JP2007214293A - レーザ増幅媒体、レーザ増幅器、およびレーザ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】軸性を有する結晶体を用いても、球面レンズによって出力レーザ光のビーム品質の低下を抑制することが可能なレーザ増幅媒体を提供することを目的としている。
【解決手段】本発明の一実施形態に係るレーザ増幅媒体は、第1の軸線に直交する第2の軸線方向に軸性を有すると共に、該第1の軸線に沿って並ぶN個の結晶体(Nは2以上の整数)を備えている。N個の結晶体の各々は、N個の結晶体のうちいずれか一つの第2の軸線方向を基準として、第2の軸線方向が180・K/N度(Kは0以上N−1以下の整数)のうち異なるいずれかの方向に傾斜するように配置されている。
【選択図】図3
【解決手段】本発明の一実施形態に係るレーザ増幅媒体は、第1の軸線に直交する第2の軸線方向に軸性を有すると共に、該第1の軸線に沿って並ぶN個の結晶体(Nは2以上の整数)を備えている。N個の結晶体の各々は、N個の結晶体のうちいずれか一つの第2の軸線方向を基準として、第2の軸線方向が180・K/N度(Kは0以上N−1以下の整数)のうち異なるいずれかの方向に傾斜するように配置されている。
【選択図】図3
Description
本発明は、レーザ増幅媒体、レーザ増幅器、およびレーザ装置に関するものである。
レーザ光の高エネルギー化に伴い、YAG結晶体(イットリウム・アルミニウム・ガーネット結晶体)に代えてYLF結晶体(イットリウム・リチウム・フッ化物結晶体)をレーザ増幅媒体として用いるレーザ装置が知られている。特許文献1には、YLF結晶体をレーザ増幅媒体として用いるレーザ装置が記載されている。
特許第3339306号公報
一般に、レーザ増幅器は、レーザ増幅媒体に発生する熱を低減するためにレーザ増幅媒体の周囲に冷却機構を有している。しかしながら、出力レーザ光の高エネルギー化を図ると、レーザ増幅器に高いエネルギーを有するレーザ光が入射することとなり、レーザ増幅媒体の中心まで冷却することが困難となり、レーザ増幅媒体の径方向には熱分布が生じてしまう。その結果、レーザ増幅器の出力光のビーム品質が低下してしまい、レーザ装置の出力レーザ光のビーム品質が低下してしまう。このような現象を熱レンズ効果という。ビーム品質とは、強度パターンの均一性、ビーム径、ビーム形状、エムスクエア特性などである。
ところで、YLF結晶体は軸性を有しているので、YLF結晶体を用いたレーザ増幅媒体における熱レンズ効果は非球面状に発生する。そのために、YLFレーザ増幅媒体を用いたレーザ増幅器の出力光のビーム品質の低下を抑制することが困難であった。
そこで、本発明は、軸性を有する結晶体を用いても、容易に出力レーザ光のビーム品質の低下を抑制することが可能なレーザ増幅媒体、レーザ増幅器、およびレーザ装置を提供することを目的としている。
本発明のレーザ増幅媒体は、第1の軸線に直交する第2の軸線方向に軸性を有すると共に、該第1の軸線に沿って並ぶN個の結晶体(Nは2以上の整数)を備えている。N個の結晶体の各々は、N個の結晶体のうちいずれか一つの第2の軸線方向を基準として、第2の軸線方向が180・K/N度(Kは0以上N−1以下の整数)のうち異なるいずれかの方向に傾斜するように配置されている。
このレーザ増幅媒体によれば、第1の軸線に直交する第2の軸線方向に軸性を有するN個の結晶体(Nは2以上の整数)が第1の軸線に沿って並んでおり、N個の結晶体の各々は、N個の結晶体のうちいずれか一つの第2の軸線方向を基準として、第2の軸線方向が180・K/N度(Kは0以上N−1以下の整数)のうち異なるいずれかの方向に傾斜するように配置されているので、第1の軸線に直交する面における光学特性、すなわち屈折率の温度依存性が同心円状に平均化される。その結果、このレーザ増幅媒体によれば、熱レンズ効果が球面状に発生する。したがって、このレーザ増幅媒体を一対の球面レンズを有するレーザ装置に適用すれば、熱レンズ効果によってレーザ増幅器の出力光のビーム品質が低下しても、一対の球面レンズの位置を調整することによってレーザ光を適切に像転送することができ、レーザ増幅器の出力光のビーム品質の低下を補正することが可能である。故に、レーザ装置の出力レーザ光のビーム品質の低下を抑制することが可能となる。
本発明のレーザ増幅器は、入射された被増幅光を増幅するレーザ増幅器であって、被増幅光の光路に沿った第1の軸線を有する上記したレーザ増幅媒体と、レーザ増幅媒体に励起光を照射する励起光発生部と、を備えている。
このレーザ増幅器によれば、上記したレーザ増幅媒体を備えているので、熱レンズ効果が球面状に発生する。したがって、このレーザ増幅器を一対の球面レンズを有するレーザ装置に適用すれば、熱レンズ効果によってレーザ増幅器の出力光のビーム品質が低下しても、一対の球面レンズの位置を調整することによってレーザ光を適切に像転送することができ、レーザ増幅器の出力光のビーム品質の低下を補正することが可能である。故に、レーザ装置の出力レーザ光のビーム品質の低下を抑制することが可能となる。
本発明のレーザ装置は、入射された被増幅光を増幅する上記したレーザ増幅器と、被増幅光の光路に沿って位置調整可能であり、レーザ増幅器からの出力光をレーザ増幅器の入力へ像転送するための一対の球面レンズと、を備えている。
このレーザ装置によれば、上記したレーザ増幅器を備えているので、レーザ増幅媒体による熱レンズ効果が球面状に発生する。また、このレーザ装置によれば、一対の球面レンズを備えているので、熱レンズ効果によってレーザ増幅器の出力光のビーム品質が低下しても、一対の球面レンズの位置を調整することによってレーザ光を適切に像転送することができ、レーザ増幅器の出力光のビーム品質の低下を補正することが可能である。故に、レーザ装置の出力レーザ光のビーム品質の低下を抑制することが可能となる。
また、本発明の別のレーザ装置は、入射された被増幅光を増幅するレーザ増幅器であって、該被増幅光の光路に沿った第1の軸線に直交する第2の軸線方向に軸性を有するレーザ増幅媒体を有すると共に、該光路に沿って並ぶN個の該レーザ増幅器(Nは2以上の整数)と、光路に沿って位置調整可能であり、n番目(nは2以上N以下の整数)のレーザ増幅器からの出力光を隣り合うレーザ増幅器の入力へ像転送するためのN対の球面レンズと、を備えている。N個のレーザ増幅器の各々は、N個のレーザ増幅器のうちいずれか一つのレーザ増幅媒体の第2の軸線方向を基準として、レーザ増幅媒体の第2の軸線方向が180・K/N度(Kは0以上N−1以下の整数)のうち異なるいずれかの方向に傾斜するように配置されている。
このレーザ装置によれば、光路に沿った第1の軸線に直交する第2の軸線方向に軸性を有するレーザ増幅媒体を有するN個のレーザ増幅器(Nは2以上の整数)が光路に沿って並んでおり、N個のレーザ増幅器の各々は、N個のレーザ増幅器のうちいずれか一つのレーザ増幅媒体の第2の軸線方向を基準として、レーザ増幅媒体の第2の軸線方向が180・K/N度(Kは0以上N−1以下の整数)のうち異なるいずれかの方向に傾斜するように配置されているので、光路に直交する面における光学特性、すなわち屈折率の温度依存性が同心円状に平均化される。その結果、このレーザ装置によれば、熱レンズ効果が球面状に発生する。また、このレーザ装置によれば、N対の球面レンズを備えているので、熱レンズ効果によってレーザ増幅器の出力光のビーム品質が低下しても、N対の球面レンズの位置を調整することによってレーザ光を適切に像転送することができ、レーザ増幅器の出力光のビーム品質の低下を補正することが可能である。故に、レーザ装置の出力レーザ光のビーム品質の低下を抑制することが可能となる。
上述したレーザ装置では、前記光路上における前記レーザ増幅器の出力側に設けられたλ/4波長板をさらに備えることが好ましい。この場合、線偏光の被増幅光が増幅媒体によって円偏光にされた場合でも、線偏光のレーザ光に戻すことができる。
本発明によれば、軸性を有する結晶体を用いても、一対の球面レンズの位置調整によって容易に出力レーザ光のビーム品質の低下を抑制することが可能なレーザ増幅媒体、レーザ増幅器、およびレーザ装置が提供される。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の実施形態に係るレーザ装置の構成を示す図である。図1に示すレーザ装置1はリング型レーザ共振器である。レーザ装置1は、偏光ビームスプリッタ10、光スイッチ20、空間フィルタ部30、偏光ビームスプリッタ40、反射鏡51、レーザ増幅器60、λ/4波長板70、反射鏡52が周回光路L1(図1に点線で示す)に沿って順に配置された構成を備えている。
図1は、本発明の実施形態に係るレーザ装置の構成を示す図である。図1に示すレーザ装置1はリング型レーザ共振器である。レーザ装置1は、偏光ビームスプリッタ10、光スイッチ20、空間フィルタ部30、偏光ビームスプリッタ40、反射鏡51、レーザ増幅器60、λ/4波長板70、反射鏡52が周回光路L1(図1に点線で示す)に沿って順に配置された構成を備えている。
偏光ビームスプリッタ10は、周回光路L1および入力光Oinに対して45度の角度をなすように設けられている。偏光ビームスプリッタ10は、例えば、S偏光を有する光を反射し、P偏光を有する光を透過する。このようにして、偏光ビームスプリッタ10は、入力光OinにおけるS偏光(被増幅光)を周回光路L1上に設けられた光スイッチ20へ導く。
光スイッチ20は、半波長板21および偏光回転素子22を有している。半波長板21は、偏光ビームスプリッタ10から受けた被増幅光の偏光を変更する。偏光回転素子22には、例えばポッケルスセルが用いられる。偏光回転素子22は、オン状態のときに半波長板21から受けた被増幅光の偏光を変更して空間フィルタ部30へ出力する。一方、偏光回転素子22は、オフ状態のときには半波長板21から受けた被増幅光をそのまま空間フィルタ部30へ出力する。
空間フィルタ部30は、周回光路L1上に配置され、一対の球面レンズ31,32およびピンホール35を有している。一対の球面レンズ31,32は、レーザ増幅器60からの出力光をレーザ増幅器60の入力へ像転送する。一対の球面レンズ31,32による像転送の詳細は後述する。一対の球面レンズ31,32は、周回光路L1に沿って位置調整が可能となっている。一対の球面レンズ31,32の間にはピンホール35が設けられている。
空間フィルタ部30は、球面レンズ31によって集光できない被増幅光における高次の波面収差成分をピンホール35で遮断する。ここで、空間フィルタ部30が備えるピンホール35の周囲は、第1の窓36Aおよび第2の窓36Bを備える保持容器36によって真空に保持されている。これによって、空間フィルタ部30の内部で高エネルギーを有するレーザ光が集光されても、誘電崩壊(エアブレークダウン)やプラズマ化が防止される。
空間フィルタ部30は、更に、反射鏡33を球面レンズ31と第1の窓36Aとの間に備え、反射鏡34を第2の窓36Bと球面レンズ32との間に備えている。反射鏡33は、周回光路L1に対して45度の角度をなすように設けられており、球面レンズ31を透過した被増幅光を90度方向転換することによってピンホール35へと導く。反射鏡34は、周回光路L1に対して45度の角度をなすように設けられており、ピンホール35を透過した被増幅光を90度方向転換することによって球面レンズ32を介して偏光ビームスプリッタ40へと導く。
偏光ビームスプリッタ40は、周回光路L1に対して45度の角度をなすように設けられている。偏光ビームスプリッタ40は、例えば、S偏光を有する光を反射し、P偏光を有する光を透過する。このようにして、偏光ビームスプリッタ40は、空間フィルタ部30から受ける被増幅光におけるS偏光を周回光路L1から出力レーザ光Ooutとして出力し、この被増幅光におけるP偏光を周回光路L1上に設けられた反射鏡51へ導く。
反射鏡51は、周回光路L1に対して45度の角度をなすように設けられている。反射鏡51は、偏光ビームスプリッタ40を透過した被増幅光を90度方向転換し、その反射光をレーザ増幅器60へ導く。
レーザ増幅器60は、反射鏡51から受ける被増幅光を増幅してλ/4波長板70へ出力する。レーザ増幅器60の詳細については後述する。一般的なレーザ装置は、線偏光を有する光を効率よく周回させるように構成されている。そのために、λ/4波長板70は、レーザ増幅器60から出力された円偏光を有する被増幅光を線偏光に変換するために設けられている。λ/4波長板70は、この線偏光を有する被増幅光を反射鏡52へ導く。
反射鏡52は、周回光路L1に対して45度の角度をなすように設けられている。反射鏡52は、レーザ増幅器60によって増幅された被増幅光を90度方向転換し、その反射光を偏光ビームスプリッタ10へ導く。
次に、レーザ増幅器60について説明する。図2は、本発明の実施形態に係るレーザ増幅器の構成を示す図である。図2に示すレーザ増幅器60は、固体レーザ増幅器である。レーザ増幅器60は、レーザ増幅媒体61と、冷却部62と、励起光発生部63とを有している。
冷却部62は、レーザ増幅媒体61の側面を覆うように設けられている。例えば、冷却部62の内部には冷却水が流れており、レーザ増幅媒体61を冷却する。冷却部62の外側には、励起光発生部63が設けられている。励起光発生部63は、被増幅光を増幅するための励起光をレーザ増幅媒体61へ入射する。
次に、レーザ増幅媒体61について説明する。図3は、本発明の実施形態に係るレーザ増幅媒体の構成を示す図である。図3に示すレーザ増幅媒体61は、4つの結晶体61a,61b,61c,61dを有している。
結晶体61a〜61dは、例えば、ディスク形状やスラブ形状をなしている。結晶体61a〜61dは、図1に示す周回光路L1に沿った第1の軸線Xに沿って順に並んでいる。結晶体61a〜61dは、第1の軸線Xに沿って隣接して設けられていてもよいし、それぞれ離間して設けられていてもよい。結晶体61a〜61dは、例えばNd:YLF(ネオジウム添加イットリウム・リチウム・フッ化物)からなっており、1軸性を有している。図4は1軸性結晶体を示す図である。図4には結晶体61aを例示するが、結晶体61b〜61dも結晶体61aと同様である。図4に示す結晶体61aは、第1の軸線Xに直交する第2の軸線Y方向に軸性を有している。具体的には、結晶体61aにおける第1の軸線Y方向の光学特性と第3の軸線Z方向の光学特性とは同一であるが、第1の軸線X方向の光学特性と第2の軸線Y方向の光学特性とは異なっている。光学特性には、屈折率の熱依存特性が含まれている。
再び図3を参照する。結晶体61a〜61dの各々は、結晶体61a〜61dのうちいずれか一つの第2の軸線Y方向を基準として、第2の軸線Y方向が180・K/4度(Kは0以上3以下の整数)のうち異なるいずれかの方向に傾斜するように配置されている。例えば、結晶体61aの第2の軸線Ya方向を基準とすると、結晶体61aの第2の軸線Ya方向は0度の方向を向いており、結晶体61bの第2の軸線Yb方向は、結晶体61aの第2の軸線Ya方向に対して(180・1/4)=45度の方向に傾斜している。また、結晶体61cの第2の軸線Yc方向は、結晶体61aの第2の軸線Ya方向に対して(180・2/4)=90度の方向に傾斜しており、結晶体61dの第2の軸線Yd方向は、結晶体61aの第2の軸線Ya方向に対して(180・3/4)=135度の方向に傾斜している。
次に、一対の球面レンズによる像転送について説明する。図5は、一対のレンズによる像転送の原理を説明するための図である。図5には、焦点距離がそれぞれf1,f2である一対のレンズ(リレーレンズ)81,82が示されており、像84は像83を転送した像である。ここで、像83とレンズ81との距離およびレンズ82と像84との距離をそれぞれd1、d2とすると、レンズ81,82による収差を低減するように適切に像転送を行うためには、下式(1)を満足する必要がある。
本実施形態では、レンズ81,82をそれぞれ一対の球面レンズ31,32とし、像83をレーザ増幅器60内のレーザ増幅媒体61の出力端におけるレーザ光、像84をこのレーザ増幅媒体61の入力端におけるレーザ光とすると、上記(1)式を満たすように、一対の球面レンズ31,32の位置を第1の軸線Xに沿って調整すれば、レーザ増幅媒体61の出力端から入力端へ適切に像転送が行われることとなる。
次に、第1の実施形態に係るレーザ装置1の動作を説明する。入力光Oinが偏光ビームスプリッタ10に対して45度の角度をなすように偏光ビームスプリッタ10に入射されると、入力光OinにおけるP偏光は偏光ビームスプリッタ10を透過し、入力光OinにおけるS偏光は偏光ビームスプリッタ10によって反射されて周回光路L1上に設けられた光スイッチ20へ導かれる。このとき、光スイッチ20をオフ状態、すなわち偏光回転素子22をオフ状態とすると、光スイッチ20に入射したS偏光を有する光は半波長板21によってP偏光に変更され、このP偏光を有する光は偏光回転素子22を介して空間フィルタ部30へ入射する。
空間フィルタ部30に入射したP偏光を有する光は、球面レンズ31を通過し、反射鏡33によって反射されて90度方向転換した後にピンホール35を通過する。その後、P偏光を有する光は、反射鏡34によって反射されて90度方向転換した後に球面レンズ32を通過し、偏光ビームスプリッタ40へ入射する。このようにして、空間フィルタ部30に入射したP偏光を有する光は、一対の球面レンズ31,32によって像転送されると共に、ピンホール35によって波面収差成分が除去される。
偏光ビームスプリッタ40に入射されたP偏光を有する光は、偏光ビームスプリッタ40を通過し、反射鏡51によって反射されて90度方向転換した後にレーザ増幅器60へ入射する。レーザ増幅器60に入射したP偏光を有する光は、レーザ増幅器60によって増幅されると共に円偏光を有する光に変換され、波長板70によってP偏光に変換される。このP偏光を有する光は、反射鏡52によって反射されて90度方向転換した後に偏光ビームスプリッタ10へ入射する。偏光ビームスプリッタ10へ入射したP偏光を有する光は、偏光ビームスプリッタ10を通過し、再び光スイッチ20へ入射する。
このとき、光スイッチ20をオン状態、すなわち偏光回転素子22をオン状態とすると、光スイッチ20に入射したP偏光を有する光は半波長板21によってS偏光に偏光された後に偏光回転素子22によって再びP偏光に変更される。したがって、光スイッチ20すなわち偏光回転素子22がオン状態である間、上記のように、P偏光を有する光は周回光路L1を周回することとなり、レーザ増幅器60によって複数回増幅される。
その後、光スイッチ20をオフ状態、すなわち偏光回転素子22をオフ状態とすると、光スイッチ20に入射したP偏光を有する光が半波長板21によってS偏光に変更され、このS偏光を有する光は偏光回転素子22および空間フィルタ部30を介して偏光ビームスプリッタ40に入射する。すると、偏光ビームスプリッタ40に入射したS偏光を有する光は、偏光ビームスプリッタ40によって反射されて90度方向転換した後に、レーザ装置1における周回光路L1より出力レーザ光Ooutとして出力される。
ここで、レーザ装置1における周回光路L1に閉じ込められ、レーザ増幅器60によって複数回増幅されたレーザ光は、次第に高いエネルギーを有することとなる。レーザ増幅器60は、レーザ増幅媒体61に発生する熱を低減するためにレーザ増幅媒体61の周囲に冷却部62を有しているが、レーザ増幅器60に高いエネルギーを有するレーザ光が入射すると、レーザ増幅媒体61の中心まで冷却することが困難であり、レーザ増幅媒体61の径方向には熱分布が生じてしまう。
また、レーザ増幅器60では、励起光発生部63からの励起光は固体レーザ増幅媒体における特定の径方向から入射されているので、レーザ増幅媒体61には熱分布が生じてしまう。
このとき、従来のようにレーザ増幅媒体61が一つの結晶体であると、第2の軸線Y方向の光学特性と第3の軸性Z方向の光学特性が異なる。具体的には、レーザ増幅媒体61における第2の軸線Y方向の屈折率の熱依存特性と第3の軸性Z方向の屈折率の熱依存特性が異なるので、レーザ増幅媒体61による熱レンズ効果が非球面状に発生することとなる。そのために、一対の球面レンズ31,32の位置を調整しても適切に像転送が行われず、レーザ増幅器60からの出力光のビーム品質が低下してしまう。具体的には、強度パターンが不均一となり、ビーム径が大きく干渉し、ビーム形状が円形ではなくなり、エムスクエア特性が低下する。すると、空間フィルタ部30におけるピンホール35によってレーザ光の一部が不必要に遮断される。その結果、レーザ装置1の出力レーザ光のビーム品質が低下する。
そこで、本実施形態のレーザ増幅媒体61によれば、第1の軸線Xに直交する第2の軸線Y方向に軸性を有する4個の結晶体61a〜61dが第1の軸線Xに沿って並んでおり、4個の結晶体61a〜61dの各々は、4個の結晶体61a〜61dのうちいずれか一つの第2の軸線Y方向を基準として、第2の軸線Y方向が180・K/4度(Kは0以上3以下の整数)のうち異なるいずれかの方向に傾斜するように配置されているので、第1の軸線Xに直交する面における光学特性、すなわち屈折率の温度依存性が同心円状に平均化される。その結果、このレーザ増幅媒体61によれば、熱レンズ効果が球面状に発生する。したがって、本実施形態のレーザ増幅媒体61を一対の球面レンズ31,32を有するレーザ装置1に適用すれば、熱レンズ効果によってレーザ増幅器60の出力光のビーム品質が低下しても、上記(1)式を満たすように一対の球面レンズ31,32の位置を調整することによってレーザ光を適切に像転送することができ、レーザ増幅器60の出力光のビーム品質の低下を補正することが可能である。故に、レーザ装置1の出力レーザ光のビーム品質の低下を抑制することが可能となる。
また、本実施形態のレーザ増幅器60によれば、上記したレーザ増幅媒体61を備えているので、熱レンズ効果が球面状に発生する。したがって、本実施形態のレーザ増幅器60を一対の球面レンズ31,32を有するレーザ装置1に適用すれば、熱レンズ効果によってレーザ増幅器60の出力光のビーム品質が低下しても、上記(1)式を満たすように一対の球面レンズ31,32の位置を調整することによってレーザ光を適切に像転送することができ、レーザ増幅器60の出力光のビーム品質の低下を補正することが可能である。故に、レーザ装置1の出力レーザ光のビーム品質の低下を抑制することが可能となる。
また、本実施形態のレーザ装置1によれば、上記したレーザ増幅器60を備えているので、レーザ増幅媒体61による熱レンズ効果が球面状に発生する。また、本実施形態のレーザ装置1によれば、一対の球面レンズ31,32を備えているので、熱レンズ効果によってレーザ増幅器60の出力光のビーム品質が低下しても、上記(1)式を満たすように一対の球面レンズ31,32の位置を調整することによってレーザ光を適切に像転送することができ、レーザ増幅器60の出力光のビーム品質の低下を補正することが可能である。故に、レーザ装置1の出力レーザ光のビーム品質の低下を抑制することが可能となる。
[第2の実施形態]
図6は、本発明の第2の実施形態に係るレーザ装置の構成を示す図である。図6に示すレーザ装置1Aはリング型レーザ共振器である。図6に示すレーザ装置1Aは、第1の実施形態のレーザ装置1において、レーザ増幅器60に代えて2つのレーザ増幅器60A,60Bを備えており、空間フィルタ部30に代えて2つの空間フィルタ部30A,30Bおよび反射鏡31A,32A,31B,32Bを備えている構成において第1の実施形態と異なっている。レーザ装置1Aのその他の構成については、第1の実施形態のレーザ装置1と同一であるので、以下では説明を省略する。
図6は、本発明の第2の実施形態に係るレーザ装置の構成を示す図である。図6に示すレーザ装置1Aはリング型レーザ共振器である。図6に示すレーザ装置1Aは、第1の実施形態のレーザ装置1において、レーザ増幅器60に代えて2つのレーザ増幅器60A,60Bを備えており、空間フィルタ部30に代えて2つの空間フィルタ部30A,30Bおよび反射鏡31A,32A,31B,32Bを備えている構成において第1の実施形態と異なっている。レーザ装置1Aのその他の構成については、第1の実施形態のレーザ装置1と同一であるので、以下では説明を省略する。
レーザ装置1は、偏光ビームスプリッタ10、光スイッチ20、反射鏡33A、空間フィルタ部30A、反射鏡34A、偏光ビームスプリッタ40、レーザ増幅器60A、反射鏡33B、空間フィルタ部30B、反射鏡34B、およびレーザ増幅器60Bが周回光路L2(図6に点線で示す)に沿って順に配置された構成を有している。
反射鏡33Aは、周回光路L2に対して45度の角度をなすように設けられている。反射鏡33Aは、光スイッチ20からの被増幅光を90度方向転換し、その反射光を空間フィルタ部30Aへ導く。
空間フィルタ部30Aは、周回光路L2上に配置され、一対の球面レンズ31A,32Aおよびピンホール35Aを有している。一対の球面レンズ31A,32Aは、レーザ増幅器60Bからの出力光を隣り合うレーザ増幅器60Aの入力へ像転送する。一対の球面レンズ31A,32Aは、周回光路L2に沿って位置調整が可能となっている。一対の球面レンズ31A,32Aの間にはピンホール35Aが設けられている。
空間フィルタ部30Aは、球面レンズ31Aによって集光できない被増幅光における高次の波面収差成分をピンホール35Aで遮断する。ここで、空間フィルタ部30Aが備えるピンホール35Aの周囲は、第1の窓37Aおよび第2の窓37Bを備える保持容器37によって真空に保持されている。このようにして、空間フィルタ部30Aは、反射鏡33Aから受けた被増幅光を反射鏡34Aへ導く。
反射鏡34Aは、周回光路L2に対して45度の角度をなすように設けられている。反射鏡34Aは、空間フィルタ部30Aからの被増幅光を90度方向転換し、その反射光を偏光ビームスプリッタ40へ導く。
レーザ増幅器60Aは、偏光ビームスプリッタ40から受ける被増幅光を増幅して反射鏡33Bへ出力する。
反射鏡33Bは、周回光路L2に対して45度の角度をなすように設けられている。反射鏡33Bは、レーザ増幅器60によって増幅された被増幅光を90度方向転換し、その反射光を空間フィルタ部30Bへ導く。
空間フィルタ部30Bは、空間フィルタ部30Aと同様に、周回光路L2上に配置され、一対の球面レンズ31B,32Bおよびピンホール35Bを有している。一対の球面レンズ31B,32Bは、レーザ増幅器60Aからの出力光を隣り合うレーザ増幅器60Bの入力へ像転送する。一対の球面レンズ31B,32Bは、周回光路L2に沿って位置調整が可能となっている。一対の球面レンズ31B,32Bの間にはピンホール35Bが設けられている。
空間フィルタ部30Bは、球面レンズ31Bによって集光できない被増幅光における高次の波面収差成分をピンホール35Bで遮断する。ここで、空間フィルタ部30Bが備えるピンホール35Bの周囲は、第1の窓38Aおよび第2の窓38Bを備える保持容器38によって真空に保持されている。このようにして、空間フィルタ部30Bは、反射鏡33Bから受けた被増幅光を反射鏡34Bへ導く。
反射鏡34Bは、周回光路L1に対して45度の角度をなすように設けられている。反射鏡34Bは、空間フィルタ部30Bから出力された被増幅光を90度方向転換し、その反射光をレーザ増幅器60Bへ導く。
レーザ増幅器60Bは、反射鏡34Bから受ける被増幅光を増幅して偏光ビームスプリッタ10へ出力する。
次に、レーザ増幅器60A,60Bについて説明する。レーザ増幅器60A,60Bは、周回光路L2に沿って順に並んでいる。レーザ増幅器60Aは、レーザ増幅媒体61eと、上述した冷却部62および励起光発生部63とを有している。同様に、レーザ増幅器60Bは、レーザ増幅媒体61fと、上述した冷却部62および励起光発生部63とを有している。例えば、レーザ増幅媒体61e,61fは、それぞれ一つのNd:YLF結晶体からなっており、1軸性を有している。すなわち、レーザ増幅媒体61e,61fは、周回光路L2に沿った第1の軸線Xに直交する第2の軸線Y方向に軸性を有している。
レーザ増幅器60A,60Bは、それぞれ、どちらか一方におけるレーザ増幅媒体の第2の軸線Y方向を基準として、レーザ増幅媒体の第2の軸線Y方向が180・K/2度(Kは0または1)のうち異なるいずれかの方向に傾斜するように配置されている。例えば、レーザ増幅器60Aにおけるレーザ増幅媒体60eの第2の軸線Y方向を基準とすると、レーザ増幅器60Aはレーザ増幅媒体60eの第2の軸線Y方向が0度の方向を向いており、レーザ増幅器60Bは、レーザ増幅媒体60fの第2の軸線Y方向がレーザ増幅器60Aにおけるレーザ増幅媒体60eの第2の軸線Y方向に対して(180・1/2)=90度の方向に傾斜している。
図7は、第2の実施形態のレーザ装置から出力されたレーザ光の波面の熱レンズ効果の測定結果を示す図である。図7(a)にはレーザ装置1Aにおいてレーザ増幅器60Bおよび空間フィルタ部30B(すなわち球面レンズ31B,32B)を有さないレーザ装置の出力レーザ光の波面の測定結果が示されており、図7(b)にはレーザ装置1Aの出力レーザ光の波面の測定結果が示されている。なお、図7は波面計測器によって測定されたレーザ光の波面であり、黒色の濃淡において濃いほど位相が遅れている。
図7(a)によれば、横軸方向にのみ波面が分布しており、中心から横軸方向にずれるほど位相が進んでいることがわかる。すなわち、軸性を有する結晶体を一つだけ有するレーザ増幅媒体では、熱レンズ効果によってシリンドリカルレンズ(円筒レンズ)のような波面収差が生じてしまう。一方、図7(b)によれば、同心円状に波面が分布していることがわかる。すなわち、軸性を有する2つの結晶体の第2の軸線方向が90度異なるように配置されたレーザ増幅媒体では、熱レンズ効果によって球面レンズのような波面収差が生じることがわかる。
次に、図8は、第2の実施形態のレーザ装置から出力されたレーザ光の強度分布の測定結果を示す図である。図8(a)にはレーザ装置1Aにおいてレーザ増幅器60Bおよび空間フィルタ部30B(すなわち球面レンズ31B,32B)を有さないレーザ装置の出力レーザ光の強度分布の測定結果が示されており、図8(b)にはレーザ装置1Aの出力レーザ光の強度分布の測定結果が示されている。
図8(a)によれば、強度パターンの右半分がかけており、ビーム品質が低下していることがわかる。具体的には、軸性を有する結晶体を一つだけ有するレーザ増幅媒体では、熱レンズ効果によってシリンドリカルレンズのような波面収差が生じてしまうので、一対の球面レンズ31A,32Aによる像転送によって波面の補正が適切に行えていないことが予想される。そのために、強度パターンが不均一である。また、空間フィルタ部30におけるピンホール35によってレーザ光の一部が不必要に遮断されるので、ビーム径が小さく、ビーム形状が円形でなく、エムスクエア値が低下する。
一方、図8(b)によれば、ビーム品質の低下が低減されている。具体的には、軸性を有する2つの結晶体の第2の軸線方向が90度異なるように配置されたレーザ増幅媒体では、熱レンズ効果によって球面レンズのような波面収差が生じるので、二対の球面レンズ(31A,32A)および(31B,32B)による像転送によって波面の補正が適切に行われていることが予想される。そのために、強度パターンが均一である。また、空間フィルタ部30Aにおけるピンホール35Aおよび空間フィルタ部30Bにおけるピンホール35Bによってレーザ光の一部が不必要に遮断されることがないので、ビーム径が大きく、ビーム形状が円形であり、エムスクエア値の低下が低減されている。
このように、本実施形態のレーザ装置1Aによれば、周回光路L2に沿った第1の軸線Xに直交する第2の軸線Y方向に軸性を有するレーザ増幅媒体61e,61fを有する2個のレーザ増幅器60A,60Bが周回光路L2に沿って並んでおり、2個のレーザ増幅器60A,60Bの各々は、どちらか一方のレーザ増幅媒体の第2の軸線Y方向を基準として、レーザ増幅媒体の第2の軸線Y方向が180・K/2度(Kは0または1)のうち異なるいずれかの方向に傾斜するように配置されているので、周回光路L2に直交する面における光学特性、すなわち屈折率の温度依存性が同心円状に平均化される。その結果、本実施形態のレーザ装置1Aによれば、熱レンズ効果が球面状に発生する。また、本実施形態のレーザ装置1Aによれば、二対の球面レンズ31A,32Aと31B,32Bとを備えているので、熱レンズ効果によってレーザ増幅器60A,60Bの出力光のビーム品質が低下しても、二対の球面レンズ31A,32Aと31B,32Bとの位置を調整することによってレーザ光を適切に像転送することができ、レーザ増幅器60A,60Bの出力光のビーム品質の低下を補正することが可能である。故に、レーザ装置1Aの出力レーザ光のビーム品質の低下を抑制することが可能となる。
なお、本発明は上記した本実施形態に限定されることなく種々の変形が可能である。
本実施形態では、リング型レーザ増幅装置を例示したが、往復型レーザ増幅装置やレーザ共振器においても、本発明のレーザ増幅媒体61およびレーザ増幅器60,60Aおよび60Bを球面レンズと組み合わせて適用可能である。
また、本実施形態では、入射される被増幅光を増幅するためのレーザ増幅装置を例示したが、励起光発生部からの励起光によってレーザ光を生成するレーザ発振装置においても、本発明の思想が適用可能である。
第1の実施形態では、4つの結晶体61a〜61dから構成されたレーザ増幅媒体61を例示したが、レーザ増幅媒体61は2つ以上の結晶体から構成されていれば本実施形態と同様の効果が得られる。
同様に、第2の実施形態では、2つのレーザ増幅器60A,60Bを備えたレーザ装置1Aを例示したが、レーザ装置1Aは2つ以上のレーザ増幅器を備えていても本実施形態と同様の効果が得られる。
また、第1の実施形態では、レーザ増幅媒体61における結晶体61a〜61dは、隣り合う結晶体の第2の軸線Y方向に対して、第2の軸線Y方向が(180/4)度ずつ順に傾斜するように配置された態様を例示したが、レーザ増幅媒体61における結晶体61a〜61dは順不同に傾斜するように配置された態様であってもよい。例えば、結晶体61aの第2の軸線Ya方向を基準として、結晶体61bの第2の軸線Yb方向が結晶体61aの第2の軸線Ya方向に対して90度の方向に傾斜しており、結晶体61cの第2の軸線Yc方向が結晶体61aの第2の軸線Ya方向に対して45度の方向に傾斜しており、結晶体61dの第2の軸線Yd方向が結晶体61aの第2の軸線Ya方向に対して135度の方向に傾斜していてもよい。
同様に、第2の実施形態において、レーザ装置1AがN個のレーザ増幅器(Nは3以上の整数)を備えている場合、レーザ増幅器の各々は、隣り合わないレーザ増幅器におけるレーザ増幅媒体の第2の軸線Y方向に対して、レーザ増幅媒体の第2の軸線Y方向が(180/N)度ずつ傾斜するように、順不同に順不同に配置されていてもよい。
また、第1の実施形態では、レーザ増幅媒体61における結晶体61a〜61dとして1軸性を有する結晶体を例示したが、結晶体61a〜61dとして2軸性を有する結晶体を用いる場合であっても、本実施形態と同様の効果が得られる。
同様に、第2の実施形態では、レーザ増幅器60A,60Bにおけるレーザ増幅媒体61e,61fとして1軸性を有する結晶体を例示したが、レーザ増幅媒体61e,61fとして2軸性を有するレーザ増幅媒体を用いる場合であっても、本実施形態と同様の効果が得られる。
また、第2の実施形態では、第1の実施形態におけるλ/4波長板を備えていない態様を例示したが、第2の実施形態においても、レーザ増幅器60Aと反射鏡33Bとの間およびレーザ増幅器60Bと偏光ビームスプリッタ10との間に、それぞれλ/4波長板を備えていてもよい。
1…レーザ装置、10,40…偏光ビームスプリッタ、20…光スイッチ、21…半波長板、22…偏光回転素子、30…空間フィルタ部、31,32…一対の球面レンズ、33,34…反射鏡、35…ピンホール、51,52…反射鏡、60…レーザ増幅器、61…レーザ増幅媒体、61a,61b,61c,61d…結晶体、62…冷却部、63…励起光発生部、70…1/λ波長板、L1…周回光路、Oin…入力光、Oout…出力レーザ光。
Claims (5)
- 第1の軸線に直交する第2の軸線方向に軸性を有すると共に、該第1の軸線に沿って並ぶN個の結晶体(Nは2以上の整数)を備えており、
前記N個の結晶体の各々は、前記N個の結晶体のうちいずれか一つの第2の軸線方向を基準として、前記第2の軸線方向が180・K/N度(Kは0以上N−1以下の整数)のうち異なるいずれかの方向に傾斜するように配置されている、
レーザ増幅媒体。 - 入射された被増幅光を増幅するレーザ増幅器であって、
前記被増幅光の光路に沿った前記第1の軸線を有する請求項1に記載のレーザ増幅媒体と、
前記レーザ増幅媒体に励起光を照射する励起光発生部と、
を備える、レーザ増幅器。 - 入射された被増幅光を増幅する請求項2に記載のレーザ増幅器と、
前記被増幅光の光路に沿って位置調整可能であり、前記レーザ増幅器からの出力光を前記レーザ増幅器の入力へ像転送するための一対の球面レンズと、
を備える、レーザ装置。 - 入射された被増幅光を増幅するレーザ増幅器であって、該被増幅光の光路に沿った第1の軸線に直交する第2の軸線方向に軸性を有するレーザ増幅媒体を有すると共に、該光路に沿って並ぶN個の該レーザ増幅器(Nは2以上の整数)と、
前記光路に沿って位置調整可能であり、n番目(nは2以上N以下の整数)のレーザ増幅器からの出力光を隣り合うレーザ増幅器の入力へ像転送するためのN対の球面レンズと、
を備えており、
前記N個のレーザ増幅器の各々は、前記N個のレーザ増幅器のうちいずれか一つのレーザ増幅媒体の第2の軸線方向を基準として、前記レーザ増幅媒体の前記第2の軸線方向が180・K/N度(Kは0以上N−1以下の整数)のうち異なるいずれかの方向に傾斜するように配置されている、
レーザ装置。 - 前記光路上における前記レーザ増幅器の出力側に設けられたλ/4波長板をさらに備える、
ことを特徴とする請求項3又は4記載のレーザ装置。
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