JP2007232866A - パターン形成方法、液滴吐出装置及び液晶表示装置 - Google Patents

パターン形成方法、液滴吐出装置及び液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】吐出した液滴の位置ズレや基板の熱的損傷を回避して、高い粘度の液状体からなるパターンの膜厚均一性を向上させたパターン形成方法、液滴吐出装置及び液晶表示装置を提供する。
【解決手段】吐出ヘッド40のX矢印方向側に赤外線ヒータ45を設けて、吐出ヘッド40及び赤外線ヒータ45を、マザー基板MAに対して反X矢印方向に相対移動させるようにした。そして、吐出ヘッド40から液滴を吐出するときに、マザー基板MAに対する吐出ヘッド40の移動軌跡R内であって、吐出ヘッド40のX矢印方向側の領域を順に局所的に加熱し、着弾した液滴を順に流動させて接合するようにした。
【選択図】図7

Description

本発明は、パターン形成方法、液滴吐出装置及び液晶表示装置に関する。
従来、液晶表示装置の製造工程には、基板の吐出領域に液晶材料を吐出して、その吐出領域を対向基板で封止する封止工程が行われている。この封止工程では、封入する液晶材料の容量を安定させるために、液晶材料を複数の液滴として吐出させる、いわゆるインクジェット法が利用されている。
しかし、上記インクジェット法では、一般的に、ノズルに形成された液状体の界面(メニスカス)を強制的に振動させて液滴を吐出させる。そのため、液状体の粘度が高くなると(例えば、粘度が20cP以上になると)、液滴の吐出動作が不安定になって、液晶材料の容量を変動させる虞があった。
そこで、インクジェット法に利用される液滴吐出装置では、高い粘度の液状体に対して、その吐出動作の安定化を図る提案がなされている(例えば、特許文献1)。特許文献1では、ノズルを備えた液滴吐出ヘッドや液滴吐出ヘッドに液晶を供給する供給ラインを、チューブヒータ等の加熱手段によって加熱させている。これによって、液晶材料の低粘度化を図り、液滴吐出動作の安定性を向上させている。
特開2004−347695号 公報
しかしながら、加熱した液晶材料を液滴にして吐出させると、液滴の温度が、その着弾と同時に低下していく。そのため、以下の問題を招いていた。すなわち、基板に着弾した液滴は、温度の低下とともに増粘して、濡れ広がることなく基板上に定着する。その結果、吐出した各液滴の接合が不十分になり、液晶材料の膜厚均一性を著しく劣化させて、基板と対向基板との間の間隙(液晶材料)に気泡を混入させる問題があった。
こうした問題は、基板全体を加熱させて、液滴の恒温化を図ることにより回避可能と考えられる。しかし、基板全体を加熱させると、基板の熱膨張によって液滴の着弾位置の位置精度を低下させる虞があった。また、基板に形成された各種パターン(例えば、液晶材料を封入するためのシール材など)に熱的損傷を来たす虞があった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、吐出した液滴の位置ズレや基板の熱的損傷を回避して、高い粘度の液状体からなるパターンの膜厚均一性を向上させたパターン形成方法、液滴吐出装置及び液晶表示装置を提供することである。
本発明のパターン形成方法は、基板に対して一方向に相対移動する液滴吐出ヘッドから液状体からなる複数の液滴を順に前記基板に向かって吐出し、前記基板に着弾した前記複数の液滴を接合して前記基板にパターンを形成するようにしたパターン形成方法において、前記液滴吐出ヘッドから前記液滴を吐出するときに、前記基板に対する前記液滴吐出ヘッドの移動軌跡内であって、前記液滴吐出ヘッドに対する前記一方向の反対側の領域を順に局所的に加熱し、前記領域に位置する液滴を順に流動させて前記複数の液滴の接合したパターンを形成するようにした。
本発明のパターン形成方法によれば、基板に着弾した液滴を、局所的な加熱によって順に流動させることができる。従って、基板全体の昇温を抑制させて、着弾した液滴の粘度を順に低下させることができる。その結果、吐出した液滴の位置ズレや基板の熱的損傷を回避させて、複数の液滴を順次接合させることができ、液状体からなるパターンの膜厚均一性を向上させることができる。
また、このパターン形成方法において、前記基板を透過して前記液滴に吸収される波長領域の光を前記領域に照射し、前記領域に位置する液滴を順に流動させて前記複数の液滴の接合したパターンを形成するようにしてもよい。
このパターン形成方法によれば、基板に照射する光によって液滴のみを加熱させることができる。そのため、基板の昇温を、さらに抑制させることができる。従って、基板の熱膨張や熱的損傷を、より確実に回避させて、複数の液滴を順に接合させることができる。
また、このパターン形成方法において、前記液滴吐出ヘッドから液滴を吐出する前に、前記液状体を加熱して、加熱した前記液状体からなる複数の液滴を前記液滴吐出ヘッドから吐出するようにしてもよい。
このパターン形成方法によれば、予め加熱した液状体を吐出させる分だけ、液滴の流動性を向上させることができ、液状体からなるパターンの膜厚均一性を、さらに向上させることができる。
本発明の液滴吐出装置は、液状体を複数の液滴にして基板に吐出する液滴吐出装置において、前記基板に対して一方向に相対移動し、前記液状体からなる複数の液滴を順に前記基板に向かって吐出する液滴吐出ヘッドと、前記液滴吐出ヘッドの前記一方向の反対側に配設されて、前記基板に着弾した前記液滴を流動させて接合するために、前記基板に対する前記液滴吐出ヘッドの移動軌跡内であって、前記液滴吐出ヘッドに対する前記一方向の反対側の領域を順に局所的に加熱する加熱手段と、を備えた。
本発明の液滴吐出装置によれば、基板に着弾した液滴を、加熱手段の局所的な加熱によって順に流動させることができる。従って、基板全体の昇温を抑制させて、着弾した液滴の粘度を順に低下させることができる。その結果、吐出した液滴の位置ズレや基板の熱的損傷を回避させて、複数の液滴を順次接合させることができ、液状体からなるパターンの膜厚均一性を向上させることができる。
また、この液滴吐出装置において、前記加熱手段は、前記基板を透過して前記液状体に吸収される波長領域の光を前記領域に照射する光源を備えるようにしてもよい。
この液滴吐出装置によれば、光源からの光によって液滴のみを加熱させることができ、基板の昇温を、さらに抑制させることができる。従って、基板の熱膨張や熱的損傷を、より確実に回避させて、複数の液滴を順に接合させることができる。
また、この液滴吐出装置において、前記基板は、赤外領域の光を透過する基板であって、前記光源は、前記赤外領域の光を出射する光源であってもよい。
この液滴吐出装置によれば、赤外領域の光によって、基板の温度上昇を抑制させて液滴のみを加熱させることができる。
また、この液滴吐出装置において、前記液状体は、液晶材料であってもよい。
この液滴吐出装置によれば、基板の熱膨張や熱的損傷を回避させて、液晶材料からなるパターンの膜厚均一性を向上させることができる。
本発明の液晶表示装置は、上記液滴吐出装置によって吐出された液晶材料を備えた。
本発明の液晶表示装置によれば、液晶材料の膜厚均一性を向上させることができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図9に従って説明する。まず、本発明のパターン形成方法によって形成した液晶層を有する液晶表示装置10について説明する。図1は、液晶表示装置10の斜視図であり、図2は、図1のA−A線断面図である。
図1において、液晶表示装置10の下側には、LED11を有して四角板状に形成されたエッジライト型のバックライト12が備えられている。バックライト12の上方には、バックライト12と略同じサイズに形成された四角板状の液晶パネル13が備えられている。そして、LED11から出射される光が、液晶パネル13に向かって照射されるようになっている。
液晶パネル13には、相対向する素子基板14と対向基板15が備えられている。これら素子基板14と対向基板15は、図2に示すように紫外線光硬化性樹脂からなる四角枠状のシール材16を介して貼り合わされている。これら素子基板14と対向基板15との間の間隙には、所定容量の液晶材料Fからなる液晶層17が封入されている。液晶材料Fは、赤外領域に吸収波長を有した材料であって、その常温の粘度が50〜100cPであるが、これに限られるものではない。
図1において、素子基板14の下面(バックライト12側の側面)には、偏光板や位相差板などの光学基板18が貼り合わされている。光学基板18は、バックライト12からの光を直線偏光にして液晶層17に出射するようになっている。素子基板14の上面(対向基板15側の側面:素子形成面14a)には、一方向(X矢印方向)略全幅にわったって延びる複数の走査線Lxが配列形成されている。各走査線Lxは、それぞれ素子基板14の一側に配設される走査線駆動回路19に電気的に接続されるとともに、走査線駆動回路19からの走査信号が、所定のタイミングで入力されるようになっている。
また、素子形成面14aには、Y矢印方向略全幅にわたって延びる複数のデータ線Lyが配列形成されている。各データ線Lyは、それぞれ素子基板14の他側に配設されるデータ線駆動回路21に電気的に接続されるとともに、データ線駆動回路21からの表示データに基づくデータ信号が、所定のタイミングで入力されるようになっている。
素子形成面14aであって、走査線Lxとデータ線Lyの交差する位置には、対応する走査線Lx及びデータ線Lyに接続されてマトリックス状に配列される複数の画素22が形成されている。各画素22には、それぞれTFTなどの図示しない制御素子や、透明導電膜などからなる光透過性の画素電極23が備えられている。
図2において、各画素22の上側全体には、ラビング処理などによる配向処理の施された配向膜24が積層されている。配向膜24は、配向性ポリイミドなどの配向性高分子によって形成されて、対応する画素電極23の近傍で、液晶分子の配向を所定の方向に設定するようになっている。
また、対向基板15の上面には、光学基板18からの光と直交する直線偏光の光を外方(図2における上方)に出射する偏光板25が貼り合わされている。対向基板15の下面(素子基板14側の側面:電極形成面15a)全体には、各画素電極23と相対向するように形成された光透過性の導電膜からなる対向電極26が積層されている。対向電極26は、前記データ線駆動回路21に電気的に接続されるとともに、そのデータ線駆動回路2
1からの所定の共通電位が付与されるようになっている。対向電極26の下面全体には、ラビング処理などによる配向処理の施された配向膜27が積層されて、前記対向電極26の近傍で、液晶分子の配向を所定の方向に設定するようになっている。
そして、各走査線Lxを線順次走査に基づいて1本ずつ所定のタイミングで選択して、各画素22の制御素子を、それぞれ選択期間中だけオン状態にする。すると、各制御素子に対応する各画素電極23に、対応するデータ線Lyからの表示データに基づくデータ信号が出力される。各画素電極23にデータ信号が出力されると、各画素電極23と対向電極26との間の電位差に基づいて、対応する液晶層17の配向状態が変調される。すなわち、光学基板18からの光の偏光状態が画素22ごとに変調される。そして、画素22ごとに変調された光が偏光板25を通過するか否かによって、表示データに基づく画像が、液晶パネル13の上側に表示される。
この際、本実施形態の液晶層17が、気泡などを混在させることなく均一な膜厚で形成されているため、液晶パネル13は、輝度ムラなどを来たすことなく、その表示画質を維持させることができる。尚、この液晶表示装置10は、画素22に制御素子であるTFTなどを備えた、いわゆるアクティブマトリックス方式の透過型液晶表示装置であるが、例えば反射透過型液晶表示装置であってもよく、あるいはパッシブ方式の液晶表示装置であってもよい。すなわち、素子基板14と対向基板15との間に、液晶層17を封入した液晶表示装置であればよい。
次に、液晶パネル13の製造方法について図3に従って説明する。図3は、液晶パネル13の製造方法を説明する説明図である。
図3において、まず、対向基板15を格子状に切り出し可能にしたマザー基板MAの一側面(配向膜27側の側面:吐出面MAa)であって、対向基板15に対応する各領域の外縁に、それぞれ紫外線光硬化性樹脂などからなる四角枠状のシール材16を形成する。そして、シール材16で囲まれた各領域(各吐出領域S)に、それぞれ複数の液滴Fbを吐出し、各液滴Fbを接合して所定容量の液晶材料Fからなるパターンを形成する。
各吐出領域Sに液晶材料Fのパターンを形成すると、マザー基板MAの吐出面MAa側に、素子基板14を切出し可能にしたマザー基板MBを貼り合わせて各シール材16を硬化し、各吐出領域S内に液晶材料Fを封入する。そして、マザー基板MA及びマザー基板MBをダイシングして、各液晶パネル13を製造する。
尚、本実施形態では、対向基板15のマザー基板MAにシール材16(吐出領域S)を形成し、マザー基板MAに液晶材料Fの液滴Fbを吐出させる構成にしたが、これに限らず、素子基板14のマザー基板MBにシール材16を形成してもよく、さらには素子基板14のマザー基板MBに液滴Fbを吐出させる構成にしてもよい。
次に、液晶材料Fを吐出するための液滴吐出装置30について図4〜図9に従って説明する。図4は、液滴吐出装置30を示す斜視図である。
図4において、液滴吐出装置30には、直方体形状に形成された基台31が備えられるとともに、その基台31の上面には、その長手方向(X矢印方向)に沿って延びる一対の案内溝32が形成されている。その基台31の上方には、搬送台33が備えられている。搬送台33は、基台31内に設けられたX軸モータMX(図9参照)の出力軸に駆動連結されるとともに、前記案内溝32に沿って、所定の速度でX矢印方向及び反X矢印方向に往復動する(X矢印方向に沿って搬送される)ようになっている。搬送台33の上側には、各シール材16を上側にしたマザー基板MAを載置可能にする載置面34が形成されている。載置面34は、載置された状態のマザー基板MAを搬送台33に対して位置決め固定するようになっている。
尚、本実施形態では、載置面34にマザー基板MAを載置する構成にしているが、これに限らず、例えば、各画素電極23を上側にしたマザー基板MBを載置する構成にしてもよい。
図4において、基台31のY矢印方向両側には、門型に形成されたガイド部材35が配設されるとともに、そのガイド部材35の上側には、Y矢印方向に延びる貯留タンク36が配設されている。貯留タンク36は、液状体としての液晶材料Fを貯留するタンクであって、貯留する液晶材料Fを、その下方に配置される液滴吐出ヘッド(以下単に、吐出ヘッドという)40まで所定の圧力で導出するようになっている。
ガイド部材35の下側には、そのY矢印方向略全幅にわたる上下一対のガイドレール37が形成されている。一対のガイドレール37には、ガイド部材35内に設けられたY軸モータMY(図9参照)の出力軸に駆動連結されるキャリッジ38が配設されて、そのキャリッジ38が、ガイドレール37に沿ってY矢印方向及び反Y矢印方向に往復動する(Y矢印方向に沿って走査される)ようになっている。
キャリッジ38の下側であって、その反X矢印方向側には、吐出ヘッド40が配設されている。図5は、吐出ヘッド40を下側(マザー基板MA側)から見た斜視図であって、図6は、図5のA−A線断面図である。
図5において、吐出ヘッド40の上側(マザー基板MA側)には、ノズルプレート41が備えられるとともに、そのノズルプレート41の上面には、マザー基板MA側に露出するノズル形成面41Sが形成されている。そのノズル形成面41Sは、図6に示すように、吐出ヘッド40の直下にマザー基板MAが位置する状態で、マザー基板MA(吐出面MAa)との間の距離(プラテンギャップG)が1mmになるように配置されている。これによって、吐出ヘッド40は、ノズル形成面41Sから吐出する各液滴Fbの着弾精度を確保するようになっている。
図5において、ノズル形成面41Sには、その法線方向に貫通形成された複数の吐出口としてのノズルNがY矢印方向に沿って等間隔に配列形成されている。本実施形態では、搬送されるマザー基板MAの吐出面MAa上の位置であって、各ノズルNの直下に対応する位置を、それぞれ着弾位置P(図6参照)という。
図6において、各ノズルNの上側には、それぞれ貯留タンク36に連通するキャビティ42が形成されて、前記貯留タンク36からの液晶材料Fを、対応するノズルNに供給させるようになっている。各キャビティ42の上側には、上下方向に振動可能な振動板43が貼り付けられて、キャビティ42内の容積を拡大・縮小させるようになっている。振動板43の上側には、ノズルNに対応する複数の圧電素子PZが配設されている。各圧電素子PZは、それぞれ駆動制御するための信号(圧電素子駆動電圧COM:図9参照)を受けて収縮・伸張し、対応する振動板43を上下方向に振動させるようになっている。
図5において、吐出ヘッド40の外周には、ヘッドヒータ44が配設されている。ヘッドヒータ44は、各キャビティ42に供給する貯留タンク36からの液晶材料Fを所定の温度領域(本実施形態では60℃)まで加熱するようになっている。そして、ヘッドヒータ44によって貯留タンク36からの液晶材料Fを加熱すると、ヘッドヒータ44の加熱分だけ、キャビティ42内における液晶材料Fの粘度が低下するようになっている。
そして、図7に示すように、Y軸モータMYを駆動制御して、マザー基板MAをX矢印方向に搬送するときに、各ノズルN(各着弾位置P)がX矢印方向に沿う各吐出領域Sと
相対するように、キャリッジ38をセットする。キャリッジ38をセットすると、X軸モータMXを駆動制御して、マザー基板MAをX矢印方向に搬送する。すると、吐出ヘッド40(各ノズルN)がマザー基板MAに対して反X矢印方向に相対移動し、吐出面MAa上で反X矢印方向に延びる軌跡(移動軌跡R)を描く。
この際、吐出ヘッド40(各ノズルN)が吐出領域Sの直上を通過するタイミングで、対応する圧電素子PZに圧電素子駆動電圧COMを供給する。すると、各キャビティ42の容積が拡大・縮小して、対応するノズルN内のメニスカスMが振動する。各ノズルN内のメニスカスMが振動すると、各ノズルN内の液晶材料Fは、その粘度を安定化させている分だけ、液滴Fbとして円滑に吐出される。吐出された液滴Fbは、対応するノズルNの反Z矢印方向に沿って飛行して、対応する着弾位置P(吐出領域S内の位置)に着弾する。吐出領域Sに着弾した各液滴Fbは、その熱量をマザー基板MAに放熱して、その温度を低下させる。すなわち、吐出領域Sに着弾した各液滴Fbは、図6に示すように、その粘度の増加によって流動が抑制されて、互いに接合することのない孤立した液滴Fbとして吐出面MAaに定着する。
図5において、キャリッジ38の下側であって、前記吐出ヘッド40のX矢印方向側には、加熱手段としての赤外線ヒータ45が配設されている。赤外線ヒータ45は、吐出ヘッド40と略同じサイズでY矢印方向に延びる直方体形状に形成されている。赤外線ヒータ45の内部には、図示しない赤外線ランプなどの光源が備えられて、マザー基板MAに対して高い透過率を有し、かつ液晶材料Fに対して高い吸収率を有した赤外領域の光L(図6参照)をマザー基板MA側に出射するようになっている。
図6において、赤外線ヒータ45の下面には、マザー基板MA側に露出する照射面45Sが形成されている。照射面45Sは、前記ノズル形成面41Sと同じ高さ位置に形成されて、赤外線ヒータ45の直下にマザー基板MAが位置する状態で、吐出面MAaとの間の距離が前記プラテンギャップGになるように配置されている。これによって、赤外線ヒータ45(照射面45S)は、そのマザー基板MA(吐出面MAa)との間の機械的接触を回避させるとともに、照射面45Sと吐出面MAaとの間の空間の加熱効率を高くさせることができる。
そして、X軸モータMXを駆動制御して、液滴Fbの定着したマザー基板MAをX矢印方向に搬送する。すると、図7に示すように、赤外線ヒータ45が、吐出ヘッド40と同じく、マザー基板MAに対して反X矢印方向に相対移動し、吐出面MAa上の移動軌跡R内で吐出ヘッド40を追従する。すなわち、赤外線ヒータ45は、移動軌跡R内であって、吐出ヘッド40のX矢印方向側の領域に対して、局所的な光Lを順に照射する。
この際、吐出面MAaに定着した孤立状態の各液滴Fbは、図8に示すように、それぞれ着弾した順に赤外線ヒータ45の直下に搬送されて、赤外線ヒータ45からの光Lが照射される。孤立状態の各液滴Fbに光Lが照射されると、各液滴Fbは、それぞれ照射された光Lを吸収して、その粘度を低下させる。粘度を低下させた各液滴Fbは、それぞれ吐出面MAaに沿って流動して、後続して着弾した吐出ヘッド40側(反X矢印方向側)の液滴Fbと接合する。互いに接合した液滴Fbは、やがて、膜厚の均一な液状膜LFを形成して、赤外線ヒータ45の直下から離脱する。
この間、マザー基板MAの一部であって、孤立状態の液滴Fbを有した領域には、赤外線ヒータ45からの光Lが照射され続けるが、マザー基板MAは、その光Lの透過性と局所的な照射によって、マザー基板MAの全体にわたる長時間の昇温を抑制させることができる。その結果、マザー基板MAの熱膨張や熱的損傷を回避させて、複数の液滴Fbを順に接合させることができる。これによって、液晶材料Fからなる液晶層17の膜厚均一性
を向上させることができ、気泡などの混入を回避させることができる。
次に、上記のように構成した液滴吐出装置30の電気的構成を図9に従って説明する。
図9において、制御装置50は、CPU、RAM、ROM等を有して、ROM等に格納された各種データと各種制御プログラムに従って、搬送台33を搬送させてキャリッジ38を走査させるとともに、各圧電素子PZを駆動制御させて赤外線ヒータ45を加熱制御させるようになっている。
制御装置50には、起動スイッチ、停止スイッチ等の操作スイッチを有した入力装置51が接続されて、各吐出領域Sの位置座標や各吐出領域Sに対する吐出容量が既定形式の吐出データIaとして入力されるようになっている。そして、制御装置50は、入力装置51からの吐出データIaを受けて、ビットマップデータBMD及び圧電素子駆動電圧COMを生成するようになっている。ビットマップデータBMDは、各ビットの値(0あるいは1)に応じて圧電素子PZのオンあるいはオフを規定するものであって、二次元描画平面(吐出面MAa)上に予め規定された各格子点に、それぞれ液滴Fbを吐出するか否かを規定させたデータである。すなわち、ビットマップデータBMDは、吐出面MAa上の各吐出領域Sに位置する各格子点に、それぞれ液滴Fbを吐出させるためのデータである。
制御装置50には、X軸モータ駆動回路52が接続されて、X軸モータ駆動回路52に対応する駆動制御信号を出力するようになっている。X軸モータ駆動回路52は、制御装置50からの駆動制御信号に応答して、搬送台33を搬送させるためのX軸モータMXを正転又は逆転させるようになっている。
制御装置50には、Y軸モータ駆動回路53が接続されて、Y軸モータ駆動回路53に対応する駆動制御信号を出力するようになっている。Y軸モータ駆動回路53は、制御装置50からの駆動制御信号に応答して、キャリッジ38を走査させるためのY軸モータMYを正転又は逆転させるようになっている。
制御装置50には、マザー基板MAの端縁を検出可能な基板検出装置54が接続されて、基板検出装置54からの検出信号に基づいて、各ノズルN(各着弾位置P)に対するマザー基板MAの位置を演算するようになっている。
制御装置50には、X軸モータ回転検出器55が接続されて、X軸モータ回転検出器55からの検出信号が入力されるようになっている。制御装置50は、X軸モータ回転検出器55からの検出信号に基づいて、搬送台33(マザー基板MA)の移動方向及び移動量を演算するようになっている。そして、制御装置50は、各着弾位置Pが吐出面MAaの各格子点(各吐出領域Sの各格子点)に位置するタイミングで、吐出ヘッド駆動回路57に、それぞれ吐出タイミング信号LPを出力するようになっている。
制御装置50には、Y軸モータ回転検出器56が接続されて、Y軸モータ回転検出器56からの検出信号が入力されるようになっている。制御装置50は、Y軸モータ回転検出器56からの検出信号に基づいて、キャリッジ38(各ノズルN)のY矢印方向の移動方向及び移動量を演算するようになっている。そして、制御装置50は、各ノズルNに対応する着弾位置Pを、それぞれ吐出領域Sに位置する各格子点の搬送経路上に配置するようになっている。
制御装置50には、吐出ヘッド駆動回路57が接続されて、吐出タイミング信号LPを出力するようになっている。また、制御装置50は、圧電素子駆動電圧COMを所定のクロック信号に同期させて、吐出ヘッド駆動回路57に出力するようになっている。さらに
また、制御装置50は、搬送台33の一回の搬送に対応するビットマップデータBMDに基づいて所定のクロック信号に同期させた吐出制御信号SIを生成し、その吐出制御信号SIを、順次吐出ヘッド駆動回路57にシリアル転送するようになっている。吐出ヘッド駆動回路57は、制御装置50からの吐出制御信号SIを、それぞれ各圧電素子PZに対応させて順次シリアル/パラレル変換するようになっている。そして、吐出ヘッド駆動回路57は、制御装置50からの吐出タイミング信号LPを受けるたびに、吐出制御信号SIに基づいて選択された圧電素子PZに、それぞれ圧電素子駆動電圧COMを供給するようになっている。
制御装置50には、赤外線ヒータ駆動回路58が接続されて、赤外線ヒータ45を駆動させるためのヒータ駆動信号SLを出力するようになっている。そして、赤外線ヒータ駆動回路58は、搬送台33(マザー基板MA)を搬送させる前に、制御装置50からのヒータ駆動信号SLを受けて、赤外線ヒータ45を加熱駆動させるようになっている。
次に、液滴吐出装置30を使用して液晶材料Fを吐出させる方法について説明する。
まず、図4に示すように、載置面34(搬送台33)に、吐出面MAaが上側になるようにマザー基板MAを配置固定する。このとき、マザー基板MAは、ガイド部材35(キャリッジ38)よりも反X矢印方向側に配置されている。
この状態から、入力装置51を操作して吐出データIaを制御装置50に入力する。すると、制御装置50は、吐出データIaに基づいてビットマップデータBMDを生成して格納する。ビットマップデータBMDを生成すると、制御装置50は、Y軸モータ駆動回路53を介してY軸モータMYを駆動制御し、マザー基板MAをX矢印方向に搬送するときに、各着弾位置Pが吐出領域Sに位置する各格子点の搬送経路上に位置するように、キャリッジ38(各ノズルN)をセットする。また、制御装置50は、赤外線ヒータ駆動回路58にヒータ駆動信号SLを出力して、赤外線ヒータ45を駆動させる。赤外線ヒータ45を駆動させて、その加熱量を安定させると、制御装置50は、X軸モータ駆動回路52を介してX軸モータMXを駆動制御して、マザー基板MAのX矢印方向への搬送を開始する。
マザー基板MAの搬送を開始すると、制御装置50は、基板検出装置54及びX軸モータ回転検出器55からの検出信号に基づいて、吐出領域Sの格子点がノズルNの直下(着弾位置P)に位置するか否か判断する。また、この間、制御装置50は、吐出ヘッド駆動回路57に吐出制御信号SI及び圧電素子駆動電圧COMを出力する。
そして、吐出領域Sの格子点が対応する着弾位置Pに搬送されるたびに、制御装置50は、吐出ヘッド駆動回路57に吐出タイミング信号LPを出力する。吐出タイミング信号LPを出力すると、制御装置50は、吐出ヘッド駆動回路57を介して、吐出制御信号SIに基づいて選択された各圧電素子PZに、それぞれ圧電素子駆動電圧COMを供給し、選択されたノズルNから、順次液滴Fbを吐出させる。吐出された各液滴Fbは、対応する着弾位置P(吐出領域S内の位置)に着弾し、その粘度の増加によって、互いに接合することのない孤立した液滴Fbとして吐出面MAaに定着する。
孤立した各液滴Fbは、それぞれ着弾した順に赤外線ヒータ45の直下に搬送されて、赤外線ヒータ45からの光Lが照射される。光Lの照射された各液滴Fbは、その粘度を低下させて吐出面MAaに沿って流動して後続する液滴Fbと接合し、やがて、膜厚の均一な液状膜LFを形成して、赤外線ヒータ45の直下から離脱する。この間、マザー基板MAは、光Lの透過性と局所的な照射によって、マザー基板MAの全体にわたる長時間の昇温を抑制させることができる。従って、マザー基板MAの熱膨張や熱的損傷を回避させて、複数の液滴Fbを順に接合させることができる。その結果、液晶材料Fからなる液晶
層17の膜厚均一性を向上させることができ、気泡などの混入を回避させることができる。
次に、上記のように構成した実施形態の効果を以下に記載する。
(1)上記実施形態によれば、吐出ヘッド40のX矢印方向側に赤外線ヒータ45を設けて、吐出ヘッド40及び赤外線ヒータ45を、マザー基板MAに対して反X矢印方向に相対移動させるようにした。そして、吐出ヘッド40から液滴Fbを吐出するときに、マザー基板MAに対する吐出ヘッド40の移動軌跡R内であって、吐出ヘッド40のX矢印方向側の領域を順に局所的に加熱するようにした。
従って、マザー基板MAに着弾した各液滴Fbを、それぞれ局所的な加熱によって低粘度化させることができる。その結果、マザー基板MAの全体にわたる昇温を抑制させて、着弾した各液滴Fbを順に接合させることができる。すなわち、吐出した液滴Fbの位置ズレやマザー基板MAの熱的損傷を回避させて、複数の液滴Fbからなる液状膜LF(液晶層17)の膜厚均一性を向上させることができる。
(2)上記実施形態によれば、マザー基板MAを透過して液滴Fbに吸収される光Lをマザー基板MAに対して局所的に照射し、着弾した液滴Fbを順に接合するようにした。従って、マザー基板MAに照射する光Lによって、液滴Fbのみを加熱させることができる。そのため、マザー基板MAの昇温を、さらに抑制させることができる。
(3)上記実施形態によれば、吐出ヘッド40の外周にヘッドヒータ44を設けて、吐出ヘッド40から液滴Fbを吐出させる前に液晶材料Fを加熱し、加熱した液晶材料Fからなる複数の液滴Fbを吐出させるようにした。従って、予め加熱した液晶材料Fを吐出させる分だけ、液滴Fbの流動性を向上させることができ、液滴Fbからなる液状膜LF(液晶層17)の膜厚均一性を、さらに向上させることができる。
尚、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、配置固定された吐出ヘッド40に対してマザー基板MAを搬送移動させるようにした。これに限らず、配置固定されたマザー基板MAに対して吐出ヘッド40を移動させるようにしてもよい。
・上記実施形態では、光を赤外領域の光Lに具体化した。これに限らず、例えば、光を可視領域の光に具体化してもよく、基板を透過して、かつ液状体に吸収される波長領域の光であればよい。
・上記実施形態では、加熱手段を赤外線ヒータ45に具体化した。これに限らず、例えば、加熱手段を抵抗加熱ヒータに具体化してもよく、局所的な加熱によって液状体を流動させるものであればよい。
・上記実施形態では、液状体を、液晶材料Fとして具体化した。これに限らず、例えば、液状体を、金属微粒子を含有した金属インクに具体化してもよい。つまり、加熱(低粘度化)して吐出させる液状体であればよい。
・上記実施形態では、液晶材料Fを吐出して液晶表示装置10を製造する構成した。これに限らず、例えば液状体を金属インクとして具体化して、液晶表示装置10の各種金属配線などを形成する構成にしてもよい。また、平面状の電子放出素子を備えて、同素子から放出された電子による蛍光物質の発光を利用した電界効果型装置(FEDやSED等)の各種金属配線などを形成する構成にしてもよい。すなわち、加熱した液状体の液滴からなるパターンであればよい。
・上記実施形態では、本発明のパターン形成方法及び液滴吐出装置をインクジェット法に適用した。これに限らず。本発明のパターン形成方法及び液滴吐出装置をディスペンサー法に適用してもよい。
本実施形態の液晶表示装置の斜視図。 同じく、液晶表示装置の断面図。 同じく、液晶表示装置の製造方法を説明する説明図。 同じく、液滴吐出装置の斜視図。 同じく、液滴吐出ヘッドの斜視図。 同じく、液滴吐出ヘッドの側断面図。 同じく、液滴吐出ヘッドを説明するための説明図。 同じく、液滴吐出動作を説明するための説明図。 同じく、液滴吐出装置の電気的構成を説明するための電気ブロック回路図。
符号の説明
L…光、MA…基板としてのマザー基板、F…液状体としての液晶材料、Fb…液滴、R…移動軌跡、10…液晶表示装置、30…液滴吐出装置、40…液滴吐出ヘッド、45…加熱手段としての赤外線ヒータ。

Claims (8)

  1. 基板に対して一方向に相対移動する液滴吐出ヘッドから液状体からなる複数の液滴を順に前記基板に向かって吐出し、前記基板に着弾した前記複数の液滴を接合して前記基板にパターンを形成するようにしたパターン形成方法において、
    前記液滴吐出ヘッドから液滴を吐出するときに、前記基板に対する前記液滴吐出ヘッドの移動軌跡内であって、前記液滴吐出ヘッドに対する前記一方向の反対側の領域を順に局所的に加熱し、前記領域に位置する液滴を順に流動させて前記複数の液滴の接合したパターンを形成するようにしたことを特徴とするパターン形成方法。
  2. 請求項1に記載のパターン形成方法において、
    前記基板を透過して前記液滴に吸収される波長領域の光を前記領域に照射し、前記領域に位置する液滴を順に流動させて前記複数の液滴の接合したパターンを形成するようにしたことを特徴とするパターン形成方法。
  3. 請求項1又は2に記載のパターン形成方法において、
    前記液滴吐出ヘッドから液滴を吐出する前に、前記液状体を加熱して、加熱した前記液状体からなる複数の液滴を前記液滴吐出ヘッドから吐出するようにしたことを特徴とするパターン形成方法。
  4. 液状体を複数の液滴にして基板に吐出する液滴吐出装置において、
    前記基板に対して一方向に相対移動し、前記液状体からなる複数の液滴を順に前記基板に向かって吐出する液滴吐出ヘッドと、
    前記液滴吐出ヘッドの前記一方向の反対側に配設されて、前記基板に着弾した前記液滴を流動させて接合するために、前記基板に対する前記液滴吐出ヘッドの移動軌跡内であって、前記液滴吐出ヘッドに対する前記一方向の反対側の領域を順に局所的に加熱する加熱手段と、
    を備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
  5. 請求項4に記載の液滴吐出装置において、
    前記加熱手段は、前記基板を透過して前記液状体に吸収される波長領域の光を前記領域に照射する光源を備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
  6. 請求項5に記載の液滴吐出装置において、
    前記基板は、赤外領域の光を透過する基板であって、
    前記光源は、前記赤外領域の光を出射する光源であることを特徴とする液滴吐出装置。
  7. 請求項4〜6のいずれか1つに記載の液滴吐出装置において、
    前記液状体は、液晶材料であることを特徴とする液滴吐出装置。
  8. 請求項7に記載の液滴吐出装置によって吐出された液晶材料を備えた液晶表示装置。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013000656A (ja) * 2011-06-16 2013-01-07 Hitachi Plant Technologies Ltd 薄膜形成装置および薄膜形成方法

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