JP2007228815A - 胚性幹細胞の維持方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】培養コストを低減でき、しかも培地中への添加物の影響を受けにくく再現性に優れる未分化性を維持させた状態でES細胞を培養する方法の提供。
【解決手段】フィーダー細胞の非存在下、無血清培地中で胚性幹細胞を浮遊培養する方法。該培養方法によって維持された胚性幹細胞。基本培地に白血病抑制因子、ポリビニルアルコール、L−グルタミン、インスリン、トランスフェリン、セレニウム、2−メルカプトエタノール及び抗生物質を添加したマウス胚性幹細胞維持用の無血清培地。
【選択図】図3

Description

本発明は胚性幹細胞の維持方法に関する。詳しくは、未分化性を維持させた状態で胚性幹細胞(未分化胚性幹細胞)を培養する方法に関する。
胚性幹細胞(以下、「ES細胞」ともいう)は胚盤胞の内部細胞塊に由来する細胞を株化したものであり、未分化状態を維持したままで継代することができる。ES細胞は全能性又は多分化能を保持しており、様々な細胞又は組織に分化することが可能であり、再生医療や遺伝子治療をはじめ様々な分野での利用・応用が期待されている。
ES細胞は未分化性を保って維持されなければ様々な目的に使用することができない。換言すれば未分化性を維持させた状態で、効率よく増殖させることが重要である。従来、ES細胞の維持方法として様々な方法が開発・提案されている。一般に、ES細胞を維持するためにフィーダー細胞としてのマウス胎仔線維芽細胞が使用されるが、マウスES細胞については白血病抑制因子(LIF)を培地中に添加することによってフィーダー細胞を使用しなくとも未分化性を維持することが可能である(非特許文献1)。一方、ヒトを含む霊長類のES細胞はLIF非依存性であり(非特許文献2〜5)、通常はフィーダー細胞(多くはマウス胎児線維芽細胞)の共存下で培養することでその未分化性を維持する。フィーダー細胞を使用しない培養方法も報告されているが(特許文献1、非特許文献6〜8)それらは血清又は含有成分不明の血清代替物を使用したり、或いは含有成分が不明な上、安全性の面で問題視されている特殊な材料で表面コートした培養皿を使用したりするものであり、今後臨床応用を目指す研究を進めるためには好ましい方法と言えない。また、血清や血清代替物は高価であり、且つロット差の問題(製品ロットによってはES細胞が維持できないことがある)などもあり、ES細胞の研究の普及を妨げる要因の一つとなっている。
特開2005−13152号公報 Furue M, Okamoto T, Hayashi Y, Okochi H, Fujimoto M, Myoishi Y, Abe T, Ohnuma K, Sato GH, Asashima M, Sato JD., In Vitro Cell Dev Biol Anim. 2005 Jan-Feb;41(1-2):19-28. Thomson JA, Itskovitz-Eldor J, Shapiro SS et al., Science 282, 1145-1147, 1998 Brandenberger R, Wei H, Zhang S, et al., Nat Biotech 22, 707-716, 2004 Sumi T, Fujimoto Y, Nakatsuji N, et al., Stem Cells 22, 861-872, 2004 Humphrey RK, Beattiea GM, Lopez AD, et al., Stem Cells 22, 522-530, 2004 Xu C, Inokuma MS, Denham J, et al., Nat Biotechnol 19, 971-974, 2001 Amit M, Shariki C, Margulets V, et al., Biol Reprod 70, 837-845, 2004 Beattie GM, Lopez AD, Bucay N, et al., Stem Cells 23, 489-495, 2005 Itskovitz-Eldor J, Schuldiner M, Karsenti D, et al., Mol Med 6, 88-95, 2000
以上の背景の下で本発明は、培養コストを低減でき、しかも培地中への添加物の影響を受けにくく再現性に優れる(安定した維持を可能とする)ES細胞維持方法、当該維持方法で得られるES細胞、及び当該維持方法に使用される培地を提供することを課題とする。
分化誘導の過程において胚様体を形成させるために例外的にES細胞を浮遊状態にすることはあるが(非特許文献9)、それ以外の場合は、他の多くの細胞と同様、ES細胞は培養皿(又はフィーダー細胞)に接着した状態で培養される。つまり、これまでの常識から考えれば浮遊状態で培養することは積極的に分化を促すための手段と考えられていた。ところで、神経幹細胞や神経提幹細胞或いは癌幹細胞など、少なくとも一部の幹細胞は多数の細胞が球状に集合して浮遊状態で安定にしかも未分化に維持される。本発明者らはこのような経験的な洞察をES細胞に適用し、適切な培養条件を設定すれば浮遊状態で培養することが未分化性の維持に対して有効に働くのではないかと考え、その検証を試みた。即ち、マウスES細胞を用い、フィーダー細胞非存在下、血清をしない条件とした上で、未分化で維持させる際には行われることのない、積極的に浮遊させた状態でマウスES細胞を培養することにした。その結果、培養開始から数日で球状の集合体(細胞塊)が形成され、そのサイズは大きいものでは肉眼で視認できるほどになった。形成された細胞塊を構成する細胞の性質を検証すべく、細胞を解離し、通常の培養条件(血清含有、且つフィーダー細胞との共培養条件)で培養したところ、驚くべきことに未分化ES細胞に特徴的な形態を呈した。未分化状態であることをさらに検証するため、未分化性のマーカー遺伝子(Oct4遺伝子、Nanog遺伝子、及びEras遺伝子)の発現状態を調べた結果、いずれのマーカー遺伝子の発現も確認され、未分化状態が維持されていることが示唆された。さらに、分化能を保持していることを確認するために細胞塊から回収したES細胞をメラノサイト分化誘導系で培養したところ、メラノサイトへの分化が認められた。これによって、浮遊条件で培養したES細胞が未分化性を維持するとともに実際に分化能を保持していることが確認された。
本発明は主として以上の成果ないし知見に基づくものであり、以下に示すES細胞の維持方法などを提供する。
[1]フィーダー細胞の非存在下、無血清培地中で胚性幹細胞を浮遊培養することを特徴とする、胚性幹細胞の維持方法。
[2]前記無血清培地が動物由来成分を含まないことを特徴とする、[1]に記載の胚性幹細胞の維持方法。
[3]前記無血清培地がポリビニルアルコールを含有し、且つ動物由来アルブミンを含有しないことを特徴とする、[1]又は[2]に記載の胚性幹細胞の維持方法。
[4]前記胚性幹細胞が、マウス胚性幹細胞、サル胚性幹細胞及びヒト胚性幹細胞からなる群より選択される胚性幹細胞であることを特徴とする、[1]〜[3]のいずれかに記載の胚性幹細胞の維持方法。
[5]前記胚性幹細胞がマウス胚性幹細胞であり、前記無血清培地が白血病抑制因子を含有することを特徴とする、[1]〜[3]のいずれかに記載の胚性幹細胞の維持方法。
[6]前記胚性幹細胞がマウス胚性幹細胞であり、前記無血清培地が白血病抑制因子、ポリビニルアルコール、L-グルタミン、インスリン、トランスフェリン及びセレニウムを含有することを特徴とする、[1]〜[3]のいずれか記載の胚性幹細胞の維持方法。
[7]前記胚性幹細胞がマウス胚性幹細胞であり、前記無血清培地が、基本培地に白血病抑制因子、ポリビニルアルコール、L-グルタミン、インスリン、トランスフェリン、セレニウム及び2-メルカプトエタノールを添加した培地であることを特徴とする、[1]〜[3]のいずれかに記載の胚性幹細胞の維持方法。
[8]前記基本培地が、イスコフ改変ダルベッコ培地、ハムF12培地、 ダルベッコ改変イーグル培地 及びグラスゴー基本培地からなる群より選択されるいずれか又は二以上の混合培地であることを特徴とする、[7]に記載の胚性幹細胞の維持方法。
[9]前記浮遊培養が、表面が非接着性の容器内にいれた前記無血清培地中で前記胚性幹細胞を培養することによって実施されることを特徴とする、[1]〜[8]のいずれかに記載の胚性幹細胞の維持方法。
[10][1]〜[9]のいずれかの方法によって維持された胚性幹細胞。
[11]基本培地に白血病抑制因子、ポリビニルアルコール、L-グルタミン、インスリン、トランスフェリン、セレニウム、2-メルカプトエタノール及び抗生物質を添加して得られる、マウス胚性幹細胞維持用の無血清培地。
本発明において「フィーダー細胞(feeder細胞)」とは、分化の制御(未分化性の維持や分化誘導)、増殖率の向上などを目的として、細胞培養の際に培養液中に共存させる細胞のことをいう。従来、ES細胞を培養する際にはフィーダー細胞としてマウス胎仔線維芽細胞が多用されてきた。本発明の維持方法では、マウス胎仔線維芽細胞に限らず、目的の細胞(即ちES細胞)以外の細胞が培養液中に実質的に存在しない条件の下、培養を行う。
本発明において「無血清培地」とは、血清及び血清代替物(Knockout serum replacement(KSR)など)のいずれも含まない培地をいう。従来の方法では未分化状態を維持するために通常、血清又は血清代替物を添加した培地を使用する。これに対して本発明の方法は無血清培地を使用するものであり、血清などを使用する方法と決定的に相違する。
本発明では、好ましくは、動物由来成分を含まない無血清培地を使用する。即ち、血清に限らず、いかなる動物由来の成分も実質的に添加されていない培地を使用する。かかる培地を使用することによって、動物由来成分の混入のおそれがない状態でES細胞を調製することが可能となる。従ってこの条件は、臨床応用を目指した研究を行う場合や、生体へ適用される細胞(ES細胞又はES細胞を分化させて得られる細胞)を実際に調製する場合に特に有効である。
哺乳動物細胞を培養する場合、細胞の保護や増殖因子の安定化などの目的でウシ血清アルブミン(BSA)を培地中に添加することが多い。これに対して本発明の一態様では、無血清培地としてポリビニルアルコール(PVA)を含有し、且つ動物由来アルブミンを含有しない培地を使用する。即ち、PVAを使用することで、BSAなど動物由来アルブミンを排除した培養環境を構築する。
無血清培地中のPVAの含有量(添加濃度)は例えば0.01%(W/V)〜0.5%(W/V)、好ましくは0.05%(W/V)〜0.2%(W/V)である。
ES細胞(胚性幹細胞)としてはマウスES細胞、サルES細胞( カニクイザルES細胞等)、又はヒトES細胞が使用される。数種のES細胞が公的機関によって提供され、或いは市販されている。マウスES細胞の例として、ES-E14TG2a細胞(ATCC)、ES-D3細胞等(ATCC)、H1細胞(理研バイオリソースセンター、つくば市、日本)、B6G-2細胞(理研バイオリソースセンター、つくば市、日本)、R1細胞(Samuel Lunenfeld Research Institute、トロント、カナダ)、マウスES細胞(129SV、カタログ番号R-CMTI-1-15、R-CMTI-1A)(大日本住友製薬株式会社、大阪、日本)、マウスES細胞(C57/BL6、カタログ番号R-CMTI-2A(大日本住友製薬株式会社、大阪、日本)を挙げることができる。サルES細胞については、京都大学再生医科学研究所付属幹細胞医学研究センターなどから入手可能である。ヒトES細胞については京都大学再生医科学研究所付属幹細胞医学研究センター、WiCell Research Institute(マディソン、米国)、ES Cell International Pte Ltd(シンガポール)などから入手可能である。言うまでもないが、新たに樹立したES細胞を本発明に適用することもできる。ES細胞の樹立方法は確立されており、一部についてはルーチン化もされていることから、常法に従えば自ら目的のES細胞を樹立可能である。例えばマウスES細胞の樹立方法についてはNagy. A. et al. eds.: Manipulating the Mouse Embryo, A Laboratory Manual, Third Edition, Cold spring Harbor Laboratory Press, 2003、実験医学別冊 培養細胞実験ハンドブック(羊土社)等を参照することができる。サルES細胞の樹立方法であればSuemori H, Tada T, Torii R, et al., Dev Dyn 222, 273-279, 2001等を参照することができる。ヒトES細胞の樹立方法であればWassarman, P.M. et al.: Methods in Enzymology, Vol.365(2003)等を参照することができる。
尚、本発明の維持方法で使用される無血清培地を、ES細胞の樹立段階の培地として使用してもよい。
ここで、本発明においてマウスES細胞を使用する場合は、白血病抑制因子(LIF)を含有する無血清培地を使用することが好ましい。LIFはマウスES細胞の未分化性の維持に有効である。例えば、ESGRO(Gibco社)等のLIFを使用することができる。ロット差の問題が少なくなる点、不純物の混入の可能性が少ない点などから組換えLIFを使用することが好ましい。
無血清培地中のLIFの含有量(添加濃度)は例えば500 Unit/ml以上であり、好ましくは1000 Unit/ml以上である。
マウスES細胞を使用する場合において更に好ましい態様では、白血病抑制因子、PVA、L-グルタミン、インスリン、トランスフェリン、及びセレニウムを含有する無血清培地を使用する。L-グルタミン、インスリン、トランスフェリン、及びセレニウムは細胞の生存率、増殖率を向上させる。これらの添加成分は細胞培養に通常使用される品質のものを使用すればよく、L-グルタミンであれば例えばGibco社が提供するもの(製品名::L-グルタミン200mM液 、カタログ番号:25030-149)を使用することができ、インスリンであれば例えば、Gibco社が提供するもの(製品名:インスリンヒト組み替え型)、CHEMICON社が提供する組換えヒトインスリン、株式会社細胞科学研究所が提供するリコンビナントインスリン等を使用することができ、トランスフェリンであれば例えばGibco 社が提供するもの(製品名:トランスフェリン、ウシ由来)を使用することができ、セレニウムであれば例えばフナコシ社が提供するもの(製品名:Sodium Selenate、カタログ番号:BT-245)を使用することができる。これらの成分を別々に添加するのではなく、二以上の成分が混合された試薬を使用することもできる。例えば、インスリン、トランスフェリン及びセレニウムを含有する試薬としてITS-Xサプリメント(GIBCO社)が販売されており、これを利用して本発明に使用する無血清培地を構築してもよい。尚、使用する溶媒によって十分な量のセレニウムが供給される場合はセレニウムの添加を省略することもできる。
無血清培地中のL-グルタミンの含有量(添加濃度)は例えば0.5mM〜5mM、好ましくは1mM〜3mMとする。同様に無血清培地中のインスリンの含有量(添加濃度)は例えば2μg/ml〜30μg/ml、好ましくは5μg/ml〜20μg/mlとする。また、無血清培地中のトランスフェリンの含有量(添加濃度)は例えば1μg/ml〜20μg/ml、好ましくは3μg/ml〜10μg/mlとする。また、無血清培地中のセレニウムの含有量(添加濃度)は例えば1ng/ml〜20ng/ml、好ましくは5ng/ml〜10ng/mlである。
尚、この態様の無血清培地では添加物の中で高価なものはLIFのみとなり、培養コストを低く抑えることができ、しかも添加物の影響を受けにくい安定した培養を行うことができる。
一方、ヒトES細胞又はサルES細胞はLIF非依存性であるため(Thomson JA, Itskovitz-Eldor J, Shapiro SS et al., Science 282, 1145-1147, 1998、Brandenberger R, Wei H, Zhang S, et al., Nat Biotech 22, 707-716, 2004)、これらの細胞を維持する場合は、白血病抑制因子(LIF)を含有しない無血清培地を使用することが好ましい。具体的な無血清培地として、PVA、L-グルタミン、インスリン、トランスフェリン及びセレニウムを含有するものを例示できる。
尚、言うまでもないが、本発明で使用する無血清培地には分化誘導因子が添加されていないことが好ましい。ここでの「分化誘導因子」とはES細胞が特定の細胞へと分化することを促す作用を有する物質をいい、例えばBMP-2(心筋細胞への分化誘導)、bFGF(心筋細胞や神経系細胞の誘導)、ニコチンアミド(インスリン分泌細胞の誘導)、レチノイン酸(血管系細胞や神経系細胞の誘導)、dibutyryl-cAMP(血管系細胞の誘導)、EGF(神経系細胞の誘導)、PDGF(神経系細胞の誘導)、デキサメタゾン(色素細胞の誘導)などが該当する。
以上の成分の他、2-メルカプトエタノール、及び/又はペニシリンやストレプトマイシン等の抗生物質がさらに添加された無血清培地を使用することにしてもよい。これらの付加的成分を使用した場合の無血清培地として、基本培地に白血病抑制因子、PVA、L-グルタミン、インスリン、トランスフェリン、セレニウム、2-メルカプトエタノール、ペニシリン及びストレプトマイシンを添加して得られる無血清培地を例示することができる。例えば、2-メルカプトエタノール、ペニシリン、ストレプトマイシンなどの含有量はそれぞれ50mM〜200mM、50U/ml〜100U/ml、及び50μg/ml〜100μg/mlの範囲内で設定することができる。
本発明で使用する無血清培地は、基本培地に必要な成分を添加することによって調製することができる。基本培地は各種アミノ酸、糖質、脂質、核酸、無機塩、ビタミン、ミネラルなどの基本的な構成成分を含む培地であり、イスコフ改変ダルベッコ培地(IMDM)(GIBCO社等)、ハムF12培地(HamF12)(SIGMA社、Gibco社等)、ダルベッコ変法イーグル培地(D-MEM)(ナカライテスク株式会社、シグマ社、ギブコ社等)、グラスゴー基本培地(Gibco社社等)等が開発されている。本発明ではこれらの基本培地のいずれか、又はこれらの中の二つ若しくは二つ以上を混合した培地(混合培地)を使用することできる。混合培地の一例として、IMDMとHamF12を等量混合した培地(例えば商品名:IMDM/HamF12(Gibco社)として市販される)を挙げることができる。
培養温度等、その他の培養条件は、従来のES細胞の培養において採用されている条件とすればよい。即ち、例えば37℃、5%CO2の環境下で培養すればよい。
本発明ではES細胞を積極的に浮遊状態にして培養する。例えば、少なくとも表面が非接着性の培養容器内に満たした培地中でES細胞を培養することによって浮遊状態を実現することができる。表面が非接着性の培養容器として例えば非表面コート、ポリスチレン性の培養皿(例えばファルコン社が提供する10cmスタンダードディッシュ、コーニング社が提供する10cm ultra low attachment culture dish)を使用することができる。
浮遊状態の実現方法はこれに限るものではなく、例えば緩やかな培地の流れ(移動)が形成される環境下でES細胞を培養するようにしてもよい。例えば撹拌型バイオリアクターの如き培養装置を利用すればこのような環境を作り出すことが可能である。また、ゲル化材料などを利用して浮遊状態を形成することも可能である。例えばメチルセルロースなどを添加することによってハイドロゲル化した培地中でES細胞を培養することにする。
本発明の維持方法によれば、通常、培養後数日で細胞が集合した球状体が認められる。即ち、細胞が球状に集合して増殖することになる。ところで、ES細胞を分化誘導する際に従来行われるハンギングドロップ法においても細胞の集合が生ずるが、その際に形成される集合体(即ち胚様体)はサイズが小さく、しかもその構成細胞は既に分化へと方向付けられたものである。これに対して本発明の維持方法によって形成される球状体はサイズが比較的大きく(例えば0.2mm〜1mm程度)、しかもそれを構成する細胞は未分化性を維持している。このように、本発明の維持方法によって形成される球状体は胚様体と明確に相違する。
必要に応じて、ES細胞の回収及び/又は継代を行う。例えば、トリプシン処理等を施せば細胞浮遊液の状態で回収することができる。このようにして得られた細胞浮遊液を、新たな培地を満たした培養容器に播種し継代すればよい。回収及び継代に伴うその他の操作は常法に従えばよい。
ES細胞の未分化性の確認は常法で行うことができる。即ち、アルカリフォスファターゼ染色陽性であること、Oct3遺伝子、Oct4遺伝子、Nanog遺伝子、Eras遺伝子、Rex-1遺伝子などの発現が認められること、SSEA(Stage specific embryonic antigen)3, SSEA-4、TRA-1-60、TRA-1-81などの抗原陽性であること、テラトーマ形成能を有することなどを確認すればよい。
<マウスES細胞を用いた培養実験>
通常の血清を含む培地で未分化に維持しているマウスES細胞( D3、あるいはD3(EGFP)#3)を用いて以下の培養実験を行った。
IMDM/F12を1:1で混合した培地(IMDM/HamF12(Gibco社))に0.1%(W/V)ポリビニルアルコール(PVA)(Sigma社)、ペニシリン及びストレプトマイシン(100U/ml、100μg/ml、Gibco社)、2x10-3MのL-グルタミン(Gibco社)、10-4M 2-メルカプトエタノール(2-ME)(Sigma社)、1xITS-X(GIBCO社)(インスリン量10μg/ml、トランスフェリン量5.5 μg/ml、セレニウム量6.7ng/ml)、1000 U/mlの白血病抑制因子(LIF)(Gibco社)を添加し、無血清培地(ES-SFM)とした。一方、サブコンフルエントの状態にある上記マウスES細胞をトリプシン処理後、遠心分離法で回収し、細胞浮遊液を得た。この細胞浮遊液約1mlを、約9mlのES-SFMをいれた非接着性バクテリアグレードの培養皿(スタンダードディッシュ、Falcon社製)に播種した後(播種密度2×105cells/ml)、培養皿を37℃、5%CO2のインキュベーターに移した。
1回/1日の頻度で90パーセントの培地交換を行うとともに、細胞の形態を観察した。培養後数日で細胞は球状に集合し、良好な増殖が認められた。培養開始後7日目には約0.2〜1mm程度の細胞塊が複数形成された(図1)。培養開始後140日目(30回以上の分裂が行われた状態)に細胞(又は細胞塊)を以下の手順で回収した。この間、およそ一週間ごとに全細胞を遠心して回収し全量の半分を新しいディッシュに移して同様に培養を続けた。この方法では、平均すると一週間に2回分裂したことになる。細胞塊の回収は、大きな細胞塊をほぐすのに十分なピペッティングを行った後、遠心分離を行った。回収した細胞又は細胞塊を用いて、浮遊培養後の未分化性を以下の方法で確認した。
1.形態観察による確認
回収した細胞を、血清含有培地(15%牛胎児血清、1000U/ml LIF、0.1mM 2メルカプトエタノール、1X非必須アミノ酸、2mM L-グルタミン、100U/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシンを含むDMEM)でコンフルエントな状態に増殖させたフィーダー細胞(MEF)上に播種し(3X105cells/ml)、37℃、5%CO2条件下で培養した。培養開始後2日目の観察において未分化ES細胞に特徴的な形態が観察され、島状のコロニーの形成も認められた(図2)。
2.未分化ES細胞特異的マーカーによる確認
回収した細胞において、未分化維持に必要な遺伝子(Oct4、Eras、Nanog)が発現しているかをRT-PCR法で調べた。コントロールとして通常の接着培養(フィーダー細胞(MEF)の存在下、血清含有培地で培養)で培養したマウスES細胞を使用した。RT-PCR法の操作手順を以下に記す。
(total RNAの抽出)
(1)細胞をトリプシン処理し、遠心する。
(2)上清を除去し、ISOGENを1ml加えて室温で1分おく。
(3)クロロホルムを200μl加え、ボルテックスで攪拌し室温で3分おく。
(4)12000rpm、4℃で15分遠心する。
(5)上清のみを別のチューブに移しイソプロパノールを500μl加え室温で5分おく。
(6)12000rpm、4℃で10分遠心する。
(7)上清を除去し、70%エタノールを1ml加える。
(8)15000rpm、4℃で5分遠心する。
(9)上清を除去し、しばらく乾燥させてからDEPC水(RNA分解酵素を除去した水)20μlに溶かす。
(Fast strand cDNAの作製)
(1)テンプレートとなるRNA5μgにrandam hexamer 1μl、10mM dNTP 1μlを加え、全体が10μlになるようにDEPC水を加える。
(2)65℃で5分おいた後、氷上で1分おく。
(3)(2)の溶液に、10x RT buffer 2μl、25mM MgCl2 4μl、0.1M DTT 2μl、Rnase OUT 1μlを加える。
(4)スピンダウンして、室温で2分おく。
(5)(4)の溶液にSuper Script II(Invitrogen社)を1μl加え、室温で10分おく。
(6)42℃で50分おく。
(7)70℃で15分おいた後、氷上で1分おく。
(8)スピンダンンした後、RnaseH(Invitrogen社)を1μl加えて37℃で20分おく。
(サーマルサイクラーによるPCR反応)
(1)テンプレートとなるcDNA 0.5μlにプライマーフォワード、リバースそれぞれ0.5μlずつ、dNRP 4μl、10xbuffer 5μl、rTaq 0.5μlを加え、全体が50μlになるように水を加える。
(2)サーマルサイクラーの反応条件を以下のように設定。
GAPDH、Oct4、Eras用の条件
Step1:84℃ 1分
Step2:94℃ 2分
Step3:94℃ 30秒
Step4:60℃ 30秒
Step5:72℃ 1分
Step3-5を35回繰り返す。
Nanog用の条件
Step1:95℃ 10分
Step2:95℃ 15秒
Step3:60℃ 1分
Step2-3を40回繰り返す。
(3)アガロース電気泳動後、エチジウムブロマイドで染色し目的のバンドを確認する。
RT-PCRの結果を図3に示す。右端のレーンがサンプル(浮遊培養後の細胞)レーン、左端及び中央のレーンがコントロール(接着培養後の細胞)レーンである。サンプルレーンにおいて各遺伝子(Oct4、Eras、Nanog)の発現が認められる。この結果より、浮遊条件で培養しても未分化状態が維持されていることが示唆された。尚、GAPDHは全ての細胞で恒常的に発現する遺伝子である。
3.分化誘導による確認
実際の多分化能を試験管内で確認するため、回収したES細胞をメラノサイトへ分化誘導する条件下で培養した。
(1)ゼラチンコートした6穴プレートにフィーダー細胞(ST2)を播く(ST2用培地(RPMI、5% FCS、1mM 2-ME)を使用)。
(2)3日後、ES細胞を播く(メラノサイト誘導用培地(α-MEM、10% FCS、10mM Dexamethasone、200nM bFGF、5nM CT)を使用)。
(3)2日に1回培地交換する
浮遊培養によって形成された細胞塊より回収した細胞を以上の方法で分化誘導した結果、16〜21日程で黒色の色素顆粒を持ち、樹状の形態をしたメラノサイトが誘導された(図4)。この結果より、浮遊培養した後のES細胞が実際に分化能を保持していることが確認された。
4.アルカリフォスファターゼ活性による確認
浮遊培養したES細胞に、未分化ES細胞の指標であるアルカリフォスファターゼの活性があるかどうかを以下の手順で調べた。
(1)浮遊培養によって形成された細胞塊を回収し、4%パラホルムアルデヒドを1ml加え、室温で4分おく。
(2)パラホルムアルデヒドを除去し、リン酸緩衝食塩水で洗浄する。
(3)0.1M Tris-Hcl+50mM MgCl2で洗浄する。
(4)発色液(ナフトールAS-MXホスフェート 14.4mg、ファストレッドバイオレット 2.4mg、0.1M Tris-Hcl+50mM MgCl2 24ml)2mlを加え、遮光して30-60分おく。
(4)アルカリフォスファターゼ活性があれば、赤く染色される。
以上の手順でアルカリフォスファターゼ活性を調べた結果、浮遊培養で形成された細胞塊は赤く染色され(図5 )、アルカリフォスファターゼを発現していることが確認された。また、浮遊培養で形成された細胞塊から回収した細胞をフィーダー細胞(MEF)上で培養した後、アルカリフォスファターゼ活性を測定したところ、アルカリフォスファターゼ活性が持続していた(図6)。以上の結果は、浮遊培養されたES細胞が未分化状態を維持していることを示すものである。
以上の実験によって、フィーダー細胞非存在下、無血清培地を使用した浮遊培養によって、マウスES細胞を未分化の状態に維持できることが明らかとなった。また、従来の方法(フィーダー細胞との共培養、血清含有培地の使用)と同等の細胞増殖率が得られており、未分化ES細胞の調製方法として本方法が有効であることも確認できた。一方、本方法ではフィーダー細胞、血清及び血清代替物のいずれも使用しないことから、培養コストを低く抑えることができるとともに、再現性のよい結果が得られる。また、本方法は厳密に添加物をコントロールしたい増殖実験や移植用の細胞を得る手段として極めて有効であるといえる。
本発明のES細胞の維持方法によれば、フィーダー細胞、血清及び血清代替物のいずれも使用することなく、ES細胞を未分化の状態で維持することができる。従って、培養コストを低減できるとともに、高い安全性を確保できる。特に、フィーダー細胞などを培養系から排除することで動物由来成分の混入のおそれがなくなることは、ヒトES細胞を臨床応用する上で有効である。また、本発明の維持方法では血清などロット差の大きい添加物が使用されないことから高い再現性が得られ、ES細胞の増殖条件の厳密な検討も可能となる。従って、基礎的研究から応用的研究に至るまで、ES細胞を対象とした研究を進める上で本発明は極めて有用な手段となる。
ヒトES細胞の再生医療への適用という極めて重要で産業的価値の大きな分野では、現在のところES細胞の維持のためにマウスの細胞が必要であることが最大のネックになっている。本発明はこのような再生医療を推進する技術革新になることが期待される。
この発明は、上記発明の実施の形態及び実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
本明細書の中で明示した論文、公開特許公報、及び特許公報などの内容は、その全ての内容を援用によって引用することとする。
フィーダー細胞非存在下、無血清培地でマウスES細胞を浮遊培養することによって形成された球状の細胞塊を示す図。倍率x100。 浮遊培養後のマウスES細胞をフィーダー細胞上で培養した結果を示す図。未分化ES細胞に特有の島状のコロニーが観察される。倍率x200。 浮遊培養後のマウスES細胞におけるOct4、Eras、Nanogの発現をRT-PCRで調べた結果を示す図。右端がサンプル(浮遊培養後の細胞)レーン、左端及び中央はコントロール(接着培養後の細胞)レーン。 浮遊培養後のマウスES細胞をメラノサイト分化誘導系で培養した結果を示す図。黒色の顆粒を持つメラノサイトを確認できる。倍率x400。 浮遊培養によって形成された細胞塊のアルカリフォスファターゼ活性を調べた結果を示す図。細胞塊は全体に赤く染色されている。倍率x5.6。 浮遊培養後の細胞をフィーダー細胞上で培養した後、アルカリフォスファターゼ活性を測定した結果を示す図。倍率x200。

Claims (11)

  1. フィーダー細胞の非存在下、無血清培地中で胚性幹細胞を浮遊培養することを特徴とする、胚性幹細胞の維持方法。
  2. 前記無血清培地が動物由来成分を含まないことを特徴とする、請求項1に記載の胚性幹細胞の維持方法。
  3. 前記無血清培地がポリビニルアルコールを含有し、且つ動物由来アルブミンを含有しないことを特徴とする、請求項1又は2に記載の胚性幹細胞の維持方法。
  4. 前記胚性幹細胞が、マウス胚性幹細胞、サル胚性幹細胞及びヒト胚性幹細胞からなる群より選択される胚性幹細胞であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の胚性幹細胞の維持方法。
  5. 前記胚性幹細胞がマウス胚性幹細胞であり、前記無血清培地が白血病抑制因子を含有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の胚性幹細胞の維持方法。
  6. 前記胚性幹細胞がマウス胚性幹細胞であり、前記無血清培地が白血病抑制因子、ポリビニルアルコール、L-グルタミン、インスリン、トランスフェリン及びセレニウムを含有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか記載の胚性幹細胞の維持方法。
  7. 前記胚性幹細胞がマウス胚性幹細胞であり、前記無血清培地が、基本培地に白血病抑制因子、ポリビニルアルコール、L-グルタミン、インスリン、トランスフェリン、セレニウム及び2-メルカプトエタノールを添加した培地であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の胚性幹細胞の維持方法。
  8. 前記基本培地が、イスコフ改変ダルベッコ培地、ハムF12培地、ダルベッコ改変イーグル培地及びグラスゴー基本培地からなる群より選択されるいずれか又は二以上の混合培地であることを特徴とする、請求項7に記載の胚性幹細胞の維持方法。
  9. 前記浮遊培養が、表面が非接着性の容器内にいれた前記無血清培地中で前記胚性幹細胞を培養することによって実施されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の胚性幹細胞の維持方法。
  10. 請求項1〜9のいずれかの方法によって維持された胚性幹細胞。
  11. 基本培地に白血病抑制因子、ポリビニルアルコール、L-グルタミン、インスリン、トランスフェリン、セレニウム、2-メルカプトエタノール及び抗生物質を添加して得られる、マウス胚性幹細胞維持用の無血清培地。
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