JP2007232609A - 電子線照射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高強度の電子線を広範囲に走査させて、ワーク表面の広い領域に均一に電子線を照射することができる電子線照射装置を提供する。
【解決手段】電子線照射装置1を、複数の真空チャンバー3と、真空チャンバー3のうちの最終チャンバー3c内に電子線EBを射出する電子線発生装置2と、最終チャンバー3cに設けられて最終チャンバー3cから外部への電子線EBの通過を許容する電子線射出口9と、電子線EBを最終チャンバー3c内でビーム軸線に直交する一方向に走査させる走査磁石16とを有する構成とする。電子線射出口9を、走査磁石16による電子線EBの走査方向に沿って設けられたスリットによって構成する。走査磁石16の鉄心17を、磁極をなす一対の端部が対向させられたC字形状とし、各端部を、最終チャンバー3a内に挿入して、互いの間に前記電子線の軌道を挟み込むように近接配置する。
【選択図】図2

Description

本発明は、金属表面の焼き入れ処理等、ワーク表面の広範囲にわたって高強度の電子線を照射する処理に用いられる電子線照射装置に関するものである。
電子線照射装置は、電子銃等の電子線発生装置によって発生させた電子線をワークに照射することにより、ワーク表面の改質や殺菌、焼入れや溶接等の各種処理を施すものである。
このような電子線照射装置としては、例えば後記の特許文献1に記載の電子線照射装置が知られている。この電子線照射装置は、電子線を発生させる電子銃と、電子線を走査する磁場を発生させるステアリング磁石と、電子線を収束させる磁場を発生させる集束磁石と、磁場によって電子線を左右に走査させるスキャンホーンとを有している。
電子線は、大気中を進行すると、大気中の気体分子による散乱を受けるため、次第にビーム形状が崩れる。このため、電子線のビーム形状を適正に維持することができるよう、電子線照射装置内、特に電子線発生装置近傍部分は、真空状態に保たれる。
また、磁場による電子線の加速や整形、及び軌道の修正は、大気中で行うよりも、電子線の散乱が生じない真空中で行う方が効率がよい。
このことは、特許文献1に記載の電子線照射装置においても同様であって、前記のスキャンホーンは、扁平扇型の真空容器によって構成されている。
ここで、スキャンホーンの出口は、チタン膜等、気体の通過を規制しつつ電子線の通過を許容する膜によって封止されている。これにより、スキャンホーン内部を真空に保った状態で、膜を通じてスキャンホーン外へ電子線を射出することができるようになっている。
電子線の径方向における強度分布は、ビーム軸線を中心としたガウシアン分布となっている。すなわち、電子線においてビーム中心近傍の領域とビーム中心から離間した領域とでは、ワークに与えるエネルギーの大きさが大きく異なる。このため、ワークにおいてビーム中心が当たる部分とビーム中心から外れた部分との間に温度差が生じてしまい、均一な熱処理が困難となる。
そこで、特許文献1に記載の電子線照射装置では、スキャンホーンによって電子線を左右に走査しながらワークに電子線を照射し、この状態で、コンベアを用いてワークを電子線の走査方向に直交する方向に適切な速度で移動させる構成を採用している。この構成により、ワークにおいて電子線の照射量の少ない領域に電子線が重複して照射されることになるので、処理対象領域全体の電子線照射量を均一にすることができる。
特開2003−156600号公報(段落[0016]〜[0018])
スキャンホーンの出口を覆う膜は、ワーク表面の改質処理や殺菌処理、高分子の重合処理等に用いる低強度の電子線(10kGyから200gGy程度)には長期間耐えることができる。しかし、この膜は、焼き入れ処理等に用いる高強度の電子線(1×10kGy程度)には耐えられない。このため、スキャンホーンを用いた電子線照射装置は、高強度の電子線によるワークの処理に用いることができない。
そこで、高強度の電子線を利用する場合には、電子線照射装置に外部に通じる小径の電子線射出口を設けて、この電子線射出口を通じて外部に直接電子線を射出する構成が採用される。
この構成では、電子線照射装置内を高真空状態に保つために、電子線射出口を通じた電子線照射装置内への外気の流入量が電子線照射装置内の排気に用いられる真空ポンプの排気能力以下となるよう、電子線射出口の開口径を約3mmかそれ以下の大きさにする必要がある。
このため、電子線の走査範囲は電子線射出口の開口径以下に制限される。このため、この電子線照射装置では、電子線を広範囲に走査させることはできない。
ここで、電子線を走査させるには、走査磁石が用いられる。走査磁石は、自身が発生させた磁場によって電子線を構成する電子にローレンツ力を作用させることで、電子線の軌道を曲げるものである。しかし、走査磁石からは、電子線を曲げるのに用いられる磁場(電子線の走査方向に直交する向きの磁場)以外にも、電子線の軌道やビーム径に悪影響を与える漏れ磁場(電子線の走査方向に対して傾斜する向きの磁場)が発生する。このため、小径の電子線射出口に電子線を正確に通過させるためには、漏れ磁場による電子線への影響を抑える必要がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、高強度の電子線を広範囲に走査させて、ワーク表面の広い領域に均一に電子線を照射することができる電子線照射装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明以下の手段を採用する。
すなわち、本発明は、隣接配置される複数の真空チャンバーと、該真空チャンバーのうちの先頭チャンバーから前記真空チャンバーのうちの最終チャンバーに向けて電子線を射出する電子線発生装置と、前記各真空チャンバー間を接続して前記先頭チャンバーから前記最終チャンバーまでの前記電子線の通過を許容する連通部と、前記最終チャンバーに設けられて該最終チャンバーから外部への前記電子線の通過を許容する電子線射出口と、前記各真空チャンバーの内圧を前記最終チャンバー側の真空チャンバーほど高くなるように調整する圧力制御装置と、前記電子線を前記最終チャンバー内でビーム軸線に直交する一方向に沿って走査させる走査磁石とを有しており、前記電子線射出口は、前記走査磁石による前記電子線の走査方向に沿って設けられたスリットによって構成されている電子線照射装置を提供する。
このように構成される電子線照射装置では、電子線発生装置が発生させた電子線は、各連通部を通じて、先頭チャンバーから最終チャンバーまで到達し、最終チャンバーに設けられた電子線射出口を通じて装置外に射出される。
最終チャンバーに到達した電子線は、走査磁石によってビーム軸線に直交する一方向に沿って走査される。
最終チャンバーには、スリット状の電子線射出口が設けられている。この電子線射出口は、走査磁石による電子線の走査方向に長い長穴形状をなしているので、電子線の走査範囲を十分確保しながら、電子線射出口の開口面積を最小限にすることができる。
これにより、真空チャンバー内を真空状態に保ったままで、高強度の電子線を広範囲に走査させることができる。
また、各真空チャンバーは、先頭チャンバーから最終チャンバーに向うにつれて徐々に内圧が高められており、最終チャンバーと装置外との気圧差が低減されている。
これにより、装置外から電子線射出口を通じて真空チャンバー内に流入する外気の量が少なくなるので、電子線射出口の開口面積をより大きくすることができる。
ここで、前記走査磁石は、前記最終チャンバー外に設けられる鉄心と、該鉄心に巻き回されるコイルとを有する電磁石とされており、前記鉄心は、磁極をなす一対の端部が対向させられたC字形状をなしており、前記各端部は、前記最終チャンバー内に挿入されていて、互いの間に前記電子線の軌道を挟み込むように近接配置されていてもよい。
この場合には、鉄心の端部同士が近接しているので、端部間に生じる磁力線のほとんどが、一方の端部から他方の端部に向う直線状となる。すなわち、鉄心の端部間に発生する磁場のほとんどが、電子線の走査方向に略直交する向きとなるので、電子線の軌道やビーム径に悪影響が生じにくい。
さらに、走査磁石は、鉄心の端部のみが最終チャンバー内に挿入されているので、最終チャンバーの容積を小さくすることができる。これにより、圧力制御装置による最終チャンバー内の減圧が容易となるので、最終チャンバー内の真空度を向上させることができる。
これにより、最終チャンバー内での電子線の散乱が抑えられるので、電子線の制御を良好に行うことができる。
また、この電子線照射装置は、前記電子線を前記最終チャンバー内で収束させる収束磁石を有し、前記走査磁石は、前記集束磁石による前記電子線の収束部に走査磁場を作用させる構成とされていてもよい。
電子線の収束部では、電子線を構成する各電子の向きがほぼ揃っているので、上記の構成を採用することで、走査磁場によって電子線を容易に走査させることができる。
このように構成される電子線照射装置によれば、高強度の電子線を広範囲に走査させて、ワーク表面の広い領域に均一に電子線を照射することができる。
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る電子線照射装置1は、電子線発生装置2と、複数の真空チャンバー3とを有している。
本実施形態では、電子線発生装置2は、真空チャンバー3内に収納されるフィラメント等の陰極部材と、この陰極部材に対向配置される陽極とを有している。この電子線発生装置2は、陰極部材が放出した電子を陰極部材と陽極との間に形成した電場を用いて加速することによって真空チャンバー3内に電子線を形成するものである。
また、本実施形態では、電子線照射装置1は、列状に隣接配置される三つの真空チャンバー3を有している。以下、これら真空チャンバー3のうち、列の一端側から順に、先頭チャンバー3a、中間チャンバー3b、最終チャンバー3cとする。
先頭チャンバー3a内には、電子線発生装置2が、電子線EBの射出方向を最終チャンバー3c側に向けた状態にして収納されている。
先頭チャンバー3aと中間チャンバー3bとは、連通部6を介して接続されており、電子線発生装置2が発生させた電子線EBは、この連通部6を通じて中間チャンバー3b内に入射するようになっている。連通部6の内径は、電子線EBの通過に最小限必要な内径とされている。これにより、先頭チャンバー3aと中間チャンバー3bとの間での気体の流通が最小限に抑えられている。
中間チャンバー3b内には、電子線発生装置2が発する電子線EBを加速する加速用電極や、電子線EBを所定性状に整形する磁気レンズ7(収束磁石)等、電子線EBを調整するための装置が設けられている。本実施形態では、磁気レンズ7は、電子線EBを最終チャンバー3c内の、後述する電子線射出口9の直前(具体的には5〜10mm手前の位置)で収束させる構成とされている。
中間チャンバー3bと最終チャンバー3cとは、連通部8を介して接続されており、中間チャンバー3b内に入射した電子線EBは、この連通部8を通じて最終チャンバー3c内に入射するようになっている。連通部8の内径は、電子線EBの通過に最小限必要な内径とされている。これにより、中間チャンバー3bと最終チャンバー3cとの間での気体の流通が最小限に抑えられている。
最終チャンバー3cには、連通部8に対向する部位に、外部に連通する電子線射出口9が設けられており、最終チャンバー3c内に入射した電子線EBが、電子線射出口9を通じて外部に射出されるようになっている。
この電子線照射装置1には、各真空チャンバー3の内圧を最終チャンバー3c側の真空チャンバー3ほど高くなるように調整する圧力制御装置11が設けられている。本実施形態では、圧力制御装置11として、真空ポンプを有する真空排気系統12が設けられている。この真空排気系統12は、先頭チャンバー3a、中間チャンバー3b、及び最終チャンバー3cのそれぞれに接続されている。これによって、各真空チャンバー3内がそれぞれ真空引きされるとともに、各真空チャンバー3の内圧が、最終チャンバー3c側の真空チャンバー3ほど高くなるように調整される。すなわち、本実施形態では、真空チャンバー3は、三段の多段差動排気システムを有している。
また、この電子線照射装置1には、電子線EBを最終チャンバー3c内でビーム軸線に直交する一方向に沿って走査させる走査磁石16が設けられている。この走査磁石16は、磁気レンズ7による電子線EBの収束部Pに走査磁場を作用させる構成とされている。
図2に示すように、走査磁石16は、最終チャンバー3c外に設けられる鉄心17と、鉄心17に巻き回されるコイル18とを有する電磁石とされている。
鉄心17は、磁極をなす一対の端部が対向させられたC字形状をなしている。各端部17a,17bは、最終チャンバー3c内に挿入されていて、互いの間に電子線EBの軌道を挟み込むように近接配置されている。
また、鉄心17において最終チャンバー3c外に位置する部分は、磁気シールド19によって覆われており、鉄心17において最終チャンバー3c外に位置する部分が発する磁場が最終チャンバー3c内に侵入しないようになっている。
また、コイル18には、交流電流を引加する電源装置(図示せず)が接続されている。
ここで、最終チャンバー3cの電子線射出口9は、走査磁石16による電子線EBの走査方向に沿って設けられたスリットによって構成されている。
本実施形態では、図2に示すように、電子線射出口9は、長さL1が3.5mm、幅W1が1.5mmとされている。
また、最終チャンバー3cは、電子線射出口9の幅方向における寸法W2が、電子線射出口9の長手方向における寸法L2よりも小さく設定されている。
最終チャンバー3cの圧力制御装置11との接続口21は、最終チャンバー3cの短辺側の壁面22に設けられている。
また、図1に示すように、この電子線照射装置1には、最終チャンバー3cにおいてワークWと対向する部位(すなわちワークWに電子線EBを照射した際にワークWからの輻射熱を受ける部分)を冷却するための冷却装置23が設けられている。
本実施形態では、冷却装置23は、短辺側の壁面22を通じて最終チャンバー3c内に挿入される冷却用配管24と、最終チャンバー3c該に設けられてこの冷却用配管24に冷却水等の冷媒を循環させる循環装置25とを有する構成とされている。冷却用配管24は、最終チャンバー3cの底部上面に沿って設けられている。図2に示すように、冷却用配管24は、電子線射出口9の長手方向に沿って、電子線射出口9の周囲を囲むように設けられている。
また、最終チャンバー3cは、熱伝導性が高く、また非磁性体である銅や銅合金によって構成されている。
このように構成される電子線照射装置1では、図1に示すように、電子線発生装置2が発生させた電子線EBは、各連通部6,8を通じて、先頭チャンバー2aから最終チャンバー3cまで到達し、最終チャンバー3cに設けられた電子線射出口9を通じて装置外に射出される。
最終チャンバー3cに到達した電子線EBは、走査磁石16によってビーム軸線に直交する一方向(図1及び図2における左右方向)に沿って走査される。
具体的には、走査磁石16は、コイル18に所定周波数の交流電流を引加されることで、電子線EBの軌道を挟んで対向配置される端部17a,17b間に交番磁場を発生させる。これにより、電子線EBを構成する電子にローレンツ力が作用して、電子線EBが磁場の向きに直交する方向に、所定周期で走査させられる。
ここで、前記のように、鉄心17は、磁極をなす一対の端部17a,17bが最終チャンバー3c内に挿入されていて、これら端部17a,17bが電子線EBの軌道を挟み込むようにして近接配置されている。
このように、鉄心17の端部17a,17b同士が近接しているので、端部17a,17b間に生じる磁力線のほとんどが、図2に破線で示すように、一方の端部から他方の端部に向う直線状となる。すなわち、鉄心17の端部17a,17b間に発生する磁場のほとんどが、電子線EBの走査方向に略直交する向きとなるので、電子線EBの軌道やビーム径に悪影響が生じにくい。
また、本実施形態では、圧力制御装置11との接続口21と冷却用配管24とが、走査磁石16の鉄心17と干渉しない位置に配置されているので、鉄心17の端部17a,17b同士をより近接させることができる。これにより、鉄心17からの漏れ磁場を最小限に抑えて、漏れ磁場による電子線EBの軌道やビーム径への悪影響を最小限にすることができる。
さらに、走査磁石17は、鉄心17の端部のみが最終チャンバー3c内に挿入されているので、最終チャンバー3cの容積を小さくすることができる。
また、最終チャンバー3cは、電子線射出口9の幅方向における寸法W2が電子線射出口9の長手方向における寸法L2よりも小さく設定されている。これにより、最終チャンバー3cの容積をさらに小さくすることができる。
このように最終チャンバー3cの容積を小さくすることにより、圧力制御装置11による最終チャンバー3c内の減圧が容易となるので、最終チャンバー3c内の真空度を向上させることができる。そして、このように最終チャンバー3c内の真空度を向上させることで、最終チャンバー3c内での電子線EBの散乱が抑えられるので、電子線EBの制御を良好に行うことができる。
ここで、最終チャンバー3cは非磁性体によって構成されているので、内部で走査磁石16が磁場を発生させても、この磁場を乱すことがない。
さらに、鉄心17において最終チャンバー3c外に位置する部分と最終チャンバー3cとの間には、磁気シールド19が設けられているので、鉄心17において最終チャンバー3c外に位置する部分が発する磁場によって最終チャンバー3c内の磁場が乱されない。
このため、この電子線照射装置1では、走査磁石16による電子線EBの方向制御を精度よく行うことができる。
最終チャンバー3cには、スリット状の電子線射出口9が設けられている。この電子線射出口9は、走査磁石16による電子線EBの走査方向に長い長穴形状をなしているので、図3に示すように電子線EBの走査範囲を電子線EBのビーム径に比べて十分確保しながら、電子線射出口9の開口面積を最小限にすることができる。
これにより、この電子線照射装置1では、各真空チャンバー3内を真空状態に保ったままで、高強度の電子線EBを広範囲に走査させることができる。
この電子線照射装置1を用いてワークの焼き入れ処理を行う場合には、上記のように電子線EBを一方向に沿って走査させた状態で、図1及び図4に示すように、電子線射出口9にワークWを対向させ、図示せぬ移動装置によってワークWを電子線EBの走査方向に略直交する方向に所定速度で移動させる。これにより、ワークWにおいて電子線EBの照射量の少ない領域に電子線EBが重複して照射されることになるので、ワークWの処理対象領域全体の電子線照射量を均一にすることができ、処理対象領域全体に均一な焼き入れを施すことができる。
ここで、この電子線照射装置1では、磁気レンズ7によって電子線が最終チャンバー3c内で収束させられており、走査磁石16は、磁気レンズ7による電子線EBの収束部Pに走査磁場を作用させる構成とされている。
電子線EBの収束部Pでは、電子線EBを構成する各電子の向きがほぼ揃っているので、走査磁石16の走査磁場によって電子線EBを容易に走査させることができる。
そして、このように走査磁石16による電子線EBの走査が容易であるので、走査磁石16が小型で済み、電子線照射装置1を小型化することができる。
また、本実施形態では、電子線EBの収束部Pは、電子線射出口9の直前に設定されている。これにより、電子線EBは、走査範囲がまだ小さいうちに電子線射出口9を通過することになるので、電子線EBの走査範囲を狭めることなく、電子線射出口9の幅Wをより小さくして、最終チャンバー3cの真空度を高めることが可能である。
また、各真空チャンバー3は、先頭チャンバー3aから最終チャンバー3cに向うにつれて徐々に内圧が高められており、最終チャンバー3cと装置外との気圧差が低減されている。
これにより、装置外から電子線射出口9を通じて真空チャンバー3内に流入する外気の量が少なくなる。このため、電子線射出口9の開口面積をより大きくすることができ、電子線EBの走査可能範囲をより大きく確保することができる。
本発明の一実施形態に係る電子線照射装置の構成を示す縦断面図である。 本発明の一実施形態に示す電子線照射装置の最終チャンバー内の構成を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係る電子線照射装置による電子線の照射の様子を示す縦断面図である。 本発明の一実施形態に係る電子線照射装置による電子線の照射の様子を示す斜視図である。
符号の説明
1 電子線照射装置
2 電子線発生装置
3a 先頭チャンバー(真空チャンバー)
3c 最終チャンバー(真空チャンバー)
6,8 連通部
7 磁気レンズ(収束磁石)
9 電子線射出口
11 圧力制御装置
16 走査磁石
17 鉄心
17a,17b 端部
18 コイル
21 接続口
22 短辺側の壁面
24 冷却用配管
EB 電子線

Claims (3)

  1. 隣接配置される複数の真空チャンバーと、
    該真空チャンバーのうちの先頭チャンバーから前記真空チャンバーのうちの最終チャンバーに向けて電子線を射出する電子線発生装置と、
    前記各真空チャンバー間を接続して前記先頭チャンバーから前記最終チャンバーまでの前記電子線の通過を許容する連通部と、
    前記最終チャンバーに設けられて該最終チャンバーから外部への前記電子線の通過を許容する電子線射出口と、
    前記各真空チャンバーの内圧を前記最終チャンバー側の真空チャンバーほど高くなるように調整する圧力制御装置と、
    前記電子線を前記最終チャンバー内でビーム軸線に直交する一方向に沿って走査させる走査磁石とを有しており、
    前記電子線射出口は、前記走査磁石による前記電子線の走査方向に沿って設けられたスリットによって構成されている電子線照射装置。
  2. 前記走査磁石は、前記最終チャンバー外に設けられる鉄心と、該鉄心に巻き回されるコイルとを有する電磁石とされており、
    前記鉄心は、磁極をなす一対の端部が対向させられたC字形状をなしており、
    前記各端部は、前記最終チャンバー内に挿入されていて、互いの間に前記電子線の軌道を挟み込むように近接配置されている請求項1記載の電子線照射装置。
  3. 前記電子線を前記最終チャンバー内で収束させる収束磁石を有し、
    前記走査磁石は、前記集束磁石による前記電子線の収束部に走査磁場を作用させる構成とされている請求項1または2に記載の電子線照射装置。
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CN103406657A (zh) * 2013-08-09 2013-11-27 南京理工大学 一种用于电子束加工的电磁偏转扫描线圈

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