JP2007234531A - テープ状酸化物超電導線材の製造方法およびその中間層熱処理装置 - Google Patents

テープ状酸化物超電導線材の製造方法およびその中間層熱処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】基板の配向性に影響を与えることなく高い面内配向性を有する中間層を形成する。
【解決手段】中間層熱処理装置1の送出し装置2のドラム上に巻回されたテープ状線材7は所定の張力で引き出され、熱処理炉5内の炉心管4内を走行し巻取り装置3のドラムに巻き取られる。炉心管4内を走行するテープ状線材7は、熱処理炉5内の急速加熱領域Aを通過する際に輻射加熱器6aにより基板上の中間層の仮焼膜が急速加熱され、結晶化温度領域Bを通過する際に輻射加熱器6b、6cおよび6dにより基板上の中間層が結晶化される。急速加熱領域Aおよび結晶化温度領域Bにおいて、基板上の中間層の仮焼膜のみが急速加熱および結晶化温度に保持され、結晶化後の中間層は、結晶化温度領域B通過後に急速冷却される。
【選択図】図1

Description

本発明は、超電導線材の製造方法およびそれに用いる熱処理装置に係り、特に超電導ケーブルや超電導電力貯蔵のような電力機器及びモーターなどの動力機器への使用に適したテープ状の希土類系酸化物超電導線材の製造に適した酸化物超電導線材の製造方法およびその中間層熱処理装置に関する。
酸化物超電導線材のうち、YBaCu7−x(YBCO)超電導体に代表される希土類(RE)123系酸化物超電導体は、通常、テープ状に形成されており、このテープ状超電導線材は、金属基板上に2軸配向した無機材料薄膜を1層あるいは複数層形成し、その上に超電導膜および安定化層を順次形成した構造を有している。この線材は結晶が2軸配向しているため、ビスマス系の銀シース線材に比べて臨界電流(Ic)値が高く、液体窒素温度での磁場特性がBi系超電導体に比べて優れているため、実用上高い臨界電流密度(Jc)を高磁場中において維持することが可能となる。
この線材の実用化に成功すれば、貴金属である銀を使用しないこと、および冷媒に液体窒素を使用できる点から冷却効率が数十〜数百倍に向上することから、従来経済性の面から適用されなかった低温で使用される超電導機器に対しても超電導線材を適用することが可能になる。
このYBCO超電導体の特性は、その結晶の配向性に大きく影響され、従って、この下層を構成する基板および中間層の結晶の配向性に大きく影響される。
即ち、YBCO超電導体の結晶系は斜方晶であり、このため、通電特性において材料の特性を発揮させるためには、結晶のCuO面を揃えるだけでなく、面内の結晶方位をも揃えることが要求される。その理由は、僅かな方位のずれが双晶粒界を発生させ、通電特性を低下させることによる。
一般的にRE123系超電導体(特にYBCO超電導体)の線材の製造方法は、IBAD(Ion Beam Assisted Deposotion)法やISD(Inclined substrate deposition)法などのレーザアブレーション法を基本としたものに加え、真空蒸着法や化学蒸着法(CVD)などを含めた気相法というカテゴリとその対極にある非真空プロセスとして、有機金属塩塗布熱分解法(Metal Organic Deposition Processes:MOD法)に代表される液相法、即ち、液体を基材表面に塗布して焼結することによって結晶化した薄膜を形成する方法の2つに分類することができる。
これらのプロセスにおいては、上述のように、高いJc値を達成するために、多結晶のテープ状金属基板の表面に高い面内配向性を有する超電導層を形成することが要求されるため、テンプレートとして機能する超電導体に類似した面内配向性を有する中間層膜を金属基板上に形成することが必要となる。
アシストイオンビームによって面内配向性を制御できるIBAD法を除き、他のプロセスでは、高い面内配向性を有する中間層を得るために、RABiTS(商標:Rolling-Assisted Biaxially Textured-Substrates)に代表される2軸寵向した集合化組織を持つ金属基板を使用して、中間層のテンプレートとして機能させることが必要である。
このRABiTSによる2軸配向集合化組織を有する金属基板は、面心立方、体心立方あるいは稠密6方晶の金属に強圧延加工と焼鈍を施すことにより形成するものであるが、結晶の配向性は機械的な歪や熱的な歪に対して影響を受け易く、容易に配向性を失う傾向がある。
MOD法を酸化物超電導線材の製造コストの観点から見た場合、低コスト線材の製造方法として非常に有利になると考えられている。即ち、IBAD基板を用いた方法は高特性が得られるが、この方法は、全ての層が気相法による真空プロセスで作られるため、緻密で平滑な中間層膜を得ることができるという利点を有する反面、成膜速度が遅く、また設備コストがかかり、線材価格が上がるなどの問題点があり、一方、CVD法は、他の気相プロセスに比べて製造速度が速いが、高いIc値を得るために膜厚を増加させることが困難であるという問題がある。
これらの方法に比較して、MOD法は、真空プロセスを使用しないため、設備コストおよびメンテナンスコストがかからないという利点を有しており、低価格の超電導体を提供できることが期待されているプロセスである。この場合、中間層もMOD法で成膜することができれば、更にコストを下げることが可能である。
その一方で、MOD法は熱平衡プロセスであることから、結晶化に要する温度が真空中の非平衡状態で結晶化を図るプロセスと比較すると高くなるという欠点がある。この結晶化温度の高さが、上述したように集合化組織金属基板を利用する上での唯一大きな欠点となる。
従来、MOD法における中間層の加熱方法としては、バッチ式電気炉による抵抗加熱方式が一般的に採用されている。この方式では、超電導前駆体を塗布した基板をソレノイド状に巻回したドラムを、バッチ式電気炉内に載置して熱処理が行われている。このバッチ式電気炉による抵抗加熱方式は、抵抗発熱体で発生した熱によって炉体を加熱し、炉対周囲の断熱材によって保温するものであり、線材への熱の伝わり方は、熱源である炉体からの伝導と輻射、そして熱源である炉体によって温められた雰囲気ガスの対流の3つによって定まる。この方式の場合、始めに熱容量の大きな炉体を加熱する必要があり、更に熱処理の終了後は炉体の冷却速度によって試料の冷却速度も律速される。従って、本来必要とする熱処理時間より長い時間試料を炉体内部に滞留させることになる。
従って、この場合には、線材が長尺化するにつれて電気炉が大型化しコストが上昇する上、製造効率が低くなるという難点がある。さらに、中間層を形成する際の集合化組織金属基板を利用する上で、基板を高温嶺域に長時間滞留させることは基板の面内配高性を維持する点において好ましくない。基板の面内配向性の乱れは中間層の面内配向性の乱れに繋がり、結果として中間層上に形成される超電導膜の面内転向性を劣化させ、超電導特性を低下させることになる。
一方、バッチ式加熱方式に対して、長尺の線材を連続して加熱する方式も検討されている。例えば、加熱手段と、該加熱手段の温度を制御する制御機構とを有し、加熱手段の内部に、熱処理によって酸化物超電導体となる超電導体形成部を有する長尺の線材の一条以上を走行させることにより、線材を加熱して長尺の酸化物超電導線とする熱処理ユニットが、長尺の線材の走行方向に2台以上備えられてなる酸化物超電導線材の連続熱処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この連続熱処理装置は、中間層の形成に用いられるものではないが、加熱手段としては、管状のヒータや、耐熱ガラス管の外周面に高周波誘導加熱コイルを巻回してなる加熱管等が用いられ、線材を連続して加熱することが可能である。
特開平9−147647号公報
以上のように、従来、中間層の加熱方法として採用されているバッチ式加熱方式においては、線材が長尺化するにつれて電気炉が大型化しコストが上昇する上、製造効率が低くなるという難点があり、さらに、集合化組織金属基板の面内配向性を低下させ、中間層および超電導膜の面内転向性を劣化させることにより超電導特性を低下させるという問題があり、一方、管状のヒータや、耐熱ガラス管の外周面に高周波誘導加熱コイルを巻回した加熱管等を用いた連続熱処理装置においては、これを中間層の形成に用いた場合、基板も同様に加熱されるため、やはり、集合化組織金属基板の面内配向性を低下させ、中間層および超電導膜の面内転向性を劣化させることにより超電導特性を低下させるという問題を生ずる。
本発明は、以上の問題を解決するためになされたもので、基板の配向性に影響を与えることなく、中間層を形成する仮焼膜を効率よく加熱することのできるテープ状酸化物超電導線材の製造方法およびその中間層熱処理装置を提供することをその目的とする。
また、本発明は、高いIc値を達成するために必要な急速加熱および急速冷却を可能とし、高い面内配向性を有する中間層の結晶化に必要最小限の時間で熱処理を施すことのできるテープ状酸化物超電導線材の製造方法およびその中間層熱処理装置を提供することをその目的としている。
以上の目的を達成するために、本発明のテープ状酸化物超電導線材の製造方法は、配向性を有する金属基板上に、中間層の仮焼膜を形成したテープ状線材を、加熱及び冷却して前記金属基板上に中間層を形成し、次いで、前記中間層の上に超電導層を形成する方法において、仮焼膜を輻射加熱により急速加熱した後、仮焼膜の結晶化温度に保持し、次いで、急速冷却を施して高配向性の中間層を形成するようにしたものである。
また、本発明のテープ状酸化物超電導線材の中間層熱処理装置は、配向性を有する金属基板上に、中間層の仮焼膜を形成したテープ状線材を、加熱及び冷却して金属基板上に中間層を形成するための熱処理装置であって、この熱処理装置は、テープ状線材の送出し装置及び巻取り装置と、送出し装置及び巻取り装置の間に配置された熱処理炉とを備え、かつ熱処理炉が仮焼膜を輻射加熱により急速加熱する急速加熱領域及び結晶化温度領域からなるように構成したものである。
本発明の方法および装置によれば、仮焼膜を輻射加熱により急速加熱した後、仮焼膜の結晶化温度に保持し、次いで、急速冷却することができるため、基板の配向性を維持して高い面内配向性を有する中間層および超電導層を形成することができ、高いIc値を有するテープ状酸化物超電導線材を低コストで製造することができる。
本発明のテープ状酸化物超電導線材の製造方法においては、配向性を有する金属基板上の中間層の仮焼膜を輻射加熱により急速加熱した後、前記仮焼膜の結晶化温度に保持し、次いで、急速冷却を施して高配向性の中間層を形成するものであるが、この場合の仮焼膜は、MOD法により中間層を構成する金属元素を含む金属有機酸塩または有機金属化合物を有機溶媒中に溶解した混合溶液を塗布後仮焼したものであることが好ましい。
また、中間層の仮焼膜の輻射加熱による急速加熱後の結晶化温度の保持も、急速加熱と同様に輻射加熱により保持されることが好ましい。
上記の急速加熱および結晶化温度の保持のための輻射加熱は、仮焼膜の表面に対して輻射線が集中するように施されることが好ましい。これにより基板への熱影響を小さくし、基板の配向性を維持することができる。
一方、本発明のテープ状酸化物超電導線材の中間層熱処理装置は、熱処理炉を仮焼膜を輻射加熱により急速加熱する急速加熱領域及び結晶化温度領域からなるように構成したことを特徴とするものであるが、この場合の仮焼膜は、MOD法により中間層を構成する金属元素を含む金属有機酸塩または有機金属化合物を有機溶媒中に溶解した混合溶液を塗布後仮焼したものであることが好ましい。
また、熱処理炉の結晶化温度領域は、急速加熱領域と同様に輻射加熱による加熱手段により構成することが好ましい。
この場合の急速加熱領域及び結晶化温度領域は、仮焼膜の表面に対して輻射線が集中するように形成された輻射加熱手段により構成することが好ましい。
送出し装置と巻取り装置の間に配置された熱処理炉内のテープ状線材の搬送路は、透明な炉心管で構成し、送出し装置、巻取り装置およびテープ状線材の搬送路は雰囲気制御が可能に密閉構造に構成することが好ましい。
以上のテープ状酸化物超電導線材の製造方法およびその中間層熱処理装置は、テープ状酸化物超電導線材がY系(123)超電導線材の場合に好適する。
図1は、テープ状酸化物超電導線材の中間層熱処理装置1の概略を示したもので、2はテープ状線材の送出し装置、3はテープ状線材の巻取り装置、4は炉心管、5は熱処理炉である。
以上の装置において、送出し装置2および巻取り装置3は、それぞれ筐体2aおよび3a内部に配置され、筐体2aおよび3aはテープ状線材の搬送路を形成する熱処理炉5内の炉心管4と結合されて密閉構造に形成されている。これにより密閉空間に接続された雰囲気ガス供給装置または真空排気装置(図示せず)により、送出し装置2および巻取り装置3間を走行するテープ状線材に所定の雰囲気あるいは減圧下で熱処理を施すことができる。
送出し装置2および巻取り装置3は、巻取りモータと送出しモータのバランスをとることにより張力の制御を行うことができる。一例として送出し側モータに接続したクラッチの空転による張力制御が挙げられる。
熱処理炉5は、炉心管4の上部に輻射加熱器6a、6b、6cおよび6dが配設されており、輻射加熱器6aは急速加熱領域Aを、輻射加熱器6b、6cおよび6dは結晶化温度領域Bを構成する。尚、これらの急速加熱領域Aおよび結晶化温度領域Bを構成する輻射加熱器の個数は任意に配設することができる。
輻射加熱器6a、6b、6cおよび6dの熱源は、基本的にガラス管内部にフィラメントを真空封入したランプにより構成され、その形状は任意であるが、ランプより発生する光を仮焼膜表面に集光させることを考慮すると、直線状または円形状の形状とすることが適当である。ランプより発光する光の波長は、可視光、近赤外、遠赤外まで連続的にカバーしており、集光ミラー光学系と組み合わせることにより照射領域を特定し、仮焼膜表面のみを集中加熱する。ミラー光学系は放物面鏡を一対とした形式あるいは楕円面鏡を一対とした形式により構成される。
ランプ加熱の熱源は、一対で可能な加熱面積は25〜600mmであるため、熱源をテープ状線材の走行方向に組みあわせることによって、均熱領域を面状に形成する。ランプの照射嶺域にテープ状線材を一定速度で通過させることによって昇温、温度保持、冷却の熱処理をパターン構成する。従って、昇温と冷却は照射領域への入出した瞬間から始まるため急速加熱と急速冷却が可能となる。この場合、輻射加熱器6a、6b、6cおよび6dの熱源は、必ずしも同一形状とする必要はなく、急速加熱領域Aおよび結晶化温度領域Bで異なる形状とすることもできる。
以上のテープ状酸化物超電導線材の中間層熱処理装置1において、送出し装置2のドラム上に巻回されたテープ状線材7は所定の張力で引き出され、熱処理炉5内の炉心管4内を走行し巻取り装置3のドラムに巻き取られる。炉心管4内を走行するテープ状線材7は、熱処理炉5内の急速加熱領域Aを通過する際に輻射加熱器6aにより基板上の中間層の仮焼膜が急速加熱され、結晶化温度領域Bを通過する際に輻射加熱器6b、6cおよび6dにより基板上の中間層が結晶化される。急速加熱領域Aおよび結晶化温度領域Bにおいて、基板上の中間層の仮焼膜のみが急速加熱および結晶化温度に保持され、結晶化後の中間層は、結晶化温度領域B通過後に急速冷却される。
テープ状線材7は、NiまたはNi基合金テープ状基材あるいはNiまたはNi基合金と他の金属との複合基材によって形成される集合化組織金属基板の表面に中間層の仮焼膜を形成したもので、この中間層の仮焼膜は、中間層を構成する金属元素を含む金属有機酸塩または有機金属化合物、例えば、オクチル酸塩、ナフテン酸塩、ネオデカン酸塩、三酢酸塩等を1あるいは2種類以上の有機溶媒中に溶解した混合溶液を塗布後仮焼したものが用いられる。
以下、本発明の具体例について説明する。
2軸配向性を有するNi基板上に、Ce、NbおよびGdの金属有機酸塩をCe:Nb:Gd=90:5:5のモル比で有機溶媒中に溶解した混合溶液を塗布後仮焼してテープ状線材を作成した。このテープ状線材に、図1に示す中間層熱処理装置1を用いて連続熱処理を施し、Ni基板上にCe―Nb―Gd―O中間層膜を形成した。このときの熱処理条件は、1000℃×1時間とした。この中間層膜をX線回折により半値幅(△φ)を測定した。その結果を図2(A)および図3(A)に示す。
一方、比較例として、上記と同一のテープ状線材に抵抗加熱方式のバッチ式電気炉を用いて熱処理を施し、Ni基板上にCe―Nb―Gd―O中間層膜を形成した。このときの熱処理条件は、1000℃×1時間とした。この中間層膜をX線回折によりを測定した。その結果を図2(B)および図3(B)に示した。
以上の結果から、中間層熱処理装置1を用いてNi基板上に形成したCe―Nb―Gd―O中間層膜の半値幅は△φ=7.5°であるのに対し、抵抗加熱方式のバッチ式電気炉を用いてNi基板上に形成したCe―Nb―Gd―O中間層膜の半値幅は△φ=8.5°を示し、輻射加熱により仮焼膜を急速加熱後、結晶化温度に保持し、次いで、急速冷却を施した場合には高配向性の中間層を形成することができることが明らかである。
本発明によるできるテープ状酸化物超電導線材の製造方法およびその中間層熱処理装置は、ケーブル、電力機器及び動力機器への利用が可能な希土類系テープ状酸化物超電導線材の製造に適用することができる。
本発明のテープ状酸化物超電導線材の中間層熱処理装置1の一実施例を示す概略断面図である。 本発明の装置及び従来の装置により製造された中間層膜のX線回折による測定結果を示すグラフである。 本発明の装置及び従来の装置により製造された中間層膜のX線回折による測定結果を示すグラフである。
符号の説明
1 中間層熱処理装置
2 テープ状線材の送出し装置
3 テープ状線材の巻取り装置
4 炉心管
5 熱処理炉
6a、6b、6c、6d 輻射加熱器
7 テープ状線材
A 急速加熱領域
B 結晶化温度領域

Claims (11)

  1. 配向性を有する金属基板上に、中間層の仮焼膜を形成したテープ状線材を、加熱及び冷却して前記金属基板上に中間層を形成し、次いで、前記中間層の上に超電導層を形成するテープ状酸化物超電導線材の製造方法において、前記仮焼膜を輻射加熱により急速加熱した後、前記仮焼膜の結晶化温度に保持し、次いで、急速冷却を施して高配向性の中間層を形成することを特徴とするテープ状酸化物超電導線材の製造方法。
  2. 中間層の仮焼膜は、中間層を構成する金属元素を含む金属有機酸塩または有機金属化合物を有機溶媒中に溶解した混合溶液を塗布後仮焼してなることを特徴とする請求項1記載のテープ状酸化物超電導線材の製造方法。
  3. 仮焼膜の結晶化温度は、輻射加熱により保持されることを特徴とする請求項1または2記載のテープ状酸化物超電導線材の製造方法。
  4. 輻射加熱は、前記仮焼膜の表面に対して輻射線が集中するように施されることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載のテープ状酸化物超電導線材の製造方法。
  5. テープ状酸化物超電導線材は、Y系(123)超電導線材であることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載のテープ状酸化物超電導線材の製造方法。
  6. 配向性を有する金属基板上に、中間層の仮焼膜を形成したテープ状線材を、加熱及び冷却して前記金属基板上に中間層を形成するための熱処理装置であって、前記熱処理装置は、前記テープ状線材の送出し装置及び巻取り装置と、前記送出し装置及び巻取り装置の間に配置された熱処理炉とを備え、前記熱処理炉は、前記仮焼膜を輻射加熱により急速加熱する急速加熱領域及び結晶化温度領域からなることを特徴とするテープ状酸化物超電導線材の中間層熱処理装置。
  7. 中間層の仮焼膜は、中間層を構成する金属元素を含む金属有機酸塩または有機金属化合物を有機溶媒中に溶解した混合溶液を塗布後仮焼してなることを特徴とする請求項6記載のテープ状酸化物超電導線材の中間層熱処理装置。
  8. 結晶化温度領域は、輻射加熱による加熱手段により構成されることを特徴とする請求項6または7記載のテープ状酸化物超電導線材の中間層熱処理装置。
  9. 急速加熱領域及び結晶化温度領域は、前記仮焼膜の表面に対して輻射線が集中するように形成された輻射加熱手段により構成されることを特徴とする請求項8記載のテープ状酸化物超電導線材の中間層熱処理装置。
  10. 送出し装置と巻取り装置の間に配置された熱処理炉内のテープ状線材の搬送路は、透明な炉心管により構成され、前記送出し装置、前記巻取り装置および前記テープ状線材の搬送路は雰囲気制御が可能に密閉構造に構成されていることを特徴とする請求項6乃至9いずれか1項記載のテープ状酸化物超電導線材の中間層熱処理装置。
  11. テープ状酸化物超電導線材は、Y系(123)超電導線材であることを特徴とする請求項6乃至10いずれか1項記載のテープ状酸化物超電導線材の中間層熱処理装置。
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