JP2007227446A - バリア用研磨液及び研磨方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】化学的機械的研磨による被研磨面の平坦化工程において十分な研磨速度で研磨が進行し、ディッシングが抑えられ、現実の使用においてもコストを十分に抑える事が出来る半導体装置のバリア研磨に好適な研磨液及び研磨方法を提供すること。
【解決手段】(a)有機酸、(b)コロイダルシリカ粒子、(c)腐食抑制剤、及び、(d)界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸塩を含み、且つ酸化剤を含有しないことを特徴とするバリア用研磨液。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体デバイスの製造に用いられる研磨液及び研磨方法に関し、詳細には、半導体デバイスの配線工程での平坦化においてバリア金属材料の研磨に好適に用いられる研磨液及び研磨方法に関する。
大規模集積回路(以下、「LSI」と記す。)で代表される半導体デバイスの開発においては、小型化・高速化のため、近年配線の微細化と積層化による高密度化・高集積化が求められている。このための技術として化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing、以下、「CMP」と記す。)等の種々の技術が用いられてきている。このCMPは層間絶縁膜等の被加工膜の表面平坦化、プラグ形成、埋め込み金属配線の形成等を行う場合に必須の技術であり、基板の平滑化や配線形成時の余分な金属薄膜の除去や絶縁膜上の余分なバリア層の除去を行っている。
CMPの一般的な方法は、円形の研磨定盤(プラテン)上に研磨パッドを貼り付け、研磨パッド表面を研磨液で浸して、パッドに基板(ウェハ)の表面を押しつけ、その裏面から所定の圧力(研磨圧力)を加えた状態で、研磨定盤及び基板の双方を回転させ、発生する機械的摩擦により基板の表面を平坦化するものである。
LSIなどの半導体デバイスを製造する際には、微細な配線を多層に形成することが行われており、その各層においてCuなどの金属配線を形成する際には層間絶縁膜への配線材料の拡散を防止することや、配線材料の密着性を向上させることを目的として、TaやTaN、Ti、TiNなどのバリアメタルを前もって形成することが行われている。
各配線層を形成するためには、まず、メッキ法などで盛付けられた余分な配線材を除去する金属膜のCMP(以下、金属膜CMPと記す。)を1段若しくは多段に渡って行い、次に、これによって表面に露出したバリア金属材料(バリアメタル)を除去するCMP(以下、バリアメタルCMPと記す。)を行うことが一般的になされている。しかしながら、金属膜CMPによって、配線部が過研磨されてしまういわゆるディッシングや、更にエロージョンを引き起こしてしまうことが問題となっている。
このディッシングを軽減するため、金属膜CMPの次に行うバリアメタルCMPでは、金属配線部の研磨速度とバリアメタル部の研磨速度とを調整して、最終的にディッシングやエロージョンなどの段差が少ない配線層を形成することが求められている。即ち、バリアメタルCMPでは、金属配線材に比較してバリアメタルや層間絶縁膜の研磨速度が相対的に小さい場合は、配線部が早く研磨されるなどディッシングや、その結果としてのエロージョンが発生してしまうため、バリアメタルや絶縁膜層の研磨速度は適度に大きい方が望ましい。これはバリアメタルCMPのスループットを上げるメリットがあることに加え、実際的には金属膜CMPによってディッシングが発生していることが多く、前述の理由からバリアメタルや絶縁膜層の研磨速度を相対的に高くすることが求められている点においても望ましいからである。
この為に低ディッシングでバリア層金属膜を研磨する様々な方法が開示されている。例えば、イミダゾール誘導体を用いたバリア膜研磨組成物(特許文献1参照。)、ベンゼン環化合物を用いたバリア膜研磨組成物(特許文献2参照。)がそれぞれ提案されている。しかしながら、近年では更なる高平坦化特性を達成する事が強く望まれていた。
特開2004−123930号公報 特開2005−285944号公報
本発明は、化学的機械的研磨による被研磨面の平坦化工程において十分な研磨速度で研磨が進行し、ディッシングが抑えられ、現実の使用においてもコストを十分に抑える事が出来る半導体装置のバリア研磨に好適な研磨液及び研磨方法を提供することを目的とする。
本発明者は鋭意検討した結果、下記<1>又は<4>に記載の手段により上記問題を解決できることを見出して課題を達成するに至った。すなわち、本発明は、下記の通りである。好ましい実施態様である<2>、<3>と共に以下に記載する。
<1> (a)有機酸、(b)コロイダルシリカ粒子、(c)腐食抑制剤、及び、(d)界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸塩を含み、且つ酸化剤を含有しないことを特徴とするバリア用研磨液、
<2> 前記(a)有機酸が、乳酸、グリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸及びマレイン酸並びにそれらの誘導体よりなる群から選択される、<1>に記載のバリア用研磨液、
<3> 前記(c)腐食抑制剤がベンゾトリアゾール及びその誘導体の少なくとも一種を含む、<1>又は<2>に記載のバリア用研磨液、
<4> <1>〜<3>いずれか1つに記載のバリア用研磨液を研磨定盤上の研磨パッドに研磨液流量が0.035〜0.25ml/(min・cm2)の範囲で供給しながら、上記研磨パッドを被研磨体の被研磨面と接触させ相対運動させて研磨することを特徴とする研磨方法。
本発明によれば、半導体装置の被加工膜等の化学的機械的研磨において、少ない研磨液の使用量で十分な研磨速度を達成し、かつディッシングをはじめとした表面欠陥が抑えられ、現実の使用においてもコストを十分にコストを抑える事が出来るバリア用研磨液及び研磨方法を提供することができる。
以下、本発明の具体的態様について説明する。
〔バリア用研磨液〕
本発明のバリア用研磨液(以下、単に「研磨液」と称することもある)は、(a)有機酸、(b)コロイダルシリカ粒子、(c)腐食抑制剤、及び、(d)界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸塩を含み、且つ酸化剤を含有しないことを特徴とする。
これまでは、加工中に使用する研磨液量を低下させることに伴い、研磨液による冷却効果が損なわれ、結果として研磨中の加工温度が上昇する為に、ディッシングが悪化する問題があった。これを防ぐ為には研磨速度が温度に依存し難い組成が望まれる。その為の方法として、温度に依存しない作用、例えば粒子による引っ掻き除去作用などを強めた処方が考えられる。
従来までの研磨液(スラリー)と異なり、本発明の研磨液では上記の様な問題を解決する事が出来た。その理由としては、研磨液が酸化剤を含有しない為と考えられる。すなわち、酸化剤を含有しない場合には、有機酸による溶出作用が起こり難く、配線金属の研磨はほとんど進行しない。これにより非常に低い研磨流量においてもディッシングを発生させない事が可能になった。
研磨液は、濃縮液であって使用する際に水を加えて希釈して使用液とする場合、又は、各成分が後述する水溶液の形態でこれらを混合し、必要により水を加え希釈して使用液とする場合、あるいは使用液として調製されている場合がある。本発明の研磨液を用いた研磨方法は、いずれの場合にも適用でき、研磨液を研磨定盤上の研磨パッドに供給し、被研磨面と接触させて被研磨面と研磨パッドを相対運動させて研磨する研磨方法である。
なお、研磨液の濃縮液作製時に添加する成分の内、室温での水に対する溶解度が5%未満のものの配合量は、濃縮液を5℃などに冷却した際の析出を防止する点で、室温での水に対する溶解度の2倍以内とすることが好ましく、1.5倍以内とすることがより好ましい。
なお、本明細書において「濃縮」及び「濃縮液」とは、使用状態よりも「濃厚」及び「濃厚な液」を意味する慣用表現にしたがって用いており、蒸発などの物理的な濃縮操作を伴う一般的な用語の意味とは異なる用法で用いている。
すなわち、濃縮液または濃縮された研磨液とは、研磨に使用する際の研磨液よりも、溶質の濃度が高く調製された研磨液を意味し、研磨に使用する際に、水又は水溶液などで希釈して、研磨に使用されるものである。希釈倍率は、一般的には1〜20体積倍である。
本発明において「研磨液」とは、研磨に使用する際の研磨液(即ち、必要により希釈された研磨液)のみならず、研磨液の濃縮液をも包含する意である。
研磨する装置としては、被研磨面を有する半導体基板等の被研磨体を保持するホルダーと研磨パッドを貼り付けた(回転数が変更可能なモータ等を取り付けてある)研磨定盤を有する一般的な研磨装置が使用できる。研磨パッドとしては、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂などが使用でき、特に制限がない。研磨条件には制限はないが、研磨定盤の回転速度は基板が飛び出さないように200rpm以下の低回転が好ましい。被研磨面(被研磨膜)を有する半導体基板の研磨パッドへの押しつけ圧力は、0.68〜34.5KPaであることが好ましく、研磨速度の被研磨体(ウェハ)面内均一性及びパターンの平坦性を満足するためには、3.40〜20.7KPaであることがより好ましい。
((a)有機酸)
本発明の研磨液は、(a)有機酸を含有する。
前記有機酸としては、乳酸、グリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸及びマレイン酸並びにそれらの誘導体が特に好ましく用いられる。これらの有機酸は単独で使用することができ、また、2種以上を混合して使用することができる。
有機酸の配合量は、使用時の研磨液に対して、総量として0.01〜20重量%とすることができ、1〜10重量%が好ましく、さらに3〜10重量%が好ましく、特に5〜10重量%が好ましい。
((b)コロイダルシリカ粒子)
本発明に使用する研磨液は、構成成分としてコロイダルシリカ粒子を含有する。コロイダルシリカ粒子は研磨粒子として含有される。
上記コロイダルシリカ粒子の作成法として、例えばSi(OC254、Si(sec−OC494、Si(OCH34、Si(OC494のようなシリコンアルコキシド化合物をゾルゲル法により加水分解することにより得ることができる。このような第1、第2のコロイダル粒子(例えば第1、第2のコロイダルシリカ粒子)は粒度分布が非常に急峻なものとなる。
コロイダル粒子の一次粒子径とは、コロイダル粒子の粒子径とその粒子径を持つ粒子数を積算した累積度数との関係を示す粒度累積曲線を求め、この曲線の累積度数が50%のポイントでの粒子径を意味するものである。このコロイダル粒子の粒子径は、動的光散乱法から得られた粒度分布において求められる平均粒子径を表す。例えば、粒度分布を求める測定装置しては堀場製作所製LB−500等が用いられる。
含有されるコロイダルシリカ粒子の平均粒径は5〜60nmが好ましく、より好ましくは5〜30nmである。充分な研磨加工速度を達成する目的から5nm以上の粒子が好ましい。また、研磨加工中に過剰な摩擦熱を発生させない目的で粒子径は60nm以下が好ましい。
含有される複合体からなる研磨粒子の濃度は使用時の研磨液中に0.5〜15重量%の割合で含まれている事が好ましい。より好ましくは1〜10重量%が好ましい。充分な研磨加工速度を達成する目的で濃度は0.5重量%以上が好ましい。また、研磨加工中に過剰な摩擦熱を発生させない目的で濃度は10重量%以下が好ましい。
((c)腐食抑制剤)
本発明の研磨液は、研磨対象の金属表面に不動態膜を形成し基板上での化学反応を抑制する化合物として少なくとも1種の(c)腐食抑制剤を含有する。
前記腐食抑制剤は複素環化合物であることが好ましく、ベンゾトリアゾール及びその誘導体であることがより好ましい。前記誘導誘導体としては、5,6−ジメチル−1,2,3−ベンゾトリアゾール(DBTA)、1−(1,2−ジカルボキシエチル)ベンゾトリアゾール(DCEBTA)、1−[N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール(HEABTA)、1−(ヒドロキシメチル)ベンゾトリアゾール(HMBTA)が好ましい。
本発明で用いる腐食抑制剤は、単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。また、本発明で用いる腐食抑制剤は、常法に従って合成できるほか、市販品を使用してもよい。
また、腐食抑制剤の添加量は好ましくは0.01重量%以上0.2重量%以下が好ましく、更に好ましくは、0.05重量%以上0.2重量%以下である。
((d)界面活性剤)
本発明の研磨液は、(d)界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸塩を含有する。
ドデシルベンゼンスルホン酸塩は、公知の方法により合成できるが、市販のものを用いてもよい。ドデシルベンゼンスルホン酸塩の添加量は、総量として、研磨に使用する際のバリア用研磨液中、好ましくは0.001〜5%、より好ましくは0.005〜1%である。
また、本発明の研磨液は、さらに他の成分を含有しても良く、好ましい成分として、無機酸、水溶性ポリマー、及び添加剤を挙げることができる。研磨液が含有する上記成分は1種でも2種以上併用してもよい。
(酸化剤)
本発明の研磨液は、酸化剤を含有しない。但し、本発明の効果を阻害しない範囲において、酸化剤を含有することもできるが、本発明において、研磨液は実質的に酸化剤を含有しないものである。
ここで、実質的に含有しないとは、上記の(a)〜(d)の成分の他に、金属表面を酸化させる他の成分を含有しない意味である。
(キレート剤)
本発明の研磨液は、混入する多価金属イオンなどの悪影響を低減させるために、必要に応じてキレート剤(すなわち硬水軟化剤)を含有することが好ましい。キレート剤としては、カルシウムやマグネシウムの沈澱防止剤である汎用の硬水軟化剤やその類縁化合物であり、例えば、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン四酢酸、N,N,N−トリメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N’,N’−テトラメチレンスルホン酸、トランスシクロヘキサンジアミン四酢酸、1,2−ジアミノプロパン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、エチレンジアミンオルトヒドロキシフェニル酢酸、エチレンジアミンジ琥珀酸(SS体)、N−(2−カルボキシラートエチル)−L−アスパラギン酸、β−アラニンジ酢酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、N,N’−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N’−ジ酢酸等が挙げられる。
キレート剤は必要に応じて2種以上併用しても良い。キレート剤の添加量は混入する多価金属イオンなどの金属イオンを封鎖するのに充分な量であれば良く、例えば、研磨に使用する際の研磨液の1L中、0.0003mol〜0.07molになるように添加する。
(添加剤)
また、本発明の研磨液には以下の添加剤を用いることが好ましい。
アンモニア;ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、プロピレンジアミン等のアルキルアミンや、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム及びキトサン等のアミン;ジチゾン、クプロイン(2,2’−ビキノリン)、ネオクプロイン(2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン)、バソクプロイン(2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン)及びキュペラゾン(ビスシクロヘキサノンオキサリルヒドラゾン)等のイミン;ベンズイミダゾール−2−チオール、2−[2−(ベンゾチアゾリル)]チオプロピオン酸、2−[2−(ベンゾチアゾリル)]チオブチル酸、2−メルカプトベンゾチアゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾール等のアゾール;ノニルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、トリアジンチオール、トリアジンジチオール、トリアジントリチオール等のメルカプタン、その他、アントラニル酸、アミノトルイル酸、キナルジン酸、L−トリプトファンなどが挙げられる。これらの中でも特にキトサン、エチレンジアミンテトラ酢酸、L−トリプトファン、キュペラゾン、トリアジンジチオールが高いCMP速度と低いエッチング速度を両立する上で好ましい。
これら添加剤の添加量は、研磨に使用する際の研磨液の1L中、0.0001mol〜0.5molとすることが好ましく0.001mol〜0.2molとすることがより好ましく、0.005mol〜0.1molとすることが特に好ましい。即ち、添加剤の添加量は、エッチング抑制の点から0.0001mol以上が好ましく、CMP速度低下防止の点から0.5mol以下が好ましい。
(界面活性剤及び親水性ポリマー)
本発明の研磨液は、前記式(I)で表される界面活性剤以外の界面活性剤及び/又は親水性ポリマーを含有していてもよい。界面活性剤と親水性ポリマーは、いずれも被研磨面の接触角を低下させる作用を有して、均一な研磨を促す作用を有する。用いられる界面活性剤及び/又は親水性ポリマーとしては、以下の群から選ばれたものが好適である。
陰イオン界面活性剤として、例えば、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩が挙げられ、カルボン酸塩として、石鹸、N−アシルアミノ酸塩、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンアルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド;スルホン酸塩として、アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルスルホン酸塩;硫酸エステル塩として、硫酸化油、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンアルキルアリルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩;リン酸エステル塩として、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンアルキルアリルエーテルリン酸塩を挙げることができる。
陽イオン界面活性剤として、例えば、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、塩化ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩;両性界面活性剤として、カルボキシベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウムベタイン、レシチン、アルキルアミンオキサイドを挙げることができる。
非イオン界面活性剤として、例えば、エーテル型、エーテルエステル型、エステル型、含窒素型が挙げられ、エーテル型として、ポリオキシエチレンアルキル及びアルキルフェニルエーテル、アルキルアリルホルムアルデヒド縮合ポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルが挙げられ、エーテルエステル型として、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビトールエステルのポリオキシエチレンエーテル、エステル型として、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、グリセリンエステル、ポリグリセリンエステル、ソルビタンエステル、プロピレングリコールエステル、ショ糖エステル、含窒素型として、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミド等が例示される。また、フッ素系界面活性剤などが挙げられる。
さらに、その他の界面活性剤、親水性化合物、親水性ポリマー等としては、例えば、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、メトキシ酢酸、エトキシ酢酸、3−エトキシプロピオン酸及びアラニンエチルエステル等のエステル;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコールアルケニルエーテル、アルキルポリエチレングリコール、アルキルポリエチレングリコールアルキルエーテル、アルキルポリエチレングリコールアルケニルエーテル、アルケニルポリエチレングリコール、アルケニルポリエチレングリコールアルキルエーテル、アルケニルポリエチレングリコールアルケニルエーテル、ポリプロピレングリコールアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールアルケニルエーテル、アルキルポリプロピレングリコール、アルキルポリプロピレングリコールアルキルエーテル、アルキルポリプロピレングリコールアルケニルエーテル、アルケニルポリプロピレングリコール、アルケニルポリプロピレングリコールアルキルエーテル及びアルケニルポリプロピレングリコールアルケニルエーテル等のエーテル;アルギン酸、ペクチン酸、カルボキシメチルセルロース、カードラン及びプルラン等の多糖類;グリシンアンモニウム塩及びグリシンナトリウム塩等のアミノ酸塩;ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリリシン、ポリリンゴ酸、
ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸アンモニウム塩、ポリメタクリル酸ナトリウム塩、ポリアミド酸、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、ポリフマル酸、ポリ(p−スチレンカルボン酸)、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、アミノポリアクリルアミド、ポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリアクリル酸ナトリウム塩、ポリアミド酸、ポリアミド酸アンモニウム塩、ポリアミド酸ナトリウム塩及びポリグリオキシル酸等のポリカルボン酸及びその塩;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びポリアクロレイン等のビニル系ポリマー;メチルタウリン酸アンモニウム塩、メチルタウリン酸ナトリウム塩、硫酸メチルナトリウム塩、硫酸エチルアンモニウム塩、硫酸ブチルアンモニウム塩、ビニルスルホン酸ナトリウム塩、1−アリルスルホン酸ナトリウム塩、2−アリルスルホン酸ナトリウム塩、メトキシメチルスルホン酸ナトリウム塩、エトキシメチルスルホン酸アンモニウム塩、3−エトキシプロピルスルホン酸ナトリウム塩、メトキシメチルスルホン酸ナトリウム塩、エトキシメチルスルホン酸アンモニウム塩、3−エトキシプロピルスルホン酸ナトリウム塩及びスルホコハク酸ナトリウム塩等のスルホン酸及びその塩;プロピオンアミド、アクリルアミド、メチル尿素、ニコチンアミド、コハク酸アミド及びスルファニルアミド等のアミド等が挙げられる。
ただし、適用する被研磨体が、大規模集積回路用シリコン基板などの場合はアルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン化物等による汚染は望ましくないため、酸又はそのアンモニウム塩が好ましい。基体がガラス基板等である場合はその限りではない。上記例示化合物の中でもシクロヘキサノール、ポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリビニルアルコール、コハク酸アミド、ポロビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーがより好ましい。
界面活性剤及び親水性ポリマーの添加量は、総量として、研磨に使用する際の研磨液の1L中、0.001g〜10gとすることが好ましく、0.01g〜5gとすることがより好ましく0.1g〜3gとすることが特に好ましい。即ち、界面活性剤及び親水性ポリマーの添加量は、充分な効果を得る上で、0.001g以上が好ましく、CMP速度の低下防止の点から10g以下が好ましい。また、これらの親水性ポリマーの重量平均分子量としては、500〜100,000が好ましく、特には2,000〜50,000が好ましい。
(アルカリ剤及び緩衝剤)
本発明の研磨液は、必要に応じて、pH調整のためにアルカリ剤、さらにはpHの変動抑制の点から緩衝剤を含有することができる。
アルカリ剤(又は緩衝剤)としては、水酸化アンモニウム及びテトラメチルアンモニウムハイドロキサイドなどの有機水酸化アンモニウム、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどのようなアルカノールアミン類などの非金属アルカリ剤、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、四ホウ酸塩、グリシル塩、N,N−ジメチルグリシン塩、ロイシン塩、ノルロイシン塩、グアニン塩、3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン塩、アラニン塩、アミノ酪酸塩、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール塩、バリン塩、プロリン塩、トリスヒドロキシアミノメタン塩、リシン塩などを用いることができる。
アルカリ剤(又は緩衝剤)の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸二カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、四ホウ酸ナトリウム(ホウ砂)、四ホウ酸カリウム、水酸化アンモニウム、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイドなどを挙げることができる。
また、特に好ましいアルカリ剤としては、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム及びテトラメチルアンモニウムハイドロキサイドが挙げられる。
アルカリ剤(又は緩衝剤)の添加量としては、pHが好ましい範囲に維持される量であればよく、研磨に使用する際の研磨液の1L中、0.0001mol〜1.0molとすることが好ましく、0.003mol〜0.5molとすることがより好ましい。
研磨に使用する際の研磨液のpHは2〜14が好ましく、3〜12がより好ましい。この範囲において本発明の研磨液は特に優れた効果を発揮する。
(分散媒)
本発明に用いることができる研磨液用分散媒としては、水単独、又は水を主成分(分散媒中、50〜99重量%)とし、アルコール、グリコール等の水溶性有機溶媒を副成分(1〜30重量%)として配合したものが使用できる。
水は、できる限り巨大粒子を含まない純水又はイオン交換水が好ましい。
アルコールとしては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールが、グリコール類としては、エチレングリコール、テトラメチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
研磨液中に占める分散媒の含有量は、75〜95重量%であることが好ましく、85〜90重量%であることがより好ましい。研磨液の基板上への供給性の観点から75重量%以上が好ましい。
本発明の研磨液は、研磨時において、研磨面への吸着性や反応性、研磨金属の溶解性、被研磨面の電気化学的性質、化合物官能基の解離状態、液としての安定性などにより、適時化合物種、添加量やpH、分散媒を設定することが好ましい。
〔研磨方法〕
本発明の研磨方法は、有機酸、コロイダルシリカ粒子、腐食抑制剤、及び界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸を含み、且つ酸化剤を含有しないバリア用研磨液(以下、単に研磨液と称することがある)を研磨定盤上の研磨パッドに研磨液流量が0.035〜0.25ml/(min・cm2)の範囲で供給しながら、上記研磨パッドを被研磨体の被研磨面と接触させ相対運動させて、例えば、被研磨体として、導電性材料膜(例えば金属層)が形成されたウェハ(半導体基板)を化学的機械的に平坦化するものである。
また、本発明の研磨方法は、使用する研磨液の量が半導体基板単位面積及び単位時間当たり0.035〜0.25ml/(min・cm2)の流量と、従来の研磨時における研磨液の使用量よりも少ない研磨液量で十分な研磨速度を達成し、かつ、ディッシングを抑制できるため好ましい。また、研磨時における研磨液の使用量が少ないため、コスト面でも優れた研磨方法である。
本発明の研磨液は、原液をそのまま使用する場合以外にも、研磨液が濃縮液であって、使用する際に水を加えて希釈して使用液とする場合、又は、各成分が後述する水溶液の形態でこれらを混合し、必要により水を加え希釈して使用液とする場合、あるいは使用液として調製されている場合がある。本発明の研磨方法は、いずれの場合にも適用でき、研磨液を研磨定盤上の研磨パッドに供給し、被研磨面と接触させて被研磨面と研磨パッドを相対運動させて研磨する研磨方法である。
研磨する装置としては、被研磨面を有する半導体基板等の被研磨体を保持するホルダーと研磨パッドを貼り付けた(回転数が変更可能なモータ等を取り付けてある)研磨定盤を有する一般的な研磨装置が使用できる。研磨パッドとしては、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂などが使用でき、特に制限がない。研磨条件には制限はないが、研磨定盤の回転速度は基板が飛び出さないように200rpm以下の低回転が好ましい。被研磨面(被研磨膜)を有する半導体基板の研磨パッドへの押しつけ圧力は、0.68〜34.5KPaであることが好ましく、研磨速度の被研磨体(ウェハ)面内均一性及びパターンの平坦性を満足するためには、3.40〜20.7KPaであることがより好ましい。
例えば、研磨終了後の半導体基板(被研磨体)は、流水中で良く洗浄した後、スピンドライヤ等を用いて半導体基板上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させることができる。本発明の研磨方法では、希釈する水溶液は、以下述べる水溶液と同じである。水溶液は、予め酸化剤、酸、添加剤、界面活性剤のうち少なくとも1つ以上を含有した水で、水溶液中に含有した成分と希釈される研磨液の成分を合計した成分が、研磨液を使用して研磨する際の成分となるようにする。水溶液で希釈して使用する場合は、溶解しにくい成分を水溶液の形で配合することができ、より濃縮した研磨液を調製することができる。
濃縮された研磨液に水又は水溶液を加え希釈する方法としては、例えば、濃縮された研磨液を供給する配管と水又は水溶液を供給する配管を途中で合流させて混合し、混合し希釈された研磨液を研磨パッドに供給する方法が挙げられる。混合は、圧力を付した状態で狭い通路を通して液同士を衝突混合する方法、配管中にガラス管などの充填物を詰め液体の流れを分流分離、合流させることを繰り返し行う方法、配管中に動力で回転する羽根を設ける方法など通常に行われている方法を採用することができる。
濃縮された研磨液を水又は水溶液などにより希釈し、研磨する方法としては、例えば、研磨液を供給する配管と水又は水溶液を供給する配管を独立に設け、それぞれから所定量の液を研磨パッドに供給し、研磨パッドと被研磨面の相対運動で混合しつつ研磨する方法が挙げられる。また、例えば、1つの容器に、所定量の濃縮された研磨液と水又は水溶液を入れ混合してから、研磨パッドにその混合した研磨液を供給し、研磨をする方法も挙げられる。
本発明の別の研磨方法は、例えば、研磨液が含有すべき成分を少なくとも2つの構成成分に分けて、それらを使用する際に、水又は水溶液を加え希釈して研磨定盤上の研磨パッドに供給し、被研磨面と接触させて被研磨面と研磨パッドを相対運動させて研磨する方法が挙げられる。例えば、酸化剤を1つの構成成分(A)とし、酸、添加剤、界面活性剤及び水を1つの構成成分(B)とし、それらを使用する際に水又は水溶液で構成成分(A)と構成成分(B)を希釈して使用することが好ましい。
また、溶解度の低い添加剤を2つの構成成分(A)と(B)に分け、酸化剤、添加剤及び界面活性剤を1つの構成成分(A)とし、酸、添加剤、界面活性剤及び水を別の1つの構成成分(B)とし、それらを使用する際に水又は水溶液を加え構成成分(A)と構成成分(B)を溶解及び/又は希釈して使用することが好ましい。この場合、構成成分(A)と構成成分(B)と水又は水溶液をそれぞれ供給する3つの配管が必要であり、希釈混合は、3つの配管を、研磨パッドに供給する1つの配管に結合し、その配管内で混合する方法があり、この場合、2つの配管を結合してから他の1つの配管を結合することも可能である。
例えば、溶解しにくい添加剤を含む構成成分と他の構成成分を混合し、混合経路を長くして溶解時間を確保してから、さらに水又は水溶液の配管を結合する方法が挙げられる。その他の混合方法は、例えば、上記したように直接に3つの配管をそれぞれ研磨パッドに導き、研磨パッドと被研磨面の相対運動により混合する方法、1つの容器に3つの構成成分を混合して、そこから研磨パッドに希釈された研磨液を供給する方法が挙げられる。上記した研磨方法において、酸化剤を含む1つの構成成分を40℃以下にし、他の構成成分を室温から100℃の範囲に加温し、且つ1つの構成成分と他の構成成分又は水もしくは水溶液を加え希釈して使用する際に、混合した後に40℃以下とするようにすることもできる。温度が高いと溶解度が高くなるため、研磨液の溶解度の低い原料の溶解度を上げるために好ましい方法である。
酸化剤を含まない他の成分を室温から100℃の範囲で加温して溶解させた原料は、温度が下がると溶液中に析出するため、温度が低下したその成分を用いる場合は、予め加温して析出したものを溶解させる必要がある。これには、加温し溶解した構成成分液を送液する手段と、析出物を含む液を撹拌しておき、送液し配管を加温して溶解させる手段を採用することが好ましい。加温した成分が酸化剤を含む1つの構成成分の温度を40℃以上に高めると酸化剤が分解してくる恐れがあるので、加温した構成成分とこの加温した構成成分を冷却する酸化剤を含む1つの構成成分で混合した場合、40℃以下となるようにすることが好ましい。
また、本発明においては、上述したように研磨液の成分を二分割以上に分割して、研磨面に供給してもよい。この場合、酸化物を含む成分と酸を含有する成分とに分割して供給することが好ましい。また、研磨液を濃縮液とし、希釈水を別にして研磨面に供給してもよい。本発明においてこれらの場合の供給量は、各配管からの供給量の合計を表すものである。
(研磨液流量)
本発明の研磨方法における研磨液流量とは、被研磨体へ供給される1分あたりの研磨液の流量であり、研磨加工される被研磨体面積(基板ウェハ面積)に対する流量として規定するものとする。
本発明の化学的機械的研磨方法において、研磨加工中に被研磨体へ供給される1分あたりの研磨液の流量は0.035〜0.25ml/(min・cm2)であるが、研磨液の加工温度を上げすぎない観点から0.100〜0.25ml/(min・cm2)であることがより好ましい。研磨液流量が0.035ml/(min・cm2)未満であると加工温度が過剰に上がり、良好な研磨結果を得ることができないために好ましくない。また、0.25ml/(min・cm2)以上であると、コストや環境面で好ましくない。
(バリア金属)
本発明における被研磨体(研磨する対象)は、例えば、半導体の製造において、配線と層間絶縁膜との間に設け、配線金属の拡散を防ぐためのバリア層(単に「バリア」ともいう。)であること好ましい。
本発明の研磨方法において、好適に研磨することができるバリア層に用いるバリア金属としては、低電気抵抗のメタル材料が好ましく、TiN、TiW、Ta、TaN、Ru、W、WNがより好ましく、Ta、TaNが特に好ましい。
なお、前記のように本発明の化学的機械的研磨方法は、バリア用研磨液を用いており、LSI等の半導体におけるバリア金属の研磨に好適に用いることができる研磨方法であり、また、バリア層を研磨する際には金属配線も同時に好適に研磨すること可能であり、本発明の研磨方法は、金属配線も好適に研磨することができる。
また、本発明の化学的機械的研磨方法は、該バリア金属や金属配線の研磨に付随して酸や砥粒等の効果により、シリコン基板や酸化シリコン、窒化シリコン、樹脂、カーボン配線、貴金属配線、絶縁膜等を一部研磨するものであってもよいことは言うまでもない。
(配線金属原材料)
本発明の研磨方法は、金属配線も好適に研磨することができ、前記金属配線が、例えば、LSI等の半導体における、銅金属及び/又は銅合金からなる配線であることが好ましく、特には銅合金であることが好ましい。更には、銅合金の中でも銀を含有する銅合金であることが好ましい。銅合金に含有される銀含量は、40重量%以下が好ましく、特には10重量%以下、さらには1重量%以下が好ましく、0.00001〜0.1重量%の範囲である銅合金において最も優れた効果を発揮する。
(配線の太さ)
本発明の研磨方法を適用できる半導体は、例えば、DRAMデバイス系では、ハーフピッチで0.15μm以下の配線を持つLSIであることが好ましく、0.10μm以下であることがより好ましく、0.08μm以下であることがさらに好ましい。一方、MPUデバイス系では0.12μm以下の配線を持つLSIであることが好ましく、0.09μm以下であることがより好ましく、0.07μm以下であることがさらに好ましい。これらのDRAM又はLSIに対して、本発明の化学的機械的研磨方法は特に優れた効果を発揮する。
(パッド)
研磨用の研磨パッドは、無発泡構造パッドでも発泡構造パッドでもよい。前者はプラスチック板のように硬質の合成樹脂バルク材をパッドに用いるものである。また、後者は更に独立発泡体(乾式発泡系)、連続発泡体(湿式発泡系)、2層複合体(積層系)の3つがあり、特には2層複合体(積層系)が好ましい。発泡は、均一でも不均一でもよい。
更に研磨に用いる砥粒(例えば、セリア、シリカ、アルミナ、樹脂など)を含有したものでもよい。また、それぞれに硬さは軟質のものと硬質のものがあり、どちらでもよく、積層系ではそれぞれの層に異なる硬さのものを用いることが好ましい。材質としては不織布、人工皮革、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート等が好ましい。また、研磨面と接触する面には、格子溝/穴/同心溝/らせん状溝などの加工を施してもよい。
(ウェハ)
本発明の化学的機械的研磨方法における被研磨体としてのウェハは、径が200mm以上であることが好ましく、特には300mm以上が好ましい。300mm以上である時に顕著に本発明の効果を発揮する。
以下実施例によって本発明をより詳しく説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
<実施例1>
下記に示す研磨液を調製し、本研磨システムにて研磨評価した。
(研磨液の調製)
下記組成を混合して研磨液を調整した。
リンゴ酸(有機酸、和光純薬工業(株)製) 20g/L
ベンゾトリアゾール(芳香環化合物) 1g/L
コロイダルシリカ 50g/L
(PL‐3:扶桑化学製 一次粒径15(nm))
ラウリン酸アンモニウム塩(界面活性剤) 0.03g/L
純水を加えて全量 1000mL
pH(アンモニア水と硫酸で調整) 3.0
(評価方法)
研磨装置として荏原製作所製装置「F−REX300」を使用し、下記の条件で、スラリーを供給しながらパターン形成された各ウェハに設けられた膜を研磨し、その時の段差を測定した。
被研磨体(基盤):フォトリソグラフィー工程と反応性イオンエッチング工程によりシリコン酸化膜をパターニングして、幅0.09〜100μm、深さ600nmの配線用溝と接続孔を形成後、さらに、スッパタリング法により厚さ20nmのTa膜を形成し、続いてスッパタリング法により厚さ50nmの銅膜を形成後、メッキ法により合計厚さ1000nmの銅膜を形成した12inchウェハを使用した。
テ−ブル回転数:65rpm
ヘッド回転数:50rpm
研磨圧力:13.79KPa
研磨パッド:ロデール・ニッタ株式会社製 品番IC−1400
研磨液供給速度:100ml/min(0.14ml/(min・cm2))
1)<ディッシング評価>
パターンウェハに対し、非配線部の銅が完全に研磨されるまでの時間に加えて、該時間の50%に相当する時間だけ一次研磨したウェハを用いた(一次後ディッシング:ライン100μm/スペース100μm 60nm)。このウェハを用い、各スラリー(研磨液)で30秒研磨したウェハのディッシング(ライン100μm/スペース100μm)を触針式段差計DektakV320Si(Veeco社製)で測定した。また、研磨後にはウェハ全面で研磨残りがない事をそれぞれ確認した。
2)<絶縁膜研磨速度>
絶縁膜としてTEOS(テトラエトキシシラン)を用いた。
研磨速度とは研磨前後の膜厚から換算し、以下の式から導かれる。
式:
研磨速度(nm/分)
=(研磨前の絶縁膜の厚さ−研磨後の絶縁膜の厚さ)/研磨時間
このようにして絶縁膜の研磨速度を測定した。
<実施例2〜27及び比較例1、2>
コロイダルシリカは実施例1と同様の研磨粒子を用い、その他は表1及び2に記載の研磨条件に従って、実施例2〜27及び比較例1、2の研磨試験を行った。結果を表1及び2に示す。
Figure 2007227446
Figure 2007227446

Claims (4)

  1. (a)有機酸、
    (b)コロイダルシリカ粒子、
    (c)腐食抑制剤、及び、
    (d)界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸塩を含み、
    且つ酸化剤を含有しないことを特徴とする
    バリア用研磨液。
  2. 前記(a)有機酸が、乳酸、グリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸及びマレイン酸並びにそれらの誘導体よりなる群から選択される、請求項1に記載のバリア用研磨液。
  3. 前記(c)腐食抑制剤がベンゾトリアゾール及びその誘導体の少なくとも一種を含む、請求項1又は2に記載のバリア用研磨液。
  4. 請求項1〜3いずれか1つに記載のバリア用研磨液を研磨定盤上の研磨パッドに研磨液流量が0.035〜0.25ml/(min・cm2)の範囲で供給しながら、上記研磨パッドを被研磨体の被研磨面と接触させ相対運動させて研磨することを特徴とする研磨方法。
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