JP2007230884A - 脊柱管狭窄症の予防及び/又は治療剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、新規な脊柱管狭窄症の予防及び/又は治療剤、並びにCD36結合剤を提供する。
【解決手段】本発明は、(−)−6−[3−[3−シクロプロピル−3−[(1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル]ウレイド]プロポキシ]−2−(1H)−キノリノンを有効成分とする脊柱管狭窄症の予防及び/又は治療剤、及び(−)−6−[3−[3−シクロプロピル−3−[(1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル]ウレイド]プロポキシ]−2−(1H)−キノリノンを有効成分とするCD36結合剤を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規な脊柱管狭窄症の予防及び/又は治療剤、及びCD36の結合剤に関する。
脊柱管狭窄症は、高齢男性に多くみられる。原因は、脊柱管が腫瘍以外の原因で構造的に狭くなり、脊柱管内の馬尾や神経根を圧迫して症状をおこすものであり、腰部に多く発症し、生まれつきのものは少ないが、頸椎の部分の病変では30〜40歳代に多発し、一度発症すると症状が急速に進行する。その結果、下肢の痙性、歩行障害、上肢のしびれ感などを引起す。原因疾患としては、変形性脊椎症、分離すべり症、偽性すべり症、椎間板ヘルニアなどがあり、脊柱管が先天的に狭いところに、これらの病気が重なると、脊柱管を一層狭くして症状がおこりやすくなる。これらの病気でおきた骨棘形成、椎間関節の肥大、椎間板の膨隆、黄色靱帯肥厚などが、脊柱管を前後、左右方向から狭くして、馬尾神経根を圧迫して症状をおこし、狭窄は、多くは第4、第5腰椎の部位に強くおこる。症状は、動作時に痛み、安静により軽快する腰痛がつづき、この腰痛が主症状であるが、脊柱管が左右から狭窄される外側型の狭窄症では、下肢のしびれ感や痛みなど坐骨神経痛症状がみられ、前後から狭窄される中心型の狭窄症では、神経性間欠跛行がみられる。また、しばしば坐骨神経痛症状と神経性間欠跛行との混合型もみられます。神経性間欠跛行は、この狭窄症のもっとも特徴的な症状の1つであるが、一定の距離を歩くと、下肢の痛み、しびれ感、脱力感などが生じて、歩けなくなる症状で、この距離はさまざまだが、一般に病状が進んでいるものほど、この距離は短くなる。
類似した疾患に下肢閉塞性動脈硬化症に伴う末梢循環不全症があり、中等度の患者では間歇性跛行を、重度の患者では末端から大腿部にかけての疼痛・潰瘍・壊死などが知られているが、閉塞性動脈硬化症は発症原因が動脈硬化に基づくものであり、血管性の間欠跛行と脊柱管狭窄症による神経性間欠跛行とは発症原因が異なるため治療方法も違ってくることから、その区別が必要である。閉塞性動脈硬化症による血管性間欠跛行では、どんな姿勢でも歩行を休めばしびれや痛みなどの症状が取れるのに対し、腰部脊柱管狭窄症の馬尾神経性間欠跛行では、上半身を前方に折り曲げて数分間しゃがみこんだ姿勢で休まないと症状が取れない。
脊柱管狭窄症の治療法は、変形性脊椎症の治療法とほとんど同じで、肥満をさけ、腰椎前弯を除去する姿勢を保つことにあるが、それはこの腰椎前弯を強くした姿勢は、馬尾をたわめ、神経組織の血流を障害するからである。そのために保存療法として、腰椎前弯を矯正するための装具を装着すること及び、鎮痛消炎薬や血液の流れをよくする薬などの使用や、入院、安静臥床しての神経ブロック、硬膜外ブロックがあり、さらに症状が悪化した場合には、排尿障害、肛門周囲の灼熱感などが強くなり、このような場合には脊柱管を広げる手術が必要となる(非特許文献1、非特許文献2参照)。 従って、重症例では手術適応が必要となり、それ以外の場合にも有効な治療法が少なく、薬物による虚血状態の改善が望まれており、プロスタグランジンE1活性を有する化合物を有効成分とするもの(特許文献1参照)、4−ブロモ−6−〔3−(4−クロロフェニル)プロポキシ〕−5−(3−ピリジルメチルアミノ)−3(2H)−ピリダジノンなどのピリダジノン系化合物を有効成分とするもの(特許文献2参照)、PGI2アゴニスト、EP2アゴニスト、又はEP4アゴニストから選択される内因性修復因子産生促進剤を虚血性臓器障害の一種としての脊柱管狭窄症の用いるもの(特許文献3参照)、リマプロスト アルファデクス及びグルカン類を末梢循環障害の改善剤として用いるもの(特許文献4参照)などが報告されている。
CD36は、糖タンパク質IIIb(GPIIIb)または糖タンパク質IV(GBIV)とも呼ばれており、血小板、内皮細胞、単核白血球、赤芽細胞、上皮細胞、及びいくつかの腫瘍細胞系、例えば、黒色腫細胞および骨肉腫細胞の主要な糖タンパク質である(非特許文献3、非特許文献4、非特許文献5参照)。
さらにCD36は、トロンボスポンジン(TSP)との結合を介して血管新生抑制をもたらす(非特許文献6、非特許文献7参照)ことから抗血管新生因子として知られており、CD36を構成するアミノ酸配列のうちC464(464番目のシステイン)、R467(467番目のアルギニン)及びK469(469番目のリジン)が、TSPを介した血管新生抑制作用に必須であることが示されている(非特許文献8参照)。また、CD36に結合する低分子リガンドEP80317は、CD36を介した障害の進展を防止する(非特許文献9参照)ことも報告されている。これらのことから、特定の結合性化学物質がCD36に結合することによりCD36の血管新生抑制機能が解除され、血管新生がもたらされることが想定される。
(−)−6−[3−[3−シクロプロピル−3−[(1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル]ウレイド]プロポキシ]−2−(1H)−キノリノン(特許文献5の実施例9記載化合物)は、PDE3阻害剤であり、血栓性疾患や動脈硬化性疾患の治療、予防に有用であることが知られている(特許文献5参照)。しかしながら、PDE3阻害剤が脊柱管狭窄症の予防及び/又は治療剤としての適用やCD36への結合能を有することは全く知られていない。
特開平7−277984号公報 WO 2000/12091号公報 WO 2004/032965号公報 特開2005−272458号公報 特許2964029号公報 H. Verbiest et al.:J.Bone Joint Surg. 36-B:230(1987). R. Porter et al.:Spine 17:9-15(1992). Asch et al:J. Clin. Invest. 79:1054-1061 (1987) Knowles et al.: J. Immunol. 132, 2170-2173 (1984) Kieffer et al.:Biochem. J. 262:835-842 (1989) 柏木浩和ほか:血栓止血誌14(4),295−303(2003). R Simantov et al.:Frontiers in Bioscience 8,s874-882(2003). L Primo et al.:FASEB J. Express Article 10.1096/fj.05-3697fje(2005). S Marleau et al.:FASEB J. Express Article 10.1096/fj.04-3253fje(2005).
従って、本発明は、新規な脊柱管狭窄症の予防及び/又は治療剤、及びCD36の結合剤を提供することにある。
本発明者らは、斯かる実状に鑑み鋭意研究した結果、PDE3阻害剤として知られている次式、
Figure 2007230884
で表される(−)−6−[3−[3−シクロプロピル−3−[(1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル]ウレイド]プロポキシ]−2−(1H)−キノリノンが、CD36に対し結合能を有することを見出し、以下の本発明を完成した。
即ち、本発明は、(−)−6−[3−[3−シクロプロピル−3−[(1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル]ウレイド]プロポキシ]−2−(1H)−キノリノンを有効成分とする脊柱管狭窄症の予防及び/又は治療剤に関する。
また、本発明は、(−)−6−[3−[3−シクロプロピル−3−[(1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル]ウレイド]プロポキシ]−2−(1H)−キノリノンを有効成分とするCD36に対する結合剤に関する。
本発明の態様をさらに具体的に説明すれば、以下の(1)〜(6)のとおりとなる。
(1)(−)−6−[3−[3−シクロプロピル−3−[(1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル]ウレイド]プロポキシ]−2−(1H)−キノリノンを有効成分とする脊柱管狭窄症の予防及び/又は治療剤。
(2)(−)−6−[3−[3−シクロプロピル−3−[(1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル]ウレイド]プロポキシ]−2−(1H)−キノリノンを有効成分とするCD36結合剤。
(3)(−)−6−[3−[3−シクロプロピル−3−[(1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル]ウレイド]プロポキシ]−2−(1H)−キノリノンがCD36とトロンボスポンジンの結合を阻害することによりトロンボスポンジンの血管新生抑制作用を解除することをによる脊柱管狭窄症の予防及び/又は治療剤。
(4)(−)−6−[3−[3−シクロプロピル−3−[(1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル]ウレイド]プロポキシ]−2−(1H)−キノリノンを含有してなるCD36活性阻害剤。
(5)(−)−6−[3−[3−シクロプロピル−3−[(1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル]ウレイド]プロポキシ]−2−(1H)−キノリノンを含有してなるCD36の他のタンパク質に対する結合阻害剤。
(6)(−)−6−[3−[3−シクロプロピル−3−[(1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル]ウレイド]プロポキシ]−2−(1H)−キノリノンを含有してなるCD36とトロンボスポンジンとの結合阻害剤。
本発明の脊柱管狭窄症の予防及び/又は治療剤は、脊柱管狭窄症の予防及び/又は治療に有用である。本発明の(−)−6−[3−[3−シクロプロピル−3−[(1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル]ウレイド]プロポキシ]−2−(1H)−キノリノンは、CD36とトロンボスポンジン(TSP)との結合を阻害し、両者の結合による血管新生抑制機能が解除され、血管新生がもたらされることになり、末梢循環が改善される。
本発明において、(−)−6−[3−[3−シクロプロピル−3−[(1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル]ウレイド]プロポキシ]−2−(1H)−キノリノンは、PDE3阻害剤として公知の化合物であり、その製造は公知の技術、例えば特許文献5に記載の製造方法等により行うことができる。
本発明の脊柱管狭窄症の予防及び/又は治療剤は通常、一般的な医薬製剤の形態で用いられる。製剤は通常使用される充填剤、増量剤、結合剤、付湿剤、崩壊剤、表面活性剤、潤沢剤等の稀釈剤或いは賦形剤を用いて調製される。この医薬製剤としては各種の形態が治療目的に応じて選択でき、その代表的なものとして錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤、坐剤、注射剤(液剤、懸濁剤等)等が挙げられる。錠剤の形態に成形するに際しては、担体としてこの分野で従来公知のものを広く使用でき、例えば乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、尿素、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、ケイ酸等の賦形剤、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、セラック、メチルセルロース、リン酸カリウム、ポリビニルピロリドン等の結合剤、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、デンプン、乳糖等の崩壊剤、白糖、ステアリン、カカオバター、水素添加油等の崩壊抑制剤、第四級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム等の吸収促進剤、グリセリン、デンプン等の保湿剤、デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸等の吸着剤、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ酸末、ポリエチレングリコール等の滑沢剤等が例示できる。更に錠剤は必要に応じ通常の剤皮を施した錠剤、例えば糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フィルムコーティング錠或いは二重錠、多層錠とすることができる。丸剤の形態に成形するに際しては、担体としてこの分野で従来公知のものを広く使用でき、例えばブドウ糖、乳糖、デンプン、カカオ脂、硬化植物油、カオリン、タルク等の賦形剤、アラビアゴム末、トラガント末、ゼラチン、エタノール等の結合剤、ラミナランカンテン等の崩壊剤等が例示できる。坐剤の形態に成形するに際しては、担体として従来公知のものを広く使用でき、例えばポリエチレングリコール、カカオ脂、高級アルコール、高級アルコールのエステル類、ゼラチン、半合成グリセライド等を挙げられる。注射剤として調製される場合には液剤及び懸濁剤は殺菌され、且つ血液と等張であるのが好ましく、これら液剤、丸剤及び懸濁剤の形態に成形するのに際しては、稀釈剤としてこの分野において慣用されているものを使用でき、例えば水、エチルアルコール、プロピレングリコール、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等を挙げられる。尚、この場合等張性の溶液を調製するに充分な量の食塩、ブドウ糖或いはグリセリンを医薬製剤中に含有せしめてもよく、また通常の溶解補助剤、緩衝剤、無痛化剤等を添加してもよい。更に必要に応じて着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤等や他の医薬品を該製剤中に含有せしめてもよい。
本発明の脊柱管狭窄症の予防及び/又は治療剤に含有される(−)−6−[3−[3−シクロプロピル−3−[(1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル]ウレイド]プロポキシ]−2−(1H)−キノリノンの量は特に限定されず広範囲に選択されるが、通常全組成物中1〜70重量%、好ましくは1〜30重量%である。
本発明の脊柱管狭窄症の予防及び/又は治療剤の投与方法には特に制限はなく、各種製剤形態、患者の年齢、性別その他の条件、疾患の程度等に応じた方法で投与される。例えば錠剤、丸剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤及びカプセル剤の場合には経口投与される。また注射剤の場合には単独で或いはブドウ糖、アミノ酸等の通常の補液と混合して静脈内投与され、更には必要に応じて単独で筋肉内、皮内、皮下もしくは腹腔内投与される。坐剤の場合には直腸内投与される。
本発明の脊柱管狭窄症の予防及び/又は治療剤の投与量は、用法、患者の年齢、性別その他の条件、疾患の程度等により適宜選択されるが、通常有効成分である(−)−6−[3−[3−シクロプロピル−3−[(1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル]ウレイド]プロポキシ]−2−(1H)−キノリノンの量は1日当り体重1kg当り約0.1〜10mgとするのがよい。また、投与単位形態中に有効成分を1〜200mg含有するのがよい。
本発明のCD36結合剤は、CD36に対する結合能を有し、CD36の生理学的意義を解明するためのツールとして使用することができる。例えば本発明のCD36結合剤をプローブとして使用する場合には、(−)−6−[3−[3−シクロプロピル−3−[(1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル]ウレイド]プロポキシ]−2−(1H)−キノリノン(以下、単に「薬物」という。)を適当なリンカー基を介して標識可能な物質と結合させた標識体を用いて、細胞・組織表面等への結合を確認することにより、生体局所でのCD36の発現確認を行うことが出来る。標識可能な物質としては、ビオチン、蛍光錯体などが挙げられる。リンカー基としては、本発明の薬物と標識可能な物質を結合させることができ、かつ両者の距離を適度に離せることができることができ、生理的に不活性であるものであれば特に制限はないが、例えば標識可能な物質としてビオチンを使用する場合には、薬物のシクロヘキシル基に結合している水酸基を3−アミノプロピル基でアルコキシ化できる基が挙げられる。このようなリンカー基が導入された化合物としては、例えば、(−)−6−[3−[3−シクロプロピル−3−[(1R,2R)−2−(3’−アミノプロポキシ)−シクロヘキシル]ウレイド]プロポキシ]−2−(1H)−キノリノン等が挙げられる。そして、当該3’−アミノ基においてビオチンのカルボキシル基とアミド結合させることにより、ビオチン化薬物とすることができる。
本発明のCD36結合剤は、CD36に対する結合能を有し、赤血球の分化の初期のマーカーとして使用することができるだけでなく、CD36の機能解析におけるリサーチツールとして有用である。
また、本発明の薬物は、血小板のトロンボスポンジン(TSP)に結合するヒトCD36に対する結合能を有し、CD36とトロンボスポンジンとの結合を阻害するものであり、CD36結合剤やCD36活性阻害剤として有用なだけでなく、CD36とトロンボスポンジンとの結合による血管新生抑制作用を阻害し、血管新生を亢進することから末梢循環を改善し、脊柱管狭窄症の予防剤又は治療剤として有用となる。
次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は何らこれらに限定されるものではない。
以下の実施例において使用した試薬類はつぎのとおりである。
CD36:組み替えヒトCD36/Fcキメラ(R&D社製、カタログ番号1955−CD)。
HRP標識抗Fcタグ抗体: ICN Pharmaceuticals社製,カタログ番号55246。
HRP標識アビジン抗体: PIERCE社製,カタログ番号31001。
o−フェニレンジアミン: Sigma Aldrich社製, カタログ番号P23938。
薬物の調製法:薬物はDMSOに溶かして10mmol/Lに調製し、−30℃で保存した。
ビオチン化薬物プローブとCD36の結合
以下の実験ではビオチン化薬物プローブとして、次式、
Figure 2007230884
で表されるビオチン化薬物プローブを使用した。
CD36を10mmol/LのDTT入りの炭酸緩衝液(0.1mol/L,pH 9.6)に溶解し、37℃で、1時間インキュベーションした。96穴マイクロプレートに1ウェルあたり150μLのCD36/DTT溶液を加え、4℃で終夜コーティングした。PBS 200μLで3回ウェルを洗った後、1%スキムミルク/PBS溶液を加えて1時間、37℃で静置することによりブロッキングした。ウェルをPBSで洗った後、PBST(0.1% Tween−20)で希釈したビオチン化薬物プローブを種々の薬物濃度(0μmol/L、0.03μmol/L、0.1μmol/L、3μmol/L、又は10μmol/L)で加えて37℃で、4時間インキュベーションした。ウェルをPBSTで3回洗った後、HRP標識アビジン抗体を加え、37℃で3時間インキュベーションした。ウェルをPBSTで4回洗った後、28.4mmol/Lのo−フェニレンジアミン/0.025%H溶液を100μL加え、室温で45分間反応させた。HSO(1mol/L)を25μL加えることで反応を停止させ、450nmでの吸光度(対照波長は620nm)をプレートリーダーで測定した。
結果を図1に示す。図1の横軸はビオチン化薬物の薬物濃度(μM)を示す。縦軸は吸光度を示す。各々の濃度で3回の実験を行い、その平均値をグラフにして図1に示している。グラフ中の線は3回の実験における標準偏差を示している。
この結果、CD36をコーティングしたマイクロプレートにビオチン化薬物プローブを加えることにより、薬物の濃度依存的に吸光度の増加が認められ、ビオチン化薬物プローブはCD36と濃度依存的に結合することが示された。
ビオチン化薬物プローブ(3μmol/L)の薬物濃度を一定にし、さらに種々の濃度(0μmol/L、3μmol/L、10μmol/L、30μmol/L、100μmol/L、又は300μmol/L)の非標識の薬物を加えた以外は、実施例1と同様にして450nmでの吸光度 をプレートリーダーで測定した。
結果を図2に示す。図2の横軸は非標識の薬物の濃度(μM)を示す。縦軸は非標識の薬物の非存在下での吸光度を100%とした時の非標識の薬物の存在下における吸光度の割合(%)を示す。各々の濃度で3回の実験を行い、その平均値をグラフにして図2に示している。グラフ中の線は、3回の実験における標準偏差を示している。
この競合アッセイの結果、非標識の薬物の濃度依存的に吸光度の減少が認められ、このことはビオチン化薬物プローブのCD36に対する結合量が、非標識の薬物の濃度依存的に減少したことを示し、この結果から、ビオチン化薬物プローブとCD36との結合がビオチンではなく、薬物を介した結合であることが示された。
本発明の薬物は、CD36に対する結合能を有し、CD36の生理活性を解明するためのツールとして有用なだけでなく、CD36と血小板のトロンボスポンジンとの結合を阻害し、血管新生抑制作用を阻害することにより末梢循環を改善し脊柱管狭窄症の予防剤及び/又は治療剤として有用であり、リサーチツール産業や医薬品産業において利用可能性を有するものである。
図1は、ビオチン化薬物プローブとCD36との結合を450nmでの吸光度をプレートリーダーで測定した結果をグラフにして示したものである。グラフの横軸はビオチン化薬物プローブの薬物濃度(μM)を示し、縦軸は吸光度を示す。 図2は、3μmol/Lのビオチン化薬物プローブの存在下における、各濃度の非標識化薬物との競合アッセイを、450nmでの吸光度をプレートリーダーで測定した結果を示すグラフである。横軸は薬物の濃度(μM)を示し、縦軸は薬物非存在下での吸光度を100%とした時の薬物存在下における割合(%)を示す。

Claims (4)

  1. (−)−6−[3−[3−シクロプロピル−3−[(1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル]ウレイド]プロポキシ]−2−(1H)−キノリノンを有効成分とする脊柱管狭窄症の予防及び/又は治療剤。
  2. (−)−6−[3−[3−シクロプロピル−3−[(1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル]ウレイド]プロポキシ]−2−(1H)−キノリノンを有効成分とするCD36結合剤。
  3. (−)−6−[3−[3−シクロプロピル−3−[(1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル]ウレイド]プロポキシ]−2−(1H)−キノリノンがCD36とトロンボスポンジンの結合を阻害することによりトロンボスポンジンの血管新生抑制作用を解除することによる脊柱管狭窄症の予防及び/又は治療剤。
  4. (−)−6−[3−[3−シクロプロピル−3−[(1R,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル]ウレイド]プロポキシ]−2−(1H)−キノリノンを含有してなるCD36とトロンボスポンジンとの結合阻害剤。
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