JP2007225219A - 蓄熱装置 - Google Patents

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雅人 目片
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Abstract

【課題】伝熱性能を向上させるとともに、複数の流体間においても熱交換を可能にする使用性の高い蓄熱装置を提供すること。
【解決手段】蓄熱剤4と、前記蓄熱剤4の内部に充填され前記蓄熱剤4よりも熱伝導率の大きい材料によって形成されている伝熱促進材5とを備え、前記伝熱促進材5は少なくとも一部にプリーツ状部または波状部を有することを特徴とするもので、前記伝熱促進材5の少なくとも一部にプリーツ状部または波状部を形成することで、伝熱促進材5を蓄熱剤4の内部に多く充填でき、蓄熱剤4の伝熱性能を向上させ、蓄熱剤4をより有効的に活用することができるものである。つまり、一定のスペースに高密度に伝熱促進材5を配設することができ、蓄熱剤4の利用率を向上させるものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、蓄熱装置に関するものである。
蓄熱を行う方法として、非蓄熱時には固体となり蓄熱時には液体となる潜熱蓄熱剤の相変化を利用した蓄熱装置は良く知られており、この潜熱蓄熱剤をカプセル状の容器内に充填した蓄熱カプセルと被加熱流体を熱交換させることにより、蓄熱・放熱を行う装置はすでに実用化されている。
ここで、被加熱流体とカプセル自体との間の伝熱抵抗に比べて、カプセル内で固化する潜熱蓄熱剤の伝熱抵抗は一般的に大きいため、蓄熱カプセルとしての性能を向上させるためには潜熱蓄熱剤自体の熱伝導を向上させる必要がある。
この課題を解決するために、蓄熱カプセル内部に充填されている潜熱蓄熱剤に熱伝導率の大きい金属製の金網または線材を混合することで蓄熱カプセルの伝熱性能を向上させようとする試みが示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−281371号公報
しかしながら、上記従来の蓄熱カプセルでは、金網または線材の充填を不規則に行っているため、その設置方向等によっては、熱交換に際して、必ずしも高効率にならない場合も考えられ、当初見込んだ伝熱性能の向上が得られないという課題がある。
また、蓄熱カプセルを用いた熱交換は、流路中に蓄熱カプセルを配設して行うもので、一種類の流体におけるものしか実施できないという課題もあった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、伝熱性能を向上させるとともに、複数の流体間においても熱交換を可能にする使用性の高い蓄熱装置を提供することを目的とするものである。
前記従来の課題を解決するために、本発明の蓄熱装置は、蓄熱剤と、前記蓄熱剤の内部に充填され前記蓄熱剤よりも熱伝導率の大きい材料によって形成されている伝熱促進材とを備え、前記伝熱促進材は少なくとも一部にプリーツ状部または波状部を有することを特徴とするもので、前記伝熱促進材の少なくとも一部にプリーツ状部または波状部を形成することで、伝熱促進材を蓄熱剤の内部に多く充填でき、蓄熱剤の伝熱性能を向上させ、蓄熱剤をより有効的に活用することができるものである。つまり、一定のスペースに高密度に伝熱促進材を配設することができ、蓄熱剤の利用率を向上させるものである。
また、本発明の蓄熱装置は、加熱流体、被加熱流体の通路を備え、前記加熱流体の通路、前記被加熱流体の通路は、各々が蓄熱剤を介して対向するように配設されていることを特徴とするもので、複数の流体間においても熱交換を可能とし、使用性を向上させるものである。
本発明によれば、伝熱性能を向上させるとともに、複数の流体間においても熱交換を可
能にする使用性の高い蓄熱装置を提供できる。
第1の発明は、蓄熱剤と、前記蓄熱剤の内部に充填され前記蓄熱剤よりも熱伝導率の大きい材料によって形成されている伝熱促進材とを備え、前記伝熱促進材は少なくとも一部にプリーツ状部または波状部を有することを特徴とするもので、前記伝熱促進材の少なくとも一部にプリーツ状部または波状部を形成することで、伝熱促進材を蓄熱剤の内部に多く充填でき、蓄熱剤の伝熱性能を向上させ、蓄熱剤をより有効的に活用することができるものである。つまり、一定のスペースに高密度に伝熱促進材を配設することができ、蓄熱剤の利用率を向上させるものである。
第2の発明は、特に、第1の発明の伝熱促進材は、網状でシート状に加工された部材から形成されていることを特徴とするもので、伝熱促進材を収納できる寸法にて網状かつシート状に加工された構造としたことにより、潜熱蓄熱剤の充填量に与える影響を最小限に減らし、潜熱蓄熱剤と伝熱促進材との接触面積を増やすことで伝熱性能を向上させることができる。
第3の発明は、特に、第1または第2の発明の蓄熱装置において、加熱流体、被加熱流体の通路を備え、前記加熱流体の通路、前記被加熱流体の通路は、各々が蓄熱剤を介して対向するように配設されているとともに、前記伝熱促進材の曲げ部が前記加熱流体と前記被加熱流体における熱の伝達方向に対して略対向するように、前記伝熱促進材を配設したことを特徴とするもので、加熱流体と被加熱流体における熱の伝達方向に対して略対向するように伝熱促進材の曲げ部を配設することで、伝熱促進材の受熱面積が大きくなり、加熱流体から被加熱流体へ熱伝達する際、伝熱促進材に多量の熱が伝達されることで、蓄熱剤の伝熱性能を向上させ、蓄熱剤をより有効的に活用することができるものである。
第4の発明は、特に、第1〜第3のいずれかの発明の蓄熱装置において、加熱流体、被加熱流体の通路を備え、前記加熱流体の通路、前記被加熱流体の通路は、伝熱壁を挟み各々が蓄熱剤を介して対向するように配設されているとともに、前記伝熱壁と前記伝熱促進材とを接合したことを特徴とするもので、蓄熱剤と伝熱壁との熱抵抗を大幅に減少し、伝熱性能をさらに向上させることができる。
第5の発明は、加熱流体、被加熱流体の通路を備え、前記加熱流体の通路、前記被加熱流体の通路は、各々が蓄熱剤を介して対向するように配設されていることを特徴とする蓄熱装置で、複数の流体間においても熱交換を可能とし、使用性を向上させるものである。
第6の発明は、特に、第5の発明の蓄熱装置において、蓄熱剤の内部に充填され前記蓄熱剤よりも熱伝導率の大きい材料によって形成されている伝熱促進材を有することを特徴とするもので、蓄熱剤の伝熱性能を向上させ、蓄熱剤をより有効的に活用することができるものである。
第7の発明は、特に、第6の発明の伝熱促進材として形状が自在に変化する綿状の材料で構成された構造としたことにより、蓄熱容器内に伝熱促進材を充填する際の加工工程を簡素化することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における蓄熱装置の上面断面図、図2は本発明の実施の形
態1における蓄熱装置の側面断面図、図3は本発明の実施の形態1における蓄熱システムの斜視図である。蓄熱装置1は平板状の蓄熱容器2、前記蓄熱容器2に隣接している伝熱壁3a及び伝熱壁3b、前記蓄熱容器2と前記伝熱壁3a及び伝熱壁3bが形成する略四角形状の空間に充填されている潜熱蓄熱剤4、シート状に切断され錫メッキを施した線径0.25mmの銅製金網を規則的に波状に加工し前記潜熱蓄熱剤4内部に充填している伝熱促進材5、前記伝熱壁3aに隣接しており内部に潜熱蓄熱剤4を加熱する加熱流体(本実施の形態では湯)が流れる加熱流体通路6、前記伝熱壁3bに隣接しており内部に潜熱蓄熱剤4に蓄熱された熱を奪う被加熱流体(本実施の形態では水)が流れる被加熱流体通路7により構成される。
なお、加熱流体通路6、被加熱流体通路7は、各々が潜熱蓄熱剤4を介して対向するように配設されている。また、伝熱促進材5は、本実施の形態では波状に加工されているが、プリーツ状でも良い。また、この加工は伝熱促進材5の全域に施されているのが好ましいが、少なくとも一部に加工されていればよい。さらに、伝熱促進材5の波状やプリーツ状の曲げ部は、加熱流体通路6内の加熱流体から被加熱流体通路7内の被加熱流体における熱の伝達方向(図1の矢印)に対して略対向するように配設している。
蓄熱容器2は流体流路方向に沿って一定間隔で区切られており、蓄熱容器2間での熱移動を防止する構造としている。上記構成の蓄熱装置1はさらに幅方向及び厚み方向に積層され、大容量の蓄熱を行う蓄熱システム8として構成される。ここで、伝熱促進材5の充填量は潜熱蓄熱剤4の充填量に対して体積比率で6%であり、潜熱蓄熱剤4全体に満遍なく接触するような量を充填している。
この蓄熱装置1の作用を説明する。蓄熱運転を行う場合、加熱流体通路6にボイラー(図示せず)で加熱された高温の湯が流され、潜熱蓄熱剤4に蓄熱を行う。潜熱蓄熱剤4の温度が湯の温度に対して低い場合は、湯が有する熱は伝熱壁3aを通じて潜熱蓄熱剤4に移動する。潜熱蓄熱剤4は温度が上昇するにつれて固体から液体へと相変化を行い、潜熱領域の蓄熱を行う。熱交換を行うことで温度が低下した湯は加熱流体通路6を通じてボイラーに戻され、再加熱された後、加熱流体通路6に流されるという動作を繰り返し蓄熱装置1全体に充填されている潜熱蓄熱剤4に蓄熱が行われる。
放熱運転を行う場合、被加熱流体通路7に水道(図示せず)から供給された低温の水が流され、潜熱蓄熱剤4に蓄熱されている熱を利用して水の加熱を行う。潜熱蓄熱剤4の温度が水の温度に対して高い場合は、潜熱蓄熱剤4の有する熱は伝熱壁3bを通じて水に移動する。潜熱蓄熱剤4は温度が低下するにつれて液体から固体へと相変化を行い、潜熱領域の放熱を行う。熱交換を行うことで加熱された水は被加熱流体通路7を通じて利用系に送られ風呂、シャワー等に使用される。
ここで、潜熱蓄熱剤4に酢酸ナトリウム系の物質を使用した場合、固体時の熱伝導率は0.5〜0.6W/mK、液体時の熱伝導率は0.6〜0.7W/mK程度であり、従来の蓄熱装置1では蓄熱運転を行う際には充分熱交換されないうちにボイラーに戻ってきてしまうことから蓄熱完了までの時間が長くなってしまうという問題があり、放熱運転を行う際には潜熱蓄熱剤4自体にはまだ利用可能な熱が残っているにもかかわらず、取り出すことができないため、必要以上の潜熱蓄熱剤4を充填しておく必要があるという問題があった。
このため、蓄熱性能及び放熱性能を向上させるには潜熱蓄熱剤4の伝熱性能を向上させることが必要となる。ここで、本実施の形態のように体積比率で6%の銅製の伝熱促進材5を潜熱蓄熱剤4の中に満遍なく充填すると、銅の熱伝導率は386W/mKと非常に大きいため、潜熱蓄熱剤4と伝熱促進材5をあわせた見かけ上の熱伝導率は25W/mKと
なり、大幅に伝熱性能が改善される。これより、従来蓄熱性能、放熱性能改善のためにネックとなっていた部分の性能を向上させることができ、蓄熱装置1全体の性能を向上させることができたものである。
なお、本実施の形態では蓄熱運転時の加熱媒体にボイラーで加熱された湯を用いているが必ずしもこれに限定されるものではなく、ヒートポンプシステム等で加熱された冷媒を用いても何ら問題はない。
なお、本実施の形態に示した各種材料や数値などは必ずしもこれに限定されるものではなく、所定の役割を果たすことができるならば別の材料や数値で何ら問題はない。
(実施の形態2)
図4は本発明の実施の形態2における蓄熱装置の上面断面図、図5は本発明の実施の形態2における蓄熱装置の側面断面図である。伝熱促進材5が伝熱壁3a及び伝熱壁3bに対して垂直方向に規則的に折り曲げ加工され、伝熱壁3a及び伝熱壁3bと伝熱促進材5が物理的に接合されている以外は実施の形態1と同一構造である。
この蓄熱装置1の作用を説明する。蓄熱運転、放熱運転については実施の形態1と同一である。ここで、実施の形態1では伝熱壁3a及び伝熱壁3bと伝熱促進材5とは完全に接触しているわけではなく、間に潜熱蓄熱剤4が存在している。潜熱蓄熱剤4の熱伝導率は固体時0.5〜0.6W/mK、液体時0.6〜0.7W/mK程度と小さいため、わずかな隙間であるが伝熱性能向上のネックとなる。ここで、伝熱壁3a及び伝熱壁3bと伝熱促進材5をはんだ付け、ロウ付け等で強制的に接合すると、この間の熱抵抗が大幅に改善され、蓄熱時は時間を短縮することができ、放熱時は潜熱蓄熱剤4の持つ熱を充分に取り出すことが可能となり、蓄熱装置1全体の性能を向上させることができたものである。
なお、本実施の形態に示した各種材料や数値などは必ずしもこれに限定されるものではなく、所定の役割を果たすことができるならば別の材料や数値で何ら問題はない。
(実施の形態3)
図6は本発明の実施の形態3における蓄熱装置の上面断面図、図7は本発明の実施の形態3における蓄熱装置の側面断面図である。伝熱促進材にアルミ製の綿状金属を用いている以外は実施の形態1と同一構造である。
この蓄熱装置1の作用を説明する。蓄熱運転、放熱運転については実施の形態1と同一である。ここで、実施の形態1では伝熱促進材5に波状加工を行った銅製金網を使用していたが、金網状のものを潜熱蓄熱剤4に満遍なく接触させようとすると曲げ加工等、なんらかの加工工程が必要となり、蓄熱容器2の大きさ、形状等を調整しようとするとその都度伝熱促進材5の寸法を調整する必要がある。
ここで、金網よりも線径が細く柔らかい綿状に加工されたアルミ製の伝熱促進材5を蓄熱容器2内に満遍なく充填し、潜熱蓄熱剤4と接触するような構造とすることにより、特別な加工を必要とせず、蓄熱容器2の大きさ、形状に合わせて自在に伝熱促進材5の充填量を変更することが可能となり、特に伝熱性能を強化したい蓄熱容器2内の充填量を増やす等の自在性を高めることができる。
なお、本実施の形態に示した各種材料や数値などは必ずしもこれに限定されるものではなく、所定の役割を果たすことができるならば別の材料や数値で何ら問題はない。
以上のように、本発明にかかる蓄熱装置は、熱伝導率の低い物質の熱伝導性を向上させることが可能となるため、熱移動を促進したい装置全般に利用可能である。
本発明の実施の形態1における蓄熱装置の上面断面図 本発明の実施の形態1における蓄熱装置の側面断面図 本発明の実施の形態1における蓄熱システムの斜視図 本発明の実施の形態2における蓄熱装置の上面断面図 本発明の実施の形態2における蓄熱装置の側面断面図 本発明の実施の形態3における蓄熱装置の上面断面図 本発明の実施の形態3における蓄熱装置の側面断面図
符号の説明
1 蓄熱装置
2 蓄熱容器
3a 伝熱壁
3b 伝熱壁
4 潜熱蓄熱剤
5 伝熱促進材

Claims (7)

  1. 蓄熱剤と、前記蓄熱剤の内部に充填され前記蓄熱剤よりも熱伝導率の大きい材料によって形成されている伝熱促進材とを備え、前記伝熱促進材は少なくとも一部にプリーツ状部または波状部を有することを特徴とする蓄熱装置。
  2. 伝熱促進材は、網状でシート状に加工された部材から形成されていることを特徴とする請求項1記載の蓄熱装置。
  3. 加熱流体、被加熱流体の通路を備え、前記加熱流体の通路、前記被加熱流体の通路は、各々が蓄熱剤を介して対向するように配設されているとともに、前記伝熱促進材の曲げ部が前記加熱流体と前記被加熱流体における熱の伝達方向に対して略対向するように、前記伝熱促進材を配設したことを特徴とする請求項1または2記載の蓄熱装置。
  4. 加熱流体、被加熱流体の通路を備え、前記加熱流体の通路、前記被加熱流体の通路は、伝熱壁を挟み各々が蓄熱剤を介して対向するように配設されているとともに、前記伝熱壁と前記伝熱促進材とを接合したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の蓄熱装置。
  5. 加熱流体、被加熱流体の通路を備え、前記加熱流体の通路、前記被加熱流体の通路は、各々が蓄熱剤を介して対向するように配設されていることを特徴とする蓄熱装置。
  6. 蓄熱剤の内部に充填され前記蓄熱剤よりも熱伝導率の大きい材料によって形成されている伝熱促進材を有することを特徴とする請求項5記載の蓄熱装置。
  7. 伝熱促進材が、綿状の材料で形成されていることを特徴とする請求項6に記載の蓄熱装置。
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