JP2007231988A - 油圧緩衝器の減衰力調整装置 - Google Patents
油圧緩衝器の減衰力調整装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007231988A JP2007231988A JP2006051188A JP2006051188A JP2007231988A JP 2007231988 A JP2007231988 A JP 2007231988A JP 2006051188 A JP2006051188 A JP 2006051188A JP 2006051188 A JP2006051188 A JP 2006051188A JP 2007231988 A JP2007231988 A JP 2007231988A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rod
- damping force
- push rod
- cam surface
- adjusting rod
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Fluid-Damping Devices (AREA)
Abstract
【課題】 アジャストロッドの単位の回転変化(操作量)に対する減衰力の変化量(調整量)をアジャストロッドの現在の回転位置の関係なく概ね一定にし、ユーザーが減衰力を思い通りにセッティングできるようにすること。
【解決手段】 油圧緩衝器10の減衰力調整装置40において、アジャストロッド51のカム面51Dが軸方向の一端側から中間部まで直線状テーパ面101をなして拡径し、中間部から他端側までR状凸面102をなして拡径するように形成され、プッシュロッド43の基端部45が球状凸面111をなすように形成されるもの。
【選択図】 図2
【解決手段】 油圧緩衝器10の減衰力調整装置40において、アジャストロッド51のカム面51Dが軸方向の一端側から中間部まで直線状テーパ面101をなして拡径し、中間部から他端側までR状凸面102をなして拡径するように形成され、プッシュロッド43の基端部45が球状凸面111をなすように形成されるもの。
【選択図】 図2
Description
本発明は油圧緩衝器の減衰力調整装置に関する。
油圧緩衝器の減衰力調整装置として、特許文献1に記載の如く、中空ピストンロッド内に形成したパイパス油路に弁シートを設け、該弁シートに臨むニードル弁を先端に設けたプッシュロッドを前記中空ピストンロッド内に挿入し、前記ピストンロッドを固定する取付部材に形成した装着孔にアジャストロッドを螺合し、該アジャストロッドの軸方向の一端側から他端側に向けて拡径するカム面に前記プッシュロッドの基端部を当接させ、前記アジャストロッドを螺動させることにより前記カム面を介して前記プッシュロッドを進退させ、前記カム面の大径側に前記プッシュロッドの基端部を当接させたときに前記ニードル弁を前記弁シートに突き当てるものがある。
特開2003-21187
特許文献1の減衰力調整装置では、図7(A)に示す如く、アジャストロッド1のカム面1Aが軸方向の一端側から他端側まで直線状テーパ面をなすように形成され、プッシュロッド2の基端部2Aがアジャストロッド1のカム面1Aと面接触する勾配をもった直線状テーパ面をなすように形成されている。アジャストロッド1を螺動させることによりカム面1Aを介してプッシュロッド2を進退させ、プッシュロッド2の先端のニードル弁によりバイパス油路の弁シートの開口面積を調整し、バイパス油路の通路抵抗に基づく減衰力を調整可能にする。
図7(B)は横軸に油圧緩衝器のピストン速度Vpをとり、縦軸に減衰力Dfをとり、アジャストロッド1の回転位置(螺動位置)を、アジャストロッド1の大径側のカム面1Aがプッシュロッド2の基端部2Aの当接し、ニードル弁が弁シートに突き当てられてバイパス油路を閉じる最大回転位置MAXから、0.5回転ずつ戻し回転されてバイパス油路を開いたときの減衰力Dfの変化を示したものである。MAXは最大回転時の減衰力、−0.5は0.5回転戻し時の減衰力・・・−2.5は2.5回転戻し回転時の減衰力を示す。
アジャストロッド1の回転位置を0.5回転の一定回転数ずつ変化させたとき、アジャストロッド1の単位の回転変化に対するプッシュロッド2の進退変化量は一定になるが、図7(B)に示す如く、アジャストロッド1の単位の回転変化に対する減衰力Df変化量ΔDfはアジャストロッド1の回転位置によって均等にならない。即ち、アジャストロッド1が最大回転位置(MAX)の側にあるときのアジャストロッド1の単位の回転変化に対する減衰力Dfの変化量ΔDf0(図7(B))は、アジャストロッド1が他の回転位置(−0.5〜−2.5)の側にあるときのアジャストロッド1の単位の回転変化に対する減衰力Dfの変化量ΔDfより大きい。このことは、アジャストロッド1の単位の回転変化(操作量)に対する減衰力の変化量(調整量)がアジャストロッド1の現在の回転位置によって一定にならず、ユーザーが減衰力を思い通りにセッティングすることに困難があることを意味する。
本発明の課題は、アジャストロッドの単位の回転変化(操作量)に対する減衰力の変化量(調整量)をアジャストロッドの現在の回転位置の関係なく概ね一定にし、ユーザーが減衰力を思い通りにセッティングできるようにすることにある。
請求項1の発明は、中空ピストンロッド内に形成したパイパス油路に弁シートを設け、該弁シートに臨むニードル弁を先端に設けたプッシュロッドを前記中空ピストンロッド内に挿入し、前記ピストンロッドを固定する取付部材に形成した装着孔にアジャストロッドを螺合し、該アジャストロッドの軸方向の一端側から他端側に向けて拡径するカム面に前記プッシュロッドの基端部を当接させ、前記アジャストロッドを螺動させることにより前記カム面を介して前記プッシュロッドを進退させ、前記カム面の大径側に前記プッシュロッドの基端部を当接させたときに前記ニードル弁を前記弁シートに突き当てるようにした油圧緩衝器の減衰力調整装置において、前記アジャストロッドのカム面が軸方向の一端側から中間部まで直線状テーパ面をなして拡径し、中間部から他端側までR状凸面をなして拡径するように形成され、前記プッシュロッドの基端部が球状凸面をなすように形成されるようにしたものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記アジャストロッドのカム面を構成する直線状テーパ面がアジャストロッドの軸方向に対する勾配を45度以下にするようにしたものである。
(請求項1)
(a)アジャストロッドのカム面であって、プッシュロッドの基端部に当接し、ニードル弁を弁シートに突き当ててバイパス油路を閉じるようにする大径側のカム面を、R状凸面にした。アジャストロッドの単位の回転変化によるR状凸面(カム面)の単位の軸方向移動量により進退せしめられるプッシュロッドの進退変化量は、直線状テーパ面のカム面により進退せしめられるものに比して小さい。従って、アジャストロッドが最大回転位置(MAX)にあってアジャストロッドのR状凸面のカム面がプッシュロッドの基端部に当接する側にあるときの、アジャストロッドの単位の回転変化によるプッシュロッドの進退変化量を上述の如くに小さくし、結果として、そのときの減衰力Dfの変化量ΔDf0(図6(B))を、アジャストロッドが他の回転位置(−0.5〜−2.5)の側にあるときの減衰力Dfの変化量のΔDfと概ね同等にすることができる。即ち、アジャストロッドの単位の回転変化(操作量)に対する減衰力の変化量(調整量)をアジャストロッドの現在の回転位置に関係なく概ね一定にすることができる。ユーザーが減衰力を思い通りにセッティングすることができるようになる。
(a)アジャストロッドのカム面であって、プッシュロッドの基端部に当接し、ニードル弁を弁シートに突き当ててバイパス油路を閉じるようにする大径側のカム面を、R状凸面にした。アジャストロッドの単位の回転変化によるR状凸面(カム面)の単位の軸方向移動量により進退せしめられるプッシュロッドの進退変化量は、直線状テーパ面のカム面により進退せしめられるものに比して小さい。従って、アジャストロッドが最大回転位置(MAX)にあってアジャストロッドのR状凸面のカム面がプッシュロッドの基端部に当接する側にあるときの、アジャストロッドの単位の回転変化によるプッシュロッドの進退変化量を上述の如くに小さくし、結果として、そのときの減衰力Dfの変化量ΔDf0(図6(B))を、アジャストロッドが他の回転位置(−0.5〜−2.5)の側にあるときの減衰力Dfの変化量のΔDfと概ね同等にすることができる。即ち、アジャストロッドの単位の回転変化(操作量)に対する減衰力の変化量(調整量)をアジャストロッドの現在の回転位置に関係なく概ね一定にすることができる。ユーザーが減衰力を思い通りにセッティングすることができるようになる。
(b)アジャストロッドの上述(a)のカム面に当接するプッシュロッドの基端部を球状凸面にした。アジャストロッドの単位の回転変化によるR状凸面(カム面)の単位の軸方向移動量により進退せしめられるプッシュロッドの進退変化量は、カム面に当接するプッシュロッドの基端部が直線状テーパ面をなすものに比して、球状凸面をなすものにおいて一層小さくなる。これにより、アジャストロッドの単位の回転変化(操作量)に対する減衰力の変化量(調整量)をアジャストロッドの現在の回転位置に関係なくより一定にすることができる。
(請求項2)
(c)アジャストロッドのカム面を構成する直線状テーパ面がアジャストロッドの軸方向に対する勾配を45度以下にする。従って、アジャストロッドの軸方向の操作力のうち、プッシュロッドの軸直角方向に作用する力を小さくし、プッシュロッドのかじりを防止できる。
(c)アジャストロッドのカム面を構成する直線状テーパ面がアジャストロッドの軸方向に対する勾配を45度以下にする。従って、アジャストロッドの軸方向の操作力のうち、プッシュロッドの軸直角方向に作用する力を小さくし、プッシュロッドのかじりを防止できる。
図1は油圧緩衝器を示す断面図、図2は減衰力調整装置を示す断面図、図3はプッシュロッドを示す正面図、図4はアジャストロッドを示す正面図、図5はプッシュロッドとアジャストロッドの形状を示す拡大図、図6は本発明によるアジャストロッドの回転位置とそのときの減衰力を示す線図、図7は従来例によるアジャストロッドの回転位置とそのときの減衰力を示す線図である。
油圧緩衝器10は、図1に示す如く、シリンダ11に中空ピストンロッド12を挿入し、シリンダ11とピストンロッド12の外側部に懸架スプリング13を介装する。
シリンダ11は車体側取付部材14を備え、ピストンロッド12にロックナット15Aとともに車軸側取付部材15を備える。シリンダ11の外周部にはばね受け17がストッパ17Aを介して取着され、ピストンロッド12にはばね受け18が固定されており、ばね受け17とばね受け18のシート18Aの間に懸架スプリング13を介装している。懸架スプリング13の弾発力が、車両が路面から受ける衝撃力を吸収する。ばね受け18のシート18Aにはダストカバー19が一体成形され、ダズトカバー19の先端に設けられるダストシール19Aがシリンダ11の外周に摺接する。
シリンダ11はピストンロッド12が貫通するロッドガイド21を備える。ロッドガイド21は、Oリング22を介してシリンダ11に液密に挿着されるとともに、オイルシール23、ブッシュ24、ダストシール25を備える内径部にピストンロッド12を液密に摺動自在としている。尚、シリンダ11は、ロッドガイド21の外側に圧側減衰バンパ26を備え、最圧縮時に、ピストンロッド12が備えるバンパストッパ27にこの圧側減衰バンパ26を衝合して最圧縮ストロークを規制可能としている。また、シリンダ11は、ロッドガイド21の内側にワッシャ28A、伸側バンプラバー28を備えている。
油圧緩衝器10は、ピストンバルブ装置(圧側減衰及び伸側減衰力発生装置)30を有している。油圧緩衝器10は、ピストンバルブ装置30が発生する減衰力により、懸架スプリング13による衝撃力の吸収に伴うシリンダ11とピストンロッド12の伸縮振動を抑制する。
ピストンバルブ装置30は、シリンダ11に挿入されたピストンロッド12の先端部にバルブストッパ31、圧側減衰バルブ32、ピストン33、伸側減衰バルブ34、バルブストッパ35を装着し、これらをナット36で固定してある。
ピストン33は、外周部に備えたOリング、ピストンリングを介してシリンダ11の内部を液密に摺接し、シリンダ11の内部をピストンロッド12が収容されないピストン側油室38Aと、ピストンロッド12が収容されるピストンロッド側油室38Bとに区画する。ピストン33は、圧側減衰バルブ32を備えてピストン側油室38Aとピストンロッド側油室38Bとを連通可能とする圧側流路32Aと、伸側減衰バルブ34を備えてピストン側油室38Aとピストンロッド側油室38Bとを連通可能とする伸側流路34A(不図示)とを備える。
また、ピストンバルブ装置30は、減衰力調整装置40を有している。
減衰力調整装置40は、ピストンロッド12の中空部により、ピストン33をバイパスしてピストン側油室38Aとピストンロッド側油室38Bを連通可能とするバイパス油路41を形成し、このバイパス油路41をピストン側油室38Aに開口する縦孔41Aとピストンロッド側油室38Bに開口する横孔41Bにより形成している。減衰力調整装置40は、バイパス油路41の縦孔41Aの開放端に弁シート42を設け、弁シート42に臨むニードル弁43Aを先端に形成したプッシュロッド43を、ピストンロッド12の中空部に軸方向進退自在に、且つOリング44を介して液密に挿入し、ニードル弁43Aにより弁シート42の開口面積を調整可能とする。
プッシュロッド43は、その基端部45をピストンロッド12から取付部材15の側に延在している。そして、プッシュロッド43は、ピストン側油室38Aの油圧に基づくスラスト力により、その基端部45をアジャストロッド51に当接する方向に突出せしめられている。
アジャストロッド51は、ピストンロッド12の外端部に固定されている取付部材15に設けられ、プッシュロッド43の軸方向に交差する方向に穿設された装着孔52に螺着されて外部から螺動操作可能に支持され、プッシュロッド43の基端部45に直接当接して該プッシュロッド43を軸方向に進退させ、プッシュロッド43のニードル弁43Aによりバイパス油路41の弁シート42の開口面積を調整し、伸び側減衰力を調整可能とする。
具体的には、減衰力調整装置40は、図2に示す如く、装着孔52を、一端側を開口し、他端側を閉塞する有底状に形成している。そして、アジャストロッド51は、装着孔52の大径孔52Aから挿入され、基端の溝付操作部53を備えた大径支持部51Aを該大径孔52AにOリング54を介して液密に枢支され、先端の中径左ねじ部(中径支持部)51Bを装着孔52の中径ねじ孔52Bに螺着され、大径支持部51Aとねじ部51Bの間に小径連結部51Cとカム面51Dを備え、カム面51Dに続く大径外周部51Eを装着孔52の大径孔52A(大径孔52Aの同径延長部分であるガイド孔)に沿って摺動可能としてプッシュロッド43の基端部45に当接せしめる。
このとき、減衰力調整装置40は、装着孔52内でプッシュロッド43の基端部45より該装着孔52の閉塞端側に、アジャストロッド51のカム面51Dを配置し、アジャストロッド51のカム面51Dをプッシュロッド43の基端部45に当接することにより、アジャストロッド51を装着孔52から抜け止めする。
これにより、アジャストロッド51は、溝付操作部53に係入せしめられる工具により回転されて螺動され、カム面51Dの変位によりプッシュロッド43を軸方向に進退する。ねじ部51Bが左ねじであるから、アジャストロッド51の右回転により、プッシュロッド43をカム面51Dにより前進させてニードル弁43Aの開度を閉じ方向に調整し、減衰力を増大させる。
尚、減衰力調整装置40は、装着孔52の大径孔52Aとねじ孔52Bの境界部に、装着孔52の閉塞端側を小径とする段部55を備え、アジャストロッド51のカム面51Dの背面を上記段部55に当接することにより、アジャストロッド51の装着孔52への押し込み端を規制する。
また、油圧緩衝器10は、図1に示す如く、シリンダ11のピストン側油室38Aに対し体積補償室60を区画する隔壁部材61を備える。隔壁部材61は、シリンダ11の内径に設けた突条部62に固定的に保持される。体積補償室60は、油溜室60Aと、この油溜室60Aとフリーピストン64(タイヤフラムでも可)により区画される気体室60Bとからなり、ピストン側油室38Aと油溜室60Aとを連通する連通路65が隔壁部材61の中心軸上に穿設されている。
従って、油圧緩衝器10は以下の如くに減衰作用を行なう。
(圧縮時)
ピストン側油室38Aの油が圧側減衰流路32Aを通ってピストンロッド側油室38Bに流れ、この油が圧側減衰バルブ32を撓み変形させて圧側の減衰力を得る。これに続き、シリンダ11に進入したピストンロッド12の進入容積分の油が余剰になり、この余剰油がピストン側油室38Aから隔壁部材61の連通路65を通って体積補償室60の油溜室60Aに排出されるものとなる。
(圧縮時)
ピストン側油室38Aの油が圧側減衰流路32Aを通ってピストンロッド側油室38Bに流れ、この油が圧側減衰バルブ32を撓み変形させて圧側の減衰力を得る。これに続き、シリンダ11に進入したピストンロッド12の進入容積分の油が余剰になり、この余剰油がピストン側油室38Aから隔壁部材61の連通路65を通って体積補償室60の油溜室60Aに排出されるものとなる。
(伸長時)
シリンダ11とピストンロッド12の相対速度が低速のとき、ピストンロッド側油室38Bの油がプッシュロッド43のニードル弁43Aにより開度調整されているバイバス油路41の弁シート42を通ってピストン側油室38Aに流れ、この間のバイパス油路41の通路抵抗により伸側減衰力を得る。また、シリンダ11とピストンロッド12の相対速度が中高速のとき、ピストンロッド側油室38Bの油が伸側流路34Aを通り、伸側減衰バルブ34を撓み変形させてピストン側油室38Aへ流れ、伸側の減衰力を得る。そしてこのとき、シリンダ11から退出するピストンロッド12の退出体積分の油が不足し、この不足油が体積補償室60の油溜室60Aから隔壁部材61の連通路65を通って、ピストン側油室38Aへ速やかに補給される。
これらの圧縮側と伸長側の減衰力により、油圧緩衝器10の伸縮振動が抑制される。
シリンダ11とピストンロッド12の相対速度が低速のとき、ピストンロッド側油室38Bの油がプッシュロッド43のニードル弁43Aにより開度調整されているバイバス油路41の弁シート42を通ってピストン側油室38Aに流れ、この間のバイパス油路41の通路抵抗により伸側減衰力を得る。また、シリンダ11とピストンロッド12の相対速度が中高速のとき、ピストンロッド側油室38Bの油が伸側流路34Aを通り、伸側減衰バルブ34を撓み変形させてピストン側油室38Aへ流れ、伸側の減衰力を得る。そしてこのとき、シリンダ11から退出するピストンロッド12の退出体積分の油が不足し、この不足油が体積補償室60の油溜室60Aから隔壁部材61の連通路65を通って、ピストン側油室38Aへ速やかに補給される。
これらの圧縮側と伸長側の減衰力により、油圧緩衝器10の伸縮振動が抑制される。
尚、油圧緩衝器10の最圧縮時には、シリンダ11の側のバンパ26とピストンロッド12の側のバンパストッパ27との衝合により最圧縮時の緩衝作用を果たす。また、油圧緩衝器10の最伸長時には、シリンダ11の側のバンパラバー28とピストンロッド12の側のバルブストッパ31との衝合により、伸び切り時の緩衝作用を果たす。
以下、減衰力調整装置42において、ユーザーが減衰力を思い通りにセッティング可能にするための、アジャストロッド51のカム面51Dと、プッシュロッド43の基端部45の形状について説明する。
減衰力調整装置40において、アジャストロッド51のカム面51Dは、アジャストロッド51の軸方向の一端側(大径支持部51A及び小径連結部51Cの側)から他端側(ねじ部51Bの側)に向けて漸次拡径するように形成される。そして、カム面51Dの大径側にプッシュロッド43の基端部45を当接させたときに、ニードル弁43Aをバイパス油路41の弁シート42に突き当てるように構成する。
更に、アジャストロット51のカム面51Dは、図4、図5、図6(A)に示す如く、上述した軸方向の一端側から中間部まで直線状テーパ面101をなして拡径し、中間部から他端側までR状凸面(R)102をなして拡径するように形成される。直線状テーパ面101がアジャストロッド51の軸方向に対する勾配(a)は45度以下、本実施例では45度に設定される。直線状テーパ面101とR状凸面102は滑らかに連続せしめられる。アジャストロッド51の大径外周部51Eは、R状凸面102の最大径を外径とする真直状をなし、装着孔52の大径孔52Aに摺接する。
また、プッシュロッド43の基端部45は、図3、図5、図6(A)に示す如く、球状凸面(SR)111をなす。
図6(B)は横軸に油圧緩衝器10のピストン速度Vpをとり、縦軸に減衰力Dfをとり、アジャストロッド51の回転位置(螺動位置)を、アジャストロッド51の大径側のカム面51D(R状凸面102)がプッシュロッド43の基端部45(球状凸面111)に当接し、ニードル弁43Aが弁シート42に突き当てられてバイパス油路41を閉じる最大回転位置MAXから、0.5回転ずつ戻り回転させてバイパス油路41を開いたときの減衰力Dfの変化を示したものである。MAXは最大回転時の減衰力、−0.5は0.5回転戻し回転時の減衰力・・・−2.5は2.5回転戻し回転時の減衰力を示す。
アジャストロッド51の回転位置を0.5回転の一定回転数ずつ変化させたとき、(a)アジャストロッド51が最大回転位置(MAX)の側にあるとき(プッシュロッド43の基端部45とカム面51DのR状凸面102との当接域)には、アジャストロッド51が最大回転方向に回転されるに従い、アジャストロッド51の単位の回転変化に対するプッシュロッド43の進退変化量が低減し、(b)アジャストロッド51が他の回転位置(−0.5〜−2.5)の側にあるとき(プッシュロッド43の基端部45とカム面51Dの直線状テーパ面101との当接域)には、アジャストロッド51の単位の回転変化に対するプッシュロッド43の進退変化量が一定になる。そして、図6(B)に示す如く、アジャストロッド51の単位の回転変化に対する減衰力Dfの変化量ΔDfはアジャストロッド51の回転位置に対して概ね均等になる。即ち、アジャストロッド51が最大回転位置(MAX)の側にあるときのアジャストロッド51の単位の回転変化に対する減衰力Dfの変化量ΔDf0(図6(B))と、アジャストロッド51が他の回転位置(−0.5〜−2.5)の側にあるときのアジャストロッド51の単位の回転変化に対する減衰力Dfの変化量ΔDfが概ね同等になる。
従って、本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)アジャストロッド51のカム面51Dであって、プッシュロッド43の基端部45に当接し、ニードル弁43Aを弁シート42に突き当ててバイパス油路41を閉じるようにする大径側のカム面51Dを、R状凸面102にした。アジャストロッド51の単位の回転変化によるR状凸面102(カム面51D)の単位の軸方向移動量により進退せしめられるプッシュロッド43の進退変化量は、直線状テーパ面101のカム面51Dにより進退せしめられるものに比して小さい。従って、アジャストロッド51が最大回転位置(MAX)にあってアジャストロッド51のR状凸面102のカム面51Dがプッシュロッド43の基端部45に当接する側にあるときの、アジャストロッド51の単位の回転変化によるプッシュロッド43の進退変化量を上述の如くに小さくし、結果として、そのときの減衰力Dfの変化量ΔDf0(図6(B))を、アジャストロッド51が他の回転位置(−0.5〜−2.5)の側にあるときの減衰力Dfの変化量のΔDfと概ね同等にすることができる。即ち、アジャストロッド51の単位の回転変化(操作量)に対する減衰力の変化量(調整量)をアジャストロッド51の現在の回転位置に関係なく概ね一定にすることができる。ユーザーが減衰力を思い通りにセッティングすることができるようになる。
(a)アジャストロッド51のカム面51Dであって、プッシュロッド43の基端部45に当接し、ニードル弁43Aを弁シート42に突き当ててバイパス油路41を閉じるようにする大径側のカム面51Dを、R状凸面102にした。アジャストロッド51の単位の回転変化によるR状凸面102(カム面51D)の単位の軸方向移動量により進退せしめられるプッシュロッド43の進退変化量は、直線状テーパ面101のカム面51Dにより進退せしめられるものに比して小さい。従って、アジャストロッド51が最大回転位置(MAX)にあってアジャストロッド51のR状凸面102のカム面51Dがプッシュロッド43の基端部45に当接する側にあるときの、アジャストロッド51の単位の回転変化によるプッシュロッド43の進退変化量を上述の如くに小さくし、結果として、そのときの減衰力Dfの変化量ΔDf0(図6(B))を、アジャストロッド51が他の回転位置(−0.5〜−2.5)の側にあるときの減衰力Dfの変化量のΔDfと概ね同等にすることができる。即ち、アジャストロッド51の単位の回転変化(操作量)に対する減衰力の変化量(調整量)をアジャストロッド51の現在の回転位置に関係なく概ね一定にすることができる。ユーザーが減衰力を思い通りにセッティングすることができるようになる。
(b)アジャストロッド51の上述(a)のカム面51Dに当接するプッシュロッド43の基端部45を球状凸面111にした。アジャストロッド51の単位の回転変化によるR状凸面102(カム面51D)の単位の軸方向移動量により進退せしめられるプッシュロッド43の進退変化量は、カム面51Dに当接するプッシュロッド43の基端部45が直線状テーパ面101をなすものに比して、球状凸面111をなすものにおいて一層小さくなる。これにより、アジャストロッド51の単位の回転変化(操作量)に対する減衰力の変化量(調整量)をアジャストロッド51の現在の回転位置に関係なくより一定にすることができる。
(c)アジャストロッド51のカム面51Dを構成する直線状テーパ面101がアジャストロッド51の軸方向に対する勾配を45度以下にする。従って、アジャストロッド51の軸方向の操作力のうち、プッシュロッド43の軸直角方向に作用する力を小さくし、プッシュロッド43のかじりを防止できる。
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
10 油圧緩衝器
11 シリンダ
12 中空ピストンロッド
14 取付部材
40 減衰力調整装置
41 バイパス油路
42 弁シート
43 プッシュロッド
43A ニードル弁
45 基端部
51 アジャストロッド
51D カム面
101 直線状テーパ面
102 R状凸面
111 球状凸面
11 シリンダ
12 中空ピストンロッド
14 取付部材
40 減衰力調整装置
41 バイパス油路
42 弁シート
43 プッシュロッド
43A ニードル弁
45 基端部
51 アジャストロッド
51D カム面
101 直線状テーパ面
102 R状凸面
111 球状凸面
Claims (2)
- 中空ピストンロッド内に形成したパイパス油路に弁シートを設け、該弁シートに臨むニードル弁を先端に設けたプッシュロッドを前記中空ピストンロッド内に挿入し、前記ピストンロッドを固定する取付部材に形成した装着孔にアジャストロッドを螺合し、該アジャストロッドの軸方向の一端側から他端側に向けて拡径するカム面に前記プッシュロッドの基端部を当接させ、前記アジャストロッドを螺動させることにより前記カム面を介して前記プッシュロッドを進退させ、前記カム面の大径側に前記プッシュロッドの基端部を当接させたときに前記ニードル弁を前記弁シートに突き当てるようにした油圧緩衝器の減衰力調整装置において、
前記アジャストロッドのカム面が軸方向の一端側から中間部まで直線状テーパ面をなして拡径し、中間部から他端側までR状凸面をなして拡径するように形成され、
前記プッシュロッドの基端部が球状凸面をなすように形成されることを特徴とする油圧緩衝器の減衰力調整装置。 - 前記アジャストロッドのカム面を構成する直線状テーパ面がアジャストロッドの軸方向に対する勾配を45度以下にする請求項1に記載の油圧緩衝器の減衰力調整装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006051188A JP2007231988A (ja) | 2006-02-27 | 2006-02-27 | 油圧緩衝器の減衰力調整装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006051188A JP2007231988A (ja) | 2006-02-27 | 2006-02-27 | 油圧緩衝器の減衰力調整装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007231988A true JP2007231988A (ja) | 2007-09-13 |
Family
ID=38552800
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006051188A Withdrawn JP2007231988A (ja) | 2006-02-27 | 2006-02-27 | 油圧緩衝器の減衰力調整装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007231988A (ja) |
-
2006
- 2006-02-27 JP JP2006051188A patent/JP2007231988A/ja not_active Withdrawn
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2009079710A (ja) | 油圧緩衝器の減衰力調整構造 | |
JP2008057590A (ja) | フロントフォーク | |
JP6807266B2 (ja) | 油圧緩衝器 | |
JP2008248955A (ja) | 緩衝器および緩衝器の組立工具 | |
JP2009156348A (ja) | 油圧緩衝器 | |
JP2008057637A (ja) | 油圧緩衝器 | |
EP1521918B1 (en) | Hydraulic vehicle shock absorber | |
JP4965490B2 (ja) | 油圧緩衝器 | |
JP4869718B2 (ja) | 油圧緩衝器の減衰力発生装置 | |
JP2006177531A (ja) | 油圧緩衝器 | |
JP2002295566A (ja) | 減衰力調整式油圧緩衝器 | |
JP2007231988A (ja) | 油圧緩衝器の減衰力調整装置 | |
JP2007146947A (ja) | 油圧緩衝器 | |
CN110869638B (zh) | 液压缓冲器 | |
JP4341802B2 (ja) | 油圧緩衝器とそのばね荷重調整方法 | |
JP2006144862A (ja) | 油圧緩衝器 | |
JP4059669B2 (ja) | 油圧緩衝器の減衰力調整装置 | |
JP2022133840A (ja) | 緩衝器 | |
JP2009078721A (ja) | 油圧緩衝器 | |
JP4709434B2 (ja) | 油圧緩衝器の減衰力調整装置 | |
JP4833955B2 (ja) | 空圧緩衝器 | |
JP4115868B2 (ja) | 車両用油圧緩衝器の減衰力調整装置 | |
JP6546453B2 (ja) | 減衰バルブおよび緩衝器 | |
JP2010038171A (ja) | 油圧緩衝器 | |
JP2016176543A (ja) | 減衰力発生装置及び緩衝器 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20090512 |