズである。第1レンズ34は、撮像素子30側が凹状に形成され、全体が負のパワーを有する凹レンズであり、第2レンズは、指側及び撮像素子30側が凸状に形成され、全体が正のパワーを有する凸レンズである。このように、レンズユニット38は、凹凸レンズを組み合わせることにより、短焦点で広画角を持ったレンズとしての特性を有している。このことにより、レンズユニット38を被写体である指100に近づけることができ、且つ、レンズユニット38を指に近づけても、広い範囲の画像を撮像素子30に取り込むことができる。一般に、指100と撮像素子30との間の距離(共役距離)が大きいほうが撮像範囲が広がり、認証精度が確保し易くなるが筐体11が厚くなる課題がある。前述のようなレンズユニット38を用いることにより、指100と撮像素子30との間の距離(共役距離)を低減でき、筐体11の厚さを低減できる。これにより、例えば、折畳型の携帯電話60(図11〜図12参照)の一方の筐体61に指静脈認証装置10を搭載した場合であっても、携帯電話60が大型化されることを抑制することができる。なお、指静脈認証装置10は、キー操作部63が搭載されている、もう一方の筐体62に配置するようにしてもよい。
レンズ筐体39は、レンズユニット38を収容できるように中空円筒状に形成されている。レンズ筐体39は、支持部材70によって基板28に支持されており、基板28は、筐体11の下面26に固定されている。
また、筐体11には、筐体11に載置した指100の筐体11に対する圧力を測定する圧力センサ5が、各々の撮像モジュール50に隣接してそれぞれ配設されている。この圧力センサ5は、制御部200に接続されており、測定した圧力情報を制御部200に送信する。制御部200では、受信した圧力68と、予めメモリ7(図15参照)に設定・記憶されている適正圧力範囲67を示す指圧メータ66(図7参照)を、携帯電話60筐体61に設けられた表示部65(図10、図11及び図14参照)に表示する。この時、制御部200は、受信した圧力が、予め設定・記憶されている圧力上限値を超えたか否かを判断部で判断し、圧力値が圧力上限値を超えている際には、撮像を開始しない等の制御を行ってもよい。以上から、ユーザは、指100が最適な圧力範囲で載置されているか否かを簡単に知ることができる。したがって、指100に圧力がかかりすぎて、静脈の形状が変化する等を防止することができ、指静脈認証装置10は、常に最適な圧力で載置された指100を撮像することができるため、個人認証を正確に素早く行うことができる。なお、2つの圧力センサ5は、共通の制御部200に接続されているため、低消費電力化及び小型化を達成することができる。
さらにまた、筐体11には、加速度センサ6が配設されている。この加速度センサ6は、制御部200に接続されており、指静脈認証装置10において個人認証が成立した後、筐体11にかかる加速度を測定する。制御部200は、後に詳述するが、個人認証が成立した後、加速度センサ6が、予め設定されている設定上限値を超える加速度を感知した際、及び予め設定されている設定下限値以上の加速度が感知されない場合、前記個人認証の成立を解除する。
ここで、通常、個人認証が成立すると、成立した時点から一定の時間、本人確認済み状態になっており、ユーザはこの期間内であれば、電子商取引やネットバンキング等の各種サービスを受けることができる。このため、この期間内に、指静脈認証装置10が搭載されている携帯電話等を落としたり、置き忘れたりした場合には、第三者であっても、電子商取引やネットバンキング等の各種サービスを受けることができる状態となり、セキュリティ上の問題が生じる。そこで、前記期間内に、携帯電話等を落とす等して筐体11に、設定上限値以上の衝撃(加速度)が加えられた場合、あるいは、携帯電話等を置き忘れる等して、携帯電話等がその場所に置かれたままとなり、筐体11に設定下限値以上の衝撃(加速度)が加えられない場合、前記個人認証の成立を解除する(本人確認のロックを行う)ことで、第三者が、電子商取引やネットバンキング等の各種サービスを受けることができない状態にして、セキュリティを確保することができる。
以上の構成を備えた指静脈認証装置10は、例えば、図10〜図12に示す携帯電話60に搭載される。なお、前述したように、本実施の形態では、携帯電話60として、筐体61と筐体62をヒンジ64により回動可能に連結した折畳型を採用した。指静脈認証装置10は、筐体61のヒンジ64側に配設されており、ユーザに指静脈認証装置10の存在を分かり易くするため、筐体11の上面が僅かに携帯電話60の筐体61の外表面より突出するようにした。また、表示部65は、指静脈認証装置10と所定の間隔をおいて、筐体61の外表面のヒンジ64から離れた位置に配設した。ユーザは、図14に示すように、片手だけで携帯電話60を握りながら人差し指を指静脈認証装置10上に置くことができる。また、この時、ユーザは、表示部65に表示された各種メッセージを見ることができる。
次に、指静脈認証装置10の画像処理及び認証機能等について説明する。図15は、指静脈認証装置10に関するブロック図、図16は、認証処理の手順を示すフローチャートである。
図15に示すように、制御部200には、光源3、撮像部4、圧力センサ5、加速度センサ6、メモリ7、タイマ8、起動ボタン15及び携帯電話60の表示部65が接続されている。この制御部200は、撮像部4によって撮像された画像から指100の静脈パターンを抽出し、個人認証を行う処理部を備えている。
この処理部は、撮像素子30によって撮像された画像から指100の静脈パターンを抽出するパターン抽出部と、画像の歪を補正するDSP(Digital Signal Processor)と、抽出された指100の静脈パターンから図9に示すように指100の仮想輪郭300及び仮想撮像範囲301を仮想的に生成する仮想画像生成部と、予めメモリ7に設定・記憶されている図9に示す撮像範囲311と、前記仮想画像生成部で生成された仮想撮像範囲が一致したか否かを判断する撮像範囲判断部と、圧力センサ5が測定した圧力が、予めメモリ7に設定・記憶されている図7に示す適正圧力範囲67内にあるか否かを判断する圧力判断部と、タイマ8によって計測された時間内に、予めメモリ7に設定・記憶されている加速度範囲外の加速度が加えられたか否かを判断する加速度判断部とを備えている。そして、この処理部は、撮像範囲311、予めメモリ7に予め設定・記憶されている指の輪郭310、仮想撮像範囲301及び仮想輪郭300の画像情報と、圧力センサ5が測定した圧力68(図7参照)及び適正圧力範囲67を示す指圧メータ66を表示部65に出力する。なお、予めメモリ7に設定・記憶されている図9に示す撮像範囲311は、本人の指静脈登録時に生成される。図18に示す指静脈テンプレート314の撮像範囲から生成できる。
指静脈認証装置10は、図16に示すステップSP1のように、起動ボタン15が押下されるまで起動されていない。したがって、指静脈認証装置10の筐体11上に指100が載置されるのを待ち受けるための待ち受け用電力を消費することがなく、消費電力を低減させることができる。
個人認証を行う際は、先ず、図14に示すように、ユーザが、携帯電話60に搭載された指静脈認証装置10の筐体11上に指100(本実施の形態では、右手の人差し指)を載せる。この時、起動ボタン15と、2つの撮像モジュール50と、ガイド部16とが、指100の長さ方向に延びる同一直線上に配設されているため、指100の撮像すべき領域を、2つの透過光取込口20の上部に正確に位置させることができる。したがって、認証精度を向上することができる。
次に、指先で起動ボタン15を押下する(SP1:YES)と、指静脈認証装置10が起動される。(SP2)。指静脈認証装置10が起動されると、制御部200は、メモリ7に記録された画像処理プログラムをスタートし、圧力センサ5により、指100の圧力が検出される。(SP3)。ここで、圧力センサ5は、2つの撮像モジュール50の近傍に各々配設されているため、指100の撮像すべき領域(撮像範囲)にかかる圧力を検出することができる。
次いで、制御部200は、メモリ7に予め記憶された指圧メータ66を携帯電話60の表示部65に表示し、ステップSP3で検出された圧力68と、メモリ7に予め記憶された適正圧力範囲67を、この指圧メータ66に表示する。(SP4)。ユーザは、指圧メータ66を見ながら、圧力68が適正圧力範囲67の範囲内になるように指100の圧力を調整し、制御部200は、検出された圧力68が、適正圧力範囲67内であるか否かを圧力判断部で判断し、圧力68が適正圧力範囲67内(SP5:YES)であれば、撮像を開始する。(SP6)。一方、検出された圧力68が、適正圧力範囲67を外れている(SP5:NO)場合は、ステップ3に戻る。このように、指100の圧力68が適正圧力範囲67の範囲内にある際に撮像が行われるため、例えば、過剰な圧力が指100にかかって指100の静脈が変形しているにも関わらず、撮像が行われ、認証精度を低下させたり、認証が成立するまでに時間がかかることがなく、認証の高速化、高精度化を達成することができる。
ステップSP6では、制御部200は、DSPに撮像素子30から画像を取り込むよう指令する。これにより、撮像素子30で得られた画像の各画素の輝度をチェックして、輝度が各画素で均一になるように、光源3から射出される光量を個別に制御する。具体的には、各光源3に供給される駆動信号を制御して、光源3の発光量を補正することにより、射出される光量を制御する。そして、透過光取込口20から取り込まれた透過光に基づく撮像範囲311及び312(図8参照)の画像が撮像部4で撮像される。
次に、ステップSP7では、メモリ7に予め記憶された指100の輪郭310と撮像範囲311とをテンプレートとして表示部65に表示する。また、仮想画像生成部では、撮像された撮像範囲311の静脈を、折れ曲がり等の特長点で分離し、分離した指静脈片の向きを判定し、個別ベクトル313とする。(図13参照)。次に、撮像範囲311において全ての個別ベクトル313を合成し、合成結果を指静脈合成ベクトルとする。次いで、メモリ7に予め記憶された指静脈テンプレート314に含まれる個別ベクトルを合成した基準ベクトルと、前記指静脈合成ベクトルとを比較して回転角を演算し、回転角が0°になるように撮像した画像を回転し、補正画像315とする。次に前記補正画像315とメモリ7に予め記憶された指静脈テンプレート314との相関をとることにより、最も相関値が高い個別ベクトル316を算出する。ここで、前記補正画像315内の前記最も相関値が高い個別ベクトル316と指静脈テンプレート314内で前記最も相関値が高い個別ベクトル316に対応するベクトル317とのずれベクトル318を計算する。表示部65に、メモリ7に予め記憶された指静脈テンプレート314から生成した指100の輪郭310と撮像範囲311に対し、撮像された撮像範囲311を算出した回転角だけ回転し、前記撮像範囲311の中心点がずれベクトル318分シフトした指100の仮想輪郭300と仮想撮像範囲301を、輪郭310と撮像範囲311と共に表示し、テキスト69に示すような案内を表示する。(図9及び図20参照)。ユーザは、表示部65を見ながら、仮想輪郭300が、輪郭310に一致するように、指100の位置の微調整を行う。このようにすることで、認証の高精度化、高速化を図ることができる。
また、制御部200は、ステップSP8において、撮像範囲判断部で、前記回転角が約0度になり、撮像範囲311と仮想撮像範囲301が一致したか否かを判断する。撮像範囲311と仮想撮像範囲301が一致したと判断した(SP8:YES)場合は、ステップSP9に進み、個人認証を開始する。一方、撮像範囲311と仮想撮像範囲301が一致していないと判断した(SP8:NO)場合は、ステップSP3に戻る。なお、撮像範囲311と仮想撮像範囲301が一致したとの判断には、許容範囲があり、この許容範囲は、前記回転角の差が、例えば、±1度であれば一致したと判断する、あるいはずれベクトルの大きさが±1画素以内等、所望により決定することができる。
次に、ステップSP10では、撮像範囲311及び312(図8参照)において、認証されるべき指静脈パターンと、メモリ7に登録(記憶)されている指静脈パターンとが一致するか否かを各々判断する。撮像範囲311及び312において、両者が一致した(SP10:YES)場合は、ステップSP11に進み認証を終了し、両者が一致しない(SP10:NO)場合は、ステップSP18に進む。
認証が終了(SP11)すると、制御部200は、電子商取引やネットバンキング等の各種サービスを受けるためのロックを解除し、ユーザは、各種サービスを受けることができるようになる。次に、ステップSP13に進み、タイマ8を作動させ、メモリ7に予め記憶されている時間内において各種サービスを受けることができるようにする。この時間は、ユーザが任意に設定することもできるし、特定のサービス機関がユーザとの契約に基づいて設定することもできる。その後、ステップSP14に進み、制御部200は、携帯電話60に設けられているLED(図示せず)を点灯し、ユーザが各種サービスを受けられる状態にあることを告知する。
この状態の時、加速度判断部は、ステップSP15において、加速度センサ6により加速度を検出し、携帯電話60(筐体11)に、メモリ7に予め記憶されている範囲外の加速度が加えられたか否かを判断する。例えば、ユーザが各種サービスを受けることができる状態の際に、携帯電話60を落とした場合は、メモリ7に予め記憶されている加速度上限値を超える加速度が携帯電話60(筐体11)に加えられる。(SP15:NO)。この場合は、ステップSP18に進み、携帯電話60に設けられているLED(図示せず)を消灯し、ステップSP19において、電子商取引やネットバンキング等の各種サービスを受けることができないようにロックをかける(個人認証の成立を解除する)。このようにすることで、第三者が、電子商取引やネットバンキング等の各種サービスを受けることができない状態となるため、セキュリティを確保することができる。
また、ユーザが各種サービスを受けることができる状態の際に、携帯電話60を置き忘れて放置された場合には、メモリ7に予め記憶されている加速度下限値以上の加速度が携帯電話60(筐体11)に加わることがない。(SP15:NO)。この場合も、ステップSP18からステップSP19に進み、電子商取引やネットバンキング等の各種サービスを受けることができないようにロックをかける。このようにすることで、第三者が、電子商取引やネットバンキング等の各種サービスを受けることができない状態となるため、セキュリティを確保することができる。
一方、ユーザが各種サービスを受けることができる状態の際に、携帯電話60(筐体11)に加えられる加速度が、メモリ7に予め記憶されている範囲内(SP15:YES)の場合は、ステップSP16に進み、メモリ7に予め記憶されている時間内で有るか否かを判断する。前記時間内(SP16:NO)であれば、ステップSP14に戻り、引き続き各種サービスを受けることができる。前記時間を過ぎた(SP16:YES)場合は、ステップSP18に進み、携帯電話60に設けられているLED(図示せず)を消灯し、ステップSP19において、電子商取引やネットバンキング等の各種サービスを受けることができないようにロックをかける。
なお、本実施の形態では、指静脈認証装置10内に制御部200を設けた場合について説明したが、これに限らず、指静脈認証装置10内に制御部200を設ける代わりに、携帯電話60内に設けられている制御部(CPU)等を用いて、画像処理及び個人認証を行なうようにしてもよい。また、画像処理及び個人認証機能の一部または全部を、指静脈認証装置10や携帯電話60等からサーバ側に移してもよい。さらにまた、指静脈認証装置10のメモリ7や携帯電話60のメモリに指静脈パターンデータを記憶する代わりに、ICカードやサーバにパターンデータを登録するようにしてもよい。また、指静脈パターンを指静脈認証装置10のメモリ7や携帯電話60のメモリ等に登録する場合には、他人に読み取られないように、指静脈パターンに暗号化を施した上で登録してもよい。
また、本実施の形態では、起動ボタン15は押下されることによって信号を伝達しているが、ボタンの種類はこれに限ったものではない。例えば、静電スイッチや感圧スイッチでもよい。また、携帯電話60に搭載される他のスイッチやボタンと共用してもよく、この起動ボタン15が撮像モジュール50から離れて配設される場合は、実施例内の起動ボタン15の場所には、ガイド部16を設ける構成とすればよい。
また、本実施の形態では、指静脈認証装置10を携帯電話60に搭載した場合について説明したが、これに限らず、指静脈認証装置10が搭載される対象は、携帯電話60に限らず、例えば、PDA、ノートパソコン等各種情報処理装置でもよいことは勿論である。また、情報処理装置に限らず、指静脈認証装置10は、車や入出管理装置等、個人認証が求められる様々な場所や対象物に搭載するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、ガイド部16を指100の第2間接の両側付近に接触する一対の壁部16A及び16Bから構成した場合について説明したが、これに限らず、ガイド部16は、指100を適切な載置位置(すなわち、撮像位置)に誘導することが可能であれば、形状は特に限定されるものではない。例えば、図21に示すように、ガイド部16は僅かな凸型形状でもよい。即ち、ユーザが触れて判別可能なガイド部16の構造であればよく、ガイド部16の中心位置は、起動ボタン15と2つの透過光取込口20の中心に対し直線上に配設されていれば、指100を適切な載置位置(すなわち、撮像位置)に誘導することが可能となる。また、例えば、起動ボタン15と2つの透過光取込口20の中心間を結ぶ直線の延長線軸に対し、ガイド部16が対象に複数配設されている場合は、ガイド部16の中心位置は、起動ボタン15と2つの透過光取込口20の中心に対し直線上に配設されていないが、前記直線上に配設されている場合と同様の効果が得られる。
そしてまた、本実施の形態では、光源3と撮像部4とを互いに傾斜して向き合うように配設した撮像モジュール50を設けた場合について説明したが、これに限らず、光源3と撮像部4は、個別に配設してもよく、また、所望により、傾斜させずに配設してもよい。また、光源3は複数配設してもよく、配設位置は特に限定されるものではない。
また、本実施の形態では、指静脈認証装置10に、圧力センサ5、加速度センサ6、タイマ8を設けた場合について説明したが、これに限らず、圧力センサ5、加速度センサ6、タイマ8は、所望により配設すればよい。また、加速度センサ6やタイマ8は、携帯電話60等の指静脈認証装置10が搭載される対象物側に配設してもよい。
さらにまた、本実施の形態では、認証開始は、適正圧力範囲67、かつ撮像範囲311と仮想撮像範囲301が一致した後に認証を開始したが、これに限ったものではない。例えば、図17に示すような認証手順でもよく、認証装置ON以降は撮像開始、認証開始の順に処理を行い、圧力を検出、表示と撮像範囲/輪郭表示を行って、圧力と撮像領域一致の比較処理は行わない手順でも良い。圧力が適正圧力範囲67を外れていても、認証が成功する場合があり、撮像領域が一致しなくても認証が成功する場合がある。図17の手順では、このような場合に認証成功する効果がある。
また、本実施の形態では、加速度判断部は、ステップSP15において、加速度センサ6により加速度を検出し、携帯電話60(筐体11)に、メモリ7に予め記憶されている範囲外の加速度が加えられたか否かを判断しているが、これに限らず、加速度センサが自由落下検知機能等を持っている場合は、自由落下検知をもって認証装置をロックする構成でも良い。
さらにまた、本実施の形態では、撮像部4によって撮像された画像から指の仮想輪郭300及び仮想撮像範囲301を生成し、仮想輪郭300が、メモリ7に予め記憶されている輪郭310に一致するようにユーザが指100の位置を調整することができるようにした場合について説明したが、これに限らず、仮想撮像範囲301を、メモリ7に予め記憶されている撮像範囲311に一致するようにユーザが指100の位置を調整することができるようにしてもよい。また、このような機能は、必ずしも備えていなくてもよい。また、仮想輪郭300及び仮想撮像範囲301を生成する手段として、メモリ7に予め記憶された指静脈テンプレート314に含まれる個別ベクトルを合成した基準ベクトルと、前記指静脈合成ベクトルとを比較して回転角を演算し、補正画像315内の前記最も相関値が高い個別ベクトル316と指静脈テンプレート314内で前記最も相関値が高い個別ベクトル316に対応するベクトル317とのずれベクトル318を計算し、前記回転角とずれベクトル318から仮想輪郭300及び仮想撮像範囲301を生成したがこれに限るものではない。現在の指の蔡地認証時において、回転角と位置ずれを演算し認証処理を行う場合は、これを利用して仮想輪郭300及び仮想撮像範囲301を生成してもよい。
そしてまた、本実施の形態では、指静脈認証装置10を携帯電話60の上面に設けているが、指静脈認証装置10は、携帯電話60の底面、側面、正面等、所望の位置に設けてもよい。特に、図22に示すように、携帯電話60の底面に実装した場合は、ユーザが目視で指の位置が確認できないが、起動ボタン15とガイド部16、及び表示部65に表示される仮想輪郭300及び仮想撮像範囲301の構成により、指100の撮像すべき領域を、2つの透過光取込口20の上部に正確に位置させることができる特徴を持つ。また、底面に設けた場合は、仮想輪郭300及び仮想撮像範囲301等を表示する表示部65は、折畳型の携帯電話60を開いたときに表れるメインディスプレイに表示させてもよい。スライド式やバー型の携帯電話においても、底面に指静脈認証装置10を設ければ、本構成により、指100の撮像すべき領域を、2つの透過光取込口20の上部に正確に位置させることができる。
また、本実施の形態では、指100の腹側を筐体11に置き、指腹側の静脈を撮影する場合について説明したが、これに限らず、指100の側面や甲側を筐体11に置き、指側面や甲側の静脈を利用して認証を行なってもよい。特に、指100の甲側を撮影する場合は、指100を屈曲した状態で撮影を実施すると鮮明な静脈の撮影が可能となる。
3…光源、 4…撮像部、 5…圧力センサ、 6…加速度センサ、 10…指静脈認証装置、11…筐体、 15…起動ボタン、 16…ガイド部、 20…透過光取込口、50…撮像モジュール、 60…携帯電話、 66…指圧メータ、 67…適正圧力範囲、100…指、 200…制御部、 300…仮想輪郭、 301…仮想撮像範囲、 310…輪郭、 311…撮像範囲、 314…指静脈テンプレート、 315…補正画像、 316…個別ベクトル、 318…ずれベクトル
Claims (11)
- 指を載置させる筐体と、
前記筐体に載置された指に向けて光を射出する光源と、前記光によって前記指の内部を撮像する撮像部と、前記撮像部によって撮像された画像から前記指の静脈パターンを抽出し、個人認証を行う処理部と、を有する認証部と、
前記指が接触した際に、前記認証部を起動させる起動部と、
前記指を載置位置に誘導するガイド部と、
を備え、
前記撮像部と、起動部と、ガイド部と、を互いに間隔をおいて略直線上に配置してなる指静脈認証装置。 - 指を載置させる筐体と、
前記筐体に載置された指に向けて光を射出する光源と、前記光によって前記指の内部を撮像する複数の撮像部と、前記複数の撮像部によって撮像された画像から前記指の静脈パターンを抽出し、個人認証を行う処理部と、を有する認証部を備え、
前記複数の撮像部を互いに間隔をおいて略直線上に配置してなり、
前記処理部は、前記各々の撮像部によって撮像された各々の画像から前記指の静脈パターンを抽出し、個人認証を行う指静脈認証装置。 - 前記撮像部は、当該撮像部の光入射面が傾斜して配設されてなる請求項2記載の指静脈認証装置。
- 前記光源及び前記撮像部は、当該光源の光射出面と、当該撮像部の光入射面とが互いに傾斜して向き合うように配設されてなる請求項3記載の指静脈認証装置。
- 指を載置させる筐体と、
前記筐体に載置された指に向けて光を射出する光源と、前記光によって前記指の内部を撮像する撮像部と、前記撮像部によって撮像された画像から前記指の静脈パターンを抽出し、個人認証を行う処理部と、を有する認証部と、
前記筐体に配設された加速度センサと、
を備え、
前記個人認証が成立した後、前記加速度センサが、予め設定されている設定値を超える加速度を感知した際に、当該個人認証の成立を解除する指静脈認証装置。 - 指を載置させる筐体と、
前記筐体に載置された指に向けて光を射出する光源と、前記光によって前記指の内部を撮像する撮像部と、前記撮像部によって撮像された画像から前記指の静脈パターンを抽出し、個人認証を行う処理部と、を有する認証部と、
前記撮像部の近傍に配設され、前記指にかかる圧力を検知する圧力センサと、
を備え、
前記圧力センサで検知した圧力と、予め設定された圧力値とを表示部に出力する指静脈認証装置。 - 指を載置させる筐体と、
前記筐体に載置された指に向けて光を射出する光源と、前記光によって前記指の内部を撮像する撮像部と、前記撮像部によって撮像された画像から前記指の静脈パターンを抽出し、個人認証を行う処理部と、を有する認証部と、
を備え、
前記処理部は、
前記撮像部によって撮像された画像から前記指の輪郭及び撮像範囲を仮想的に生成する仮想画像生成部と、
を備え、
前記予め記憶されている撮像範囲、予め記憶されている指の輪郭、前記仮想撮像範囲及び仮想輪郭の画像情報を、表示部に出力を行う指静脈認証装置。 - 前記処理部は、
予め記憶されている撮像範囲と、前記仮想画像生成部で生成された仮想撮像範囲が一致したか否かを判断する判断部と、
を備え、
前記予め記憶されている撮像範囲、予め記憶されている指の輪郭、前記仮想撮像範囲及び仮想輪郭の画像情報を、表示部に出力し、前記予め記憶されている撮像範囲と、前記仮想撮像範囲が一致した際に、前記指の静脈パターンを抽出し、個人認証を行う請求項7記載の指静脈認証装置。 - 請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の指静脈認証装置を備え、前記認証部での認証結果に基づいて電子取引処理を行う情報処理装置。
- 請求項6記載の指静脈認証装置と、前記処理部から出力された情報を告知する告知部と、を備え、前記認証部での認証結果に基づいて電子取引処理を行う情報処理装置。
- 請求項7または請求項8記載の指静脈認証装置と、前記処理部から出力された画像情報を表示する表示部と、を備え、前記認証部での認証結果に基づいて電子取引処理を行う情報処理装置。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20090327 |