<記録装置の実施形態>
本発明の記録装置に係る実施形態は、デジタル放送により供給されるデジタル放送番組を記録するための記録装置であって、待機状態では実行されない第1の機能の実行を促す第1の操作が可能な第1の操作手段と、前記第1の機能と所定種類の対応関係を有し、前記待機状態では実行されない第2の機能の実行を促す第2の操作が可能な第2の操作手段と、前記第1の操作と前記第2の操作とが同時に又は相前後してなされた場合に、前記第1及び第2の機能各々の実行を指示する旨を表す指示信号を生成する指示信号生成手段と、前記待機状態において前記指示信号が生成された場合に、前記指示信号に応じて前記記録装置を起動させる起動手段と、前記指示信号に応じて前記記録装置が起動した後、前記指示信号に応じて前記各々が実行されるように前記各々に対応する前記記録装置の少なくとも一部を制御する制御手段とを具備する。
本発明において、「デジタル放送番組」とは、例えばBS(Broadcasting Satellite:放送衛星)デジタル放送、110°CS(Communication Satellite:通信衛星)デジタル放送等のCSデジタル放送及び地上波デジタル放送等の各種デジタル放送によって供給される、例えばドラマ、映画、ニュース、スポーツ、エンタテイメント、情報、アニメーション、報道又はドキュメンタリ等の各種ジャンルに属する放送番組並びにそれらに準ずる各種放送番組を包括する概念である。
本発明の記録装置に係る実施形態によれば、第1の操作手段及び第2の操作手段が備わり、夫々本発明の記録装置に係る実施形態が有する、待機状態では実行されない第1及び第2の機能の実行を促す第1及び第2の操作が可能に構成される。
ここで、「待機状態」とは、例えば家庭用電源、汎用電池又は専用電池等一次的な駆動力供給源からの駆動力(例えば、電力)の供給はなされている状態であって、且つ記録装置が起動すべく待機している状態を包括する概念であり、例えば、リモートコントロール装置(以下、適宜「リモコン装置」と称する)等からの、起動命令に相当する信号等を待受ける、所謂「待受け状態」を含む趣旨である。
尚、本発明の記録装置に係る実施形態では、記録装置が、少なくとも記録装置の主たる機能を実行可能な状態にあることを「記録装置が起動している」等と表現することとする。従って、記録装置の主たる機能が、例えば、システムLSI等のコントロールユニット又はそれに順ずる制御系或いはチューナ等を含む各種処理ユニットによって実行される場合には、それらコントロールユニット又は制御系或いは各種処理ユニット等が起動している状態をもって記録装置が起動しているとしてもよい。
本発明に係る第1及び第2の機能とは、例えばデジタル放送番組の記録やデジタル放送番組の選択等、夫々係る待機状態では実行されない機能であって且つ相互間に所定種類の対応関係を有する機能を包括する概念である。ここで、「所定種類の対応関係」とは、これら機能のうち少なくとも一方が実行されるに当たって他方の作動状態が幾らかなりとも影響を及ぼし得る関係を包括する概念である。
第1及び第2の操作手段は、これら第1及び第2の機能の実行を促す第1及び第2の操作が可能に構成された、例えば、リモコン装置又は記録装置前面等に適宜配置された、ボタンスイッチ、トグルスイッチ、操作レバー又は操作ダイアル等の各種形態を採り得る手段である。
記録装置が起動している状態でこれら第1及び第2の操作が単独でなされた場合、例えば第1及び第2の操作各々に対応する「コード」と称される各種命令信号に従って、夫々第1及び第2の機能が実行される。例えば、第1の操作手段として例えば録画ボタンが操作された(例えば、押下された)場合、例えば、その時点でチューナ等により選択されているデジタル放送番組の記録が開始される。
一方、待機状態ではこれら各機能は実行されないため、期待される機能を実行するためには先ず記録装置を起動させるプロセスが必要となる。ところが、記録装置を起動させるために要する時間は、旧来のアナログ放送番組に対応する記録装置のそれと比較して極端に長い場合が多い。
従って、待機状態から何らかの機能を実行しようとした場合、ユーザは、例えば起動機能に対応する電源ボタン等の操作手段を操作し、且つ記録装置が起動するまでの相当時間の間、本来実行を所望する機能に対応する操作手段の操作タイミングを待つことになりかねない。即ち、デジタル放送なる放送形態の採用により、起動時間の長期化が生じ、ユーザの快適性は大きく損なわれかねない。
そこで、本発明の記録装置に係る実施形態では、信号生成手段の作用により係る問題を好適に解決せしめている。即ち、信号生成手段は、待機状態において第1の操作と第2の操作とが同時に又は相前後してなされた場合に、第1及び第2の機能の実行を指示する旨を表す指示信号を生成する。
即ち、信号生成手段は、第1の操作と第2の操作とが同時に又は相前後してなされた場合(尚、これ以降このような操作態様を適宜「第1及び第2の操作手段の同時操作」等と称する)に、例えば予め第1の操作及び第2の操作に夫々個別に割り当てられた、第1の機能及び第2の機能を夫々個別に実行すべき旨を表す信号等とは異なる新規の信号を生成する。尚、係る指示信号は、その信号形態としては、例えば第1の操作又は第2の操作が夫々単独でなされた場合に生成される信号と同一であってもよい。
一方、第1及び第2の操作手段の同時操作に伴って指示信号が生成された場合、起動手段により、係る生成された指示信号に応じて、例えば記録装置全体を制御するシステムLSI等への電源供給等を適宜介して記録装置が起動せしめられる。尚、「指示信号が生成された場合」とは、指示信号が生成されたことと直接の因果関係を有することのみを表すものではなく、例えば指示信号が生成され、更に例えば係る生成された指示信号が何らかの方法或いは手段等を介して供給される過程を経る等、指示信号が生成されたことと間接的な因果関係を有することをも広く含む概念である。
記録装置が指示信号に応じて起動されると、それに引き続いて、例えば起動されたシステムLSI或いは例えばマイコン又はコントローラ等の各種処理ユニット或いは各種コンピュータシステム等として構成され得る制御手段により、第1及び第2の機能各々が例えばその組み合わせが有する意味合いに応じて然るべき順序で実行されるように、当該各々に対応する記録装置の少なくとも一部が制御される。
従って、記録装置が待機状態にあり且つ第1及び第2の機能の実行が所望される場合、ユーザ側の操作としては、第1及び第2の操作手段を同時操作するのみでよく、係る同時操作の後、ユーザは記録装置の起動を待たずして他の事案に注力することが可能となる。より具体的且つ顕著に効果的な例を挙げれば、ユーザは記録装置の起動を待たずして外出することも容易にして可能となる。即ち、本発明の記録装置に係る実施形態によれば、記録装置が待機状態にある場合の快適性の低下が改善され、待機状態から各種機能を効率的に実行することが可能となるのである。
尚、「同時になされた場合」とは、第1及び第2の操作が、相互に全く同時刻になされた場合に限定されず、人間の操作感覚上同時とみなし得る程度に時間のズレが存在してもよい趣旨である。或いは「同時になされた場合」とは、第1及び第2の操作が同時になされている期間として規定されてもよい。即ち、この場合、第1及び第2の操作が開始される時刻は、相互に全く異なっていてもよい。第1及び第2の機能各々が、待機状態において実行されない機能であることに鑑みれば、待機状態において第1及び第2の操作の一方が他方に先んじて行われ、例えば第1及び第2の機能のうちいずれか一方の実行を指示する旨を表す指示信号が生成されたとしても、係る指示信号は無視される形となり、記録装置の動作状態に影響を与えることはない。
また、「相前後して」とは、少なくとも第1の操作と第2の操作(いずれが時系列上先になされてもよい)との間に第1及び第2の操作とは相異なる操作が介在しない操作態様を表し、好適には、ユーザが係る同時操作を行ったと判断し得る程度に時系列上連続した時刻においてこれらの操作がなされることを意味する。
本発明の記録装置に係る実施形態の一の態様では、前記信号生成手段は、前記第1の操作がなされた時刻と前記第2の操作がなされた時刻との間隔が所定時間以内である場合に、前記第1の操作と前記第2の操作とが同時に又は相前後してなされたものとして前記指示信号を生成する。
この態様によれば、第1の操作がなされた時刻と第2の操作がなされた時刻との間隔が所定時間以内であれば、第1及び第2の操作手段が同時操作されたものとして認識され、信号生成手段により上述した指示信号が生成される。この際、第1及び第2の操作のうち時系列的に過去になされる操作は、操作状態が維持(例えば、操作手段が押下可能なボタンスイッチならば押下された状態が維持)されてもよいし、操作後に操作状態が解除(例えば、操作手段が押下可能なボタンスイッチならば押下された状態から復帰)されてもよい。
従って、ユーザ側の操作感覚としては、同時操作を、相互に時系列的に連続した一連の操作として実行することが可能となり、本発明の記録装置に係る実施形態の効果がより簡便に提供され得る。尚、「所定時間」とは数値的に何ら限定されないが、例えば、予め実験的に、経験的に或いはシミュレーション等に基づいて、ユーザが各操作手段を操作する際のタイミングのズレを補償し、同時操作が行われたことを正確に識別し得ると共に、第1及び第2の操作が、単に誤って相互に連続してなされただけの場合などを排除し得るように適切に決定されていてもよい。
本発明の記録装置に係る実施形態の他の態様では、前記第1の機能として前記デジタル放送における周波数帯域の選択を行う選択手段と、前記第2の機能として所定の記録媒体に対し前記デジタル放送番組の記録を行う記録手段とを更に具備し、前記第1の操作手段は、前記第1の操作において前記周波数帯域の選択を促し、前記第2の操作手段は、前記第2の操作において前記デジタル放送番組の記録を促し、前記制御手段は、前記指示信号に応じて記録装置が起動した後、前記選択を促された周波数帯域が選択されるように前記選択手段を制御すると共に前記選択された周波数帯域に対応する前記デジタル放送番組が記録されるように前記記録手段を制御する。
この態様によれば、例えばデジタルチューナ或いは更に係るデジタルチューナを制御するコントローラ等を適宜含む選択手段により、第1の機能としてデジタル放送における周波数帯域(或いは「チャンネル」とも称される)の選択が行われる。また、例えばストリームプロセッサ及び各種ドライブ装置等を含む記録手段により、第2の機能として、例えばデジタルチューナ及びデモジュレータ等を介して取り出されたビデオストリーム等の映像データやオーディオストリーム等の音声データが、例えばHD(Hard Disk)やDVD等の形態を採り得る所定の記録媒体に対して記録される。尚、本発明に係る「デジタル放送番組の記録」とは、上述したように、デジタル放送番組に関する映像データや音声データ等の各種デジタルデータの記録を指す概念である。
この態様によれば、第1の操作手段が第1の操作においてデジタル放送における周波数帯域の選択を促し、また第2の操作手段が第2の操作においてデジタル放送番組の記録を促す。制御手段は、同時操作に伴って生成される指示信号に応じて、選択を促された周波数帯域が選択されるように選択手段を制御し、且つ係る選択された周波数帯域に対応するデジタル放送番組が記録されるように記録手段を制御する。
従って、ユーザは、例えばチャンネル番号ボタン等の形態を採り得る第1の操作手段と、例えば録画ボタン等の形態を採り得る第2の操作手段とを例えば同時或いはそれとみなし得るタイミングで操作することのみによって、待機状態から所望のデジタル放送番組の記録を行うことができる。即ち、この態様によれば、例えばユーザが出掛けに新聞等で番組をチェックし、その時点において放送中のデジタル放送番組の記録を所望する場合であっても、記録装置の起動を待たずしてデジタル放送番組の記録を行うことができる。従って、時間のロスが生じることがなく、とりわけユーザが急いでいる場合には顕著に効果的である。また、デジタル放送番組の記録は、本発明の記録装置に係る実施形態においては最も顕著に期待される主たる機能の一つであり、係る機能が本発明に係る第1及び第2の機能として設定された場合には、顕著に効果的である。
尚、この態様では、前記選択された周波数帯域に対応するデジタル放送番組の番組終了時刻を特定する特定手段を更に具備し、前記制御手段は、前記選択された周波数帯域に対応するデジタル放送番組が、前記番組終了時刻まで記録されるように前記記録手段を制御してもよい。
この場合、特定手段により、記録対象となるデジタル放送番組の終了時刻が特定される。制御手段は、選択された周波数帯域に対応するデジタル放送番組が記録されるように記録手段を制御する際に、係る特定された終了時刻まで記録を継続させる。従って、例えば所望しない番組までが無駄に記録されることが防止される。即ち、一層快適性を向上させ得る。
尚、終了時刻を特定する態様は何ら限定されず、例えば、予めユーザにより第1の操作又は第2の操作の一部として終了時刻或いは現在時刻から求め得る記録予定時間等の入力がなされ得る場合には、係る入力に基づいて終了時刻が特定されてもよいし、記録装置内部の然るべき記憶手段に、例えば過去に取得したEPG情報が記憶されている場合には、係るEPG情報に基づいて終了時刻が特定されてもよい。
更にこの態様では、前記デジタル放送により供給されるEPGデータを取得するEPGデータ取得手段を更に具備し、前記特定手段は、前記EPGデータに基づいて前記番組終了時刻を特定してもよい。
デジタル放送波には、デジタル放送番組に係る各種ストリームデータの他に、各デジタル放送番組に関する番組情報データ、時刻データ及びEPGデータ等が含まれる。従って、EPGデータ取得手段により、例えば、EPGデータが放送局側から更新されて送信される毎に、又は一定若しくは不定の取り込みタイミング毎に、或いは全く任意の取得タイミングに係るEPGデータを取得し、例えばRAM(Random Access Memory)やハードディスク等の各種記録媒体に保持しておくことにより、待機時に同時操作によって実行を指示されたデジタル放送番組の記録を、その番組終了時刻で適切に終了することが可能となる。
本発明の記録装置に係る他の実施形態は、前記指示信号の内容に対応する情報を生成する情報生成手段と、前記情報を表示する表示手段とを具備する。
この態様によれば、第1の操作と第2の操作とが同時操作された場合に、指示信号の内容に対応する情報が生成され、表示手段を介して表示される。表示手段による情報の表示態様は指示信号の内容に対応する情報である限りにおいて何ら限定されないが、例えば、前述したような周波数帯域の選択及びデジタル放送番組の記録各々の実行を促す操作手段が操作された場合には、例えば「BS8 REC START」等のように表示されてもよい。
表示手段の態様は、このような操作情報を表示し得る限りにおいて何ら限定されないが、例えば、FL(FLuorescent Display)、LED(Light Emitting Diode)等の発光体や液晶ディスプレイパネル等の各種表示パネルを有していてもよい。この態様によれば、第1及び第2の操作が同時に又は相前後してなされた際に生成される指示情報に対応する情報が表示手段を介して視覚的にユーザに提供され得る。従って、ユーザ側で生じ得る、例えば「本当に記録装置が起動した後所望の機能が実行されるだろうか?」或いは「今、自分は如何なる操作ボタンを押しただろうか?」といった疑念や疑問が解消され、ユーザの不安が著しく低減される。即ち、快適性が一層向上する。
本発明の記録装置に係る実施形態の他の態様では、前記記録装置は、相互いに分離可能な本体部及び操作部を含み、前記操作部は、前記第1の操作手段、前記第2の操作手段、前記信号生成手段及び無線を介して前記信号を前記本体部へ送信する送信手段を含み、前記本体部は、前記無線を介して前記送信された信号を受信する受信手段、前記起動手段、前記制御手段及び前記各々に対応する少なくとも一部を含み、前記起動手段は、前記送信された指示信号が受信された場合に、該受信された指示信号に応じて前記本体部を起動させることにより前記記録装置を起動させ、前記制御手段は、前記受信された指示信号に応じて本体部が起動した後、前記受信された指示信号に応じて前記本体部に含まれる前記各々に対応する少なくとも一部を制御する。
この態様によれば、ユーザ側の操作、例えば第1及び第2の操作等が、例えば第1及び第2の操作手段に相当する各種ボタンスイッチ等が適宜配されてなるリモコン装置等の形態を採り得る操作部から実行される。操作部では更に、係る第1及び第2の操作手段が同時操作されたことに伴って、信号生成手段により上述した指示信号が生成され、送信手段により無線を介して本体部へ送信される。本体部では、受信手段により係る送信された指示信号が受信され、起動手段及び制御手段により上述した如く記録装置の起動並びに第1及び第2の機能が実行される。
従って、この態様によれば、ユーザの操作が、操作場所や操作体勢を選ばず比較的自由に実行され得、快適性が一層向上し得る。
尚、本発明に係る「無線を介して」とは、電波(空間波)を利用した狭義の無線通信を含み、且つ赤外線又は可視光線(例えばレーザ光又はLED)等を利用した光無線通信、更には音波又は超音波を用いた音響通信等広義の無線通信を広く含む概念である。
<機能実行方法の実施形態>
本発明の機能実行方法に係る実施形態は、デジタル放送により供給されるデジタル放送番組を記録するための記録装置における機能実行方法であって、待機状態では実行されない第1の機能の実行を促す第1の操作と該第1の機能と所定種類の対応関係を有し前記待機状態では実行されない第2の機能の実行を促す第2の操作とが同時に又は相前後してなされた場合に、前記第1及び第2の機能各々の実行を指示する旨を表す指示信号を生成する指示信号生成工程と、前記待機状態において前記指示信号が生成された場合に、前記指示信号に応じて前記記録装置を起動させる起動工程と、前記指示信号に応じて前記記録装置が起動した後、前記指示信号に応じて前記各々が実行されるように前記各々に対応する前記記録装置の少なくとも一部を制御する制御工程とを具備する。
本発明の機能実行方法に係る実施形態によれば、第1の機能の実行を促す第1の操作と第2の機能の実行を促す第2の操作とが同時に又は相前後してなされた場合に、信号生成工程により第1及び第2の機能各々の実行を指示する旨を表す信号が生成される。起動工程では、係る指示信号に応じて記録装置が起動され、また係る起動工程によって記録装置が起動した後、制御工程により第1及び第2の機能に対応する記録装置の少なくとも一部が制御される。従って、上述した本発明の記録装置に係る実施形態と同様に、ユーザは記録装置の起動を待たずして所望の機能を実行せしめることが可能となる。即ち待機状態から記録装置の各種機能を効率的に実行することが可能となる。
以上説明したように、本発明の記録装置に係る実施形態は、第1の操作手段、第2の操作手段、信号生成手段、起動手段及び制御手段を備えるため、待機状態から記録装置の各種機能を効率的に実行することが可能となる。
以上説明したように、本発明の機能実行方法に係る実施形態は、信号生成工程、起動工程及び制御工程を備えるため、待機状態から記録装置の各種機能を効率的に実行することが可能となる。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施例から明らかにされる。
以下、適宜図面を参照して、本発明の好適な各種実施例について説明する。
<第1実施例>
<実施例の構成>
始めに、図1を参照して、本発明の第1実施例に係るデジタル放送視聴システム10の構成について説明する。ここに、図1は、デジタル放送視聴システム10の概念図である。
図1において、デジタル放送視聴システム10は、表示装置11、BSアンテナ12、UHFアンテナ13、レコーダ100及びリモコン装置200を備える。
表示装置11は、プラズマテレビ装置であり、衛星放送番組に係る映像情報及び音声情報を出力することが可能に構成されている。
BSアンテナ12は、BSデジタル放送及び110°CSデジタル放送用のアンテナであり、BSデジタル放送波及び110°CSデジタル放送波を受信することが可能に構成されている。
UHFアンテナ13は、地上波デジタル放送用のアンテナであり、地上波デジタル放送に係る放送波を受信可能に構成されたアンテナである。
レコーダ100は、本発明に係る「デジタル放送番組」の一例たるBSデジタル放送番組、110°CSデジタル放送番組及び地上波デジタル放送番組等を記録可能に構成された、本発明に係る「記録装置」及び「本体部」の一例である。
リモコン装置200は、不図示のユーザ等によって操作可能に構成されたコントローラであり、レコーダ100に対しユーザの意思を反映した各種コード(即ち、本発明に係る「指示信号」も含む)を送信可能に構成されている。尚、リモコン装置200は、本発明に係る「記録装置」及び「操作部」の一例である。
次に、図2を参照して、レコーダ100の詳細について説明する。ここに、図2は、レコーダ100のブロック図である。尚、同図において、図1と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図2において、レコーダ100は、サブCPU(Central Processing Unit)101、受光部102、表示部103、電源ユニット104、信号入力端子105、チューナ部106、デモジュレータ107、システムLSI108、画質処理部114、映像データ出力端子115、音声処理部116、音声データ出力端子117、HDD118及びDVDドライブ119を備える。
サブCPU101は、レコーダ100の基本動作を制御する制御ユニットであり、本発明に係る「起動手段」の一例として機能するように構成されている。サブCPU101は、レコーダ100が後述する待機状態にある場合にもアクティブとなるように構成されている。
受光部102は、リモコン装置200から赤外線(即ち、本発明に係る「無線」の一例)により送信される各種コードを受信することが可能に構成された、本発明に係る「受信手段」の一例である。
表示部103は、例えば7セグメントLEDが複数配列してなる発光表示装置であり、本発明に係る「表示手段」の一例である。表示部103は、レコーダ100の動作状態を表す各種情報(即ち、本発明に係る「指示信号の内容に対応する情報」の一例)を表示することが可能に構成されている。
電源ユニット104は、レコーダ100の各部に電気的に接続されており、当該各部に電力供給を行うことが可能に構成されたユニットである。また、電源ユニット104は、サブCPU101と電気的に接続され、サブCPU101によりその電力供給動作が制御される構成となっている。
信号入力端子105は、前述したBSアンテナ12及びUHFアンテナ13等に接続されており、これら各アンテナを介して受信された各種デジタル放送信号をレコーダ100内部に取り込むことが可能に構成された端子である。
チューナ部106は、信号入力端子105を介して取り込まれる各種デジタル放送信号の中から所望の周波数帯域(即ち、チャンネル)に相当するデジタル放送信号を選択することが可能に構成された、本発明に係る「選択手段」の一例に相当するユニットである。
デモジュレータ107は、チューナ部106により選択された、所望の周波数帯域に相当するデジタル放送信号を復調するユニットである。
システムLSI108は、レコーダ100の主たる動作を制御する主制御ユニットであり、メインCPU109、ストリームプロセッサ110、データバッファ111、ビデオデコード部112及び音声デコード部113を備える。尚、本実施例においては、電源ユニット104から、チューナ部106、デモジュレータ107及びシステムLSI108等待機状態において作動しないレコーダ100の各部に電力が供給され、これらが起動した状態をもって、レコーダ100が起動している状態と定義する。また、システムLSI108等各部に未だ電力供給が行われず、サブCPU101や電源ユニット104等レコーダ100の極限られた一部のみが作動している状態が、待機状態と定義される。
メインCPU109は、システムLSI108の動作を制御する制御ユニットであり、本発明に係る「制御手段」の一例である。
ストリームプロセッサ110は、例えばデマルチプレクス機能等を備えた信号分離ユニットであり、デモジュレータ107から供給されるデジタル放送信号から映像データ、音声データ及びEPGデータ等の付加データを夫々分離することが可能に構成されている。尚、ストリームプロセッサ110は、本発明に係る「記録手段」の一例である。
データバッファ111は、ストリームプロセッサ111により分離された付加データを一時的に保持するバッファである。
ビデオデコード部112は、ストリームプロセッサ110により分離された映像データをデコードする処理ユニットである。
音声デコード部113は、ストリームプロセッサ110により分離された音声データをデコードする処理ユニットである。
画質処理部114は、デコードされた映像データに対し、表示装置11での表示に適した画像処理を行う画像処理ユニットである。
映像データ出力端子115は、表示装置11に対し、画質処理部114を介して出力される映像データを出力する出力端子である。
音声処理部116は、デコードされた音声データに対し、表示装置11に備わる不図示のスピーカ装置からの放音に適した音声処理を行う音声処理ユニットである。
音声データ出力端子117は、スピーカ装置等に対し、音声処理部116を介して出力される音声データを出力する出力端子である。
HDD118は、本発明に係る「記録媒体」の一例たるハードディスクを含むドライブユニットであり、ストリームプロセッサ110と共に、本発明に係る「記録手段」の一例として機能するように構成されている。
DVDドライブ119は、本発明に係る「記録媒体」の一例たるDVDを装填可能に構成され、ストリームプロセッサ110と共に、本発明に係る「記録手段」の一例として機能するように構成されている。
次に、図3を参照して、リモコン装置200の詳細な構成について説明する。ここに、図3は、リモコン装置200のブロック図である。尚、同図において、図1と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図3において、リモコン装置200は、操作部201、コード生成部202及び送信部203を備える。
操作部201は、録画ボタン201a及びチャンネル選択ボタン201xxを含む複数の操作ボタンを備える。
録画ボタン201aは、ユーザによる押下(即ち、本発明に係る「第2の操作」の一例)が可能に構成された操作ボタンであり、本発明に係る「第2の操作手段」の一例である。本実施例において、録画ボタン201aは、レコーダ100におけるデジタル放送番組の記録機能(即ち、本発明に係る「第2の機能」の一例)の実行を促す操作ボタンである。
チャンネル選択ボタン201xxは、ユーザによる押下(即ち、本発明に係る「第1の操作」の一例)が可能に構成された、本発明に係る「第1の操作手段」の一例である。本実施例において、チャンネル選択ボタン201xxは、レコーダ100のチューナ部106による周波数帯域の選択(即ち、選局)機能(即ち、本発明に係る「第1の機能」の一例)の実行を促す操作ボタンである。尚、本実施例において、チャンネル選択ボタン201xxは、「BS8」なるチャンネルの選択を促す操作ボタンであるとする。
尚、本実施例において、操作部201には、チャンネル選択ボタン201xx及び録画ボタン201aの他に多数の操作ボタンが配設されており、係る他の操作ボタン各々にも、予めレコーダ100における機能が一対一、一対多、多対一又は多対多に対応付けられて設定されている。これら他の操作ボタンに対し各々に適した操作(例えば、押下)等がなされた場合、レコーダ100においてそれらに対応する機能動作の実行が促される構成となっている。
コード生成部202は、操作部201に含まれる多数の操作ボタン各々が操作された場合に、それらに割り当てられた機能の実行を指示する旨を表すコードを生成することが可能に構成された、本発明に係る「信号生成手段」の一例である。
送信部203は、コード生成部202によって生成されたコードを、赤外線を利用して時系列に従ってレコーダ100に送信することが可能に構成された、本発明に係る「送信手段」の一例である。
<実施例の動作>
<コード生成部202の動作>
次に、本実施例の動作例として、図4を参照して、コード生成部202の動作について説明する。ここに、図4は、操作部201の操作と生成されるコードとの対応関係を表すタイミングチャートである。
図4において、縦軸は、上段から順に録画ボタン201aの操作状態、チャンネル選択ボタン201bの操作状態及び生成されるコードを表している。また、横軸は任意の時間経過を表している。
図4において、時刻T0以前及び時刻T3以降の期間では、録画ボタン201a及びチャンネル選択ボタン201xxが共に非操作状態であり、コード生成部202は、これらの期間については何らコードを生成しない。
また、時刻T0から時刻T1までの期間については、録画ボタン201aのみが操作されており、この場合、コード生成部202は、録画ボタン201aに対応するレコーダ100の機能である、デジタル放送番組の記録を指示するコード(図示「CDrec」なるコード)を生成する。
また、時刻T2から時刻T3までの期間については、チャンネル選択ボタン201xxのみが操作されており、この場合、コード生成部202は、チャンネル選択ボタン201xxに対応するレコーダ100の機能である、BSデジタル放送における8チャンネル(8チャンネルに対応する周波数帯域)の選択を指示するコード(図示「CDbs8」なるコード)を生成する。
ここで特に、デジタル放送番組の記録及びデジタル放送番組の選択といった機能は、レコーダ100が起動している状態において始めて有効となる機能(即ち、本発明に係る「待機状態では実行されない機能」の一例)であり、レコーダ100が待機状態である場合には結局、「CDrec」及び「CDbs8」はいずれもレコーダ100側で拒否される無効なコードである。従って、待機状態からこれらのコードを有効ならしめるためには、これらコードの生成及び送信以前に、「起動」を意味するコードを生成し、レコーダ100に送信する必要がある。
リモコン装置200の操作部201には、例えば「電源ボタン」等レコーダ100の起動を促す操作ボタンが無論備わっており(図3においては不図示)、係る操作ボタンの操作等を介してレコーダ100を起動させた後上記各コードを送信することによって、これらのコードを有効ならしめることは可能である。
ところが、レコーダ100のシステムLSI108は、起動時間が極めて長く、例えば、ユーザが外出時に新聞等をチェックして、その時点で放送中のデジタル放送番組の記録を所望したとしても、実践上、ユーザは、システムLSI108が起動するまでただ漠然と待機しているより他ない。と言ってこのような時間的なロスを回避する目的からレコーダ100を常に起動させておくのは極めて非効率であり好ましくない。
そこで、本実施例に係るコード生成部202は、所定の条件下において以下に説明する合成コードを生成することによって、係る問題を好適に解決している。
即ち、図4における時刻T1において、録画ボタン201aが押下された状態のまま、更にチャンネル選択ボタン201xxが押下されたとする。即ち、録画ボタン201a及びチャンネル選択ボタン201xxが同時操作されたとする。この場合、コード生成部202は、録画ボタン201a及びチャンネル選択ボタン201xx各々に対応する機能(即ち、デジタル放送番組の選択及び記録)の実行を指示する合成コード(図示「CDrecbs8」なるコード、即ち、本発明に係る「指示信号」の一例)を生成する。
係る合成コードは、デジタル放送番組の選択及び記録を指示するコードであると共に、待機状態においてレコーダ100に受信された場合には、あたかもこれらの機能の実行に先立ってレコーダ100の起動を指示するコードであるかのように機能する、上述した各操作ボタンに対応するコードとは全く異なる新規のコードである。即ち、レコーダ100が待機状態であっても、図4の如きタイミングチャートに準じた操作がなされると、時刻T1において有効なコードが生成されることになる。
尚、レコーダ100が起動している場合、例えば録画ボタン201aに対応するCDrecなるコードは有効であり、図4に示すタイミングチャートに従えば、時刻T0において(実際には多少の時間遅延の後に)、レコーダ100はデジタル放送番組の記録を開始する。実際上は、全く同時に(即ち、時系列上全く同一の時点に)二種類の操作ボタンが操作されることは稀であり、いずれか先に操作された操作ボタンに対応するコードに対応する機能が実行される。従って、レコーダ100が起動している場合には、合成コードが生成され送信されたとしてもレコーダ100では無効なコードとして扱われる。
<待機状態からの番組記録動作>
レコーダ100は、上述した本実施例に係る合成コードの作用により、待機状態からの機能の実行を極めて容易になし得る構成となっている。尚、待機状態におけるレコーダ100の動作は、待機状態においても作動するように設定されたサブCPU101によって実行される待機処理により制御される。
ここで、図5を参照し、待機処理の詳細について説明する。ここに、図5は、待機処理のフローチャートである。
図5において、サブCPU101は、受光部102によって何らかのコードが受信されたか否かを判別する(ステップA10)。何らのコードも受信されない場合(ステップA10:NO)、サブCPU101は、ステップA10に係る処理を繰り返し、何らかのコードが受信されるまで処理を待機する。
何らかのコードが受信された場合(ステップA10:YES)、サブCPU101は、受信されたコードが上述した合成コードであるか否かを判別する(ステップA11)。合成コードではない場合(ステップA11:NO)、更にサブCPU101は、受信されたコードがレコーダ100の起動を指示するコードであるか否かを判別する(ステップA16)。
受信されたコードが合成コードでも起動を指示するコードでもない場合(ステップA16:NO)、サブCPU101は、受信されたコードが、待機状態では無効なコードであるとして、係る受信されたコードを無視し(ステップA18)、処理をステップA10に移行する。
受信されたコードが起動を指示するコードである場合(ステップA16:YES)、サブCPU101は、電源ユニット104を制御して、チューナ部106、デモジュレータ107及びシステムLSI108等への電力供給を介してレコーダ100を起動させる(ステップA17)。
ステップA17に係る処理以降、サブCPU101は、一定のタイミング毎にレコーダ100が起動したか否かを判別する(ステップA19)。レコーダ100が起動していない場合(ステップA19:NO)、サブCPU101はステップA19に係る処理を繰り返すと共に、レコーダ100が起動した場合には、待機処理を終了する。
一方、ステップA11に係る処理において、受信されたコードが合成コードであると判別された場合(ステップA11:YES)、サブCPU101は、合成コードの内容を表す情報を生成し、表示部103に表示させる(ステップA12)。この際、表示部103における表示態様は何ら限定されない。例えば、合成コードが上述した「CDrecbs8」なるコードである場合、表示部103には、例えば「BS8 REC START」等と表示されてもよい。
合成コードの内容を表す情報を表示させると、サブCPU101は、上述したステップA17に係る処理と同様にしてレコーダ100を起動させる(ステップA13)。また、レコーダ100の起動を開始すると、サブCPU101は、一定のタイミング毎にレコーダ100が起動したか否かを判別する(ステップA14)。未だレコーダ100の起動が完了していない場合(ステップA14:NO)、サブCPU101は、ステップA14に係る処理を繰り返す。
合成コードに応じたレコーダ100の起動が完了すると(ステップA14:YES)、サブCPU101は、メインCPU109に対し、合成コードを送信する(ステップA15)。合成コードが送信されると、サブCPU101は待機処理を終了する。
待機処理が終了すると、メインCPU109は、受信したコードに基づいてレコーダ100の各部を制御する。ここで、図6を参照して、メインCPU109によって実行される処理の一例として、上記合成コードを受信した場合の制御態様について説明する。ここに、図6は、上記合成コードを受信した場合にメインCPU109が実行する制御処理のフローチャートである。
図6において、メインCPU109は始めに、合成コードによって指示されたデジタル放送番組のチャンネルが選択されるようにチューナ部106を制御する(ステップB10)。
チャンネルの選択が完了すると、メインCPU109は、ストリームプロセッサ110を制御し、HDD118又はDVDドライブ119へのビデオストリーム及びオーディオストリームの記録を開始する(ステップB11)。
一方、各記録媒体への記録が開始されると、メインCPU109は、番組終了時刻に関する情報を取得する(ステップB12)。番組終了時刻は、例えば、データバッファ111に格納された過去のEPGデータ又はデジタル放送によって供給される最新のEPGデータ等から取得される。尚、ユーザが録画ボタン201aとチャンネル選択ボタン201xxとを同時操作する一環としてデジタル放送番組の記録時間を指定し得る場合には(即ち、本発明に係る「第1の操作」又は「第2の操作」が複数の操作から構成されるような場合には)、そのような指定された時間値を終了時刻に関する情報として取得してもよい。
メインCPU109は、番組終了時刻に関する情報を取得すると、内蔵する時計機能や、タイマ機能等を利用して、番組終了時刻が訪れたか否かを判別する(ステップB13)。尚、デジタル放送においては、一定又は不定のタイミング毎に正確な時刻情報が供給されるため、このような正確な時刻情報に基づいて係る判別が比較的高精度に実行されてもよい。
現在時刻が番組終了時刻ではない場合(ステップB13:NO)、メインCPU109は、ストリームプロセッサ110等を介したデジタル放送番組の記録を継続すると共に、番組終了時刻となった場合には(ステップB13:YES)、各記録媒体への記録を終了する(ステップB14)。デジタル放送番組の記録が終了すると、メインCPU109は、電源ユニット104を制御して、システムLSI108を含む各部への電力供給を停止し(ステップB15)、制御処理を終了させる。制御処理が終了すると、レコーダ100は再び待機状態となり、例えば図5に例示する如き待機処理が実行される。
ここで、本実施例に係る効果を説明するために、本発明の比較例に係る待機処理について説明する。ここに、図7は、本発明の比較例に係るレコーダ1000における待機処理のフローチャートである。尚、同図において、図5と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。また、レコーダ1000は、そのハードウェア構成に関してはレコーダ100と同等であり、説明の煩雑化を防ぐ目的からその図示を省略する。但し、レコーダ1000に対応するリモコン装置は、上述した合成コードの生成機能を有しておらず、必然的にレコーダ1000が処理可能なコードに本実施例に係る合成コードの概念は含まれないものとする。
図7において、サブCPU101は、何らかのコードが受信された場合(ステップA10:YES)、起動コードであるか否かを判別する(ステップA16)。ここで、サブCPU101は、起動コード以外のコードを無効なコードとして無視し(ステップA18)、処理をステップA10に戻す。一方、受信されたコードが起動コードであれば(ステップA16:YES)、レコーダ1000を起動する(ステップ17)。レコーダ1000が起動すると(ステップA19)、待機処理が終了する。
次に、図8を参照して、更に本実施例の効果を説明する。ここに、図8は、本実施例に係るレコーダ100及び比較例に係るレコーダ1000における処理(適宜図5、図6及び図7の各々におけるステップ番号によって表すものとする)を、それらに対応するユーザの動作と共に時系列上に表したタイミングチャートである。尚、同図において、図5、図6及び図7と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図8において、本実施例に係るユーザ(図示最上段)は、時刻Taにおいて上述したように録画ボタン201aとチャンネル選択ボタン201xxとの同時操作を実行する。それに伴い、レコーダ100(図示上から二段目)では、時刻Tbにおいてレコーダ100の起動が開始され、時刻Tcにおいてレコーダ100の起動が完了する。そして、合成コードの作用により、レコーダ100の起動に引き続いて、時刻Teにおいて対象となるデジタル放送番組の記録が開始される。
図8から明らかなように、本実施例に係るレコーダ100によれば、ユーザは、時刻Taにおいて同時操作を実行することにより合成コードを生成及び送信せしめることによって、レコーダ100の起動、デジタル放送番組のチャンネル選択及びその記録といった一連の機能の実行を、時刻Taの時点で言わば予約することができる。従って、ユーザは、例えば表示部103に表示される、合成コードに対応する情報の表示を確認するか否かはさておき、時刻Taにおいてデジタル放送番組の記録とは全く異なる事案(例えば、外出)に注力することが容易にして可能となる。
一方、比較例に係るユーザ(図示上から三段目)は、時刻Taにおいて、レコーダ1000を起動せしめるべく起動操作を行わざるを得ない。レコーダ1000は、係る起動操作に伴って生成及び送信される起動コードに応じて時刻Tbにおいて起動を開始し、時刻Tcにおいて起動を完了する。但し、比較例に係るレコーダ1000では、時刻Tcにおいて起動が完了しても、メインCPU109には実行すべき何らのコードも送信されていない。従って、デジタル放送番組の記録を行うために、ユーザは更に時刻Tdにおいて録画操作(録画ボタン201aの操作)を実行する。係る操作に伴って生成及び送信される記録コード(例えば、上述した「CDrec」なるコード)により、時刻Tfにおいてようやく対象となるデジタル放送番組の記録が開始される。
図8から明らかなように、比較例に係るレコーダ1000では、ユーザが他の事案に注力することが可能となるのは、録画操作を終えた時刻Tdの時点であり、本実施例と比較すれば、その時間差は、図示Tloss(即ち、Td−Taに相当する時間)となる。即ち、比較例に係るレコーダ1000では、時間Tlossに相当する相当時間のロスが生じ、ユーザの快適性は著しく低下する。
以上説明したように、本実施例に係るリモコン装置200によれば、予め何らかの対応関係にある二以上の操作ボタン(例えば、録画ボタン201a及びチャネル選択ボタン201xx)を同時操作することにより、これら各ボタンに割り当てられた機能(デジタル放送番組の記録及びデジタル放送番組のチャンネル選択)各々の実行を指示する合成コードが生成され、レコーダ100に対して送信される。一方で、レコーダ100では、待機状態において係る合成コードが受信された場合に、先ずレコーダ100の起動を行い、起動後に合成コードによる複数機能の実行を開始する。従って、ユーザが行う操作としては、操作ボタンの同時操作のみでよく、合成コードがレコーダ100に対し無事送信されたか否かを表示部103に表示される情報によって確認したとしても、レコーダ100が起動するのに要する時間については何ら考慮する必要はなく、他の事案に注力することが容易にして可能となる。即ち、待機状態からレコーダ100に係る各種機能を効率的に実行することが可能となるのである。
<第2実施例>
合成コードを生成するための各操作部の操作態様は、上述した第1実施例のものに限定されない。ここで、図9を参照して、本発明の第2実施例として、コード生成部202の他の動作について説明する。ここに、図9は、操作部201の操作と生成されるコードとの対応関係を表す他のタイミングチャートである。尚、同図において、図4と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図9において、時刻T0に録画ボタン201aが操作される。但し、この際、第1実施例と異なり、録画ボタン201aは、操作状態が継続されず、時刻T4においてすぐに元の状態に戻される。この場合、デジタル放送番組の記録を指示する、例えば「CDrec」なるコードが生成される。
一方、時刻T4以後の時刻T5において今度はチャンネル選択ボタン201xxが操作される。この際、コード生成部202は、チャンネル選択ボタン201xxの操作時刻(即ち、時刻T5)の、録画ボタン201aの操作時刻(即ち、時刻T0)からの経過時間が所定値ΔTlim以内であれば(即ち、図示時刻T6より以前の時間領域であれば)、合成コードである「CDrecbs8」を生成する。即ち、図9に示す状態は、チャンネル選択ボタン201xxと録画ボタン201aとが相前後して操作された状態の一例である。
このように、第2実施例では、一方の操作ボタンが操作された後所定時間内に他方のボタンが操作された場合には、ユーザが合成コードによる一連の機能実行を所望していると判断され、同時に操作がなされている期間が生じておらずとも合成コードが生成される。従って、より効率的に本発明に係る効果を享受することができる。尚、係る所定値ΔTlimの値は、ユーザが明確な意思を持って(即ち、合成コードによる機能の実行を所望しない意思を持って)両操作ボタンを操作した場合に合成コードが生成されることのないように、予め実験的に、経験的に或いはシミュレーション等に基づいて決定されていてもよい。
尚、上記第1実施例において、録画ボタン201aによって記録可能なデジタル放送番組は、その時点で放送されているデジタル放送番組に限定されない。例えば、同時操作を実行する時に録画ボタン201aを複数回操作(押下)すること等によって、現時点で放送されているデジタル放送番組よりも、係る操作回数に応じた未来の番組を記録するように、コード生成部202が合成コードを生成してもよい。この場合、係る合成コードによって指示された機能を実行する、例えばメインCPU109は、データバッファ111に格納されるEPG情報等を参照することにより、未来のデジタル放送番組の記録を実行することが可能である。
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う記録装置及び機能実行方法もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
10…デジタル放送視聴システム、100…レコーダ、101…サブCPU、102…受光部、103…表示部、104…電源ユニット、106…チューナ部、107…デモジュレータ、108…システムLSI、109…メインCPU、110…ストリームプロセッサ、111…データバッファ、112…ビデオデコード部、113…音声デコード部、118…HDD、119…DVDドライブ、200…リモコン装置、201…操作部、201a…録画ボタン、201xx…チャンネル選択ボタン、202…コード生成部、203…送信部。