JP2007227446A - バリア用研磨液及び研磨方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(a)有機酸、(b)コロイダルシリカ粒子、(c)腐食抑制剤、及び、(d)界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸塩を含み、且つ酸化剤を含有しないことを特徴とするバリア用研磨液。
【選択図】なし
Description
LSIなどの半導体デバイスを製造する際には、微細な配線を多層に形成することが行われており、その各層においてCuなどの金属配線を形成する際には層間絶縁膜への配線材料の拡散を防止することや、配線材料の密着性を向上させることを目的として、TaやTaN、Ti、TiNなどのバリアメタルを前もって形成することが行われている。
このディッシングを軽減するため、金属膜CMPの次に行うバリアメタルCMPでは、金属配線部の研磨速度とバリアメタル部の研磨速度とを調整して、最終的にディッシングやエロージョンなどの段差が少ない配線層を形成することが求められている。即ち、バリアメタルCMPでは、金属配線材に比較してバリアメタルや層間絶縁膜の研磨速度が相対的に小さい場合は、配線部が早く研磨されるなどディッシングや、その結果としてのエロージョンが発生してしまうため、バリアメタルや絶縁膜層の研磨速度は適度に大きい方が望ましい。これはバリアメタルCMPのスループットを上げるメリットがあることに加え、実際的には金属膜CMPによってディッシングが発生していることが多く、前述の理由からバリアメタルや絶縁膜層の研磨速度を相対的に高くすることが求められている点においても望ましいからである。
<1> (a)有機酸、(b)コロイダルシリカ粒子、(c)腐食抑制剤、及び、(d)界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸塩を含み、且つ酸化剤を含有しないことを特徴とするバリア用研磨液、
<2> 前記(a)有機酸が、乳酸、グリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸及びマレイン酸並びにそれらの誘導体よりなる群から選択される、<1>に記載のバリア用研磨液、
<3> 前記(c)腐食抑制剤がベンゾトリアゾール及びその誘導体の少なくとも一種を含む、<1>又は<2>に記載のバリア用研磨液、
<4> <1>〜<3>いずれか1つに記載のバリア用研磨液を研磨定盤上の研磨パッドに研磨液流量が0.035〜0.25ml/(min・cm2)の範囲で供給しながら、上記研磨パッドを被研磨体の被研磨面と接触させ相対運動させて研磨することを特徴とする研磨方法。
〔バリア用研磨液〕
本発明のバリア用研磨液(以下、単に「研磨液」と称することもある)は、(a)有機酸、(b)コロイダルシリカ粒子、(c)腐食抑制剤、及び、(d)界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸塩を含み、且つ酸化剤を含有しないことを特徴とする。
なお、本明細書において「濃縮」及び「濃縮液」とは、使用状態よりも「濃厚」及び「濃厚な液」を意味する慣用表現にしたがって用いており、蒸発などの物理的な濃縮操作を伴う一般的な用語の意味とは異なる用法で用いている。
本発明において「研磨液」とは、研磨に使用する際の研磨液(即ち、必要により希釈された研磨液)のみならず、研磨液の濃縮液をも包含する意である。
本発明の研磨液は、(a)有機酸を含有する。
前記有機酸としては、乳酸、グリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸及びマレイン酸並びにそれらの誘導体が特に好ましく用いられる。これらの有機酸は単独で使用することができ、また、2種以上を混合して使用することができる。
本発明に使用する研磨液は、構成成分としてコロイダルシリカ粒子を含有する。コロイダルシリカ粒子は研磨粒子として含有される。
上記コロイダルシリカ粒子の作成法として、例えばSi(OC2H5)4、Si(sec−OC4H9)4、Si(OCH3)4、Si(OC4H9)4のようなシリコンアルコキシド化合物をゾルゲル法により加水分解することにより得ることができる。このような第1、第2のコロイダル粒子(例えば第1、第2のコロイダルシリカ粒子)は粒度分布が非常に急峻なものとなる。
本発明の研磨液は、研磨対象の金属表面に不動態膜を形成し基板上での化学反応を抑制する化合物として少なくとも1種の(c)腐食抑制剤を含有する。
前記腐食抑制剤は複素環化合物であることが好ましく、ベンゾトリアゾール及びその誘導体であることがより好ましい。前記誘導誘導体としては、5,6−ジメチル−1,2,3−ベンゾトリアゾール(DBTA)、1−(1,2−ジカルボキシエチル)ベンゾトリアゾール(DCEBTA)、1−[N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール(HEABTA)、1−(ヒドロキシメチル)ベンゾトリアゾール(HMBTA)が好ましい。
本発明の研磨液は、(d)界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸塩を含有する。
ドデシルベンゼンスルホン酸塩は、公知の方法により合成できるが、市販のものを用いてもよい。ドデシルベンゼンスルホン酸塩の添加量は、総量として、研磨に使用する際のバリア用研磨液中、好ましくは0.001〜5%、より好ましくは0.005〜1%である。
本発明の研磨液は、酸化剤を含有しない。但し、本発明の効果を阻害しない範囲において、酸化剤を含有することもできるが、本発明において、研磨液は実質的に酸化剤を含有しないものである。
ここで、実質的に含有しないとは、上記の(a)〜(d)の成分の他に、金属表面を酸化させる他の成分を含有しない意味である。
本発明の研磨液は、混入する多価金属イオンなどの悪影響を低減させるために、必要に応じてキレート剤(すなわち硬水軟化剤)を含有することが好ましい。キレート剤としては、カルシウムやマグネシウムの沈澱防止剤である汎用の硬水軟化剤やその類縁化合物であり、例えば、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン四酢酸、N,N,N−トリメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N’,N’−テトラメチレンスルホン酸、トランスシクロヘキサンジアミン四酢酸、1,2−ジアミノプロパン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、エチレンジアミンオルトヒドロキシフェニル酢酸、エチレンジアミンジ琥珀酸(SS体)、N−(2−カルボキシラートエチル)−L−アスパラギン酸、β−アラニンジ酢酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、N,N’−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N’−ジ酢酸等が挙げられる。
また、本発明の研磨液には以下の添加剤を用いることが好ましい。
アンモニア;ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、プロピレンジアミン等のアルキルアミンや、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム及びキトサン等のアミン;ジチゾン、クプロイン(2,2’−ビキノリン)、ネオクプロイン(2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン)、バソクプロイン(2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン)及びキュペラゾン(ビスシクロヘキサノンオキサリルヒドラゾン)等のイミン;ベンズイミダゾール−2−チオール、2−[2−(ベンゾチアゾリル)]チオプロピオン酸、2−[2−(ベンゾチアゾリル)]チオブチル酸、2−メルカプトベンゾチアゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾール等のアゾール;ノニルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、トリアジンチオール、トリアジンジチオール、トリアジントリチオール等のメルカプタン、その他、アントラニル酸、アミノトルイル酸、キナルジン酸、L−トリプトファンなどが挙げられる。これらの中でも特にキトサン、エチレンジアミンテトラ酢酸、L−トリプトファン、キュペラゾン、トリアジンジチオールが高いCMP速度と低いエッチング速度を両立する上で好ましい。
本発明の研磨液は、前記式(I)で表される界面活性剤以外の界面活性剤及び/又は親水性ポリマーを含有していてもよい。界面活性剤と親水性ポリマーは、いずれも被研磨面の接触角を低下させる作用を有して、均一な研磨を促す作用を有する。用いられる界面活性剤及び/又は親水性ポリマーとしては、以下の群から選ばれたものが好適である。
本発明の研磨液は、必要に応じて、pH調整のためにアルカリ剤、さらにはpHの変動抑制の点から緩衝剤を含有することができる。
また、特に好ましいアルカリ剤としては、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム及びテトラメチルアンモニウムハイドロキサイドが挙げられる。
研磨に使用する際の研磨液のpHは2〜14が好ましく、3〜12がより好ましい。この範囲において本発明の研磨液は特に優れた効果を発揮する。
本発明に用いることができる研磨液用分散媒としては、水単独、又は水を主成分(分散媒中、50〜99重量%)とし、アルコール、グリコール等の水溶性有機溶媒を副成分(1〜30重量%)として配合したものが使用できる。
水は、できる限り巨大粒子を含まない純水又はイオン交換水が好ましい。
アルコールとしては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールが、グリコール類としては、エチレングリコール、テトラメチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
研磨液中に占める分散媒の含有量は、75〜95重量%であることが好ましく、85〜90重量%であることがより好ましい。研磨液の基板上への供給性の観点から75重量%以上が好ましい。
本発明の研磨方法は、有機酸、コロイダルシリカ粒子、腐食抑制剤、及び界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸を含み、且つ酸化剤を含有しないバリア用研磨液(以下、単に研磨液と称することがある)を研磨定盤上の研磨パッドに研磨液流量が0.035〜0.25ml/(min・cm2)の範囲で供給しながら、上記研磨パッドを被研磨体の被研磨面と接触させ相対運動させて、例えば、被研磨体として、導電性材料膜(例えば金属層)が形成されたウェハ(半導体基板)を化学的機械的に平坦化するものである。
また、本発明の研磨方法は、使用する研磨液の量が半導体基板単位面積及び単位時間当たり0.035〜0.25ml/(min・cm2)の流量と、従来の研磨時における研磨液の使用量よりも少ない研磨液量で十分な研磨速度を達成し、かつ、ディッシングを抑制できるため好ましい。また、研磨時における研磨液の使用量が少ないため、コスト面でも優れた研磨方法である。
本発明の研磨方法における研磨液流量とは、被研磨体へ供給される1分あたりの研磨液の流量であり、研磨加工される被研磨体面積(基板ウェハ面積)に対する流量として規定するものとする。
本発明の化学的機械的研磨方法において、研磨加工中に被研磨体へ供給される1分あたりの研磨液の流量は0.035〜0.25ml/(min・cm2)であるが、研磨液の加工温度を上げすぎない観点から0.100〜0.25ml/(min・cm2)であることがより好ましい。研磨液流量が0.035ml/(min・cm2)未満であると加工温度が過剰に上がり、良好な研磨結果を得ることができないために好ましくない。また、0.25ml/(min・cm2)以上であると、コストや環境面で好ましくない。
本発明における被研磨体(研磨する対象)は、例えば、半導体の製造において、配線と層間絶縁膜との間に設け、配線金属の拡散を防ぐためのバリア層(単に「バリア」ともいう。)であること好ましい。
本発明の研磨方法において、好適に研磨することができるバリア層に用いるバリア金属としては、低電気抵抗のメタル材料が好ましく、TiN、TiW、Ta、TaN、Ru、W、WNがより好ましく、Ta、TaNが特に好ましい。
なお、前記のように本発明の化学的機械的研磨方法は、バリア用研磨液を用いており、LSI等の半導体におけるバリア金属の研磨に好適に用いることができる研磨方法であり、また、バリア層を研磨する際には金属配線も同時に好適に研磨すること可能であり、本発明の研磨方法は、金属配線も好適に研磨することができる。
また、本発明の化学的機械的研磨方法は、該バリア金属や金属配線の研磨に付随して酸や砥粒等の効果により、シリコン基板や酸化シリコン、窒化シリコン、樹脂、カーボン配線、貴金属配線、絶縁膜等を一部研磨するものであってもよいことは言うまでもない。
本発明の研磨方法は、金属配線も好適に研磨することができ、前記金属配線が、例えば、LSI等の半導体における、銅金属及び/又は銅合金からなる配線であることが好ましく、特には銅合金であることが好ましい。更には、銅合金の中でも銀を含有する銅合金であることが好ましい。銅合金に含有される銀含量は、40重量%以下が好ましく、特には10重量%以下、さらには1重量%以下が好ましく、0.00001〜0.1重量%の範囲である銅合金において最も優れた効果を発揮する。
本発明の研磨方法を適用できる半導体は、例えば、DRAMデバイス系では、ハーフピッチで0.15μm以下の配線を持つLSIであることが好ましく、0.10μm以下であることがより好ましく、0.08μm以下であることがさらに好ましい。一方、MPUデバイス系では0.12μm以下の配線を持つLSIであることが好ましく、0.09μm以下であることがより好ましく、0.07μm以下であることがさらに好ましい。これらのDRAM又はLSIに対して、本発明の化学的機械的研磨方法は特に優れた効果を発揮する。
研磨用の研磨パッドは、無発泡構造パッドでも発泡構造パッドでもよい。前者はプラスチック板のように硬質の合成樹脂バルク材をパッドに用いるものである。また、後者は更に独立発泡体(乾式発泡系)、連続発泡体(湿式発泡系)、2層複合体(積層系)の3つがあり、特には2層複合体(積層系)が好ましい。発泡は、均一でも不均一でもよい。
更に研磨に用いる砥粒(例えば、セリア、シリカ、アルミナ、樹脂など)を含有したものでもよい。また、それぞれに硬さは軟質のものと硬質のものがあり、どちらでもよく、積層系ではそれぞれの層に異なる硬さのものを用いることが好ましい。材質としては不織布、人工皮革、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート等が好ましい。また、研磨面と接触する面には、格子溝/穴/同心溝/らせん状溝などの加工を施してもよい。
本発明の化学的機械的研磨方法における被研磨体としてのウェハは、径が200mm以上であることが好ましく、特には300mm以上が好ましい。300mm以上である時に顕著に本発明の効果を発揮する。
下記に示す研磨液を調製し、本研磨システムにて研磨評価した。
(研磨液の調製)
下記組成を混合して研磨液を調整した。
リンゴ酸(有機酸、和光純薬工業(株)製) 20g/L
ベンゾトリアゾール(芳香環化合物) 1g/L
コロイダルシリカ 50g/L
(PL‐3:扶桑化学製 一次粒径15(nm))
ラウリン酸アンモニウム塩(界面活性剤) 0.03g/L
純水を加えて全量 1000mL
pH(アンモニア水と硫酸で調整) 3.0
研磨装置として荏原製作所製装置「F−REX300」を使用し、下記の条件で、スラリーを供給しながらパターン形成された各ウェハに設けられた膜を研磨し、その時の段差を測定した。
被研磨体(基盤):フォトリソグラフィー工程と反応性イオンエッチング工程によりシリコン酸化膜をパターニングして、幅0.09〜100μm、深さ600nmの配線用溝と接続孔を形成後、さらに、スッパタリング法により厚さ20nmのTa膜を形成し、続いてスッパタリング法により厚さ50nmの銅膜を形成後、メッキ法により合計厚さ1000nmの銅膜を形成した12inchウェハを使用した。
テ−ブル回転数:65rpm
ヘッド回転数:50rpm
研磨圧力:13.79KPa
研磨パッド:ロデール・ニッタ株式会社製 品番IC−1400
研磨液供給速度:100ml/min(0.14ml/(min・cm2))
パターンウェハに対し、非配線部の銅が完全に研磨されるまでの時間に加えて、該時間の50%に相当する時間だけ一次研磨したウェハを用いた(一次後ディッシング:ライン100μm/スペース100μm 60nm)。このウェハを用い、各スラリー(研磨液)で30秒研磨したウェハのディッシング(ライン100μm/スペース100μm)を触針式段差計DektakV320Si(Veeco社製)で測定した。また、研磨後にはウェハ全面で研磨残りがない事をそれぞれ確認した。
2)<絶縁膜研磨速度>
絶縁膜としてTEOS(テトラエトキシシラン)を用いた。
研磨速度とは研磨前後の膜厚から換算し、以下の式から導かれる。
式:
研磨速度(nm/分)
=(研磨前の絶縁膜の厚さ−研磨後の絶縁膜の厚さ)/研磨時間
このようにして絶縁膜の研磨速度を測定した。
コロイダルシリカは実施例1と同様の研磨粒子を用い、その他は表1及び2に記載の研磨条件に従って、実施例2〜27及び比較例1、2の研磨試験を行った。結果を表1及び2に示す。
Claims (4)
- (a)有機酸、
(b)コロイダルシリカ粒子、
(c)腐食抑制剤、及び、
(d)界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸塩を含み、
且つ酸化剤を含有しないことを特徴とする
バリア用研磨液。 - 前記(a)有機酸が、乳酸、グリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸及びマレイン酸並びにそれらの誘導体よりなる群から選択される、請求項1に記載のバリア用研磨液。
- 前記(c)腐食抑制剤がベンゾトリアゾール及びその誘導体の少なくとも一種を含む、請求項1又は2に記載のバリア用研磨液。
- 請求項1〜3いずれか1つに記載のバリア用研磨液を研磨定盤上の研磨パッドに研磨液流量が0.035〜0.25ml/(min・cm2)の範囲で供給しながら、上記研磨パッドを被研磨体の被研磨面と接触させ相対運動させて研磨することを特徴とする研磨方法。
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