JP2007232113A - 焼結動圧軸受の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】再圧工程後の寸法変化を起こりにくくし、その結果として寸法精度を向上させて軸受性能をより向上させる。
【解決手段】素材の焼結軸受を再圧して寸法を調整し、さらに再圧して動圧溝を形成する。再圧工程が終わってから気孔に樹脂を含浸させて封孔し、次いで磁気バレル研磨もしくは電磁バレル研磨によって全面を研磨する。
【選択図】図4
【解決手段】素材の焼結軸受を再圧して寸法を調整し、さらに再圧して動圧溝を形成する。再圧工程が終わってから気孔に樹脂を含浸させて封孔し、次いで磁気バレル研磨もしくは電磁バレル研磨によって全面を研磨する。
【選択図】図4
Description
本発明は、焼結体からなる動圧軸受の製造方法に係り、特に、磁気ディスクや光ディスクの読み書きを行うディスク駆動装置の駆動源やレーザプリンタのポリゴンモータ等の、各種情報機器の駆動用小型モータに好適に用いられる焼結動圧軸受の製造方法に関する。
この種の情報機器用小型モータには、高速かつ高精度の回転性能の他に、高い量産性や低コスト化、さらには低騒音化が求められており、これらの特性の優劣は、シャフトを支持する軸受によるところが大きい。上記焼結動圧軸受は、各要求を満足させる軸受として近年では広く採用されている。焼結動圧軸受は、焼結体に成形されたものであって、シャフトとの間の微小な隙間に供給された潤滑油を油膜に形成し、その油膜を、回転軸が回転することにより高圧化させてシャフトを高剛性で支持する非接触式の軸受として知られている。発生する動圧は、シャフトが摺動する軸受面(内周面や端面)に動圧発生用の溝すなわち動圧溝を形成して効果的に得るようにしており、動圧溝は、ヘリングボーン状やスパイラル状に形成される場合が多い(特許文献1参照)。
ところで、焼結動圧軸受は気孔を有しており、例えば小型モータ用のものは15vol%前後の気孔を有しているものが用いられているが、気孔が軸受面に存在すると、その気孔から軸受中に潤滑油が入り込んで油膜の圧力が抜け、動圧効果の低下を招くことになる。そこで、少なくとも軸受面の気孔を塞ぐ封孔処理を施して液密性を保持し、動圧の低下を抑えることが望ましく、そのための手段として、ショットブラストやサンドブラストといった機械的打撃や、気孔に適宜な樹脂を含浸させるといった手段が知られている(特許文献2参照)。
しかしながら、機械的打撃による封孔処理は、形成されている動圧溝を摩耗することになったり軸受の内周面形状を変形させるおそれがあり、しかも、十分に封孔すること自体が困難であり、ある程度の動圧の低下は余儀なくされていた。一方、気孔に樹脂を含浸した場合、封孔の状態としては満足するレベルにあるが、表面の樹脂被膜を水洗浄で十分に除去することが困難で樹脂残りが避けられず、このため寸法精度が下がってしまうといった不都合な面があった。また、樹脂含浸後に再圧(サイジング)による塑性加工を行って動圧溝を形成すると、サイジングコア等の雄型に樹脂が凝着して軸受面から剥離することにより、寸法精度が下がったり変形が起こったりする場合があった。焼結動圧軸受は多孔質であるため、金型内で圧縮成形した状態から型抜きしてもスプリングバックが少なく動圧溝の転写性に優れる面があるが、樹脂含浸したものを再圧すると気孔が少なくなる分、スプリングバックが大きくなり、また、その量にばらつきがあるなどの欠点がある。
よって本発明は、再圧工程後の寸法変化を起こりにくくし、その結果、寸法精度が向上して、高速・高精度の回転性能や低騒音性等の軸受性能をより向上させることができる焼結動圧軸受の製造方法を提供することを目的としている。
本発明は、8〜20vol%の気孔率を有する焼結軸受を素材とし、この焼結軸受を再圧して、全長、外径および内径のうちの少なくとも一つの寸法を調整する寸法調整工程と、この寸法調整工程を経た焼結軸受を再圧して、該焼結軸受の軸受面に塑性加工によって動圧発生用の動圧溝を設ける動圧溝形成工程と、この動圧溝形成工程を経た焼結軸受の、少なくとも軸受面に表出する気孔に樹脂を含浸させて該気孔を封孔する樹脂含浸工程と、この樹脂含浸工程を経た焼結軸受に対し、磁気バレル研磨もしくは電磁バレル研磨を施して該焼結軸受の全面を研磨するバレル研磨工程とを備えることを特徴としている。
本発明は、全体的な焼結軸受の寸法調整と、軸受面への動圧溝の形成を、いずれも再圧することにより行った後、軸受面に表出する気孔を樹脂含浸によって封孔し、最後に磁気バレル研磨もしくは電磁バレル研磨を施すといった順序で、焼結動圧軸受を得る方法である。この方法によれば、まず、樹脂含浸によって軸受面の気孔の封孔処理を行うため、ショットブラスト等の機械的打撃で封孔処理を行った場合に比べて、形成した動圧溝やシャフトを支持する内周面等の形状を変形させるおそれがないとともに、気孔が十分に塞がれて動圧の低下が起こらない。
樹脂含浸で気孔を封孔した場合、樹脂の水洗浄後の樹脂残りが寸法精度の低下を招いていたが、本発明では樹脂含浸後にバレル研磨を行って表面全面を研磨するため、残った樹脂はバレル研磨で除去され、寸法精度が維持される。また、本発明では、全ての再圧工程が済んだ後に樹脂含浸するため、再圧用の雄型に樹脂が凝着して軸受面から剥離するといった不具合は起こりようがなく、したがってそのような不具合によって寸法精度が低下することがない。また、再圧時には、まだ気孔が樹脂で封孔されていない単なる焼結体の状態であるから、再圧して型抜きした後の、スプリングバックが少なく動圧溝の転写性に優れるといった焼結軸受が備える特性が、そのまま維持される。
本発明のバレル研磨は、磁気バレルもしくは電磁バレルに限定される。これらのバレル研磨は、空間磁場を発生させたバレル(容器)内で多数の微細なメディアとともにワークを撹拌することによりワークにメディアを打撃させてワーク表面の微細なバリや凹凸を除去して平滑にするもので、特に、軸受等の異形のワークの最終仕上げに適した研磨手段として知られている。特に本発明の軸受に適用した場合、軸受の内周面にまでメディアの打撃効果を与えることができ、かつ軸受に形成した動圧溝の形状を損なうことなく打撃効果を与えることができる。また、本発明の場合、最後にバレル研磨を行うことによって、上記したように軸受を洗浄した後に表面に残留した樹脂が除去されて清浄な軸受面が得られるとともに、軸受面の気孔がさらに目潰しされ、気孔の封孔処理が完全なものになる。
バレル研磨によって焼結軸受の内周面を含む表面全面が清浄にされるため、例えばシール効果を高める樹脂コーティングを好適に行うことができる。樹脂コーティングは、例えば膜厚5μm以下のフッ素樹脂被膜を軸受の内周面を含む全面に形成することにより達成することができ、樹脂コーティングにより潤滑油は撥油されるので軸受の内部に気孔が残存していてもて動圧溝から軸受内への潤滑油の浸透が阻止され、その結果、動圧効果をより向上させることができる。
本発明によれば、再圧による寸法調整と動圧溝形成の工程を行った後に、気孔に樹脂含浸して封孔処理し、次いで、磁気バレル研磨もしくは電磁バレル研磨を施すといった工程順を採ることにより、気孔が十分に封孔されて動圧低下が効果的に防止されるとともに、再圧工程後の寸法変化が起こりにくいため、寸法精度が向上して高速・高精度の回転性能や低騒音性等の軸受性能をより向上させることができるといった効果を奏する。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
図1は、一実施形態の製造方法で製造された円筒状の焼結動圧軸受(以下、軸受と略称する)1の縦断面を示しており、図2はこの軸受の平面図、図3は横断面図である。この軸受1は、磁気記録ディスク駆動装置のスピンドルモータ用として好適に用いられる小型のものであり、寸法例としては、外径がφ5mm前後〜6mm前後、内径すなわち軸孔11の直径がφ2mm前後〜3mm前後である。軸受1は、原料の金属粉末を圧縮成形した成形体を焼結した焼結体からなるもので、気孔率が8〜20vol%であり、使用時にはその気孔に潤滑油が含浸されて焼結含油軸受とされる。
図1は、一実施形態の製造方法で製造された円筒状の焼結動圧軸受(以下、軸受と略称する)1の縦断面を示しており、図2はこの軸受の平面図、図3は横断面図である。この軸受1は、磁気記録ディスク駆動装置のスピンドルモータ用として好適に用いられる小型のものであり、寸法例としては、外径がφ5mm前後〜6mm前後、内径すなわち軸孔11の直径がφ2mm前後〜3mm前後である。軸受1は、原料の金属粉末を圧縮成形した成形体を焼結した焼結体からなるもので、気孔率が8〜20vol%であり、使用時にはその気孔に潤滑油が含浸されて焼結含油軸受とされる。
軸受1は、軸孔11に挿入されるシャフト(図3の2に示す)を回転自在に支持する。この場合のシャフト2は、軸孔11に挿入される軸本体にフランジが形成されたもので、図1において上方から軸本体が軸孔11に挿入され、フランジが上端面12に対向させられる。シャフト2のラジアル荷重は軸受1の内周面13で支持され、スラスト荷重は軸受1の上端面12で支持される。
図2に示すように、軸受1の上端面12には、シャフト2の回転方向Rに向かうにしたがって内周側に湾曲しながら延びる複数のスパイラル溝14が、周方向に等間隔をおいて形成されている(図2では上端面12と区別するため斜線を描いてある)。これらスパイラル溝14の外周側の端部は外周面に開口しているが、内周側の端部は内周面13に開口しておらず閉塞している。スパイラル溝14は10本前後形成され(図2では12本)、また、最大深さは10〜20μm程度とされる。
また、図3に示すように、軸受1の軸孔11の内周面13には、断面が半円弧状で、両端面間にわたり軸方向に沿って真っ直ぐに延びる複数の分離溝15が、周方向に等間隔をおいて形成されている。そして、内周面13の各分離溝15の間には、軸受1の外径の軸心Pに対して偏心し、シャフト2の回転方向Rに向かうにしたがって内周側に縮径していく断面形状の偏心溝16が形成されている。この場合、図示例では分離溝15および偏心溝16はそれぞれ5つ形成されているが、これらは3〜6が好適な数とされる。
偏心溝16の内面とシャフト2の外周面との間の微小隙間は、シャフト2の回転方向に向かうにしたがってしだいに狭小となる断面クサビ状となっている。分離溝15の幅は、図3に示す軸受1の軸心Pを中心とした周方向への角度θで8〜20°に相当する長さとされ、また、その最大深さは0.10mm前後とされる。
軸受1の内周面13と軸孔11に挿入されるシャフト2の軸本体の外周面との間はラジアル側の軸受隙間とされ、軸受1の上端面12とシャフトのフランジとの間はスラスト側の軸受隙間とされ、これらの隙間には潤滑油が供給される。例えば、ラジアル側の軸受隙間は1〜3μm程度に設定され、スラスト側の軸受隙間は5〜10μmに設定される。
上記軸受1によると、軸孔11に挿入されたシャフト2が、図2および図3に示す矢印R方向に回転すると、内周面13の各分離溝15にしみ出して貯留する潤滑油が、効率よくシャフト2に巻き込まれて偏心溝16とシャフト2との間のクサビ状の微小隙間に侵入し、油膜を形成する。この微小隙間に入っていく潤滑油は、微小隙間の狭小側に流動することにより、クサビ効果が生じて高圧となり、高いラジアル動圧が発生する。このように油膜が高圧化する部分は、偏心溝16に応じて周方向に等間隔をおいて発生し、これによってシャフト2のラジアル荷重は、バランスよく、かつ高い剛性をもって支持される。
一方、潤滑油は、軸受1の上端面12に形成されたスパイラル溝14内にもしみ出して貯留され、この潤滑油の一部は、シャフト2の回転によってスパイラル溝14内から出て、上端面12とフランジとの間に油膜を形成する。また、スパイラル溝14内に保持される潤滑油は、スパイラル溝14内の外周側から内周側に向かって流動し、内周側の端部で最も高圧化するスラスト動圧が発生する。そして、そのスラスト動圧をフランジが受けることによってシャフト2が僅かに浮上した状態となり、これによってスラスト荷重がバランスよく、かつ高い剛性をもって支持される。
次に、一実施形態に係る上記軸受1の製造方法を説明する。なお、図4はその製造方法を工程順に示すフロー図である。
[1]圧粉体の成形〜焼結
まず、金属粉からなる原料粉末を圧縮成形し、軸受1に相当するニアネットシェイプの圧粉体を得る。この圧粉体を焼結炉に装入して焼結し、気孔率が8〜20vol%の焼結軸受を素材として得る。
[1]圧粉体の成形〜焼結
まず、金属粉からなる原料粉末を圧縮成形し、軸受1に相当するニアネットシェイプの圧粉体を得る。この圧粉体を焼結炉に装入して焼結し、気孔率が8〜20vol%の焼結軸受を素材として得る。
[2]再圧による寸法調整〜動圧溝形成
次に、得られた焼結軸受を所定の寸法形状の金型内にセットして再圧し、外径、内径および軸方向長さ(高さ)を、必要な寸法精度に仕上げる。続いて、上記スパイラル溝14に応じた凸部を有するコアを用いて、寸法調整した焼結軸受の一方の端面(上記上端面12)にスパイラル溝14を転写して形成する。次に、上記分離溝15および偏心溝16に応じた凸部を有するサイジングコアを用いて、焼結軸受の内周面13に分離溝15および偏心溝16を転写して形成する。
次に、得られた焼結軸受を所定の寸法形状の金型内にセットして再圧し、外径、内径および軸方向長さ(高さ)を、必要な寸法精度に仕上げる。続いて、上記スパイラル溝14に応じた凸部を有するコアを用いて、寸法調整した焼結軸受の一方の端面(上記上端面12)にスパイラル溝14を転写して形成する。次に、上記分離溝15および偏心溝16に応じた凸部を有するサイジングコアを用いて、焼結軸受の内周面13に分離溝15および偏心溝16を転写して形成する。
[3]樹脂含浸
一方の端面にスパイラル溝14が形成され、内周面13に分離溝15および偏心溝16が形成された焼結軸受を真空中で樹脂溶液に浸漬してから大気に開放し、真空と大気圧との圧力差で焼結軸受の気孔に樹脂溶液を含浸させる。含浸させる樹脂としては、ポリグルコールジメタクリレートを主成分とする嫌気性接着剤が好ましく用いられる。この樹脂は、焼結軸受に含浸された後、加熱して硬化させられる。含浸させた樹脂は焼結軸受の全面を覆うように付着するので、樹脂が硬化する前に内周面13を含む表面全面の樹脂を水洗で除去する。
一方の端面にスパイラル溝14が形成され、内周面13に分離溝15および偏心溝16が形成された焼結軸受を真空中で樹脂溶液に浸漬してから大気に開放し、真空と大気圧との圧力差で焼結軸受の気孔に樹脂溶液を含浸させる。含浸させる樹脂としては、ポリグルコールジメタクリレートを主成分とする嫌気性接着剤が好ましく用いられる。この樹脂は、焼結軸受に含浸された後、加熱して硬化させられる。含浸させた樹脂は焼結軸受の全面を覆うように付着するので、樹脂が硬化する前に内周面13を含む表面全面の樹脂を水洗で除去する。
[4]バレル研磨
樹脂含浸により気孔を封孔した焼結軸受を、磁気バレル研磨もしくは電磁バレル研磨に供する。バレル研磨に用いるメディアは、φ0.5mm前後の微細なステンレスピンが好適とされ、多数のメディアが磁気バレル研磨もしくは電磁バレル研磨によって焼結軸受の表面を打撃する。その結果、焼結軸受の、スパイラル溝14が形成された端面、分離溝15および偏心溝16が形成された内周面13を含む焼結軸受の全面がメディアで研磨され、表面に付着して水洗で除去し切れなかった樹脂が完全に除去されて表面が清浄となる。
樹脂含浸により気孔を封孔した焼結軸受を、磁気バレル研磨もしくは電磁バレル研磨に供する。バレル研磨に用いるメディアは、φ0.5mm前後の微細なステンレスピンが好適とされ、多数のメディアが磁気バレル研磨もしくは電磁バレル研磨によって焼結軸受の表面を打撃する。その結果、焼結軸受の、スパイラル溝14が形成された端面、分離溝15および偏心溝16が形成された内周面13を含む焼結軸受の全面がメディアで研磨され、表面に付着して水洗で除去し切れなかった樹脂が完全に除去されて表面が清浄となる。
また、含浸した樹脂が上記嫌気性接着剤であった場合には、加熱硬化させる段階で樹脂の体積が膨張して表面に滲み出て硬化し、若干表面に残る場合がある。また、気孔を樹脂で満たしても、硬化後に常温まで冷却すると樹脂の堆積が収縮して僅かに気孔が残る場合がある。このように、樹脂が表面に残ったり、あるいは逆に気孔が残ったりしても、バレル研磨によって焼結軸受の表面が研磨されることにより、残った樹脂は除去され、また、残った気孔は目潰しされて気孔が完全に封孔される。
[5]樹脂コーティング
バレル研磨した焼結軸受を、コーティング用の樹脂溶液に浸漬するか、あるいは樹脂溶液を全面にスプレーするなどの方法で、焼結軸受の全面を樹脂で被覆し、樹脂コーティング層を形成する。樹脂材料はアクリル系やエポキシ系のものでもよいが、撥油性に優れる速乾性のフッ素樹脂が好ましい。また、寸法精度に影響を与えない観点から、コーティング層の膜厚は5μm以下、好ましくは1μm前後がよい。
バレル研磨した焼結軸受を、コーティング用の樹脂溶液に浸漬するか、あるいは樹脂溶液を全面にスプレーするなどの方法で、焼結軸受の全面を樹脂で被覆し、樹脂コーティング層を形成する。樹脂材料はアクリル系やエポキシ系のものでもよいが、撥油性に優れる速乾性のフッ素樹脂が好ましい。また、寸法精度に影響を与えない観点から、コーティング層の膜厚は5μm以下、好ましくは1μm前後がよい。
以上による本実施形態の焼結動圧軸受の製造方法は、全体的な焼結軸受の寸法調整を再圧で行い、次に、上端面12にスパイラル溝14、内周面13に分離溝15および偏心溝16を同じく再圧で形成し、この後、樹脂含浸による気孔の封孔、バレル研磨(磁気か電磁)、樹脂コーティングといった工程順で焼結動圧軸受を得ている。
この方法によれば、樹脂含浸によって気孔の封孔処理を行うため、ショットブラスト等の機械的打撃で封孔処理を行った場合に比べて、形成したスパイラル溝14、分離溝15および偏心溝16やシャフト2を支持する内周面13等の形状を変形させるおそれがないとともに、気孔が十分に塞がれて動圧の低下が起こらない。また、全ての再圧工程が済んだ後に樹脂含浸するため、再圧用の雄型に樹脂が凝着して焼結軸受の表面から剥離するといった不具合は起こりようがなく、したがってそのような不具合によって寸法精度が低下することがない。また、再圧時には、まだ気孔が樹脂で封孔されていない単なる焼結体の状態であるから、再圧して型抜きした後の、スプリングバックが少なく動圧溝の転写性に優れるといった焼結軸受が備える特性が、そのまま維持される。さらに、樹脂含浸後にバレル研磨を行って表面全面を研磨するため、表面に残った樹脂、あるいは気孔がバレル研磨で除去され、寸法精度が維持される。これらのことにより、気孔が十分に封孔されて動圧低下が効果的に防止されるとともに、寸法精度が向上して高速・高精度の回転性能や低騒音性等の軸受性能がより向上した焼結動圧軸受を得ることができる。
また、バレル研磨によって焼結軸受の表面全面が清浄にされるため、樹脂コーティング層を良好な状態に形成することができる。この種のモータ用焼結動圧軸受は、なじみ性や強度の点から鉄−銅系の金属材料が使用されることが多いが、このような材料は大気中で発錆しやすい。ところが、表面を樹脂コーティングすることにより撥水効果が向上し、効果的に防錆される。
1…焼結動圧軸受
2…シャフト
12…上端面(軸受面)
13…内周面(軸受面)
14…スパイラル溝(動圧溝)
16…偏心溝(動圧溝)
2…シャフト
12…上端面(軸受面)
13…内周面(軸受面)
14…スパイラル溝(動圧溝)
16…偏心溝(動圧溝)
Claims (3)
- 8〜20vol%の気孔率を有する焼結軸受を素材とし、
この焼結軸受を再圧して、全長、外径および内径のうちの少なくとも一つの寸法を調整する寸法調整工程と、
前記焼結軸受を再圧して、該焼結軸受の軸受面に塑性加工によって動圧発生用の動圧溝を設ける動圧溝形成工程と、
前記焼結軸受の、少なくとも前記軸受面に表出する気孔に樹脂を含浸させて該気孔を封孔する樹脂含浸工程と、
前記焼結軸受に対し、磁気バレル研磨もしくは電磁バレル研磨を施して該焼結軸受の全面を研磨するバレル研磨工程とを順次行うことを特徴とする焼結動圧軸受の製造方法。 - 前記バレル研磨工程の後に、前記焼結軸受の全面に樹脂コーティング層を形成することを特徴とする請求項1に記載の焼結動圧軸受の製造方法。
- 前記樹脂コーティング層は、フッ素樹脂により膜厚5μm以下に形成されることを特徴とする請求項2に記載の焼結動圧軸受の製造方法。
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