JP2007227782A - 荷電ビーム描画装置および半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数個のコラムを一体化させて製造することができるとともに各コラム間の組み立て精度が向上されている荷電ビーム描画装置を提供する。
【解決手段】荷電ビーム描画装置1は、荷電ビーム発生装置3、コンデンサーレンズ4、投影レンズ5、複数個のアパーチャー6、複数個のアパーチャー支持具7、ビーム成形用偏向器8、対物レンズ9、対物偏向器10、複数個のアライナー11、および複数個の鏡筒12を具備する。各アパーチャー支持具7には各鏡筒12の径よりも大きい第1の開口部19が形成されている。少なくとも1つの鏡筒12はその一部を第1の開口部19の内側に通されて配置されている。
【選択図】 図1
【解決手段】荷電ビーム描画装置1は、荷電ビーム発生装置3、コンデンサーレンズ4、投影レンズ5、複数個のアパーチャー6、複数個のアパーチャー支持具7、ビーム成形用偏向器8、対物レンズ9、対物偏向器10、複数個のアライナー11、および複数個の鏡筒12を具備する。各アパーチャー支持具7には各鏡筒12の径よりも大きい第1の開口部19が形成されている。少なくとも1つの鏡筒12はその一部を第1の開口部19の内側に通されて配置されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、露光装置の構造および半導体装置の製造方法に係り、特に荷電ビームを用いて被描画体の表面上にパターンを描画する荷電ビーム描画装置の鏡筒の構成および荷電ビーム描画装置を用いる半導体装置の製造方法に関する。
露光装置の中には、荷電ビームを用いて基板上にパターンを形成する荷電ビーム描画装置と呼ばれる露光装置がある。荷電ビームとしては、例えば電子ビームが用いられる(例えば特許文献1参照)。この電子ビームを用いる荷電ビーム描画装置(電子ビーム描画装置)の鏡筒(コラム)は、電子ビームの特性上、光線を用いる露光装置のコラムに比べて短く形成されており、高い組み立て精度が要求される。これは、特に低加速電子ビームを用いる電子ビーム描画装置において顕著である。
通常、電子ビーム描画装置では、内部に複数個のコラムが収納されて取り付けられる真空容器が組み立ての基準とされている。そして、レンズや偏向器等のブロック単位で組み立てられた複数の部品を、さらに真空容器を基準として各コラムごとに組み立てる構成となっている。これは、複数枚のレンズや複数の偏向器などの間に、電子ビームを所定のパターン形状に成形するためのアパーチャーを設置する必要があるためである。また、アパーチャーはアパーチャーステージに取り付けられて、光軸に直交するとともに互いに直交し合うX方向およびY方向、ならびに光軸を回転中心とする回転方向であるθ方向、の3方向に沿った駆動を要求される。このため、各偏向器や各レンズブロックは真空容器に対してインローで取り付けられるとともに、アパーチャーステージも真空容器に対してインローで取り付けられる。この際、当然のことながら、アパーチャーステージは各レンズブロック間に配置される。
ところが、真空容器は直径で約300mm程度の大きさがあり、約10μm以下の加工精度を得るのは困難である。このため、電子ビーム描画装置では、組み立て基準の加工精度が低下するので、各レンズブロック(コラム)間の組み立て精度が低下し易い。この結果、電子ビーム描画装置では、光学系の高精度なアライメントが困難になったり、あるいは収差が増大したりする等の問題が生じ易い。例えば、照明系レンズブロック内の電子銃、アライナー、コンデンサーレンズなどは、約1μm以下の高い精度でアライメントされて製造および組み立てがなされる。ところが、各レンズブロック間の合わせ精度は、真空容器の加工精度および各レンズブロックと真空容器との組み立て精度で決定され、これらの精度は約100μm以上になる。これらの組み立て誤差をなくすために、各レンズブロック間には光軸調整を行うためのアライナーが装備されている。例えば、投影系レンズブロックと結像系レンズブロックとの間の機械的な誤差による収差は、それらの間に配置されたアライナーで光軸調整が行われることにより解消される。
しかし、アライナーに印加できる電圧の大きさには制限がある。このため、各レンズブロック間の誤差の大きさによっては、その誤差をアライナーによる光軸調整で修正することが不可能な場合がある。また、アライナーに高電圧を印加して電子ビームを大きく偏向させることにより光軸調整を行うと、かえって収差が大きくなる。この場合、より微細なパターンを形成するために光線よりも微細な加工が可能な電子ビームを用いているにも拘らず、高精度のパターン描画が困難になる。ひいては、描画精度が低下したパターンが描画された半導体基板を用いて製造される半導体装置は、その性能、品質、あるいは信頼性などが低下するおそれが高くなる。
また、低い電圧でアライナーによる光軸調整を行う場合には、アライナーの電極の個数を増やす必要がある。ところがこの場合、アライナーを設置するために必要なスペースが増大するので、コラムのサイズが大型化するおそれが大きい。ひいては、真空容器や描画装置全体のサイズが大型化するおそれが大きい。各コラムや真空容器のサイズが大型化すると、前述したように各コラム間の組み立て精度や描画装置全体の組み立て基準の加工精度がより低下するおそれが生じる。また、各アライナー、各コラム、真空容器、ひいては描画装置全体の製造コストが必然的に高騰する。さらに、描画装置のサイズが大型化すると、その設置スペースの確保も困難になる。
このような不具合を解消するためには、例えば各レンズブロックを一体に製造すればよい。レンズブロックを一体型とすれば、当然のことながら各レンズブロック間のアライメント精度(組み立て精度)を向上させることができる。ところが、前述したように、各レンズブロック間にはアパーチャーのX方向、Y方向、およびθ方向の位置調整を行うためのアパーチャーステージが配置されており、それらが各レンズブロックを分断している。このため、今までの技術では複数個のレンズブロック(コラム)を一体化させて製造することは殆ど不可能である。
特開平3−230515号公報
本発明においては、複数個のコラムを一体化させて製造することができるとともに各コラム間の組み立て精度が向上されている荷電ビーム描画装置を提供する。
また、本発明においては、精度が向上されたパターンが形成された半導体基板を用いることができる半導体装置の製造方法を提供する。
前記課題を解決するために、本発明の一態様に係る荷電ビーム描画装置は、被描画体の表面に向けて荷電ビームを発生させる荷電ビーム発生装置と、前記荷電ビームが入射されるとともに前記荷電ビームの照射条件を設定するコンデンサーレンズと、このコンデンサーレンズを通過した前記荷電ビームが入射されるとともに前記荷電ビームの投影条件を設定する投影レンズと、前記荷電ビーム発生装置から前記被描画体に向かう前記荷電ビームの流れにおいて前記コンデンサーレンズおよび前記投影レンズの少なくとも一方の下流側に設けられているとともに前記荷電ビームを所定の形状に成形する少なくとも1つのアパーチャーと、前記コンデンサーレンズおよび前記投影レンズの少なくとも一方の下流側に設けられているとともに前記アパーチャーを所定の姿勢で支持する少なくとも1つのアパーチャー支持具と、前記コンデンサーレンズおよび前記投影レンズの少なくとも一方と前記アパーチャーとの間に設けられているとともに前記アパーチャー上における前記荷電ビームの位置を制御するビーム成形用偏向器と、前記投影レンズおよび前記アパーチャーを通過した前記荷電ビームが入射されるとともに所定の形状に成形された前記荷電ビームによる像を前記被描画体の表面に結像させる対物レンズと、この対物レンズを通過した前記荷電ビームによる像の前記被描画体の表面上における位置を制御する対物偏向器と、前記荷電ビーム発生装置と前記コンデンサーレンズとの間、前記コンデンサーレンズと前記投影レンズとの間、および前記投影レンズと前記対物レンズとの間の少なくとも1箇所に設けられているとともに前記荷電ビームの光軸の位置を調整する少なくとも1個のアライナーと、前記荷電ビーム発生装置、前記コンデンサーレンズ、前記投影レンズ、前記ビーム成形用偏向器、前記対物レンズ、前記対物偏向器、および前記アライナーがそれぞれ所定の組み合わせで分配されて内部に設けられている少なくとも2つの鏡筒と、を具備し、前記アパーチャー支持具には前記各鏡筒の外径よりも大きい第1の開口部が形成されているとともに、前記各鏡筒のうち少なくとも1つの鏡筒はその一部を前記第1の開口部に連通して配置されていることを特徴とするものである。
また、前記課題を解決するために、本発明の他の態様に係る半導体装置の製造方法は、半導体製造工程に、本発明に係る荷電ビーム描画装置を用いて半導体基板にパターンを形成する工程を含むことを特徴とするものである。
本発明に係る荷電ビーム描画装置においては、複数個のコラムを一体化させて製造することができるとともに各コラム間の組み立て精度が向上されている。
また、本発明に係る半導体装置の製造方法によれば、精度が向上されたパターンが形成された半導体基板を用いることができる。
以下、本発明に係る一実施形態を図1および図2を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態に係る荷電ビーム描画装置が備える鏡筒の構成を概略的に示す断面図である。図2は、図1に示す荷電ビーム描画装置が備えるアパーチャーステージの付近をその上方から臨んで示す平面図である。
本実施形態は、半導体集積回路をはじめとする素子の微細パターンを、荷電ビームを用いて半導体ウェーハやパターン転写用マスク等の基板上に描画して形成する荷電ビーム描画装置に関する。また、荷電ビーム描画装置を用いる半導体装置の製造方法に関する。より具体的には、荷電ビームとして電子ビームを用いる電子ビーム描画装置であって、特に静電型の鏡筒(コラム)や静電型の偏向器などで構成されているとともに低加速の電子ビームを用いる電子ビーム描画装置のコラムの構成に関する。また、この低加速電子ビーム描画装置を用いる半導体装置の製造方法に関する。以下、詳しく説明する。
先ず、図1を参照しつつ、本実施形態に係る荷電ビーム描画装置1について説明する。
図1に示すように、荷電ビーム描画装置1は、その筐体2が真空容器(真空チャンバー)として構成されている。真空チャンバー2の内部の上部から中間部にかけて、後述する荷電ビーム発生装置3、コンデンサーレンズ4、投影レンズ5、アパーチャー6、アパーチャー支持具7、ビーム成形用偏向器8、対物レンズ9、対物偏向器10、アライナー11、および鏡筒12などが収納されている。また、真空チャンバー2の内部の下部には、後述する被描画体13および被描画体支持具14などが収納されている。より具体的には、真空チャンバー2の内部の上端部には荷電ビーム発生装置3が設けられている。それとともに、真空チャンバー2の内部の下端部には被描画体支持具14が設けられている。そして、荷電ビーム発生装置3から被描画体支持具14までの間に、コンデンサーレンズ4、投影レンズ5、アパーチャー6、アパーチャー支持具7、ビーム成形用偏向器8、対物レンズ9、対物偏向器10、アライナー11、鏡筒12、および被描画体13が設けられている。
荷電ビーム発生装置3は、図1中白抜き矢印で示すように、被描画体13の表面に向けて荷電ビーム15を発生させる。本実施形態においては、荷電ビーム15として低加速の電子ビームを被描画体13の表面に向けて照射する。したがって、荷電ビーム発生装置3は、電子ビーム発生装置、あるいは電子銃とも称される。また、被描画体13としては、半導体基板(半導体ウェーハ)を用いる。
電子銃3から発生させられた電子ビーム15は、真空チャンバー2内に設けられている複数個のアライナー11のうち電子銃3とコンデンサーレンズ4との間に配置されている第1のアライナー11aの内側を通過する。これにより、電子ビーム15は、静電型レンズの一種であるコンデンサーレンズ4に適正な状態で入射するようにその光軸を適正な状態に調整される。第1のアライナー11aにより光軸調整が施された電子ビーム15は、コンデンサーレンズ4に適正な状態で入射する。コンデンサーレンズ4に入射した電子ビーム15は、後述する第1のビーム成形用アパーチャー6aを適正な状態で照射するように、コンデンサーレンズ4によりその照射条件を適正な状態に設定される。
コンデンサーレンズ4を通過した電子ビーム15は、電子銃3から半導体ウェーハ13に向かう電子ビーム15の流れにおいてコンデンサーレンズ4の下流側に設けられている複数個のアパーチャー6のうち、コンデンサーレンズ4の直下に設けられている第1のビーム成形用アパーチャー6aの表面に到達する。図示は省略するが、第1のビーム成形用アパーチャー6aには、電子ビーム15を所定のパターン形状に成形する第1のビーム成形用の孔が少なくとも1個形成されている。電子ビーム15は、第1のアライナー11aにより所定の第1のビーム成形用の孔に向けて適正な照射状態で照射される。電子ビーム15は、この第1のビーム成形用の孔を通過することにより所定のパターン形状に成形される。なお、第1のビーム成形用アパーチャー6aは、後述する第1のアパーチャー支持具7aとしての第1のアパーチャーステージに支持されてコンデンサーレンズ4の下流側に配置されている。
第1のビーム成形用アパーチャー6aを通過して所定のパターン形状に成形された電子ビーム15は、第1のビーム成形アパーチャー6a(第1のアパーチャーステージ7a)の下流側に設けられている第2のアライナー11bの内側を通過する。これにより、電子ビーム15は、静電型レンズの一種である投影レンズ5に適正な状態で入射するようにその光軸を再び適正な状態に調整される。第2のアライナー11bにより再び光軸調整が施された電子ビーム15は、投影レンズ(プロジェクションレンズ)5に適正な状態で入射する。プロジェクションレンズ5に入射した電子ビーム15は、後述する第2のビーム成形用アパーチャー6bの表面上に適正な状態で投影されるように、プロジェクションレンズ5によりその投影条件を適正な状態に設定される。
プロジェクションレンズ5を通過した電子ビーム15は、プロジェクションレンズ5と後述する第2のビーム成形用アパーチャー6bとの間に配置されている静電型偏向器の一種であるビーム成形用偏向器8の内側を通過する。これにより、電子ビーム15は、第2のビーム成形用アパーチャー6bの表面上の適正な位置に投影されるようにその投影位置を位置決めされる。ビーム成形用偏向器8により投影位置を位置決めされた電子ビーム15は、第2のビーム成形用アパーチャー6bの表面上の適正な位置に投影される。すなわち、第1のビーム成形用アパーチャー6aにより所定のパターン形状に成形された電子ビーム15の像が、プロジェクションレンズ5およびビーム成形用偏向器8により第2のビーム成形用アパーチャー6bの表面上の適正な位置に結像される。なお、第1のビーム成形用アパーチャー6aと同様に、第2のビーム成形用アパーチャー6bも、後述する第2のアパーチャー支持具7bとしての第2のアパーチャーステージに支持されてプロジェクションレンズ5の下流側に配置されている。
図示は省略するが、第1のビーム成形用アパーチャー6aと同様に、第2のビーム成形用アパーチャー6bにも、電子ビーム15を所定のパターン形状に成形する第2のビーム成形用の孔が少なくとも1個形成されている。電子ビーム15は、ビーム成形用偏向器8により所定の第2のビーム成形用の孔に向けて適正な状態で投影される。電子ビーム15は、この第2のビーム成形用の孔を通過することにより再び所定のパターン形状に成形される。すなわち、第1のビーム成形用アパーチャー6aに形成されている第1のビーム成形用の孔を通過した電子ビーム15の像と、第2のビーム成形用アパーチャー6bに形成されている第2のビーム成形用の孔を通過した電子ビーム15の像との光学的な重ね合わせにより、半導体ウェーハ13の表面に結像される電子ビーム15の像の形状が決定される。
第2のビーム成形用アパーチャー6bを通過して最終的なパターン描画用の形状に成形された電子ビーム15は、第2のビーム成形アパーチャー6b(第2のアパーチャーステージ7b)の下流側に設けられている第3のアライナー11cの内側を通過する。これにより、電子ビーム15は、静電型レンズの一種である対物レンズ9に適正な状態で入射するようにその光軸をさらに適正な状態に調整される。第3のアライナー11cによりさらに光軸調整が施された電子ビーム15は、対物レンズ9に適正な状態で入射する。対物レンズ9に入射した電子ビーム15は、その像が半導体ウェーハ13の表面上に適正な形状で結像されるように、対物レンズ9によりその像の焦点を合わせられる。
対物レンズ9を通過した電子ビーム15は、対物レンズ9と半導体ウェーハ13との間に配置されている静電型偏向器の一種である対物偏向器10の内側を通過する。これにより、電子ビーム15は、その像が半導体ウェーハ13の表面上の適正な位置に結像されるようにその結像位置を位置決めされる。対物偏向器10により結像位置を位置決めされた電子ビーム15の像は、対物レンズ9および対物偏向器10により半導体ウェーハ13の表面上の適正な位置に結像される。すなわち、図示は省略するが、半導体ウェーハ13の表面上には、電子ビーム15による最終的なパターン描画用のパターン像が所望の位置に結像される。
なお、半導体ウェーハ13は、被描画体支持具14としてのウェーハステージ上に載置されて真空チャンバー2の内部に収納されている。そして、ウェーハステージ14は、電子銃3から半導体ウェーハ13に向かう電子ビーム15の流れに対して直交する方向に沿って、半導体ウェーハ13とともに平行順方向または平行逆方向に移動可能に設定されている。
また、図1に示すように、真空チャンバー2の内部には、電子銃3、第1のアライナー11a、コンデンサーレンズ4、第2のアライナー11b、プロジェクションレンズ5、ビーム成形用偏向器8、第3のアライナー11c、対物レンズ9、および対物偏向器10などがそれぞれ所定の組み合わせで分配されて内部に設けられている静電型の鏡筒(静電型コラム)12が3つ設けられている。これら各コラム12は、それぞれ略同一の大きさおよび形状に形成されている。例えば、各コラム12の直径は約20mm程度に設定されている。また、各コラム12は、略電子ビーム15の流れに沿って並べられている。さらに、各コラム12同士は、それらの位置が許容誤差の範囲内に収まるように予め互いに位置合わせをされた後、互いに直接接続(勘合)されて一体化されている。そして、電子銃3、第1のアライナー11a、コンデンサーレンズ4、第2のアライナー11b、プロジェクションレンズ5、ビーム成形用偏向器8、第3のアライナー11c、対物レンズ9、対物偏向器10、および各コラム12などにより、電子ビーム描画装置1が備える全体のレンズブロック16が構成されている。一体化された各コラム12(全体のレンズブロック16)は、真空チャンバー2の内側において対物偏向器10とウェーハステージ14との間に設けられている、コラム支持部材(レンズブロック支持部材)17の上に固定されて支持されている。
各コラム12のうち、電子ビーム15の流れの最も上流側に配置されている第1のコラム12aの内部には、電子銃3、第1のアライナー11a、およびコンデンサーレンズ4が取り付けられている。そして、電子銃3、第1のアライナー11a、コンデンサーレンズ4、および第1のコラム12aにより、レンズブロック16のうちの第1のレンズブロックである照明系レンズブロック16aが構成されている。また、電子ビーム15の流れの中間部に配置されている第2のコラム12bの内部には、第2のアライナー11b、プロジェクションレンズ5、およびビーム成形用偏向器8が取り付けられている。そして、第2のアライナー11b、プロジェクションレンズ5、ビーム成形用偏向器8、および第2のコラム12bにより、レンズブロック16のうちの第2のレンズブロックである投影系レンズブロック16bが構成されている。さらに、電子ビーム15の流れの最も下流側に配置されている第3のコラム12cの内部には、第3のアライナー11c、対物レンズ9、および対物偏向器10が取り付けられている。そして、第3のアライナー11c、対物レンズ9、対物偏向器10、および第3のコラム12cにより、レンズブロック16のうちの第3のレンズブロックである結像系レンズブロック16cが構成されている。このように、電子ビーム描画装置1が備える全体のレンズブロック16(電子ビームコラム12)は、一体化された照明系レンズブロック16a、投影系レンズブロック16b、および結像系レンズブロック16cにより構成されている。
また、図1に示すように、第1のアパーチャーステージ7aは、第1のビーム成形用アパーチャー6aが電子ビーム15の流れにおいてコンデンサーレンズ4よりも下流側に位置するとともに第2のアライナー11bよりも上流側に位置するように、コンデンサーレンズ4と第2のアライナー11bとの間に設けられている。同様に、第2のアパーチャーステージ7bは、第2のビーム成形用アパーチャー6bが電子ビーム15の流れにおいてビーム成形用偏向器8よりも下流側に位置するとともに第3のアライナー11cよりも上流側に位置するように、ビーム成形用偏向器8と第3のアライナー11cとの間に設けられている。そして、第1のアパーチャーステージ7aおよび第2のアパーチャーステージ7bは、ともに照明系レンズブロック16a(照明系コラム12a)、投影系レンズブロック16b(投影系コラム12b)、および結像系レンズブロック16c(結像系コラム16c)とは独立して、真空チャンバー2の内壁に設けられているアパーチャーステージ支持部材18を介して真空チャンバー2に直接取り付けられている。
また、図1において図示は省略するが、第1のアパーチャーステージ7aは、第1のビーム成形用アパーチャー6aを電子ビーム15の流れ(光軸)に直交するとともに互いに直交し合うX方向およびY方向の2方向に沿って、平行順方向または平行逆方向に駆動させることができる設定となっている。それとともに、第1のアパーチャーステージ7aは、第1のビーム成形用アパーチャー6aを電子ビーム15の光軸を回転中心とする回転方向であるθ方向に沿って回転駆動させることができる設定となっている。すなわち、第1のアパーチャーステージ7aは、第1のビーム成形用アパーチャー6aを互いに独立するX方向、Y方向、およびθ方向の3方向に沿って駆動させることができる設定となっている。これにより、第1のビーム成形用アパーチャー6aは、第1のアパーチャーステージ7a上に搭載された状態でX方向、Y方向、およびθ方向の3方向に沿って精密に位置を調整される(位置合わせされる)。
同様に、第2のアパーチャーステージ7bも、第2のビーム成形用アパーチャー6bをX方向、Y方向、およびθ方向の3方向に沿って駆動させることができる設定となっている。これにより、第2のビーム成形用アパーチャー6bも、第2のアパーチャーステージ7b上に搭載された状態でX方向、Y方向、およびθ方向の3方向に沿って精密に位置合わせされる。
さらに、図1および図2に示すように、各アパーチャーステージ7のそれぞれの中央部には、各コラム12(レンズブロック16)の径よりも大きい第1の開口部19が形成されている。すなわち、第1のアパーチャーステージ7aの中央部には、最小の直径が照明系コラム12a(照明系レンズブロック16a)の第1のアパーチャーステージ7aと対向(交差)する部分の外径の最大径よりも大きい第1の開口部19aが形成されている。同様に、第2のアパーチャーステージ7bの中央部には、最小の直径が投影系コラム12b(投影系レンズブロック16b)の第2のアパーチャーステージ7bと対向(交差)する部分の外径の最大径よりも大きい第1の開口部19bが形成されている。
照明系コラム12a(照明系レンズブロック16a)は、その下端部である第1のビーム成形用アパーチャー6aを収納する部分を第1のアパーチャーステージ7aの中央部に形成されている第1の開口部19aに通されて配置されている。同様に、投影系コラム12b(投影系レンズブロック16b)は、その下端部である第2のビーム成形用アパーチャー6bを収納する部分を第2のアパーチャーステージ7bの中央部に形成されている第1の開口部19aに通されて配置されている。
また、図1および図2に示すように、第1および第2の各コラム12a,12bの各第1の開口部19a,19bの内側に位置する部分には、各アパーチャー6よりも大きい第2の開口部20が形成されている。具体的には、照明系コラム12aの第1の開口部19aの内側に位置する部分には、照明系コラム12aの径方向中央部を貫通して第1のビーム成形用アパーチャー6aよりも大きい第2の開口部20aが形成されている。同様に、投影系コラム12bの第1の開口部19bの内側に位置する部分には、投影系コラム12bの径方向中央部を貫通して第2のビーム成形用アパーチャー6bよりも大きい第2の開口部20bが形成されている。
第1のビーム成形用アパーチャー6aは、照明系コラム12aの下端部に開口された第2の開口部としてのトンネル部20aを通して第1のアパーチャーステージ7aの中央部に搭載される(取り付けられる)。また、第1のビーム成形用アパーチャー6aは、トンネル部20aを通して第1のアパーチャーステージ7a上から取り除かれる。同様に、第2のビーム成形用アパーチャー6bは、投影系コラム12bの下端部に開口された第2の開口部としてのトンネル部20bを通して第2のアパーチャーステージ7bの中央部に搭載される(取り付けられる)。また、第2のビーム成形用アパーチャー6bは、トンネル部20bを通して第2のアパーチャーステージ7b上から取り除かれる。
なお、図示を伴った具体的かつ詳細な説明は省略するが、第1および第2の各ビーム成形用アパーチャー6a,6bは、それぞれアパーチャーホルダーに取り付けられた上で第1および第2の各アパーチャーステージ7a,7bに取り付けられる構成としても問題は無いのは勿論である。照明系コラム12a(照明系レンズブロック16a)、第1のアパーチャーステージ7a、および第1のビーム成形用アパーチャー6aは、互いに物理的(機械的)に干渉し合わない構造に設定されている。したがって、第1のビーム成形用アパーチャー6aをアパーチャーホルダーに取り付けた上で第1のアパーチャーステージ7aに取り付けても、第1のビーム成形用アパーチャー6aの位置調整には何ら問題が生じない。同様に、投影系コラム12b(投影系レンズブロック16b)、第2のアパーチャーステージ7b、および第2のビーム成形用アパーチャー6bは、互いに物理的(機械的)に干渉し合わない構造に設定されている。したがって、第2のビーム成形用アパーチャー6bをアパーチャーホルダーに取り付けた上で第2のアパーチャーステージ7bに取り付けても、第2のビーム成形用アパーチャー6bの位置調整には何ら問題が生じない。
以上説明した構造により、本実施形態に係る電子ビーム描画装置1においては、照明系レンズブロック16a、投影系レンズブロック16b、および結像系レンズブロック16cの一体化を実現させることができる。これにより、電子ビーム描画装置1が備えるレンズブロック16(電子ビームコラム12)全体を実質的に一体構造とすることができる。
ここで、図3を参照しつつ、本実施形態に対する比較例について説明する。図3は、本実施形態に対する比較例に係る荷電ビーム描画装置のコラム(電子光学鏡筒)の構成を概略的に示す断面図である。
図3に示すように、比較例に係る荷電ビーム描画装置としての電子ビーム描画装置101においても、前述した本実施形態の電子ビーム描画装置1と同様に、その筐体102が真空チャンバーとして構成されている。そして真空チャンバー2の内部には、電子銃103、コンデンサーレンズ104、プロジェクションレンズ105、アパーチャー106、アパーチャーステージ107、ビーム成形用偏向器108、対物レンズ109、対物偏向器110、アライナー111、鏡筒112、半導体ウェーハ113、およびウェーハステージ114などが収納されている。
電子銃103は、図3中白抜き矢印で示すように、半導体ウェーハ113の表面に向けて低加速電子ビーム115を照射する。電子銃103から照射された電子ビーム115は、第1のアライナー111aの内側を通過することによりその光軸を調整される。第1のアライナー111aにより光軸調整が施された電子ビーム115は、コンデンサーレンズ104に入射することによりその照射条件を調整される。コンデンサーレンズ104を通過した電子ビーム115は、第1のビーム成形用アパーチャー106aの表面に照射される。第1のビーム成形用アパーチャー106aの表面に照射された電子ビーム115は、第1のビーム成形用アパーチャー106aに形成されている図示しない第1のビーム成形用の孔を通過することにより所定のパターン形状に成形される。
所定のパターン形状に成形された電子ビーム115は、第2のアライナー111bの内側を通過することによりその光軸を再び調整される。第2のアライナー111bにより再び光軸調整が施された電子ビーム115は、プロジェクションレンズ105に入射することによりその投影条件を調整される。プロジェクションレンズ105を通過した電子ビーム115は、ビーム成形用偏向器108の内側を通過することによりその投影位置を位置決めされる。すなわち、第1のビーム成形用アパーチャー106aにより所定のパターン形状に成形された電子ビーム115の像は、プロジェクションレンズ105およびビーム成形用偏向器108により第2のビーム成形用アパーチャー106bの表面上の適正な位置に結像される。第2のビーム成形用アパーチャー106bの表面に結像された電子ビーム115の像は、第2のビーム成形用アパーチャー106bに形成されている図示しない第2のビーム成形用の孔を通過することにより再び所定のパターン形状に成形される。
このように、第1のビーム成形用アパーチャー106aに形成されている第1のビーム成形用の孔を通過した電子ビーム115の像と、第2のビーム成形用アパーチャー106bに形成されている第2のビーム成形用の孔を通過した電子ビーム115の像との光学的な重ね合わせにより、半導体ウェーハ113の表面に結像される電子ビーム115の像の形状が決定される。
第2のビーム成形用アパーチャー106bを通過して最終的なパターン描画用の形状に成形された電子ビーム115は、第3のアライナー111cの内側を通過することによりその光軸をさらに調整される。第3のアライナー111cによりさらに光軸調整が施された電子ビーム115は、対物レンズ109に入射することによりその像の焦点を合わせられる。対物レンズ109を通過した電子ビーム115は、対物偏向器110の内側を通過することによりその像の結像位置を位置決めされる。対物偏向器110により結像位置を位置決めされた電子ビーム115の像は、対物レンズ109および対物偏向器110により半導体ウェーハ113の表面上の適正な位置に結像される。すなわち、図示は省略するが、半導体ウェーハ113の表面上には、電子ビーム115による最終的なパターン描画用のパターン像が所望の位置に結像される。
なお、半導体ウェーハ113は、ウェーハステージ114上に載置されて真空チャンバー102の内部に収納されている。そして、ウェーハステージ114は、半導体ウェーハ113とともに移動可能に設定されている。
電子銃103、第1のアライナー111a、およびコンデンサーレンズ104は、電子銃103から半導体ウェーハ113に向かう電子ビーム115の流れの最も上流側に配置されている第1のコラム112aの内部に取り付けられている。そして、電子銃103、第1のアライナー111a、コンデンサーレンズ104、および第1のコラム112aにより照明系レンズブロック116aが構成されている。また、第2のアライナー111b、プロジェクションレンズ105、およびビーム成形用偏向器108は、電子ビーム115の流れの中間部に配置されている第2のコラム112bの内部に取り付けられている。そして、第2のアライナー111b、プロジェクションレンズ105、ビーム成形用偏向器108、および第2のコラム112bにより投影系レンズブロック116bが構成されている。さらに、第3のアライナー111c、対物レンズ109、および対物偏向器110は、電子ビーム115の流れの最も下流側に配置されている第3のコラム112cの内部に取り付けられている。そして、第3のアライナー111c、対物レンズ109、対物偏向器110、および第3のコラム112cにより結像系レンズブロック116cが構成されている。
ただし、前述した本実施形態に係る電子ビーム描画装置1が備える照明系レンズブロック16a、投影系レンズブロック16b、および結像系レンズブロック16cと異なり、この比較例に係る電子ビーム描画装置101が備える照明系レンズブロック116a、投影系レンズブロック116b、および結像系レンズブロック116cは、互いに独立に設けられている。すなわち、電子ビーム描画装置101が備える照明系レンズブロック116a、投影系レンズブロック116b、および結像系レンズブロック116cは、一体化されていない。
このように、電子ビーム描画装置101においては、これが備える各構成要素(構成部品)が照明系レンズブロック116a、投影系レンズブロック116b、および結像系レンズブロック116cごとに製作および組み立てがなされている。それとともに、電子ビーム描画装置101の各構成部品は、照明系レンズブロック116a、投影系レンズブロック116b、および結像系レンズブロック116cごとに真空チャンバー102に直接取り付けられて(勘合されて)真空チャンバー102内に搭載されている。また、第1のビーム成形用アパーチャー106aおよび第2のビーム成形用アパーチャー106bがそれぞれ搭載されるとともに、それらのX方向、Y方向、およびθ方向の位置調整が行われる第1のアパーチャーステージ107aおよび第2のアパーチャーステージ107bも、真空チャンバー102に直接取り付けられている。
背景技術において説明したように、一般的な電子ビーム描画装置101に用いられる真空チャンバー102は、その直径が約300mm程度の大きさがあり、約10μm以下の加工精度を得るのは困難である。このため、電子ビーム描画装置101では、組み立て基準の加工精度が低下するので、各レンズブロック116a,116b,116c(コラム112a,112b,112c)間の組み立て精度が低下し易い。この結果、電子ビーム描画装置101では、光学系の高精度なアライメントが困難になったり、あるいは収差が増大したりする等の問題が生じ易い。例えば、照明系レンズブロック116a内の電子銃3、第1のアライナー111a、およびコンデンサーレンズ104などは、約1μm以下の高い精度でアライメントされて製造および組み立てがなされる。ところが、各レンズブロック116a,116b,116c間の合わせ精度は、真空チャンバー102の加工精度および各レンズブロック116a,116b,116cと真空チャンバー102との間の組み立て精度で決定され、これらの精度は約100μm以上になる。これらの組み立て誤差をなくすために、各レンズブロック116a,116b,116c間には、前述したように電子ビーム115の光軸調整を行うための第1〜第3の各アライナー111a,111b,111cが装備されている。例えば、投影系レンズブロック116bと結像系レンズブロック116bとの間の機械的な誤差による収差は、それらの間に配置された第3のアライナー111cで光軸調整が行われることにより解消される。
しかし、第1〜第3の各アライナー111a,111b,111cに印加できる電圧の大きさには制限がある。このため、各レンズブロック116a,116b,116c間の誤差の大きさによっては、その誤差を第1〜第3の各アライナー111a,111b,111cによる光軸調整で修正することが不可能な場合がある。また、第1〜第3の各アライナー111a,111b,111cに高電圧を印加して電子ビーム115を大きく偏向させることにより光軸調整を行うと、かえって収差が大きくなる。この場合、より微細なパターンを形成するために光線よりも微細な加工が可能な電子ビーム115を用いているにも拘らず、高精度のパターン描画が困難になる。ひいては、描画精度が低下したパターンが描画された半導体基板を用いて製造される半導体装置は、その性能、品質、あるいは信頼性などが低下するおそれが高くなる。
また、低い電圧で第1〜第3の各アライナー111a,111b,111cによる電子ビーム115の光軸調整を行う場合には、第1〜第3の各アライナー111a,111b,111cの電極の個数を増やす必要がある。ところがこの場合、第1〜第3の各アライナー111a,111b,111cを設置するために必要なスペースが増大するので、各コラム112a,112b,112cのサイズが大型化するおそれが大きい。ひいては、真空チャンバー102や描画装置101全体のサイズが大型化するおそれが大きい。各コラム112a,112b,112cや真空チャンバー102のサイズが大型化すると、各コラム112a,112b,112c間の組み立て精度や描画装置101全体の組み立て基準の加工精度がより低下するおそれが生じる。また、第1〜第3の各アライナー111a,111b,111c、各コラム112a,112b,112c、真空チャンバー102、ひいては描画装置101全体の製造コストが必然的に高騰する。さらに、描画装置101のサイズが大型化すると、その設置スペースの確保も困難になるとともにその汎用性も低下する。
このような不具合を解消するためには、前述した本実施形態に係る電子ビーム描画装置1のように、各レンズブロック116a,116b,116cを一体に製造すればよい。各レンズブロック116a,116b,116cを一体型とすれば、当然のことながら各レンズブロック116a,116b,116c間のアライメント精度(組み立て精度)を向上させることができる。ところが、前述したように、各レンズブロック116a,116b,116c間にはアパーチャーのX方向、Y方向、およびθ方向の位置調整を行うための第1および第2の各アパーチャーステージ107a,107bが配置されている。そして、これら第1および第2の各アパーチャーステージ107a,107bにより、各レンズブロック116a,116b,116cが個別に分断されている。このため、今までの技術では複数個のレンズブロック116a,116b,116cレンズブロック(コラム112a,112b,112c)を一体化させて製造することは実質的に殆ど不可能である。
これに対して、本実施形態に係る電子ビーム描画装置1においては、前述したように、真空チャンバー2とは別個に、かつ、電子ビーム15を所定の区間ごとに制御する部位である照明系レンズブロック16a、投影系レンズブロック16b、および結像系レンズブロック16cごとに組み立ての基準位置を設定する。そして、それら各基準位置ごとに照照明系レンズブロック16a(明系コラム12a)、投影系レンズブロック16b(投影系コラム12b)、および結像系レンズブロック16c(結像系コラム12c)を組み立てる。また、このような組み立てを可能ならしめるために、電子ビーム15を成形する第1および第2の各アパーチャー6a,6bがそれぞれ搭載される第1および第2の各アパーチャーステージ7a,7bの中央部に、照照明系レンズブロック16a(明系コラム12a)、投影系レンズブロック16b(投影系コラム12b)、および結像系レンズブロック16c(結像系コラム12c)のそれぞれの外径の最小径よりも大きい第1の開口部19a,19bを形成する。
このような構成により、照明系レンズブロック16a、投影系レンズブロック16b、および結像系レンズブロック16cが第1および第2の各アパーチャーステージ7a,7bによって分断されることなく、それら各レンズブロック16a,16b,16cごとの基準で各コラム12a,12b,12cを高い精度で組み立てることができる。すなわち、本実施形態に係る電子ビーム描画装置1の構成(構造)によれば、照照明系レンズブロック16a(明系コラム12a)、投影系レンズブロック16b(投影系コラム12b)、および結像系レンズブロック16c(結像系コラム12c)を互いに直接インローで勘合させることができる。これにより、照照明系レンズブロック16a(明系コラム12a)、投影系レンズブロック16b(投影系コラム12b)、および結像系レンズブロック16c(結像系コラム12c)を一体化させることができる。すなわち、電子ビーム描画装置1のレンズブロック16全体を、実質的に1つのレンズブロック16として構成することができる。この結果、電子ビーム描画装置1のレンズブロック16全体の精度を高めることができる。
特に、電子ビーム描画装置1の構成によれば、静電型レンズの一種であるコンデンサーレンズ4、プロジェクションレンズ5、および対物レンズ9、ならびに静電型偏向器の一種であるビーム成形用偏向器8および対物偏向器10を、各レンズブロック16a,16b,16c単位で高い精度で構成することができる。前述したように、各レンズブロック16a,16b,16cの直径は約20mm程度であるので、高い精度で加工することができる。したがって、各レンズブロック16a,16b,16cの組み立て基準位置も高い精度で設定することができる。例えば、このような設定の下、各レンズブロック16a,16b,16cを組み立てることにより、各レンズブロック16a,16b,16cを約5μm以下の精度で組み立てることができる。この結果、電子ビーム描画装置1においては、高精度に組み立てられた各コラム12a,12b,12cを備えることができるとともに、電子ビーム15のアライメントの簡素化および収差の低減を図ることができる。
以上説明したように、この一実施形態によれば、電子ビーム描画装置1が備える各コラム12a,12b,12cを物理的(機械的)に高い精度で組み立てて一体化させることができる。これにより、電子ビーム描画装置1が備えるレンズブロック16全体を高い精度で構成することができる。これにより、第1〜第3の各アライナー11a,11b,11cに印加するアライメント電圧を低減させたり、第1〜第3の各アライナー11a,11b,11cのアライメント電極の個数を減らしたりすることができる。この結果、各レンズブロック16a,16b,16cの製造コストを下げることができる。ひいては、真空チャンバー2や電子ビーム描画装置1全体の製造コストを下げることができる。
また、電子ビーム描画装置1においては、アライメントによる電子ビーム15の偏向収差を低減させることができるので、より高精度にパターンを描画することができる。したがって、図示を伴う具体的かつ詳細な説明は省略するが、電子ビーム描画装置1によりパターンが描画された半導体ウェーハ13を所定の半導体装置の製造工程に流すことにより、性能、品質、および信頼性などが向上された半導体装置を得ることができる。また、当然のことながら、電子ビーム描画装置1によりパターンが描画された半導体ウェーハ13を用いる半導体装置は、その製造効率および歩留まりが向上されているのはもちろんである。
さらに、電子ビーム描画装置1においては、低いアライメント電圧で電子ビーム15の光軸調整を行うことができる。このため、電子ビーム描画装置1においては、アライナー11の個数を増やす必要がない。したがって、電子ビーム描画装置1においては、各コラム12a,12b,12cのサイズが大型化するおそれがない。ひいては、真空チャンバー2や描画装置1全体のサイズが大型化するおそれがない。この結果、電子ビーム描画装置1の設置スペースの確保が容易になり、その汎用性が向上する。
このように、本実施形態に係る電子ビーム描画装置1においては、複数個のコラム12a,12b,12cを一体化させて製造することができるとともに各コラム12a,12b,12c間の組み立て精度が向上されている。また、本実施形態に係る半導体装置の製造方法によれば、精度が向上されたパターンが形成された半導体基板13を用いることができるので、性能、品質、信頼性、製造効率、および歩留まりなどが向上された半導体装置を得ることができる。
なお、本発明に係る荷電ビーム描画装置および半導体装置の製造方法は、前述した一実施形態には制約されない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、それらの構成、あるいは製造工程などの一部を種々様々な設定に変更したり、あるいは各種設定を適宜、適当に組み合わせて用いたりして実施することができる。
例えば、電子ビーム描画装置1が備えるコラム12の個数は3個には限定されない。電子ビーム描画装置1が備えるコラム12の個数は4個以上でも構わない。また、これに伴って、各レンズブロック16a,16b,16cの内部構成も前述した構成には限定されない。各レンズブロック16a,16b,16cの内部構成も適宜、適正に設定して構わないのはもちろんである。
1…電子ビーム描画装置(荷電ビーム描画装置)、3…電子銃(荷電ビーム発生装置)、4…コンデンサーレンズ、5…プロジェクションレンズ(投影レンズ)、6…アパーチャー、6a…第1のビーム成形用アパーチャー、6b…第2のビーム成形用アパーチャー、7…アパーチャーステージ(アパーチャー支持具)、7a…第1のアパーチャーステージ、7b…第2のアパーチャーステージ、8…ビーム成形用偏向器、9…対物レンズ、10…対物偏向器、11…アライナー、11a…第1のアライナー、11b…第2のアライナー、11c…第3のアライナー、12…コラム(鏡筒)、12a…照明系コラム(第1のコラム)、12b…投影系コラム(第2のコラム)、12c…結像系コラム(第3のコラム)、13…半導体ウェーハ(被描画体)、15…電子ビーム(荷電ビーム)、16…全体のレンズブロック、16a…照明系レンズブロック(第1のレンズブロック)、16b…投影系レンズブロック(第2のレンズブロック)、16c…結像系レンズブロック(第3のレンズブロック)、19…第1の開口部、19a…第1のアパーチャーステージの第1の開口部、19b…第2のアパーチャーステージの第1の開口部、20…トンネル部(第2の開口部)、20a…第1のコラムのトンネル部、20b…第2のコラムのトンネル部
Claims (5)
- 被描画体の表面に向けて荷電ビームを発生させる荷電ビーム発生装置と、
前記荷電ビームが入射されるとともに前記荷電ビームの照射条件を設定するコンデンサーレンズと、
このコンデンサーレンズを通過した前記荷電ビームが入射されるとともに前記荷電ビームの投影条件を設定する投影レンズと、
前記荷電ビーム発生装置から前記被描画体に向かう前記荷電ビームの流れにおいて前記コンデンサーレンズおよび前記投影レンズの少なくとも一方の下流側に設けられているとともに前記荷電ビームを所定の形状に成形する少なくとも1つのアパーチャーと、
前記コンデンサーレンズおよび前記投影レンズの少なくとも一方の下流側に設けられているとともに前記アパーチャーを所定の姿勢で支持する少なくとも1つのアパーチャー支持具と、
前記コンデンサーレンズおよび前記投影レンズの少なくとも一方と前記アパーチャーとの間に設けられているとともに前記アパーチャー上における前記荷電ビームの位置を制御するビーム成形用偏向器と、
前記投影レンズおよび前記アパーチャーを通過した前記荷電ビームが入射されるとともに所定の形状に成形された前記荷電ビームによる像を前記被描画体の表面に結像させる対物レンズと、
この対物レンズを通過した前記荷電ビームによる像の前記被描画体の表面上における位置を制御する対物偏向器と、
前記荷電ビーム発生装置と前記コンデンサーレンズとの間、前記コンデンサーレンズと前記投影レンズとの間、および前記投影レンズと前記対物レンズとの間の少なくとも1箇所に設けられているとともに前記荷電ビームの光軸の位置を調整する少なくとも1個のアライナーと、
前記荷電ビーム発生装置、前記コンデンサーレンズ、前記投影レンズ、前記ビーム成形用偏向器、前記対物レンズ、前記対物偏向器、および前記アライナーがそれぞれ所定の組み合わせで分配されて内部に設けられている少なくとも2つの鏡筒と、
を具備し、前記アパーチャー支持具には前記各鏡筒の外径よりも大きい第1の開口部が形成されているとともに、前記各鏡筒のうち少なくとも1つの鏡筒はその一部を前記第1の開口部に連通して配置されていることを特徴とする荷電ビーム描画装置。 - 前記各鏡筒の前記第1の開口部に位置する部分には、前記各鏡筒の側部を互いに連通し、かつ、前記アパーチャーが収納可能な大きさの第2の開口部がさらに形成されているとともに、前記アパーチャーは前記第2の開口部を通されて前記各鏡筒の内側において前記アパーチャー支持具に支持されていることを特徴とする請求項1に記載の荷電ビーム描画装置。
- 前記各鏡筒が前記荷電ビームの光軸方向に沿って並べられているとともに前記各鏡筒同士が互いに直接接続されて一体化されていることを特徴とする請求項1または2に記載の荷電ビーム描画装置。
- 前記荷電ビーム発生装置および前記コンデンサーレンズが1つの前記鏡筒内に設けられて照明系レンズブロックを構成し、前記投影レンズおよび前記ビーム成形用偏向器が他の1つの前記鏡筒内に設けられて投影系レンズブロックを構成し、さらに前記対物レンズおよび前記対物偏向器がまた他の1つの前記鏡筒内に設けられて結像系レンズブロックを構成しているとともに、前記3つの鏡筒同士が互いに直接接続されて一体化されることにより前記照明系レンズブロック、前記投影系レンズブロック、および前記結像系レンズブロックが一体化されて全体のレンズブロックを構成していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の荷電ビーム描画装置。
- 半導体製造工程に、請求項1〜4のいずれかに記載の荷電ビーム描画装置を用いて半導体基板にパターンを形成する工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
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KR101195487B1 (ko) * | 2011-11-14 | 2012-10-30 | 한국기계연구원 | 전자빔 피니싱 가공 또는 전자 현미경을 위한 일체형 전자빔 집속 렌즈 컬럼 구조물을 갖는 전자빔 주사장치 |
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CN107533956A (zh) * | 2015-04-17 | 2018-01-02 | 株式会社尼康 | 曝光系统 |
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