JP2007230905A - (メタ)アクリル酸エステルの回収方法 - Google Patents

(メタ)アクリル酸エステルの回収方法 Download PDF

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Abstract

【課題】(メタ)アクリル樹脂を分解して高純度の(メタ)アクリル酸エステルを高収率、高生産性で回収する方法を提供する。
【解決手段】
(メタ)アクリル酸エステル単位を50質量%以上含む(メタ)アクリル樹脂を、大気圧下での沸点が250℃以上である溶媒に溶解もしくは膨潤させた樹脂含有液に、マイクロ波を照射する、(メタ)アクリル酸エステルの回収方法であり、(メタ)アクリル樹脂が、メタクリル酸メチル単位を80質量%以上含むことが好ましく、溶媒が、ジベンジルトルエン、o−ターフェニル、m−ターフェニル、p−ターフェニルのいずれかであることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は(メタ)アクリル酸エステルの回収方法に関する。さらに詳しくは(メタ)アクリル樹脂を分解して得られる、(メタ)アクリル酸エステルの回収方法に関する。
(メタ)アクリル樹脂を加熱分解することにより、その樹脂を構成するモノマーを回収する方法として、以下のものが公知である。
特許文献1では、樹脂の粉砕物を熱分解釜で加熱分解させてモノマーを回収する方法が開示されている。
特許文献2では、分解釜の変わりに押出機を利用する方法が開示されている。
特許文献3では、媒体として溶融鉛を利用する方法が開示されている。
特許文献4では、樹脂を溶媒に膨潤または溶解させた後、加熱分解しモノマーを回収する方法が開示されている。
特許文献5では、固体、ゲル、部分溶融、または溶融状態の樹脂にマイクロ波を照射する方法や、固体、ゲル、部分溶融、または溶融状態の樹脂にマイクロ波吸収体を混合して、マイクロ波を照射する方法が開示されている。
非特許文献1では、媒体として無機の固体粉末を用い流動床を利用して熱分解する方法が記載されている。
前記従来の方法の中で、特許文献1、非特許文献1はポリマー分解の際の温度コントロールが十分でなく、生産性を向上させるため加熱温度を高温にすればするほど、局所的な高温領域の発生や使用する無機物の触媒作用に伴う副反応が生じるため、モノマー純度の低下の問題や、不純物の増加の問題があった。純度の高いモノマーを得るには蒸留等の精製工程の負荷が大きく、処理コストが増大する問題があった。
又、特許文献2の方法は温度コントロールや分解場の均一化といった意味では優れた方法であるが、押出機内で流動するいわゆる成形材料グレードの比較的低分子量の樹脂にしか適用できず、(メタ)アクリル樹脂の主用途の1つである看板等に使用されている、いわゆるキャスト製板法にて作製された高分子量の(メタ)アクリル樹脂には適用できない。
特許文献3の方法はこれまで最も多く採用されてきたモノマー回収技術であるが、鉛公害のリスクがあり、その使用は好ましくない。
特許文献4は、樹脂を溶媒に膨潤または溶解させた後、加熱分解しモノマーを回収する方法であるが、その加熱方法についての詳細な記載がなく、実施例においては、マントルヒータを使用している。本文献に示す方法は、樹脂分解に要する熱の全量を反応容器の外部から供給する方法である。この方法は反応容器が小さい時には適用できるが、大きな反応容器の場合には適用できない。なぜなら、反応容器の表面積(Sと記載)と反応容器の容積(Vと記載)の比S/Vは、反応容器を相似形でスケールアップした時、スケールアップと共に小さくなる問題があった。すなわち、この方法で大量の樹脂を分解して(メタ)アクリル酸エステルを回収しようとする場合には、生産性の低下の問題があった。また、生産性を上げるために、加熱面の温度を過度に上げると、反応容器の加熱面が局所的に温度が高くなるので、不純物の増加の問題があった。
特許文献5の方法は、特許文献1、非特許文献1の持つ問題点をある程度軽減はできるが、固体、ゲル、部分溶融、または溶融状態の樹脂に限定されるため、流動性が不十分であり、全体を均一に温度制御することが十分である問題があった。また、温度の不均一性に由来する不純物の増加の問題があった。全体の温度を均一にする目的で全体を撹拌をしようとしても、樹脂が固体、ゲル、部分溶融、または溶融状態であるので、撹拌が実質的にできない問題があった。
また、マイクロ波吸収体を併用することによる副反応の発生等の問題があった。
米国特許USP2030901号公報 ドイツ特許DE3146194号公報 特公昭47−41886号公報 特開2000−327831号公報 特表2000−516274号公報 Journal of Analytical and Applied Pyrolysis 、19号(1991年)、311〜318ページ
本発明が解決しようとする課題は、(メタ)アクリル樹脂を分解して(メタ)アクリル酸エステルを回収する方法であって、工業的に実施可能である、高純度の(メタ)アクリル酸エステルを高収率で、高い生産性で回収する方法を提供することである。
本発明は、(メタ)アクリル酸エステル単位を50質量%以上含む(メタ)アクリル樹脂を、大気圧下での沸点が250℃以上である溶媒に溶解もしくは膨潤させた樹脂含有液に、マイクロ波を照射して(メタ)アクリル樹脂を分解し、得られた(メタ)アクリル酸エステルを分離する(メタ)アクリル酸エステルの回収方法である。
本願発明によって、(メタ)アクリル樹脂を分解して高純度の(メタ)アクリル酸エステルを高収率、高生産性で回収することができる。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明に使用される(メタ)アクリル樹脂は、(メタ)アクリル酸エステル単位を50質量%以上含む樹脂である。なお、「(メタ)アクリル」とは、「メタクリル」、及び「アクリル」を示す。
(メタ)アクリル酸エステル単位を50質量%以上含む樹脂とすることにより、高収率でその樹脂を構成する(メタ)アクリル酸エステルを回収できるので好ましい。
特に、(メタ)アクリル樹脂がメタクリル酸メチル単位を80質量%以上含む場合、メタクリル酸メチルを高効率で回収できるので好ましい。
アクリル酸エステルとして、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルが例示される。メタクリル酸エステルとして、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルが例示される。
(メタ)アクリル樹脂に含まれる(メタ)アクリル酸エステル以外の単位としては、これと共重合可能な単量体単位であれば特に限定されない。例えば、アクリル酸、メタクリル酸、スチレン、アクリロニトリル、等が例示される。
(メタ)アクリル樹脂は、他の樹脂とブレンドされた物であっても良い。
また、(メタ)アクリル樹脂は、染料や顔料及び各種フィラーや添加剤を含んでいても良い。
本発明に使用する溶媒は、(メタ)アクリル樹脂を溶解もしくは膨潤させることができるものであり、その大気圧での沸点が250℃以上である溶媒である。ここでいう膨潤とは、(メタ)アクリル樹脂が溶媒を取り込んで体積が増加し、粘調な固体となることを意味する。
前記溶媒を用いて(メタ)アクリル樹脂を溶解もしくは膨潤させ樹脂含有液とすることにより、(メタ)アクリル樹脂の分子の運動が活発になり、マイクロ波の吸収が向上する。
また、(メタ)アクリル樹脂の分解温度は一般に250℃以上であるので、大気圧での沸点が250℃以上である溶媒を使用することにより、大気圧下で(メタ)アクリル樹脂の分解ができ、(メタ)アクリル酸エステルを回収できる。
(メタ)アクリル樹脂を溶解もしくは膨潤させ、沸点(大気圧)が250℃以上である溶媒の具体例として、アルキルナフタレン系溶媒、アルキルビフェニール系溶媒、ビフェニール/ジフェニールオキサイド系溶媒、ベンジルトルエン系溶媒、ジベンジルトルエン系溶媒、ターフェニル系溶媒、テトラフェニル系溶媒、重質アルキルベンゼン系溶媒、シリコーンオイル系溶媒が例示される。
アルキルナフタレン系溶媒として、イソプロピルナフタレンが例示される。イソプロピルナフタレンの商品として、KSK−oil 260(沸点 266℃、綜研化学(株))、KSK−oil 280(沸点 303℃、綜研化学(株))が例示される。
アルキルビフェニール系溶媒として、イソプロピルビフェニールが例示される。イソプロピルビフェニールの商品として、NeO SK−oil 330(沸点 331℃、綜研化学(株))が例示される。
ビフェニール/ジフェニールオキサイド系溶媒として、ダウサームA(沸点257℃、綜研化学(株))、サームエス300(沸点 257℃、新日鐵化学(株))が挙げられる。
ベンジルトルエン系溶媒として、NeO SK−oil 1300(沸点 291℃、綜研化学(株))が挙げられる。
ジベンジルトルエン系溶媒として、NeO SK−oil 1400(沸点 391℃、綜研化学(株))、バーレムサーム400(沸点 390℃、松村石油(株))が挙げられる。
ターフェニル系溶媒として、o−ターフェニル(沸点 337℃、アルドリッチ社製、品番T2800),m−ターフェニル(沸点 379℃、アルドリッチ社製、品番T3009),p−ターフェニル(沸点 383℃、アルドリッチ社製、品番T3203)、部分水素化ターフェニル(沸点 364℃、サームエス900、新日鐵化学(株))が例示される。
重質アルキルベンゼン系溶媒として、バーレルサーム200(沸点 382℃、松村石油(株))が挙げられる。
シリコーンオイル系溶媒として、ジメチルシリコーンオイル(明確な沸点を有しない。約−50℃〜約300℃で液体状態であるので、実質的に沸点は300℃以上と考えられる。)、フェニルメチルシリコーンオイル(明確な沸点を有しない。約−50℃〜約300℃で液体状態であるので、実質的に沸点は300℃以上と考えられる。)が例示される。
上記以外の溶媒として、アントラセン(沸点を有しない)が例示される。
溶媒は1種類で使用しても良いし、2種類以上混合して利用しても良い。
(メタ)アクリル樹脂を溶解もしくは膨潤させ、沸点(大気圧)が250℃以上である溶媒の中でも、特に、ジベンジルトルエン、o−ターフェニル、m−ターフェニル、p−ターフェニルが好ましい。これらの溶媒は、耐熱性が高く、(メタ)アクリル樹脂の分解に長時間使用できる優位点がある。また、これらの溶媒は、(メタ)アクリル樹脂や(メタ)アクリル樹脂の分解生成物と反応しない、或いは反応しにくいので、高純度、且つ高生産性で、(メタ)アクリル酸エステルを回収できるので好ましい。
前記溶媒に溶解もしくは膨潤させて得られた樹脂含有液に、マイクロ波を照射して(メタ)アクリル樹脂を分解し、得られた(メタ)アクリル酸エステルを分離する。
本発明に使用されるマイクロ波の波長は1mm〜1mであり、周波数は300MHz〜300GHzである。特に、工業的には、ISM(Industrial Scientific and Medical Use)周波数帯として国際的に定められている周波数、915MHz、2450MHz、5800MHz,24125MHzが利用できる。
マイクロ波の発生装置として、公知の物が使用できる。マイクロ波の発生装置の例として、マグネトロンが挙げられる。
マグネトロンの内部構造は、陰極(フィラメント)と陽極(アノード)の2つの電極からなる。フィラメントはタングステンのコイルになっている。アノードはマイクロ波の周波数に共鳴する多数の陽極片からなる。フィラメントは、フィラメント電源回路より給電されて加熱し、表面から熱電子が多量に放出される。この時、アノードとフィラメント間に印加された高電圧と、マグネトロンの外部に設けられた磁石より出る磁力線の作用により、熱電子はフィラメントを中心として回転する電子の集団となる。この電子の集団の回転エネルギーは、アノードの陽極片でマイクロ波エネンルギーに変換される。
マイクロ波の出力として、0.05kW〜100kWの物が一般に良く使用される。(メタ)アクリル樹脂の処理する量に応じて、出力の適切な物を選んで利用される。
発生させたマイクロ波を目的の場所へ伝送するための導波管の中に導き、前記樹脂含有液にそのマイクロ波を照射する。樹脂含有液を入れる反応容器がマイクロ波を吸収すると、樹脂含有液が吸収するマイクロ波が低減するので、反応容器の材質は、マイクロ波を吸収しない物、或いは吸収しにくい物が好ましい。好ましい反応容器の材質は、ガラスである。
樹脂含有液に、マイクロ波だけを照射しても良いし、他の加熱方法により加熱しながらマイクロ波を照射しても良い。或いは、マイクロ波以外の加熱方法で、樹脂含有液を加熱した後に、マイクロ波を照射しても良い。
マイクロ波以外の加熱方法として、電気ヒーター、マントルヒータ、熱媒加熱、等が例示される。
反応容器中は、不活性ガス雰囲気下とすることが好ましい。不活性ガス雰囲気下とすることにより、(メタ)アクリル樹脂の分解の副反応が抑制され、高い収率で(メタ)アクリル酸エステルを回収することができる。
不活性ガスとして、窒素、アルゴン、水蒸気、等が例示される。
不活性ガス中の酸素濃度は1000ppm以下とすることが好ましい。酸素濃度1000ppm以下とすることで、(メタ)アクリル樹脂の分解の副反応が抑制され、高い収率で(メタ)アクリル酸エステルを製造することができる。
不活性ガスは、(メタ)アクリル樹脂と溶媒からなる樹脂含有液の上部の空間部分に供給する方法でも良いし、樹脂含有液の内部に供給する方法でも良い。
不活性ガスを、樹脂含有液の内部に供給する方法では、不活性ガスが液の撹拌効果になるので、液の均一加熱に有効であるし、また、(メタ)アクリル樹脂の分解生成物をすみやかに樹脂含有液から外に出すことができるので好ましい。
樹脂含有液中の、(メタ)アクリル樹脂含有量は10〜70質量%とするのが好ましい。
樹脂含有液中の、(メタ)アクリル樹脂含有量を10質量%以上とすることで、樹脂含有液の単位質量あたりの(メタ)アクリル酸エステルの回収量を大きくすることができる。
また、樹脂含有液中の、(メタ)アクリル樹脂含有量を70質量%以下とすることで、樹脂含有液の流動性を高めることができるので、樹脂含有液の取り扱い性、撹拌性、あるいは樹脂含有液中の温度の均一性の向上が可能となる。
(メタ)アクリル樹脂と溶媒からなる樹脂含有液は、溶解させる樹脂の分子量、樹脂と溶媒の比等によっては、粘度が非常に高くなる場合があるため、あらかじめ(メタ)アクリル樹脂と溶媒からなる樹脂含有液を、200℃以上に加熱し、樹脂含有液の粘度を下げてマイクロ波を吸収しやすい状態とすることが好ましい。その際、エネルギー効率の観点から、200℃まではマイクロ波以外の手段で加熱するのが好ましい。
(メタ)アクリル樹脂の分解による分解生成物と不活性ガスの混合ガスは、冷却機に導かれ冷却される。冷却機としては、特に制限はないが、例えば、管式熱交換器、プレート式熱交換器、スクラバー、スプレー塔等が挙げられる。
冷却により液化した分解生成物の大部分は回収容器に回収され、液化しない分解生成物の一部は冷却機の上部より出て行き、廃ガス処理装置で処理される。不活性ガスが非凝縮性(例、窒素、アルゴン)の場合には、不活性ガスは冷却機の上部より系外に出て行く。不活性ガスが凝縮性(例、水蒸気)の場合には、大部分は分解生成物と一緒に回収液に回収され、一部は冷却機の上部より系外に出て行く。
このようにして得られた分解生成物は、燃料等として使用できる。(メタ)アクリル酸エステル単位を50質量%以上含む(メタ)アクリル樹脂の場合のようにそれを構成するモノマーを得ることができる場合には、再度樹脂を製造するための原料としても使用できる。
分解生成物はそのまま利用してもよいし、蒸留等により精製してから利用してもよい。
実施例を示す。
(メタ)アクリル樹脂の分解生成物を冷却して得られる回収液中のメタクリル酸メチル(以下、「MMA」と略記する。)濃度は、ガスクロマトグラフィーで測定した。ガスクロマトグラフィーは島津製作所のGC−17Aを使用した。
まず、溶媒をアセトンとし、内部標準物質として酢酸ブチルを用い、MMA量を変えたサンプルでガスクロマトグラフィー測定を行い、MMA濃度(質量%)を算出するための検量線を作成した。
一方、アセトンに、回収液、及び内部標準物質である酢酸ブチルを入れて、ガスクロマトグラフィー測定を行った。この測定結果と予め作成した検量線から、回収液中のMMA濃度(質量%)を算出した。
回収液中のアクリル酸メチル(以下、「MA」と略記する。)濃度(質量%)も、MMA濃度(質量%)の算出法と同様な方法で算出した。
MMA収率は、以下の式で定義する。
MMA収率(%)=回収液の質量(g)×回収液のMMA濃度(質量%)/分解に供した(メタ)アクリル樹脂に含まれるMMA単位の質量(g)
MA収率は、以下の式で定義する。
MA収率(%)=回収液の質量(g)×回収液のMA濃度(質量%)/分解に供した(メタ)アクリル樹脂に含まれるMA単位の質量(g)
[使用した(メタ)アクリル樹脂]
ポリマーA:公知のキャスト重合で製造したMMA単位100質量%からなる板状重合体の粉砕物で、質量平均分子量は70万(ポリスチレン換算)である。形状は概ね3mm×3mm。
ポリマーB:公知の懸濁重合で製造したMMA単位87質量%、アクリル酸メチル単位13質量%からなる共重合体を押出成形したペレット状物で、質量平均分子量は10万(ポリスチレン換算)である。形状は概ね3mm×3mm。
[使用した溶媒]
溶媒X:ジベンジルトルエン(沸点(大気圧)391℃、綜研化学(株)製、NeO SK−oil 1400)
溶媒Y:m−ターフェニル(沸点(大気圧)379℃、アルドリッチ製、品番T3009)
溶媒Z:p−ターフェニル(沸点(大気圧)383℃、アルドリッチ製、品番T3203)
[調製した試料]
試料AX20:撹拌機を備えた1.5リットルの容器に、ポリマーA 200gと、溶媒X 800gを供給し、容器内を撹拌しなが150℃に加熱した。ポリマーAが全て溶解するまで、撹拌を継続した。ポリマーAの溶解に30分を要した。
試料AY20:溶媒Xの代わりに溶媒Yとした以外、試料AX20と同様な操作を実施した。ポリマーAの溶解に30分を要した。
試料AZ20:溶媒Xの代わりに溶媒Zとした。溶媒Zは150℃では溶融しないため、230℃に加熱した以外、試料AX20と同様な操作を実施した。ポリマーAの溶解に30分を要した。
試料BX20:ポリマーAの代わりにポリマーBを使用した以外、試料AX20と同様な操作を実施した。ポリマーBの溶解に20分を要した。
[マイクロ波発生装置]
四国計測工業(株)マイクロ波反応装置(電解集中タイプ)
発振周波数2450MHz、出力可変0〜1.5kW
[実施例1]
図1に示す装置を用いて実施した。
150℃の試料AX20の内、40.0gを容量が80mLのガラス製反応容器に充填し、25℃まで冷却した。そして、その反応器を図1に示す装置に設置した。ガラス製反応容器の上部には、窒素を1.5mL/分の流量で連続的に供給した。窒素中に含まれる酸素濃度は10ppmとした。試料AX20の40.0gに含まれるポリマーAの質量は8.0gである。ガラス製反応容器の内部の試料Aの充填部のほぼ中央にファイバー温度計を設置し、内部の温度を測定できるようにした。また、ガラス製反応容器の上部には、分解物を系外に出すための配管を設置した。この配管は、冷却器とつながっている。冷却された分解物は下の容器に回収され、窒素は冷却器の上部から排出される。また、ガラス製反応容器下部には、マントルヒータ(出力最大600W)を設置し、マントルヒータとガラス製反応容器の隙間に熱電対を設置した。
マントルヒータとガラス製反応容器の隙間に設置した熱電対の温度が330℃になるようにマントルヒータを制御した。マントルヒータとガラス製反応容器の隙間に設置した熱電対の温度が330℃になった時、ガラス製反応容器に設置したファイバー温度計の温度は270℃であった。その後も、ファイバー温度計の温度は270℃で一定であった。
この状態で、ファイバー温度計の温度が360℃になるように、マイクロ波を出力を制御しながら照射した。マイクロ波の最大出力は600Wとした。なお、マイクロ波を照射している間も、マントルヒータとガラス製反応容器の隙間に設置した熱電対の温度が330℃になるようにマントルヒータの制御を継続した。
マイクロ波照射後6分で、ファイバー温度計の温度は330℃になり、この時点で、樹脂の分解物の留出が始まった。さらに5分後に、ファイバー温度計の温度は360℃まで昇温した。さらに、120分間、マイクロ波の出力を制御しながら、ファイバー温度計の温度を360℃に保った。この段階で、分解物の流出が止まった。
反応容器から出てくる分解物を、5℃の水を流した冷却器(リービッヒ冷却器、外筒長500mm)により冷却することで液化して回収した。回収した液には、樹脂分解物の他、使用した溶媒Aが含まれる。回収した液の質量は8.0gであり、回収液のMMA濃度は92.0質量%であった。
MMA収率は、8.0(g)×92.0(%)/8.0(g)=92.0%であった。
[比較例1]
マイクロ波を照射しないこと以外は実施例1と同様な操作を実施した。
マントルヒータとガラス製反応容器の隙間に設置した熱電対の温度が330℃になるようにマントルヒータを制御した。マントルヒータとガラス製反応容器の隙間に設置した熱電対の温度が330℃になった時、ガラス製反応容器に設置したファイバー温度計の温度は270℃であった。その後も、ファイバー温度計の温度は270℃で一定であった。
次に、マイクロ波を照射せず、マントルヒータとガラス製反応容器の隙間に設置した熱電対の温度が400℃となるようにマントルヒータを制御した。400℃に設定してから6分で、ガラス製反応容器に設置したファイバー温度計は330℃になり、この時点で、樹脂の分解物の留出が始まった。さらに5分後に、マントルヒータとガラス製反応容器の隙間に設置した熱電対の温度が400℃になり、また、ファイバー温度計の温度は360℃になった。さらに、120分間、マントルヒータとガラス製反応容器の隙間に設置した熱電対の温度を400℃に保つことにより、ファイバー温度計の温度を360℃に保った。この段階で、分解物の流出が止まった。
留出した液の量は8.0gであり、留出液中のMMA濃度は83.0質量%であった。
MMA収率は、8.0(g)×83.0(%)/8.0(g)=83.0%であった。
[比較例2]
ガラス製反応容器の容量を16mLとし、その中にポリマーAだけを8.0g入れた以外は実施例1と同様な操作を実施した。
操作後のガラス製反応容器には、黒色の残渣が残っていた。
回収した液の質量は7.4gであり、回収液のMMA濃度は91.6質量%であった。
MMA収率は、7.4(g)×91.6(%)/8.0(g)=84.7%であった。
[実施例2]
試料AX20の代わりに、試料AY20を使用した以外は実施例1と同様な操作を実施した。留出した液の量は8.0gであり、留出液中のMMA濃度は96.0質量%であった。
MMA収率は、8.0(g)×96.0(%)/8.0(g)=96.0%であった。
[実施例3]
試料AX20の代わりに、試料AZ20を使用した以外は実施例1と同様な操作を実施した。留出した液の量は8.0gであり、留出液中のMMA濃度は96.0質量%であった。
MMA収率は、8.0(g)×96.0(%)/8.0(g)=96.0%であった。
[実施例4]
試料AX20の代わりに、試料BX20を使用したこと、ファイバー温度計の温度が360℃になってから240分間保った以外は、実施例1と同様な操作を行った。ファイバー温度計の温度が360℃で240分間保った段階で、分解物の流出が止まった。留出した液の量は7.8gであり、留出液中のMMA濃度は81.5%、MA濃度は8.1質量%であった。
MMA収率は、7.8(g)×81.5(%)/(8.0×0.87(g))=91.3%であった。
MA収率は、7.8(g)×8.1(%)/(8.0×0.13(g))=60.8%であった。
[実施例5]
図2に示す装置を用いて実施した。
窒素を供給するガラス管をガラス製反応容器の底部近傍、すなわち、樹脂含有液の下部に挿入して窒素を供給した以外は実施例1と同様な操作を実施した。
留出した液の量は8.5gであり、留出液中のMMA濃度は92.0質量%であった。
MMA収率は、8.5(g)×92.0(%)/8.0(g)=97.8%であった。
本発明の方法により、(メタ)アクリル樹脂から、高純度の(メタ)アクリル酸エステルを高収率で、高い生産性で回収することが可能となった。
本発明を実施する方法の第一例 本発明を実施する方法の第二例
符号の説明
1、 21 マイクロ波発生装置
2、 22 マイクロ波出力制御装置
3、 23 導波管
4、 24 マイクロ波反射板
5、 25 反応容器
6、 26 ファイバー温度計
7、 27 不活性ガス供給配管
8、 28 マントルヒータ
9、 29 マントルヒータ出力制御装置
10、30 熱電対
11、31 冷却器
12、32 容器

Claims (6)

  1. (メタ)アクリル酸エステル単位を50質量%以上含む(メタ)アクリル樹脂を、大気圧下での沸点が250℃以上である溶媒に溶解もしくは膨潤させた樹脂含有液に、マイクロ波を照射して(メタ)アクリル樹脂を分解し、得られた(メタ)アクリル酸エステルを分離する(メタ)アクリル酸エステルの回収方法。
  2. 溶媒が、ジベンジルトルエン、o−ターフェニル、m−ターフェニル、p−ターフェニルのいずれかである請求項1に記載の(メタ)アクリル酸エステルの回収方法。
  3. 不活性ガスの雰囲気下でマイクロ波を照射する請求項1又は2に記載の(メタ)アクリル酸エステルの回収方法。
  4. 不活性ガスを、樹脂含有液の中に供給する請求項3に記載の(メタ)アクリル酸エステルの回収方法。
  5. 樹脂含有液中の(メタ)アクリル樹脂含有量が、10〜70質量%である請求項1〜4のいずれかに記載の(メタ)アクリル酸エステルの回収方法。
  6. 樹脂含有液をあらかじめ200℃以上に加熱して、マイクロ波を照射する請求項1〜5のいずれかに記載の(メタ)アクリル酸エステルの回収方法。
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