JP4429811B2 - パルスx線源 - Google Patents

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Description

本発明は、X線を出射するX線源に関し、詳しくは、X線を必要時にのみ出射できるパルスX線源に関するものである。
従来、ベルトコンベア等により搬送される被検物を対象としたインライン方式のX線検査装置が知られている(例えば特許文献1)。このX線検査装置は、検査用のシールドボックス内に搬送された被検物にX線源から順次X線を照射し、被検物を透過したX線をX線検出器により順次検出することで被検物の拡大透視画像を得るように構成されている。
また、この種のX線検査装置に使用されるX線源用のX線管としては、X線の出射ポイントを被検物側に近づけることにより、X線出射ポイントから被検物までの距離を短縮して被検物の拡大透視画像の拡大率をより大きくできるようにした、いわゆるマイクロフォーカス機能を発揮するX線管が知られている(例えば特許文献2)。
特許第3011360号公報 特許第2713860号公報
ところで、特許文献1に記載のようなインライン方式のX線検査装置に使用されるX線源のX線管においては、X線が常時出射されていると、以下のような種々の問題が発生する。すなわち、検査用のシールドボックスからX線が漏れないようにシールドボックスの搬入口および搬出口にX線の遮蔽構造を設ける必要があるため、X線検査装置の構造が複雑化、大型化し、その製造コストも嵩む。また、X線検出器に大量のX線が照射される結果、X線検出器の特性が劣化し易く、その寿命が短命化する。さらに、X線を出射するX線管のターゲットの寿命も短命化する。
このような種々の問題を解消するには、被検物にX線を照射する必要時にのみX線管からX線を出射させ、それ以外のときにはX線の出射を停止させるような手段が必要であり、その手段としては、X線管内の電界操作によりターゲットに対する電子ビームの到達距離を制御することでターゲットから出射されるX線をオン・オフさせる電界操作手段が考えられる。この電界操作手段の原理は、X線管のカソード付近に配置されたグリッド電極の負の電位を十分深くすることで電子ビームがターゲットに到達しないようにしてX線の出射をオフさせ、グリッド電極の負の電位を急激に浅くすることで電子ビームをターゲットに到達させてX線の出射をオンさせるものである。
ここで、被検物の厚みの増大や被検物の材料の変更によってX線が被検物を透過し難い状況となった場合には、X線管の管電圧や管電流を増大させる必要がある。しかしながら、管電圧や管電流が増大されると、電界操作手段においては、X線の出射をオフさせる際にグリッド電極の負の電位を更に深くし、X線の出射をオンさせる際にはグリッド電極の負の電位をより急激に浅く変化させなければならない。そして、このようなグリッド電極の負の電位の急激な制御を行う関係で、X線管の管電圧や管電流を再現性よく一定に制御するのが極めて困難となり、管電圧や管電流にドロップ現象が発生する恐れがある。その結果、X線管は所望の線量、線質のX線を安定して出射できなくなる恐れがある。
そこで、本発明は、長期間に亘って安定した線量、線質のX線を必要時にのみ出射することができる高寿命のパルスX線源を提供することを課題とする。
本発明に係るパルスX線源は、電子ビームを出射する電子銃部と、電子ビームの入射によりX線を発生するX線出射面が先端部の斜面に設けられたターゲット体と、このターゲット体の先端部の斜面を囲んで配置され、かつ、X線出射面に電子ビームを入射させる電子ビーム通過孔が形成され前記ターゲット体と同電位のフード電極と、電子銃部から出射される電子ビームの進路を変更可能な電子ビーム偏向手段とをX線管に備えるパルスX線源であって、電子ビーム偏向手段は、フード電極の電子ビーム通過孔を通してターゲット体のX線出射面に電子ビームをフォーカス状態で入射させる進路と、フード電極上に設定された所定の退避部位に電子ビームをデフォーカス状態で入射させる進路とに電子ビームの進路を変更可能に構成され、前記フード電極における前記ターゲット体との非接触部位に前記退避部位が設定されていることを特徴とする。
本発明に係るパルスX線源では、X線管の電子ビーム偏向手段の作動状態に応じ、電子銃部から出射された電子ビームがフード電極の電子ビーム通過孔を通過してターゲット体のX線出射面にフォーカス状態で入射されることにより、X線管からX線が出射される。一方、電子ビームがフード電極上の所定の退避部位にデフォーカス状態で入射されることにより、X線管からのX線の出射が停止される。
ここで、X線管からX線を出射させ、また、X線の出射を停止させるための電子ビーム偏向手段の作動状態は、X線管の管電圧や管電流に影響を与えないため、X線管は所望の線量、線質のX線を安定して出射することができる。また、X線の出射を停止させる際には、電子ビームがフード電極上の所定の退避部位にデフォーカス状態で入射されるため、フード電極の損傷が抑制される。
本発明のパルスX線源において、フード電極上の退避部位がターゲット体との非接触部位に設定されていると、退避部位に電子ビームが入射された際のターゲット体への熱的影響が低減され、ターゲット体の熱膨張が防止されるので好ましい。特に、フード電極上の退避部位がターゲット体の先端部の斜面に対向する部位に設定されていると、退避部位からターゲット体までの距離が開くため、ターゲット体の熱膨張がより効果的に防止されるので好ましい。
本発明のパルスX線源において、電子ビーム偏向手段は、X線管の電子銃部に外付けされる偏向用電磁コイルで構成してもよいし、電子銃部に内蔵される偏向用電極で構成してもよい。
本発明のパルスX線源において、フード電極上の退避部位を含むその周辺部分が高融点物質で構成されていると、電子ビームの入射に伴なう退避部位の熱溶解が防止されるので好ましい。また、フード電極上の退避部位を含むその周辺部分がX線発生率の低い物質で構成されていると、退避部位からの余分なX線の発生が抑制されされるので好ましい。X線発生率の低い高融点物質としては、ホウ化窒素(BN)、ダイヤモンド、炭化ホウ素(BC)などが挙げられる。
本発明に係るパルスX線源によれば、X線管の電子ビーム偏向手段の作動状態に応じ、電子ビームをターゲット体のX線出射面にフォーカス状態で入射させることでX線管からのX線の出射を開始でき、電子ビームをフード電極上の所定の退避部位にデフォーカス状態で入射させることでX線管からのX線の出射を停止でき、必要時にのみX線管からX線を出射させることができる。
ここで、電子ビーム偏向手段の作動作動状態は、X線管の管電圧や管電流に影響を与えないため、X線管は所望の線量、線質のX線を安定して出射することができる。また、X線の出射を停止させる際には、電子ビームがフード電極上の所定の退避部位にデフォーカス状態で入射されるため、フード電極の損傷が抑制できる。
従って、本発明のパルスX線源によれば、長期間に亘って安定した線量、線質のX線を必要時にのみX線管から出射することができ、X線管の高寿命化を達成することができる。また、本発明のパルスX線源を備えて構成されるX線検査装置においては、パルスX線源からX線の照射を受けるX線検出器の高寿命化を達成することができ、また、検査用のシールドボックスの搬入口および搬出口の構造も簡素化することができる。
以下、図面を参照して本発明に係るパルスX線源の実施の形態を説明する。参照する図面において、図1は本発明の一実施形態に係るパルスX線源の外観を示す正面図、図2は図1に示したX線管の構造を示す縦断面図、図3は図2のIII−III線断面図である。
一実施形態に係るパルスX線源は、図1に示すように、電源ボックス1の上部に配置されたX線管2を備えている。このX線管2は、図2および図3に示すように、電子ビームを出射する電子銃部EGを容器2A内に収容した電子銃収容部2Bと、電子ビームの入射を受けてX線を発生するターゲット体Tを容器2C内に収容したターゲット体収容部2Dとを備えている。
電子銃部EGを収容した容器2Aとターゲット体Tを収容した容器2Cとの間には、電子銃部EGから出射された電子ビームを棒状のターゲット体Tの先端部に向けて通過させる電子ビーム通過窓2Eが形成されている。また、容器2Cには、ターゲット体Tの先端部からその軸線方向に出射されるX線を取り出すためのX線透過窓2Fが設けられている。そして、この容器2A,2Cは、内部が真空にされることで真空容器を構成している。
電子銃部EGは、給電用のステムピンPを介して供給される電力により発熱するヒータHと、このヒータHにより加熱されることで熱電子を放出するカソードKと、カソードKから放出された熱電子による電子ビームの電流量を制御するグリッド電極Gと、電子ビームをターゲット体Tの先端部に向け加速して集束させるフォーカスグリッド電極FGとを備えて構成されている。なお、電子銃部EGは、少なくとも電子発生源(本実施形態においてはヒータHおよびカソードK)を有する電子放出部であれば、どのような構成によるものでもよい。
一方、ターゲット体Tは、電子ビームの衝突によってX線を発生するターゲット板T1と、このターゲット板T1に高電圧を供給する棒状のターゲット支持体T2と、電子ビームの集束のためにターゲット板T1を囲む筒状のフード電極Fとを備えて構成されている。
ここで、ターゲット体Tの先端部となるターゲット支持体T2の先端部には、その軸線に斜交する斜面T3が電子ビーム通過窓2Eに対面する向きで形成されている。このターゲット支持体T2の斜面T3にはターゲット板T1が埋め込まれており、その表面のX線出射面T4は、斜面T3と同一面をなしている。なお、ターゲット板T1は、ターゲット支持体T2の先端部の斜面T3上に載せた状態で固定されていても良い。また、ターゲット板T1とターゲット支持体T2とは、ターゲット板T1用の材質により一体に形成してターゲット体Tとしてもよい。
フード電極Fは、ターゲット支持体T2の先端部に嵌合固定される筒状に形成されており、電子ビーム通過窓2Eに対面し、かつ、ターゲット板T1のX線出射面T4に対面する部位には電子ビーム通過孔F1が形成されている。また、電子ビーム通過孔F1よりX線出射方向に寄ったフード電極Fの先端部には、フォーカスグリッド電極FGとの間の等電位面をフォーカスグリッド電極FGに近づけるための突起F2が形成されている。この突起F2の存在により、電子ビーム通過孔F1を通してターゲット板T1のX線出射面T4に入射される電子ビームの焦点位置はX線出射方向に変位し、X線管2はいわゆるマイクロフォーカス機能を発揮するようになる。なお、フード電極Fとターゲット支持体T2の先端部との間に電界的な影響の出ない範囲で隙間が設けられていると、フード電極Fからターゲット板T1への熱的影響が低減されるので好ましい。
図4は図2および図3に示したX線管2の等価回路を示しており、GNDに接地された零電位のフォーカスグリッド電極FGと、ターゲット支持体T2を介して高圧電源VTに接続されたターゲット板T1およびこれと同電位のフード電極Fとの電位差により電子ビームが加速される。また、電子ビームの電流量(管電流)を増減するために、グリッド電極Gは電圧が可変に制御されるグリッド用可変電源VGに接続されている。さらに、電子ビームが集束する焦点位置をターゲット板T1のX線出射面T4に合わせるため、電圧が可変に制御されるカソード用可変電源VKが設けられ、このカソード用可変電源VKにカソードKが接続されている。
ここで、図2に示すように、X線管2の電子銃収容部2Bには、ターゲット体収容部2D側のターゲット板T1のX線出射面T4へ向けて出射された電子ビームの進路を変更させることができる偏向用電磁コイル3が電子ビーム偏向手段として付設されている。この偏向用電磁コイル3は、図5に示すように、門形(コの字形)の芯材3Aの両極部3B,3Cを除く中間部分3Dにコイル3Eが巻装されたものであり、芯材3Aは、飽和磁束密度が大きく、透磁率が高く、しかも保持力の小さい材料として、例えばFeC材で構成されている。また、コイル3Eはエナメル線を500ターン巻きして構成されている。
図5に示した偏向用電磁コイル3は、図2に示すように、ターゲット支持体T2の軸線と平行な線上に両極部3B,3Cが位置する向きで電子銃収容部2Bの容器2Aの外周に装着されている。そして、この偏向用電磁コイル3のコイル3Eは、図4に示すように、スイッチ回路4を介して直流電源DCに接続されている。
このような偏向用電磁コイル3は、図6に示すように、カソードKからフード電極Fの電子ビーム通過孔F1を通してターゲット板T1のX線出射面T4へ向かう電子ビームの進路を二点鎖線で示す正規の進路から破線で示す進路に偏向させるように通電時の電流方向が設定されている。すなわち、図6に破線で示すように、電子ビームの進路を電子ビーム通過孔F1からフード電極Fの周方向に偏向させるように電流方向が設定されている。
ここで、偏向用電磁コイル3の通電により電子ビームの進路が偏向されると、電子ビームはフード電極Fの電子ビーム通過孔F1から周方向に離れた退避部位F3にデフォーカス状態で入射される。すなわち、電子ビームは、フード電極F上において、ターゲット支持体T2の先端部の斜面T3に対向するターゲット支持体T2とは非接触の部位(ターゲット体Tに対して非接触の部位)に設定された退避部位F3にデフォーカス状態で入射される。この場合、フード電極Fの少なくとも退避部位F3を含むその周辺部分がX線発生率の低い高融点物質、例えばホウ化窒素(BN)、ダイヤモンド、炭化ホウ素(BC)などで構成されていると、電子ビームの入射による退避部位F3の熱溶解が防止され、かつ、退避部位F3からの余分なX線の発生が抑制されるので好ましい。
以上のように構成された一実施形態のパルスX線源では、図4に示したスイッチ回路4がオンされると、偏向用電磁コイル3が通電状態となり、図6に示すように、電子銃収容部2BのカソードKから出射された電子ビームの進路が破線で示すようにフード電極Fの周方向に偏向され、電子ビームがフード電極F上の退避部位F3にデフォーカス状態で入射される。その結果、ターゲット板T1のX線出射面T4からのX線の出射が停止される。
一方、スイッチ回路4がオフされると、偏向用電磁コイル3が非通電状態となり、図6に二点鎖線で示すように、カソードKから出射された電子ビームがフード電極Fの電子ビーム通過孔F1を通過し、ターゲット板T1のX線出射面T4に焦点を結んで入射される。その結果、図2に示すように、ターゲット板T1のX線出射面T4からX線透過窓2Fに向けてX線が出射される。
ここで、スイッチ回路4のオン・オフに伴なう偏向用電磁コイル3の通電および非通電の状態は、電子ビームの電流量(管電流)に影響を与えることがなく、X線管2の管電圧や管電流に影響を与えないため、X線管2は所望の線量、線質のX線を安定して出射する。
また、偏向用電磁コイル3の通電により進路が変更される電子ビームは、フード電極F上の退避部位F3にデフォーカス状態で入射されるため、フード電極Fの損傷が抑制される。特に、フード電極Fの退避部位F3を含むその周辺部分がホウ化窒素(BN)、ダイヤモンド、炭化ホウ素(BC)などのX線発生率の低い高融点物質で構成されている場合には、退避部位F3からの余分なX線の発生が抑制されると共に、退避部位F3の熱溶解が確実に防止される。
なお、偏向用電磁コイル3の通電時に電子ビームが入射されるフード電極F上の退避部位F3は、偏向用電磁コイル3の非通電に電子ビームが入射される電子ビーム通過孔F1の近傍に設定されているため、偏向用電磁コイル3に流す電流量は少なくて済み、偏向用電磁コイル3の発熱量が抑制される。
さらに、フード電極F上の退避部位F3は、ターゲット支持体T2の先端部の斜面T3に対向する部位、すなわち、ターゲット体Tに対して非接触の部位に設定されている。このため、ターゲット体Tは、退避部位F3に電子ビームが入射された際の発熱の影響を受け難く、その熱膨張が防止される。その結果、ターゲット板T1のX線出射面T4におけるX線の出射ポイントが変動することがなく、X線管2はマイクロフォーカス機能を十分に発揮することが可能となる。
すなわち、一実施形態のパルスX線源によれば、スイッチ回路4のオン・オフにより必要時にのみX線管2からX線を出射させることができるのであり、長期間に亘って安定した線量、線質のX線を必要時にのみX線管2から出射することができ、X線管2の高寿命化を達成することができる。
また、一実施形態のパルスX線源を備えて構成されるX線検査装置においては、パルスX線源からX線の照射を受けるX線検出器の高寿命化を達成することができ、また、検査用のシールドボックスの搬入口および搬出口の構造も簡素化することができる。
本発明に係るパルスX線源は、前述した一実施形態に限定されるものではなく、一部の構成部分を変更しても一実施形態と同様の作用効果を奏することができる。例えば、図2に示した偏向用電磁コイル3は、真空容器2Cの外周に沿って90度回転させた状態、すなわち図7に示すような向きで真空容器1Cの外周に装着してもよい。この場合、偏向用電磁コイル3による電子ビームの偏向方向は、図6に示した方向から90度回転するため、電子ビームは、図8に破線で示すように、フード電極Fの電子ビーム通過孔F1から突起F2とは反対方向に軸方向に離れた位置に設定された退避部位F4にデフォーカス状態で入射されることとなる。
図8に示した変更例において、フード電極Fの少なくとも退避部位F4を含むその周辺部分がホウ化窒素(BN)、ダイヤモンド、炭化ホウ素(BC)などのX線発生率の低い高融点物質で構成されていると、電子ビームの入射による退避部位F4からの余分なX線の発生が抑制されると共に、退避部位F4の熱溶解が確実に防止される。また、この変更例においても、フード電極F上の退避部位F4がターゲット支持体T2の先端部の斜面T3に対向する部位に設定されているため、ターゲット体Tの熱膨張が防止される。そして、フード電極F上の退避部位F4が電子ビーム通過孔F1の近傍に設定されているため、偏向用電磁コイル3に流す電流量は少なくて済み、偏向用電磁コイル3の発熱量が抑制される。
ここで、図8の変更例に示すように、フード電極Fは、電子ビーム通過孔F1および退避部位F4が設定される側の内周面とターゲット支持体T2の先端部の外周面との間に若干の隙間を設けて装着するようにしてもよい。この場合、ターゲット体Tは、退避部位F4に電子ビームが入射された際の発熱の影響をより一層受け難くなり、ターゲット体Tの熱膨張がより効果的に防止される。
さらに、図2に示したフード電極Fは、ターゲット板T1が付設されたターゲット支持体T2と一体に形成してもよく、あるいは、ターゲット板T1用の材質により斜面T3がX線出射面として構成されたターゲット体Tと一体に形成してもよい。
また、電子ビーム偏向手段としての偏向用電磁コイル3は、図4に示すようにスイッチ回路4および直流電源DCに接続される偏向用電極5に変更することができる。
本発明の一実施形態に係るパルスX線源の外観を示す正面図である。 図1に示したX線管の構造を示す縦断面図である。 図2のIII−III線断面図である。 図2および図3に示したX線管の等価回路図である。 図2に示した偏向用電磁コイルの斜視図である。 図3に示したカソードから出射される電子ビームの進路の偏向状況を示す図3の拡大断面図である。 偏向用電磁コイルの装着の向きを変更した例を示す図3に対応したX線管の縦断面図である。 図7に示したカソードから出射される電子ビームの進路の偏向状況を示す図2に対応した拡大部分断面図である。
符号の説明
1 電源ボックス
2 X線管
2B 電子銃収容部
2D ターゲット体収容部
3 偏向用電磁コイル(電子ビーム偏向手段)
4 スイッチ回路
5 偏向用電極(電子ビーム偏向手段)
K カソード
G グリッド電極
FG フォーカスグリッド電極
F フード電極
F1 電子ビーム通過孔
F2 突起
F3 退避部位
T ターゲット体
T1 ターゲット板
T2 ターゲット支持体
T3 斜面
T4 X線出射面

Claims (6)

  1. 電子ビームを出射する電子銃部と、電子ビームの入射によりX線を発生するX線出射面が先端部の斜面に設けられたターゲット体と、このターゲット体の先端部の斜面を囲んで配置され、かつ、前記X線出射面に電子ビームを入射させる電子ビーム通過孔が形成され前記ターゲット体と同電位のフード電極と、前記電子銃部から出射される電子ビームの進路を変更可能な電子ビーム偏向手段とをX線管に備えるパルスX線源であって、
    前記電子ビーム偏向手段は、前記フード電極の電子ビーム通過孔を通して前記ターゲット体のX線出射面に電子ビームをフォーカス状態で入射させる進路と、前記フード電極上に設定された所定の退避部位に電子ビームをデフォーカス状態で入射させる進路とに電子ビームの進路を変更可能に構成され
    前記フード電極における前記ターゲット体との非接触部位に前記退避部位が設定されていることを特徴とするパルスX線源
  2. 請求項1に記載のパルスX線源であって、前記フード電極における前記ターゲット体の先端部の斜面に対向する部位に前記退避部位が設定されていることを特徴とするパルスX線源。
  3. 請求項1又は2に記載のパルスX線源であって、前記電子ビーム偏向手段が前記X線管の電子銃部を収容する電子銃収容部の外部に取り付けられる偏向用電磁コイルで構成されていることを特徴とするパルスX線源。
  4. 請求項1又は2に記載のパルスX線源であって、前記電子ビーム偏向手段が前記X線管の電子銃部を収容する電子銃収容部に内蔵される偏向用電極で構成されていることを特徴とするパルスX線源。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載のパルスX線源であって、前記フード電極における少なくとも電子ビームが入射される退避部位が高融点物質で構成されていることを特徴とするパルスX線源。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載のパルスX線源であって、前記フード電極における少なくとも電子ビームが入射される退避部位がX線発生率の低い物質で構成されていることを特徴とするパルスX線源。
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