JP2008124223A - 研磨液 - Google Patents

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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
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Abstract

【課題】化学的機械的研磨による被研磨面の平坦化工程において十分な研磨速度で研磨が進行し、エロージョンを効果的に抑制しうる半導体デバイスのバリア金属材料の研磨に好適な研磨液を提供する。
【解決手段】研磨液を研磨定盤上の研磨パッドに供給し、該研磨パッドをウェハの被研磨面と接触させ相対運動させて研磨する半導体デバイスの化学的機械的平坦化方法において、主としてバリア金属材料の研磨に用いられる研磨液であって、(a)カルボキシ基を置換基として有するシクロヘキサン誘導体、(b)コロイダルシリカ粒子、及び、(c)複素環化合物、を含み、pHが2.5〜4.5の範囲にある研磨液である。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体デバイスの製造に用いられる研磨液に関し、詳細には、半導体デバイスの配線工程での平坦化において主としてバリア金属材料の研磨に用いられる研磨液に関する。
半導体集積回路(以下LSIと記す)で代表される半導体デバイスの開発においては、高集積化・高速化のため、配線の微細化と積層化による高密度化・高集積化が求められている。このための技術として化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing、以下CMPと記す)等の種々の技術が用いられてきている。
このCMPは層間絶縁膜等の被加工膜の表面平坦化、プラグ形成、埋め込み金属配線の形成等を行う場合に必須の技術であり、基板の平滑化、具体的には、配線形成時の余分な金属薄膜の除去、絶縁膜上の余分なバリア層の除去などを行うものである。
CMPの一般的な方法は、円形の研磨定盤(プラテン)上に研磨パッドを貼り付け、研磨パッド表面を研磨液で浸して、パッドに基盤(ウェハ)の表面を押しつけ、その裏面から所定の圧力(研磨圧力)を加えた状態で、研磨定盤及び基盤の双方を回転させ、発生する機械的摩擦により基盤の表面を平坦化するものである。
LSIなどの半導体デバイスを製造する際には、微細な配線を多層に形成することが行われており、その各層においてCuなどの金属配線を形成するに先立ち、層間絶縁膜への配線材料の拡散防止、或いは、配線材料の基板への密着性向上などを目的として、TaやTaN、Ti、TiNなどのバリアメタル層を形成することが行われている。
デバイスの平坦化は、通常、2工程或いは3工程で行われ、第1の工程で、メッキ法などで形成された配線において、基板上に盛付けられた余分な配線形成用金属材料を除去する金属膜のCMP(以下、金属膜CMPと記す。)を行うが、この工程を、1段階で行うか若しくは多段階に分けて行う。その後、次工程として、金属膜CMPにより表面に露出したバリア金属材料(バリアメタル)を主として除去し、基板或いは層間絶縁膜を表面とする平坦化(以下、バリアメタルCMPと記す。)を行うことが一般的である。
バリア金属材料は通常、銅配線などの配線形成用金属材料よりも硬質な材料であるため、軟質な配線金属膜が過研磨され、研磨金属面が平面状ではなく、中央のみがより深く研磨されて皿状のくぼみを生ずる現象(ディッシング)や、金属配線間の絶縁体が必要以上に研磨されたうえ、複数の配線金属面表面が皿状の凹部を形成する現象(エロージョン)などを引き起こす懸念があり、問題となっている。
このため、金属膜CMPの次に行うバリアメタルCMPでは、金属配線部の研磨速度とバリアメタル部の研磨速度とを調整して、最終的にディッシングやエロージョンなどの段差が少ない配線層を形成することが求められている。
即ち、バリアメタルCMPでは、金属配線材に比較してバリアメタルや層間絶縁膜の研磨速度が相対的に小さい場合は、配線部が早く研磨されるなどディッシングや、その結果としてのエロージョンが発生し易いため、バリアメタルや絶縁膜層の研磨速度は適度に大きい方が望ましい。金属膜CMPの研磨速度に対し、バリアメタルや絶縁膜層の研磨速度を相対的に高くすることは、前述した利点に加え、バリアメタルCMPのスループットを上げるメリットもあるため、望ましい。
従来、ディッシングを抑制しつつバリア層や金属膜を研磨する様々な方法が開示されている。このような技術として、例えば、バリアCMP用の研磨液にイミダゾール誘導体を添加してなるバリア膜研磨組成物(特許文献1、参照。)や、ベンゼン環化合物を用いたバリア膜研磨組成物(特許文献2参照。)が挙げられる。しかしながら、近年では更なる高平坦化特性を達成する事が強く望まれており、これら従来の研磨液によっては、実用上十分な効果を得ているとは言い難かった。
特開2004−123930号公報 特開2005−285944号公報
上記問題点を考慮してなされた本発明の目的は以下の通りである。
即ち、本発明の目的は、半導体デバイスの製造にあたり、金属配線材料のバルク研磨に続いて行われるバリア金属材料の研磨において、十分な研磨速度で研磨が進行するとともに、エロージョンの発生が抑制された、半導体デバイスのバリア金属材料研磨に好適な研磨液を提供することにある。
本発明者は鋭意検討した結果、バリア金属材料用研磨液に特定の環状構造を有する有機酸を用いることにより上記問題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
本発明の構成は、下記の通りである。
<1> 研磨液を研磨定盤上の研磨パッドに供給し、該研磨パッドをウェハの被研磨面と接触させ相対運動させて研磨する半導体デバイスの化学的機械的平坦化方法において、主としてバリア金属材料の研磨に用いられる研磨液であって、(a)カルボキシ基を置換基として有するシクロヘキサン誘導体、(b)コロイダルシリカ粒子、及び、(c)複素環化合物、を含み、pHが2.5〜4.5の範囲にある研磨液。
<2> 前記(a)カルボキシ基を置換基として有するシクロヘキサン誘導体が、下記一般式(I)で表される化合物である<1>に記載の研磨液。
Figure 2008124223
前記一般式(I)中、R〜R12はそれぞれ独立に水素原子、カルボキシ基、カルボキシ基を有する置換基、ヒドロキシル基、アミノ基、又は、アルキル基を表し、且つ、R〜R12のうち少なくとも1つがカルボキシ基又は末端にカルボキシ基を有する置換基である。
<3> 前記一般式(I)で表される(a)カルボキシ基を置換基として有するシクロヘキサン誘導体が、分子内にカルボキシ基を1つのみ含有するシクロヘキサン及びその誘導体からなる群より選ばれる化合物である<2>に記載の研磨液
<4> 前記(b)コロイダルシリカ粒子を、0.5質量%〜15質量%含有することを特徴とする<1>乃至<3>のいずれか1項に記載の研磨液。
<5> 前記(c)複素環化合物が、1,2,3−ベンゾトリアゾール、5,6−ジメチル−1,2,3−ベンゾトリアゾール、1−(1,2−ジカルボキシエチル)ベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノメチル]ベンゾトリアゾールおよび1−(ヒドロキシメチル)ベンゾトリアゾールからなる群より選ばれる1以上の化合物である<1>乃至<4>のいずれか1項に記載の研磨液。
<6> さらに、(d)陰イオン界面活性剤を含有する<1>乃至<5>のいずれか1項に記載の研磨液。
<7> さらに、(e)4級アルキルアンモニウム化合物を含有する<1>乃至<6>のいずれか1項に記載の研磨液。
本発明によれば、半導体デバイスの製造にあたり、金属配線材料のバルク研磨に続いて行われるバリア金属材料の研磨において、十分な研磨速度で研磨が進行するとともに、エロージョンの発生が抑制された、半導体デバイスのバリア金属材料研磨に好適な研磨液を提供することができる。
以下、本発明の具体的態様について説明する。
〔研磨液〕
本発明の研磨液は主としてバリア金属材料の研磨に用いられる研磨液であり、(a)カルボキシ基を置換基として有するシクロヘキサン誘導体〔以下、適宜、(a)特定有機酸と称する〕、(b)コロイダルシリカ粒子、及び、(c)複素環化合物、を含み、pHが2.5〜4.5の範囲にあることを特徴とする。
本発明において「研磨液」とは、研磨に使用する際の研磨液(即ち、必要により希釈された研磨液)のみならず、研磨液の濃縮液をも包含する意である。濃縮液又は濃縮された研磨液とは、研磨に使用する際の研磨液よりも、溶質の濃度が高く調製された研磨液を意味し、研磨に使用する際に、水又は水溶液などで希釈して、研磨に使用されるものである。希釈倍率は、一般的には1〜20体積倍である。本明細書において「濃縮」及び「濃縮液」とは、使用状態よりも「濃厚」及び「濃厚な液」を意味する慣用表現にしたがって用いており、蒸発などの物理的な濃縮操作を伴う一般的な用語の意味とは異なる用法で用いている。
すなわち、濃縮液または濃縮された研磨液とは、研磨に使用する際の研磨液よりも、溶質の濃度が高く調製された研磨液を意味し、研磨に使用する際に、水又は水溶液などで希釈して、研磨に使用されるものである。希釈倍率は、一般的には1〜20体積倍である。
本発明において「研磨液」とは、研磨に使用する際の研磨液(即ち、必要により希釈された研磨液)のみならず、研磨液の濃縮液をも包含する意である。
以下、本発明の研磨液を構成する各成分について、順次説明する。
〔(a)カルボキシ基を置換基として有するシクロヘキサン誘導体〕
本発明の特徴的成分である(a)特定有機酸は、シクロヘキサンであって、その置換基として少なくとも1つカルボキシ基を含む化合物である。
シクロヘキサンに導入されるカルボキシ基の数は、溶解性の観点から1つであることが好ましい。カルボキシ基は、シクロヘキサン環に直接結合していてもよく、また、構造内にカルボキシ基を含む置換基をもつ態様でよいが、シクロヘキサン環に導入された置換基のうち、少なくとも1つは、カルボキシ基自体であるか、或いは、その末端にカルボキシ基を有する置換基であることを要する。
前記(a)特定有機酸としては、下記一般式(I)で表される化合物が好ましく挙げられる。
Figure 2008124223
前記一般式(I)中、R〜R12はそれぞれ独立に水素原子、カルボキシ基、カルボキシ基を有する置換基、ヒドロキシル基、アミノ基、又は、アルキル基を表し、且つ、R〜R12のうち少なくとも1つがカルボキシ基又は末端にカルボキシ基を有する置換基である。
〜R12で表される水素原子又は上記置換基として、同一の炭素原子に付加する、例えば、RとR、RとRなどの組合せのうち、少なくとも一方は水素原子であることが好ましい。
〜R12としては、好ましくは、水素原子又はカルボキシ基である。化合物の溶解性の観点からは、カルボキシ基を分子内に、1つのみ有することが好ましい。
ここでカルボキシ基を有する置換基としては、例えば、末端にカルボキシ基を有する炭素数1〜3の炭化水素基、例えばメチルカルボン酸、エチルカルボン酸などが、挙げられる。
(a)特定有機酸としては、具体的には、シクロヘキサンカルボン酸、3−シクロヘキシルプロピオン酸、シクロヘキン酢酸、シクロヘキシルブチル酸、4−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸、2−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸、1−アミノシクロヘキサンカルボン酸、1,3,4,5−テトラヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸、trans−4−アミノメチル−1−シクロヘキサンカルボン酸、trans−1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸などが挙げられる。
本発明の研磨液に用いられる(a)特定有機酸は、1種のみであっても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
研磨液中の(a)特定有機酸の含有量は、0.01〜10質量%であることが好ましく、0.1〜5質量%であることがさらに好ましい。
〔(a−2)有機酸〕
本発明の研磨液は、前記(a)特定有機酸に加えて、本発明の効果を損なわない限りにおいて、研磨液に通常使用される一般的な有機酸を併用することができる。
併用可能な一般的な有機酸としては、乳酸、グリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸及びマレイン酸並びにそれらの誘導体が特に好ましく用いられる。これらの有機酸は単独で使用することができ、また、2種以上を混合して使用することができる。
併用可能な(a−2)有機酸の配合量は、前記(a)特定有機酸に対して、0〜5質量%であることが好ましく、0〜3質量%であることが好ましい。
また、使用時の研磨液に対して、(a)特定有機酸及び併用可能な(a−2)有機酸の総量として0.01〜20質量%とすることができ、0.1〜20質量%が好ましく、さらに0.1〜10質量%が好ましく、特に0.1〜5質量%が好ましい。
〔(b)コロイダルシリカ粒子〕
本発明に使用する研磨液は、構成成分としてコロイダルシリカ粒子を含有する。コロイダルシリカ粒子は研磨粒子として含有される。
上記コロイダルシリカ粒子の作成法として、例えばSi(OC、Si(sec−OC、Si(OCH、Si(OCのようなシリコンアルコキシド化合物をゾルゲル法により加水分解することにより得ることができる。このような第1、第2のコロイダル粒子(例えば第1、第2のコロイダルシリカ粒子)は粒度分布が非常に急峻なものとなる。
コロイダルシリカ粒子の一次粒子径とは、コロイダルシリカ粒子の粒子径とその粒子径を持つ粒子数を積算した累積度数との関係を示す粒度累積曲線を求め、この曲線の累積度数が50%のポイントでの粒子径を意味するものである。このコロイダル粒子の粒子径は、動的光散乱法から得られた粒度分布において求められる平均粒子径を表す。例えば、粒度分布を求める測定装置しては堀場製作所製LB−500等が用いられる。
含有されるコロイダルシリカ粒子の平均粒径は5〜60nmが好ましく、より好ましくは5〜30nmである。充分な研磨加工速度を達成する目的から5nm以上の粒子が好ましい。また、研磨加工中に過剰な摩擦熱を発生させない目的で粒子径は60nm以下が好ましい。
ここで、平均粒径は、研磨液中にスラリー状に配合された状態であって、研磨に使用される前の粒子の平均粒径を指す。なお、コロイダルシリカ粒子の物性特性上、配合前のコロイダルシリカ粒子の平均粒径と研磨液中に存在する粒子の平均粒径はほぼ一致することから、配合前の状態の平均粒径を測定して研磨液中の粒子の平均粒径とすることができる。
用いられるコロイダルシリカ粒子は1種のみでもよく、2種以上を併用してもよい。併用する場合には、粒径叉は形状の異なる2種類以上のコロイダル粒子を併用することが、
高研磨速度を達成する観点から好ましい。
例えば、粒径が異なる組合せとしては、平均粒径30〜100nmの大粒径シリカと、平均粒径20〜60nmの小粒径シリカと、を、質量比1:10〜10:1の割合で併用することで、各膜種に対する研磨速度の向上が図れる。
また、形状の異なる粒子、例えば、真球にちかい球状のシリカと、長径と短径の比(長径/短径)が1.2〜5.0である非真球状粒子、繭型状のシリカ粒子などを組合せ、例えば、平均粒子径が10〜50nm程度の球状シリカ微粒子と長径が50nmであって、長径/単径比=1〜5の非真球状のシリカ微粒子とを、を、質量比1:10〜10:1の割合で併用することで、特に絶縁膜に対する研磨速度の向上が図れる。
このような非真球コロイダルシリカ粒子については、特願2005−366712に詳細に記載され、当該記載は本願にも適用することができる。
含有される複合体からなる研磨粒子の濃度は使用時の研磨液中に、総量で0.5〜15質量%の割合で含まれている事が好ましい。より好ましくは1〜10質量%の範囲である。この範囲において、充分な研磨加工速度を達成し、且つ、研磨加工中における過剰な摩擦熱の発生を抑制しうるため好ましい。
〔(c)複素環化合物〕
本発明の研磨液は、研磨対象の金属表面に不動態膜を形成し、基板上での化学反応を抑制して、研磨速度などを調整する化合物として少なくとも1種の(c)複素環化合物を含有する。
ここで、「複素環化合物」とはヘテロ原子を1個以上含んだ複素環を有する化合物である。ヘテロ原子とは、炭素原子、又は水素原子以外の原子を意味する。複素環とはヘテロ原子を少なくとも一つ持つ環状化合物を意味する。ヘテロ原子は複素環の環系の構成部分を形成する原子のみを意味し、環系に対して外部に位置していたり、少なくとも一つの非共役単結合により環系から分離していたり、環系のさらなる置換基の一部分であるような原子は意味しない。
ヘテロ原子として好ましくは、窒素原子、硫黄原子、酸素原子、セレン原子、テルル原子、リン原子、ケイ素原子、及びホウ素原子であり、更に好ましくは、窒素原子、硫黄原子、酸素原子、及びセレン原子であり、特に好ましくは、窒素原子、硫黄原子、及び酸素原子であり、最も好ましくは窒素原子、及び硫黄原子である。
また、母核となる複素環について述べれば、複素環化合物の複素環の環員数は特に限定されず、単環化合物あっても縮合環を有する多環化合物であってもよい。単環の場合の員数は、好ましくは5〜7であり、特に好ましくは5である。縮合環を有する場合の環数は、好ましくは2又は3である。
これらの複素環として、具体的に、以下のものが挙げられる。但し、これらに限定されるものではない。
ピロール環、チオフェン環、フラン環、ピラン環、チオピラン環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピロリジン環、ピラゾリジン環、イミダゾリジン環、イソオキサゾリジン環、イソチアゾリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、チオモルホリン環、クロマン環、チオクロマン環、イソクロマン環、イソチオクロマン環、インドリン環、イソインドリン環、ピリンジン環、インドリジン環、インドール環、インダゾール環、プリン環、キノリジン環、イソキノリン環、キノリン環、ナフチリジン環、フタラジン環、キノキサリン環、キナゾリン環、シンノリン環、プテリジン環、アクリジン環、ペリミジン環、フェナントロリン環、カルバゾール環、カルボリン環、フェナジン環、アンチリジン環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、トリアジン環、トリアゾール環、テトラゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、ベンズチアジアゾール環、ベンズフロキサン環、ナフトイミダゾール環、ベンズトリアゾール環、テトラアザインデン環等が挙げられ、より好ましくはトリアゾール環、テトラゾール環が挙げられる。
次に、上記複素環が有しうる置換基について述べる。
上記複素環に導入しうる置換基としては、例えば、以下のものが挙げられる。但し、これらに限定されるものではない。
即ち、例えば、ハロゲン原子、アルキル基(直鎖、分岐又は環状のアルキル基であり、ビシクロアルキル基のように多環アルキル基であっても、活性メチン基を含んでもよい)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アミノ基、ヘテロ環基が挙げられる。
更に、複数の置換基のうち2以上が互いに結合して環を形成してもよく、例えば、芳香環、脂肪族炭化水素環、複素環などが形成されてもよいし、これらが更に組み合わされて多環縮合環が形成されてもよい。形成される環として具体的には、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環などが挙げられる。
本発明で特に好ましく用いることができる複素環化合物の具体例としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
即ち、1,2,3,4−テトラゾール、5−アミノ−1,2,3,4−テトラゾール、5−メチル−1,2,3,4−テトラゾール、1,2,3−トリアゾール、4−アミノ−1,2,3−トリアゾール、4,5−ジアミノ−1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール等である。
前記複素環化合物としては、ベンゾトリアゾール及びその誘導体であることがより好ましい。前記誘導誘導体としては、5,6−ジメチル−1,2,3−ベンゾトリアゾール(DBTA)、1−(1,2−ジカルボキシエチル)ベンゾトリアゾール(DCEBTA)、1−[N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール(HEABTA)、1−(ヒドロキシメチル)ベンゾトリアゾール(H
MBTA)が好ましい。
本発明における複素環化合物は、単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
また、本発明における複素環化合物は、常法に従って合成できる他、市販品を使用してもよい。
本発明における複素環化合物の添加量は、総量として、研磨に使用する際の研磨液に対して、0.01〜2質量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは、0.05〜1質量%の範囲であり、更に好ましくは、0.05〜0.5質量%の範囲である。
〔(d)陰イオン界面活性剤〕
本発明の研磨液には、(d)陰イオン界面活性剤を含有することが好ましい。
界面活性剤は、被研磨面の接触角を低下させ、均一な研磨を促す作用を有する。用いられる陰イオン界面活性剤としては、以下の群から選ばれたものが好適である。
例えば、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩が挙げられ、カルボン酸塩として、石鹸、N−アシルアミノ酸塩、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンアルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド;スルホン酸塩として、アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルスルホン酸塩;硫酸エステル塩として、硫酸化油、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンアルキルアリルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩;リン酸エステル塩として、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンアルキルアリルエーテルリン酸塩を挙げることができる。
陰イオン界面活性剤の好ましい具体例としては、ドデシルベンゼンスルホン酸塩などが挙げられる。
陰イオン界面活性剤の添加量は、総量として、研磨に使用する際の研磨液の1L中、0.01g〜5gとすることが好ましく、0.01g〜3gとすることがより好ましく0.03g〜1.5gとすることが特に好ましい。また、ドデシルベンゼンスルホン酸塩を用いる場合には、その添加量は、研磨に使用する際の研磨液中、好ましくは0.001〜1質量%、より好ましくは0.01〜1質量%である。
(その他の界面活性剤)
本発明においては、陰イオン界面活性剤の他、他の界面活性剤を併用することも可能である。他の併用可能な界面活性剤としては、以下に示すものが挙げられる。
陽イオン界面活性剤として、例えば、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、塩化ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩;両性界面活性剤として、カルボキシベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウムベタイン、レシチン、アルキルアミンオキサイドを挙げることができる。
非イオン界面活性剤として、例えば、エーテル型、エーテルエステル型、エステル型、含窒素型が挙げられ、エーテル型として、ポリオキシエチレンアルキル及びアルキルフェニルエーテル、アルキルアリルホルムアルデヒド縮合ポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルが挙げられ、エーテルエステル型として、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビトールエステルのポリオキシエチレンエーテル、エステル型として、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、グリセリンエステル、ポリグリセリンエステル、ソルビタンエステル、プロピレングリコールエステル、ショ糖エステル、含窒素型として、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミド等が例示される。また、フッ素系界面活性剤などが挙げられる。
なお、適用する被研磨体が大規模集積回路用シリコン基板などの場合は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン化物等による汚染は望ましくないため、これらの界面活性剤は、酸又はそのアンモニウム塩が好ましい。基体がガラス基板等である場合はその限りではない。
その他の界面活性剤の添加量は、総量として、研磨に使用する際の研磨液の1L中、0.001g〜10gとすることが好ましく、0.01g〜5gとすることがより好ましく0.1g〜3gとすることが特に好ましい。
〔(e)4級アルキルアンモニウム化合物〕
本発明の研磨液には、(e)4級アルキルアンモニウム化合物を含有することが好ましい。
本発明に使用しうる好ましい4級アルキルアンモニウム化合物として、例えば、アンモニア、アルキルアミン又はポリアルキルポリアミンにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等を付加したモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、メチルプロパノールアミン、モノブタノールアミン、アミノエチルエタノールアミン等のアミノアルコール類;テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、コリン塩等が挙げられる。
(e)4級アルキルアンモニウム化合物の含有量は、使用時の研磨液中に、0.001〜1質量%の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは、0.01〜0.5質量%の範囲である。
(親水性ポリマー)
また、本発明の研磨液は、前述の(a)〜(c)の必須成分や好ましい併用成分に加えて、さらに他の成分を含有してもよく、好ましい成分として、親水性ポリマーを挙げることができる。研磨液が含有する上記成分は1種でも2種以上併用してもよい。
親水性ポリマーは、界面活性剤と同様に、被研磨面の接触角を低下させる作用を有して、均一な研磨を促す作用を有する。用いられる親水性ポリマーとしては、以下の群から選ばれたものが好適である。
親水性ポリマーとしては、例えば、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、メトキシ酢酸、エトキシ酢酸、3−エトキシプロピオン酸及びアラニンエチルエステル等のエステル;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコールアルケニルエーテル、アルキルポリエチレングリコール、アルキルポリエチレングリコールアルキルエーテル、アルキルポリエチレングリコールアルケニルエーテル、アルケニルポリエチレングリコール、アルケニルポリエチレングリコールアルキルエーテル、アルケニルポリエチレングリコールアルケニルエーテル、ポリプロピレングリコールアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールアルケニルエーテル、アルキルポリプロピレングリコール、アルキルポリプロピレングリコールアルキルエーテル、アルキルポリプロピレングリコールアルケニルエーテル、アルケニルポリプロピレングリコール、アルケニルポリプロピレングリコールアルキルエーテル及びアルケニルポリプロピレングリコールアルケニルエーテル等のエーテル;アルギン酸、ペクチン酸、カルボキシメチルセルロース、カードラン及びプルラン等の多糖類;グリシンアンモニウム塩及びグリシンナトリウム塩等のアミノ酸塩;ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリリシン、ポリリンゴ酸、
ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸アンモニウム塩、ポリメタクリル酸ナトリウム塩、ポリアミド酸、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、ポリフマル酸、ポリ(p−スチレンカルボン酸)、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、アミノポリアクリルアミド、ポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリアクリル酸ナトリウム塩、ポリアミド酸、ポリアミド酸アンモニウム塩、ポリアミド酸ナトリウム塩及びポリグリオキシル酸等のポリカルボン酸及びその塩;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びポリアクロレイン等のビニル系ポリマー;メチルタウリン酸アンモニウム塩、メチルタウリン酸ナトリウム塩、硫酸メチルナトリウム塩、硫酸エチルアンモニウム塩、硫酸ブチルアンモニウム塩、ビニルスルホン酸ナトリウム塩、1−アリルスルホン酸ナトリウム塩、2−アリルスルホン酸ナトリウム塩、メトキシメチルスルホン酸ナトリウム塩、エトキシメチルスルホン酸アンモニウム塩、3−エトキシプロピルスルホン酸ナトリウム塩、メトキシメチルスルホン酸ナトリウム塩、エトキシメチルスルホン酸アンモニウム塩、3−エトキシプロピルスルホン酸ナトリウム塩及びスルホコハク酸ナトリウム塩等のスルホン酸及びその塩;プロピオンアミド、アクリルアミド、メチル尿素、ニコチンアミド、コハク酸アミド及びスルファニルアミド等のアミド等が挙げられる。
上記例示化合物の中でもシクロヘキサノール、ポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリビニルアルコール、コハク酸アミド、ポロビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーがより好ましい。
これらの親水性ポリマーの重量平均分子量としては、500〜100,000が好ましく、特には2,000〜50,000が好ましい。
親水性ポリマーの添加量は、総量として、研磨に使用する際の研磨液の1L中、0.001g〜10gとすることが好ましく、0.01g〜5gとすることがより好ましく0.1g〜3gとすることが特に好ましい。この範囲において、添加の充分な効果を得ることができ、CMP速度が適切に維持される。
(酸化剤)
本発明の研磨液は、更に酸化剤を併用することができる。酸化剤は、研磨対象の金属を酸化できる化合物である。
酸化剤としては、例えば、過酸化水素、過酸化物、硝酸塩、ヨウ素酸塩、過ヨウ素酸塩、次亜塩素酸塩、亜塩素酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩、過硫酸塩、重クロム酸塩、過マンガン酸塩、オゾン水及び銀(II)塩、鉄(III)塩が挙げられる。
鉄(III)塩としては、例えば、硝酸鉄(III)、塩化鉄(III)、硫酸鉄(III)、臭化鉄(III)など無機の鉄(III)塩の他、鉄(III)の有機錯塩が好ましく用いられる。
酸化剤の添加量は、バリアメタルCMP初期のディッシング量によって調整できる。バリアメタルCMP初期のディッシング量が大きい場合、即ち、バリアメタルCMPにおいて、金属配線材をあまり研磨したくない場合には、酸化剤を少ない添加量にすることが望ましく、ディッシング量が十分に小さく、金属配線材を高速で研磨したい場合は、酸化剤の添加量を多くすることが望ましい。
このように、バリアメタルCMP初期のディッシング状況によって酸化剤の添加量を変化させることが望ましいが、通常、研磨に使用する際の研磨液の1L中に、0.01mol〜1molとすることが好ましく、0.05mol〜0.6molとすることが特に好ましい。
(研磨液のpH)
研磨に使用する際の研磨液は、pHが2.5〜4.5の範囲にあることを要する。pHは2.5〜4.0の範囲にあることがさらに好ましく、3.0〜4.0の範囲であることがより好ましい。この範囲において本発明の研磨液は、絶縁膜の研磨速度向上の点において優れた効果を発揮する。
本発明の研磨液のpHを好ましい範囲に調整するために、後述するアルカリ剤や緩衝剤などが用いられ、さらにpH調整剤としては、硝酸、硫酸、りん酸などの無機酸等を用いることができる。
(アルカリ剤及び緩衝剤)
本発明の研磨液は、必要に応じて、pHを本発明の上記規定された範囲内に調整するためにアルカリ剤を、さらにはpHの変動抑制の点から緩衝剤を含有することができる。
アルカリ剤(又は緩衝剤)としては、水酸化アンモニウム及びテトラメチルアンモニウムハイドロキサイドなどの有機水酸化アンモニウム、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどのようなアルカノールアミン類などの非金属アルカリ剤、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、四ホウ酸塩、グリシル塩、N,N−ジメチルグリシン塩、ロイシン塩、ノルロイシン塩、グアニン塩、3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン塩、アラニン塩、アミノ酪酸塩、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール塩、バリン塩、プロリン塩、トリスヒドロキシアミノメタン塩、リシン塩などを用いることができる。
アルカリ剤(又は緩衝剤)の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸二カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、四ホウ酸ナトリウム(ホウ砂)、四ホウ酸カリウム、水酸化アンモニウム、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイドなどを挙げることができる。
また、特に好ましいアルカリ剤としては、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム及びテトラメチルアンモニウムハイドロキサイドが挙げられる。
アルカリ剤又は無機酸の添加量としては、pHが好ましい範囲に維持される量であればよく、研磨に使用する際の研磨液の1L中、0.0001mol〜1.0molとすることが好ましく、0.003mol〜0.5molとすることがより好ましい。
(キレート剤)
本発明の研磨液は、混入する多価金属イオンなどの悪影響を低減させるために、必要に応じてキレート剤(すなわち硬水軟化剤)を含有することが好ましい。
キレート剤としては、カルシウムやマグネシウムの沈澱防止剤である汎用の硬水軟化剤やその類縁化合物であり、例えば、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン四酢酸、N,N,N−トリメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N’,N’−テトラメチレンスルホン酸、トランスシクロヘキサンジアミン四酢酸、1,2−ジアミノプロパン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、エチレンジアミンオルトヒドロキシフェニル酢酸、エチレンジアミンジ琥珀酸(SS体)、N−(2−カルボキシラートエチル)−L−アスパラギン酸、β−アラニンジ酢酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、N,N’−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N’−ジ酢酸等が挙げられる。
キレート剤は必要に応じて2種以上併用しても良い。キレート剤の添加量は混入する多価金属イオンなどの金属イオンを封鎖するのに充分な量であれば良く、例えば、研磨に使用する際の研磨液の1L中、0.0003mol〜0.07molになるように添加する。
(その他の添加剤)
また、本発明の研磨液には以下にしめす添加剤を用いることができる。
アンモニア;ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、プロピレンジアミン等のアルキルアミンや、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム及びキトサン等のアミン;ジチゾン、クプロイン(2,2’−ビキノリン)、ネオクプロイン(2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン)、バソクプロイン(2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン)及びキュペラゾン(ビスシクロヘキサノンオキサリルヒドラゾン)等のイミン;ベンズイミダゾール−2−チオール、2−[2−(ベンゾチアゾリル)]チオプロピオン酸、2−[2−(ベンゾチアゾリル)]チオブチル酸、2−メルカプトベンゾチアゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾール等のアゾール;ノニルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、トリアジンチオール、トリアジンジチオール、トリアジントリチオール等のメルカプタン、その他、アントラニル酸、アミノトルイル酸、キナルジン酸、L−トリプトファンなどが挙げられる。これらの中でも特にキトサン、エチレンジアミンテトラ酢酸、L−トリプトファン、キュペラゾン、トリアジンジチオールが高いCMP速度と低いエッチング速度を両立する上で好ましい。
これら添加剤の添加量は、研磨に使用する際の研磨液の1L中、0.0001mol〜0.5molとすることが好ましく0.001mol〜0.2molとすることがより好ましく、0.005mol〜0.1molとすることが特に好ましい。即ち、添加剤の添加量は、エッチング抑制の点から0.0001mol以上が好ましく、CMP速度低下防止の点から0.5mol以下が好ましい。
(分散媒)
本発明に用いることができる研磨液用分散媒としては、水単独、又は水を主成分(分散媒中、50〜99質量%)とし、アルコール、グリコール等の水溶性有機溶媒を副成分(1〜30質量%)として配合したものが使用できる。
水は、できる限り巨大粒子を含まない純水又はイオン交換水が好ましい。
アルコールとしては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールが、グリコール類としては、エチレングリコール、テトラメチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
研磨液中に占める分散媒の含有量は、75〜95質量%であることが好ましく、85〜90質量%であることがより好ましい。研磨液の基板上への供給性の観点から75質量%以上が好ましい。
本発明の研磨液は、研磨時において、研磨面への吸着性や反応性、研磨金属の溶解性、被研磨面の電気化学的性質、化合物官能基の解離状態、液としての安定性などにより、適時化合物種、添加量やpH、分散媒を設定することが好ましい。
なお、本発明において、研磨液の濃縮液作製時に添加する成分の内、室温での水に対する溶解度が5%未満のものの配合量は、濃縮液を5℃に冷却した際の析出を防止する点で、室温での水に対する溶解度の2倍以内とすることが好ましく、1.5倍以内とすることがより好ましい。
〔被研磨体〕
本発明の研磨液は、一般に、銅及び/又は銅合金などからなる金属配線と層間絶縁膜との間に存在させ、銅及び/又は銅合金の拡散を防ぐためのバリアメタル層を構成するバリア金属材料の研磨に適している。
以下、本発明の研磨液を適用してCMPを行う被研磨体について述べる。
〔バリア金属材料〕
本発明において、被研磨体(研磨する対象)のバリアメタル層を構成するバリア金属材料は、一般に低抵抗の金属材料が好ましく、特に、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、タングステン(W)、窒化タングステン(WN)、ニッケル(Ni)、窒化ニッケル(NiN)、ルテニウム(Ru)、窒化ルテニウム(RuN)、及びチタン−タングステン合金(Ti−W)からなる群より選択される少なくとも1種を含んで構成されていることが好適である。
これらの中でも、TiN、Ti−W、Ta、TaN、W、WNが好ましいものとして挙げられ、中でも、Ta、TaNが特に好ましい。
なお、本発明の研磨液は、LSI等の半導体におけるバリア金属層の研磨に好適に用いることができるが、バリア層を研磨する際には金属配線も同時に好適に研磨すること可能であり、本発明の研磨液によれば、金属配線も好適に研磨することができる。さらには、バリア金属材料や金属配線の研磨に付随して、酸や砥粒等の効果により、シリコン基板や酸化シリコン、窒化シリコン、樹脂などの基板材料或いは絶縁膜材料などを一部研磨したり、付随的に形成されたカーボン配線などの一部を研磨することがある。
〔配線金属材料〕
本発明の研磨液により、被研磨体(研磨する対象)の金属配線を構成する金属材料をも、好適に研磨することができる。金属配線は、例えば、LSI等の半導体における、銅金属及び/又は銅合金からなる配線であることが好ましく、特には銅合金であることが好ましい。更には、銅合金の中でも銀を含有する銅合金であることが好ましい。銅合金に含有される銀含量は、40質量%以下が好ましく、特には10質量%以下、さらには1質量%以下が好ましく、0.00001〜0.1質量%の範囲である銅合金において最も優れた効果を発揮する。
(配線の太さ)
本発明の研磨方法を適用できる半導体は、例えば、DRAMデバイス系では、ハーフピッチで0.15μm以下の配線を持つLSIであることが好ましく、0.10μm以下であることがより好ましく、0.08μm以下であることがさらに好ましい。一方、MPUデバイス系では0.12μm以下の配線を持つLSIであることが好ましく、0.09μm以下であることがより好ましく、0.07μm以下であることがさらに好ましい。これらのDRAM又はLSIに対して、本発明の研磨液は優れた効果を発揮する。
(ウェハ)
本発明の研磨液は、研磨時のエロージョンが好適に抑制されるため、大面積のウェハに対しても好適に用いられ、そのような観点からは、被研磨体としてのウェハは、径が200mm以上であることが好ましく、特には300mm以上が好ましい。300mm以上である時に顕著に本発明の効果を発揮する。
〔研磨方法〕
本発明の研磨液を適用しうる研磨方法について説明する。
本発明の、主としてバリア金属材料を研磨する研磨液を、研磨定盤上の研磨パッドに供給しながら、上記研磨パッドを被研磨体の被研磨面と接触させ相対運動させて、例えば、被研磨体として、導電性材料膜(例えば金属層)が形成されたウェハ(半導体基板)を化学的機械的に平坦化するものである。
本発明の研磨液は、1.濃縮液であって、使用する際に水又は水溶液を加えて希釈して使用液とする場合、2.各成分が次項に述べる水溶液の形態で準備され、これらを混合し、必要により水を加え希釈して使用液とする場合、3.使用液として調製されている場合がある。
本発明の研磨液を用いて研磨する場合、上記いずれの場合も目的に応じて、或いは、研磨液の組成物、安定性に応じて、適宜態様を選択して適用することができる。
研磨に用いられる装置としては、被研磨面を有する半導体基板(ウェハ)等を保持するホルダーと、研磨パッドを貼り付けた(回転数が変更可能なモータ等を取り付けてある)研磨定盤と、を有する一般的な研磨装置が使用できる。
研磨パッドとしては、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂などが使用でき、特に制限がない。
研磨条件には制限はないが、研磨定盤の回転速度は基板が飛び出さないように200rpm以下の低回転が好ましい。被研磨面(被研磨膜)を有する半導体集積回路用基板の研磨パッドへの押しつけ圧力は、5〜500g/cm(0.68〜34.5kPa)であることが好ましく、研磨速度の被研磨体(ウェハ)面内均一性及びパターンの平坦性を満足するためには、12〜240g/cm(3.40〜20.7kPa)であることがより好ましい。
研磨している間、研磨パッドには研磨液をポンプ等で連続的に供給する。この供給量に制限はないが、研磨パッドの表面が常に研磨液で覆われていることが好ましい。
本発明の研磨液を用いた研磨方法においては、被研磨体へ供給される1分あたりの研磨液の流量(研磨液流量)は、研磨加工される被研磨体面積(基板ウェハ面積)に対する流量として規定するものであるが、研磨加工中に被研磨体へ供給される1分あたりの研磨液流量は0.2〜1.2ml/(min・cm)であることが好ましく、研磨液の加工温度を上げすぎない観点から0.4〜1.0ml/(min・cm)であることがより好ましい。研磨液流量がこの範囲において、加工温度が適切に維持され、十分な研磨速度を達成し、かつ、エロージョンを抑制できるため好ましい。
本発明において、前記1.の方法のように、濃縮液を希釈する際、希釈するのに用いる水溶液としては、予め酸化剤、有機酸、添加剤、界面活性剤のうち少なくとも1つ以上を含有した水で、水溶液中に含有した成分と希釈される研磨液の成分を合計した成分が、研磨液を使用して研磨する際に使用する研磨液(使用液)の成分となるように調整したものを用いることが好ましい。
このように、濃縮液を水溶液で希釈して使用する場合には、溶解しにくい成分を水溶液の形で後から配合することができることから、より濃縮した濃縮液を調製することができる。
また、濃縮液に水又は水溶液を加え希釈する方法としては、濃縮された研磨液を供給する配管と水又は水溶液を供給する配管とを途中で合流させて混合し、混合し希釈された研磨液の使用液を研磨パッドに供給する方法がある。濃縮液と水又は水溶液との混合は、圧力を付した状態で狭い通路を通して液同士を衝突混合する方法、配管中にガラス管などの充填物を詰め液体の流れを分流分離、合流させることを繰り返し行う方法、配管中に動力で回転する羽根を設ける方法など通常に行われている方法を採用することができる。
更に、濃縮液を水又は水溶液などにより希釈しつつ、研磨する方法としては、研磨液を供給する配管と水又は水溶液を供給する配管とを独立に設け、それぞれから所定量の液を研磨パッドに供給し、研磨パッドと被研磨面の相対運動で混合しつつ研磨する方法がある。また、1つの容器に、所定量の濃縮液と水又は水溶液とを入れ混合してから、研磨パッドにその混合した研磨液を供給し、研磨をする方法を用いることもできる。
本発明の研磨液を用いた別の研磨方法としては、研磨液が含有すべき成分を少なくとも2つの構成成分に分けて、それらを使用する際に、水又は水溶液を加え希釈して研磨定盤上の研磨パッドに供給し、被研磨面と接触させて被研磨面と研磨パッドを相対運動させて研磨する方法がある。
例えば、酸化剤を構成成分(A)とし、有機酸、添加剤、界面活性剤、及び水を構成成分(B)とし、それらを使用する際に水又は水溶液で、構成成分(A)及び構成成分(B)を希釈して使用することができる。
また、溶解度の低い添加剤を2つの構成成分(A)と(B)に分け、例えば、酸化剤、添加剤、及び界面活性剤を構成成分(A)とし、有機酸、添加剤、界面活性剤、及び水を構成成分(B)とし、それらを使用する際に水又は水溶液を加え、構成成分(A)及び構成成分(B)を希釈して使用する。
上記のような例の場合、構成成分(A)と構成成分(B)と水又は水溶液とをそれぞれ供給する3つの配管が必要であり、希釈混合は、3つの配管を、研磨パッドに供給する1つの配管に結合し、その配管内で混合する方法があり、この場合、2つの配管を結合してから他の1つの配管を結合することも可能である。具体的には、溶解しにくい添加剤を含む構成成分と他の構成成分を混合し、混合経路を長くして溶解時間を確保してから、更に、水又は水溶液の配管を結合する方法である。
その他の混合方法は、上記したように直接に3つの配管をそれぞれ研磨パッドに導き、研磨パッドと被研磨面の相対運動により混合する方法や、1つの容器に3つの構成成分を混合して、そこから研磨パッドに希釈された研磨液を供給する方法がある。
上記した研磨方法において、酸化剤を含む1つの構成成分を40℃以下にし、他の構成成分を室温から100℃の範囲に加温し、1つの構成成分と他の構成成分とを混合する際、又は、水若しくは水溶液を加え希釈する際に、液温を40℃以下とするようにすることができる。この方法は、温度が高いと溶解度が高くなる現象を利用し、研磨液の溶解度の低い原料の溶解度を上げるために好ましい方法である。
上記の他の構成成分を室温から100℃の範囲で加温することで溶解させた原料は、温度が下がると溶液中に析出するため、低温状態の他の構成成分を用いる場合は、予め加温して析出した原料を溶解させる必要がある。これには、加温し、原料が溶解した他の構成成分を送液する手段と、析出物を含む液を攪拌しておき、送液し、配管を加温して溶解させる手段と、を採用することができる。加温した他の構成成分が、酸化剤を含む1つの構成成分の温度を40℃以上に高めると酸化剤が分解する恐れがあるので、この加温した他の構成成分と酸化剤を含む1つの構成成分とを混合した場合、40℃以下となるようにすることが好ましい。
このように、本発明においては、研磨液の成分を二分割以上に分割して、研磨面に供給してもよい。この場合、酸化物を含む成分と有機酸を含有する成分とに分割して供給することが好ましい。また、研磨液を濃縮液とし、希釈水を別にして研磨面に供給してもよい。
(研磨パッド)
研磨用の研磨パッドは、無発泡構造パッドでも発泡構造パッドでもよい。前者はプラスチック板のように硬質の合成樹脂バルク材をパッドに用いるものである。また、後者は更に独立発泡体(乾式発泡系)、連続発泡体(湿式発泡系)、2層複合体(積層系)の3つがあり、特には2層複合体(積層系)が好ましい。発泡は、均一でも不均一でもよい。
更に研磨に用いる砥粒(例えば、セリア、シリカ、アルミナ、樹脂など)を含有したものでもよい。また、それぞれに硬さは軟質のものと硬質のものがあり、どちらでもよく、積層系ではそれぞれの層に異なる硬さのものを用いることが好ましい。材質としては不織布、人工皮革、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート等が好ましい。また、研磨面と接触する面には、格子溝/穴/同心溝/らせん状溝などの加工を施してもよい。
(研磨装置)
本発明の研磨液を用いて研磨を実施できる装置は、特に限定されないが、Mirra Mesa CMP、Reflexion CMP(アプライドマテリアルズ)、FREX200、FREX300(荏原製作所)、NPS3301、NPS2301(ニコン)、A−FP−310A、A−FP−210A(東京精密)、2300 TERES(ラムリサーチ)、Momentum(Speedfam IPEC)などを挙げることができる。
このような条件で、研磨を行い、平坦化が完了した後の後処理について説明する。
研磨終了後の半導体基板(被研磨体)は、研磨屑や残存する砥粒を除去するために洗浄されることが好ましい。洗浄方法としては、例えば、流水中で良く洗浄する方法などが挙げられ、残存した成分を効果的に除去するために、界面活性剤などを含有する洗浄液を用いて洗浄することも可能である。
洗浄後の乾燥方法としては、スピンドライヤ等を用いて半導体基板上に付着した水滴を払い落としてから乾燥する方法をとることができる。
以下実施例によって本発明をより詳しく説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
<実施例1>
下記に示す研磨液を調製し、研磨評価した。
〔研磨液の調製〕
下記研磨液1の組成を混合して、実施例1の研磨液を調整した。
〔研磨液1〕
・コロイダルシリカ(B−1、粒径:25nm:PL2スラリー) 10質量%
・コロイダルシリカ(B−2、粒径:20nm:PL2Lスラリー) 10質量%
・特定有機酸(A−1)
:シクロヘキサンカルボン酸(和光純薬工業(株)製) 10g/L
・複素環化合物:BTA(ベンゾトリアゾール) 1g/L
・4級アンモニウム化合物:硝酸テトラブチルアンモニウム(TBA添加材) 1g/L
・30%過酸化水素 10ml/L
(純水を加えて全量 1000mL)
pH(アンモニア水と硫酸で調整) 3.5
〔研磨液の評価〕
研磨装置としてラップマスター社製装置「LGP−612」を使用し、下記の条件で、前述の如くして調整した研磨液を供給しながらパターン形成された各ウェハに設けられた膜を研磨し、その時の段差を測定した。
(被研磨体(基盤))
フォトリソグラフィー工程と反応性イオンエッチング工程によりTEOS(テトラエトキシシラン)基板をパターニングして、幅0.09〜100μm、深さ600nmの配線用溝と接続孔を形成、さらに、スッパタリング法により厚さ20nmのTa膜を形成し、続いてスッパタリング法により厚さ50nmの銅膜を形成後、メッキ法により合計厚さ1000nmの銅膜を形成した8inchウェハを使用した。
(研磨条件)
テ−ブル回転数:64rpm
ヘッド回転数 :65rpm
研磨圧力 :13.79kPa
研磨パッド :ロデール・ニッタ株式会社製
Politex Prima Polishing Pad
研磨液供給速度:200ml/min(0.63ml/(min・cm))
1.研磨速度評価
研磨速度は、CMP前後における絶縁膜の膜厚を、フィルメトリクス社製皮膜測定装置F−20を用いて測定し、以下の式から換算する事で求めた。
絶縁膜としてTEOS(テトラエトキシシラン)を用いた。
研磨速度とは研磨前後の膜厚から換算し、以下の式から導かれる。
式:
研磨速度(Å/分)
=(研磨前の絶縁膜の厚さ−研磨後の絶縁膜の厚さ)/研磨時間
このようにして絶縁膜の研磨速度を測定した。
2・エロージョン評価
バリア金属材料であるTaが全面露出したパターンウェハに対し、本発明の研磨液を用いて60秒間研磨し、ラインアンドスペース部(ライン9μm、スペース1μm)のエロージョンを、触針式段差計DektakV320Si(Veeco社製)を用いて測定した。
<実施例2〜26、比較例1〜2>
研磨液1の組成物を、表1及び表2に記載の成分に変更した他は、同様にして実施例2〜26及び比較例1〜2の研磨液を調整した。
これらの研磨液を、研磨条件を実施例1と同様として研磨試験を行い、実施例1と同様に評価した。結果を表1、表2に示す。
Figure 2008124223
Figure 2008124223
なお、表1、表2に記載の各成分の詳細は以下の通りである。
実施例に用いた(a)カルボキシ基を置換基として有するシクロヘキサン誘導体を下記表3に示す。
Figure 2008124223
実施例、比較例に用いた(b)コロイダルシリカ粒子の詳細を下記表4に示す。
Figure 2008124223
実施例、比較例に用いられた(c)複素環化合物は以下に示す通りである。
BTA=1,2,3−ベンゾトリアゾール
DBTA=5、6−ジメチル−1,2,3−ベンゾトリアゾール
DCEBTA=1−(1,2−ジカルボキシエチル)ベンゾトリアゾール
HEABTA=1−[N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール
HMBTA=1−(ヒドロキシメチル)ベンゾトリアゾール
DBSは(d)陰イオン界面活性剤であるドデシルベンゼンスルホン酸塩を表す。
添加剤として用いられた(e)4級アンモニウム化合物は以下の通りである。
TBA添加材=硝酸テトラブチルアンモニウム
TMA添加材=硝酸テトラメチルアンモニウム
TEA添加材=硝酸テトラエチルアンモニウム
TPA添加材=硝酸テトラプロピルアンモニウム
TPNA添加材=硝酸テトラペンチルアンモニウム
LTM添加材=硝酸ラウリルトリメチルアンモニウム
LTE添加材=硝酸ラウリルトリエチルアンモニウム
表1、及び表2の結果より、本発明の研磨液を用いた場合、バリア金属材料を研磨した際に、十分な研磨速度を維持しながら、エロージョンが好適に抑制されることがわかる。
他方、本発明の特定有機酸を含まず、高pHである比較例1〜2の研磨液では、実施例に比べ、エロージョンが劣ることがわかる。

Claims (7)

  1. 研磨液を研磨定盤上の研磨パッドに供給し、該研磨パッドをウェハの被研磨面と接触させ相対運動させて研磨する半導体デバイスの化学的機械的平坦化方法において、主としてバリア金属材料の研磨に用いられる研磨液であって、
    (a)カルボキシ基を置換基として有するシクロヘキサン誘導体、(b)コロイダルシリカ粒子、及び、(c)複素環化合物、を含み、pHが2.5〜4.5の範囲にある研磨液。
  2. 前記(a)カルボキシ基を置換基として有するシクロヘキサン誘導体が、下記一般式(I)で表される化合物である請求項1に記載の研磨液。
    Figure 2008124223
    前記一般式(I)中、R〜R12はそれぞれ独立に水素原子、カルボキシ基、カルボキシ基を有する置換基、ヒドロキシル基、アミノ基、又は、アルキル基を表し、且つ、R〜R12のうち少なくとも1つがカルボキシ基又は末端にカルボキシ基を有する置換基である。
  3. 前記一般式(I)で表される(a)カルボキシ基を置換基として有するシクロヘキサン誘導体が、分子内にカルボキシ基を1つのみ含有するシクロヘキサン及びその誘導体からなる群より選ばれる化合物である請求項2に記載の研磨液。
  4. 前記(b)コロイダルシリカ粒子を、0.5質量%〜15質量%含有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の研磨液。
  5. 前記(c)複素環化合物が、1,2,3−ベンゾトリアゾール、5,6−ジメチル−1,2,3−ベンゾトリアゾール、1−(1,2−ジカルボキシエチル)ベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノメチル]ベンゾトリアゾールおよび1−(ヒドロキシメチル)ベンゾトリアゾールからなる群より選ばれる1以上の化合物である請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の研磨液。
  6. さらに、(d)陰イオン界面活性剤を含有する請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の研磨液。
  7. さらに、(e)4級アルキルアンモニウム化合物を含有する請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の研磨液。
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