JP2007227853A - 円筒対称偏光レーザー共振器 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は光学素子の位置の変動に対して安定で、偏光状態が励起パワーに依存しない円筒対称偏光レーザー共振器の提供すること。
【解決手段】共振器を構成する光学素子の少なくともひとつに複屈折性の結晶を用い、特定の円筒対称偏光成分のみが安定共振条件となるようにレーザー共振器を構成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、径方向あるいは方位方向のいずれかの偏光成分のみを有するレーザー光ビームを発生させるレーザー共振器に関する。
レーザー光が有する偏光状態として従来良く知られているのは、直線偏光、円偏光あるいは無偏光であり、レーザー共振器から発生したレーザー光ビームにおける偏光の空間分布は、ビーム全体に渡り同一である。ところが、レーザー光軸をz軸にとる円筒座標系を考えた場合には、レーザー光ビームの偏光として、直線偏光が放射状に分布する径偏光、あるいは同心円状に分布する方位偏光が存在することが知られている。これらの円筒対称な偏光分布を有するレーザー光ビームは、より小さなスポットサイズ、光強度が中心で弱く周囲で強い空間の創出といった優れた集光特性を有することが予測されており、高分解能光学顕微鏡や原子・微粒子の光トラッピングなどへの応用が期待される。また、円筒対称変更とすることで、高出力化に伴う熱複屈折のために生じるレーザー品質低下の軽減が計られることも期待されており、その実証あるいは実用化のために円筒対称偏光レーザー光を発生させる装置がいくつか開発されている。
円筒対称偏光として一般的である径偏光あるいは方位偏光レーザー光を発生させるためには、特殊な光学素子を用いる、あるいは複数のレーザー光ビームを重ね合せるなどの方法が開発されているが、ほとんどは複雑で特殊は光学素子構造、あるいは波長程度の精度での調整が必要な方法となっている。例えば、レーザー共振器内で複数のビームの一部を重ね合わせる方法(例えば、非特許文献1)は、反射鏡の僅かな位置の変動に極めて敏感であってレーザー発振は不安定となる。レーザー共振器内に偏光素子と特殊な位相制御素子を挿入して複数のレーザーモードを重ね合わせる方法(例えば、非特許文献2および特許文献1)も、同様に光学素子の位置の変動に敏感でレーザー発振が不安定となる。
これに対して複屈折を利用して、径あるいは方位方向のいずれか一方の偏光成分のみでの発振を得る方法(例えば、非特許文献3)では、異なるモードやビームの重ね合せを用いていないため、レーザー発振は安定となる。しかし、この方法ではレーザー媒質(Nd:YAG)の熱複屈折を利用しており、これは励起パワーに依存するため、偏光状態が安定な発振はある限られた励起パワー領域となる。また、強い熱複屈折効果を得るためには、励起パワーを大きくする必要があり、低出力レーザーでは効果が期待できないという欠点がある。
特表2003−509871号公報 D.J.Armstrong, et al., Appl. Opt., 42 (2003)3550 R. Oron et. al, Appl. Phys. Lett., 77 (2000) 3322 I. Moshe et al., Opt. Lett., 28 (2003) 807
そこで、本発明は光学素子の位置の変動に対して安定で、偏光状態が励起パワーに依存しない円筒対称偏光レーザー共振器の提供を目的とする。
本発明に掛る円筒対称偏光レーザー共振器は、上述した課題を解決するために、レーザー共振器を構成するレーザー媒質、反射鏡、導光路などの光学素子材料が持つ固有の複屈折性を利用して、円筒対称な径あるいは方位偏光のレーザー光を発振させることを特徴としている。
Nd:YAGなどの等方性結晶はどの方向の光に対しても同じ屈折率を持っているが、一軸性あるいは二軸性などの非等方性結晶では、結晶軸に対する光の入射角度および偏光方向によって屈折率が異なる。例えば、YVO4(Yittrium Orthovanadate)は一軸性の結晶であり、光学軸(c軸)と光線とが作る面と偏光方向が平行である異常光線と、その面に垂直な常光線に対して、異なる屈折率を有する。従って、光ビームの光軸と結晶のc軸を一致させると、異常光線は径偏光、常光線は方位偏光に対応する。また、異常光線の屈折率は入射する光線の角度に依存するので、光ビームが僅かでも集束あるいは発散していると、径偏光成分と方位偏光成分では異なる屈折を受ける。そこで、径偏光あるいは方位偏光のうち一方の偏光成分の光ビームに対しては不安定、他方の偏光成分の光ビームに対しては安定となるようなレーザー共振器とすることにより、安定な偏光成分のレーザービームだけが発振できる。
これを実現するため、本発明ではレーザー共振器を構成するレーザー媒質、反射鏡、導光路などの光学素子の少なくともひとつに複屈折性を有する材料を用いて、円筒対称偏光レーザー光を得る。a軸カットのNd:YVO4結晶は、直線偏光で発振するが、c軸カットの場合には、径偏光と方位偏光の光路が分離されるため、適切な位置に反射鏡を設置するといずれかの偏光成分でのみ発振する。同じように一軸性の複屈折性をもつレーザー媒質であるNd:GdVO4は、より熱伝導率が高いため高出力化が可能となる。
Nd:YVO4とNd:GdVO4は異常光線に対する屈折率が常光線のそれよりも高い正結晶であるが、負結晶を用いてもよい。また、二軸性の結晶でもよい。また、端面に高反射処理を施した複屈折性の結晶を共振器反射鏡として用いてもよい。また、共振器内に導光路として複屈折性の結晶を置いてもよい。また、共振器に用いる反射鏡の共振器内側および外側は平面、凹面、凸面のいずれでもよい。また、励起方法としては、サイドポンプあるいはエンドポンプのいずれでもよい。また、レーザー発振は連続あるいはパルスのいずれでもよい。得られた円筒対称偏光レーザー光は増幅器によって、熱複屈折の影響を受けずにさらに高出力化できる。
本発明により、光学素子の位置の変動に対して安定で、偏光状態が励起パワーに依存しない円筒対称偏光レーザーが得られ、高分解能光学顕微鏡や原子・微粒子の光トラッピングなどへの応用が可能となる。また、円筒対称な偏光とすることにより、熱複屈折のために生じるビーム品質の低下を軽減できるため、レーザー媒質の性能を十分に生かした、より高出力なレーザー光を得ることができる。
図1に円筒対称偏光レーザービームの偏光分布を示す。(a)および(b)はそれぞれ、径偏光および方位偏光である。径偏光では直線偏光が放射状に、方位偏光では同心円状に分布している。図2に円筒対称偏光レーザー共振器の一例を示す。c軸カットのNd:YVO4結晶2が凹面鏡1と平面鏡3で構成される共振器内に置かれている。結晶2のc軸の方向は共振器の光軸と同じであり、図では水平方向である。結晶2は正結晶であり、レーザー光のうち径偏光成分は実線で、方位偏光成分は点線で表される。平面反射鏡の位置を、径偏光成分の焦点ないしそのやや手前にすると、共振器は方位偏光成分に対して不安定となるのに対して、径偏光成分に対しては安定な共振器となる。結晶2を波長808nm付近の半導体レーザー光などで励起すると径偏光レーザー光が発振する。さらに径偏光レーザー光に損失を与えない適当な大きさの開口4を共振器内に挿入すると、高次のエルミートガウスモードの発振が抑制され、径偏光レーザー光がより安定になる。
図3に発振した径偏光レーザー光の強度分布の測定例を示す。(a)より、中心での強度が弱いドーナツ型の分布をしていることがわかる。直線偏光板を通した後の強度分布を(b)、(c)および(d)に示す。図中右下の矢印は直線偏光板の偏光方向を示している。これらより、得られたレーザー光の偏光が放射状であり、径偏光ビームであることがわかる。このレーザー光は励起光強度に依存せず、常に径偏光となっている。また、機械的振動に乱されることは全くなく、安定な発振が得られる。
円筒対称偏光レーザー光ビームの偏光分布 (a)径偏光、(b)方位偏光。 円筒対称偏光レーザー共振器の例。 径偏光レーザー光の強度分布。
符号の説明
1: 全反射鏡(凹面鏡)
2: レーザー媒質(c-軸カットNd:YVO4結晶)
3: 出力鏡(平面鏡)
4: 開口(アパーチャー)

Claims (9)

  1. レーザー共振器を構成する少なくともひとつの光学素子に複屈折性の材料を用いて、円筒対称偏光を有するレーザー光ビームを発生させることを特徴とするレーザー共振器。
  2. 前記材料が一軸性あるいは二軸性であることを特徴とする請求項1に記載のレーザー共振器。
  3. 前記材料の複屈折性が正あるいは負であることを特徴とする請求項1に記載のレーザー共振器。
  4. 発振するレーザーモードが最低次あるいは高次の少なくともひとつである、あるいは複数であることを特徴とする請求項2または3に記載のレーザー共振器。
  5. 端面に高反射処理を施した複屈折性の結晶を用いたことを特徴とする請求項4に記載のレーザー共振器。
  6. 共振器に用いる反射鏡の共振器内側および外側の形状が平面、凹面、凸面のいずれかであることを特徴とする請求項4または5に記載のレーザー共振器。
  7. 励起方法がサイドポンプあるいはエンドポンプのいずれか、あるいはこれらの併用であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のレーザー共振器。
  8. 発振が連続あるいはパルスのいずれかであることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のレーザー共振器。
  9. 前記円筒対称偏光レーザー光を増幅することを特徴とする1ないし8のいずれかに記載の光増幅装置。
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