JP2007234486A - 電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】正極、セパレータおよび負極を渦巻き状に巻いた極群に溶接した集電板と蓋とをリードで接続した電池においては、内部抵抗を十分に低いレベルまで低減するための技術がなかった。そのため、内部抵抗を大幅に低減した電池を提供することが課題であった。
【解決手段】正極、セパレータおよび負極を渦巻き状に巻いた極群に溶接した集電板と蓋とをリードで接続した電池において、前記リードは、環状部と複数の短冊部とで構成され、前記環状部は、蓋に接続されており、前記短冊部は、一端が前記環状部につながっているとともに他端が集電板に接続されていることを特徴とする電池。
【選択図】図1

Description

本発明は、電池に関し、特に集電板と蓋とを接続するリードの構造に関するものである。
近年、モバイルコンピュータ、デジタルカメラなどの移動体電子機器を始めとする小型軽量を求められる電動機器が急速に増加する傾向にあり、これら機器用電源として円筒形などの電池が使われている。また、ハイブリッド形電気自動車(HEV)や電動工具や玩具などの電源のように高出力特性に優れ、かつ長寿命特性が要求される分野の電源としても電池の需要が広がりつつある。
従来の電池は、図10に示すように、長尺状の正極板22および負極板23がセパレータ24を介して渦巻き状に巻いた極群25と、これを収容する有底円筒形の外装缶26と、この外装缶の開口部を封口するガス排出弁を有する蓋27から構成されている。
正極および負極の集電のために、それぞれの極板の長手方向の一方の端部に活物質が充填されていない未充填部28、29を設け、これらの未充填部が互いに対向しない向きに極群が捲回されている。極群の両端に突出したこれらの未充填部にそれぞれ略円形の正極集電板30および負極集電板31が溶接され、次いで正極集電板と蓋部下面が集電リード21により接続されていることで、各々の極板の電気的接続が達成されており、捲回した極群の全周より集電して、電池出力を確保している。
従来の電池における、蓋27を正極集電板30に電気的に接続する手段として、図11に示すリード21が提案されている。リード21の下端21bを正極集電板30に接合し、リード21の上端21aに形成した突起21cを蓋27に接合することにより、蓋27をリード21を介して正極集電板30に電気的に接続できる。
このような電池が大電流で充放電を行う用途に使用される場合、電池構成要素の中でも特に、極群に接続された集電板と蓋との間を接続するリードの電気抵抗が電池特性に大きな影響を与えることがわかっている。これらの用途では極力内部抵抗を低減する必要があり、種々の技術が検討されている。
内部抵抗を下げる技術としては、上記の電池のリードの断面積を大きくしたりリードの本数を増やしたりする方法が考えられる。しかし、つぎのような理由で十分なレベルまで内部抵抗を下げることができないので、そのような方法は実用的でない。断面積を大きくする方法を採用した場合は、その面積が大きくなるにしたがって、無効電流が増えるので溶接が困難になるという問題がある。ほかに、その面積が大きくなるにしたがって、リードの強度が高くなって柔軟性が下がるので、リードを折り曲げが困難になって生産性が低下するという問題や、リードを折り曲げた際に溶接が外れたり極群を圧迫して内部短絡を生じたりする可能性が高くなるという問題がある。また、本数を増やす方法を採用した場合は、本数が増えるにしたがって、部品点数が増えるので組立が煩雑になる。
ほかに、内部抵抗を下げる技術として、「正極板と負極板とが両極板間にセパレータが挟まれた状態で巻回された電極体と、この電極体を収容可能なケースと、前記電極体の一方の極板と接続される集電体とを備えてなる円筒形電池において、前記集電体は、前記電極体の端面の略全域にわたって宛がわれる集電本体部と、この集電本体部の外周縁の略等角度間隔の複数箇所から延出したリード片部とを備えることを特徴とする円筒形電池」の発明が公知である(特許文献1、請求項1)。
特許文献1の発明によれば、リード片部を複数備えているので、「電流は集電本体部から複数の並列回路を介して均等に通ることになり、電流集中や抵抗損の発生を極力抑えることができる」という効果が得られる。
しかし、特許文献1の発明では、リードと集電板とが一体であるためにつぎのような問題があった。まず、リードを上方に折り曲げる際に、集電板が変形する。この変形は、集電板と極群とを溶接するときの不良率を高める。つぎに、リードの断面積または本数が増えるにしたがって、集電板と極群との対向面積が小さくなる。これは、リードを上方に折り曲げる際に、集電板の周縁部も折り曲げてしまうことに起因する。さらに、リードの位置が集電板の周縁部であるために、電流分布の不均一化が生じる。
特許文献1に関連のある技術として、「筒状の電池缶(1)の内部に、それぞれ帯状の正極(41)と負極(43)の間にセパレータ(42)を介在させてこれらを渦巻状に巻き取った巻き取り電極体(4)が収容され、正極(41)及び負極(43)にはそれぞれ、帯状芯体の表面に活物質を塗布して構成され、巻き取り電極体(4)が発生する電力を一対の電極端子部から外部へ取り出すことが出来る筒型二次電池において、巻き取り電極体(4)の少なくとも何れか一方の端部には、正極(41)或いは負極(43)を構成する帯状芯体の端縁(48)が突出し、該端縁(48)を覆って集電板(5)が設置され、該集電板(5)は、外周縁の少なくとも一部が円弧状を呈する平板状の本体(51)と、該本体(51)の前記円弧状外周縁に突設された帯状のリード板(55)とを具え、該リード板(55)には、前記本体(51)から離間する方向に伸びる複数本の切り込み(57)が施され、各切り込み(57)は、基端を前記本体(51)の円弧状外周縁又はその近傍に有し、該リード板(55)の先端部は、一方の電極端子部と連結されていることを特徴とする円筒型二次電池。」の発明が公知である(特許文献2、請求項1)。
特許文献2の発明によれば、リード板が複数本の切り込みによって複数のリード部に分割されているので、該リード部を、個々に切り込みの基端位置から折り曲げることが可能となり、これによって、リード板は、リード部毎に前記本体の円弧状外周縁に沿って折り曲げられる。そのため、特許文献1の場合に問題となった集電板と極群との対向面積が小さくなるという問題は幾分改善される。
しかし、特許文献2の発明は、特許文献1の場合と同様に、リードと集電板とが一体であるので、リードを折り曲げる際に生じる集電板の変形の問題と集電板の周縁部から集電することによる電流分布の不均一化の問題とは避けられない。また、特許文献2の実施例のように、リード板を集電板の周囲の一部のみに配置した場合は、この部分に、他の部分からの電流が集中するので集電板の全周から均一に集電する場合と比べて内部抵抗が高くなる傾向があり、電極群の全周より集電して抵抗を下げるという効果は期待できない
ほかに、内部抵抗を下げる技術の一つとして、「一方極の端子を兼ねる開口部を備えた電池ケースと、前記開口部を密封する他方極の端子を兼ねる封口体と、前記電池ケース内に収容される正・負極の少なくとも一方の端部に集電体が接続された電極体とを備えた蓄電池であって、前記封口体と前記集電体とが中空部を備えた筒状体からなるリード部に溶接されていることを特徴とする蓄電池。」の発明が公知である(特許文献3、請求項1)。
特許文献3の発明のように、封口体と集電体とが中空部を備えた筒状体6からなるリード部に溶接されていると、通電時の電流経路は筒状体の周側壁に沿って集電体から封口体に向けて2経路に分かれて流れるため、リード部の集電距離は筒状体の半円周となってリード部での電圧降下を半分に低減させることが可能になる。
しかし、このようなリードを蓋と集電板とに溶接して取り付けるためには、「電池ケースと封口体との間に溶接電流を流してリード部を封口体あるいは集電体のいずれか一方に溶接する溶接工程」(段落0013)をおこなう必要があり、このような溶接工程を実施するために高価な溶接設備が必要となってしまうという問題があった。さらに、この溶接工程でリードを溶接する場合の特有の現象として、溶接電流が大きくなるにしたがって、リードが溶接対象に押し当てられる力が低下するというものがある。この現象は、溶接時の電流によってリードが発熱して軟化することに起因する。そのため、溶接点数を増やす設計を実現するために大電流で溶接工程をおこなうと、溶接の確実性が低下し溶接のばらつきが大きいと言う問題があった。そのため、特許文献3に記載の技術では、溶接点数を増やして抵抗を下げるという設計は実施困難である。このような問題は、特許文献4の発明でも認められる。
特開平11−297301号公報 特開2004−273288号公報 特開2001−143684号公報 特開2004−235036号公報
上記のように、正極、セパレータおよび負極を渦巻き状に巻いた極群に溶接した集電板と蓋とをリードで接続した電池においては、内部抵抗を十分に低いレベルまで低減するための技術がなかった。そのため、従来の技術では、大電流で充放電する用途に適した電池は得られなかった。したがって、本発明の課題は、内部抵抗を大幅に低減した電池を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討の結果、リードの形状を特定のものとすることにより、安価な設備と安価な材料コストで電圧損失を最小限にとどめることができることを見いだし、本発明を完成した。
本発明は、上記の課題を解決するために以下の手段を採用するものである。
(1)正極、セパレータおよび負極を渦巻き状に巻いた極群に溶接した集電板と蓋とをリードで接続した電池において、前記リードは、環状部と複数の短冊部とで構成され、前記環状部は、蓋に接続されており、前記短冊部は、一端が前記環状部につながっているとともに他端が集電板に接続されていることを特徴とする電池。
(2)正極、セパレータおよび負極を渦巻き状に巻いた極群に溶接した集電板と蓋とをリードで接続した電池において、前記リードは、環状部と複数の短冊部とで構成され、前記環状部は、集電板に接続されており、前記短冊部は、一端が前記環状部につながっているとともに他端が蓋に接続されていることを特徴とする電池。
(3)前記リードの短冊部は、少なくとも3個所で折り曲げられていることを特徴とする前記電池。
(4)前記リードは、展開図が櫛状であることを特徴とする前記電池。
本発明によれば、リードを介して接続された集電板から蓋までの経路の電気抵抗を大幅に小さくできるので、従来のものと比べて内部抵抗が大幅に低い電池を提供することができる。したがって、この電池は、大電流で充放電する用途に適している。しかも、この電池は、安価な設備で製造することができる。さらに、本発明によれば、集電板から蓋までの経路の電気抵抗が小さい電池を安価な材料コストで提供することができる。
本発明者らは、密閉型電池の抵抗成分分析を行うことによって、電池の抵抗の大きな部分を蓋と正極集電板の間の抵抗が占めることを確認した。そこで、本発明者らは、蓋と正極集電板の接続抵抗を低減するために種々検討した結果、リードの集電経路の長さ及び断面積だけでなく溶接点数が極めて重要な因子であることを見いだすとともに、本発明の特定形状のリードを用いた電池を見いだすに至った。さらに、本発明者らは、溶接点数を増やすべく検討した結果、蓋と正極集電板を接続する少なくとも4本以上8本以下の集電経路を備えた本発明の電池は、極めて低い抵抗で蓋と正極集電板とが接続されていることが明らかにした。さらに、本発明者らは、それらの集電経路を1枚の板から構成することによって、安価な材料コストを実現し、集電経路と蓋との接合部分もしくは集電経路と正極集電板との接合部分における溶接点数を接合部分1個所あたり複数点とすることによって、極めて低い抵抗で蓋と正極集電板の接続が可能となることを見いだした。なお、上記の集電経路とは、集電板から蓋までの間の電流が通る経路を意味する。
本発明の電池で使用するリードは、環状部と複数の短冊部とで構成され、前記環状部は、蓋に接続されており、前記短冊部は、一端が前記環状部につながっているとともに他端が集電板に接続されていることを特徴とする。このリードについて、図を用いて説明する。図1は、本発明で使用するリードの一例の展開図であって、厚さ0.2〜0.4mmのNiまたはFeNi(ニッケルメッキ鋼板)を打ち抜きまたはワイヤカットで加工したものである。このリードは、環状部1と短冊部2とで構成される。この図のように、環状部1は、透孔7を備えた環状である。そして、短冊部2は、複数備えられており、それぞれの一端が環状部1につながっている。環状部1の透孔7は、溶接電極を挿入するためのものである。この図の8は切り欠き部分、9は突起であって、いずれも溶接強度を高めるためのものである。切り欠き部分8は、溶接電流が集中して、リードが破断したりすることのないよう、溶接を確実にするためのものである。
本発明の電池では、上記のようなリードを用いることによって、蓋と正極集電板との間の集電経路が複数形成されている。この電池では、図10で示した従来のリードを用いた場合と比べて集電経路の合計の断面積が大きいので、蓋と正極集電板との間の電気抵抗が低い。このリードにおける短冊部は、環状部に連続した構成となっている。そのため、短冊部の本数を増やして集電経路を多くした場合でも部品点数は増えないので、単にリード本数を増やした場合と比べて電池の組立が容易である。したがって、本発明によれば、蓋と正極集電板との間の集電経路の本数を従来技術では達成できなかったレベルにまで増やすことができ、その結果、低抵抗を達成できる4本以上8本以下の集電経路を実施することができる。また、リードが環状部を備えるので、集電板の全周から均一な集電が可能である。均一な集電は、短冊部を、図1のように環状部の周囲に等間隔に配置したときに得られる。ここでの「等間隔」は、当然に誤差を含んでも良く、この誤差の上限は、短冊部の幅に相当する長さとするのが好ましい。間隔長さの誤差の上限をこのようにすることによって、短冊部の少なくとも一部が、環状部の周囲に等間隔に配置されるようになる。
本発明の電池では、リードと蓋との接合部分もしくはリードと正極集電板との接合部分の溶接点数を接合部分1個所あたり複数点とすることによって、溶接不良が激減し、溶接部抵抗をさらに小さくすることができる。溶接点数は、集電経路の抵抗を削減するのに極めて重要であるが、接合部分1個所につき1点のみしか溶接されていない場合、電池を使用している間に、溶接強度が不十分な溶接点がはずれたりして抵抗が増加して、電池の寿命性能が低下する虞がある。また、上記のリードは、一枚の原料板から切り出して製作する方法が採用できる。この方法は、環状部と短冊部とをそれぞれ別の原料板から切り出したあとに接続する方法と比べて工程数が少なく、安価な材料コストを実現できる。
本発明で使用するリードのほかの例として、図2の展開図のようなものがある。この図は、このリードの展開図が、環状部1と複数の短冊部2とで構成されていることと、環状部1が帯状であり、短冊部2が環状部1の一つの長辺から一方向に延びており、全体として櫛状であることとを示している。なお、「櫛状」は、図2のように、板材に複数の隙間を設けた形状のものを意味する。このリードは、帯状の環状部1を環状に丸めてから電池内に収納する方法で使用される。そのため、短冊部が伸びている方向は、すべての短冊部が同一方向でなくても良く、外装缶に収納したときに集電板に接触できる方向であれば良い。環状に丸めたあとの状態を図3の側面図と斜視図とに示す。帯状の部分を環状に丸めて環状部1とすることによって、極群の全集より集電する構成とすることができる。
本発明で使用するリードは、電池に収納する際には、リードにおける短冊部2を図3のように折り曲げ加工する。また、この図の短冊部2の先端の切り欠き部6は、溶接電流が集中してリードが破断したりすることのないよう、溶接を確実にするための加工である。また、環状部1には、この図に示したように、蓋との接続を確実におこなうために、接続タブ3を設けても良い。接続タブ3は、二枚以上を等間隔で配置することが通電経路を全周に分散できる点で好ましく、図2のように環状部1に対向する位置に配置することがとくに好ましい。また、接続タブ3には、溶接電流が集中してリードが破断したりすることのないよう図2のように切り欠き部を設けることが好ましい。なお、図3の斜視図では、正面左右側の接続タブ2枚を省略している。すなわち、全8枚のタブのうち、6枚のみ図示している。
本発明で使用するリードは、図4のように、短冊部2が正極集電板に抵抗溶接により接続されたあと、接続タブ3を蓋内面へ溶接して、さらに、短冊部2をつづら折り状に折りたたんで電池内部に収納される。そのあと、電槽缶の開口部はカシメて密閉化される。つづら折り状に折りたたむ形状とすることによって、短冊部2が上下方向に伸縮自在となる。そのため、蓋と電槽缶との間の空間を確保できるので、溶接電極35の挿入が容易である。このとき、短冊部2の折り曲げ加工は、少なくとも、3個所で折り曲げられることが好ましく、とくに、1個所の山折り部4と2個所の谷折り部5との3個所で折り曲げる加工であることが好ましい。このようにして3個所で折り曲げることによって、短冊部2のうち集電板に溶接される部分が、集電板に対して平行に配置できるようになる。そのため、その部分の抵抗溶接が確実におこなうことができる。また、「山折り」とは、リードを環状に丸めた後、短冊部2を環の中心向きに凸となるように折り曲げることを意味し、一方、「谷折り」とは環の外周向きに凸となるように折り曲げることを意味する。「つづら折り状に折りたたむ」とは、折り曲げ加工を行った後、折り目に沿って短冊部2を上下方向に折りたたむことを意味する。上記のように、本発明では、リードを蓋と集電板とに溶接するための装置として、大容量の溶接装置を必要としない。
本発明で使用するリードのほかの例として、環状部と複数の短冊部とで構成され、前記環状部は、集電板に接続されており、前記短冊部は、一端が前記環状部につながっているとともに他端が蓋に接続されていることを特徴とするものがある。このリードは、たとえば、図1または図2のリードを倒立させて電池内に収納したものに相当する。すなわち、図1の展開図を持つリードを用いる場合は、この図の環状部1を集電板に溶接したあと、短冊部2を蓋に溶接してから、短冊部2をつづら折り状に折りたたんで電池内部に収納する。図2の展開図を持つリードを倒立させて用いる場合は、展開図が帯状の環状部1を環状に丸めてから集電板に溶接すること以外は、図1の場合と同様である。図1または図2のリードを倒立させて用いた場合の電池の内部抵抗は、倒立でない場合と比べて、集電経路の数が同じであるので同レベルである。
本発明の電池で用いるリードとしては、図2のように櫛状の展開図を持つものが、図1のように放射状の展開図を持つものと比べて材料歩留まりが良い点で好ましい。櫛状の形状は、1枚の板から切り出す場合、図6(a)に示したように2枚のリードを互いの櫛歯が交互になるよう配置することができる。そのため、その形状を原料板から切り出す際の材料歩留まりは、図1のような放射状のものと比べて良く、工業的に極めて優れていることがわかる。
また、本発明では、リードの環状部または短冊部を蓋に直接接続しても良いが、補助リードを介して接続しても良い。「補助リード」とは、蓋とリードとを電気的に接続する機能を有するものである。補助リードについて図5を用いて説明する。補助リードは、厚さ0.4〜1.0mmのNiまたはFeNi(ニッケルメッキ鋼板)を打ち抜き又はワイヤカットで加工したものである。(図の例では、厚さ0.4mmのニッケル板を打ち抜き又はワイヤカットでした。)この図の例では補助リード本体11は八角形をなしており、それぞれの辺に対し接続タブ12を持つ。この図では1個所のみ展開、7個所は折り曲げ加工して作図した。この補助リード10の8個所の接続タブ12を直角に折り曲げることで、これら接続タブ12が、極群側へ突出することにより、リードの環状部1または短冊部と溶接できる。なお、蓋とリードとの接続に関しては、接続作業を容易にする目的で、補助リードをあらかじめ蓋の内面に取り付けても良い。
本発明の電池を封口する前に蓋とリードを溶接するためには、極群を収納した電槽缶の開口部端面と蓋内面に溶接電極を挿入するすき間が必要となるが、リードを、つづら折り状に折りたたまれて収納される形状とすることにより、リードと蓋内面を溶接した後に電池の封口が可能となる。なかでも、蓋内面にリードを溶接するに際して、あらかじめ蓋内面に概略円周状の接続タブを持つ補助リードを取り付けておくことにより、リードと蓋との抵抗溶接による接続が容易になるため、望ましい。
本発明の電池では、集電経路を短くする目的で、リードの短冊部2をできるだけ短くする場合は、蓋と正極集電板の溶接に際しては、まず、蓋に補助リードを溶接する第一の工程と、次いで正極集電板にリードを溶接する第二の工程、さらに補助リードの接続タブとリードとを溶接する第三の工程を、この溶接順序で行うことによって可能となる。
本発明の電池では、集電経路を4〜8本とし、短冊部を折り曲げ加工して1個所の山折り部と2個所の谷折り部とを設け、リードと蓋との接合部分もしくはリードと正極集電板との接合部分の溶接点数を接合部分1個所あたり複数点とすることによって、蓋と正極集電板間の集電経路の面積を大きく取り、かつ集電経路長さを短くしつつ、同時に溶接点数を集電経路の本数以上とすることができるため、電池の通電抵抗が低減され出力特性に優れた電池を得ることができる。
本発明は、正極、セパレータおよび負極を渦巻き状に巻いた極群に溶接した集電板と蓋とをリードで接続した電池であれば、非水電解液式のものでも水溶液電解液のものでも適用できる。ニッケル水素電池を例に取れば、正極のニッケル電極には、水酸化ニッケルと水酸化亜鉛、水酸化コバルトを共沈した複合水酸化物が用いられるが、さらに、ニッケル電極中にY、Er、Yb等の希土類元素の単体またはその化合物を添加することによりニッケル電極の酸素過電圧を高めて急速充電を行ったときにニッケル電極で酸素が発生するのを抑制する構成とするのが好ましい。
また、負極の水素吸蔵合金電極には、水素吸蔵が可能な、一般にAB系、またはAB系と呼ばれる合金を用いるが、特にその組成には制限はない。特に好ましくは、AB型のMmNi(Mmは希土類元素の混合物)のNiの一部をCo、Mn、Al、Cu等で置換した合金が、優れた充放電サイクル寿命特性と高い放電容量を持つので好ましい。本発明を適用してその抵抗削減効果をより高めるため、合金をあらかじめアルカリ系処理液で処理してその表面に触媒を付与して負極の反応抵抗をも低減する構成とするのがより好ましい。
以下では、ニッケル水素蓄電池を実施例として本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の記載により限定されるものではない。
(正極板の作製)
硫酸ニッケルと硫酸亜鉛および硫酸コバルトを所定比で溶解した水溶液に硫酸アンモニウムと苛性ソーダ水溶液を添加してアンミン錯体を生成させた。反応系を激しく撹拌しながら更に苛性ソーダを滴下し、反応系のpHを10〜12に制御して芯層母材となる球状高密度水酸化ニッケル粒子を水酸化ニッケル:水酸化亜鉛:水酸化コバルト=93:5:2の重量比となるように合成した。 (表面層の形成)
前記芯層母材となる球状高密度水酸化ニッケル粒子を、苛性ソーダでpH10〜13に制御したアルカリ水溶液に投入した。該溶液を撹拌しながら、所定濃度の硫酸コバルト、アンモニアを含む水溶液を滴下した。この間、苛性ソーダ水溶液を適宜滴下して反応浴のpHを10〜13の範囲に維持した。約1時間pHを10〜13の範囲に保持し、前記水酸化ニッケル粒子表面にCoを含む混合水酸化物から成る表面層を形成させた。該混合水酸化物の表面層の比率は前記Coを含む芯層母粒子(以下単に芯層と記述する)100重量部に対してCoの金属量換算で4重量部であった。
(表面層の酸化処理)
前記混合水酸化物から成る表面層を有する水酸化ニッケル粒子50gを、温度110℃の30wt%(10N)の苛性ソーダ水溶液に投入し、充分に攪拌した。続いて表面層に含まれるコバルトの水酸化物の当量に対して過剰のK228を添加し、粒子表面から酸素ガスが発生するのを確認した。活物質粒子をろ過し、水洗、乾燥した。
(正極板の作製)
前記コバルト被覆活物質粒子粉末100重量部に対して、カルボキシメチルセルローズ(CMC)水溶液を添加して前記活物質:CMC溶質=99.5:0.5のペースト状とし、該ペーストを450g/mのニッケル多孔体(住友電工(株)社製ニッケルセルメット#8)に充填した。その後80℃で乾燥した後、所定の厚みにプレスし、表面にポリテトラフロロエチレンコーティングを行い幅47.5mm(内、無塗工部1mm)長さ1150mmの容量6500mAh(6.5Ah)のニッケル極板とした。
(負極の作製)
粒径35μmのAB5型希土類系のMmNi3.6Co0.6Al0.3Mn0.35の組成を有する水素吸蔵合金をアルカリ性水溶液に浸漬処理を行った。即ち、水素吸蔵処理後の水素吸蔵合金粉末を20℃で46重量%のNaOH水溶液に浸漬し、100℃で2時間の処理を行った。
その後、加圧濾過し、PH10以下に水洗した後、希薄な酸を加えて希土類不純物を溶解後、加圧濾過し、80℃温水で水素脱離を行った。さらにその後、加圧濾過して処理液と合金を分離した後、純水を合金重量と同重量添加して28kHzの超音波を10分間かけた。さらにその後、緩やかに攪拌しつつ純水を攪拌層下部より注入し、排水をフローさせて合金より遊離する希土類水酸化物を除去した。この後、合金を80℃温水に暴露して水素脱離を行った。温水を加圧濾過して、再度の水洗を行い合金を25℃に冷却し、攪拌下4%過酸化水素水を合金重量と同量加え、水素脱離を行って、電極用水素吸蔵合金を得た。
得られた合金とスチレンブタジエン共重合体水溶液とを99.35:0.65の固形分重量比で混合し、水で分散してペースト状にし、ブレードコーターを用いて、鉄にニッケルメッキを施したパンチング鋼板に塗布した後、80℃で乾燥した後、所定の厚みにプレスして幅47.5mm長さ1750mmの容量11000mAh(11.0Ah)の水素吸蔵合金負極板とした。
(密閉形ニッケル水素電池の作製)
前記負極板とスルフォン化処理を施した厚み120μmのポリプロピレンの不織布状セパレータと前記正極板とを組み合わせてロール状に巻回した。該巻回極群の一方の捲回端面に突出させた正極基板の端面に、ニッケルメッキを施した鋼板からなる厚さ0.4mm、中央に円形の透孔を設けた半径14.5mmの円板状の正極集電板を抵抗溶接により接合した。捲回式極板群の他方の捲回端面に突出させた負極基板の端面にニッケルメッキを施した鋼板からなる厚さ0.4mmの円板状の負極集電板を抵抗溶接により接合した。ニッケルメッキを施した鋼板からなる有底円筒状の電槽缶を用意し、前記集電板を取り付けた極板群を、正極集電板が電槽缶の開放端側、負極集電板が電槽の底に当接するように電槽内に収容し、負極集電板の中央部を電槽の底壁部に抵抗溶接により接合した。次いで電槽缶の上部内周側に防振リングを挿入し、電槽缶の外周側に溝入れ加工を施して防振リングの上端部に環状溝を形成した。
ニッケルメッキを施した鋼板からなり中央に直径0.8mmの円形の透孔を設けた円板状の蓋を用意し、蓋の外面には、弁体(ゴム弁)およびキャップ(正極端子)を取り付けた。蓋の周縁をつつみ込むように蓋にリング状のガスケットを装着した。
次いで、厚さ0.2mmのニッケル板を加工して図2に示すような展開図のリードを製作して、このリードの環状部を環状に丸めてから、8本の短冊部に折り目を付けたのちに図4(b)のごとく正極集電板の上面に配置して溶接した。溶接点数は、短冊部1本あたり2点とした。
このとき、環状部によって形成される環の直径は、ガスケットとの干渉を防ぐために25.9mm以下とするのが好ましく、接続タブを蓋うら面の平坦部で溶接できるようにするために22.6mm以上17mm以下とするのが好ましい。短冊部の幅は、図6(a)のようにして効率よく原料板から切り出せることから、隣接する2本の短冊部間の距離以下とするのが好ましい。たとえば、図2の短冊部の幅は、環状部の長さが59.7mmの場合、3.98mm以下とするのが好ましい。また、ニッケル板としては、0.2mm以上0.3mm以下のものが利用できる。0.2mm未満の場合は、加工時に破断しやすく、0.3mmを越える場合は折り曲げ加工が困難となって、集電板に接続される部分の長さを必要以上に長くする必要が生じる。
その後、6.8 mol/dmのKOHと0.6 mol/dmのLiOHを含む水溶液からなる電解液を所定量注液した後、リードの接続タブ3を円周の外側向きに倒した。
次いで蓋を、リードの接続タブの上に載置し、リードの接続タブと蓋を図4(c)に示すようにして溶接した。
その後、リードの短冊部を図4(d)に示すように、つづら折り状に折りたたんで蓋を電槽缶に押し込み、電槽缶の開放端をかしめて気密に密閉して、D形の密閉型ニッケル水素電池を作製した。
リードの短冊部を図7に示すように4本にしたこと以外は実施例1と同様にして、密閉形ニッケル水素蓄電池を作製した。なお、第1の溶接工程における正極集電板とリードとの溶接点数は短冊部ごとに2点とした。
図8に示すように接続タブ3がないリードを用いたことと補助リードを用いたことと以外は、実施例1と全く同様にして、電池を試作した。すなわち、厚さ0.4mmのニッケル板であって、図5に示すような形状の補助リード10を用意した。ニッケルメッキを施した鋼板からなり中央に直径0.8mmの円形の透孔を設けた円板状の蓋を用意し、蓋の内面側に補助リード10を当接させ、図9(b)のように、蓋18の内面に補助リード10を溶接する第1の溶接工程を実施した。
次いで、図8に示すように厚さ0.2mmのニッケル板を加工した、短冊部が8本のリードを、その部分を正極集電板の上面に溶接する第2の溶接工程を実施した。溶接点数は、短冊部1本あたり2点とした。
蓋18の外面には、弁体90(ゴム弁)およびキャップ80(正極端子)を取り付けた。蓋の周縁をつつみ込むように蓋にリング状のガスケットを装着した。
そのあと6.8 mol/dmのKOHと0.6 mol/dmのLiOHを含む水溶液からなる電解液を所定量注液した。
蓋に取り付けた補助リードの接続タブ12側面の沿ってリードが取り囲むように載置し、リードの環状部と補助リードとを図9(c)に示すようにして溶接した。
その後、リードの短冊部を図9(d)に示すように、つづら折り状に折りたたんで蓋を電槽缶に押し込み、電槽缶の開放端をかしめて気密に密閉して、D形の密閉型ニッケル水素電池を作製した。
なお、負極集電板については、実施例1と同様の方法で中央部を電槽の底壁部に抵抗溶接により接合した。
実施例1において、第1の溶接工程における正極集電板とリードとの溶接点数を、短冊部1本あたり1点とした以外は、実施例1と全く同様にして、密閉型ニッケル水素蓄電池を作製した。
実施例2において、図7に示すようなリードの短冊部4本のうち1本を切断して3本としたリードを用いた以外は実施例2と同様にして、密閉型ニッケル水素蓄電池を作製した。なお、正極集電板とリードとの溶接点数は、短冊部1本当たりごとに2点とした。
厚さ0.4mmのニッケル板をワイヤカットで加工して切り出すことによって、図1に示すような放射形状のリードを用意した。リード中央部は8mmの透孔7を持つ直径18.5mmの円形をしており、短冊部2を8本備えており、この部分は環状部から放射状に延びている。
まず、ほかの実施例と同様に、放射状リードの短冊部を正極集電板の上面に溶接電極を垂直に立てることにより溶接した。前記集電板を取り付けた極板群を、正極集電板が電槽缶の開放端側、負極集電板が電槽の底に当接するようにニッケルメッキを施した鋼板からなる有底円筒状の電槽缶内に収容した。
6.8 mol/dmのKOHと0.6 mol/dmのLiOHを含む水溶液からなる電解液を所定量注液した後、リードの環状部と蓋とを溶接した。
その後、短冊部を折りたたんで蓋を電槽缶に押し込み、電槽缶の開放端をかしめて気密に密閉して、D形の密閉型ニッケル水素電池を作製した。なお、負極集電板については、実施例1と同様の方法で中央部を電槽の底壁部に抵抗溶接により接合した。
(比較例1)
特許文献1に記載されている正極集電板一体型リードとして、図12に示されるような打ち抜き加工形リード板を適用した。該リード板は厚さ0.4mmのニッケル板製とし、この集電板一体型リードを用いること以外は、実施例3と全く同様にして、補助リードを取り付けた蓋を用いて電池を作成した。
また、リード片と補助リード接続タブ側面との溶接点数は、リード片1本あたり2点とした。
(化成)
前記密閉型蓄電池を周囲温度40℃において12時間の放置後、130mA(0.02CA)にて1200mAh充電し、引き続き650mA(0.1CA)で10時間充電した後、1300mA(0.2CA)で1Vまで放電した。さらに、650mA(0.1CA)で16時間充電した後、1300mA(0.2CA)で1Vまで放電し、該充放電を1サイクルとして4サイクル充放電を行った。4サイクル目の放電終了後、1kHzの交流を用いて内部抵抗を測定した。
(出力密度の測定)
出力密度の測定方法は、25℃雰囲気下において、放電末より650mA(0.1CA)で5時間充電後、60Aで12秒間放電した時の10秒目電圧を60A放電時10秒目電圧とし、放電分の電気容量を6Aで充電した後、90Aで12秒放電した時の10秒目電圧を90A放電時10秒目電圧とし、放電分の電気容量を6Aで充電した後、120Aで12秒流した時の10秒目電圧を120A放電時10秒目電圧とし、放電分の電気容量を6Aで充電した後、150Aで12秒流した時の10秒目電圧を150A放電時10秒目電圧とし、放電分の電気容量を6Aで充電した後、180Aで12秒流した時の10秒目電圧を180A放電時10秒目電圧とした。この各10秒目電圧を電流値と電圧値を最小自乗法で直線近似し、電流値0Aの時の電圧値をE0とし、傾きをRDCとした。その後、出力密度(W/kg)=(E0−0.8)÷RDC×0.8÷電池重量(kg)の計算式に当てはめ、0.8Vカット時の25℃電池における出力密度とした。
実施例1〜6、比較例1で得た電池を、上述の条件で化成し、内部抵抗および出力密度の測定を行った。結果を表1に示す。
Figure 2007234486
また、表1には、各電池で使用したリードを原料板から切り出す際の歩留まりを評価するための数値として、リードを2枚作るのに要した面積を併記した。切り出しに際しては、図6に示すごとく配置した。
表1の実施例1、実施例2、実施例3および実施例6の電池の結果からわかるように、リードの短冊部の本数が4本以上8本以下、すなわち集電経路4経路以上8経路以下の場合に、かつ1枚の板から構成されてなるリードを用い、リードと蓋もしくはリードと正極集電板とのそれぞれの溶接点数を経路1本あたり複数とした電池は、内部抵抗が1.1mΩ以下と低く、出力密度も1300 W/kg以上の高出力のものであることがわかった。これらの実施例の内部抵抗の値は、比較例の値を大幅に越えるものであった。
さらに、8本の経路を持ち、正極集電板とリードの溶接点数が16ヶ所の実施例1、実施例3および実施例6の電池においては、出力が1400 W/kgを超えていることがわかる。1400 W/kg以上の出力を保持することは、ハイブリッド電気自動車(HEV)でのアシスト時に200 A(30 CAのレートに相当)の放電を行っても、常温において1 Vセルを切ることがない性能を保持することを意味している。このため、1400 W/kg以上の出力密度を有するニッケル水素電池は、過放電防止のための電圧制御の下限値として1 V/セルを設定でき、このため放電レートの上限を30 CAとしたときの、いかなる放電パターンにおいても過放電を防止することができるので好ましい。
これは、集電経路の断面積や長さのみならず、経路ごとの溶接点数が電池内部抵抗低減に重要であることを示している。
これに対して、比較例1の電池は、出力密度が1400 W/kgに達しなかった。これは、リードの位置が集電板の最外周に位置していることに加えて、集電板の周縁部がリードとともに折り曲げられたことによって、電流分布の不均一化が生じたためと考えられる。
実施例3のように、あらかじめ蓋の内面に補助リードを取り付けておくことにより、図9(c)に示すようにリードと蓋の接続が補助リードを介して側方から溶接できるので、目視により溶接ヶ所を確認しつつ容易に溶接作業を行うことができる。
また、本発明の電池の構成では、短冊部の折りたたむ個所が1個所または2個所の場合は、3個所の場合と比べて、リードを折りたたむ際に溶接点がはずれて不良となるものの発生確率が高かった。
実施例4の電池の内部抵抗が他と比べて高かった原因としては、短冊部1本あたりの溶接点数が1点しかなかったことにより、溶接不良が生じたことが考えられる。
また、比較例1の一体型リードの場合、上述と同様に正極溶端面に溶接後、リード片部を折り曲げて起こすとき、およびリード片と蓋を補助リードを介して溶接により接続した後、蓋を電槽缶内へ押し込むときに、リードと正極間の溶接点がはずれて不良となるものが多量に発生した。
実施例6のように展開図が放射状のリードの場合、リードを原料板から切り出す際の歩留まり性能を除いて、実施例1と同様にかつ集電経路長さを短くしつつ、同時に溶接点数を集電経路の本数以上とすることができるため、電池の通電抵抗が低減され出力特性に優れた電池を得ることができる。
リードを原料板から切り出す際の歩留まりについては、表1の結果から明らかである。すなわち、実施例1で用いたように、展開図が櫛状のリードは、図6のように2枚のリードを互いの櫛歯が交互になるよう配置することができるので、実施例6の放射状のものと比べて、歩留まりが良いことがわかる。この点から、展開図が櫛状リードは、放射状の展開図を持つものと比べて材料歩留まりに優れており、工業的に極めて優れていることがわかる。
さらに、上述した実施の形態においては、蓋の内面にあらかじめ図5に示すような、補助リードを取り付け、その側面にリードを溶接して電池を作製した例について説明したが、蓋の内面にリード溶接のための接続する面を設けられれば、図5の形状でなくても同じ効果が得られる。
本発明の一実施例に係わるリードの展開図を示す図である。 本発明の一実施例に係わるリードの展開図を示す図である。 本発明の一実施例に係わるリードの構造を示す図である。 本発明の一実施例に係わる円筒形電池の製造工程を示すモデル図である。 本発明で使用する補助リードの構造を示す図である。 本発明の一実施例に係わるリードの展開図を示す図である。 本発明の一実施例に係わるリードの展開図を示す図である。 本発明の一実施例に係わるリードの展開図および構造を示す図である。 本発明の一実施例に係わる円筒形密閉形の製造工程を示すモデル図である。 従来の円筒形電池の構造を示す断面図である。 従来の円筒形電池のリードの構造を示す図である。 比較例に係わるリードと集電板とを一体化した部材の展開図を示す図である。
符号の説明
1 リードにおける環状部
2 リードにおける短冊部
3 リードにおける接続タブ
4 山折り部分
5 谷折り部分
6 短冊部に設けられた切り欠き部分
7 透孔
8 環状部に設けられた切り欠き部分
9 突起
10 補助リード
11 補助リード本体
12 補助リードにおける接続タブ
21 従来の電池におけるリード
22 正極板
23 負極板
24 セパレータ
25 極群
26 外装缶
27 蓋
28 正極板における活物質の未充填部
29 負極板における活物質の未充填部
30 正極集電板
31 ガスケット
35 溶接電極
80 キャップ
90 弁体

Claims (4)

  1. 正極、セパレータおよび負極を渦巻き状に巻いた極群に溶接した集電板と蓋とをリードで接続した電池において、前記リードは、環状部と複数の短冊部とで構成され、前記環状部は、蓋に接続されており、前記短冊部は、一端が前記環状部につながっているとともに他端が集電板に接続されていることを特徴とする電池。
  2. 正極、セパレータおよび負極を渦巻き状に巻いた極群に溶接した集電板と蓋とをリードで接続した電池において、前記リードは、環状部と複数の短冊部とで構成され、前記環状部は、集電板に接続されており、前記短冊部は、一端が前記環状部につながっているとともに他端が蓋に接続されていることを特徴とする電池。
  3. 前記リードの短冊部は、少なくとも3個所で折り曲げられていることを特徴とする請求項1〜2に記載の電池。
  4. 前記リードは、展開図が櫛状であることを特徴とする請求項1〜3記載の電池。
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