JP2007236360A - ペースト状加工食品 - Google Patents
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Abstract
【課題】 砂糖を一切使用せず、また加熱により煮詰める必要もなく、さらにペースト状にするために必要な3要素、ペクチン0.5%以上、糖分60%以上、pH3.0以上を主要素材の特性に求め、単純な製造工程を通して、健康志向の天然素材加工食品を提供することを課題とする。
【解決手段】 本発明によるペースト状加工食品は、ドライフルーツの果肉と食酢とからなることを特徴とする。ドライフルーツとしては干し柿が特に好ましく、食酢としてはヒノキ精油含有柿酢が最も好適である。製造方法においては、ドライフルーツの果肉を食酢に浸漬して食酢を十分に浸透させた後、前記果肉のみを取り出してほぐし、ペースト状とすることを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】 本発明によるペースト状加工食品は、ドライフルーツの果肉と食酢とからなることを特徴とする。ドライフルーツとしては干し柿が特に好ましく、食酢としてはヒノキ精油含有柿酢が最も好適である。製造方法においては、ドライフルーツの果肉を食酢に浸漬して食酢を十分に浸透させた後、前記果肉のみを取り出してほぐし、ペースト状とすることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、健康増進作用を有するペースト状加工食品に関する。
古くから調味料の一つとしてチャツネが使われている。広辞苑によれば、チャツネとはインド料理の薬味であり、マンゴーなどの果物や野菜に種々の香辛料、酢、砂糖などを加えてジャム状に煮詰めたものである。しかし、チャツネの場合、使用する材料が多く特に砂糖を多量使用する上に、煮詰めるなど製造工程が複雑であるため、価格が高くなってしまうという問題点がある。
特許文献1(特許第3673202号公報)においては、柿をペースト状にした柿チャツネの製法が開示されている。この技術においては、渋柿の場合は脱渋を行った後に果肉を加熱して水分を部分的に除去し、また甘柿の場合は単に果肉を加熱して水分を部分的に除去して柿ペーストを準備し、この柿ペーストに香辛料、酢、食塩、糖分、クエン酸を混合して、さらにケチャップ状になるまで加熱する方法が示されている。渋柿の脱渋法としては、炭酸ガス法、温湯法、アルコール法、低温法、石灰法のいずれかまたはこれらを組み合わせることが述べられている。
上記特許文献1による柿チャツネの製法では、生柿を使用するため、水分を減らしてペースト状にするために加熱が必要となる。また、渋柿の場合はさらに、脱渋を行う必要もある。また、柿ペーストに対して、香辛料、酢、食塩、糖分、クエン酸等の多くの補助材料を添加しなければならない。また、最後にこれらをなじませるためにさらに加熱を必要とする。従って、前述した従来のチャツネと同様、製造工程が煩雑になり、砂糖などの材料も多いため、価格が高価になるという欠点がある。
上述の問題点に鑑みて本発明は、砂糖を一切使用せず、また加熱により煮詰める必要もなく、さらにペースト状にするために必要な3要素、ペクチン0.5%以上、糖分60%以上、pH3.0以上を主要素材の特性に求め、単純な製造工程を通して、健康志向の天然素材加工食品を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため本発明によるペースト状加工食品は、ドライフルーツの果肉と食酢とからなることを特徴とする。ドライフルーツを使用するのは、単に水分が少ないからだけではなく、砂糖より糖度の低い果糖が甘みの成分であるため代謝がゆっくりで健康によいことがある。また、食物繊維も多いばかりか、鉄分、目根らルなども豊富に含まれている。
前記ドライフルーツの果肉は、ばらばらにほぐされていることが望ましい。
本発明に使用するドライフルーツは何でも良い。干し柿のほか、プラム、いちじく、ブルーベリー、レーズン、アプリコットなどが利用できるが、これらに限定されるものではない。干し柿の場合は、ほかの果物には少ないビタミンAが豊富で、生柿の2倍含まれている。干したプラム、すなわちプルーンでは鉄分やミネラルが豊富である。いちじくの場合は、カルシウム、鉄、カリウムなどのミネラルが豊富である。ブルーベリーは鉄分とビタミンCを多く含む。レーズンの場合は、カルシウム、鉄分、カリウムなどのミネラルが豊富である。アプリコットでは、カルシウム、カリウム、リンなどのミネラルを多く含む。これらのドライフルーツの中で、価格や入手容易性を考慮すると、干し柿が最も好適である。
本発明のペースト状加工食品に使用する食酢は、果実酢が好ましい。これは、食酢の中に上述のような果実成分が抽出されているため、果肉と組み合わせることにより一段と栄養成分を豊富にすることができるためである。ドライフルーツとして干し柿を使用する場合は、柿酢がとりわけ相性がよいが、これに限定されるものではない。
また、本発明に使用する食酢として、ヒノキ科樹木の精油を含んだものを使用することもできる。その場合、精油はテルペン類乃至はテルペンアルコール類から選ばれた2種類以上の物質からなることが望ましい。
また、本発明によるペースト状加工食品の製造方法においては、ドライフルーツの果肉を食酢に浸漬して食酢を十分に浸透させた後、前記果肉のみを取り出してほぐし、ペースト状とすることを特徴とする。
前記果肉は、ミキサー等を用いて粉砕することが望ましい。これにより、ペースト状加工食品に固まりができずに、均一に分散させることができる。
前記果肉を食酢に浸漬させる際には、果肉を少なくとも2つ以上に切断することが好適である。これによって、食酢の浸透を早めることが可能となる。
前記食酢への浸漬条件については、0度乃至40度の温度において1日乃至7日間であることが望ましい。ドライフルーツの果肉には、できるだけ自然状態で食酢を浸透させることが好ましく、そのために温度条件は常温付近がよい。0度より下の温度では、抽出速度が遅くなるばかりか、温度がさらに下がれば食酢自体が凍結してしまう危険性がある。また、温度を40度より高くすると浸透速度は速くなるが、ドライフルーツが変質する可能性が出てくる。
前記ドライフルーツの果肉を浸漬した後の残渣液は、次の果肉の浸漬に使用することができる。これによって食酢の廃棄を減少させて、有効に使用することが可能となる。
本発明に使用するドライフルーツは何でも良いが、栄養成分の含有量から考えて、干し柿が好適である。
本発明のペースト状加工食品に使用する食酢は、果実酢が好ましく、中でも柿酢がとりわけ好適である。
また、本発明に使用する食酢として、ヒノキ科樹木の精油を含んだものを使用することもできる。その場合、精油はテルペン類乃至はテルペンアルコール類から選ばれた2種類以上の物質からなることが望ましい。精油の濃度としては0.01%乃至0.5%であることが好適である。
本発明によるペースト状加工食品では、原料がドライフルーツの果肉と食酢のみであり、通常のチャツネのように香辛料や砂糖など他の添加物は含んでいない。また、加熱などの特別な工程が必要なく、従って製造工程が単純であり、安価なコストで生産することができる。それにもかかわらず、ドライフルーツと食酢の絶妙な相乗効果で、非常に深い味ができ、料理の隠し味として使用できるばかりか、それ自身をジャムなどの代わりとして食することも可能である。
ドライフルーツや果実酢自体も、カロチン、ビタミン、必須アミノ酸、ミネラル等の健康増進成分を含んでいるが、これにヒノキ科樹木の精油成分を加えることにより、健康増進効果をより高めることができる。
本発明において、特にドライフルーツとして干し柿、食酢として柿酢を使用する場合は、カロチン、ビタミンA、必須アミノ酸、ポリフェノール、ミネラル等を多く含んでいるので、ヒノキ科樹木の精油成分との相乗効果により、健康増進効果をより高めることができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。まず、ドライフルーツとして干し柿を使用し、へたを取って2つか3つに分割し、樽などの容器に投入する。そこに柿酢を満たし、常温で3日ほど保存する。この作業により、干し柿に柿酢が浸透して柔らかくなる。つぎに、柿だけを取りだし、種を取り除いてからミキサーにかけて粉砕する。この際、容器の中に残った柿酢は使用しない。残った柿酢は次の干し柿浸漬に使用する。さて、ミキサーにかけてペースト状になった柿は、柿酢と合わさって独特の深い味わいとなる。このまま容器に詰めて製品としても良いが、場合によっては多少食塩等を添加して味を調えても良い。加工食品として出荷するためには、さらに85度15分程度の殺菌処理が必要となる。
本発明によるペースト状加工食品によれば、ドライフルーツと食酢という2種類の材料のみから、独特の深い風味を持つ加工食品ができるので、多種の材料と加熱などの複雑な製造工程を必要とするチャツネなどより安価に栄養価の高い補助加工食品を提供することが可能となる。
Claims (18)
- ドライフルーツの果肉と食酢とからなることを特徴とするペースト状加工食品。
- 前記ドライフルーツの果肉がばらばらにほぐされていることを特徴とする請求項1記載のペースト状加工食品。
- 前記ドライフルーツが干し柿であることを特徴とする請求項1または2記載のペースト状加工食品。
- 前記食酢が果実酢であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のペースト状加工食品。
- 前記食酢が、ヒノキ科樹木の精油を含んだ果実酢であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のペースト状加工食品。
- 前記食酢が柿酢であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のペースト状加工食品。
- 前記精油が、テルペン類乃至はテルペンアルコール類から選ばれた2種類以上の物質であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のペースト状加工食品。
- ドライフルーツの果肉を食酢に浸漬して食酢を十分に浸透させた後、前記果肉のみを取り出してほぐし、ペースト状とすることを特徴とするペースト状加工食品の製造方法。
- 前記果肉を、ミキサー等を用いて粉砕することを特徴とする請求項8記載のペースト状加工食品の製造方法。
- 前記ドライフルーツの果肉を少なくとも2つ以上に切断した後、食酢に浸漬することを特徴とする請求項8または9記載のペースト状加工食品の製造方法。
- 前記食酢への浸漬条件が、0度乃至40度の温度において1日乃至7日間であることを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載のペースト状加工食品の製造方法。
- 前記ドライフルーツの果肉を浸漬した後の残渣液を次の果肉の浸漬に使用することを特徴とする請求項8乃至11のいずれかに記載のペースト状加工食品の製造方法。
- 前記ドライフルーツが干し柿であることを特徴とする請求項8乃至12のいずれかに記載のペースト状加工食品の製造方法。
- 前記食酢が果実酢であることを特徴とする請求項8乃至13のいずれかに記載のペースト状加工食品の製造方法。
- 前記食酢が、ヒノキ科樹木の精油を含んだ果実酢であることを特徴とする請求項8乃至14のいずれかに記載のペースト状加工食品の製造方法。
- 前記精油が、テルペン類乃至はテルペンアルコール類から選ばれた2種類以上の物質であることを特徴とする請求項15に記載のペースト状加工食品の製造方法。
- 前記精油の濃度が0.01%乃至0.5%であろことを特徴とする請求項15または16に記載のペースト状加工食品の製造方法。
- 前記食酢が柿酢であることを特徴とする請求項8乃至17のいずれかに記載のペースト状加工食品の製造方法。
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JP2016054701A (ja) * | 2014-09-11 | 2016-04-21 | キユーピー株式会社 | 殺菌フルーツ加工品 |
KR20180134537A (ko) * | 2017-06-09 | 2018-12-19 | 농업회사법인 주식회사 자연향기 | 감 페이스트의 제조방법 및 이를 이용한 빵, 막걸리, 떡의 제조방법 |
WO2022114484A1 (ko) * | 2020-11-30 | 2022-06-02 | 주식회사 디엠코리아 | 콜로이드밀을 이용한 건포도 콜로이드 페이스트 및 소스와 그 제조방법 |
-
2006
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